JPH11137214A - 肉類の食感改善方法 - Google Patents

肉類の食感改善方法

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JPH11137214A
JPH11137214A JP9306711A JP30671197A JPH11137214A JP H11137214 A JPH11137214 A JP H11137214A JP 9306711 A JP9306711 A JP 9306711A JP 30671197 A JP30671197 A JP 30671197A JP H11137214 A JPH11137214 A JP H11137214A
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meat
meats
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Koji Sengoku
浩次 仙石
Hiroko Wada
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の加熱処理方法で得られた肉類に比べ
て、柔らかさにおいて優れ、かつ適度な弾力を有し、肉
汁も十分に維持された加熱処理済み肉類であって、特に
肉類の繊維がほぐれやすく、かつ肉類の繊維自体が柔ら
かい肉類を得ることができる方法の提供すること。 【解決手段】 肉類をアルカリ性水溶液に浸漬した後、
加圧加熱処理を施すことを特徴とする肉類の食感改善方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肉類の食感改善方
法に関する。さらに詳細には、従来の加熱処理済み肉類
の食感よりも柔らかい肉類を得るための食感改善方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、レトルト食品やチルド食品等の
加工食品に具材として含まれている肉類は、加熱殺菌時
の熱によって、その食感が硬くなる傾向にある。つま
り、肉の繊維が熱で収縮して繊維自体が硬いものであっ
た。また、肉汁の流出も著しく、パサパサしたものであ
った。こうした肉の食感を改良するために、従来から、
肉類に長時間のボイル処理を施すことが行なわれてい
る。ところが、ボイル処理には膨大な時間を要するた
め、効率的な生産には不向きであった。
【0003】そこで、本出願人は、原料肉に蒸気又は熱
水を直接接触させて加圧加熱処理することによって、従
来のボイル処理よりも効率的に、柔らかい肉類を得るこ
とができる肉類の加熱処理方法に係る発明を出願した
(特開平6ー46800号)。しかし、本出願人は、上
記方法によって得られた肉類の柔らかさには、十分に満
足することができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の加熱
処理方法で得られた肉類に比べて、適度な柔らかさと弾
力を有し、肉汁も十分に保持された肉類であって、特に
肉類の繊維がほぐれやすく、かつ肉類の繊維自体が柔ら
かい肉類を得る方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、まず、肉類に
炭酸水素ナトリウム溶液等のアルカリ性水溶液を浸透さ
せることによって、肉類の食感を柔らかくすることがで
きるという知見を得た。しかし、炭酸水素ナトリウム溶
液等のアルカリ性水溶液を含んだ肉類を常圧下で加熱処
理すると、肉類の表面にぬめりが発生する。また、アル
カリ性水溶液の濃度を低下させると、上記ぬめりの発生
は解消できるが、肉類の食感を柔らかくすることが困難
になる。
【0006】そこで本発明者は、アルカリ性水溶液を含
んだ肉類を、常圧下ではなく加圧下で加熱処理すること
によって、たとえ低濃度のアルカリ性水溶液を用いた場
合であっても、好適な柔らかさの肉類を得ることができ
るという現象を見出した。しかも、低濃度のアルカリ性
水溶液を用いた場合には、好適な柔らかさの肉類が得ら
れるとともに、アルカリ臭のほとんど又は全く感じられ
ない、風味の優れた肉類が得られるという知見も得た。
【0007】以上の知見に基づく本発明の要旨は、肉類
をアルカリ性水溶液に浸漬した後、加圧加熱処理を施す
ことを特徴とする肉類の食感改善方法、である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明にいう肉類は、例えば牛
肉、豚肉、鶏肉等の畜肉が挙げられる。肉類は適宜の大
きさにカットしておくことが好ましい。また、肉類は冷
凍されたものであってもよいし、あるいは冷凍状態のも
のを解凍してから使用してもよい。
【0009】本発明では、まず上記肉類をアルカリ性水
溶液に漬浸処理を施す。この浸漬処理によって、肉類に
アルカリ性水溶液を浸透させる。少なくとも肉類の表層
部にアルカリ性水溶液を浸透させれば、本発明の効果を
得ることができるが、肉類の中心部にまでアルカリ性水
溶液を浸透させる方が、さらに柔らかさの優れた肉類を
得ることができるという点で好ましい。
【0010】上記アルカリ性水溶液の濃度は、0.1重
量%〜3.0重量%、さらには0.1重量%〜1.0重
量%であることが好ましい。なお、アルカリ性水溶液の
濃度が3.0重量%よりも高い場合には、得られた肉類
の表面にぬめりが感じられるほか、アルカリ臭が強くな
る傾向にある。また反対に、アルカリ性水溶液の濃度が
0.1重量%を下回る場合には、得られた肉類の食感に
硬さが残る傾向にある。
【0011】上記アルカリ性水溶液としては、例えば、
炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の水溶液が挙げ
られる。上記水溶液の中でも、炭酸水素ナトリウム、炭
酸ナトリウム、水酸化ナトリウム水溶液は、アルカリ性
水溶液の濃度が低い場合であっても肉類の食感を柔らか
くする効果が高いので、アルカリ臭を伴わない、風味的
に好ましい肉類を得ることができるという点で好適であ
る。
【0012】肉類にアルカリ性水溶液を含浸させる方法
としては、例えばアルカリ性水溶液中に浸漬する方法、
あるいはアルカリ性水溶液を肉類に対してシャワーする
方法等が挙げられる。前者の方法による場合、アルカリ
性水溶液の温度は、70°C以下であればよく、さらに
は5°C〜40°Cであることが好適である。アルカリ
性水溶液の温度が高い程、肉類に浸透するアルカリ性水
溶液の量を増加させることができるが、70°Cを超え
る場合には、肉の蛋白質が熱変性を起こして、最終的に
得られた加熱処理済み肉類の食感が硬くなる傾向にあ
る。上記の温度域にあるアルカリ性水溶液を用いるので
あれば、15分間以上、さらには1時間〜20時間、肉
類をアルカリ性水溶液に浸漬すればよい。
【0013】次に、アルカリ性水溶液で浸漬処理した肉
類に、加圧加熱処理を施す。これによって、従来品では
味わうことができなかった柔らかさを備えた加熱処理済
み肉類を得ることができる。加圧加熱処理は、105°
C〜130°Cで1分間〜180分間、より好ましくは
110°C〜120°Cの温度で6分間〜120分間の
条件で行なうことが好適である。上記加圧加熱処理時の
雰囲気圧力は、0.2kg/cm2〜1.8kg/c
2、さらに好ましくは、0.4kg/cm2〜1.0k
g/cm2である。なお、本明細書中に記載の圧力は、
全てゲージ圧で表記したものである。
【0014】また、加圧加熱処理は、肉類の殺菌処理を
兼ねることも可能であり、この場合には、加熱処理済み
肉類の保存条件に応じて任意の殺菌条件を採用すればよ
い。
【0015】上記加圧加熱処理は、アルカリ性水溶液か
ら取り出した肉類をリテーナーに収納して、直接的に蒸
気を接触させて行なってもよいし、あるいは、肉類をア
ルカリ性水溶液に浸漬した状態で行なってもよい。特に
後者の方法によれば、より多くのアルカリ性水溶液を肉
類に浸透させることができるので、前者の方法よりもさ
らに食感の柔らかい肉類を得ることができる。さらに後
者の方法により加圧加熱処理を行なう場合には、アルカ
リ水溶液の合計浸漬時間が上記範囲を超えてもよいが、
肉の旨味成分も比較的良好に維持したいのであれば、ア
ルカリ水溶液の合計浸漬時間を上記の、15分間以上さ
らには1時間〜20時間という範囲内に留める方が好ま
しい。
【0016】以上の工程を経て得られた加熱処理済み肉
類は、例えばカレー、シチュー等の液状食品に具材とし
て添加し、これに加圧加熱殺菌処理を施すことにより、
レトルト食品とすることができる。あるいは、肉類の殺
菌条件となるように加圧加熱処理条件を設定して肉類に
殺菌処理を施し、これとは別に殺菌処理を施してなる液
状食品とを、無菌雰囲気下で混合し容器に充填密封して
もよい。この場合には、レトルト食品とする場合よりも
肉類への熱履歴が少ないので、より有効に肉類の柔らか
さを維持することができる。
【0017】
【実施例1】25mm角のサイの目状にカットされた冷
凍牛肉を解凍し、カット牛肉を得た。次に、前記カット
牛肉を5°Cの炭酸水素ナトリウム水溶液(0.5重量
%濃度)に16時間浸漬し、アルカリ処理済みのカット
肉を得た。次いで、上記アルカリ処理済みのカット肉を
圧力釜に入れ、釜を密閉した後、117°Cの熱水中
で、30分間の加圧加熱処理を行ない、加熱処理済みカ
ット牛肉を得た。
【0018】上記加熱処理済み牛肉と、後述の実施例2
品及び実施例3品、並びに比較例1品及び比較例2品と
を、その品質について比較した。その評価結果を表1に
示す。なお、上記品質評価は、「肉の繊維のほぐれやす
さ」、「肉の繊維自体の柔らかさ」、「風味」を評価ポ
イントとして、5(非常に良好)、4(良好)、3(普
通)、2(不良)、1(非常に不良)の5段階評価を官
能により行なったものである。
【0019】
【実施例2】上記実施例1と同様にして、肉類にアルカ
リ処理済みカット牛肉を得、これを底面に複数の孔を有
する上方開口リテーナーに収納して、117°Cの蒸気
雰囲気下に30分間保持し、加熱処理済みカット処理牛
肉を得た。この加熱処理済みカット牛肉の品質につい
て、実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に
示した。
【0020】
【実施例3】上記実施例1と同様にして、肉類にアルカ
リ処理済みカット牛肉を得た。次いで、上記アルカリ処
理済みのカット肉を、浸漬処理に用いた上記炭酸水素ナ
トリウム水溶液に浸漬した状態で、圧力釜に入れ、釜を
密閉した後、117°C、30分間の加圧加熱処理を行
ない、加熱処理済みカット牛肉を得た。この加熱処理済
みカット牛肉の品質について、実施例1と同様の方法で
評価し、その結果を表1に示す。
【0021】
【比較例1】カット牛肉に、炭酸水素ナトリウム水溶液
を施さないという点を除き、全て実施例1と同様にし
て、加熱処理済みカット牛肉を得た。この加熱処理済み
カット牛肉の品質について、実施例1と同様の方法で評
価し、その結果を表1に示す。
【0022】
【比較例2】実施例1において、炭酸水素ナトリウム水
溶液の濃度を1.0重量%とし、かつ117°C、30
分間の加圧加熱処理に代えて、前記肉類を100°C、
30分間の常圧雰囲気での加熱処理を行なうという点以
外は、全て実施例1と同様にして加熱処理済みカット牛
肉を得た。この加熱処理済みカット牛肉の品質につい
て、実施例1と同様の方法で評価した結果を表1に示
す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の食感改善方法によれば、肉の繊
維のほぐれ性及び繊維自体の柔らかさにおいて優れ、そ
の食感が従来の加熱処理済み肉類に比べて格段に柔らか
い肉類を得ることができる。また、上記肉類は、レトル
ト食品、チルド食品、あるいは無菌充填食品等、製造工
程上、加熱殺菌処理を必要とする保存性加工食品の具材
として使用するのに好適であり、従来の肉類のように、
加熱殺菌処理によって肉の食感が硬化するのを有効に防
止することができる。
【0025】また、本発明の食感改善方法によれば、ア
ルカリ性水溶液の使用量が少なくても、肉の食感を十分
に柔らかくすることができるので、アルカリ臭が感じら
れない加熱処理済み肉類を得ることができる。なお、本
発明の処理を施した肉類は、例えば、上述のように保存
性食品に添加される具材としての用途に限定されること
はなく、例えば、塩、香辛料、液状調味料等を加えてそ
のまま、あるいは加熱調理して食することも可能で、こ
の場合にも柔らかな肉類の食感を味わうことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肉類をアルカリ性水溶液に浸漬した後、
    加圧加熱処理を施すことを特徴とする肉類の食感改善方
    法。
  2. 【請求項2】 蒸気を直接接触させることによって、肉
    類に加圧加熱処理を施すことを特徴とする請求項1記載
    の肉類の食感改善方法。
  3. 【請求項3】 肉類をアルカリ性水溶液に浸漬した状態
    で加圧加熱処理を施すことを特徴とする請求項1記載の
    肉類の食感改善方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014146203A1 (en) * 2013-03-19 2014-09-25 Living Cell Research Inc. Method for tenderizing poultry products
KR102092390B1 (ko) * 2019-08-26 2020-03-23 박덕규 소머리 곰탕의 제조방법
CN114532474A (zh) * 2020-11-11 2022-05-27 东洋制罐株式会社 食品的制造方法

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KR102092390B1 (ko) * 2019-08-26 2020-03-23 박덕규 소머리 곰탕의 제조방법
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