JP2018202404A - 揮発性有機物質用触媒構造体及びその製造方法ならびに揮発性有機物質除去装置 - Google Patents

揮発性有機物質用触媒構造体及びその製造方法ならびに揮発性有機物質除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、触媒活性の低下を抑制でき、触媒毒の除去を容易化することで触媒機能の失活を防止でき、触媒構造体から触媒が漏出することを防止できる揮発性有機物質用触媒構造体及びその製造方法ならびに揮発性有機物質除去装置を提供することである。【解決手段】ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体と、前記担体に内在する少なくとも1つの、金属酸化物からなる揮発性有機物質酸化触媒と、を備え、前記担体が、互いに連通する通路を有し、前記揮発性有機物質酸化触媒が、前記担体の少なくとも前記通路に存在していることを特徴とする揮発性有機物質用触媒構造体。【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質構造の担体と揮発性有機物質用触媒とを備える揮発性有機物質用触媒構造体及びその製造方法ならびに揮発性有機物質除去装置に関する。
近年の環境意識の高まりに伴い、空気浄化の需要が高まっており、揮発性有機物質(以下、「VOC」ということがある。)の除去が要求されている。VOCとしては、例えば、トルエン、ベンゼン、フロン類、ジクロロメタン等が挙げられ、これらは、溶剤、燃料として重要な物質であることから、広汎に利用されている。しかし、VOCが環境中へ放出されると、公害などの健康被害を引き起こす。
そこで、VOCの触媒による除去が検討されており、例えば、酸化反応によるVOCの除去が検討されている。上記触媒としては、高い触媒活性と安定性の観点からPt系触媒が使用されている。一方で、Pt系触媒は高価なので、Pt系触媒に代えて、非貴金属系触媒の使用も検討されている。しかし、非貴金属系触媒は、価格を低減できるが、反応温度がPt系触媒よりも高くなってしまう。
非特許文献1では、Ptを担体に担持した触媒系であって、優れた活性を示す触媒系が多く報告されている。
工業材料2017年1月号 Vol.65 No.1 p.71−74
しかしながら、上記のような従来の触媒構造体では、触媒粒子が担体の表面或いは表面近傍に担持されているため、VOC等を含む流体から受ける力や熱などの影響に因って触媒粒子が担体内で移動し、触媒粒子同士の凝集(シンタリング)が発生し易い。触媒粒子同士の凝集が生じると、触媒としての有効表面積が減少することで触媒活性が低下することから寿命が通常よりも短くなってしまう。さらに、触媒粒子同士の凝集により、VOC由来のNやS等を含む化合物である触媒毒を除去することが難しくなり、触媒機能が失活しやすい。
本発明の目的は、触媒活性の低下を抑制でき、触媒毒の除去を容易化することで触媒機能の失活を防止でき、触媒構造体から触媒が漏出することを防止できる揮発性有機物質用触媒構造体及びその製造方法ならびに揮発性有機物質除去装置を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体と、前記担体に内在する少なくとも1つの金属酸化物からなる揮発性有機物質酸化触媒と、を備え、前記担体が、互いに連通する通路を有し、前記揮発性有機物質酸化触媒が、前記担体の少なくとも前記通路に存在していることによって、揮発性有機物質酸化触媒の触媒活性低下を抑制し、長寿命化を実現できる揮発性有機物質用触媒構造体が得られることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
[1]ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体と、
前記担体に内在する少なくとも1つの、金属酸化物からなる揮発性有機物質酸化触媒と、を備え、
前記担体が、互いに連通する通路を有し、
前記揮発性有機物質酸化触媒が、前記担体の少なくとも前記通路に存在していることを特徴とする揮発性有機物質用触媒構造体。
[2]前記通路は、前記ゼオライト型化合物の骨格構造によって画定される一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかと、前記一次元孔、前記二次元孔及び前記三次元孔のうちのいずれとも異なる拡径部を有し、かつ
前記揮発性有機物質酸化触媒が、少なくとも前記拡径部に存在していることを特徴とする、上記[1]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[3]前記拡径部は、前記一次元孔、前記二次元孔及び前記三次元孔のうちのいずれかを構成する複数の孔同士を連通している、上記[2]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[4]前記揮発性有機物質酸化触媒は、金属酸化物微粒子であることを特徴とする、上記[2]又は[3]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[5]前記金属酸化物微粒子の平均粒径が、前記通路の平均内径よりも大きく、且つ前記拡径部の内径以下であることを特徴とする、上記[4]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[6]前記金属酸化物微粒子の金属元素(M)が、前記揮発性有機物質用触媒構造体に対して0.5〜2.5質量%で含有されていることを特徴とする、上記[5]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[7]前記金属酸化物微粒子の平均粒径が、0.1nm〜50nmであることを特徴とする、上記[4]〜[6]のいずれか1つに記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[8]前記金属酸化物微粒子の平均粒径が、0.5nm〜14.0nmであることを特徴とする、上記[7]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[9]前記通路の平均内径に対する前記金属酸化物微粒子の平均粒径の割合が、0.06〜500であることを特徴とする、上記[4]〜[8]のいずれか1つに記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[10]前記通路の平均内径に対する前記金属酸化物微粒子の平均粒径の割合が、0.1 〜36であることを特徴とする、上記[9]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[11]前記通路の平均内径に対する前記金属酸化物微粒子の平均粒径の割合が、1.7〜4.5であることを特徴とする、上記[10]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。[12]前記通路の平均内径は、0.1nm〜1.5nmであり、
前記拡径部の内径は、0.5nm〜50nmであることを特徴とする、上記[2]〜[11]のいずれか1つに記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[13]前記担体の外表面に保持された少なくとも1つの他の揮発性有機物質酸化触媒を更に備えることを特徴とする、上記[1]〜[12]のいずれか1つに記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[14]前記担体に内在する前記少なくとも1つの揮発性有機物質酸化触媒の含有量が、前記担体の外表面に保持された前記少なくとも1つの他の揮発性有機物質酸化触媒の含有量よりも多いことを特徴とする、上記[13]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[15]前記ゼオライト型化合物は、ケイ酸塩化合物であることを特徴とする、上記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
[16]上記[1]〜[15]のいずれか1つに記載の揮発性有機物質用触媒構造体を有する、揮発性有機物質除去装置。
[17]ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成する焼成工程と、
前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)を水熱処理する水熱処理工程と、
を有することを特徴とする揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法。
[18]前記焼成工程の前に、非イオン性界面活性剤を、前記前駆体材料(A)に対して50〜500質量%添加することを特徴とする、上記[17]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法。
[19]前記焼成工程の前に、前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を複数回に分けて添加することで、前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を含浸させることを特徴とする、上記[17]又は[18]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法。
[20]前記焼成工程の前に前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を含浸させる際に、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液の添加量を、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前記前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算して、10〜1000となるように調整することを特徴とする、上記[17]〜[19]のいずれか1つに記載の揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法。
[21]前記水熱処理工程において、前記前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合することを特徴とする、上記[17]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法。
[22]前記水熱処理工程が塩基性雰囲気下で行われることを特徴とする、上記[17]に記載の揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法。
本発明によれば、触媒活性の低下を抑制でき、触媒毒の除去を容易化することで触媒機能の失活を防止でき、触媒構造体から触媒が漏出することを防止できる揮発性有機物質用触媒構造体及びその製造方法ならびに揮発性有機物質除去装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る揮発性有機物質用触媒構造体の内部構造が分かるように概略的に示したものであって、図1(a)は斜視図(一部を横断面で示す。)、図1(b)は部分拡大断面図である。 図2は、図1の揮発性有機物質用触媒構造体の機能の一例を説明するための部分拡大断面図であり、図2(a)は篩機能、図2(b)は触媒能を説明する図である。 図3は、図1の揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、図1の揮発性有機物質用触媒構造体の変形例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[揮発性有機物質用触媒構造体の構成]
図1は、本発明の実施形態に係る揮発性有機物質用触媒構造体の構成を概略的に示す図であり、(a)は斜視図(一部を横断面で示す。)、(b)は部分拡大断面図である。なお、図1における揮発性有機物質用触媒構造体は、その一例を示すものであり、本発明に係る各構成の形状、寸法等は、図1のものに限られないものとする。
図1(a)に示されるように、揮発性有機物質用触媒構造体1は、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体10と、該担体10に内在する、少なくとも1つの、揮発性有機物質酸化触媒物質である金属酸化物微粒子20とを備える。揮発性有機物質酸化触媒物質は、揮発性有機物質を酸化することで揮発性有機物質除去触媒として機能する。
揮発性有機物質用触媒構造体1において、複数の金属酸化物微粒子20,20,・・・は、担体10の多孔質構造の内部に存在している。金属酸化微粒子については、詳しくは後述する。
担体10は、多孔質構造であり、図1(b)に示すように、好適には複数の孔11a,11a,・・・が形成されることにより、互いに連通する通路11を有する。ここで金属酸化物微粒子20は、担体10の少なくとも通路11に存在しており、好ましくは担体10の少なくとも通路11に保持されている。
このような構成により、担体10内での金属酸化物微粒子20の移動が規制され、金属酸化物微粒子20、20同士の凝集が有効に防止されている。その結果、揮発性有機物質酸化触媒物質である金属酸化物微粒子20としての有効表面積の減少を効果的に抑制することができ、金属酸化物微粒子20の触媒活性は長期にわたって持続する。すなわち、揮発性有機物質用触媒構造体1によれば、揮発性有機物質酸化触媒物質である金属酸化物微粒子20の凝集による触媒活性の低下を抑制でき、揮発性有機物質用触媒構造体1としての長寿命化を図ることができる。また、揮発性有機物質用触媒構造体1の長寿命化により、揮発性有機物質用触媒構造体1の交換頻度を低減でき、使用済みの揮発性有機物質用触媒構造体1の廃棄量を大幅に低減することができ、省資源化を図ることができる。
通常、揮発性有機物質用触媒構造体1を、VOCを含む流体の中で用いる場合、流体から外力を受ける可能性がある。この場合、金属酸化物微粒子20が、担体10の外表面に付着状態で保持されているだけであると、流体からの外力の影響で担体10の外表面から離脱しやすいという問題がある。これに対し、揮発性有機物質用触媒構造体1では、金属酸化物微粒子20は担体10の少なくとも通路11に存在しているため、流体による外力の影響を受けたとしても、担体10から金属酸化物微粒子20が離脱しにくい。すなわち、揮発性有機物質用触媒構造体1が流体内にある場合、流体は担体10の孔11aから、通路11内に流入するため、通路11内を流れる流体の速さは、流路抵抗(摩擦力)により、担体10の外表面を流れる流体の速さに比べて、遅くなると考えられる。このような流路抵抗の影響により、通路11内に存在した金属酸化物微粒子20が流体から受ける圧力は、担体10の外部において金属酸化物微粒子20が流体から受ける圧力に比べて低くなる。そのため、担体10に内在する金属酸化物微粒子20が離脱することを効果的に抑制でき、金属酸化物微粒子20の触媒活性を長期的に安定して維持することが可能となる。なお、上記のような流路抵抗は、担体10の通路11が、曲がりや分岐を複数有し、担体10の内部がより複雑で三次元的な立体構造となっているほど、大きくなると考えられる。
また、通路11は、ゼオライト型化合物の骨格構造によって画定される一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかと、上記一次元孔、上記二次元孔及び上記三次元孔のうちのいずれとも異なる拡径部12とを有していることが好ましく、このとき、金属酸化物微粒子20は、少なくとも拡径部12に存在していることが好ましく、少なくとも拡径部12に包接されていることがより好ましい。ここでいう一次元孔とは、一次元チャンネルを形成しているトンネル型またはケージ型の孔、もしくは複数の一次元チャンネルを形成しているトンネル型またはケージ型の複数の孔(複数の一次元チャンネル)を指す。また、二次元孔とは、複数の一次元チャンネルが二次元的に連結された二次元チャンネルを指し、三次元孔とは、複数の一次元チャンネルが三次元的に連結された三次元チャンネルを指す。これにより、金属酸化物微粒子20の担体10内での移動がさらに規制され、金属酸化物微粒子20の離脱や、金属酸化物微粒子20、20同士の凝集をさらに有効に防止することができる。包接とは、金属酸化物微粒子20が担体10に内包されている状態を指す。このとき金属酸化物微粒子20と担体10とは、必ずしも直接的に互いが接触している必要はなく、金属酸化物微粒子20と担体10との間に他の物質(例えば、界面活性剤等)が介在した状態で、金属酸化物微粒子20が担体10に間接的に存在していてもよい。
図1(b)では金属酸化物微粒子20が拡径部12に存在する場合を示しているが、この構成だけには限定されず、金属酸化物微粒子20は、その一部が拡径部12の外側にはみ出した状態で通路11に存在していてもよい。また、金属酸化物微粒子20は、拡径部12以外の通路11の部分(例えば通路11の内壁部分)に部分的に埋設され、または固着等によって存在していてもよい。
また、拡径部12は、上記一次元孔、上記二次元孔及び上記三次元孔のうちのいずれかを構成する複数の孔11a,11a同士を連通しているのが好ましい。これにより、担体10の内部に、一次元孔、二次元孔又は三次元孔とは異なる別途の通路が設けられるので、金属酸化物微粒子20の機能をより発揮させることができる。
また、通路11は、担体10の内部に、分岐部または合流部を含んで三次元的に形成されており、拡径部12は、通路11の上記分岐部または合流部に設けられるのが好ましい。
担体10に形成された通路11の平均内径Dは、上記一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかを構成する孔11aの短径及び長径の平均値から算出され、例えば0.1nm〜1.5nmであり、好ましくは0.5nm〜0.8nmである。
また、拡径部12の内径Dは、例えば0.5nm〜50nmであり、好ましくは1.1nm〜40nm、より好ましくは1.1nm〜3.3nmである。拡径部12の内径Dは、例えば後述する前駆体材料(A)の細孔径、及び存在する金属酸化物微粒子20の平均粒径Dに依存する。拡径部12の内径Dは、金属酸化物微粒子20が存在し得る大きさである。
担体10は、ゼオライト型化合物で構成される。ゼオライト型化合物としては、例えば、ゼオライト(アルミノケイ酸塩)、陽イオン交換ゼオライト、シリカライト等のケイ酸塩化合物、アルミノホウ酸塩、アルミノヒ酸塩、ゲルマニウム酸塩等のゼオライト類縁化合物、リン酸モリブデン等のリン酸塩系ゼオライト類似物質などが挙げられる。中でも、ゼオライト型化合物はケイ酸塩化合物であることが好ましい。
ゼオライト型化合物の骨格構造は、FAU型(Y型またはX型)、MTW型、MFI型(ZSM−5)、FER型(フェリエライト)、LTA型(A型)、MWW型(MCM−22)、MOR型(モルデナイト)、LTL型(L型)、BEA型(ベータ型)などの中から選択され、好ましくはMFI型であり、より好ましくはZSM−5である。ゼオライト型化合物には、各骨格構造に応じた孔径を有する孔が複数形成されており、例えばMFI型の最大孔径は0.636nm(6.36Å)、平均孔径0.560nm(5.60Å)である。
以下、揮発性有機物質酸化触媒物質である金属酸化物微粒子20について詳しく説明する。
金属酸化物微粒子20は一次粒子である場合と、一次粒子が凝集して形成した二次粒子である場合とがあるが、金属酸化物微粒子20の平均粒径Dは、好ましくは通路11の平均内径Dよりも大きく、且つ拡径部12の内径D以下である(D<D≦D)。このような金属酸化物微粒子20は、通路11内では、好適には拡径部12に存在しており、担体10内での金属酸化物微粒子20の移動が規制される。よって、金属酸化物微粒子20が流体から外力を受けた場合であっても、担体10内での金属酸化物微粒子20の移動が抑制され、担体10の通路11に分散配置された拡径部12、12、・・のそれぞれに存在する金属酸化物微粒子20、20、・・同士が接触するのを有効に防止することができる。
また、金属酸化物微粒子20の平均粒径Dは、一次粒子および二次粒子のいずれの場合も、好ましくは0.1nm〜50nmであり、より好ましくは0.1nm以上30nm未満であり、さらに好ましくは0.5nm〜14.0nm、特に好ましくは1.0nm〜3.3nmである。また、通路11の平均内径Dに対する金属酸化物微粒子20の平均粒径Dの割合(D/D)は、好ましくは0.06〜500であり、より好ましくは0.1〜36であり、更に好ましくは1.1〜36であり、特に好ましくは1.7〜4.5である。
また、揮発性有機物質酸化触媒20が金属酸化物微粒子である場合、金属酸化物微粒子の金属元素(M)は、揮発性有機物質用触媒構造体1に対して0.5〜2.5質量%で含有されているのが好ましく、揮発性有機物質用触媒構造体1に対して0.5〜1.5質量%で含有されているのがより好ましい。例えば、金属元素(M)がCoである場合、Co元素の含有量(質量%)は、[(Co元素の質量)/(揮発性有機物質用触媒構造体1の全元素の質量)]×100で表される。
上記金属酸化物微粒子20は、金属酸化物で構成されていればよく、例えば、単一の金属酸化物で構成されていてもよく、あるいは2種以上の金属酸化物の混合物で構成されていてもよい。なお、本明細書において、金属酸化物微粒子20を構成する(材質としての)「金属酸化物」は、1種の金属元素(M)を含む酸化物と、2種以上の金属元素(M)を含む複合酸化物とを含む意味であり、1種以上の金属元素(M)を含む酸化物の総称である。
このような金属酸化物としては、例えば酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)、酸化銅(CuO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ニオブ(NbO)、酸化チタン(TiO)、酸化ビスマス(BiO)、酸化モリブデン(MoO)、酸化バナジウム(VO)、酸化クロム(CrO)、酸化マンガン(MnO)等が挙げられ、上記のいずれか1種以上を主成分とすることが好ましい。
また、金属酸化物微粒子20を構成する金属元素(M)に対する、担体10を構成するケイ素(Si)の割合(原子数比Si/M)は、10〜1000であるのが好ましく、50〜200であるのがより好ましい。上記割合が1000より大きいと、活性が低く、揮発性有機物質酸化触媒物質としての作用が十分に得られない可能性がある。一方、上記割合が10よりも小さいと、金属酸化物微粒子20の割合が大きくなりすぎて、担体10の強度が低下する傾向がある。なお、ここでいう金属酸化物微粒子20は、担体10の内部に存在し、好適には保持され、または担持された金属酸化物微粒子をいい、担体10の外表面に付着した金属酸化物微粒子を含まない。
[揮発性有機物質用触媒構造体の触媒活性]
揮発性有機物質用触媒構造体1は、上記のとおり、多孔質構造の担体10と、担体に内在する少なくとも1つの金属酸化物微粒子20とを備える。揮発性有機物質用触媒構造体1は、担体に内在する金属酸化物微粒子20が流体と接触することにより、金属酸化物微粒子20の触媒活性に応じた触媒能を発揮する。具体的に、揮発性有機物質用触媒構造体1の外表面10aに接触した流体は、外表面10aに形成された孔11aから担体10内部に流入して通路11内に誘導され、通路11内を通って移動し、他の孔11aを通じて揮発性有機物質用触媒構造体1の外部へ出る。流体が通路11内を通って移動する経路において、通路11に存在する金属酸化物微粒子20と接触することによって、金属酸化物微粒子20の触媒活性に応じた反応が生じる。また、揮発性有機物質用触媒構造体1は、担体が多孔質構造であることにより、分子篩能を有する。
まず、揮発性有機物質用触媒構造体1の分子篩能について、図2(a)を用いて、流体がベンゼン、トルエン等の揮発性有機物質(VOC)を含む気体である場合を例として説明する。図2(a)に示すように、孔11aの孔径以下、言い換えれば、通路11の内径以下の大きさを有する分子で構成されるVOC(例えば、ベンゼン、トルエン等)は、担体10内に流入することができる。一方、孔11aの孔径を超える大きさを有する非VOC成分15は、担体10内へ流入することができない。このように、流体が複数種類の化合物を含んでいる場合に、担体10内に流入することができない化合物の反応は規制され、担体10内に流入することができる化合物を反応させることができる。
反応によって担体10内で生成した化合物のうち、孔11aの孔径以下の大きさを有する分子で構成される化合物のみが孔11aを通じて担体10の外部へ出ることができ、反応生成物として得られる。一方、孔11aから担体10の外部へ出ることができない化合物は、担体10の外部へ出ることができる大きさの分子で構成される化合物に変換させれば、担体10の外部へ出すことができる。このように、揮発性有機物質用触媒構造体1を用いることにより、特定の反応生成物を選択的に得ることができる。
揮発性有機物質用触媒構造体1では、図2(b)に示すように、通路11の拡径部12に金属酸化物微粒子20が存在している。金属酸化物微粒子20の平均粒径Dが、通路11の平均内径Dよりも大きく、拡径部12の内径Dよりも小さい場合には(D<D<D)、金属酸化物微粒子20と拡径部12との間に小通路13が形成される。そこで、図2(b)中の矢印に示すように、小通路13に流入したVOCを含む流体が金属酸化物微粒子20と接触する。各金属酸化物微粒子20は、拡径部12に存在しているため、担体10内での移動が制限されている。これにより、担体10内における金属酸化物微粒子20、20同士の凝集が防止される。その結果、金属酸化物微粒子20と流体との大きな接触面積を安定して維持することができる。
そして、通路11に流入したVOCが金属酸化物微粒子20に接触すると、金属酸化物微粒子20中の酸素による酸化分解反応によってVOCが酸化される。例えば、金属酸化物微粒子20に含まれる酸化鉄を触媒とする場合、VOCを、二酸化炭素及び水等に分解して無害化する。このように金属酸化物微粒子20による酸化分解処理を行うことにより、VOCを無害化することができる。また、揮発性有機物質用触媒構造体1を用いて、揮発性有機物質除去装置が形成されてもよい。上記実施形態例に係る揮発性有機物質用触媒構造体1を用いることで、上記と同様の効果を奏する揮発性有機物質除去装置を得ることができる。
[揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法]
図3は、図1の揮発性有機物質用触媒構造体1の製造方法を示すフローチャートである。以下、担体に内在する触媒物質が金属酸化物微粒子である場合を例に、揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法の一例を説明する。
(ステップS1:準備工程)
図3に示すように、先ず、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)を準備する。前駆体材料(A)は、好ましくは規則性メソ細孔物質であり、揮発性有機物質用触媒構造体の担体を構成するゼオライト型化合物の種類(組成)に応じて適宜選択できる。
ここで、揮発性有機物質用触媒構造体の担体を構成するゼオライト型化合物がケイ酸塩化合物である場合には、規則性メソ細孔物質は、細孔径1〜50nmの細孔が1次元、2次元または3次元に均一な大きさかつ規則的に発達したSi−O骨格からなる化合物であることが好ましい。このような規則性メソ細孔物質は、合成条件によって様々な合成物として得られるが、合成物の具体例としては、例えばSBA−1、SBA−15、SBA−16、KIT−6、FSM−16、MCM−41等が挙げられ、中でもMCM−41が好ましい。なお、SBA−1の細孔径は10〜30nm、SBA−15の細孔径は6〜10nm、SBA−16の細孔径は6nm、KIT−6の細孔径は9nm、FSM−16の細孔径は3〜5nm、MCM−41の細孔径は1〜10nmである。また、このような規則性メソ細孔物質としては、例えばメソポーラスシリカ、メソポーラスアルミノシリケート、メソポーラスメタロシリケート等が挙げられる。
前駆体材料(A)は、市販品および合成品のいずれであってもよい。前駆体材料(A)を合成する場合には、公知の規則性メソ細孔物質の合成方法により行うことができる。例えば、前駆体材料(A)の構成元素を含有する原料と、前駆体材料(A)の構造を規定するための鋳型剤とを含む混合溶液を調製し、必要に応じてpHを調整して、水熱処理(水熱合成)を行う。その後、水熱処理により得られた沈殿物(生成物)を回収(例えば、ろ別)し、必要に応じて洗浄および乾燥し、さらに焼成することで、粉末状の規則性メソ細孔物質である前駆体材料(A)が得られる。ここで、混合溶液の溶媒としては、例えば水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶媒等を用いることができる。また、原料は、担体の種類に応じて選択されるが、例えばテトラエトキシシラン(TEOS)等のシリカ剤、フュームドシリカ、石英砂等が挙げられる。また、鋳型剤としては、各種界面活性剤、ブロックコポリマー等を用いることができ、規則性メソ細孔物質の合成物の種類に応じて選択することが好ましく、例えばMCM−41を作製する場合にはヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等の界面活性剤が好適である。水熱処理は、例えば、密閉容器内で、80〜800℃、5時間〜240時間、0〜2000kPaの処理条件で行うことができる。焼成処理は、例えば、空気中で、350〜850℃、2〜30時間の処理条件で行うことができる。
(ステップS2:含浸工程)
次に、準備した前駆体材料(A)に、金属含有溶液を含浸させ、前駆体材料(B)を得る。
金属含有溶液は、揮発性有機物質用触媒構造体の金属酸化物微粒子を構成する金属元素(M)に対応する金属成分(例えば、金属イオン)を含有する溶液であればよく、例えば、溶媒に、金属元素(M)を含有する金属塩を溶解させることにより調製できる。このような金属塩としては、例えば、塩化物、水酸化物、酸化物、硫酸塩、硝酸塩等の金属塩が挙げられ、中でも硝酸塩が好ましい。溶媒としては、例えば水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶媒等を用いることができる。
前駆体材料(A)に金属含有溶液を含浸させる方法は、特に限定されないが、例えば、後述する焼成工程の前に、粉末状の前駆体材料(A)を撹拌しながら、金属含有溶液を複数回に分けて少量ずつ添加することが好ましい。また、前駆体材料(A)の細孔内部に金属含有溶液がより浸入し易くなる観点から、前駆体材料(A)に、金属含有溶液を添加する前に予め、添加剤として界面活性剤を添加しておくことが好ましい。このような添加剤は、前駆体材料(A)の外表面を被覆する働きがあり、その後に添加される金属含有溶液が前駆体材料(A)の外表面に付着することを抑制し、金属含有溶液が前駆体材料(A)の細孔内部により浸入し易くなると考えられる。
このような添加剤としては、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、分子サイズが大きく前駆体材料(A)の細孔内部には浸入できないため、細孔の内部に付着することは無く、金属含有溶液が細孔内部に浸入することを妨げないと考えられる。非イオン性界面活性剤の添加方法としては、例えば、後述する焼成工程の前に、非イオン性界面活性剤を、前駆体材料(A)に対して50〜500質量%添加するのが好ましい。非イオン性界面活性剤の前駆体材料(A)に対する添加量が50質量%未満であると上記の抑制作用が発現し難く、非イオン性界面活性剤を前駆体材料(A)に対して500質量%よりも多く添加すると粘度が上がりすぎるので好ましくない。よって、非イオン性界面活性剤の前駆体材料(A)に対する添加量を上記範囲内の値とする。
また、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量は、前駆体材料(A)に含浸させる金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)の量(すなわち、前駆体材料(B)に内在させる金属元素(M)の量)を考慮して、適宜調整することが好ましい。例えば、後述する焼成工程の前に、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量を、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算して、10〜1000となるように調整することが好ましく、50〜200となるように調整することがより好ましい。例えば、前駆体材料(A)に金属含有溶液を添加する前に、添加剤として界面活性剤を前駆体材料(A)に添加した場合、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量を、原子数比Si/Mに換算して50〜200とすることで、金属酸化物微粒子の金属元素(M)を、揮発性有機物質用触媒構造体に対して0.5〜2.5質量%で含有させることができる。前駆体材料(B)の状態で、その細孔内部に存在する金属元素(M)の量は、金属含有溶液の金属濃度や、上記添加剤の有無、その他温度や圧力等の諸条件が同じであれば、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量に概ね比例する。また、前駆体材料(B)に内在する金属元素(M)の量は、揮発性有機物質用触媒構造体の担体に内在する金属酸化物微粒子を構成する金属元素の量と比例関係にある。したがって、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量を上記範囲に制御することにより、前駆体材料(A)の細孔内部に金属含有溶液を十分に含浸させることができ、ひいては、揮発性有機物質用触媒構造体の担体に内在させる金属酸化物微粒子の量を調整することができる。
前駆体材料(A)に金属含有溶液を含浸させた後は、必要に応じて、洗浄処理を行ってもよい。洗浄溶液として、水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶液を用いることができる。また、前駆体材料(A)に金属含有溶液を含浸させ、必要に応じて洗浄処理を行った後、さらに乾燥処理を施すことが好ましい。乾燥処理としては、一晩程度の自然乾燥や、150℃以下の高温乾燥が挙げられる。なお、金属含有溶液に含まれる水分や、洗浄溶液の水分が、前駆体材料(A)に多く残った状態で、後述の焼成処理を行うと、前駆体材料(A)の規則性メソ細孔物質としての骨格構造が壊れる恐れがあるので、十分に乾燥するのが好ましい。
(ステップS3:焼成工程)
次に、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成して、前駆体材料(C)を得る。
焼成処理は、例えば、空気中で、350〜850℃、2〜30時間の処理条件で行うことが好ましい。このような焼成処理により、規則性メソ細孔物質の孔内に含浸された金属成分が結晶成長して、孔内で金属酸化物微粒子が形成される。
(ステップS4:水熱処理工程)
次いで、前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合した混合溶液を調製し、前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)を水熱処理して、揮発性有機物質用触媒構造体を得る。
構造規定剤は、揮発性有機物質用触媒構造体の担体の骨格構造を規定するための鋳型剤であり、例えば界面活性剤を用いることができる。構造規定剤は、揮発性有機物質用触媒構造体の担体の骨格構造に応じて選択することが好ましく、例えばテトラメチルアンモニウムブロミド(TMABr)、テトラエチルアンモニウムブロミド(TEABr)、テトラプロピルアンモニウムブロミド(TPABr)等の界面活性剤が好適である。
前駆体材料(C)と構造規定剤との混合は、本水熱処理工程時に行ってもよいし、水熱処理工程の前に行ってもよい。また、上記混合溶液の調製方法は、特に限定されず、前駆体材料(C)と、構造規定剤と、溶媒とを同時に混合してもよいし、溶媒に前駆体材料(C)と構造規定剤とをそれぞれ個々の溶液に分散させた状態にした後に、それぞれの分散溶液を混合してもよい。溶媒としては、例えば水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶媒等を用いることができる。また、混合溶液は、水熱処理を行う前に、酸または塩基を用いてpHを調整しておくことが好ましい。
水熱処理は、公知の方法で行うことができ、例えば、密閉容器内で、80〜800℃、5時間〜240時間、0〜2000kPaの処理条件で行うことが好ましい。また、水熱処理は、塩基性雰囲気下で行われることが好ましい。ここでの反応メカニズムは必ずしも明らかではないが、前駆体材料(C)を原料として水熱処理を行うことにより、前駆体材料(C)の規則性メソ細孔物質としての骨格構造は次第に崩れるが、前駆体材料(C)の細孔内部での金属酸化物微粒子の位置は概ね維持されたまま、構造規定剤の作用により、揮発性有機物質用触媒構造体の担体としての新たな骨格構造(多孔質構造)が形成される。このようにして得られた揮発性有機物質用触媒構造体は、多孔質構造の担体と、担体に内在する金属酸化物微粒子を備え、さらに担体はその多孔質構造により複数の孔が互いに連通した通路を有し、金属酸化物微粒子はその少なくとも一部分が担体の通路に存在している。
また、本実施形態では、上記水熱処理工程において、前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合した混合溶液を調製して、前駆体材料(C)を水熱処理しているが、これに限らず、前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合すること無く、前駆体材料(C)を水熱処理してもよい。
水熱処理後に得られる沈殿物(揮発性有機物質用触媒構造体)は、回収(例えば、ろ別)後、必要に応じて洗浄、乾燥および焼成することが好ましい。洗浄溶液としては、水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶液を用いることができる。乾燥処理としては、一晩程度の自然乾燥や、150℃以下の高温乾燥が挙げられる。なお、沈殿物に水分が多く残った状態で、焼成処理を行うと、揮発性有機物質用触媒構造体の担体としての骨格構造が壊れる恐れがあるので、十分に乾燥するのが好ましい。また、焼成処理は、例えば、空気中で、350〜850℃、2〜30時間の処理条件で行うことができる。このような焼成処理により、揮発性有機物質用触媒構造体に付着していた構造規定剤が焼失する。また、揮発性有機物質用触媒構造体は、使用目的に応じて、回収後の沈殿物を焼成処理することなくそのまま用いることもできる。例えば、揮発性有機物質用触媒構造体の使用する環境が、酸化性雰囲気の高温環境である場合には、使用環境に一定時間晒すことで、構造規定剤は焼失し、焼成処理した場合と同様の揮発性有機物質用触媒構造体が得られるので、そのまま使用することが可能となる。
[揮発性有機物質用触媒構造体1の変形例]
図4は、図1の揮発性有機物質用触媒構造体1の変形例を示す模式図である。
図1の揮発性有機物質用触媒構造体1は、担体10と、担体10に内在する金属酸化物微粒子20とを備える場合を示しているが、この構成だけには限定されず、例えば、図4に示すように、揮発性有機物質用触媒構造体2が、担体10の外表面10aに保持された、揮発性有機物質酸化触媒物質である他の金属酸化物微粒子30を更に備えていてもよい。
この他の金属酸化物微粒子30は、一又は複数の触媒能を発揮する物質である。他の金属酸化物微粒子30が有する触媒能は、金属酸化物微粒子20が有する触媒能と同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、金属酸化物微粒子20,30の双方が同一の触媒能を有する物質である場合、他の金属酸化物微粒子30の材料は、金属酸化物微粒子20の材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。本構成によれば、揮発性有機物質用触媒構造体2に保持された揮発性有機物質酸化触媒物質の含有量を増大することができ、揮発性有機物質酸化触媒物質の触媒活性を更に促進することができる。
この場合、担体10に内在する金属酸化物微粒子20の含有量は、担体10の外表面10aに保持された他の金属酸化物微粒子30の含有量よりも多いことが好ましい。これにより、担体10の内部に保持された金属酸化物微粒子20による触媒能が支配的となり、安定的に揮発性有機物質酸化触媒物質の触媒能が発揮される。
以上、本発明の実施形態に係る揮発性有機物質用触媒構造体について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
(実施例1〜384)
[前駆体材料(A)の合成]
シリカ剤(テトラエトキシシラン(TEOS)、和光純薬工業株式会社製)と、鋳型剤としての界面活性剤とを混合した混合水溶液を作製し、適宜pH調整を行い、密閉容器内で、80〜350℃、100時間、水熱処理を行った。その後、生成した沈殿物をろ別し、水およびエタノールで洗浄し、さらに600℃、24時間、空気中で焼成して 、表1〜8に示される種類および孔径の前駆体材料(A)を得た。なお、界面活性剤は、前駆体材料(A)の種類に応じて(「前駆体材料(A)の種類:界面活性剤」)以下のものを用いた。
・MCM−41:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)(和光純薬工業株式会社製)
・SBA−1:Pluronic P123(BASF社製)
[前駆体材料(B)および(C)の作製]
次に、表1〜8に示される種類の金属酸化物微粒子を構成する金属元素(M)に応じて、該金属元素(M)を含有する金属塩を、水に溶解させて、金属含有水溶液を調製した。なお、金属塩は、金属酸化物微粒子の種類に応じて(「金属酸化物微粒子:金属塩」)以下のものを用いた。
・CoO:硝酸コバルト(II)六水和物(和光純薬工業株式会社製)
・NiO:硝酸ニッケル(II)六水和物(和光純薬工業株式会社製)
・FeO:硝酸鉄(III)九水和物(和光純薬工業株式会社製)
・CuO:硝酸銅(II)三水和物(和光純薬工業株式会社製)
次に、粉末状の前駆体材料(A)に、金属含有水溶液を複数回に分けて少量ずつ添加し、室温(20℃±10℃)で12時間以上乾燥させて、前駆体材料(B)を得た。
なお、表1〜8に示す添加剤の有無の条件が「有り」の場合は、金属含有水溶液を添加する前の前駆体材料(A)に対して、添加剤としてのポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル(NIKKOL BO−15V、日光ケミカルズ株式会社製)の水溶液を添加する前処理を行い、その後、上記のように金属含有水溶液を添加した。なお、添加剤の有無の条件で「無し」の場合については、上記のような添加剤による前処理は行っていない。
また、前駆体材料(A)に添加する金属含有水溶液の添加量は、該金属含有水溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算したときの数値が、表1〜8の値になるように調整した。
次に、上記のようにして得られた金属含有水溶液を含浸させた前駆体材料(B)を、600℃、24時間、空気中で焼成して、前駆体材料(C)を得た。
[触媒構造体の合成]
上記のようにして得られた前駆体材料(C)と、表1〜8に示す構造規定剤とを混合して混合水溶液を作製し、密閉容器内で、80〜350℃、表1〜8に示すpHおよび時間の条件で、水熱処理を行った。その後、生成した沈殿物をろ別し、水洗し、100℃で12時間以上乾燥させ、さらに600℃、24時間、空気中で焼成して、表1〜8に示す担体と触媒物質としての金属酸化物微粒子とを有する触媒構造体を得た(実施例1〜384)。
(比較例1)
比較例1では、MFI型シリカライトに平均粒径50nm以下の酸化コバルト粉末(II,III)(シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社製)を混合し、担体としてのシリカライトの外表面に、揮発性有機物質酸化触媒物質として酸化コバルト微粒子を付着させた触媒構造体を得た。MFI型シリカライトは、金属を添加する工程以外は、実施例52〜57と同様の方法で合成した。
(比較例2)
比較例2では、酸化コバルト微粒子を付着させる工程を省略したこと以外は、比較例1と同様の方法にてMFI型シリカライトを合成した。
[評価]
上記実施例の触媒構造体、比較例のシリカライトについて、以下に示す条件で、各種特性評価を行った。
[A]断面観察
上記実施例の触媒構造体および比較例1の酸化コバルト微粒子付着シリカライトについて、粉砕法にて観察試料を作製し、透過電子顕微鏡(TEM)(TITAN G2、FEI社製)を用いて、断面観察を行った。その結果、上記実施例の触媒構造体では、シリカライトまたはゼオライトからなる担体の内部に触媒物質が内在し、保持されていることが確認された。一方、比較例1のシリカライトでは、触媒物質が担体の外表面に付着しているのみで、担体の内部には存在していなかった。
また、上記実施例のうち金属酸化物が酸化鉄微粒子(FeOx)である触媒構造体について、FIB(集束イオンビーム)加工により断面を切り出し、SEM(SU8020、日立ハイテクノロジーズ社製)、EDX(X−Max、堀場製作所製)を用いて断面元素分析を行った。その結果、担体内部からFe元素が検出された。
上記TEMとSEM/EDXによる断面観察の結果から、担体内部に酸化鉄微粒子が存在していることが確認された。
[B]担体の通路の平均内径および触媒物質の平均粒径
上記評価[A]で行った断面観察により撮影したTEM画像にて、担体の通路を、任意に500個選択し、それぞれの長径および短径を測定し、その平均値からそれぞれの内径を算出し(N=500)、さらに内径の平均値を求めて、担体の通路の平均内径Dとした。また、触媒物質についても同様に、上記TEM画像から、触媒物質を、任意に500個選択し、それぞれの粒径を測定して(N=500)、その平均値を求めて、触媒物質の平均粒径Dとした。結果を表1〜8に示す。
また、触媒物質の平均粒径及び分散状態を確認するため、SAXS(小角X線散乱)を用いて分析した。SAXSによる測定は、Spring−8のビームラインBL19B2を用いて行った。得られたSAXSデータは、Guinier近似法により球形モデルでフィッティングを行い、粒径を算出した。粒径は、金属酸化物が酸化鉄微粒子である触媒構造体について測定した。また、比較対象として、市販品である酸化鉄微粒子(Wako製)をSEMにて観察、測定した。
この結果、市販品では粒径約50nm〜400nmの範囲で様々なサイズの酸化鉄微粒子がランダムに存在しているのに対し、TEM画像から求めた平均粒径が1.2nm〜2.0nmの各実施例の触媒構造体では、SAXSの測定結果においても粒径が10nm以下の散乱ピークが検出された。SAXSの測定結果とSEM/EDXによる断面の測定結果から、担体内部に、粒径10nm以下の触媒物質が、粒径が揃いかつ非常に高い分散状態で存在していることが分かった。
[C]金属含有溶液の添加量と担体内部に包接された金属量との関係
原子数比Si/M=50,100,200,1000(M=Co、Ni、Fe、Cu)の添加量で、金属酸化物微粒子を担体内部に包接させた触媒構造体を作製し、その後、上記添加量で作製された触媒構造体の担体内部に包接された金属量(質量%)を測定した。尚、本測定において原子数比Si/M=100,200,1000の触媒構造体は、それぞれ実施例1〜384のうちの原子数比Si/M=100,200,1000の触媒構造体と同様の方法で金属含有溶液の添加量を調整して作製し、原子数比Si/M=50の触媒構造体は、金属含有溶液の添加量を異ならせたこと以外は、原子数比Si/M=100,200,1000の触媒構造体と同様の方法で作製した。
金属量の定量は、ICP(高周波誘導結合プラズマ)単体か、或いはICPとXRF(蛍光X線分析)を組み合わせて行った。XRF(エネルギー分散型蛍光X線分析装置「SEA1200VX」、エスエスアイ・ナノテクノロジー社製)は、真空雰囲気、加速電圧15kV(Crフィルター使用)或いは加速電圧50kV(Pbフィルター使用)の条件で行った。
[D]性能評価
担体と触媒物質とを備える上記実施例の触媒構造体および比較例のシリカライトについて、触媒物質がもつ触媒能(性能)を評価した。結果を表1〜8に示す。
(1)触媒活性
触媒活性は、以下の条件で評価した。
まず、触媒構造体を、常圧流通式反応装置に0.2g充填し、窒素ガス(N)をキャリアガス(5ml/min)とし、400℃、2時間、 トルエン(VOCのモデル物質)ガスの分解反応を行った。
反応終了後に、回収した生成ガスを、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)により成分分析した。なお、生成ガスの分析装置には、TRACE 1310GC(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製、検出器:熱伝導度検出器)を用いた。
さらに、上記成分分析の結果に基づき、トルエンよりも分子量が小さい化合物(具体的には、CO、CO、HCOH等)の収率(mol%)を求めた。上記化合物の収率は、反応開始前のトルエンの物質量(mol)に対する、生成ガス中に含まれるトルエンよりも分子量が小さい化合物の物質量の総量(mol)の百分率(mol%)として算出した。
本実施例では、生成ガス中に含まれるトルエンよりも分子量が小さい化合物の収率が、80mol%以上である場合を触媒活性(分解能)が優れていると判定して「◎」、50mol%以上80mol%未満である場合を触媒活性が良好であると判定して「○」、20mol%以上50mol%未満である場合を触媒活性が良好ではないものの合格レベル(可)でありと判定して「△」、そして20mol%未満である場合を触媒活性が劣る(不可)と判定して「×」とした。
(2)耐久性(寿命)
耐久性は、以下の条件で評価した。
まず、上記評価(1)で使用した触媒構造体を回収し、650℃で、12時間加熱して、加熱後の触媒構造体を作製した。次に、得られた加熱後の触媒構造体を用いて、上記評価(1)と同様の方法により、トルエン(VOCのモデル物質)ガスの分解反応を行い、さらに上記評価(1)と同様の方法で、生成ガスの成分分析を行った。
得られた分析結果に基づき、上記評価(1)と同様の方法で、トルエンよりも分子量が小さい化合物の収率(mol%)を求めた。さらに、加熱前の触媒構造体による上記化合物の収率(上記評価(1)で求めた収率)と比較して、加熱後の触媒構造体による上記化合物の収率が、どの程度維持されているかを比較した。具体的には、加熱前の触媒構造体による上記化合物の収率(上記評価(1)で求めた収率)に対する、上記加熱後の触媒構造体による上記化合物の収率(本評価(2)で求めた収率)の百分率(%)を算出した。
本実施例では、加熱後の触媒構造体による上記化合物の収率(本評価(2)で求めた収率)が、加熱前の触媒構造体による上記化合物の収率(上記評価(1)で求めた収率)に比べて、80%以上維持されている場合を耐久性(耐熱性)が優れていると判定して「◎」、50%以上80%未満維持されている場合を耐久性(耐熱性)が良好であると判定して「○」、20%以上50%未満維持されている場合を耐久性(耐熱性)が良好ではないものの合格レベル(可)でありと判定して「△」、そして20%未満に低下している場合を耐久性(耐熱性)が劣る(不可)と判定して「×」とした。
なお、比較例1〜2についても、上記評価(1)および(2)と同様の性能評価を行った。なお、比較例2は、担体そのものであり、触媒物質は有していない。そのため、上記性能評価では、触媒構造体に替えて、比較例2の担体のみを充填した。結果を表8に示す。
Figure 2018202404
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表1〜8から明らかなように、断面観察により担体の内部に触媒物質が存在することが確認された触媒構造体(実施例1〜384)は、単に触媒物質が担体の外表面に付着しているだけの触媒構造体(比較例1)または触媒物質を何ら有していない担体そのもの(比較例2)と比較して、トルエンの分解反応において優れた触媒活性を示し、触媒としての耐久性にも優れていることが分かった。
一方、触媒物質を何ら有していない比較例2の担体そのものは、トルエンの分解反応において触媒活性は殆ど示さず、実施例1〜384の触媒構造体と比較して、触媒活性および耐久性の双方が劣っていた。
また、担体の外表面にのみ触媒物質を付着させた比較例1の触媒構造体は、触媒物質を何ら有していない比較例2の担体そのものと比較して、トルエンの分解反応における触媒活性は改善されるものの、実施例1〜384の触媒構造体に比べて、触媒としての耐久性は劣っていた。
1 揮発性有機物質用触媒構造体
10 担体
10a 外表面
11 通路
11a 孔
12 拡径部
20 金属酸化物微粒子
30 金属酸化物微粒子
平均粒径
平均内径
内径

Claims (22)

  1. ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体と、
    前記担体に内在する少なくとも1つの、金属酸化物からなる揮発性有機物質酸化触媒と、を備え、
    前記担体が、互いに連通する通路を有し、
    前記揮発性有機物質酸化触媒が、前記担体の少なくとも前記通路に存在していることを特徴とする揮発性有機物質用触媒構造体。
  2. 前記通路は、前記ゼオライト型化合物の骨格構造によって画定される一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかと、前記一次元孔、前記二次元孔及び前記三次元孔のうちのいずれとも異なる拡径部を有し、かつ
    前記揮発性有機物質酸化触媒が、少なくとも前記拡径部に存在していることを特徴とする、請求項1に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  3. 前記拡径部は、前記一次元孔、前記二次元孔及び前記三次元孔のうちのいずれかを構成する複数の孔同士を連通している、請求項2に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  4. 前記揮発性有機物質酸化触媒は、金属酸化物微粒子であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  5. 前記金属酸化物微粒子の平均粒径が、前記通路の平均内径よりも大きく、且つ前記拡径部の内径以下であることを特徴とする、請求項4に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  6. 前記金属酸化物微粒子の金属元素(M)が、前記揮発性有機物質用触媒構造体に対して0.5〜2.5質量%で含有されていることを特徴とする、請求項5に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  7. 前記金属酸化物微粒子の平均粒径が、0.1nm〜50nmであることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  8. 前記金属酸化物微粒子の平均粒径が、0.5nm〜14.0nmであることを特徴とする、請求項7に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  9. 前記通路の平均内径に対する前記金属酸化物微粒子の平均粒径の割合が、0.06〜500であることを特徴とする、請求項4〜8のいずれか1項に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  10. 前記通路の平均内径に対する前記金属酸化物微粒子の平均粒径の割合が、0.1〜36であることを特徴とする、請求項9に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  11. 前記通路の平均内径に対する前記金属酸化物微粒子の平均粒径の割合が、1.7〜4.5であることを特徴とする、請求項10に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  12. 前記通路の平均内径は、0.1nm〜1.5nmであり、
    前記拡径部の内径は、0.5nm〜50nmであることを特徴とする、請求項2〜11のいずれか1項に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  13. 前記担体の外表面に保持された少なくとも1つの他の揮発性有機物質酸化触媒を更に備えることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  14. 前記担体に内在する前記少なくとも1つの揮発性有機物質酸化触媒の含有量が、前記担体の外表面に保持された前記少なくとも1つの他の揮発性有機物質酸化触媒の含有量よりも多いことを特徴とする、請求項13に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  15. 前記ゼオライト型化合物は、ケイ酸塩化合物であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の揮発性有機物質用触媒構造体。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の揮発性有機物質用触媒構造体を有する、揮発性有機物質除去装置。
  17. ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成する焼成工程と、
    前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)を水熱処理する水熱処理工程と、
    を有することを特徴とする揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法。
  18. 前記焼成工程の前に、非イオン性界面活性剤を、前記前駆体材料(A)に対して50〜500質量%添加することを特徴とする、請求項17に記載の揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法。
  19. 前記焼成工程の前に、前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を複数回に分けて添加することで、前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を含浸させることを特徴とする、請求項17又は18に記載の揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法。
  20. 前記焼成工程の前に前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を含浸させる際に、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液の添加量を、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前記前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算して、10〜1000となるように調整することを特徴とする、請求項17〜19のいずれか1項に記載の揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法。
  21. 前記水熱処理工程において、前記前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合することを特徴とする、請求項17に記載の揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法。
  22. 前記水熱処理工程が塩基性雰囲気下で行われることを特徴とする、請求項17に記載の揮発性有機物質用触媒構造体の製造方法。
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