JPH11137733A - ゴルフクラブヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トップクラウンと、ソールプレートと、フェ
イスプレートと、サイドスカートとを含む単一のワンピ
ースボディを備えたゴルフクラブヘッドを提供する。 【解決手段】 サイドスカートは開口と、開口を覆う形
態のキャップとを含む。好ましくは、キャップはスナッ
プばめまたは締まりばめによってサイドスカートに接続
される。ゴルフクラブヘッドの内部は好ましくは、フェ
イスプレートを支持する強化構造を含む。望ましくは、
強化構造は３つの垂直リブを含み、これらのリブはトッ
プクラウン、フェイスプレートおよびソールプレートに
接続されてワンピースボディの部分を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の分野】この発明は一般にゴルフクラブに関し、
特にゴルフクラブヘッドに関する。

【０００２】

【発明の背景】典型的に、ゴルフクラブは主に、パタ
ー、アイアンおよびウッドの３つの種類に分けられる。
一般に、ウッドは長距離にわたってゴルフボールを打球
するために用いられ、これらのウッドは、伝統的にはパ
ーシモンなどの木材から製造される。しかしながら、今
日では、多くのウッドは金属から製造されており、これ
らは一般的にはメタルウッドと呼ばれている。メタルウ
ッドはクラブヘッドの重量を均衡にし、クラブヘッドの
周辺まわりに重量が分散されるようにし、それによりク
ラブヘッドのスイートスポットの場所およびサイズが調
整されるようにする。

【０００３】従来のメタルウッドは、ゼベリン（Zebele
an）に発行された米国特許第４，４３２，５４９号に記
載されており、これには、２つの部分にキャスティング
されたメタルドライバが開示されている。第１の部分ま
たはボディはフェイスプレートと、トップクラウンと、
大きな開口を包囲するサイドとを含み、第２の部分は、
クラブヘッドの第１の部分における大きな開口の中に嵌
まる形態であるソールプレートまたは底面を含む。キャ
スティングの後、ソールプレートはボディに溶接されて
メタルドライバのゴルフクラブヘッドを形成する。しか
しながら、このゴルフクラブヘッドは満足のいくもので
はない。なぜならこれには、互いに溶接されるべき２つ
のコンポーネントが含まれるため、かなりの時間とクラ
ブヘッドのコスト増加とを伴うからである。さらに、独
立して形成されたコンポーネントが必ずしも一致して噛
み合うわけではなく、かつソールプレートは常に同じ角
でボディに溶接されるわけではないため、クラブヘッド
のライ、ロフトおよびフェイス角が不所望にも変化し得
るという問題がある。このため、ソールプレートおよび
ボディが常に同じ態様で結合しないことにより生ずる欠
陥をテストして除去するためには多量の資源が必要であ
り、これにより、製造工程がさらに複雑になる。

【０００４】ソールプレートがボディに溶接されること
を要する従来のメタルウッドは満足のいくものではな
い。なぜなら、すべての溶接部が同一ではないからであ
る。たとえば、溶接部の浸透および封止具合の違いによ
り、クラブヘッドの強度および構造上の完全性が影響を
受け、これによりクラブヘッドの特性が変化する。溶接
はまた、クラブヘッドの重量および厚さを不所望にも増
加させ、異なったサイズの溶接部によりクラブヘッドの
重量が不均一に分散されてしまう。軽量のクラブヘッド
が重要であり、重量は特定的な場所にのみ位置づけられ
ることが望ましいため、このような付加的な重量は不利
である。また、溶接は単一のクラブヘッドの製造時に変
化をもたらすだけでなく、異なったクラブヘッド間での
ばらつきをもたらす。さらに、プレー中にクラブヘッド
の内部の溶接部品が破損し得る。封止されたクラブヘッ
ドの内部にあるこれらの部品は、クラブが用いられるた
びにガタガタと動く。このような耳障りな音を除去する
ためには付加的な時間、努力、お金および材料が必要で
ある。

【０００５】従来のクラブヘッドは、望ましい外観を得
るよう十分な注意を払って表面処理される。たとえば、
ゴルフクラブヘッドは、クラブヘッドに表面処理を施す
ために、研削、研磨、サンドブラスチング、艶出し、バ
レル磨きおよび塗装といった、コストおよび時間のかか
る工程にさらされることが多い。従来のクラブヘッドで
は、コンポーネントが互いに溶接された後にこれらの工
程が施されなければならない。なぜなら、高温度の溶接
により、表面処理されたクラブヘッドが破損したり、損
傷を受けたりするからである。不利なことに、クラブヘ
ッドが互いに溶接された後にそれを修正またはカスタマ
イズすることは困難である。たとえば、ゼベリンの特許
には、中空のクラブヘッドをポリウレタンなどの硬化材
料で満たすことが開示されている。ゼベリンの特許で
は、ソールプレートがボディに溶接されてクラブヘッド
に表面処理が施された後に、クラブヘッドのソールの中
心まで開口が掘削され、硬化材料が挿入されることが説
明されている。開口は種々のタイプのプラグねじを用い
て閉じられる。開口を掘削し、硬化材料によってクラブ
ヘッドを満たし、開口を封止することによって、研磨さ
れたクラブヘッドの表面が破損したり損傷を受けたりす
る恐れがあるため、このゴルフクラブヘッドは満足のい
くものではない。さらに、プラグねじにより重量が変化
し、クラブヘッドのバランスが崩れる。

【０００６】従来の別のゴルフヘッドクラブは、メーデ
ル（Mader ）に発行された米国特許第４，０２１，０４
７号に記載されており、これには、機械的ファスナによ
って互いに保持されたツーピースのメタルクラブヘッド
が開示されている。メーデルの特許は、単一部材の金属
からキャスティングされたソールプレートと、フェイス
プレートと、ホーゼルとを開示している。木製またはプ
ラスチック製のキャップがフェイスプレートの頂部に沿
って嵌められ、クラブヘッドの後部表面まで延びて、ク
ラウンおよび後部キャップ部分を形成する。キャップは
２つのねじによって装着され、これらの２つのねじはク
ラブヘッドのソールプレートおよび中空キャビティまで
延びる。しかしながら、このゴルフクラブヘッドは、プ
レー中に機械的ファスナが緩みやすく、クラブヘッドに
不必要な重量を付加し、不所望な場所においてクラブヘ
ッドに重量が加えられるため、満足のいくものではな
い。

【０００７】従来の別のクラブヘッドクラブは、ロン他
（Long, et al.）に発行された米国特許第５，２９２，
１２９号に記載されている。ロンの特許には、３つのリ
ブによって強化された金属製のゴルフクラブヘッドが開
示されており、これらの３つのリブは打球フェイスの内
面と、上側部の内面との間に延び、打球フェイスおよび
上側部の両方を強化するものである。このゴルフクラブ
ヘッドは、ソールプレートをゴルフクラブヘッドのボデ
ィに溶接する必要があり、強化リブがソールプレートに
相互接続されていないため、満足のいくものではない。
不利なことに、これによりゴルフボールの打球時にソー
ルプレートが変形して歪んでしまう。

【０００８】したがって、これらの大きな欠点を有さな
いゴルフクラブヘッドが必要である。さらに、トップク
ラウンまたはソールプレートをフェイスプレートに装着
するために溶接または機械的ファスナを必要としない、
改良したゴルフクラブヘッドが必要である。

【０００９】

【発明の概要】この発明の１つの局面は、フェイスプレ
ートと、トップクラウンと、ソールプレートとを含む単
一のワンピースボディを有するゴルフクラブヘッドであ
る。ゴルフクラブのフェイスプレート、ソールプレート
およびトップクラウンは所望の形態において常に正しく
位置づけられていると有利であり、これによりライ、ロ
フトおよびフェイス角におけるばらつきがなくなる。こ
の発明のゴルフクラブヘッドが、ソールプレートまたは
トップクラウンのフェイスプレートに装着するための溶
接または他のタイプのファスナを必要としないことが重
要である。溶接または機械的ファスナを必要としないこ
とにより、製造プロセスが簡単になり、ゴルフクラブの
重量のうちより多くが所望の場所に分散されるようにな
る。

【００１０】別の局面は、ゴルフクラブヘッドのフェイ
スプレートを強化する強化構造を備えたゴルフクラブヘ
ッドである。好ましくは、強化構造は１つまたはそれ以
上のリブを含み、これらのリブはクラブヘッドのトップ
クラウン、フェイスプレートおよびソールプレートと一
体的に形成される。強化構造により、クラブヘッドのト
ップクラウン、フェイスプレートおよびソールプレート
が有利に強化される。こうすると、フェイスプレートに
よってゴルフボールを打球する際に、クラブヘッドが著
しく変形しない。また、クラブヘッドを強化することに
より、クラブフェイスに対する弾性または弾性反撥力が
高まり、この結果、より多くのエネルギがゴルフボール
に伝えられ、ボールの飛行距離が増加する。

【００１１】発明の１つの実施例において、ゴルフクラ
ブヘッドは、トップクラウンと、フェイスプレートと、
ソールプレートと、サイドスカートとを有する単一のワ
ンピースボディを含む。サイドスカートは、ワンピース
ボディの内部へのアクセスを与える開口と、サイドスカ
ートの開口を覆う形態のキャップとを含む。

【００１２】発明の別の実施例において、ゴルフクラブ
ヘッドは、単一部材を形成するよう一体的に接続された
フェイスプレートとソールプレートとを含む。クラブヘ
ッドはさらに、フェイスプレートに接続されたトップク
ラウンを含み、サイドスカートはトップクラウンと、フ
ェイスプレートと、ソールプレートとに接続される。フ
ェイスプレート、ソールプレート、トップクラウンおよ
びサイドスカートにより、一般的に中空のボディが形成
される。

【００１３】発明のさらなる実施例において、ゴルフク
ラブヘッドを製造するための方法は、フェイスプレー
ト、トップクラウン、ソールプレート、サイドスカート
およびサイドスカートにおける開口とを含む単一のワン
ピースボディを形成するステップと、サイドスカートの
開口を覆う形態のサイドスカートキャップを形成するス
テップと、サイドスカートキャップをボディに装着する
ステップとを含む。好ましくは、ワンピースボディは、
フェイスプレートを強化する強化構造をさらに含む。

【００１４】この発明を例示するものであり、制限する
ものではないとして意図される好ましい実施例の図面を
参照して、この発明のこれらおよび他の特徴を以下に説
明する。

【００１５】

【詳細な説明】図１に示されるように、ゴルフクラブヘ
ッド１０は、ゴルフボールを打球するよう適合されたフ
ェイスプレート１２を含む。フェイスプレート１２は複
数のグルーブ１４を含み、これらのグルーブは好ましく
はフェイスプレートの長さの大部分にわたって延び、グ
ルーブ１４は略Ｕ形またはＶ形の形態であってもよい。
好ましくは、グルーブ１４は米国ゴルフ協会（「ＵＳＧ
Ａ」）のルールに従うものであるが、いかなるグルーブ
が用いられてもよいし、またはグルーブがなくてもよ
い。クラブヘッド１０はトップクラウン１６と、（仮想
線で示される）シャフト２０を受取る形態のホーゼルま
たはネック１８と、ソールプレート２２とをさらに含
む。ホーゼル１８は開口１９を含み、ホーゼルの上部
は、トップクラウン１６の上面の上を、好ましくは約４
分の１インチ（０．６ｃｍ）から１インチ（２．５ｃ
ｍ）までの範囲で延び、より好ましくは、約２分の１イ
ンチ（１．２ｃｍ）だけ延びる。これに代えて、クラブ
ヘッド１０は、これより長いか、または短いホーゼル１
８を含んでもよいし、ホーゼルを含まなくてもよい。好
ましくは、ホーゼル１８の開口１９はクラブヘッド１０
およびソールプレート２２まで延び、シャフト２０が開
口を通して挿入され、ソールプレート２２の底面と面一
にされる。ホーゼル１８は盲孔のホーゼルであって、開
口１９がクラブヘッド１０のごく一部分まで延びるが、
ソールプレート２２までは延びないものであってもよ
い。

【００１６】添付の図面に示されかつ以下に記載される
ゴルフクラブヘッド１０は、ドライバまたはワンウッド
（one wood）であるが、クラブヘッドは他のいかなるタ
イプのウッドであってもよい。また、添付の図面に示さ
れかつ以下に説明されるゴルフクラブ１０は、伝統的な
ゴルフクラブよりも大きなサイズの「特大サイズの」ゴ
ルフクラブであるが、クラブヘッドは、たとえば「中型
サイズの」または「標準サイズの」クラブヘッドであっ
てもよい。さらに、クラブヘッド１０は、スチール、グ
ラファイト、チタンまたは複合材料などの、いかなるタ
イプの所望のシャフト２０に接続されてもよく、シャフ
トはいかなる所望のサイズおよび長さであってもよい。

【００１７】図１および図２に最良に示されるように、
ゴルフクラブヘッド１０は、ホーゼル１８に近接したヒ
ール２４と、ホーゼル１８から離れたトウ２６と、ゴル
フクラブヘッド１０のまわりに延びるサイドスカート３
０とを含む。スカート３０はソールプレート２２、トッ
プクラウン１６およびフェイスプレート１２に接続され
てクラブヘッド１０のボディ３２を形成する。サイドス
カート３０は開口３４と、開口３４を覆う形態であるキ
ャップ３６とをさらに含む。これらの種々の部品が組合
せられてクラブヘッド１０の外面を形成する。クラブヘ
ッド１０は実質的に中空であるため、これらの部品の各
々は、対応する内面を有する。

【００１８】好ましくは、フェイスプレート１２および
トップクラウン１６またはソールプレート２２は単一の
ワンピースコンポーネントとして形成され、より好まし
くは、フェイスプレート１２、トップクラウン１６、ソ
ールプレート２２およびサイドスカート３０は単一のワ
ンピースコンポーネントとして形成される。フェイスプ
レート１２およびソールプレート２２がワンピースボデ
ィ３２の一部分として形成されるため、フェイスプレー
トおよびソールプレートは常に、所望の形態および角度
において正しく位置づけられる。有利なことに、フェイ
スプレート１２およびソールプレート２２の角度間での
ばらつきが少ししか、または全くないため、各クラブヘ
ッド１０のロフト、ライおよびフェイス角は本質的に同
じになる。

【００１９】さらに、ワンピースボディ３２により、製
造プロセスが非常に簡単になる。なぜなら、ソールプレ
ート２２はフェイスプレート１２に溶接される必要はな
く、これにより時間および資源が節約され、ゴルフクラ
ブの重量が低減するからである。典型的に、クラブヘッ
ド１０の重量が低減すると、クラブヘッドのスピードが
増加し、この結果、より大きな力およびエネルギがゴル
フボールに伝えられる。これに代えて、クラブヘッドの
重量を低減する代わりに、ワンピースボディのおかげで
節約された重量を、たとえばより大きなサイズのクラブ
ヘッドを製造するために用いることもでき、かつ／また
はこの重量をクラブヘッド内に再度分散することもでき
る。たとえば、重心を変えるために重量を再度分散して
もよく、クラブフェイスのすぐ背後に付加的な重量を位
置づけてもよく、またはクラブヘッドの周辺まわりに付
加的な重量を分散してもよい。

【００２０】好ましくは、クラブヘッド１０はインベス
トメントキャスティング、ダイキャスティングまたは蝋
型キャスティングなどのキャスティングによって単一の
ワンピースボディ３２として製造されるが、クラブヘッ
ドは、鍛造、成形、プレス加工、ダイナミックまたはア
イソスタティック圧密成形などの他のいかなる公知の手
段によって形成されてもよい。好ましくは、ワンピース
ボディ３２はチタン６Ａｌ−４Ｖなどのチタン合金から
構成されるが、ステンレススチールまたはアルミニウム
などのいかなる金属または金属合金が用いられてもよ
い。さらに、ボディ３２を構成するためにはいかなる複
合材料またはアモルファス材料が用いられてもよい。ま
た、ボディ３２の全体またはその一部分がプラスチック
または複合材料によって構成されてもよく、フェイスプ
レート１２は、ゴルフボールを当てるよう設計された前
フェイス上に、たとえばグラファイトまたは他の材料の
インサートを含んでもよい。

【００２１】好ましくは、ゴルフクラブヘッド１０のフ
ェイスプレート１２は約０．０６インチ（１．５ｍｍ）
から約０．１２インチ（３ｍｍ）の範囲であり、より好
ましくは約０．０８インチ（２ｍｍ）の厚さを有する。
トップクラウン１６は約０．０４インチ（１ｍｍ）の厚
さを有し、ソールプレート２２は約０．０４インチ（１
ｍｍ）の厚さを有し、スカート３０は約０．０４インチ
（１ｍｍ）の厚さを有する。もちろん、たとえば、ゴル
フクラブヘッド１０の所望の強度および形態またはクラ
ブヘッドの構成に必要な材料に依存して、これらの面の
いずれかまたはすべての厚さがこれより大きいか、また
は小さくてもよい。厚さは均一でなくてもよく、クラブ
ヘッドの所望の場所に重量を分散するよう不均一であっ
てもよい。

【００２２】フェイスプレート１２は約３．５インチ
（８８ｍｍ）の幅と約２．４インチ（６０ｍｍ）の高さ
とを有することが望ましく、ソールプレート２２は約
３．６インチ（９１ｍｍ）の長さを有することが望まし
い。好ましくは、クラブヘッド１０の体積は全部で約１
５立方インチ（２５０ｃｃ）から約１８立方インチ（３
００ｃｃ）までの範囲である。クラブヘッド１０の大き
さは、たとえば、クラブヘッドのタイプと、クラブヘッ
ドが特大サイズであるか、中型サイズであるか、または
標準サイズであるかに応じて変化し得ることが理解され
るであろう。好ましくは、フェイスプレート１２および
ソールプレート２２は約５５°から約５９°までであっ
て、より好ましくは約５８°のライで構成され、ゴルフ
クラブのソールを地面につけるかまたは置いた時のロフ
トは好ましくは約５°から約１３°までの範囲である。
好ましくは、クラブヘッドのフェイス角は約−１°から
約＋３°までの範囲であり、−は「開いた」位置を示
し、＋は「閉じた」位置を示す。もちろん、これらの測
定値は、たとえばクラブヘッドのタイプおよびユーザの
好みに応じて変化し得る。先に議論したように、フェイ
スプレート１２およびソールプレート２２がワンピース
ボディ３２の部分として望ましく構成されているため、
これらのコンポーネントは所望の形態および角度で常に
正しく位置づけられ、これによりクラブヘッド間でのば
らつきが少ししか、または全く生じないようになる。こ
れにより、有利なことに、各クラブヘッドの形状および
特性が確実に望ましくなる。

【００２３】クラブヘッド１０のボディ３２は実質的に
中空の内部４０を規定する。図２から図４に示されるよ
うに、サイドスカート３０の開口３４は、内部４０への
アクセスを与える。好ましくは、開口３４はフェイスプ
レート１２と実質的に背中合わせに配置されるが、開口
はスカート３０内の任意の場所に配置されてもよい。ま
た、開口３４はトップクラウン１６またはソールプレー
ト２２の一部分を含んでもよく、または開口全体がソー
ルプレートまたはトップクラウンに配置されてもよい。
好ましくは、開口３４は約１インチ（２．５ｃｍ）の高
さと約２インチ（５ｃｍ）の長さとを有する略長方形の
形態であるが、開口はまた、ゴルフクラブヘッド１０の
所望のサイズおよび形態に依存して、たとえば円形また
は正方形であるか、またはこれより大きいか小さい、他
の形態を有してもよい。

【００２４】好ましくは、キャップ３６はスカート３０
の開口３４を覆う形態およびサイズである。図２および
図３に最良に示されるように、キャップ３６はグルーブ
４４を有する外側エッジ４２を有し、このグルーブ４４
はキャップの外周まわりに延び、スカート３０の開口３
４は内側エッジ４６を有する。キャップ３６の外側エッ
ジ４２のグルーブ４４は、開口３４の内側エッジ４６と
係合する形態であり、これにより、内側エッジ４６がグ
ルーブ４４内にしっかりと嵌まる。望ましくは、これに
よりキャップ３６と開口３４とが「スナップ」ばめさ
れ、キャップ３６がボディ３２に解放可能に固定され
る。さらに、好ましくは、キャップ３６は、スカート３
０の外面を全体的に平滑にする態様で、開口３４を覆う
形態である。

【００２５】キャップ３６はスカート３０の開口３４に
装着されて、実質的に中空である内部４０を閉じる。前
述のとおり、好ましくは、キャップ３６はスナップばめ
によってスカート３０に解放可能に接続されるが、プレ
スばめ、締まりばめまたはボルト、ねじおよび接着剤な
どのファスナが用いられてもよい。望ましくは、取外し
可能なキャップ３６により、クラブヘッドが表面処理さ
れた後でも内部４０へのアクセスが与えられる。キャッ
プ３６がスカート３０に溶接されていないため、クラブ
ヘッドは所望の任意の態様で表面処理することができ、
その後、表面処理された表面が破損したり損傷を受けた
りすることなく、キャップ３６によって内部４０が閉じ
られることが有利である。

【００２６】有利なことに、取外し可能なキャップ３６
により、表面処理されたクラブヘッドの中に材料および
／またはコンポーネントを容易に挿入するか、またはそ
こから取外すことができるようになる。たとえば、ゴル
フクラブヘッドのトルクを調節するためにクラブヘッド
１０のヒール２４またはトウ２６に重量を加えたり、ま
たはクラブヘッドの重心を下げるよう重量を加えること
ができる。さらに、クラブヘッド１０を均衡にするか、
またはゴルファーの特定的なスタイルまたは好みに合う
ようにクラブヘッドを調節するよう、重量を加えること
ができる。キャップ３６により、クラブヘッド１０に付
加的な強化材料を加えるか、またはクラブヘッド１０か
らそれを取除くことが可能になり、かつキャップ３６に
より、製造プロセスの前、間、または後に、発泡材料ま
たはポリウレタンなどの材料をクラブヘッド１０の中に
挿入することが可能になる。このように、取外し可能な
キャップ３６により、製造者、ユーザまたは他の者がク
ラブヘッド１０を容易に修正および／または修理するこ
とが可能となるが、キャップ３６は溶接および融合など
によってスカート３０に永久的に接続されてもよい。望
ましくは、クラブヘッドが競技に用いられるよう、キャ
ップ３６はＵＳＧＡのルールに従って製造される。

【００２７】キャップ３６はワンピースボディ３２と同
じ材料によって構成され、かつキャップはワンピースボ
ディと同時にキャスティングされてもよい。たとえば、
キャップ３６をボディ３２の一部分として製造し、その
後キャップ３６と開口３４とが全く同じサイズおよび形
態を有するよう、キャップをボディから切り抜いてもよ
いが、キャップはボディ３２とは別個に製造されてもよ
い。キャップ３６はボディ３２と同じチタン合金によっ
て構成されてもよいが、好ましくは、キャップはプラス
チック材料によって構成される。しかしながら、キャッ
プ３６には、多くの金属、ポリマ、複合材料またはアモ
ルファス材料のうち任意のものを含むさまざまな材料が
用いられ得る。さらに、好ましくは、キャップ３６は約
０．０４インチ（１ｍｍ）の厚さを有するが、この厚さ
は、たとえばキャップ３６の所望の強度および形態に依
存して、これより大きいかまたは小さくてもよい。

【００２８】強化構造５０はクラブヘッド１０の内部４
０内にある。強化構造５０は望ましくはフェイスプレー
ト１２の背後に位置づけられ、さらに望ましくは、フェ
イスプレートに一体的に接続され、単一ユニットを形成
する。強化構造５０はフェイスプレート１２を強化し、
クラブヘッド１０の構造上の剛性を高め、これによりク
ラブヘッドが、ゴルフボールによって繰返し受けるイン
パクトに耐え得るようにする。構造５０はまた、クラブ
ヘッド１０がゴルフボールを打球する際にフェイスプレ
ート１２が変形することによってクラブヘッドのエネル
ギが吸収される（したがって失われる）ことを防ぐよう
にする。このような変形の結果、クラブヘッド１０から
ゴルフボールに伝えられるエネルギが失われ、したがっ
てボールの初速度が低下し、この結果、ゴルフボールの
飛距離が短くなるという問題が生ずる。クラブヘッド１
０には強化構造５０を用いる必要がないことが理解され
るであろう。

【００２９】図２および図３に最良に示されるように、
強化構造５０は、ワンピースボディ３２の部分として、
クラブヘッド１０のフェイスプレート１２、トップクラ
ウン１６およびソールプレート２２に一体的に接続され
る。このため、強化構造５０はフェイスプレート２０だ
けでなく、トップクラウン１６およびソールプレート２
２も有利に強化する。強化構造５０は、クラブヘッド１
０の構造上の完全性を保ったままで、薄いフェイスプレ
ート１２、トップクラウン１６および／またはソールプ
レート２２の使用を可能にする。図２から図４に示され
るように、強化構造５０は３つの中心リブ５２ａ、５２
ｂおよび５２ｃを含み、これらのリブはフェイスプレー
ト１２の内面５４に沿って垂直方向に延び、一端がソー
ルプレート２２の内面５６に取付けられ、他方端がトッ
プクラウン１６の内面５８に取付けられる。好ましく
は、中心リブ５２ｂはフェイスプレート１２の中心に近
接し、他のリブ５２ａおよび５２ｃは約２分の１インチ
（１．２ｃｍ）だけスペースがあけられている。もちろ
ん、付加的な、またはこれより少ないリブ５２が用いら
れてもよく、リブはこれより近接しているか、または離
れていてもよく、リブ５２はある角度をなし、かつフェ
イスプレート１２に対して水平であってもよい。

【００３０】図４に最良に示されるように、リブ５２ａ
から５２ｃの各々は約０．０４インチ（１ｍｍ）の厚さ
を有し、略長方形の断面を有するが、リブの厚さおよび
形態は、たとえばリブの所望の強度に依存して変化し得
る。個々のリブが異なった形状および特性を有してもよ
い。図２に示されるように、リブ５２の内部６０は第１
の上部曲率半径６２および第２の下部曲率半径６４で湾
曲している。上部曲率半径６２は好ましくは約２インチ
（５ｃｍ）から約４インチ（１０ｃｍ）までの範囲であ
り、下部曲率半径６４は好ましくは約２インチ（５ｃ
ｍ）から約４インチ（１０ｃｍ）までの範囲である。し
かし、曲率半径はこれより大きくても小さくてもよい。
望ましくは、フェイスプレートの内面５４からリブ５２
の内部６０までの、リブの長さは約４分の１インチ
（０．６ｃｍ）からリブの中心に近づく約２分の１イン
チ（１．２ｃｍ）までの範囲であり、トップクラウン１
６に近接するリブの長さは約２分の１インチ（１．２ｃ
ｍ）から約１インチ（２．５４ｃｍ）までの範囲であ
り、ソールプレート２２に近接するリブの長さは約２分
の１インチ（１．２ｃｍ）から約１インチ（２．５４ｃ
ｍ）までの範囲である。望ましくは、リブ５２の、湾曲
した内部６０によりクラブヘッド１０の重量が低減する
が、リブは直線状であるか、または別の形態を有しても
よい。

【００３１】図５に示されるように、クラブヘッド１０
は強化材料６６をさらに含み、この強化材料は、好まし
くはフェイスプレート１２の背後において、クラブヘッ
ドの内部４０に取付けられる。強化材料６６はフェイス
プレート１２の剛性をさらに高め、かつリブ５２を有し
て、または有せずに用いられてもよい。好ましくは、強
化材料６６はグラファイトなどの炭素材料から構成され
るが、フェイスプレートの剛性を高めるものであればい
かなる材料が用いられてもよい。有利なことに、表面処
理された表面に損傷を与えることなく、クラブヘッド１
０が構成され、それに表面処理が施された後に強化材料
６６を加えることができる。なぜなら、強化材料はクラ
ブヘッド１０のワンピースボディ３２の開口３４を通し
て挿入できるからである。

【００３２】この発明は、実質的に同一の形状であるゴ
ルフクラブヘッド１０を製造するための方法をさらに含
む。この方法は、単一のワンピースボディ３２としてフ
ェイスプレート１２、トップクラウン１６、ソールプレ
ート２２およびスカート３０を形成するステップを含
む。ワンピースボディは望ましくはインベストメント蝋
型キャスティングによって形成されるが、ボディはま
た、ダイキャスティング、射出成形、ダイナミック圧密
成形、アイソスタティック圧密成形、鍛造、貼り合わせ
加工などによって形成されてもよい。望ましくは、強化
リブ５２は単一のワンピースボディ３２の部分として構
成される。キャップ３６はボディ３２の開口３４を覆
い、クラブヘッドの内部４０を封止する。有利なこと
に、キャップ３６により、たとえばクラブヘッドの重量
を変化させるか、またはクラブヘッドの強度を高めるた
めの、クラブヘッド１０の内部４０へのアクセスが与え
られる。

【００３３】この発明は特定的な好ましい実施例によっ
て説明されたが、この発明の範囲内において当業者には
他の実施例も明らかであろう。したがって、この発明の
範囲は前掲の特許請求の範囲によってのみ規定されるべ
きである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例に従ったゴルフクラブヘッド
の斜視図である。

【図２】キャップがスカートから取除かれた状態の、図
１に示したゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。

【図３】図２に示したゴルフクラブヘッドの、線３−３
に沿った断面図である。

【図４】強化構造を示す、トップクラウンの一部分が切
り取られた状態の、図１に示したゴルフクラブヘッドの
底面図である。

【図５】フェイスプレートの内面にある強化材料を示
す、図４に示したゴルフクラブの底面図である。

【符号の説明】

１０ ゴルフクラブヘッド １２ フェイスプレート １６ トップクラウン ２２ ソールプレート

Claims (28)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トップクラウンと、フェイスプレート
   と、ソールプレートと、サイドスカートとを含む単一の
   ワンピースボディと、 前記ワンピースボディの内部へのアクセスを与える、前
   記サイドスカートにある開口と、 前記サイドスカートの前記開口を覆う形態であるキャッ
   プとを備えた、ゴルフクラブヘッド。
2. 【請求項２】 前記ワンピースボディの前記フェイスプ
   レートを強化する強化構造をさらに含む、請求項１に記
   載のゴルフクラブヘッド。
3. 【請求項３】 前記強化構造が、前記ワンピースボディ
   の一部分である、請求項２に記載のゴルフクラブヘッ
   ド。
4. 【請求項４】 前記強化構造が、前記フェイスプレー
   ト、前記トップクラウンおよび前記ソールプレートに装
   着される、請求項３に記載のゴルフクラブヘッド。
5. 【請求項５】 前記ワンピースボディおよび前記強化構
   造が、インベストメント蝋型キャスティングによって単
   一ユニットとして構成される、請求項３に記載のゴルフ
   クラブヘッド。
6. 【請求項６】 前記強化構造が１つまたはそれ以上のリ
   ブを含む、請求項２に記載のゴルフクラブヘッド。
7. 【請求項７】 前記リブが、湾曲した内面を有する、請
   求項６に記載のゴルフクラブヘッド。
8. 【請求項８】 前記リブが前記ワンピースボディの部分
   であり、前記リブは、前記フェイスプレート、前記トッ
   プクラウンおよび前記ソールプレートに装着される、請
   求項６に記載のゴルフクラブヘッド。
9. 【請求項９】 前記サイドスカートにある前記開口が、
   一般的に前記フェイスプレートと向かい合う、請求項１
   に記載のゴルフクラブヘッド。
10. 【請求項１０】 前記トップクラウン、フェイスプレー
    トおよびソールプレートを接続する強化手段をさらに含
    む、請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。
11. 【請求項１１】 ゴルフクラブヘッドであって、 フェイスプレートと、 前記フェイスプレートに一体的に接続されて単一ユニッ
    トを形成するソールプレートと、 前記フェイスプレートに接続されたトップクラウンと、 前記トップクラウン、フェイスプレートおよびソールプ
    レートに接続されたサイドスカートとを含み、前記フェ
    イスプレート、ソールプレート、トップクラウンおよび
    サイドスカートは、一般的に中空のボディを形成する、
    ゴルフクラブヘッド。
12. 【請求項１２】 前記サイドスカートにある開口をさら
    に含み、前記開口は前記中空ボディの内部へのアクセス
    を与える、請求項１１に記載のゴルフクラブヘッド。
13. 【請求項１３】 前記開口を覆う形態であるキャップを
    さらに含む、請求項１２に記載のゴルフクラブヘッド。
14. 【請求項１４】 前記中空ボディの内部へのアクセスを
    与えるための手段をさらに含む、請求項１１に記載のゴ
    ルフクラブヘッド。
15. 【請求項１５】 前記ワンピースボディの前記フェイス
    プレートを強化する強化構造をさらに含む、請求項１１
    に記載のゴルフクラブヘッド。
16. 【請求項１６】 前記強化構造が、前記ワンピースボデ
    ィの一部分である、請求項１５に記載のゴルフクラブヘ
    ッド。
17. 【請求項１７】 前記強化構造が、前記フェイスプレー
    ト、トップクラウンおよびソールプレートに装着され
    る、請求項１６に記載のゴルフクラブヘッド。
18. 【請求項１８】 前記強化構造が１つまたはそれ以上の
    リブを含む、請求項１５に記載のゴルフクラブヘッド。
19. 【請求項１９】 前記リブが、湾曲した内面を有する、
    請求項１８に記載のゴルフクラブヘッド。
20. 【請求項２０】 前記リブが前記ワンピースボディの部
    分であり、前記リブは前記フェイスプレート、トップク
    ラウンおよびソールプレートに装着される、請求項１８
    に記載のゴルフクラブヘッド。
21. 【請求項２１】 前記フェイスプレート、ソールプレー
    トおよびトップクラウンを接続する強化手段をさらに含
    む、請求項１１に記載のゴルフクラブヘッド。
22. 【請求項２２】 フェイスプレートと、トップクラウン
    と、ソールプレートと、サイドスカートと、前記サイド
    スカート内の開口とを含む単一のワンピースボディを形
    成するステップと、 前記サイドスカートの前記開口と係合する形態のサイド
    スカートキャップを形成するステップと、 前記サイドスカートキャップを前記ボディに装着するス
    テップとを含む、ゴルフクラブヘッドを製造するための
    方法。
23. 【請求項２３】 前記ワンピースボディに、前記フェイ
    スプレートを強化する強化構造を形成するステップをさ
    らに含む、請求項２２に記載の方法。
24. 【請求項２４】 前記強化構造が、前記フェイスプレー
    ト、トップクラウンおよびソールプレートに装着された
    １つまたはそれ以上のリブを含む、請求項２２に記載の
    方法。
25. 【請求項２５】 フェイスプレートと、トップクラウン
    と、ソールプレートと、サイドスカートとを含むワンピ
    ースボディをキャスティングするステップと、 前記サイドスカートに開口を形成するステップと、 前記開口を覆う形態のキャップを装着するステップとを
    備える、ゴルフクラブヘッドを製造するための方法。
26. 【請求項２６】 前記キャスティングするステップが、
    前記フェイスプレートを強化するための１つまたはそれ
    以上の強化リブを形成するステップをさらに含む、請求
    項２５に記載の方法。
27. 【請求項２７】 前記キャスティングするステップが、
    １つまたはそれ以上の強化リブを形成するステップをさ
    らに含み、前記リブは前記ワンピースボディの一部分で
    あり、前記リブは前記フェイスプレート、トップクラウ
    ンおよびソールプレートに装着される、請求項２５に記
    載の方法。
28. 【請求項２８】 前記キャスティングが、インベストメ
    ント蝋型キャスティングである、請求項２５に記載の方
    法。