JP2004008940A - 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】HC吸着材層の耐剥離性に優れ、耐久性の向上した排気ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】ハニカム担体上に、HC吸着材層と触媒成分層をこの順で積層して成る排気ガス浄化用触媒である。HC吸着材層は、ゼオライト粉末と、鎖状形態を有するコロイダルシリカゾルと、有機系分散剤を含有するスラリーを用いて上記ハニカム担体上に形成されたものである。
HC吸着材主成分としてのゼオライト粉末と、バインダー成分としての鎖状形態を有するコロイダルシリカゾルと、有機系分散剤とを添加して均一混合した懸濁スラリーを、ハニカム担体上に被覆し、乾燥し、焼成してHC吸着材層を形成し、次いで、このHC吸着材層上に、触媒成分層を積層形成する排気ガス浄化用触媒の製造方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】ハニカム担体上に、HC吸着材層と触媒成分層をこの順で積層して成る排気ガス浄化用触媒である。HC吸着材層は、ゼオライト粉末と、鎖状形態を有するコロイダルシリカゾルと、有機系分散剤を含有するスラリーを用いて上記ハニカム担体上に形成されたものである。
HC吸着材主成分としてのゼオライト粉末と、バインダー成分としての鎖状形態を有するコロイダルシリカゾルと、有機系分散剤とを添加して均一混合した懸濁スラリーを、ハニカム担体上に被覆し、乾燥し、焼成してHC吸着材層を形成し、次いで、このHC吸着材層上に、触媒成分層を積層形成する排気ガス浄化用触媒の製造方法である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス浄化用触媒及びその製造方法に係り、更に詳細には、炭化水素(以下、「HC」と略す)吸着材層の耐剥離性に優れ、耐久性の向上した排気ガス浄化用触媒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内燃機関のエンジン始動時の低温域で大量に排出される炭化水素(以下、「コールドHC」という)の浄化を目的に、HC吸着材にゼオライトを用いたHC吸着型三元触媒(HC吸着機能付き三元触媒)が開発されている。
該触媒は、三元触媒が活性化しないエンジン始動時の低温域において、大量に排出されるHCを一時的に吸着、保持し、その後、排気ガス温度上昇により三元触媒が活性化した時に、HCを徐々に脱離し、しかも浄化するものである。
例えば、特開平2−56247号公報に記載されているように、吸着材としてのゼオライトを主成分とする第一層をハニカム担体上に形成した後、更にその上に、Pt,Pd及びRh等の貴金属を主成分とする第二層を設けた排気ガス浄化用触媒が提案されている。
【0003】
更に、かかるHC吸着材を用いた発明としては、例えば、特開平7−96177号公報、特開平7−241471号公報及び特開平9−99217号公報等に開示されているものがある。
これらのうち、特開平7−241471号公報には、ガス拡散性改良によるゼオライトの吸着機能向上の観点から、ゼオライト粉末と無機バインダーと水と有機エマルションから成るスラリーからコート層を形成し、焼成処理後に有機エマルションが分解し、生成する小孔が拡散性を向上させることが提案されている。
また、特開平7−96177号公報には、吸着材となるゼオライトの耐熱性を高める観点から、未改質ゼオライトに酸処理を施す工程と、耐熱温度以下の温度で水分存在下で処理する工程を順次行なったHC吸着材を用いたHC吸着触媒が提案されている。
更に、特開平9−99217号公報には、750℃以上の高温にさらされても良好なHC吸脱離特性を得るという観点から、吸着材としてSi/2Al比が100以上のβゼオライトを使用することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術において、自動車触媒用のHC吸着材としては、水熱耐久性の観点からSi/2Al比の高いゼオライトを用いているのが一般的となっている。
しかしながら、粒子表面が比較的親水性の高いアルミナなどの耐火性無機酸化物を含有する触媒層と、粒子表面が疎水性の高いゼオライトを含有するHC吸着材層との間では、直接接触する粒界面間の接合力が弱くなり易いため、HC吸着材層と触媒層とが比較的剥離し易く、長時間高温に曝されると、HC吸着材層の上部に積層した触媒層が剥離・欠落し、触媒層の浄化機能が著しく低下するという問題点があった。
【0005】
また、吸着したHCを長く保持するために、HC吸着材層を適正な厚みに維持する必要がある場合、Si/2Al比が比較的高いゼオライトを用いていると、水系スラリーとしてハニカム担体に塗布しても、自身の持つ疎水性や表面特性によって、バインダーとの密着性、接合性が低下し易くなり、HC吸着材コート層にひび割れが生じ易くなる。その結果、HC吸着材層自体が剥離・欠落し易くなると同時に、特に、HC吸着材層と浄化触媒層とを逐次積層した触媒構造を有するHC吸着浄化型触媒においては、触媒層がHC吸着材層に一部流入してしまうため、浄化に対して充分な触媒層厚みが形成できなくなるという問題点があった。
これに対し、特開平7−241471号公報に記載の発明では、バインダーとして球状シリカゾルを用い、有機エマルションとしてポリマー樹脂を添加しているが、その場合でもSi/2Al比が比較的高いゼオライトとバインダーとの分散状態を改善して接着性を向上させるには不十分であった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、HC吸着材層の耐剥離性に優れ、耐久性の向上した排気ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、所定のゼオライト粉末、シリカゾル及び有機系分散剤をスラリー化して用いることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の排気ガス浄化用触媒は、ゼオライト粉末と、鎖状形態を有するコロイダルシリカゾルと、有機系分散剤を含有するスラリーを用いて形成したHC吸着材層を備えるものであり、ハニカム担体上に上記HC吸着材層を形成し、更にその上に触媒成分層を形成したものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の排気ガス浄化用触媒の製造方法は、上述の如き排気ガス浄化用触媒を製造するに当たり、
HC吸着材主成分たるゼオライト粉末と、バインダー成分たる鎖状形態を有するコロイダルシリカゾルと、有機系分散剤とを均一混合した懸濁スラリーを、ハニカム担体上に被覆、乾燥、焼成してHC吸着材層を形成し、更にその上に触媒成分層を積層することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排気ガス浄化用触媒及びその製造方法について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明は、ハニカム担体上にHC吸着材層を形成するに際し、HC吸着材の主成分であるゼオライトと、バインダー成分として機能する鎖状形態を持つコロイダルシリカゾルと、有機系分散剤を組合せた水系懸濁スラリーを用いることを骨子とするものである。
かかる構成のスラリーを用いると、上記シリカゾルバインダーがゼオライト表面に偏在することなく均一に分散し易くなるため、ゼオライト粉末粒子の密着性が向上し、このスラリーをハニカム担体に塗布して乾燥した後に焼成すれば、耐久性に優れたHC吸着材層が得られる。
【0011】
また、本発明では、コロイダルシリカゾルが通常の球状形態ではなく、鎖状形態を有するので、ゾルが疎水性の高い表面を持つゼオライト粒子に対して立体的に接し得るようになり、接着性が向上するものと考えられる。
なお、使用する有機系分散剤としては、非イオン系界面活性剤が好ましい。この理由は、鎖状コロイダルシリカゾルバインダーは、その形態安定性を保つためにpH安定領域で使用する必要がある。それ故、添加する分散剤をイオン的性質に乏しい非イオン系のものとし、pH変動が少なくなるようにすることが望ましいからである。
かかる非イオン系界面活性剤としては、疎水基部及び親水基部ともにC(炭素原子)、H(水素原子)及びO(酸素原子)を構成元素とするものが好ましい。この理由は、例えば、アミド基を有したり、硫酸エステルやリン酸エステルから誘導される分散剤を用いた場合、これらに含有されるN、S及びP成分がHC吸着材コート層中に残留し、ゼオライトの表面性質を変質して本来の吸着保持能力を低下させる恐れがあるからである。
【0012】
なお、本発明においては、上述のような有機系分散剤として、ジメチルポリシロキサン型(いわゆるシリコーンオイル)又はシリコーンエマルション型のシリコーン系消泡剤を用いることができ、これらも有効に機能する。
かかるシリコーン系消泡剤は、上述の非イオン系界面活性剤と同様にイオン的性質の面で好ましいと同時に、Siベースであることから、SiとAlで構成されるゼオライトやコロイダルシリカゾルバインダーとの親和性に優れ、両者の分散状態を向上させることが可能となる。
【0013】
上述したスラリーにおいて、有機系分散剤の添加量は、ゼオライト及び上記シリカゾルに対する固形分質量比で、有機分散剤/(ゼオライト+シリカゾル)=0.001%〜10%の範囲とすることが好ましく、0.01%〜5%の範囲がより好ましく、安定した効果が得られる。
分散剤量が0.001%未満の場合、充分な分散・密着性向上効果が得られず、また、10%を超えて添加しても上述した効果は飽和し、逆に焼成による焼失分が増加することで、コート層がポーラス化して強度が低下する可能性がある。
【0014】
なお、上記ゼオライトとしては、MFI、USY、モルデナイト又はBEA及びこれらの任意の混合物であって、SiO2/Al2O3比が10〜1000であるものを用いることが好ましい。
通常の自動車排気ガス成分中のHC分布に効率的に対応するためは、上述したゼオライト種で、SiO2/Al2O3比のものを用いることが必要となる。また、このようないわゆるハイシリカゼオライトは疎水性が高いので、本発明を適用するのに極めて有効である。
【0015】
本発明の排気ガス浄化用触媒の製造方法を具体的に説明すると、この製造方法は、
▲1▼上記ゼオライト粉末と、鎖状コロイダルシリカゾルと、有機系分散剤を均一に混合攪拌する第1工程と、
▲2▼攪拌して得られた懸濁液を粉砕する第2工程と、
▲3▼粉砕して得られたスラリーをハニカム担体に塗布して乾燥する第3工程と、
▲4▼乾燥後のハニカム担体を焼成し、バインダー成分を固定化させる第4工程と、を含むものである。
この場合、第1工程では、予め混合攪拌しておくことで分散剤を均一に分散させておき、第2工程の粉砕工程で、ゼオライト粒子とコロイダルシリカゾルの密着性を向上させ、更に第3工程で、得られたスラリーを用いて後処理を実施し、耐久性の優れたHC吸着材層(ゼオライトコート層)を得る。
【0016】
そして、本発明の製造方法においては、上述のようにして形成したHC吸着材層上に、常法に従って触媒成分層を被覆して排気ガス浄化用触媒を得るが、このようにして製造した排気ガス浄化用触媒では、触媒成分がHC吸着材となるゼオライト層に流入することなく、適正な厚みを持つ層状コートを形成でき、この結果、高温で長時間耐久した後も良好な浄化性能を発揮できる排気ガス浄化用触媒が得られることになる。
なお、触媒成分としては、いわゆる貴金属触媒、即ちPt(白金)、パラジウム(Pd)又はロジウム(Rh)及びこれらの混合物を挙げることができ、また、これらの触媒成分はアルミナ等の高比表面積を有する耐火性無機酸化物に担持して使用される。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0018】
(実施例1)
Si/2Al比が50のβ−ゼオライト(BEA)粉末800gと、平均粒子径が40nmから100nm(0.04μmから0.1μm)の鎖状の粒子形状を有するシリカゾル(日産化学製ST−OUP)1333.3g(固形分濃度15%:SiO2換算)と、POE(ポリオキシエチレン)オクチルフェニルエーテル1gと、純水1000gを混合し、30分間攪拌した後、アルミナ製ボールミルポットに投入し、60分間粉砕してスラリー液を得た。このときの平均粒子径は、1μm〜2.2μmであった。
このスラリー液をコーディエライト製モノリス担体(300セル/6ミル、触媒容量1.0L)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、50℃の空気流通下30分間乾燥し、次いで、150℃の空気流通下15分間乾燥するコーティング工程を数回繰り返し所望のコート量を付着させた後、400℃で1時間焼成した。このような工程を経て、焼成後のトータル塗布量が300g/LとなるHC吸着触媒層を形成した触媒−aを得た。
【0019】
続いて、Ce3mol%を含むアルミナ粉末(Al97mol%)に、硝酸パラジウム水溶液を含浸又は高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで、600℃で1時間焼成し、Pd担持アルミナ粉末(粉末a)を得た。この粉末aのPd濃度は4.0%であった。
La1mol%とZr32mol%含有セリウム酸化物粉末(Ce67mol%)に、硝酸パラジウム水溶液を含浸又は高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで、600℃で1時間焼成し、Pd担持セリウム酸化物粉末(粉末b)を得た。この粉末bのPd濃度は2.0%であった。
上記Pd担持アルミナ粉末(粉末a)400g、Pd担持セリウム酸化物粉末(粉末b)141g、硝酸酸性アルミナゾル240g(ベーマイトアルミナ10%に10%の硝酸を添加することによって得られたゾルでAl2O3換算で24g)及び炭酸バリウム100g(BaOとして67g)を純水2000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリー液を得た。このときの平均粒子径は、2μm〜4μmであった。このスラリー液を先に得たHC吸着層コート触媒−aに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥し、400℃で1時間焼成し、コート層重量70.0g/Lを塗布し、触媒−bを得た。この触媒の貴金属担持量は、Pd2.0g/Lであった。
【0020】
(実施例2)
HC吸着材であるゼオライト種をBEAから、Si/2Al比が100のモルデナイト(MOR)へ変更し、分散剤としてPOEオレイルエーテルを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−c)を得た。
【0021】
(実施例3)
HC吸着材であるゼオライト種をBEAからSi/2Al比が700のZSM5(MFI)へ変更し、分散剤の添加量を0.1%から5%に変更した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−d)を得た。
【0022】
(実施例4)
HC吸着材であるゼオライト種をBEAからSi/2Al比が300のUSYへ変更し、分散剤とその添加量をそれぞれ、ジメチルポリシロキサン、1%に変更した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−e)を得た。
【0023】
(実施例5)
分散剤とその添加量をそれぞれ、シリコーンエマルション、1%に変更した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−f)を得た。
【0024】
(比較例1)
分散剤を添加せずに実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−g)を得た。
【0025】
(比較例2)
分散剤をオレイン酸ナトリウムに変更した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−h)を得た。
【0026】
(比較例3)
分散剤添加量を変更し、含有比率を0.1%から0.0001%にした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−i)を得た。
【0027】
(比較例4)
分散剤添加量を変更し、含有比率を0.1%から15%にした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−j)を得た。
【0028】
(比較例5)
シリカゾルバインダー種を鎖状コロイダルシリカゾルから球状コロイダルシリカゾルに変更した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒触媒−k)を得た。
【0029】
上述のようにして得られた各例の触媒の仕様を表1にまとめて示す。
【0030】
【表1】
【0031】
[評価方法]
下記耐久条件にて各例の触媒を急速劣化させ、そのサンプルの吸着効率を下記評価条件で評価し、HC吸着材層の耐久性向上幅を比較した。なお、HC吸着効率は、比較例1のサンプルのHC吸着量を基準(100)として、その比率によって示した。得られた結果を表2に示す。
(耐久条件)
エンジン排気量 3000cc
燃料 ガソリン(日石ダッシュ)
触媒入口ガス温度 800℃
耐久時間 300時間
(評価条件(モデルガス評価))
吸着ガス種 トルエン
触媒容量 120cc
吸着温度 50℃
HC検出装置 FID(水素炎イオン化検出器)
【0032】
【表2】
【0033】
表2より、非イオン系、シリコーン系分散剤を用いた系では、ゼオライトとバインダー成分の密着性が向上したことで、吸着材コート層の耐久性が向上し、吸着効率が上がっていると考えられる。
一方、陰イオン系分散剤を用いたり、所定の分散剤を用いても好適な量で使用しなかった場合、密着性向上効果が十分には得られず、リファレンス(比較例1)と同等かそれ以下の性能しか得られない。
【0034】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、所定のゼオライト粉末、シリカゾル及び有機系分散剤をスラリー化して用いることとしたため、HC吸着材層の耐剥離性に優れ、耐久性の向上した排気ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス浄化用触媒及びその製造方法に係り、更に詳細には、炭化水素(以下、「HC」と略す)吸着材層の耐剥離性に優れ、耐久性の向上した排気ガス浄化用触媒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内燃機関のエンジン始動時の低温域で大量に排出される炭化水素(以下、「コールドHC」という)の浄化を目的に、HC吸着材にゼオライトを用いたHC吸着型三元触媒(HC吸着機能付き三元触媒)が開発されている。
該触媒は、三元触媒が活性化しないエンジン始動時の低温域において、大量に排出されるHCを一時的に吸着、保持し、その後、排気ガス温度上昇により三元触媒が活性化した時に、HCを徐々に脱離し、しかも浄化するものである。
例えば、特開平2−56247号公報に記載されているように、吸着材としてのゼオライトを主成分とする第一層をハニカム担体上に形成した後、更にその上に、Pt,Pd及びRh等の貴金属を主成分とする第二層を設けた排気ガス浄化用触媒が提案されている。
【0003】
更に、かかるHC吸着材を用いた発明としては、例えば、特開平7−96177号公報、特開平7−241471号公報及び特開平9−99217号公報等に開示されているものがある。
これらのうち、特開平7−241471号公報には、ガス拡散性改良によるゼオライトの吸着機能向上の観点から、ゼオライト粉末と無機バインダーと水と有機エマルションから成るスラリーからコート層を形成し、焼成処理後に有機エマルションが分解し、生成する小孔が拡散性を向上させることが提案されている。
また、特開平7−96177号公報には、吸着材となるゼオライトの耐熱性を高める観点から、未改質ゼオライトに酸処理を施す工程と、耐熱温度以下の温度で水分存在下で処理する工程を順次行なったHC吸着材を用いたHC吸着触媒が提案されている。
更に、特開平9−99217号公報には、750℃以上の高温にさらされても良好なHC吸脱離特性を得るという観点から、吸着材としてSi/2Al比が100以上のβゼオライトを使用することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術において、自動車触媒用のHC吸着材としては、水熱耐久性の観点からSi/2Al比の高いゼオライトを用いているのが一般的となっている。
しかしながら、粒子表面が比較的親水性の高いアルミナなどの耐火性無機酸化物を含有する触媒層と、粒子表面が疎水性の高いゼオライトを含有するHC吸着材層との間では、直接接触する粒界面間の接合力が弱くなり易いため、HC吸着材層と触媒層とが比較的剥離し易く、長時間高温に曝されると、HC吸着材層の上部に積層した触媒層が剥離・欠落し、触媒層の浄化機能が著しく低下するという問題点があった。
【0005】
また、吸着したHCを長く保持するために、HC吸着材層を適正な厚みに維持する必要がある場合、Si/2Al比が比較的高いゼオライトを用いていると、水系スラリーとしてハニカム担体に塗布しても、自身の持つ疎水性や表面特性によって、バインダーとの密着性、接合性が低下し易くなり、HC吸着材コート層にひび割れが生じ易くなる。その結果、HC吸着材層自体が剥離・欠落し易くなると同時に、特に、HC吸着材層と浄化触媒層とを逐次積層した触媒構造を有するHC吸着浄化型触媒においては、触媒層がHC吸着材層に一部流入してしまうため、浄化に対して充分な触媒層厚みが形成できなくなるという問題点があった。
これに対し、特開平7−241471号公報に記載の発明では、バインダーとして球状シリカゾルを用い、有機エマルションとしてポリマー樹脂を添加しているが、その場合でもSi/2Al比が比較的高いゼオライトとバインダーとの分散状態を改善して接着性を向上させるには不十分であった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、HC吸着材層の耐剥離性に優れ、耐久性の向上した排気ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、所定のゼオライト粉末、シリカゾル及び有機系分散剤をスラリー化して用いることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の排気ガス浄化用触媒は、ゼオライト粉末と、鎖状形態を有するコロイダルシリカゾルと、有機系分散剤を含有するスラリーを用いて形成したHC吸着材層を備えるものであり、ハニカム担体上に上記HC吸着材層を形成し、更にその上に触媒成分層を形成したものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の排気ガス浄化用触媒の製造方法は、上述の如き排気ガス浄化用触媒を製造するに当たり、
HC吸着材主成分たるゼオライト粉末と、バインダー成分たる鎖状形態を有するコロイダルシリカゾルと、有機系分散剤とを均一混合した懸濁スラリーを、ハニカム担体上に被覆、乾燥、焼成してHC吸着材層を形成し、更にその上に触媒成分層を積層することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排気ガス浄化用触媒及びその製造方法について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明は、ハニカム担体上にHC吸着材層を形成するに際し、HC吸着材の主成分であるゼオライトと、バインダー成分として機能する鎖状形態を持つコロイダルシリカゾルと、有機系分散剤を組合せた水系懸濁スラリーを用いることを骨子とするものである。
かかる構成のスラリーを用いると、上記シリカゾルバインダーがゼオライト表面に偏在することなく均一に分散し易くなるため、ゼオライト粉末粒子の密着性が向上し、このスラリーをハニカム担体に塗布して乾燥した後に焼成すれば、耐久性に優れたHC吸着材層が得られる。
【0011】
また、本発明では、コロイダルシリカゾルが通常の球状形態ではなく、鎖状形態を有するので、ゾルが疎水性の高い表面を持つゼオライト粒子に対して立体的に接し得るようになり、接着性が向上するものと考えられる。
なお、使用する有機系分散剤としては、非イオン系界面活性剤が好ましい。この理由は、鎖状コロイダルシリカゾルバインダーは、その形態安定性を保つためにpH安定領域で使用する必要がある。それ故、添加する分散剤をイオン的性質に乏しい非イオン系のものとし、pH変動が少なくなるようにすることが望ましいからである。
かかる非イオン系界面活性剤としては、疎水基部及び親水基部ともにC(炭素原子)、H(水素原子)及びO(酸素原子)を構成元素とするものが好ましい。この理由は、例えば、アミド基を有したり、硫酸エステルやリン酸エステルから誘導される分散剤を用いた場合、これらに含有されるN、S及びP成分がHC吸着材コート層中に残留し、ゼオライトの表面性質を変質して本来の吸着保持能力を低下させる恐れがあるからである。
【0012】
なお、本発明においては、上述のような有機系分散剤として、ジメチルポリシロキサン型(いわゆるシリコーンオイル)又はシリコーンエマルション型のシリコーン系消泡剤を用いることができ、これらも有効に機能する。
かかるシリコーン系消泡剤は、上述の非イオン系界面活性剤と同様にイオン的性質の面で好ましいと同時に、Siベースであることから、SiとAlで構成されるゼオライトやコロイダルシリカゾルバインダーとの親和性に優れ、両者の分散状態を向上させることが可能となる。
【0013】
上述したスラリーにおいて、有機系分散剤の添加量は、ゼオライト及び上記シリカゾルに対する固形分質量比で、有機分散剤/(ゼオライト+シリカゾル)=0.001%〜10%の範囲とすることが好ましく、0.01%〜5%の範囲がより好ましく、安定した効果が得られる。
分散剤量が0.001%未満の場合、充分な分散・密着性向上効果が得られず、また、10%を超えて添加しても上述した効果は飽和し、逆に焼成による焼失分が増加することで、コート層がポーラス化して強度が低下する可能性がある。
【0014】
なお、上記ゼオライトとしては、MFI、USY、モルデナイト又はBEA及びこれらの任意の混合物であって、SiO2/Al2O3比が10〜1000であるものを用いることが好ましい。
通常の自動車排気ガス成分中のHC分布に効率的に対応するためは、上述したゼオライト種で、SiO2/Al2O3比のものを用いることが必要となる。また、このようないわゆるハイシリカゼオライトは疎水性が高いので、本発明を適用するのに極めて有効である。
【0015】
本発明の排気ガス浄化用触媒の製造方法を具体的に説明すると、この製造方法は、
▲1▼上記ゼオライト粉末と、鎖状コロイダルシリカゾルと、有機系分散剤を均一に混合攪拌する第1工程と、
▲2▼攪拌して得られた懸濁液を粉砕する第2工程と、
▲3▼粉砕して得られたスラリーをハニカム担体に塗布して乾燥する第3工程と、
▲4▼乾燥後のハニカム担体を焼成し、バインダー成分を固定化させる第4工程と、を含むものである。
この場合、第1工程では、予め混合攪拌しておくことで分散剤を均一に分散させておき、第2工程の粉砕工程で、ゼオライト粒子とコロイダルシリカゾルの密着性を向上させ、更に第3工程で、得られたスラリーを用いて後処理を実施し、耐久性の優れたHC吸着材層(ゼオライトコート層)を得る。
【0016】
そして、本発明の製造方法においては、上述のようにして形成したHC吸着材層上に、常法に従って触媒成分層を被覆して排気ガス浄化用触媒を得るが、このようにして製造した排気ガス浄化用触媒では、触媒成分がHC吸着材となるゼオライト層に流入することなく、適正な厚みを持つ層状コートを形成でき、この結果、高温で長時間耐久した後も良好な浄化性能を発揮できる排気ガス浄化用触媒が得られることになる。
なお、触媒成分としては、いわゆる貴金属触媒、即ちPt(白金)、パラジウム(Pd)又はロジウム(Rh)及びこれらの混合物を挙げることができ、また、これらの触媒成分はアルミナ等の高比表面積を有する耐火性無機酸化物に担持して使用される。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0018】
(実施例1)
Si/2Al比が50のβ−ゼオライト(BEA)粉末800gと、平均粒子径が40nmから100nm(0.04μmから0.1μm)の鎖状の粒子形状を有するシリカゾル(日産化学製ST−OUP)1333.3g(固形分濃度15%:SiO2換算)と、POE(ポリオキシエチレン)オクチルフェニルエーテル1gと、純水1000gを混合し、30分間攪拌した後、アルミナ製ボールミルポットに投入し、60分間粉砕してスラリー液を得た。このときの平均粒子径は、1μm〜2.2μmであった。
このスラリー液をコーディエライト製モノリス担体(300セル/6ミル、触媒容量1.0L)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、50℃の空気流通下30分間乾燥し、次いで、150℃の空気流通下15分間乾燥するコーティング工程を数回繰り返し所望のコート量を付着させた後、400℃で1時間焼成した。このような工程を経て、焼成後のトータル塗布量が300g/LとなるHC吸着触媒層を形成した触媒−aを得た。
【0019】
続いて、Ce3mol%を含むアルミナ粉末(Al97mol%)に、硝酸パラジウム水溶液を含浸又は高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで、600℃で1時間焼成し、Pd担持アルミナ粉末(粉末a)を得た。この粉末aのPd濃度は4.0%であった。
La1mol%とZr32mol%含有セリウム酸化物粉末(Ce67mol%)に、硝酸パラジウム水溶液を含浸又は高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで、600℃で1時間焼成し、Pd担持セリウム酸化物粉末(粉末b)を得た。この粉末bのPd濃度は2.0%であった。
上記Pd担持アルミナ粉末(粉末a)400g、Pd担持セリウム酸化物粉末(粉末b)141g、硝酸酸性アルミナゾル240g(ベーマイトアルミナ10%に10%の硝酸を添加することによって得られたゾルでAl2O3換算で24g)及び炭酸バリウム100g(BaOとして67g)を純水2000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリー液を得た。このときの平均粒子径は、2μm〜4μmであった。このスラリー液を先に得たHC吸着層コート触媒−aに付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥し、400℃で1時間焼成し、コート層重量70.0g/Lを塗布し、触媒−bを得た。この触媒の貴金属担持量は、Pd2.0g/Lであった。
【0020】
(実施例2)
HC吸着材であるゼオライト種をBEAから、Si/2Al比が100のモルデナイト(MOR)へ変更し、分散剤としてPOEオレイルエーテルを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−c)を得た。
【0021】
(実施例3)
HC吸着材であるゼオライト種をBEAからSi/2Al比が700のZSM5(MFI)へ変更し、分散剤の添加量を0.1%から5%に変更した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−d)を得た。
【0022】
(実施例4)
HC吸着材であるゼオライト種をBEAからSi/2Al比が300のUSYへ変更し、分散剤とその添加量をそれぞれ、ジメチルポリシロキサン、1%に変更した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−e)を得た。
【0023】
(実施例5)
分散剤とその添加量をそれぞれ、シリコーンエマルション、1%に変更した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−f)を得た。
【0024】
(比較例1)
分散剤を添加せずに実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−g)を得た。
【0025】
(比較例2)
分散剤をオレイン酸ナトリウムに変更した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−h)を得た。
【0026】
(比較例3)
分散剤添加量を変更し、含有比率を0.1%から0.0001%にした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−i)を得た。
【0027】
(比較例4)
分散剤添加量を変更し、含有比率を0.1%から15%にした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒−j)を得た。
【0028】
(比較例5)
シリカゾルバインダー種を鎖状コロイダルシリカゾルから球状コロイダルシリカゾルに変更した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒触媒−k)を得た。
【0029】
上述のようにして得られた各例の触媒の仕様を表1にまとめて示す。
【0030】
【表1】
【0031】
[評価方法]
下記耐久条件にて各例の触媒を急速劣化させ、そのサンプルの吸着効率を下記評価条件で評価し、HC吸着材層の耐久性向上幅を比較した。なお、HC吸着効率は、比較例1のサンプルのHC吸着量を基準(100)として、その比率によって示した。得られた結果を表2に示す。
(耐久条件)
エンジン排気量 3000cc
燃料 ガソリン(日石ダッシュ)
触媒入口ガス温度 800℃
耐久時間 300時間
(評価条件(モデルガス評価))
吸着ガス種 トルエン
触媒容量 120cc
吸着温度 50℃
HC検出装置 FID(水素炎イオン化検出器)
【0032】
【表2】
【0033】
表2より、非イオン系、シリコーン系分散剤を用いた系では、ゼオライトとバインダー成分の密着性が向上したことで、吸着材コート層の耐久性が向上し、吸着効率が上がっていると考えられる。
一方、陰イオン系分散剤を用いたり、所定の分散剤を用いても好適な量で使用しなかった場合、密着性向上効果が十分には得られず、リファレンス(比較例1)と同等かそれ以下の性能しか得られない。
【0034】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、所定のゼオライト粉末、シリカゾル及び有機系分散剤をスラリー化して用いることとしたため、HC吸着材層の耐剥離性に優れ、耐久性の向上した排気ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供することができる。
Claims (8)
- ハニカム担体上に、HC吸着材層と触媒成分層をこの順で積層して成る排気ガス浄化用触媒において、
上記HC吸着材層が、ゼオライト粉末と、鎖状形態を有するコロイダルシリカゾルと、有機系分散剤を含有するスラリーを用いて上記ハニカム担体上に形成されたことを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 上記ゼオライトが、MFI、USY、モルデナイト及びBEAから成る群より選ばれた少なくとも1種のものであり、そのSiO2/Al2O3比が10〜1000であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
- 請求項1又は2に記載の排気ガス浄化用触媒を製造するに当たり、
HC吸着材主成分としてのゼオライト粉末と、バインダー成分としての鎖状形態を有するコロイダルシリカゾルと、有機系分散剤とを添加して均一混合した懸濁スラリーを、ハニカム担体上に被覆し、乾燥し、焼成してHC吸着材層を形成し、
次いで、このHC吸着材層上に、触媒成分層を積層形成することを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。 - 上記有機系分散剤が、非イオン系界面活性剤であり、その疎水基部及び親水基部が、C、H及びOを構成元素とすることを特徴とする請求項3に記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。
- 上記有機系分散剤が、ジメチルポリシロキサン型又はシリコーンエマルション型のシリコーン系消泡剤であることを特徴とする請求項3に記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。
- 上記有機系分散剤の添加量が、上記ゼオライト粉末及び上記シリカゾルに対する質量基準で、有機分散剤/(ゼオライト+シリカゾル)=0.001〜10%であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。
- 上記ゼオライト粉末と、上記鎖状コロイダルシリカゾルと、上記有機系分散剤とを均一に混合攪拌する第1工程と、
得られた懸濁液を粉砕する第2工程と、
粉砕して得られたスラリーを上記ハニカム担体に塗布して乾燥する第3工程と、
乾燥後の上記ハニカム担体を焼成し、バインダー成分を固定化させる第4工程と、を含むことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。 - 上記吸着材主成分のゼオライトが、MFI、USY、モルデナイト及びBEAから成る群より選ばれた少なくとも1種のものであり、そのSiO2/Al2O3比が10〜1000であることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。
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