JPH11132324A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH11132324A
JPH11132324A JP9299170A JP29917097A JPH11132324A JP H11132324 A JPH11132324 A JP H11132324A JP 9299170 A JP9299170 A JP 9299170A JP 29917097 A JP29917097 A JP 29917097A JP H11132324 A JPH11132324 A JP H11132324A
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正伸 堀口
Hiroyuki Yuasa
弘之 湯浅
Kaname Suehiro
要 末広
Susumu Morita
晋 森田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動変速機の変速性能を改善する。 【解決手段】自動変速機の出力軸回転速度Noの単位時
間当たり変化量ΔNoとその加重平均値ΔNoave との
偏差の絶対値を積算し(S11〜S14) 、前記積算値xが
所定値を超えたときは摩擦係合要素へのリターン圧を減
少させ、所定値未満のときはリターン圧を増大させる学
習を行い(S20〜S22) 、スロットル弁開度の変化量Δ
TVOが所定値を以上又は走行路面勾配の変化が所定値
以上のときは前記学習を禁止する(S15〜S17, S19)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速
制御装置に関し、特に、締結を行う摩擦係合要素に予め
締結方向の予備圧力をかけると共に、該予備圧力を学習
する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータ付自動変速機を搭載し
た車両にあっては、車速とスロットル弁開度等の条件に
基づいて、複数の摩擦係合要素の締結を予め設定された
変速パターンに従って切り換えることにより変速を行う
ようになっている(実開昭62−194231号公報等
参照)。
【0003】かかる自動変速機の変速時に解放から締結
に切り換えられる摩擦係合要素は、締結から解放に切り
換えられる摩擦係合要素に比較すると、リターンスプリ
ングの解放方向の付勢力に抗して締結を行うため、作動
遅れを生じやすく、変速性能が悪化する。そこで、締結
すべき摩擦係合要素に予め予備圧力をかけて作動遅れを
解消することにより、変速性能悪化を回避しようとする
技術が提案されている(特開平5−106722号公報
参照) 。また、このものでは、該予備圧力が高過ぎる場
合には摩擦による引きずり(以下インターロックとい
う) を生じてしまうので、該インターロックを抑制しつ
つ、ぎりぎりまで予備圧力を高くするように予備圧力の
学習を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記予備圧力の学習
は、自動変速機の出力トルクを目標値となるように学習
したり、車両の加速度が生じないように学習したりする
ようにしている。しかし、この学習方式では、トルクセ
ンサや加速度が必要となり、コストアップにつくもので
あった。
【0005】本発明は、このような従来の課題に着目し
てなされたもので、通常搭載されているセンサによって
検出される値に基づいて、摩擦係合要素の予備圧力を学
習できるようにした自動変速機の変速制御装置を提供す
ることを目的とする。また、上記の学習をより精度良く
行えるようにした自動変速機の変速制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このため、請求項1に
係る発明は、複数の摩擦係合要素の締結を切り換えるこ
とによって変速を行う自動変速機の変速制御装置におい
て、自動変速機の出力軸回転速度Noに関連した値を検
出する出力軸回転速度検出手段と、前記出力軸回転速度
の単位時間当たり変化量ΔNoを算出する回転速度変化
量算出手段と、変速時に前記ΔNoの変化が大きい状態
を、インターロック発生状態と判定するインターロック
判定手段と、解放から締結に切り換えられる摩擦係合要
素に対して、予め締結方向の予備圧力をかけておく予備
圧力付勢手段と、前記予備圧力をインターロックの発生
の有無に応じて学習する予備圧力学習手段と、を含んで
構成したことを特徴とする。
【0007】前記請求項1に係る発明の作用・効果を説
明する。自動変速機の変速時にインターロックを生じる
と、出力軸回転速度の変化速度が変化する。そこで、出
力軸回転速度検出手段によって出力軸回転速度に関連す
る値Noを検出し、回転速度変化量算出手段によって該
Noの単位時間当たり変化量ΔNoを算出し、インター
ロック判定手段によって該ΔNoの変化が大きいときを
インターロック発生状態と判定する。
【0008】そして、該インターロック判定手段によっ
て判定されるインターロック発生の有無に応じて予備圧
力学習手段が自動変速機の解放から締結に切り換えられ
る摩擦係合要素に予め付勢される予備圧力を学習し、予
備圧力付勢手段によって該学習された予備圧力を前記摩
擦係合要素に付勢する。このようにすれば、インターロ
ックの発生の有無に応じた予備圧力の学習を行えるの
で、インターロックを回避しつつ変速の応答性を向上さ
せることができる。
【0009】また、インターロック発生の有無を、出力
軸回転速度に関連する値Noの変化量ΔNoによって判
定する方式としたため、自動変速機の制御等に使用する
ため該Noを検出するべく自動変速機に搭載されている
センサの検出値を用いることができ、コストアップを抑
制できる。また、請求項2に係る発明は、複数の摩擦係
合要素の締結を切り換えることによって変速を行う自動
変速機の変速制御装置において、自動変速機の出力軸回
転速度Noに関連した値を検出する出力軸回転速度検出
手段と前記出力軸回転速度の単位時間当たり変化量ΔN
oを算出する回転速度変化量算出手段と、変速時に前記
ΔNoの変化が大きい状態を、インターロック発生状態
と判定するインターロック判定手段と、前記ΔNoの変
化が大きい状態がインターロックの発生以外で発生する
非インターロック条件を検出する非インターロック条件
検出手段と、解放から締結に切り換えられる摩擦係合要
素に対して、予め締結方向の予備圧力をかけておく予備
圧力付勢手段と、前記予備圧力をインターロックの発生
の有無に応じて学習する予備圧力学習手段と、前記非イ
ンターロック条件を検出したときは、前記予備圧力学習
手段による予備圧力の学習を禁止させる学習禁止手段
と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0010】前記請求項2に係る発明の作用・効果を説
明する。請求項1に係る発明と同様にして出力軸回転速
度検出手段によりNoを検出し、回転速度変化量算出手
段により算出したΔNoの変化が大きくなる状態をイン
ターロック判定手段によって判定するが、該ΔNoの変
化が大きくなる状態は、インターロック発生以外の条件
によって発生する場合がある。
【0011】そこで、非インターロック条件検出手段
は、インターロック発生以外でΔNoの変化が大きくな
る非インターロック条件を検出し、該非インターロック
条件条件を検出したときには、学習禁止手段が学習手段
によるインターロック発生の有無に応じた予備圧力の学
習を禁止し、該条件を検出しないときのみ予備圧力の学
習を行うようにする。
【0012】これにより、予備圧力の誤学習を防止し
て、予備圧力の制御精度を高めることができる。また、
請求項3に係る発明は、複数の摩擦係合要素の締結を切
り換えることによって変速を行う自動変速機の変速制御
装置において、自動変速機の出力軸回転速度Noに関連
した値を検出する出力軸回転速度検出手段と、前記出力
軸回転速度の単位時間当たり変化量ΔNoを算出する回
転速度変化量算出手段と、変速時に前記ΔNoの変化が
大きい状態を、インターロック発生状態と判定するイン
ターロック判定手段と、前記ΔNoの変化が大きい状態
がインターロックの発生以外で発生する非インターロッ
ク条件を検出する非インターロック条件検出手段と、解
放から締結に切り換えられる摩擦係合要素に対して、予
め締結方向の予備圧力をかけておく予備圧力付勢手段
と、前記予備圧力をインターロックの発生の有無に応じ
て学習する予備圧力学習手段と、前記非インターロック
条件を検出したときは、前記予備圧力学習手段に該非イ
ンターロック条件に応じて予測されるΔNoに対する実
際のΔNoの差に基づきΔNoの変化を求めて予備圧力
の学習を行わせる学習制御手段と、を含んで構成したこ
とを特徴とする。
【0013】前記請求項3に係る発明の作用・効果を説
明する。請求項2に係る発明と同様に非インターロック
条件検出手段によってインターロック発生以外でΔNo
の変化が大きくなる非インターロック条件を検出し、該
非インターロック条件を検出したときには、学習制御手
段によって予備圧力学習手段に該非インターロック条件
に応じて予測されるΔNoに対する実際のΔNoの差に
基づきΔNoの変化を求めて予備圧力の学習を行わせ
る。即ち、非インターロック条件によるΔNoの変化分
を除いてΔNoの変化を求め、該ΔNoの変化からイン
ターロックの有無を判定して予備学習を行わせる。
【0014】これにより、非インターロック条件のとき
も、該条件に影響されることなく予備圧力の学習を進め
ることができる。また、請求項4に係る発明は、前記非
インターロック条件は、自動変速機に連結するエンジン
のスロットル弁開度の変化が所定値以上であることを特
徴とする。
【0015】前記請求項4に係る発明の作用・効果を説
明する。スロットル弁開度の変化が大きいと自動変速機
に入力されるトルクの変化によってΔNoの変化が増大
するので、該条件を非インターロック条件とする。ま
た、請求項5に係る発明は、前記インターロック条件
は、走行路面の勾配変化が所定値以上であることを特徴
とする。
【0016】前記請求項5に係る発明の作用・効果を説
明する。走行路面の勾配変化が大きいと自動変速機の出
力軸に加わるトルクの変化によってΔNoの変化が増大
するので、該条件を非インターロック条件とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
に基づいて説明する。図4は、本発明に係る自動変速機
の変速制御装置のシステム構成を示す図であり、図示し
ない車両に搭載されるエンジン1の出力トルクは、自動
変速機2を介して駆動輪に伝達される。
【0018】前記自動変速機2は、クラッチ,ブレーキ
などの摩擦係合要素に対する作動油圧の供給を、ソレノ
イドバルブユニット3によって制御することで変速が行
われる構成のものであり、前記ソレノイドバルブユニッ
ト3はマイクロコンピュータを内蔵したコントロールユ
ニット4からの制御信号に応じて動作する。具体的に
は、図5に示すように、トルクコンバータT/Cを介し
てエンジンの出力トルクを入力する構成であって、フロ
ント遊星歯車組83,リア遊星歯車組84を備えると共に、
摩擦係合要素として、リバースクラッチR/C,ハイク
ラッチH/C,バンドブレーキB/B,ロー&リバース
ブレーキL&R/B,フォワードクラッチFWD/Cを
備える。尚、図5において、81は変速機の入力軸,82は
変速機の出力軸を示し、また、Neはエンジン回転速
度,Ntはタービン回転速度,Noは出力軸回転速度を
示す。また、図4に示すように、該出力軸回転速度No
(車速に比例) を検出する出力軸回転速度検出手段とし
ての出力軸回転速度センサ5が設けられ、該検出した出
力軸回転速度Noは本発明に係るリターン圧の学習に用
いられる。
【0019】上記構成において、図6に示すように、前
記リバースクラッチR/C,ハイクラッチH/C,バン
ドブレーキB/B,ロー&リバースブレーキL&R/
B,フォワードクラッチFWD/Cの締結,解放の組合
せに応じて変速が行われ、例えば、3速→4速のアップ
シフト時には、フォワードクラッチFWD/Cの解放
と、バンドブレーキB/Bの締結とが同時に行われるこ
とになる。即ち、本実施の形態における自動変速機2
は、1方向クラッチを用いずに、2つの摩擦係合要素の
締結と解放とを油圧制御によって同時に行わせる変速
(所謂クラッチツウクラッチ変速) を実行する構成とな
っている(図7参照) 。
【0020】クラッチ等の摩擦係合要素の締結制御にお
いては、図7に示すように、まず、プリチャージを行っ
て摩擦係合要素を接触直前まで無効ストロークさせた
後、作動油圧を締結力が発生するぎりぎりのリターン圧
RTN(臨界圧) に保持し、その後、摩擦係合要素の締
結が所定のタイミングで進行するように作動油圧を制御
する。尚、前記リターン圧は、摩擦係合要素を解放方向
に付勢するリターンスプリング(弾性部材) のバネ力に
対応した圧力である。このリターン圧RTNを予備圧力
として付勢する機能が予備圧力付勢手段に相当する。
【0021】上記構成において、前記リターン圧RTN
(予備圧力) を以下のようにして学習する。図8は、本
発明の第1の実施の形態(請求項1に対応) におけるリ
ターン圧RTNの学習ルーチンを示すフローチャートで
ある。このルーチンは、変速制御の開始によって開始さ
れる。
【0022】図8において、ステップ(図ではSと記
す) 1では、前記出力軸回転速度センサ83によって検出
された自動変速機の出力軸回転速度Noを読み込む。ス
テップ2では、前記出力軸回転速度Noの単位時間当た
りの変化量ΔNoを算出する。このステップ2の機能が
回転速度変化量算出手段に相当する。ステップ3では、
前記変化量ΔNoの加重平均値ΔNoave を算出する。
【0023】ステップ4では、今回算出された変化量Δ
Noと前記加重平均値ΔNoave との偏差の絶対値|Δ
No−ΔNoave |を積算してxとする。ここで、加重
平均値ΔNoave はΔNoが略一定に保持された場合の
値を示し、これに対する今回の変化量ΔNoの偏差はΔ
Noの変化を表す値となる。ステップ5では、変速制御
を開始してからの設定時間等に基づいてトルクフェーズ
が終了したか否かを判定する。
【0024】ステップ5でトルクフェーズが終了したと
判定されたときはステップ6へ進み、前記積算値xが所
定値を超えたか否かを判定する。そして、ステップ6で
積算値xが所定値を超えたと判定されたときは、インタ
ーロックが発生したと判断してステップ7へ進み、次回
制御されるリターン圧RTNを所定量ΔRTNDだけ減
少する。このステップ6の機能が、インターロック判定
手段に相当する。
【0025】また、ステップ6で積算値xが所定値以下
と判定されたときは、インターロックが発生していない
と判断してステップ8へ進み、次回制御されるリターン
圧RTNを所定量ΔRTNIだけ増大する。ここで、該
増大用の所定量ΔRTNIは、前記減少用の所定量ΔR
TNDより小さい値に設定されている。前記ステップ
7, ステップ8の機能が、予備圧力学習手段に相当す
る。
【0026】ステップ9では、積算値xを0にリセット
する。このようにすれば、インターロックが発生してい
ないときに、リターン圧RTNを漸増させつつ、インタ
ーロックが発生したときにリターン圧RTNを減少する
構成としたため、インターロックを回避しつつリターン
圧RTNが最大限に高められるので、変速の応答性が可
及的に向上し、スムースな変速を行える。
【0027】次に、本発明の第2の実施の形態(請求項
2に対応) について説明する。前記第1の実施の形態で
は、ΔNoの変化が大きい状態をインターロックが発生
したと判定したが、インターロック発生以外の条件によ
ってΔNoの変化が大きくなる場合がある。そこで、第
2の実施の形態では、このような条件を伴う場合は、リ
ターン圧RTNの学習を禁止するようにしたものであ
る。
【0028】図9は、該第2の実施の形態に係るリター
ン圧の学習ルーチンを示すフローチャートである。ステ
ップ11〜ステップ14は、図8のステップ1〜ステップ4
と同様である。ステップ15では、スロットル弁開度TV
Oの変化ΔTVOが所定値以上あるか否かを判定する。
【0029】ステップ15でスロットル弁開度TVOの変
化ΔTVOが所定値以上あると判定された場合は、図10
に示すように該スロットル弁開度TVOの変化によって
ΔNoの変化が大きくなった可能性があると判断してス
テップ17へ進み、リターン圧RTNの学習を禁止するべ
くフラグYを1にセットした後、ステップ18へ進む。ス
テップ15でスロットル弁開度TVOの変化ΔTVOが所
定値未満と判定された場合はステップ16へ進み、走行路
面の勾配変化が所定値以上あるか否かを判定する。ここ
で、走行路面の勾配は、勾配センサを設けて検出する
他、車両の駆動力と走行抵抗とを算出してこれらの値か
ら勾配を算出して求めることもできる。
【0030】ステップ16で走行路面の勾配変化が所定値
以上あると判定された場合は、図11に示すように該勾配
変化によってΔNoの変化が大きくなった可能性がある
と判断して、ステップ17へ進み、リターン圧RTNの学
習を禁止するべくフラグYを1にセットした後、ステッ
プ18へ進む。前記ステップ16で走行路面の勾配変化が所
定値未満と判定された場合は、ステップ18へ進む。
【0031】前記ステップ15, ステップ16の機能が非イ
ンターロック条件検出手段に相当する。ステップ18で
は、図8のステップ5と同様に、トルクフェーズの終了
を判定し、トルクフェーズ終了前はこのフローを終了
し、トルクフェーズ終了後はステップ19へ進む。
【0032】ステップ19では、前記フラグYの値を判定
し、フラグYが1にセットされている場合は、既述した
ようにインターロック以外の条件でΔNoの変化が大き
くなった可能性があると判断して、リターン圧RTNの
学習を行うことなくステップ23へ進み、前記積算値x及
びフラグYをリセットした後、このフローを終了する。
前記ステップ17とステップ19の機能が、学習禁止手段に
相当する。
【0033】一方、ステップ19でフラグYが0にリセッ
トされている場合は、ステップ20以降へ進んで、図8の
ステップ6〜ステップ9と同様の制御を行う。即ち、ス
テップ20では、前記積算値xが所定値を超えたか否かの
判定を行い、積算値が所定値を超えたと判定されたとき
は、ステップ21へ進んでリターン圧RTNを所定量ΔR
TND減少させ、積算値xが所定値未満と判定されたと
きは、ステップ22へ進んでリターン圧RTNを所定量Δ
RTNIだけ増大させるように学習を行い、その後ステ
ップ23へ進んで、積算値x,フラグYをリセットする。
【0034】このようにすれば、インターロック発生以
外の条件でΔNoの変化が増大した可能性がある場合に
は、リターン圧RTNの学習を禁止することにより、リ
ターン圧RTNの誤学習を防止して、リターン圧RTN
の制御精度を高めることができる。次に、本発明の第3
の実施の形態(請求項3に対応) について説明する。
【0035】該第3の実施の形態では、前記インターロ
ック発生以外の条件で原因でΔNoの変化が増大した可
能性がある場合に、該条件によるΔNoを予測し、該予
測値に基づいてリターン圧RTNの学習を行うものであ
る。図12は、該第3の実施の形態に係るリターン圧の学
習ルーチンを示すフローチャートである。
【0036】ステップ31,ステップ32では、図8のステ
ップ1,ステップ2と同様に出力軸回転速度Noを読み
込んでΔNoを算出する。ステップ33では、スロットル
弁開度TVOの変化ΔTVOが所定値以上あるか否かを
判定する。ステップ33でスロットル弁開度TVOの変化
ΔTVOが所定値以上あると判定された場合はステップ
34へ進み、該スロットル弁開度TVOの変化ΔTVOに
よるΔNoの予測値ΔNot を算出する。該予測値ΔN
ot は、例えばΔTVOと出力軸回転速度Noに基づい
て算出することができる。
【0037】次いでステップ35では、今回算出された変
化量ΔNoと前記予測値ΔNot との偏差の絶対値|Δ
No−ΔNot |を積算してxとする。また、ステップ
33でΔTVOが所定値未満と判定された場合はステップ
36へ進み、走行路面の勾配変化が所定値以上あるか否か
を判定する。ステップ36で走行路面の勾配変化が所定値
以上あると判定された場合はステップ37へ進み、該勾配
変化によるΔNoの予測値ΔNot を算出する。該予測
値ΔNot は、例えば勾配変化量と出力軸回転速度No
に基づいて算出することができる。
【0038】次いでステップ38では、今回算出された変
化量ΔNoと前記予測値ΔNos との偏差の絶対値|Δ
No−ΔNos |を積算してxとする。前記ステップ3
4,35 及びステップ37,38 の機能が学習制御手段に相当
する。また、ステップ36で走行路面の勾配変化が所定値
未満と判定された場合は、ステップ39, ステップ40へ進
んで、図8のステップ3, ステップ4と同様にΔNoの
加重平均値ΔNoave を算出し、今回算出された変化量
ΔNoと前記加重平均値ΔNoave との偏差の絶対値|
ΔNo−ΔNoave |を積算してxとする。
【0039】以下、ステップ41〜ステップ45では、図8
のステップ5〜ステップ9と同様に積算値xを所定値と
比較して、リターン圧RTNを増減する学習を行う。こ
のようにすれば、インターロック発生以外の条件でΔN
oの変化が大きい状態となっている可能性がある場合に
は、該条件に応じたΔNoを予測し、該予測値と実際の
ΔNoとを比較して両者の差に基づいてΔNoの変化を
求めてインターロックの有無に応じたリターン圧RTN
の学習を行う構成としたため、該条件に影響されること
なく学習を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の構成・機能を示すブロッ
ク図。
【図2】請求項2に係る発明の構成・機能を示すブロッ
ク図。
【図3】請求項3に係る発明の構成・機能を示すブロッ
ク図。
【図4】本発明が適用される自動変速機を示すシステム
図。
【図5】自動変速機の詳細を示す構成図。
【図6】上記自動変速機における摩擦係合要素の締結状
態の組合せによる変速の様子を示す図。
【図7】クラッチツウクラッチ変速時の油圧制御の様子
を示すタイムチャート。
【図8】第1の実施の形態に係る予備圧力学習ルーチン
を示すフローチャート。
【図9】第2の実施の形態に係る予備圧力学習ルーチン
を示すフローチャート。
【図10】スロットル弁開度TVOの変化と自動変速機の
出力軸回転速度Noの変化との関係を示すタイムチャー
ト。
【図11】走行路面勾配の変化と自動変速機の出力軸回転
速度Noの変化との関係を示すタイムチャート。
【図12】第3の実施の形態に係る予備圧力学習ルーチン
を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 ソレノイドバルブユニット 4 コントロールユニット 5 出力軸回転速度センサ 83 フロント遊星歯車組 84 リア遊星歯車組 R/C リバースクラッチ H/C ハイクラッチ B/B バンドブレーキ L&R/B ロー&リバースブレーキ FWD/C フォワードクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 晋 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の摩擦係合要素の締結を切り換えるこ
    とによって変速を行う自動変速機の変速制御装置におい
    て、 自動変速機の出力軸回転速度Noに関連した値を検出す
    る出力軸回転速度検出手段と、 前記出力軸回転速度の単位時間当たり変化量ΔNoを算
    出する回転速度変化量算出手段と、 変速時に前記ΔNoの変化が大きい状態を、インターロ
    ック発生状態と判定するインターロック判定手段と、 解放から締結に切り換えられる摩擦係合要素に対して、
    予め締結方向の予備圧力をかけておく予備圧力付勢手段
    と、 前記予備圧力をインターロックの発生の有無に応じて学
    習する予備圧力学習手段と、 を含んで構成したことを特徴とする自動変速機の変速制
    御装置。
  2. 【請求項2】複数の摩擦係合要素の締結を切り換えるこ
    とによって変速を行う自動変速機の変速制御装置におい
    て、 自動変速機の出力軸回転速度Noに関連した値を検出す
    る出力軸回転速度検出手段と前記出力軸回転速度の単位
    時間当たり変化量ΔNoを算出する回転速度変化量算出
    手段と、 変速時に前記ΔNoの変化が大きい状態を、インターロ
    ック発生状態と判定するインターロック判定手段と、 前記ΔNoの変化が大きい状態がインターロックの発生
    以外で発生する非インターロック条件を検出する非イン
    ターロック条件検出手段と、 解放から締結に切り換えられる摩擦係合要素に対して、
    予め締結方向の予備圧力をかけておく予備圧力付勢手段
    と、 前記予備圧力をインターロックの発生の有無に応じて学
    習する予備圧力学習手段と、 前記非インターロック条件を検出したときは、前記予備
    圧力学習手段による予備圧力の学習を禁止させる学習禁
    止手段と、 を含んで構成したことを特徴とする自動変速機の変速制
    御装置。
  3. 【請求項3】複数の摩擦係合要素の締結を切り換えるこ
    とによって変速を行う自動変速機の変速制御装置におい
    て、 自動変速機の出力軸回転速度Noに関連した値を検出す
    る出力軸回転速度検出手段と、 前記出力軸回転速度の単位時間当たり変化量ΔNoを算
    出する回転速度変化量算出手段と、 変速時に前記ΔNoの変化が大きい状態を、インターロ
    ック発生状態と判定するインターロック判定手段と、 前記ΔNoの変化が大きい状態がインターロックの発生
    以外で発生する非インターロック条件を検出する非イン
    ターロック条件検出手段と、 解放から締結に切り換えられる摩擦係合要素に対して、
    予め締結方向の予備圧力をかけておく予備圧力付勢手段
    と、 前記予備圧力をインターロックの発生の有無に応じて学
    習する予備圧力学習手段と、 前記非インターロック条件を検出したときは、前記予備
    圧力学習手段に該非インターロック条件に応じて予測さ
    れるΔNoに対する実際のΔNoの差に基づきΔNoの
    変化を求めて予備圧力の学習を行わせる学習制御手段
    と、 を含んで構成したことを特徴とする自動変速機の変速制
    御装置。
  4. 【請求項4】前記非インターロック条件は、自動変速機
    に連結するエンジンのスロットル弁開度の変化が所定値
    以上であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記
    載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】前記インターロック条件は、走行路面の勾
    配変化が所定値以上であることを特徴とする請求項2又
    は請求項3に記載の自動変速機の変速制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180073807A (ko) * 2016-12-22 2018-07-03 현대 파워텍 주식회사 자동 변속기의 학습 제어 장치 및 방법

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