JPH11130767A - ラクトン誘導体およびその医薬用途 - Google Patents

ラクトン誘導体およびその医薬用途

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JPH11130767A
JPH11130767A JP29559397A JP29559397A JPH11130767A JP H11130767 A JPH11130767 A JP H11130767A JP 29559397 A JP29559397 A JP 29559397A JP 29559397 A JP29559397 A JP 29559397A JP H11130767 A JPH11130767 A JP H11130767A
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group
compound
formula
carbon atoms
general formula
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Application number
JP29559397A
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English (en)
Inventor
Yuji Sugawara
雄二 菅原
Hideki Kawai
英樹 河合
Kiyoshi Okano
清 岡野
Yasuki Adachi
泰基 足立
Satoko Takizawa
聡子 滝澤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記式 【化1】 で代表される新規なラクトン誘導体、および該ラクトン
誘導体またはその医薬的に許容される塩を有効成分とす
る医薬。 【発明の効果】本発明のラクトン誘導体は、チロシンホ
スファターゼ活性特にhcp活性を有意に阻害し、癌化
学療法、放射線療法や薬物療法あるいは免疫異常、貧血
などによる血球減少症の予防薬および治療薬として期待
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラクトン誘導体ま
たはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする医
薬、特に血球増加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】蛋白質チロシンリン酸化及び脱リン酸化
は、高等真核細胞における増殖、分化等重要な調節機構
である。チロシンホスファターゼはこのうち、蛋白質チ
ロシンリン酸化部分を特異的に脱リン酸化を触媒する酵
素である。哺乳類におけるチロシンホスファターゼは現
時点で40種類以上が同定され、その機能が明らかにな
りつつある。例えば、SH−PTP2と呼ばれるチロシ
ンホスファターゼはEGF、PDGF等の細胞増殖因子
による細胞増殖に関与すること(Cell,73:32
1−334,1993,Mol.Cell.Bio
l.,14,:6674−6682,1994)、FA
P−1と呼ばれるチロシンホスファターゼは抗Fas抗
体により誘発されるアポトーシスを抑制すること(Sc
ience,268:411−415,1995)など
が知られている。
【0003】特に、hematopoietic cell phosphataze
(以下、hcpと略す)と呼ばれるチロシンホスファタ
ーゼはその機能がかなり明らかにされており、エリスロ
ポエチンによって活性化されたエリスロポエチンレセプ
ターのチロシンリン酸化部分を脱リン酸化することによ
り、赤血球の増殖を抑制することが知られている(Cell,
80, pp. 729-738, 1995)。 従って、このチロシンホス
ファターゼの活性を阻害する化合物には赤血球増加作用
が期待できる。今日知られているチロシンホスファター
ゼ阻害薬としては亜鉛イオン、オルトバナジン酸ナトリ
ウムなどのバナジン酸塩、及び酸化フェニルアルシン等
の亜砒素酸塩が知られている。しかし、上記の化合物に
は相当の毒性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、チロシンホ
スファターゼ特にhcpに対して強力な阻害活性を有
し、かつ毒性の少ない新規な生理活性物質を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。すなわち本発明は、下記一般式
(I)
【化3】 〔(I)において、Zはー(CH2)g−(ここで、gは
4〜12の整数を表す)、ーCH2CH2ーC64ーCH
2CH2ー、ーCH=CHーC64ーCH=CHーを示
し、AとBは各々独立して一般式(II)または(III)
【化4】 (ここで、nは0〜1の整数を示し、R1〜R4はそれぞ
れ独立して炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6の
アルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数6
〜12のアリールアルキル基、炭素数6〜12のアルキ
ルアリール基、炭素数6〜12のアリールアルケニル
基、ー(CH2)qQ(ここで、qは0〜3の整数を表
し、Qは炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数2〜5の
アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、カルボキシル
基、シアノ基、メチルチオ基、フェニルチオ基を表す)
を示し、R1とR2は一緒になってー(CH2)mー(m
は2〜4の整数を表す)を形成してよく、 R3とR4
一緒になってーCH=CH−CH=CH−、あるいはー
(CH2)lー(lは2〜5の整数を表す)を形成して
よい)〕で表されるラクトン誘導体またはその薬理学的
に許容される塩、および一般式(I)で表されるラクト
ン誘導体あるいはその薬理学的に許容しうる塩を含有し
てなる医薬、特に血球増加剤に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1の一般式(I)
は、下記式のケトエノール互変異性体が含まれる。
【0007】
【化5】
【0008】一般式のR1〜R4の炭素数1〜6のアルキ
ル基とは直鎖状、分枝状または環状のいずれでもよく、
例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチ
ル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−
ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロヘキシルなどが挙げられる。炭素数1〜6の
アルケニル基とは、直鎖状、分枝状いずれでもよく、ま
た二重結合に関する異性体(E、Z体)を包含し、例え
ばエテニル、2ープロペニル、2ーブテニル、2ーペン
テル、2ーヘキセニル、1、3ーブタジエニル、1、3
ーペンタジエニル、1、3ーヘキサジエニル、1、4ー
ペンタジエニル、1、4ー ヘキサジエニル、1、3、
5ーヘキサトリエニルなどが挙げられる。炭素数6〜1
2のアリール基とは、例えばフェニル、ナフチル、ビフ
ェニル基などが例示され、炭素数6〜12のアリールア
ルキル基とは、例えばベンジル、2ーフェニルエチル、
3ーフェニルプロピル、2ーフェニルプロピル、4ーフ
ェニルブチルなどが挙げられる。炭素数6〜12のアル
キルアリール基とは、例えばメチルフェニル、ジメチル
フェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエ
チルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル基な
どが例示され、炭素数6〜12のアリールアルケニル基
とは二重結合に関する異性体(E、Z体)を包含し、例
えば2ーフェニルエテニル、1ーフェニルエテニル、3
ーフェニルー2ープロペニル、3ーフェニルー1ープロ
ペニル基などが例示される。
【0009】炭素数6〜12のアリール基、炭素数6〜
12のアリールアルキル基、炭素数6〜12のアルキル
アリール基、炭素数6〜12のアリールアルケニル基
は、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原
子、ヒドロキシ基、ニトロ基、メトキシ、エトキシ等の
アルコキシ基、カルボキシル基、カルボメトキシ、カル
ボエトキシ等のカルボアルコキシ基、シアノ基、トリフ
ルオロメチル基、メチルチオ等のアルキルチオ基、また
はフェニルチオ基の一種以上により置換されていても良
い。
【0010】また、ー(CH2)qQ(ここで、qは0
〜3の整数を表し、Qは炭素数1〜3のアルコキシ基、
炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、ヒドロキシ
基、カルボキシル基、シアノ基、メチルチオ基、フェニ
ルチオ基を表す)としては、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシ
メチル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロポキシ
エチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プ
ロポキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エト
キシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、
メトキシカルボニルエチル、エトキシカルボニルエチ
ル、プロポキシカルボニルエチル、メトキシカルボニル
プロピル、エトキシカルボニルプロピル、プロポキシカ
ルボニルプロピル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチ
ル、ヒドロキシプロピル、シアノ、シアノメチル、シア
ノエチル、シアノプロピル、メチルチオ、メチルチオメ
チル、メチルチオエチル、メチルチオプロピル、フェニ
ルチオ、フェニルチオメチル、フェニルチオエチル、フ
ェニルチオプロピルなどが例示される。
【0011】本発明のラクトン誘導体は塩であっても良
い。塩としては医薬的に許容しうる塩である。例えばナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、
マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニア、メ
チルアミン、ジメチルアミン、ベンジルアミン、ピペリ
ジン、テトラアルキルアンモニウム等のアンモニウム塩
が例示される。
【0012】本発明の化合物のうち、分子内に不斉炭素
を有する場合には、各種の光学異性体が存在し、さら
に、少なくとも2個の不斉炭素を有する場合には、各種
のジアステレオマーが存在する。本発明はそれらの光学
異性体および個々の異性体をも包含する。また、本発明
は立体異性体をも包含する。
【0013】本発明の(I)の化合物は、例えば以下に
挙げる方法により製造できる。
【化6】 すなわち、式(IV)のジカルボン酸に式(V)のテトロ
ン酸誘導体を反応させて式(VI)の化合物が得られる。
【0014】または、次の方法で製造することができ
る。
【化7】 (式中、 R5はメチルあるいはエチル基を示す。) すなわち、式(VII)のジカルボン酸モノエステルに式
(VIII)のピロン誘導体を反応させて式(X)の化合物
とする。これに式(V)を反応させ式(XI)の化合物が
得られる。
【0015】あるいは、式(X)の化合物にの化合物に
式(VIII)のピロン誘導体を反応させることで、式(XI
I)の化合物を得ることができる。
【化8】
【0016】本発明のラクトン誘導体類の有効量を含む
治療剤を臨床において投与する場合、経口または非経口
経路により投与される。その剤形は、錠剤、糖衣錠、丸
剤、カプセル剤、散剤、トローチ剤、液剤、坐剤、注射
剤などを包含し、これは、医薬上許容される賦形剤を配
合して製造することができる。賦形剤としては、次のよ
うなものを例示することができる。乳糖、ショ糖、ブド
ウ糖、ソルビトール、マンニトール、ばれいしょでんぷ
ん、アミロペクチン、その他各種でんぷん、セルロース
誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、ハイド
ロキシエチルセルロースなど)、ゼラチン、ステアリン
酸マグネシウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレン
グリコール、ワックス、アラビアゴム、タルク、二酸化
チタン、オリーブ油、ピーナッツ油、ゴマ油などの植物
油、パラフィン油、中性脂肪基剤、エタノール、プロピ
レングリコール、生理食塩水、滅菌水、グリセリン、着
色剤、調味剤、濃厚剤、安定剤、等張剤、緩衝剤など、
およびその他医薬上許容される賦形剤をあげることがで
きる。
【0017】本発明において血球増加剤とは、該薬剤を
人体や動物等に投与することにより体内における血小板
や白血球、赤血球などの産生を誘導し、癌化学療法、放
射線療法、骨髄移植療法や薬物療法あるいは免疫異常、
腎性貧血や出血性貧血、溶血性貧血、欠乏性貧血などの
貧血等による血球減少を、予防あるいは治療する薬剤を
言う。また、例えば再生不良性貧血、血小板減少症、感
染症やウイルス性疾患、栄養障害などが原因の白血球減
少症、突発性血小板減少性紫斑病などの治療の分野でも
本発明の血球増加剤を用いることが可能である。更に自
己血貯血などにおいても用いることができる。
【0018】本発明における血球増加剤を、癌化学療
法、放射線療法、骨髄移植療法や薬物療法あるいは免疫
異常、腎性貧血や出血性貧血、溶血性貧血、欠乏性貧血
などの貧血等による血球減少を、予防あるいは治療する
ために、赤血球増加剤であるEPO や白血球増加剤である
G-CSFなどと併用して使用することも可能である。
【0019】本発明の治療剤の使用量は、症状、体重、
年齢、投与方法によって異なるが、通常は、成人に対し
て1日0.01mgから2000mgを投与することが
できる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明する。
【0021】実施例1 化合物1の合成 テトロン酸1.00g(10.0mmol)、ピメリン
酸0.8g(5.0mmol)、N,N−ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(DCC)2.28g(11.0m
mol)、 4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)
244mg(2.0mmol)をジクロロメタン30m
l中に懸濁し、トリエチルアミン1.5mlを加えて、
16時間撹拌した。反応液から不溶物を濾過して除き、
母液を3規定塩酸で洗浄した後、重曹水で抽出した。水
相を濃塩酸で酸性に戻し、ジクロロメタンで抽出し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をメタ
ノールで再結晶し、化合物1 0.53g(1.6mm
ol、収率:32%)を得た。褐色結晶。
【0022】以下に化合物1の構造式および物理データ
を示す。
【化9】
【表1】
【0023】実施例2 化合物2の合成 テトロン酸2.00g(20.0mmol)、スベリン
酸1.74g(10.0mmol)、 DCC4.31
g(21.0mmol)、DMAP244mg(2.0
mmol)をジクロロメタン25ml中に懸濁し、トリ
エチルアミン3.0mlを加えて、24時間撹拌した。
反応液から不溶物を濾過して除き、母液を3規定塩酸で
洗浄した後、重曹水で抽出した。水相を濃塩酸で酸性に
戻し、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後、濃縮した。残渣を酢酸エチルで再結晶し、
化合物2 1.53g(4.52mmol、収率:45
%)を得た。褐色結晶。
【0024】以下に化合物2の構造式および物理データ
を示す。
【化10】
【表2】
【0025】実施例3 化合物3の合成 テトロン酸2.00g(20.0mmol)、アゼライ
ン酸1.88g(10.0mmol)、 DCC4.3
1g(21.0mmol)、DMAP244mg(2.
0mmol)をジクロロメタン25ml中に懸濁し、ト
リエチルアミン3.0mlを加えて、16時間撹拌し
た。反応液から不溶物を濾過して除き、母液を3規定塩
酸で洗浄した後、重曹水で抽出した。水相を濃塩酸で酸
性に戻し、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、濃縮した。残渣を酢酸エチルで再結晶
し、化合物3 1.57g(4.45mmol、収率:
45%)を得た。褐色結晶。
【0026】以下に化合物3の構造式および物理データ
を示す。
【化11】
【表3】
【0027】実施例4 化合物4の合成 テトロン酸2.00g(20.0mmol)、ドデカン
二酸2.30g(10.0mmol)、 DCC4.3
8g(21.0mmol)、DMAP244mg(2.
0mmol)をジクロロメタン25ml中に懸濁し、ト
リエチルアミン3.0mlを加えて、18時間撹拌し
た。反応液から不溶物を濾過して除き、重曹水で抽出し
た。水相を濃塩酸で酸性に戻し、析出した結晶を濾過し
た。結晶をメタノールで再結晶し、化合物4 1.62
g(4.10mmol、収率:41%)を得た。褐色結
晶。
【0028】以下に化合物4の構造式および物理データ
を示す。
【化12】
【表4】
【0029】実施例5 化合物5の合成 4−ヒドロキシ−6−メチル3−(6−カルボキシ−1
−オキソヘキシル)−2−ピロン805mg(3.0m
mol)、テトロン酸300mg(3.0mmol)、
DCC632mg(3.06mmol)、DMAP4
9mg(0.4mmol)をジクロロメタン15ml中
に懸濁し、トリエチルアミン0.5mlを加えて、18
時間撹拌した。反応液から不溶物を濾過して除き、重曹
水で抽出した。水相を濃塩酸で酸性に戻し、ジクロロメ
タンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮
した。残渣を酢酸エチルで再結晶し、化合物5 457
mg(1.3mmol、収率:43%)を得た。褐色結
晶。
【0030】以下に化合物5の構造式および物理データ
を示す。
【化13】
【表5】
【0031】実施例6 化合物6の合成 4−ヒドロキシ−6−メチル3−(8−カルボキシ−1
−オキソオクチル)−2−ピロン709mg(2.4m
mol)、テトロン酸240mg(2.4mmol)、
DCC593mg(2.87mmol)、DMAP4
0mg(0.3mmol)をジクロロメタン15ml中
に懸濁し、トリエチルアミン0.5mlを加えて、18
時間撹拌した。反応液から不溶物を濾過して除き、重曹
水で抽出した。水相を濃塩酸で酸性に戻し、ジクロロメ
タンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮
した。残渣を酢酸エチルで再結晶し、化合物5 698
mg(1.8mmol、収率:77%)を得た。褐色結
晶。
【0032】以下に化合物6の構造式および物理データ
を示す。
【化14】
【表6】
【0033】実施例7 化合物7の合成 4−ヒドロキシ−6−メチル3−(6−カルボキシ−1
−オキソヘキシル)−2−ピロン1.00g(3.72
mmol)、ピロン472mg(3.74mmol)、
DCC844mg(4.09mmol)、トルエン10
ml、DMAP47mg(0.38mmol)を80℃
で24時間撹拌した。不溶物を濾過し、母液を炭酸ナト
リウム水溶液で抽出し、濃塩酸で酸性にした。ジクロロ
メタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃
縮した。残渣をメタノールで再結晶し、171mg
(0.45mmol、収率:12%)を得た。淡橙色結
晶。
【0034】以下に化合物7の構造式および物理データ
を示す。
【化15】
【表7】
【0035】実施例8 化合物8の合成 4−ヒドロキシ−6−メチル3−(8−カルボキシ−1
−オキソオクチル)−2−ピロン1.00g(3.37
mmol)、ピロン431mg(3.42mmol)、
DCC742mg(3.60mmol)、トルエン10
ml、DMAP45mg(0.36mmol)を80℃
で24時間撹拌した。不溶物を濾過し、母液を炭酸ナト
リウム水溶液で抽出し、濃塩酸で酸性にした。ジクロロ
メタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃
縮した。残渣をメタノールで再結晶し、847mg
(2.09mmol、収率:62%)を得た。淡橙色結
晶。
【0036】以下に化合物8の構造式および物理データ
を示す。
【化16】
【表8】
【0037】実施例9 hcpの調製 ヒトhcpをコードするDNA配列(Shen,S.H.ほか、N
ature 352, 736-739(1991))を、ヒトT細胞株であるJuar
kat細胞のmRNAから公知の逆転写PCR法により増幅した。
PCR産物をGST(グルタチオン−S−トランスフェラー
ゼ)融合タンパク質発現ベクターpGEX3X(Pharmacia Bio
tech AB)に連結したあと、大腸菌BL21(DE3) 株 (STRATA
GENE)を形質転換した。形質転換体を30℃でOD600が0.4
になるまで生育させたあと、培地にIPTGを0.1mM添加す
ることによりGST−hcp融合タンパク質の発現を誘
導した。
【0038】菌体をpH8.0で超音波により溶解した。遠
心後、上清を0.22μm経のフィルターで濾過し、グルタ
チオンセファロース4Bカラム(Pharmacia Biotech AB)カ
ラムを用いて、 GST−hcp融合タンパク質を精製
した。
【0039】以上に記載した方法で得た融合タンパク質
を以下に記載する酵素阻害アッセイに用いた。
【0040】実施例10 hcp阻害活性の測定。
【0041】[1]酵素阻害アッセイ: ヒトhcpの
酵素活性に対する化合物の阻害能を、フォスファターゼ
の基質として知られるp-ニトロフェニルフォスフェート
の分解を阻害するかかる化合物の能力を基礎に決定し
た。
【0042】[2]ヒトhcpの酵素阻害アッセイは96
ウェルプレートアッセイにおいて行われた。コーニング
社96ウェルプレートにて、4μl(40mM)のNiCl2、5μl(5m
g/ml)のBSAおよび本アッセイにおいて1ODの反応生成物
を1時間で生じる分量のGST−ヒトhcpと0.1mMの塩
化カルシウムを含む71μlの50mMトリス緩衝液を添加
し、1.5mg/mlのp-ニトロフェニルフォスフェートを120
μl加えた後、1時間37℃にてインキュベートした。つい
で、13%のリン酸水素二カリウムを10μl加えることによ
り反応を停止し、A410を測定した。
【0043】[3]IC50値の測定 各々の化合物を二重アッセイした。二重系を平均し、バ
ックグラウンドを差し引いて、ついで阻害のない最大値
をプレートからとり、ついですべての他のデータポイン
トを最大値のパーセントとして表した。これらの最大値
のパーセント値のうち50%より小さい最大のパーセント
値およびそれを記録した化合物の濃度と50%より大きい
最小のパーセント値およびそれを記録した化合物の濃度
を用いて、以下の式によりIC50値を計算した。
【0044】Log10(IC50) = (50-y1)×(Log10(x1)-Log1
0(x2)/(y1-y2)+log10(x1) IC50 = 10Log10(IC50) x1:50%より小さい最大のパーセント値を記録した化合物
の濃度 y1:50%より小さい最大のパーセント値 x2:50%より大きい最小のパーセント値を記録した化合物
の濃度 y2:50%より大きい最小のパーセント値 IC50:化合物のIC50値
【0045】結果を表9に示す。
【表9】
【0046】
【発明の効果】本発明のラクトン誘導体は、チロシンホ
スファターゼ活性特にhcp活性を有意に阻害し、血球
増加剤としての有用性が示された。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 407/06 307 C07D 407/06 307 (72)発明者 足立 泰基 神奈川県鎌倉市手広1111番地 東レ株式会 社基礎研究所内 (72)発明者 滝澤 聡子 神奈川県鎌倉市手広1111番地 東レ株式会 社基礎研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 〔(I)において、Zはー(CH2)g−(ここで、gは
    4〜12の整数を表す)、ーCH2CH2ーC64ーCH
    2CH2ー、ーCH=CHーC64ーCH=CHーを示
    し、AとBは各々独立して一般式(II)または(III) 【化2】 (ここで、nは0〜1の整数を示し、R1〜R4はそれぞ
    れ独立して炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6の
    アルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数6
    〜12のアリールアルキル基、炭素数6〜12のアルキ
    ルアリール基、炭素数6〜12のアリールアルケニル
    基、ー(CH2)qQ(ここで、qは0〜3の整数を表
    し、Qは炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数2〜5の
    アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、カルボキシル
    基、シアノ基、メチルチオ基、フェニルチオ基を表す)
    を示し、R1とR2は一緒になってー(CH2)mー(m
    は2〜4の整数を表す)を形成してよく、 R3とR4
    一緒になってーCH=CH−CH=CH−、あるいはー
    (CH2)lー(lは2〜5の整数を表す)を形成して
    よい)〕で表されるラクトン誘導体またはその薬理学的
    に許容される塩。
  2. 【請求項2】一般式(I)においてAおよびBが一般式
    (II)で示される請求項1記載のラクトン誘導体または
    その薬理学的に許容される塩。
  3. 【請求項3】一般式(I)においてAおよびBが一般式
    (III)で示される請求項1記載のラクトン誘導体また
    はその薬理学的に許容される塩。
  4. 【請求項4】一般式(I)においてAが一般式(II)
    で、Bが一般式(III)で示される請求項1記載のラク
    トン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  5. 【請求項5】請求項1〜4記載のラクトン誘導体または
    その薬理学的に許容される塩からなる医薬。
  6. 【請求項6】請求項1〜4記載のラクトン誘導体または
    その薬理学的に許容される塩を有効成分とする血球増加
    剤。
  7. 【請求項7】請求項1〜4記載のラクトン誘導体または
    その薬理学的に許容される塩を有効成分とするチロシン
    ホスファターゼ阻害剤。
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