JPH11131241A - プラズマcvd法及び装置 - Google Patents

プラズマcvd法及び装置

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JPH11131241A
JPH11131241A JP9300434A JP30043497A JPH11131241A JP H11131241 A JPH11131241 A JP H11131241A JP 9300434 A JP9300434 A JP 9300434A JP 30043497 A JP30043497 A JP 30043497A JP H11131241 A JPH11131241 A JP H11131241A
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JP
Japan
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film
article
plasma cvd
gas
electrode
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JP9300434A
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English (en)
Inventor
Yasuo Murakami
泰夫 村上
Takahiro Nakahigashi
孝浩 中東
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被成膜物品が立体的な外形を有するものであ
る場合にも、内部に空洞を有する中空状被成膜物品であ
れば、その外表面に安定して膜形成できるプラズマCV
D法及び装置を提供する。 【解決手段】 真空容器1内で成膜原料ガスに電力供給
してこのガスをプラズマ化し、このプラズマの下で被成
膜物品Sの表面に膜形成するプラズマCVD法及び装置
であって、中空状の被成膜物品Sに対し、その内部に嵌
まる内部電極61を物品設置電極として用いて内部電極
61に物品Sを外嵌した状態で物品Sの外表面に膜形成
するプラズマCVD法及びこの方法を実施するための装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成膜原料ガスをプ
ラズマ化し、該プラズマの下で、筒状(円筒状の他、断
面が多角形の筒状等も含む)等の中空状の被成膜物品の
外表面に膜形成するプラズマCVD法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の容量結合型プラズマCVD装置の
1例として、図5に示す平行平板型プラズマCVD装置
を例示できる。この装置は、成膜室として用いられる真
空容器1を有し、その中に被成膜物品Sを設置する物品
ホルダを兼ねる電極2及びこの電極2に対向する電極3
が設けられている。
【0003】電極2は、電極3との間に導入される成膜
原料ガスに電力を印加してプラズマ化させるための電力
印加電極で、図示の例ではマッチングボックス21を介
して高周波電源22を接続してある。また、この上に設
置する被成膜物品を成膜温度に加熱するヒータ23を付
設してある。電極3は、接地電極である。なお、ここで
は被成膜物品設置電極2に高周波電源を接続している
が、対向電極3に高周波電源を接続することもある。
【0004】また、真空容器1には排気装置11を接続
してあるとともに、成膜原料ガスのガス供給部4が接続
されている。ガス供給部4には、容器1にマスフローコ
ントローラ411、412・・・及び弁421、422
・・・を介して接続された1又は2以上の成膜原料ガス
を供給するガス源431、432・・・が含まれる。こ
の平行平板型プラズマCVD装置によると、被成膜物品
Sが図示しない物品搬送装置により真空容器1内に搬入
されて電極2上に設置され、該容器1内が排気装置11
の運転にて所定真空度とされるとともに、ガス供給部4
から成膜原料ガスが導入される。また、高周波電源22
からマッチングボックス21を介して電極2に高周波電
力が供給され、それによって導入されたガスがプラズマ
化され、このプラズマの下で物品S表面に膜が形成され
る。
【0005】このとき、成膜圧力を数100mTorr
程度とし、成膜原料ガスとしてメタン(CH4 )ガス、
エタン(C2 6 )ガス等の炭素化合物ガス或いはさら
に水素(H2 )ガス等のキャリアガスを用いると、被成
膜物品の表面にダイアモンド状炭素(DLC:Diamond
Like Carbon )膜が形成される。DLC膜は、耐摩耗
性、潤滑性、撥水性、ガスバリア性、電気絶縁性等に優
れ、適度な硬度を有することからこれと接触する相手方
部材に損傷を与え難い。また、樹脂等の比較的軟質な物
品上にも密着性良好に形成することができ、さらに低温
成膜できる等、種々の優れた特性を有する膜である。こ
のため、機械部品、自動車部品、建築用部品、スポーツ
用品、サニタリー用品、一般家庭用品、医療用品等への
応用が広く試みられている。
【0006】被成膜面が金属やセラミック等の比較的硬
質な材料からなる被成膜物品にプラズマCVDによりD
LC膜を形成する場合、該表面上に直接DLC膜を形成
したのでは実用上十分な膜密着性が得られ難い。そこ
で、被成膜物品とDLC膜との間にスパッタリング等の
方法でシリコン(Si)膜等の中間膜を形成して該DL
C膜の密着性を向上させることが行われている。このと
き、別途中間膜を形成した被成膜物品をプラズマCVD
装置の真空容器内に搬入する方法では、中間膜が大気に
曝されてDLC膜との間に不純物が混入してしまう。か
といって、図5のプラズマCVD装置の真空容器内にス
パッタターゲットを設置して、スパッタリングによる中
間膜形成とプラズマCVDによるDLC膜形成を、容器
内の真空を破ることなく、順次行うことは困難である。
従って、中間膜を大気に曝すことなくその上にDLC膜
を形成できる装置として、スパッタリングによる成膜を
行うのための真空容器を別に連設した図6のような装置
が用いられる。
【0007】図6の装置は、図5の平行平板型プラズマ
CVD装置において、真空容器1にスパッタリングを行
うための真空容器1’が連設されたものである。真空容
器1と真空容器1’との間はゲート弁v1により気密に
仕切られている。真空容器1’内には、被成膜物品Sを
設置する物品ホルダを兼ねる電極2’及びこの電極2’
に対向する電極3’が設けられている。
【0008】電極2’は接地電極であり、この上に設置
する被成膜物品Sを成膜温度に加熱するヒータ23’を
付設してある。電極3’は、電極2’との間に導入され
るスパッタ原料ガスに電力を印加してプラズマ化させる
ための電力印加電極で、図示の例ではマッチングボック
ス31を介して高周波電源32を接続してある。また、
電極3’の電極2’に面する位置にはスパッタターゲッ
トSTが設置されている。
【0009】また、真空容器1’には排気装置11’を
接続してあるとともに、スパッタ原料ガスのガス供給部
4’が接続されている。ガス供給部4’には、マスフロ
ーコントローラ411’、412’・・・及び弁42
1’、422’・・・を介して接続された1又は2以上
のスパッタ原料ガスを供給するガス源431’、43
2’・・・が含まれる。
【0010】この装置を用いて、被成膜物品S上に例え
ばSiからなる中間膜及びその上にDLC膜を形成する
場合、スパッタターゲットSTとしてSiからなるもの
が用いられる。当初ゲート弁v1は閉じた状態とされ、
被処理物品Sが図示しない物品搬送装置により真空容器
1’内に搬入されて電極2’上に設置される。次いで、
該容器1’内が排気装置11’の運転にて所定真空度と
されるとともに、ガス供給部4’からスパッタ原料ガス
が導入される。一方、高周波電源32からマッチングボ
ックス31を介して電極3’に高周波電力が供給され、
それによって導入されたガスがプラズマ化される。そし
て、このプラズマによりスパッタターゲットST(S
i)がスパッタされて電極2’上の被成膜物品S上にS
i膜が形成される。
【0011】次いで、真空容器1’内のスパッタ粒子等
が排気排出されるとともに真空容器1内が排気装置11
の運転により所定真空度とされる。そして、弁v1が開
けられ、中間膜が形成された被成膜物品Sが真空容器1
内に搬入されて電極2上に設置され、再び弁v1が閉じ
られる。その後、成膜原料ガスとして炭素化合物を含む
ガスを用い、前記図5の装置を用いた成膜と同様にして
Si中間膜上にDLC膜が形成される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
平行平板型プラズマCVD装置を用いた成膜では、被成
膜物品が例えば円筒状等の立体的な外形を有し平板上で
の座りが悪い物品である場合、物品設置電極上に安定に
設置することが難しい。その結果、膜形成の再現性が悪
くなる。
【0013】また、断面輪郭が円形であれ、多角形であ
れ、或いは他の形状であれ、被成膜物品の例えば全外表
面に膜形成する場合、被成膜物品のプラズマに曝される
面を変えて複数回成膜を行わなければならないが、これ
により膜厚均一性が低下するとともに、成膜に時間がか
かり生産性が悪い。また、図6のような装置を用いてス
パッタリングによる中間膜形成とプラズマCVDとを別
容器で順次行う場合、手間がかかるとともに装置が大き
くなるためコスト高につく。
【0014】そこで本発明は、被成膜物品が立体的な外
形を有するものである場合にも、内部に空洞を有する中
空状被成膜物品であれば、その外表面に安定して膜形成
できるプラズマCVD法及び装置を提供することを第1
の課題とする。また本発明は、かかる中空状の被成膜物
品の外表面に均一又は略均一な膜を、生産性良く形成で
きるプラズマCVD法及び装置を提供することを第2の
課題とする。
【0015】また本発明は、被成膜物品が立体的な外形
を有するものである場合にも、導電性材料からなる被成
膜物品又は導電性材料からなる部分を有しその外表面上
に被成膜部分を有する被成膜物品であれば、その外表面
に安定して膜形成でき、或いはさらにその外表面に均一
又は略均一な膜を生産性良く形成できるプラズマCVD
法及び装置を提供することを第3の課題とする。
【0016】また本発明は、これらの被成膜物品の外表
面に、プラズマCVDに加えてスパッタリングによる成
膜も簡単に行うことができるプラズマCVD法及びコン
パクトな構造のプラズマCVD装置を提供することを第
4の課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決す
るために本発明は、真空容器内で成膜原料ガスに電力を
供給して該ガスをプラズマ化し、該プラズマの下で被成
膜物品の表面に膜形成するプラズマCVD法であって、
中空状の被成膜物品に対し、その内部に嵌まる内部電極
を物品設置電極として用いて該内部電極に該物品を外嵌
した状態で該物品の外表面に膜形成することを特徴とす
るプラズマCVD法を提供する。
【0018】また、前記第1の課題を解決するために本
発明は、成膜を行うための真空容器と、該真空容器に対
し設けられた排気手段と、該真空容器内において中空状
の被成膜物品を支持するための該物品内部に嵌まる内部
電極と、該真空容器内に成膜原料ガスを供給することが
できるガス供給手段と、該内部電極とそれに対向する電
極との間にガスプラズマ化用電力を供給するためのガス
プラズマ化用電力供給手段とを含むことを特徴とするプ
ラズマCVD装置を提供する。
【0019】前記対向電極は真空容器内に設けたもので
もよいし、真空容器がこの対向電極を兼ねていてもよ
い。前記本発明のプラズマCVD法及び装置によると、
内部電極に中空状の被成膜物品を外嵌した状態でその外
表面に膜形成するため、被成膜物品の外形が立体構造を
しており従来の平板状の電極乃至はホルダ上に安定に設
置し難い場合にも、該物品を安定して支持することがで
き、その結果該物品の外表面に安定してすなわち再現性
良く膜形成できる。
【0020】本発明における被成膜物品の「外表面への
膜形成」には、全外表面に膜形成する場合の他、外表面
の一部に膜形成する場合も含まれる。かかる本発明にお
ける被成膜物品は、中空状の物品であって、内部電極を
外嵌できるように少なくとも1の開口部を有するもので
あればよい。その外形及び内部の空洞の形状は特に限定
されないが、代表的には円筒状、三角筒状、四角筒状等
の筒状の物品、特にリング状、チューブ状等の円筒状の
物品を例示できる。また、被成膜物品の材質は特に限定
されず、金属、セラミック、ガラス、樹脂、ゴム等のい
ずれであってもよい。
【0021】本発明における内部電極は、均一成膜を行
う上で、被成膜物品内部の空洞を埋めることができる外
形を有することが望ましい。例えば、被成膜物品が長さ
を有するものである場合、その長さと略同じ長さの又は
それより長い電極であることが望ましい。また、例えば
円筒状の被成膜物品に対しては円柱状又は円筒状の内部
電極を用いることが望ましい。また、例えば短尺リング
状の被成膜物品に対して十分長い円筒状又は円柱状の内
部電極を用いるときには、その内部電極にリング状の被
成膜物品を複数外嵌した状態で成膜を行うこともでき、
これにより生産性が向上する。
【0022】本発明装置において、ガスプラズマ化用電
力供給手段は、普通には、内部電極と真空容器等の対向
電極との間の空間に高周波電力を供給できる高周波電源
等を含むものである。高周波電源等は通常内部電極側に
接続される。さらに内部電極を接地し、対向電極に高周
波電源を接続することもできる。また、前記第2の課題
を解決するために、本発明装置において、前記内部電極
はその軸の回りに回転できるものとすることができる。
換言すれば前記内部電極をその軸のまわりに回転させる
手段を備えたものとすることができる。また、本発明方
法においては、前記内部電極をその軸の回りに回転させ
ることによりそれに外嵌した被成膜物品を回転させつつ
該物品の外表面に膜形成することができる。前記内部電
極の軸(回転中心軸)は、必ずしも該電極の中心軸線と
一致していなくてもよい。
【0023】これにより、被成膜物品が立体的な外形を
有するものである場合にも、その外表面の所望の部分に
均一に又は略均一に膜形成できる。また、成膜を中断し
て被成膜物品の向きを変えて複数回成膜を行わなくても
よく、連続して該物品の外表面の所望の部分に成膜でき
るため、成膜時間が短縮される。なお、このような均一
成膜ができるのは、被成膜物品の回転により順次プラズ
マに曝される面であり、例えば一方の端が閉じている円
筒状の被成膜物品をその長さ方向の軸の回りに回転させ
ながら成膜を行う場合、該物品の側周面に均一に成膜が
行われる。
【0024】また、いずれにしても内部電極を複数用い
れば一度に複数の被成膜物品に膜形成でき、生産効率が
向上する。このとき、複数の被成膜物品のそれぞれに均
一成膜を行うために、成膜中、複数の被成膜物品を複数
の内部電極に外嵌して支持させ、該内部電極を各軸の回
りに自転させるとともに該支持部材を所定の軸の回りに
公転させればよい。これに伴い、被成膜物品はその軸の
回りに回転するとともに該支持部材の軸の回りに回転移
動する。
【0025】この方法を実施する場合、本発明のプラズ
マCVD装置は、前記内部電極を複数有することができ
るとともにこれらを支持する支持部材を有し、該複数の
内部電極はそれぞれその軸の回りに回転可能に該支持部
材上に支持され、該支持部材は前記内部電極を支持して
所定の軸の回りに回転できるように設けられており、さ
らに該支持部材を回転させることで前記内部電極を前記
所定の軸の回りに公転させるとともに該各内部電極を自
転させる公転自転機構が設けられているものとすればよ
い。
【0026】例えば、複数の筒状の被成膜物品に成膜を
行う場合、複数の筒状又は柱状の内部電極が板状の支持
部材の板面上に垂直に又は略垂直な方向に支持されたも
のを用い、内部電極をそれぞれその長さ方向の軸の回り
に回転させるとともに該支持部材をその板面に垂直な方
向の中心軸の回りに回転させればよい。前記公転自転機
構としてはそれ自体既に知られている公転自転機構、例
えば遊星歯車列利用の機構を採用できる。
【0027】また、いずれの場合も、前記第3の課題を
解決するために、前記被成膜物品がその表層部表面に膜
形成すべき導電性材料からなる物品又は導電性材料から
なる部分を有しその外表面上に被成膜部分を有する物品
である場合、該物品又は該部分に前記内部電極を兼ねさ
せることができる。この場合、導電性材料からなる物品
は内部電極を一体化した物品ということになる。また、
このように被成膜物品や前記部分に内部電極を兼ねさせ
るときには、前記本発明の各プラズマCVD装置におけ
る内部電極は、被成膜物品と一体に真空容器内に対し着
脱されることになる。
【0028】この例では、かかる被成膜物品自身又はそ
の導電性部分と対向電極との間に高周波電力が供給され
て成膜原料ガスがプラズマ化され、該プラズマの下で該
物品の外表面に膜形成される。そしてこれにより、被成
膜物品が立体的な外形を有するものである場合にもその
外表面に安定して膜形成できる。さらに、該被成膜物品
をその軸の回りに回転させつつ成膜を行う場合、又は複
数の被成膜物品に一度に膜形成し、成膜中、該各物品を
その軸の回りに自転させつつ共通する所定の軸の回りに
公転させる場合は、該物品の外表面の所望の部分に均一
又は略均一な膜を効率良く形成できる。
【0029】このような被成膜物品として、代表的には
円筒状又は円柱状の導電性金属製物品、導電性金属製の
円柱状又は円筒状基材の表面に電気絶縁層からなる被成
膜部分を形成した物品等を例示できる。具体的には、ス
テンレススール(SUS)からなる芯棒の周囲にゴム層
を巻き付けてあるローラの該ゴム層の外表面に膜形成す
る場合等を挙げることができる。
【0030】また、前記第4の課題を解決するために、
本発明装置は、前記真空容器内に設置したスパッタター
ゲットと、該ターゲットの前方に配置され該ターゲット
を覆うことができるシャッターとを有し、前記ガス供給
手段が成膜原料ガスに加えてスパッタ原料ガスも供給で
きる装置とすることができる。また、本発明方法におい
ては、前記真空容器内にスパッタターゲットを設けると
ともに、その前方に該ターゲットを覆うことができるシ
ャッターを設けておき、前記被成膜物品へのプラズマC
VDに先立ち又は(及び)その後に、該シャッターを開
いた状態で、前記真空容器内でスパッタ原料ガスに電力
供給して該ガスをプラズマ化し、該プラズマの下で該タ
ーゲットをスパッタすることにより前記被成膜物品の外
表面に膜形成するようにし、前記プラズマCVDの際に
は該シャッターを閉じた状態にしておくことができる。
【0031】これにより、プラズマCVD中はスパッタ
ターゲット表面への膜成分の付着が抑制され、一つの真
空容器内でプラズマCVD及びスパッタリングによる成
膜を順次効率良く行うことができる。また、この装置
は、スパッタリングによる成膜とプラズマCVDの両方
を行える装置としてはコンパクトな小型化された構造の
ものである。
【0032】前記シャッターは、真空容器内でスパッタ
ターゲットと内部電極とを気密に仕切ることができる弁
として働くものであることが望ましい。これにより、ス
パッタターゲットへの膜成分の付着をより効率良く抑制
することができる。また、被成膜物品の真空容器内への
搬入・搬出時のスパッタターゲットの大気への暴露及び
それによる該ターゲットの酸化を抑制でき、形成される
膜の質の再現性が高くなる。
【0033】本発明の方法及び装置において、被成膜物
品の外表面に特に炭素膜を形成することが考えられる。
このとき、成膜原料ガスとして、炭素膜形成に通常用い
られるメタン(CH4 )、エタン(C2 6 )、プロパ
ン(C3 8 )、ブタン(C 4 10)、アセチレン(C
2 2 )、ベンゼン(C6 6 )、4フッ化炭素(CF
4 )、6フッ化2炭素(C2 6 )等の炭素化合物ガス
を用いることができ、必要に応じて、これらの炭素化合
物ガスにキャリアガスとして水素ガス、不活性ガス等を
混合したものを用いることができる。
【0034】前記炭素膜としては、代表的にはDLC(D
iamond Like Carbon) 膜を挙げることができる。DLC
膜は、耐摩耗性、潤滑性、撥水性、ガスバリア性、電気
絶縁性、離型性等が良好であり、また、その厚さを調整
することにより、被成膜物品が柔軟性や可撓性が求めら
れるものである場合にも該膜で被覆された物品の柔軟性
や可撓性を損なわないようにできる程度の適度な硬度を
有する炭素膜である。さらに、樹脂等の比較的軟質な物
品上にも密着性良く形成でき、また比較的低温で形成で
きる等、成膜を容易に行うことができる。
【0035】被成膜面が金属やセラミック等の硬質な材
料からなる被成膜物品の該表面にプラズマCVDにより
炭素膜を形成しようとする場合、該膜を該物品上に密着
性良く形成することは困難であるが、前記スパッタリン
グ機能を含む方法及び装置は、このプラズマCVDによ
り形成される炭素膜の密着性を向上させるためにスパッ
タリングにより中間膜を形成する場合に有効に用いるこ
とができる。
【0036】この場合、スパッタターゲットにはシリコ
ン(Si)、クロム(Cr)、チタン(Ti)等の1又
は2以上を用いることができ、スパッタ原料ガスにはア
ルゴン(Ar)ガスのような不活性ガス、前記炭素膜形
成のための成膜原料ガスとして例示した炭素化合物ガ
ス、窒素(N2 )のような窒素含有ガス、酸素(O2
のような酸素含有ガス等の1又は2以上を用いることが
できる。スパッタ原料ガスとして不活性ガスを用いる場
合、スパッタターゲットとして用いた物質で構成される
中間膜が形成される。また、スパッタ原料ガスとして炭
素化合物ガス、窒素含有ガス、酸素含有ガスを用いると
きには、それぞれ、スパッタターゲットとして用いた物
質の炭化物、窒化物、酸化物で構成される中間膜が形成
される。
【0037】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図面を参照
して説明する。図1は本発明に係るプラズマCVD装置
の1例の概略構成を示す図である。この装置は、円筒形
の被成膜物品Sの外周面に成膜を行うための装置であ
り、図5の装置において、平板状の物品支持電極2に代
えて物品支持電極を兼ねる内部電極61を備え、この電
極61にマッチングボックス21及び高周波電源22が
接続されたものである。この内部電極61はここでは円
柱状のものであるが円筒状のものでもよい。また、これ
に外嵌される被成膜物品を成膜温度に加熱するヒータ6
3が付設されている。内部電極61は支持部材611に
より真空容器1壁に固定されている。また、真空容器1
はここでは内部電極61のまわりを囲む円筒形状に形成
されており、内部電極61に対向する電極を兼ねてい
る。内部電極61と真空容器1との間は絶縁部材i1に
より絶縁されている。
【0038】その他の構成は図5の装置と同様であり、
実質的に同じ部品には同じ参照符号を付してある。図1
の装置を用いて円筒状の被成膜物品Sの外表面に膜形成
するにあたっては、前述した図5の装置による成膜と同
様にし、但し、被成膜物品Sを平板状の物品支持電極2
の上に載置するのに代えて、内部電極61に外嵌してこ
れに支持させる。
【0039】これにより、平板状の電極上には安定に載
置し難い円筒状の被成膜物品Sを安定に支持した状態で
成膜を行うことができ、膜形成の再現性が向上する。ま
た、本発明に係るプラズマCVD装置の他の例として、
図1の装置において、内部電極61が後述する図3に示
すと同様の回転機構により長さ方向の軸の回りに回転で
きるようになっている装置も考えられる。
【0040】このような装置を用いて円筒状の被成膜物
品Sの外表面に膜形成するにあたっては、被成膜物品S
を内部電極61に外嵌し、後述する回転機構と同様の機
構により内部電極61の中心軸まわりに内部電極61と
共に回転させる。これにより、円筒状の被成膜物品Sの
外表面(外周面全体)に均一に又は略均一に成膜を行う
ことができる。また、かかる成膜を、成膜を中断するこ
となく連続して効率良く行うことができる。
【0041】また、いずれにしても、被成膜物品自体が
例えば筒状又は柱状の導電性部分とそれに外嵌された筒
状の電気絶縁性部分とからなるものである場合や筒状や
柱状の導電性物品である場合は、内部電極61に代えて
該物品の導電性部分又は該物品自体を内部電極としてそ
れにマッチングボックス21及び高周波電源22を接続
すればよい。この場合も、図1の装置と同様の効果が得
られる。
【0042】図2は本発明に係るプラズマCVD装置の
他の例を示している。このプラズマCVD装置は内周側
壁が図1に示す容器と同様の円筒形状である真空容器
1’及びこれに接続された図1の装置の場合と同様の排
気装置11やプラズマ原料ガスの供給部4を有してい
る。真空容器1’内の底部には固定配置の太陽歯車SG
が設置されており、この歯車上に、この歯車と中心軸線
を一致させて支持部材62が回転可能に設けられてい
る。支持部材62は円板形状のものであり、その上に
は、この例では中心角度間隔90°で4本の内部電極6
1が立設されている。各内部電極61は軸61aによ
り、支持部材62に回転可能に立設されている。軸61
aは支持部材62の下方まで延び、そこに遊星歯車PG
が固定されている。この遊星歯車PGは太陽歯車SGに
噛み合っている。また、支持部材62の外周面にはリン
グギアRGが固設されており、これにピニオンギアg1
が噛み合っている。ギアg1は容器1に搭載したモータ
M1にて回転駆動できる。
【0043】歯車SG、PG等は内部電極61の公転自
転機構PGTを構成している。すなわち、モータM1に
てピニオンギアg1を回転させることで、リングギアR
Gを回して支持部材62を回すと、その上に立設された
内部電極61は支持部材62及び太陽ギアSGの中心軸
まわりに公転し、また、各内部電極61に接続された遊
星歯車PGが太陽歯車SGと噛み合っていることで、各
内部電極61はその軸61aを中心に自転する。なお、
公転自転機構は適当なカバーで被覆してもよい。各内部
電極61中には被成膜物品Sを成膜温度に加熱するヒー
タ63が内蔵されている。各内部電極61は容器1に対
し絶縁部材i1にて絶縁されているとともにマッチング
ボックス21を介して高周波電源22に電気的に接続さ
れている。なお、内部電極61はここでは円柱状であ
る。
【0044】この装置を用いて複数の円筒状の被成膜物
品Sの外表面に膜形成するにあたっては、図1の装置に
よる成膜と同様にし、但し、複数の被成膜物品Sを複数
の内部電極61に外嵌する。また、前記の公転自転機構
PGTにより支持部材62の中心軸まわりに内部電極6
1と共に各被成膜物品Sを公転させつつ自転せる。これ
により、複数の被成膜物品に対して一層効率良く、均一
又は略均一な成膜を行うことができる。
【0045】また、図3は本発明に係るプラズマCVD
装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。例えば
金属からなる硬質の被成膜物品上に炭素膜を形成する場
合に、その密着性を向上させるために中間膜としてSi
膜等を形成する場合があるが、この装置はかかる場合に
スパッタリングによる中間膜形成とプラズマCVDによ
る目的とする膜の形成を順次行うことができる装置であ
る。
【0046】このプラズマCVD装置も内周壁が円筒形
状である真空容器1''及びこれに接続された排気装置1
1やガス供給部4を有している。ガス供給部4は、この
例では成膜原料ガスの他、スパッタ原料ガスも供給でき
る。真空容器1''内には円柱状の内部電極61が立設さ
れており、これは軸61bにて回転可能に支持されてい
る。軸61bには歯車Gが固設されており、この歯車に
ピニオンギアg2が噛み合っている。ギアg2は容器
1''に搭載したモータM2にて回転駆動できる。すなわ
ち、モータM2にて歯車g2を回すことで、内部電極6
1を回転させることができる。
【0047】また、この装置では、真空容器1''内の内
部電極61の両側に電極61の高さと略同じ高さのスパ
ッタターゲットST’を一対設けてある。スパッタター
ゲットST’と真空容器1''との間は絶縁部材ケースi
2により電気的に絶縁されている。なお、真空容器1''
はスパッタターゲットST’を配置する分外側に突き出
している。そして、各スパッタターゲットST’に対
し、弁を兼ねるシャッタv2が設けられている。各シャ
ッタ弁v2は容器1''にヒンジhにて連結されており、
ターゲットST’を気密におおう閉位置又はこれを開放
する開位置を選択的にとることができる。閉位置ではケ
ースi2に設けたオーリングrにてターゲットST’を
気密におおう。また開閉は駆動装置Dにて行う。
【0048】この装置を用いて、円筒状の被成膜物品S
の外表面にスパッタリングにより中間膜を形成し、その
上にプラズマCVDにより目的とする膜を形成するにあ
たっては、弁v2を閉じた状態で被成膜物品Sが図示し
ない物品搬送装置により真空容器1''内に搬入され、内
部電極61に外嵌されこれに支持される。次いで、容器
1''内が排気装置11の運転により所定真空度とされる
とともに、ガス供給部4からスパッタ原料ガスが導入さ
れる。また、高周波電源22からマッチングボックス2
1を介して内部電極61に高周波電力が供給され、それ
によって導入されたガスがプラズマ化される。それによ
りスパッタターゲットST’がプラズマ中のイオンによ
りスパッタされて被成膜物品Sの外表面に中間膜が形成
される。この中間膜形成のあいだ、被成膜物品Sは内部
電極61を回転させることで回すことができ、これによ
り均一な中間膜を物品Sの外周面に形成できる。
【0049】次いで、弁v2が閉じられ、必要に応じて
真空容器1内が再び真空引きされ、ガス供給部4から成
膜原料ガスが導入される。また、高周波電源22からマ
ッチングボクス21を介して内部電極61に高周波電力
が供給され、それによって導入されたガスがプラズマ化
され、このプラズマの下で被成膜物品Sの前記形成され
た中間膜の上に目的とする膜が形成される。なお、この
膜の形成時においても、内部電極61がその軸の回りに
回転させられ、それに伴い被成膜物品Sもその軸の回り
に回転する。これにより均一な膜を形成できる。
【0050】次に図4(A)及び図4(B)を参照して
図2のプラズマCVD装置及び図3のプラズマCVD装
置の変形例について説明する。なお、図4の(A)、
(B)は該変形例装置の被成膜物品設置状態のみを示し
ている。これら変形例装置は、導電性材料からなる被成
膜物品、換言すれば被成膜部分である表層部とそれより
内側の部分とを導電性材料で一体的に形成した物品、或
いは導電性材料からなる部分の外表面に被成膜部分を形
成した物品への成膜に適するものである。
【0051】図4(A)に示す装置では、図2の装置に
おける各遊星歯車PGの軸として軸61a’を用い、こ
れにチャック装置CH1が設けてあり、図示例では、該
チャック装置CH1に円柱状の導電性材料から被成膜物
品S1の下端部を保持させている。すなわち、物品S1
に内部電極を兼ねさせて物品S1の外表面に均一に膜形
成できる。その他の点は図2の装置と同様である。
【0052】また、図4(B)に示す装置では、図3の
装置における歯車Gの軸として軸61b’を用い、これ
にチャック装置CH2を設け、図示例では該チャック装
置に被成膜物品の1例であるロールRの芯棒Rsを保持
させている。ロールRは導電性材料からなる芯棒Rsと
その周面に形成したゴム層Rbとからなっており、芯棒
Rsに内部電極を兼ねさせて、ゴム層Rb表面に膜形成
できる。その他の点は図3の装置と同様である。
【0053】次に、図1の装置において内部電極61を
回転可能なものにした装置及び図2の装置を用いてそれ
ぞれ被成膜物品Sの外表面に炭素膜を形成した実施例
1、2、並びに、図3の装置を用いて被成膜物品Sの上
にSiからなる中間膜及び炭素膜を形成した実施例3に
ついて説明する。併せて従来の図6の装置を用いて被成
膜物品Sの上にSiからなる中間膜及び炭素膜を形成し
た比較例1についても述べる。なお、実施例1では内部
電極61として円筒状のものを採用した。 実施例1(図1の装置において内部電極61を回転可能なものにした装置) 被成膜物品S 材質 ポリテトラフルオロエチレン サイズ 外径45mm(内径43mm)×長さ500mm の円筒形 装置条件 内部電極61 サイズ 外径42mm(内径40mm)×長さ550mm の円筒形 成膜条件 内部電極の回転速度 3rpm 成膜原料ガス H2 200sccm CH4 10sccm 高周波電力 13.56MHz、100W 成膜圧力 0.1Torr 成膜温度 室温 成膜時間 60min 実施例2(図2の装置) 被成膜物品S 材質 ポリテトラフルオロエチレン サイズ 外径20mm(内径19mm)×長さ500mm の円筒形 装置条件 内部電極61 サイズ 直径18mm×長さ500mmの円柱形 数 4本 成膜条件 被成膜物品の数 4本 内部電極61の回転速度 3rpm 支持部材62の回転速度 3rpm 成膜原料ガス H2 200sccm CH4 10sccm 高周波電力 13.56MHz、100W 成膜圧力 0.1Torr 成膜温度 室温 成膜時間 60min 実施例3(図3の装置) 被成膜物品S 材質 アルミナ サイズ 外径50mm(内径45mm)×長さ500mm の円筒形 装置条件 内部電極61 サイズ 直径45mm×長さ500mmの円柱形 中間膜の成膜条件 スパッタターゲット シリコン(Si) 内部電極61の回転速度 3rpm スパッタ原料ガス Ar 10sccm 高周波電力 13.56MHz、200W 成膜圧力 1×10-3Torr 成膜温度 400℃ 成膜時間 30min 炭素膜の成膜条件 内部電極の回転速度 3rpm 成膜原料ガス H2 200sccm CH4 10sccm 高周波電力 13.56MHz、100W 成膜圧力 0.1Torr 成膜温度 室温 成膜時間 60min 比較例1(図6の装置) 被成膜物品S 材質 アルミナ サイズ 外径50mm(内径45mm)×長さ500mm の円筒形 装置条件 高周波電極2サイズ 直径280mm 電極2、3間距離 10cm 中間膜の成膜条件 スパッタターゲット シリコン(Si) スパッタ原料ガス Ar 10sccm 高周波電力 13.56MHz、400W 成膜圧力 1×10-3Torr 成膜温度 400℃ 成膜時間 30min 炭素膜の成膜条件 成膜原料ガス H2 200sccm CH4 10sccm 高周波電力 13.56MHz、100W 成膜圧力 0.1Torr 成膜温度 室温 成膜時間 60min なお、この比較例1では、被成膜物品Sのプラズマに曝
される面を上下に代えて60minづつ2回成膜を行っ
た。 比較例2(図6の装置) 前記比較例1において、スパッタリングによるSi中間
膜の形成を行わず、被成膜物品Sの外表面に直接炭素膜
を形成した。炭素膜形成の条件は前記比較例1と同様と
した。
【0054】次に、前記実施例1〜3及び比較例1によ
り形成された各炭素膜について膜厚分布を評価した。ま
た、実施例3及び比較例2により形成された各炭素膜に
ついて膜密着性を評価した。膜厚は、段差計を用いて、
500mm長さの各被成膜物品Sの両端からそれぞれ1
0mmづつ内側に寄った2点とその2点間の長さを5等
分する4点の計6点での膜厚を測定し、その分布を算出
した。また、膜密着性は、テープ剥離試験法により評価
した。結果を次表に示す。
【0055】 これによると、被成膜物品を内部電極に外嵌して該物品
を回転させながら該物品の外表面全体に膜形成した本発
明実施例1〜3の炭素膜は、平行平板型の電極に被成膜
物品を支持させた状態で該物品の向きを変えて2回成膜
することで該物品の外表面全体に膜形成した比較例1に
比べて膜厚均一性が向上したことが分かる。
【0056】また、アルミナからなる被成膜物品上に直
接炭素膜を形成した比較例2では、該膜の密着性が悪い
が、Si中間膜を形成した実施例3では炭素膜の密着性
は良好であり、中間膜形成により膜密着性が向上するこ
とが確認された。
【0057】
【発明の効果】本発明によると、被成膜物品が立体的な
外形を有するものである場合にも、内部に空洞を有する
中空状被成膜物品であれば、その外表面に安定して膜形
成できるプラズマCVD法及び装置を提供することがで
きる。また本発明によると、かかる中空状の被成膜物品
の外表面に均一又は略均一な膜を、生産性良く形成でき
るプラズマCVD法及び装置を提供することができる。
【0058】また本発明によると、被成膜物品が立体的
な外形を有するものである場合にも、導電性材料からな
る被成膜物品又は導電性材料からなる部分を有しその外
表面上に被成膜部分を有する被成膜物品であれば、その
外表面に安定して膜形成でき、或いはさらにその外表面
に均一又は略均一な膜を生産性良く形成できるプラズマ
CVD法及び装置を提供することができる。
【0059】また本発明によると、これらの被成膜物品
の外表面に、プラズマCVDに加えてスパッタリングに
よる成膜も簡単に行うことができるプラズマCVD法及
びコンパクトな構造のプラズマCVD装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマCVD装置の1例の概略
構成を示す図である。
【図2】本発明に係るプラズマCVD装置の他の例の概
略構成を示す図である。
【図3】本発明に係るプラズマCVD装置のさらに他の
例の概略構成を示す図である。
【図4】図(A)は図2のプラズマCVD装置の変形例
の一部を示す図であり、図(B)は図3のプラズマCV
D装置の変形例の一部を示す図である。
【図5】従来の平行平板型プラズマCVD装置例の概略
構成を示す図である。
【図6】従来のスパッタリングによる成膜とプラズマC
VDとを順次行うことができる装置例の概略構成を示す
図である。
【符号の説明】
1、1’、1'' 真空チャンバ 11、11’ 排気装置 2、2’ 物品支持ホルダを兼ねる高周波電極 21、31 マッチングボックス 22、32 高周波電源 23、23’、63 ヒータ 3 接地電極 3’ 高周波電極 4、4’ ガス供給部 61 内部電極 61a、61b、61a’、61b’ 軸 62 支持部材 ST、ST’ スパッタターゲット S 被成膜物品 v1 ゲート弁 v2 弁を兼ねるシャッタ i1、i2 電気絶縁部材 SG 太陽歯車 PG 遊星歯車 RG リングギア g1、g2 ピニオンギア M1、M2 モータ PGT 公転自転機構 G 歯車 h ヒンジ r オーリング D 駆動装置 CH1、CH2 チャック装置 R ロール Rs 芯棒 Rb ゴム層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内で成膜原料ガスに電力を供給
    して該ガスをプラズマ化し、該プラズマの下で被成膜物
    品の表面に膜形成するプラズマCVD法であって、中空
    状の被成膜物品に対し、その内部に嵌まる内部電極を物
    品設置電極として用いて該内部電極に該物品を外嵌した
    状態で該物品の外表面に膜形成することを特徴とするプ
    ラズマCVD法。
  2. 【請求項2】 前記内部電極をその軸の回りに回転させ
    ることにより該電極に外嵌した被成膜物品を回転させつ
    つ、該物品の外表面に膜形成する請求項1記載のプラズ
    マCVD法。
  3. 【請求項3】 複数の前記内部電極を用いて一度に複数
    の被成膜物品に膜形成し、成膜中は、該複数の内部電極
    を各電極の軸の回りに自転させるとともに共通する所定
    の軸の回りに公転させる請求項1記載のプラズマCVD
    法。
  4. 【請求項4】 前記被成膜物品がその表層部表面に膜形
    成すべき導電性材料からなる物品又は導電性材料からな
    る部分を有しその外表面上に被成膜部分を有する物品で
    あり、その導電性物品又は導電性部分に前記内部電極を
    兼ねさせる請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ
    CVD法。
  5. 【請求項5】 前記真空容器内にスパッタターゲットを
    設けるとともに、その前方に該ターゲットを覆うことが
    できるシャッターを設けておき、前記被成膜物品へのプ
    ラズマCVDに先立ち又は(及び)その後に、該シャッ
    ターを開いた状態で、前記真空容器内でスパッタ原料ガ
    スに電力供給して該ガスをプラズマ化し、該プラズマの
    下で該ターゲットをスパッタすることにより前記被成膜
    物品の外表面に膜形成し、前記プラズマCVDの際には
    該シャッターを閉じた状態にしておく請求項1から4の
    いずれかに記載のプラズマCVD法。
  6. 【請求項6】 前記シャッターとして、前記真空容器内
    に設けた前記スパッタターゲットと前記内部電極との間
    を気密に仕切ることができるものを用いる請求項5記載
    のプラズマCVD法。
  7. 【請求項7】 前記成膜原料ガスとして炭素化合物ガス
    を含むガスを用い、前記被成膜物品の外表面に炭素膜を
    形成する請求項1から6のいずれかに記載のプラズマC
    VD法。
  8. 【請求項8】 成膜を行うための真空容器と、該真空容
    器に対し設けられた排気手段と、該真空容器内において
    中空状の被成膜物品を支持するための該物品内部に嵌ま
    る内部電極と、該真空容器内に成膜原料ガスを供給する
    ことができるガス供給手段と、該内部電極とこれに対向
    する電極との間にガスプラズマ化用電力を供給するため
    のガスプラズマ化用電力供給手段とを含むことを特徴と
    するプラズマCVD装置。
  9. 【請求項9】 前記被成膜物品がその表層部表面に膜形
    成すべき導電性材料からなる物品又は導電性材料からな
    る部分を有しその外表面上に被成膜部分を有する物品で
    ある場合、前記内部電極として該導電性物品又は導電性
    部分を用いる請求項8記載のプラズマCVD装置。
  10. 【請求項10】 前記内部電極をその軸の回りに回転さ
    せる手段を有している請求項8又は9記載のプラズマC
    VD装置。
  11. 【請求項11】 前記内部電極を複数有することができ
    るとともにこれらを支持する支持部材を有し、該複数の
    内部電極はそれぞれその軸の回りに回転可能に該支持部
    材上に支持され、該支持部材は前記内部電極を支持して
    所定の軸の回りに回転できるように設けられており、さ
    らに該支持部材を回転させることで前記内部電極を前記
    所定の軸の回りに公転させるとともに該各内部電極を自
    転させる公転自転機構が設けられている請求項8又は9
    記載のプラズマCVD装置。
  12. 【請求項12】 前記真空容器内に設置されたスパッタ
    ターゲットと、該ターゲットの前方に配置され該ターゲ
    ットを覆うことができるシャッターとを有し、前記ガス
    供給手段は成膜原料ガスに加えてスパッタ原料ガスも供
    給できるものである請求項8から11のいずれかに記載
    のプラズマCVD装置。
  13. 【請求項13】 前記シャッターが、前記真空容器内に
    設置された前記スパッタターゲットと前記内部電極との
    間を気密に仕切ることができるものである請求項12記
    載のプラズマCVD装置。
  14. 【請求項14】 前記ガス供給手段が、成膜原料ガスと
    して炭素化合物ガスを含む炭素膜形成のためのガスを供
    給できるものである請求項8から13のいずれかに記載
    のプラズマCVD装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007173193A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Masaaki Okubo 風防ガラス装置、バックミラー装置及び作動方法
JP2016154188A (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 株式会社島津製作所 製造装置
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