JP2018202401A - 自動車用還元触媒構造体及びその製造方法ならびに自動車の排気ガス処理装置 - Google Patents

自動車用還元触媒構造体及びその製造方法ならびに自動車の排気ガス処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた触媒機能を有する高活性な自動車用還元触媒構造体及びその製造方法ならびに自動車の排気ガス処理装置を提供する。【解決手段】自動車用還元触媒構造体1は、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体10と、該担体に内在する少なくとも1つの金属からなるノックス還元触媒20とを備える。担体10は、互いに連通する通路11を有している。具体的には、担体10は、該担体10の内部に、上記多孔質構造の複数の孔11a,11a,・・・が互いに連通するように形成された通路11を有する。ノックス還元触媒20は、担体10の少なくとも通路11に存在している。【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質構造の担体とノックス還元触媒とを備える自動車用還元触媒構造体、及びその製造方法ならびに自動車の排気ガス処理装置に関する。
近年の環境意識の高まりに伴い、自動車の排気ガス規制が厳しくなっている。自動車から排出される排気ガス中にはノックス(NO;窒素酸化物)が含まれる。環境基準により、排気ガス中のノックス量を所定の濃度以下にすることが要求される。特に、ディーゼルエンジンを搭載した自動車から排出される排気ガス中に含まれるノックス量は多いため、排気ガス中のノックス量を低減することが強く要望されている。
そこで、従来から、自動車には排気ガス処理装置が内蔵され、環境基準に適合するように、排気ガス中のノックス量を低減することが行われている。例えば、尿素の加水分解反応で生成するアンモニアを用いてノックスの還元を行う方法が行われている。上記のようなノックスの還元を効率的に行うために通常、選択的触媒還元(Selective Catalytic Reduction)が行われ、この処理のためにノックス還元触媒が使用される。このノックス還元触媒は一般的に、耐熱性の担持体により担持させた形態のものが用いられている。
非特許文献1は、アンモニアや尿素などの窒素系還元剤を用いた選択的触媒還元によるノックスの還元反応を開示する。
阿部英樹、「自動車排出ガス触媒の現状と将来」、科学技術動向、科学技術・学術政策研究所、2010年12月号、p.2、8−16
ノックスの選択的触媒還元を効率的に行うためには、ノックス還元触媒が高い触媒活性を有するように排気ガスの温度を高温にする必要がある。しかし、自動車のエンジン始動直後はノックス濃度が比較的、高くなると共に排気ガスの温度も低いものとなっていた。このため、ノックス還元触媒が十分な触媒活性を発揮できず、自動車のエンジン始動直後から排気ガス中のノックス量を十分に低減できないという問題があった。そこで、排気ガスの温度が低温であっても十分な触媒機能を有する、高活性なノックス還元触媒が求められていた。
本発明の目的は、優れた触媒機能を有する高活性な自動車用還元触媒構造体及びその製造方法ならびに自動車の排気ガス処理装置を提供することにある。
本発明の要旨構成は以下の通りである。
[1]ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体と、
前記担体に内在する少なくとも1つの、金属からなるノックス還元触媒と、
を備え、
前記担体が、互いに連通する通路を有し、
前記ノックス還元触媒が、前記担体の少なくとも前記通路に存在していることを特徴とする、自動車用還元触媒構造体。
[2]前記通路は、前記ゼオライト型化合物の骨格構造によって画定される一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかと、前記一次元孔、前記二次元孔及び前記三次元孔のうちのいずれとも異なる拡径部を有し、かつ
前記ノックス還元触媒が、少なくとも前記拡径部に存在していることを特徴とする、上記[1]記載の自動車用還元触媒構造体。
[3]前記拡径部は、前記一次元孔、前記二次元孔及び前記三次元孔のうちのいずれかを構成する複数の孔同士を連通していることを特徴とする、上記[2]記載の自動車用還元触媒構造体。
[4]前記ノックス還元触媒は金属微粒子であり、
前記金属微粒子の平均粒径が、前記通路の平均内径よりも大きく、且つ前記拡径部の内径以下であることを特徴とする、上記[2]又は[3]記載の自動車用還元触媒構造体。
[5]前記金属微粒子の金属元素(M)が、前記自動車用還元触媒構造体に対して0.5〜2.5質量%で含有されていることを特徴とする、上記[4]記載の自動車用還元触媒構造体。
[6]前記金属微粒子の平均粒径が、0.08nm〜30nmであることを特徴とする、上記[4]又は[5]記載の自動車用還元触媒構造体。
[7]前記金属微粒子の平均粒径が、0.4nm〜11.0nmであることを特徴とする、上記[6]記載の自動車用還元触媒構造体。
[8]前記通路の平均内径に対する前記金属微粒子の平均粒径の割合が、0.05〜300であることを特徴とする、上記[4]〜[7]のいずれか1つに記載の自動車用還元触媒構造体。
[9]前記通路の平均内径に対する前記金属微粒子の平均粒径の割合が、0.1〜30であることを特徴とする、上記[8]記載の自動車用還元触媒構造体。
[10]前記通路の平均内径に対する前記金属微粒子の平均粒径の割合が、1.4〜3.6であることを特徴とする、上記[9]記載の自動車用還元触媒構造体。
[11]前記通路の平均内径は、0.1nm〜1.5nmであり、
前記拡径部の内径は、0.5nm〜50nmであることを特徴とする、上記[2]〜[10]のいずれか1つに記載の自動車用還元触媒構造体。
[12]前記担体の外表面に保持された少なくとも1つの他の機能性物質を更に備えることを特徴とする、上記[1]〜[11]のいずれか1つに記載の自動車用還元触媒構造体。
[13]前記担体に内在する前記少なくとも1つのノックス還元触媒の含有量が、前記担体の外表面に保持された前記少なくとも1つの他の機能性物質の含有量よりも大きいことを特徴とする、上記[12]記載の自動車用還元触媒構造体。
[14]前記ゼオライト型化合物は、ケイ酸塩化合物であることを特徴とする、上記[1]〜[13]のいずれか1つに記載の自動車用還元触媒構造体。
[15]上記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の自動車用還元触媒構造体を有する、自動車の排気ガス処理装置。
[16]ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成する焼成工程と、
前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)を水熱処理する水熱処理工程と、
前記水熱処理された前駆体材料(C)に還元処理を行う工程と、
を有することを特徴とする自動車用還元触媒構造体の製造方法。
[17]前記焼成工程の前に、非イオン性界面活性剤を、前記前駆体材料(A)に対して50〜500質量%添加することを特徴とする、上記[16]記載の自動車用還元触媒構造体の製造方法。
[18]前記焼成工程の前に、前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を複数回に分けて添加することで、前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を含浸させることを特徴とする、上記[16]又は[17]記載の自動車用還元触媒構造体の製造方法。
[19]前記焼成工程の前に前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を含浸させる際に、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液の添加量を、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前記前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算して、10〜1000となるように調整することを特徴とする、上記[16]〜[18]のいずれか1つに記載の自動車用還元触媒構造体の製造方法。
[20]前記水熱処理工程において、前記前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合することを特徴とする、上記[16]記載の自動車用還元触媒構造体の製造方法。
[21]前記水熱処理工程が塩基性雰囲気下で行われることを特徴とする、上記[16]記載の自動車用還元触媒構造体の製造方法。
本発明によれば、優れた触媒機能を有する高活性な自動車用還元触媒構造体及びその製造方法ならびに自動車の排気ガス処理装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車用還元触媒構造体の内部構造が分かるように概略的に示したものであって、図1(a)は斜視図(一部を横断面で示す。)、図1(b)は部分拡大断面図である。 図2は、図1の自動車用還元触媒構造体の機能の一例を説明するための部分拡大断面図であり、図2(a)は篩機能、図2(b)は触媒能を説明する図である。 図3は、図1の自動車用還元触媒構造体の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、図1の自動車用還元触媒構造体の変形例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[自動車用還元触媒構造体の構成]
図1は、本発明の実施形態に係る自動車用還元触媒構造体の構成を概略的に示す図であり、(a)は斜視図(一部を横断面で示す。)、(b)は部分拡大断面図である。なお、図1における自動車用還元触媒構造体は、その一例を示すものであり、本発明に係る各構成の形状、寸法等は、図1のものに限られないものとする。
図1(a)に示されるように、自動車用還元触媒構造体1は、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体10と、該担体10に内在する、少なくとも1つのノックス還元触媒20とを備える。
自動車用還元触媒構造体1において、複数のノックス還元触媒20,20,・・・は、担体10の多孔質構造の内部に存在している。ノックス還元触媒20は、還元触媒能(還元触媒活性)を有する物質であればよく、好ましくは金属微粒子である。金属微粒子については、詳しくは後述する。
担体10は、多孔質構造であり、図1(b)に示すように、好適には複数の孔11a,11a,・・・が形成されることにより、互いに連通する通路11を有する。ここでノックス還元触媒20は、担体10の少なくとも通路11に存在しており、好ましくは担体10の少なくとも通路11に保持されている。
このような構成により、担体10内でのノックス還元触媒20の移動が規制され、ノックス還元触媒20、20同士の凝集が有効に防止されている。その結果、ノックス還元触媒20としての有効表面積の減少を効果的に抑制することができ、ノックス還元触媒20の還元触媒活性は長期にわたって持続する。すなわち、自動車用還元触媒構造体1によれば、ノックス還元触媒20の凝集による還元触媒活性の低下を抑制でき、ノックス還元触媒1としての長寿命化を図ることができる。また、ノックス還元触媒1の長寿命化により、ノックス還元触媒1の交換頻度を低減でき、使用済みのノックス還元触媒1の廃棄量を大幅に低減することができ、省資源化を図ることができる。
通常、ノックス還元触媒を、流体(自動車の排気ガスなど)の中で用いる場合、流体から外力を受ける可能性がある。この場合、ノックス還元触媒が、担体10の外表面に付着状態で保持されているだけであると、流体からの外力の影響で担体10の外表面から離脱しやすいという問題がある。これに対し、自動車用還元触媒構造体1では、ノックス還元触媒20は担体10の少なくとも通路11に存在しているため、流体による外力の影響を受けたとしても、担体10からノックス還元触媒20が離脱しにくい。すなわち、自動車用還元触媒構造体1が流体内にある場合、流体は担体10の孔11aから、通路11内に流入するため、通路11内を流れる流体の速さは、流路抵抗(摩擦力)により、担体10の外表面を流れる流体の速さに比べて、遅くなると考えられる。このような流路抵抗の影響により、通路11内に存在するノックス還元触媒20が流体から受ける圧力は、担体10の外部においてノックス還元触媒が流体から受ける圧力に比べて低くなる。そのため、担体11に内在するノックス還元触媒20が離脱することを効果的に抑制でき、ノックス還元触媒20の還元触媒活性を長期的に安定して維持することが可能となる。なお、上記のような流路抵抗は、担体10の通路11が、曲がりや分岐を複数有し、担体10の内部がより複雑で三次元的な立体構造となっているほど、大きくなると考えられる。
また、通路11は、ゼオライト型化合物の骨格構造によって画定される一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかと、上記一次元孔、上記二次元孔及び上記三次元孔のうちのいずれとも異なる拡径部12とを有していることが好ましく、このとき、金属微粒子20は、少なくとも拡径部12に存在していることが好ましく、少なくとも拡径部12に包接されていることがより好ましい。ここでいう一次元孔とは、一次元チャンネルを形成しているトンネル型またはケージ型の孔、もしくは複数の一次元チャンネルを形成しているトンネル型またはケージ型の複数の孔(複数の一次元チャンネル)を指す。また、二次元孔とは、複数の一次元チャンネルが二次元的に連結された二次元チャンネルを指し、三次元孔とは、複数の一次元チャンネルが三次元的に連結された三次元チャンネルを指す。
これにより、ノックス還元触媒20の担体10内での移動がさらに規制され、ノックス還元触媒20の離脱や、ノックス還元触媒20、20同士の凝集をさらに有効に防止することができる。包接とは、ノックス還元触媒20が担体10に内包されている状態を指す。このときノックス還元触媒20と担体10とは、必ずしも直接的に互いが接触している必要はなく、ノックス還元触媒20と担体10との間に他の物質(例えば、界面活性剤等)が介在した状態で、ノックス還元触媒20が担体10に間接的に存在していてもよい。
図1(b)ではノックス還元触媒20が拡径部12に存在している場合を示しているが、この構成だけには限定されず、ノックス還元触媒20は、その一部が拡径部12の外側にはみ出した状態で通路11に存在していてもよい。また、ノックス還元触媒20は、拡径部12以外の通路11の部分(例えば通路11の内壁部分)に部分的に埋設され、または固着等によって存在していてもよい。
また、拡径部12は、上記一次元孔、上記二次元孔及び上記三次元孔のうちのいずれかを構成する複数の孔11a,11a同士を連通しているのが好ましい。これにより、担体10の内部に、一次元孔、二次元孔又は三次元孔とは異なる別途の通路が設けられるので、ノックス還元触媒20の機能をより発揮させることができる。
また、通路11は、担体10の内部に、分岐部または合流部を含んで三次元的に形成されており、拡径部12は、通路11の上記分岐部または合流部に設けられるのが好ましい。
担体10に形成された通路11の平均内径Dは、上記一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかを構成する孔11aの短径及び長径の平均値から算出され、例えば0.1nm〜1.5nmであり、好ましくは0.5nm〜0.8nmである。また、拡径部12の内径Dは、例えば0.5nm〜50nmであり、好ましくは1.1nm〜40nm、より好ましくは1.1nm〜3.3nmである。拡径部12の内径Dは、例えば後述する前駆体材料(A)の細孔径、及び存在するノックス還元触媒20の平均粒径Dに依存する。拡径部12の内径Dは、ノックス還元触媒20が存在し得る大きさである。
担体10は、ゼオライト型化合物で構成される。ゼオライト型化合物としては、例えば、ゼオライト(アルミノケイ酸塩)、陽イオン交換ゼオライト、シリカライト等のケイ酸塩化合物、アルミノホウ酸塩、アルミノヒ酸塩、ゲルマニウム酸塩等のゼオライト類縁化合物、リン酸モリブデン等のリン酸塩系ゼオライト類似物質などが挙げられる。中でも、ゼオライト型化合物はケイ酸塩化合物であることが好ましい。
ゼオライト型化合物の骨格構造は、FAU型(Y型またはX型)、MTW型、MFI型(ZSM−5)、FER型(フェリエライト)、LTA型(A型)、MWW型(MCM−22)、MOR型(モルデナイト)、LTL型(L型)、BEA型(ベータ型)などの中から選択され、好ましくはMFI型であり、より好ましくはZSM−5である。ゼオライト型化合物には、各骨格構造に応じた孔径を有する孔が複数形成されており、例えばMFI型の最大孔径は0.636nm(6.36Å)、平均孔径0.560nm(5.60Å)である。
以下、ノックス還元触媒20が金属微粒子である場合について詳しく説明する。
金属微粒子20は一次粒子である場合と、一次粒子が凝集して形成した二次粒子である場合とがあるが、金属微粒子20の平均粒径Dは、好ましくは通路11の平均内径Dよりも大きく、且つ拡径部12の内径D以下である(D<D≦D)。このような金属微粒子20は、通路11内では、拡径部12に存在し、好適には包接されており、担体10内での金属微粒子20の移動が規制される。よって、金属微粒子20が流体から外力を受けた場合であっても、担体10内での金属微粒子20の移動が抑制され、担体10の通路11に分散配置された拡径部12、12、・・のそれぞれに存在する金属微粒子20、20、・・同士が接触するのを有効に防止することができる。
また、金属微粒子20の平均粒径Dは、一次粒子および二次粒子のいずれの場合も、好ましくは0.08nm〜30nmであり、より好ましくは0.08nm以上25nm未満であり、さらに好ましくは0.4nm〜11.0nmであり、特に好ましくは0.8nm〜2.7nmである。また、通路11の平均内径Dに対する金属微粒子20の平均粒径Dの割合(D/D)は、好ましくは0.05〜300であり、より好ましくは0.1〜30であり、更に好ましくは1.1〜30であり、特に好ましくは1.4〜3.6である。
また、ノックス還元触媒20が金属微粒子である場合、金属微粒子の金属元素(M)は、自動車用還元触媒構造体1に対して0.5〜2.5質量%で含有されているのが好ましく、自動車用還元触媒構造体1に対して0.5〜1.5質量%で含有されているのがより好ましい。例えば、金属元素(M)がCoである場合、Co元素の含有量(質量%)は、[(Co元素の質量)/(自動車用還元触媒構造体1の全元素の質量)]×100で表される。
上記金属微粒子は、酸化されていない金属で構成されていればよく、例えば、単一の金属で構成されていてもよく、あるいは2種以上の金属の混合物で構成されていてもよい。なお、本明細書において、金属微粒子を構成する(材質としての)「金属」は、1種の金属元素(M)を含む単体金属と、2種以上の金属元素(M)を含む金属合金とを含む意味であり、1種以上の金属元素を含む金属の総称である。
上記金属微粒子20は、金、銀、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)のいずれかまたは2種以上を主成分とする複合金属からなるのが好ましい。金属微粒子20は、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム及びオスミウムからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属からなる金属微粒子であるのがより好ましい。本実施形態において金属微粒子の「金属」とは、金属元素の単体であり、酸化されていない金属をいう。
また、金属微粒子20を構成する金属元素(M)に対する、担体10を構成するケイ素(Si)の割合(原子数比Si/M)は、10〜1000であるのが好ましく、50〜200であるのがより好ましい。上記割合が1000より大きいと、還元触媒活性が低く、ノックス還元触媒としての作用が十分に得られない可能性がある。一方、上記割合が10よりも小さいと、金属微粒子20の割合が大きくなりすぎて、担体10の強度が低下する傾向がある。なお、ここでいう金属微粒子20は、担体10の内部に存在し、好適には保持され、または担持された微粒子をいい、担体10の外表面に付着した金属微粒子を含まない。
[自動車用還元触媒構造体の機能]
自動車用還元触媒構造体1は、ノックス(窒素酸化物)を透過する分子篩能を有する。具体的には、図2(a)に示すように、ノックスは担体10の外表面10aに形成された孔11aの内径以下の大きさを有するため、担体10内に浸入することができ、孔11aの内径を超える大きさを有する排気ガス成分15は、担体10内への浸入が規制される。この分子篩能により、孔11aに入ることができるノックスを優先的に反応させることができる。ここで、「ノックス」とは窒素酸化物を意味し、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)、亜酸化窒素(一酸化二窒素)(NO)、三酸化二窒素(N)、四酸化二窒素(N)、五酸化二窒素(N)などを挙げることができる。ノックスは、化学式NOxとしても表される。自動車の排気ガス中のノックスは主に、一酸化窒素から構成される。
上記反応によって孔11a内で生じた分子のうち、孔11aから担体10の外部に出ることができる分子のみを生成物として得ることができ、孔11aから担体10の外部に出ることができない分子は、孔11aから出ることできる大きさの分子に変換された後、孔11aから担体10の外部に出る。これにより、担体10の外部に出る分子を所定分子に規制することができる。
また、自動車用還元触媒構造体1では、通路11の拡径部12にノックス還元触媒20が存在している。よって、孔11a、すなわち通路11に浸入したノックスがノックス還元触媒20と接触する。また、ノックス還元触媒20が、例えば金属微粒子である場合、金属微粒子の平均粒径Dが、通路11の平均内径Dよりも大きく、拡径部12の内径Dよりも小さい場合には(D<D<D)、金属微粒子と拡径部12との間に小通路13が形成され(図中の矢印)、小通路13に浸入したノックスが、金属微粒子と接触する。このとき、ノックス還元触媒20は、拡径部12に存在することによって移動が制限され、通路11に浸入したノックスを含む流体との大きな接触面積を維持することができる。
そして、通路11に浸入したノックスがノックス還元触媒20としての金属微粒子に接触すると例えば、下記に示すような還元反応によってノックスが還元される。
NO→1/2N+x/2O (1)
NO+2x/3NH→(1/2+x/3)N+xHO (2)
上式(1)の還元反応はノックス還元触媒が不均一触媒として機能する不均一触媒反応である。また、上式(2)の還元反応はSCR(選択的触媒還元)による反応である。
ここで、金属微粒子20は排気ガスが高温である場合、金属微粒子20が排気ガスから受ける熱によって拡散し、拡散によって金属超微粒子化して、拡径部12から脱離することが懸念される。しかしながら、例えば粒径5nm程度の小さな金属微粒子がより小さい金属微粒子として拡散する現象は不安定であり、拡散の進行には高い活性化エネルギーが必要とされるため、上記のような拡散は進行し難い。また、仮に拡散が進行した場合であっても、金属微粒子20が超微粒子化するため、拡散後の触媒としての有効表面積は拡散前よりも増大することになる。また、通路11は、図1(b)では簡略化して記載されているが、実際には金属微粒子20の内在によって三次元的に複雑な構造を有しているため、通路11の内壁表面に沿う金属微粒子の移動をある程度規制することが可能となり、金属微粒子20の移動に因る凝集(シンタリング)を抑制することができるものと推察される。更に、金属微粒子20が拡径部12から脱離した場合であっても、通路11の上記構造により、金属超微粒子が担体10内に留まる時間が長くなると推察される。したがって、金属微粒子20が拡径部12に存在することで、ノックス還元触媒としての機能を長期的に発揮することが可能となる。また、ノックス還元触媒の大きな表面積を維持することにより、優れた触媒機能を有する高活性なノックス還元触媒とすることができる。従って、エンジン始動直後等の排気ガスの温度が低温の場合であっても高効率で、ノックスを還元することができる。
[自動車の排気ガス処理装置]
一実施形態では、自動車用還元触媒構造体を有する自動車の排気ガス処理装置が提供されてもよい。自動車の排気ガス処理装置は、自動車用還元触媒構造体を単独で有していてもよいし、自動車用酸化触媒構造体等の他の触媒構造体や、粒子状物質の捕集フィルタ等と組み合わせてもよい。このような構成を有する装置に自動車用還元触媒構造体を用いることで、上記と同様の効果を奏することができる。
[自動車用還元触媒構造体の製造方法]
図3は、図1の自動車用還元触媒構造体1の製造方法を示すフローチャートである。以下、担体に内在するノックス還元触媒が金属微粒子である場合を例に、自動車用還元触媒構造体の製造方法の一例を説明する。
(ステップS1:準備工程)
図3に示すように、先ず、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)を準備する。前駆体材料(A)は、好ましくは規則性メソ細孔物質であり、自動車用還元触媒構造体の担体を構成するゼオライト型化合物の種類(組成)に応じて適宜選択できる。
ここで、自動車用還元触媒構造体の担体を構成するゼオライト型化合物がケイ酸塩化合物である場合には、規則性メソ細孔物質は、細孔径1〜50nmの細孔が1次元、2次元または3次元に均一な大きさかつ規則的に発達したSi−O骨格からなる化合物であることが好ましい。このような規則性メソ細孔物質は、合成条件によって様々な合成物として得られるが、合成物の具体例としては、例えばSBA−1、SBA−15、SBA−16、KIT−6、FSM−16、MCM−41等が挙げられ、中でもMCM−41が好ましい。なお、SBA−1の細孔径は10〜30nm、SBA−15の細孔径は6〜10nm、SBA−16の細孔径は6nm、KIT−6の細孔径は9nm、FSM−16の細孔径は3〜5nm、MCM−41の細孔径は1〜10nmである。また、このような規則性メソ細孔物質としては、例えばメソポーラスシリカ、メソポーラスアルミノシリケート、メソポーラスメタロシリケート等が挙げられる。
前駆体材料(A)は、市販品および合成品のいずれであってもよい。前駆体材料(A)を合成する場合には、公知の規則性メソ細孔物質の合成方法により行うことができる。例えば、前駆体材料(A)の構成元素を含有する原料と、前駆体材料(A)の構造を規定するための鋳型剤とを含む混合溶液を調製し、必要に応じてpHを調整して、水熱処理(水熱合成)を行う。その後、水熱処理により得られた沈殿物(生成物)を回収(例えば、ろ別)し、必要に応じて洗浄および乾燥し、さらに焼成することで、粉末状の規則性メソ細孔物質である前駆体材料(A)が得られる。ここで、混合溶液の溶媒としては、例えば水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶媒等を用いることができる。また、原料は、担体の種類に応じて選択されるが、例えばテトラエトキシシラン(TEOS)等のシリカ剤、フュームドシリカ、石英砂等が挙げられる。また、鋳型剤としては、各種界面活性剤、ブロックコポリマー等を用いることができ、規則性メソ細孔物質の合成物の種類に応じて選択することが好ましく、例えばMCM−41を作製する場合にはヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等の界面活性剤が好適である。水熱処理は、例えば、密閉容器内で、80〜800℃、5時間〜240時間、0〜2000kPaの処理条件で行うことができる。焼成処理は、例えば、空気中で、350〜850℃、2〜30時間の処理条件で行うことができる。
(ステップ2:含浸工程)
次に、準備した前駆体材料(A)に、金属含有溶液を含浸させ、前駆体材料(B)を得る。
金属含有溶液は、自動車用還元触媒構造体の金属微粒子を構成する金属元素(M)に対応する金属成分(例えば、金属イオン)を含有する溶液であればよく、例えば、溶媒に、金属元素(M)を含有する金属塩を溶解させることにより調製できる。このような金属塩としては、例えば、塩化物、水酸化物、酸化物、硫酸塩、硝酸塩等の金属塩が挙げられ、中でも硝酸塩が好ましい。溶媒としては、例えば水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶媒等を用いることができる。
前駆体材料(A)に金属含有溶液を含浸させる方法は、特に限定されないが、例えば、後述する焼成工程の前に、粉末状の前駆体材料(A)を撹拌しながら、金属含有溶液を複数回に分けて少量ずつ添加することが好ましい。また、前駆体材料(A)の細孔内部に金属含有溶液がより浸入し易くなる観点から、前駆体材料(A)に、金属含有溶液を添加する前に予め、添加剤として界面活性剤を添加しておくことが好ましい。このような添加剤は、前駆体材料(A)の外表面を被覆する働きがあり、その後に添加される金属含有溶液が前駆体材料(A)の外表面に付着することを抑制し、金属含有溶液が前駆体材料(A)の細孔内部により浸入し易くなると考えられる。非イオン性界面活性剤の添加方法としては、例えば、後述する焼成工程の前に、非イオン性界面活性剤を、前駆体材料(A)に対して50〜500質量%添加するのが好ましい。非イオン性界面活性剤の前駆体材料(A)に対する添加量が50質量%未満であると上記の抑制作用が発現し難く、非イオン性界面活性剤を前駆体材料(A)に対して500質量%よりも多く添加すると粘度が上がりすぎるので好ましくない。よって、非イオン性界面活性剤の前駆体材料(A)に対する添加量を上記範囲内の値とする。
このような添加剤としては、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、分子サイズが大きく前駆体材料(A)の細孔内部には浸入できないため、細孔の内部に付着することは無く、金属含有溶液が細孔内部に浸入することを妨げないと考えられる。
また、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量は、前駆体材料(A)に含浸させる金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)の量(すなわち、前駆体材料(B)に内在させる金属元素(M)の量)を考慮して、適宜調整することが好ましい。例えば、後述する焼成工程の前に、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量は、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算して、10〜1000となるように調整することが好ましく、50〜200となるように調整することがより好ましい。例えば、前駆体材料(A)に金属含有溶液を添加する前に、添加剤として界面活性剤を前駆体材料(A)に添加した場合、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量を、原子数比Si/Mに換算して50〜200とすることで、金属微粒子の金属元素(M)を、自動車用還元触媒構造体1に対して0.5〜2.5質量%で含有させることができる。前駆体材料(B)の状態で、その細孔内部に存在する金属元素(M)の量は、金属含有溶液の金属濃度や、上記添加剤の有無、その他温度や圧力等の諸条件が同じであれば、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量に概ね比例する。また、前駆体材料(B)に内在する金属元素(M)の量は、自動車用還元触媒構造体の担体に内在する金属微粒子を構成する金属元素の量と比例関係にある。したがって、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量を上記範囲に制御することにより、前駆体材料(A)の細孔内部に金属含有溶液を十分に含浸させることができ、ひいては、自動車用還元触媒構造体の担体に内在させる金属微粒子の量を調整することができる。
前駆体材料(A)に金属含有溶液を含浸させた後は、必要に応じて、洗浄処理を行ってもよい。洗浄溶液として、水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶液を用いることができる。また、前駆体材料(A)に金属含有溶液を含浸させ、必要に応じて洗浄処理を行った後、さらに乾燥処理を施すことが好ましい。乾燥処理としては、一晩程度の自然乾燥や、150℃以下の高温乾燥が挙げられる。なお、金属含有溶液に含まれる水分や、洗浄溶液の水分が、前駆体材料(A)に多く残った状態で、後述の焼成処理を行うと、前駆体材料(A)の規則性メソ細孔物質としての骨格構造が壊れる恐れがあるので、十分に乾燥するのが好ましい。
(ステップS3:焼成工程)
次に、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成して、前駆体材料(C)を得る。
焼成処理は、例えば、空気中で、350〜850℃、2〜30時間の処理条件で行うことが好ましい。このような焼成処理により、規則性メソ細孔物質の孔内に含浸された金属成分が結晶成長して、孔内で金属微粒子が形成される。
(ステップS4:水熱処理工程)
次いで、前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合した混合溶液を調製し、前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)を水熱処理して、自動車用還元触媒構造体を得る。
構造規定剤は、自動車用還元触媒構造体の担体の骨格構造を規定するための鋳型剤であり、例えば界面活性剤を用いることができる。構造規定剤は、自動車用還元触媒構造体の担体の骨格構造に応じて選択することが好ましく、例えばテトラメチルアンモニウムブロミド(TMABr)、テトラエチルアンモニウムブロミド(TEABr)、テトラプロピルアンモニウムブロミド(TPABr)等の界面活性剤が好適である。
前駆体材料(C)と構造規定剤との混合は、本水熱処理工程時に行ってもよいし、水熱処理工程の前に行ってもよい。また、上記混合溶液の調製方法は、特に限定されず、前駆体材料(C)と、構造規定剤と、溶媒とを同時に混合してもよいし、溶媒に前駆体材料(C)と構造規定剤とをそれぞれ個々の溶液に分散させた状態にした後に、それぞれの分散溶液を混合してもよい。溶媒としては、例えば水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶媒等を用いることができる。また、混合溶液は、水熱処理を行う前に、酸または塩基を用いてpHを調整しておくことが好ましい。
水熱処理は、公知の方法で行うことができ、例えば、密閉容器内で、80〜800℃、5時間〜240時間、0〜2000kPaの処理条件で行うことが好ましい。また、水熱処理は、塩基性雰囲気下で行われることが好ましい。ここでの反応メカニズムは必ずしも明らかではないが、前駆体材料(C)を原料として水熱処理を行うことにより、前駆体材料(C)の規則性メソ細孔物質としての骨格構造は次第に崩れるが、前駆体材料(C)の細孔内部での金属微粒子の位置は概ね維持されたまま、構造規定剤の作用により、自動車用還元触媒構造体の担体としての新たな骨格構造(多孔質構造)が形成される。このようにして得られた自動車用還元触媒構造体は、多孔質構造の担体と、担体に内在する金属微粒子を備え、さらに担体はその多孔質構造により複数の孔が互いに連通した通路を有し、金属微粒子はその少なくとも一部分が担体の通路に存在している。
また、本実施形態では、上記水熱処理工程において、前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合した混合溶液を調製して、前駆体材料(C)を水熱処理しているが、これに限らず、前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合すること無く、前駆体材料(C)を水熱処理してもよい。
水熱処理後に得られる沈殿物(自動車用還元触媒構造体)は、回収(例えば、ろ別)後、必要に応じて洗浄、乾燥および焼成することが好ましい。洗浄溶液としては、水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶液を用いることができる。乾燥処理としては、一晩程度の自然乾燥や、150℃以下の高温乾燥が挙げられる。なお、沈殿物に水分が多く残った状態で、焼成処理を行うと、自動車用還元触媒構造体の担体としての骨格構造が壊れる恐れがあるので、十分に乾燥するのが好ましい。また、焼成処理は、例えば、空気中で、350〜850℃、2〜30時間の処理条件で行うことができる。このような焼成処理により、自動車用還元触媒構造体に付着していた構造規定剤が焼失する。また、自動車用還元触媒構造体は、使用目的に応じて、回収後の沈殿物を焼成処理することなくそのまま用いることもできる。例えば、自動車用還元触媒構造体の使用する環境が、酸化性雰囲気の高温環境である場合には、使用環境に一定時間晒すことで、構造規定剤は焼失し、焼成処理した場合と同様の自動車用還元触媒構造体が得られるので、そのまま使用することが可能となる。
以上説明した製造方法は、前駆体材料(A)に含浸させる金属含有溶液に含まれる金属元素(M)が、酸化され難い金属種(例えば、貴金属)である場合の一例である。
前駆体材料(A)に含浸させる金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)が、酸化され易い金属種(例えば、Fe、Co、Cu等)である場合には、上記水熱処理工程後に、水熱処理された前駆体材料(C)に還元処理を行うことが好ましい。金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)が、酸化され易い金属種である場合、含浸処理(ステップ2)の後の工程(ステップ3〜4)における熱処理により、金属成分が酸化されてしまう。そのため、水熱処理工程(ステップ4)で形成される担体には、金属酸化物微粒子が内在することになる。そのため、担体に金属微粒子が内在する自動車用還元触媒構造体を得るためには、上記水熱処理後に、回収した沈殿物を焼成処理し、さらに水素ガス等の還元ガス雰囲気下で還元処理することが望ましい。還元処理を行うことにより、担体に内在する金属酸化物微粒子が還元され、金属酸化物微粒子を構成する金属元素(M)に対応する金属微粒子が形成される。その結果、担体に金属微粒子が内在する自動車用還元触媒構造体が得られる。なお、このような還元処理は、必要に応じて行えばよく、例えば、自動車用還元触媒構造体の使用する環境が、還元雰囲気である場合には、使用環境に一定時間晒すことで、金属酸化物微粒子は還元されるため、還元処理した場合と同様の自動車用還元触媒構造体が得られるので、担体に酸化物微粒子が内在した状態でそのまま使用することが可能となる。
[自動車用還元触媒構造体1の変形例]
図4は、図1の自動車用還元触媒構造体1の変形例を示す模式図である。図1の自動車用還元触媒構造体1は、担体10と、担体10に内在するノックス還元触媒20とを備える場合を示しているが、この構成だけには限定されず、例えば、図4に示すように、自動車用還元触媒構造体2が、担体10の外表面10aに保持された他の機能性物質(例えば、触媒物質)30を更に備えていてもよい。以下では、機能性物質30が触媒物質である例を挙げて説明する。
この触媒物質30は、一又は複数の触媒能を発揮する物質である。他の触媒物質30が有する触媒能は、ノックス還元触媒20が有する還元触媒能と同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、ノックス還元触媒20、及び触媒物質30の双方が同一の還元触媒能を有する物質である場合、他の触媒物質30の材料は、ノックス還元触媒20の材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。本構成によれば、自動車用還元触媒構造体2に保持された触媒の含有量を増大することができ、触媒活性を更に促進することができる。
この場合、担体10に内在する自動車用還元触媒構造体20の含有量は、担体10の外表面10aに保持された他の触媒物質30の含有量よりも多いことが好ましい。これにより、担体10の内部に保持されたノックス還元触媒20による触媒能が支配的となり、安定的に還元触媒能が発揮される。
以上、本発明の実施形態に係る自動車用還元触媒構造体について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
(実施例1〜480)
[前駆体材料(A)の合成]
シリカ剤(テトラエトキシシラン(TEOS)、和光純薬工業株式会社製)と、鋳型剤としての界面活性剤とを混合した混合水溶液を作製し、適宜pH調整を行い、密閉容器内で、80〜350℃、100時間、水熱処理を行った。その後、生成した沈殿物をろ別し、水およびエタノールで洗浄し、さらに600℃、24時間、空気中で焼成して、表1〜10に示される種類および孔径の前駆体材料(A)を得た。なお、界面活性剤は、前駆体材料(A)の種類に応じて(「前駆体材料(A)の種類:界面活性剤」)以下のものを用いた。
・MCM−41:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)(和光純薬工業株式会社製)
・SBA−1:Pluronic P123(BASF社製)
[前駆体材料(B)および(C)の作製]
次に、表1〜10に示される種類の金属微粒子を構成する金属元素(M)に応じて、該金属元素(M)を含有する金属塩を、水に溶解させて、金属含有水溶液を調製した。なお、金属塩は、金属微粒子の種類に応じて(「金属微粒子:金属塩」)以下のものを用いた。
・Co:硝酸コバルト(II)六水和物(和光純薬工業株式会社製)
・Ni:硝酸ニッケル(II)六水和物(和光純薬工業株式会社製)
・Fe:硝酸鉄(III)九水和物(和光純薬工業株式会社製)
・Cu:硝酸銅(II)三水和物(和光純薬工業株式会社製)
・Pt:塩化白金(IV)酸六水和物(和光純薬工業株式会社製)
次に、粉末状の前駆体材料(A)に、金属含有水溶液を複数回に分けて少量ずつ添加し、室温(20℃±10℃)で12時間以上乾燥させて、前駆体材料(B)を得た。
なお、表1〜10に示す添加剤の有無の条件が「有り」の場合は、金属含有水溶液を添加する前の前駆体材料(A)に対して、添加剤としてのポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル(NIKKOL BO−15V、日光ケミカルズ株式会社製)の水溶液を添加する前処理を行い、その後、上記のように金属含有水溶液を添加した。なお、添加剤の有無の条件で「無し」の場合については、上記のような添加剤による前処理は行っていない。
また、前駆体材料(A)に添加する金属含有水溶液の添加量は、該金属含有水溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算したときの数値が、表1〜10の値になるように調整した。
次に、上記のようにして得られた金属含有水溶液を含浸させた前駆体材料(B)を、600℃、24時間、空気中で焼成して、前駆体材料(C)を得た。
上記のようにして得られた前駆体材料(C)と、表1〜10に示す構造規定剤とを混合して混合水溶液を作製し、密閉容器内で、80〜350℃、表1〜10に示すpHおよび時間の条件で、水熱処理を行った。その後、生成した沈殿物をろ別し、水洗し、100℃で12時間以上乾燥させ、さらに600℃、24時間、空気中で焼成した。その後、焼成物を回収し、水素ガスの流入下で、400℃、350分間、還元処理して、表1〜10に示す担体とノックス還元触媒としての金属微粒子とを有する還元触媒構造体を得た(実施例1〜480)。
(比較例1)
比較例1では、MFI型シリカライトに平均粒径50nm以下の酸化コバルト粉末(II,III)(シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社製)を混合し、実施例と同様にして水素還元処理を行って、担体としてのシリカライトの外表面に、ノックス還元触媒としてコバルト微粒子を付着させた還元触媒構造体を得た。MFI型シリカライトは、金属を添加する工程以外は、実施例52〜57と同様の方法で合成した。
(比較例2)
比較例2では、コバルト微粒子を付着させる工程を省略したこと以外は、比較例1と同様の方法にてMFI型シリカライトを合成した。
[評価]
担体とノックス還元触媒とを備える上記実施例の還元触媒構造体および比較例のシリカライトについて、以下に示す条件で、各種特性評価を行った。
[A]断面観察
担体とノックス還元触媒とを備える上記実施例の還元触媒構造体および比較例1のシリカライトについて粉砕法にて観察試料を作製し、透過電子顕微鏡(TEM)(TITAN G2、FEI社製)を用いて、断面観察を行った。その結果、上記実施例の還元触媒構造体では、シリカライトまたはゼオライトからなる担体の内部にノックス還元触媒が内在し、保持されていることが確認された。一方、比較例1のシリカライトでは、ノックス還元触媒が担体の外表面に付着しているのみで、担体の内部には存在していなかった。
また、上記実施例のうち金属が鉄微粒子(Fe)微粒子であるノックス還元触媒について、FIB(集束イオンビーム)加工により断面を切り出し、SEM(SU8020、日立ハイテクノロジーズ社製)、EDX(X−Max、堀場製作所製)を用いて断面元素分析を行った。その結果、担体内部からFe元素が検出された。
上記TEMとSEM/EDXによる断面観察の結果から、担体内部に鉄微粒子が存在していることが確認された。
[B]担体の通路の平均内径およびノックス還元触媒の平均粒径
上記評価[A]で行った断面観察により撮影したTEM画像にて、担体の通路を、任意に500個選択し、それぞれの長径および短径を測定し、その平均値からそれぞれの内径を算出し(N=500)、さらに内径の平均値を求めて、担体の通路の平均内径Dとした。また、ノックス還元触媒についても同様に、上記TEM画像から、ノックス還元触媒を、任意に500個選択し、それぞれの粒径を測定して(N=500)、その平均値を求めて、ノックス還元触媒の平均粒径Dとした。結果を表1〜10に示す。
また、ノックス還元触媒の平均粒径及び分散状態を確認するため、SAXS(小角X線散乱)を用いて分析した。SAXSによる測定は、Spring−8のビームラインBL19B2を用いて行った。得られたSAXSデータは、Guinier近似法により球形モデルでフィッティングを行い、粒径を算出した。粒径は、金属が鉄微粒子であるノックス還元触媒について測定した。また、比較対象として、市販品である鉄微粒子(Wako製)をSEMにて観察、測定した。
この結果、市販品では粒径約50nm〜400nmの範囲で様々なサイズの鉄微粒子がランダムに存在しているのに対し、TEM画像から求めた平均粒径が1.2nm〜2.0nmの各実施例のノックス還元触媒では、SAXSの測定結果においても粒径が10nm以下の散乱ピークが検出された。SAXSの測定結果とSEM/EDXによる断面の測定結果から、担体内部に、粒径10nm以下のノックス還元触媒が、粒径が揃いかつ非常に高い分散状態で存在していることが分かった。
[C]金属含有溶液の添加量と担体内部に包接された金属量との関係
原子数比Si/M=50,100,200,1000(M=Co、Ni、Fe、Cu)の添加量で、金属微粒子を担体内部に包接させた還元触媒構造体を作製し、その後、上記添加量で作製された還元触媒構造体の担体内部に包接された金属量(質量%)を測定した。尚、本測定において原子数比Si/M=100,200,1000の還元触媒構造体は、それぞれ実施例1〜480のうちの原子数比Si/M=100,200,1000の還元触媒構造体と同様の方法で金属含有溶液の添加量を調整して作製し、原子数比Si/M=50の還元触媒構造体は、金属含有溶液の添加量を異ならせたこと以外は、原子数比Si/M=100,200,1000の還元触媒構造体と同様の方法で作製した。
金属量の定量は、ICP(高周波誘導結合プラズマ)単体か、或いはICPとXRF(蛍光X線分析)を組み合わせて行った。XRF(エネルギー分散型蛍光X線分析装置「SEA1200VX」、エスエスアイ・ナノテクノロジー社製)は、真空雰囲気、加速電圧15kV(Crフィルター使用)或いは加速電圧50kV(Pbフィルター使用)の条件で行った。
XRFは、金属の存在量を蛍光強度で算出する方法であり、XRF単体では定量値(質量%換算)を算出できない。そこで、Si/M=100で金属を添加した還元触媒構造体の金属量は、ICP分析により定量し、Si/M=50および100未満で金属を添加した還元触媒構造体の金属量は、XRF測定結果とICP測定結果を元に算出した。
この結果、少なくとも原子数比Si/Mが50〜1000の範囲内で、金属含有溶液の添加量の増加に伴って、還元触媒構造体に包接された金属量が増大していることが確認された。
[D]性能評価
担体とノックス還元触媒とを備える上記実施例の還元触媒構造体および比較例のシリカライトについて、ノックス還元触媒がもつ触媒能を評価した。
(1)還元触媒構造体の触媒活性
上記にて得られた実施例1〜480及び比較例1の触媒中の含有金属量を揃えて常圧流通式反応装置に充填して、NOガスを流速1.0cc/hで流し、水蒸気雰囲気下でノックスの還元反応を行った。また、比較例2として、担体のシリカライトのみを用いた実験を実施した。生成ガスは、ガスクロマトグラフ(GC)(島津製作所製、装置名「GC−8A」, 「GS−20B」)を用いて測定した。また、反応後に触媒上に堆積したコーク生成量の分析は、有機微量元素分析装置(ジェイ・サイエンス・ラボ社製、装置名「JM10」)を用いて測定した。
以下の基準に従って評価を行った。
触媒反応時に、Nガス生成量が 回収生成ガス(全生成ガス)に対して80%の場合は触媒活性が特に良好であるとして「◎」、
触媒反応時に、Nガス生成量が 回収生成ガス(全生成ガス)に対して50%以上80%未満の場合を触媒活性が良好であるとして「○」、
触媒反応時に、Nガス生成量が 回収生成ガス(全生成ガス)に対して20%以上50%未満の場合を触媒活性がやや不良であるとして「△」、
触媒反応時に、Nガス生成量が 回収生成ガス(全生成ガス)に対して20%未満の場合を触媒活性が悪いものとして「×」
とした。
(2)還元触媒構造体の耐久性(寿命)
還元触媒構造体を650℃で12時間加熱した後、室温まで冷却し30分放置することを10回繰り返した後に上記(1)と同様にして触媒反応試験を実施し、耐久性を評価した。以下の基準に従って評価を行った。
触媒反応時に、Nガス生成量が 回収生成ガス(全生成ガス)に対して80%の場合は触媒活性が特に良好であるとして「◎」、
触媒反応時に、Nガス生成量が 回収生成ガス(全生成ガス)に対して50%以上80%未満の場合を触媒活性が良好であるとして「○」、
触媒反応時に、Nガス生成量が 回収生成ガス(全生成ガス)に対して20%以上50%未満の場合を触媒活性がやや不良であるとして「△」、
触媒反応時に、Nガス生成量が 回収生成ガス(全生成ガス)に対して20%未満の場合を触媒活性が悪いものとして「×」
とした。
これらの評価結果を表1〜表10に示す。
Figure 2018202401
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表1〜10から明らかなように、断面観察により担体の内部に金属微粒子が保持されていることが確認された還元触媒構造体(実施例1〜480)は、単に金属微粒子が担体の外表面に付着しているだけの還元触媒構造体(比較例1)またはノックス還元触媒を何ら有していない担体そのもの(比較例2)と比較して、NOの還元反応においても優れた触媒活性を示し、触媒としての耐久性にも優れていること分かった。
一方、金属微粒子を担持していない比較例2の担体そのものは、NOの還元反応において触媒活性は殆ど示さず、実施例1〜480の還元触媒構造体と比較して、触媒活性および耐久性の双方が劣っていた。
また、担体の外表面にのみ金属微粒子を付着させた比較例1の還元触媒構造体は、金属微粒子を何ら有していない比較例2の担体そのものと比較して、NOの還元反応においても触媒活性は改善されるものの、実施例1〜480の還元触媒構造体に比べて、触媒としての耐久性は劣っていた。
なお、上記の還元触媒構造体を自動車用還元触媒構造体として用いた場合も、ノックス還元反応に対する優れた触媒活性、及び優れた耐久性を有していた。特に、低温環境下であっても、ノックス還元反応に対する優れた触媒活性を有していた。従って、上記の触媒構造体は自動車用還元触媒構造体として優れた作用効果を奏することが確認された。
[他の実施態様]
(1)自動車の排気ガスを浄化(還元)するために触媒構造体を使用する方法であって、
前記触媒構造体が、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体と、
前記担体に内在する少なくとも1つの、金属からなるノックス還元触媒と、
を備え、
前記担体が、互いに連通する通路を有し、
前記ノックス還元触媒が、前記担体の少なくとも前記通路に存在している、触媒構造体を使用する方法。
1 自動車用還元触媒構造体
10 担体
10a 外表面
11 通路
11a 孔
12 拡径部
15 排気ガス成分
20 金属微粒子
30 金属微粒子
平均粒径
平均内径
内径

Claims (21)

  1. ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体と、
    前記担体に内在する少なくとも1つの、金属からなるノックス還元触媒と、
    を備え、
    前記担体が、互いに連通する通路を有し、
    前記ノックス還元触媒が、前記担体の少なくとも前記通路に存在していることを特徴とする、自動車用還元触媒構造体。
  2. 前記通路は、前記ゼオライト型化合物の骨格構造によって画定される一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかと、前記一次元孔、前記二次元孔及び前記三次元孔のうちのいずれとも異なる拡径部を有し、かつ
    前記ノックス還元触媒が、少なくとも前記拡径部に存在していることを特徴とする、請求項1記載の自動車用還元触媒構造体。
  3. 前記拡径部は、前記一次元孔、前記二次元孔及び前記三次元孔のうちのいずれかを構成する複数の孔同士を連通していることを特徴とする、請求項2記載の自動車用還元触媒構造体。
  4. 前記ノックス還元触媒は金属微粒子であり、
    前記金属微粒子の平均粒径が、前記通路の平均内径よりも大きく、且つ前記拡径部の内径以下であることを特徴とする、請求項2又は3記載の自動車用還元触媒構造体。
  5. 前記金属微粒子の金属元素(M)が、前記自動車用還元触媒構造体に対して0.5〜2.5質量%で含有されていることを特徴とする、請求項4記載の自動車用還元触媒構造体。
  6. 前記金属微粒子の平均粒径が、0.08nm〜30nmであることを特徴とする、請求項4又は5記載の自動車用還元触媒構造体。
  7. 前記金属微粒子の平均粒径が、0.4nm〜11.0nmであることを特徴とする、請求項6記載の自動車用還元触媒構造体。
  8. 前記通路の平均内径に対する前記金属微粒子の平均粒径の割合が、0.05〜300であることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか1項記載の自動車用還元触媒構造体。
  9. 前記通路の平均内径に対する前記金属微粒子の平均粒径の割合が、0.1〜30であることを特徴とする、請求項8記載の自動車用還元触媒構造体。
  10. 前記通路の平均内径に対する前記金属微粒子の平均粒径の割合が、1.4〜3.6であることを特徴とする、請求項9記載の自動車用還元触媒構造体。
  11. 前記通路の平均内径は、0.1nm〜1.5nmであり、
    前記拡径部の内径は、0.5nm〜50nmであることを特徴とする、請求項2〜10のいずれか1項記載の自動車用還元触媒構造体。
  12. 前記担体の外表面に保持された少なくとも1つの他の機能性物質を更に備えることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載の自動車用還元触媒構造体。
  13. 前記担体に内在する前記少なくとも1つのノックス還元触媒の含有量が、前記担体の外表面に保持された前記少なくとも1つの他の機能性物質の含有量よりも大きいことを特徴とする、請求項12記載の自動車用還元触媒構造体。
  14. 前記ゼオライト型化合物は、ケイ酸塩化合物であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項記載の自動車用還元触媒構造体。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項記載の自動車用還元触媒構造体を有する、自動車の排気ガス処理装置。
  16. ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成する焼成工程と、
    前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)を水熱処理する水熱処理工程と、
    前記水熱処理された前駆体材料(C)に還元処理を行う工程と、
    を有することを特徴とする自動車用還元触媒構造体の製造方法。
  17. 前記焼成工程の前に、非イオン性界面活性剤を、前記前駆体材料(A)に対して50〜500質量%添加することを特徴とする、請求項16記載の自動車用還元触媒構造体の製造方法。
  18. 前記焼成工程の前に、前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を複数回に分けて添加することで、前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を含浸させることを特徴とする、請求項16又は17記載の自動車用還元触媒構造体の製造方法。
  19. 前記焼成工程の前に前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を含浸させる際に、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液の添加量を、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前記前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算して、10〜1000となるように調整することを特徴とする、請求項16〜18のいずれか1項記載の自動車用還元触媒構造体の製造方法。
  20. 前記水熱処理工程において、前記前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合することを特徴とする、請求項16記載の自動車用還元触媒構造体の製造方法。
  21. 前記水熱処理工程が塩基性雰囲気下で行われることを特徴とする、請求項16記載の自動車用還元触媒構造体の製造方法。
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