JPH11129672A - 筆記具用部材の接続方法 - Google Patents

筆記具用部材の接続方法

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JPH11129672A
JPH11129672A JP9316250A JP31625097A JPH11129672A JP H11129672 A JPH11129672 A JP H11129672A JP 9316250 A JP9316250 A JP 9316250A JP 31625097 A JP31625097 A JP 31625097A JP H11129672 A JPH11129672 A JP H11129672A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペン先ホルダー2と軸筒1との固定を、軸方
向及び回転方向において確実になすと共に、かしめ加工
によって広い範囲の変形となることを極力抑制する。 【解決手段】 第1の周状かしめ加工の後、内部材を挿
入し、第二の局部かしめ加工を第1の周状のかしめ加工
による周状変形部の範囲内に施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製の筒体の開
口端に、この筒体の内孔に接続部材の一部又は全部を挿
入して固定する筆記具用部材の接続方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、金属製の筒体に他の部材を接続す
る方法として、実開昭60−5884号公報には、金属
製のインキを収容する筒体にボールペンチップホルダー
を挿入した後、前記チップホルダーに形成された凹溝に
係合するように、筒体に周状のかしめ加工を施して固定
してなるものが開示されている。また、実開昭60−6
0283号公報には、金属製の筒体にペン先ホルダーを
挿入して局部かしめ加工を施して固定してなるものが開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の接続方法では、ボールペンチップホルダーを挿入
した上で金属製の筒体に周状のかしめ加工を施しても回
転方向の移動(すなわち空回り)を完全に止めることは
困難であるという問題があった。またボールペンチップ
ホルダーを挿入した後に前記ボールペンチップホルダー
の凹溝位置に局部かしめ加工を施したものでは、部材の
空回りは抑制し得るが、不透明な金属の筒体に局部かし
めのための治具(ピン等)を当接させなくてはならず、
各部品の寸法バラツキを管理しなければ不正確な加工と
なり、結局所望の接続強度や寸法制度が得られにくいと
いう問題があった。局部かしめ加工を施したものでは、
更に、円筒状の筒体表面の一部に、局部かしめ加工のた
めの治具を圧接することにより、その圧接力は筒体表面
を伝わり筒体の軸方向の広い範囲で変形し、断面円形で
ある筒体の全体を大きく歪ませる恐れがあった。例え
ば、ペン先の乾燥防止の目的等ででキャップが取り付け
られるが、筒体の円形が保たれなければキャップ内部の
周状の突起と筒体表面との間で保たれなければならない
密閉性が損なわれ、結果として乾燥防止効果が損なわれ
ることもあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、金属製
の筒体の開口端に、この筒体の内孔に接続部材の一部又
は全部を挿入して固定する筆記具用部材の接続方法にお
いて、第1の加工として筒体の内孔に接続部材が存在す
る範囲の所定部に周状のかしめ加工を施して筒体の外壁
に周状の凹部を形成すると共に接続部材に対する周状の
嵌合凸部を形成し、その後、第2の加工として周状の凹
部上に1箇所以上の局部かしめ加工を施して接続部材の
所定位置を筒体の内壁の一部を圧接し固定してなる筆記
具用部材の接続方法を要旨とする。
【0005】
【作用】第1の周状のかしめ加工を行うことにより、筒
体内部の周状の内方凸部と接続部材の嵌合凹部との位置
関係を所定のものとすることができる。これによって、
第2の加工時には、筒体表面の周状凹部は接続部材の嵌
合凹部とすでに係合し合致しているので、筒体表面の周
状凹部に局部かしめ加工を施すことにより、容易に接続
部材の所定位置に対して筒体内壁の一部を圧接させる加
工をすることができる。よって、筒体内壁の変形を接続
部材の嵌合凹部に係合することができ、回転方向の移動
を止める形状とすることができる。また、第1の周状の
かしめ加工によって形成された周状の内方凸部となる変
形部は、筒体の外径形状を決定する第1の加工時の未加
工部分との間に応力の集中する角部を介在させており、
更に変形部の内、局部かしめ加工を受けない部分が局部
かしめ加工の押圧力を吸収し得るので、第1の加工時の
未加工部分をも含む広い範囲の変形とはなり難いもので
ある。
【0006】
【実施例】以下、図面に基づき一例について説明する。
図1に示すものは、外装体(図示せず)内に収容して使
用する、所謂筆記具のリフィルの例である。自由状態の
インキを内蔵する、洋白材や真鍮材にニッケル無電解め
っきを施したものなどよりなる金属製の有底筒体からな
る軸筒1の開口部側に、主に接続挿入部2aと一時的イ
ンキ溜め部2bとからなるペン先ホルダー2を取り付
け、軸筒1内孔の底側をインキタンク部3とし、接続挿
入部2aに継ぎ手パイプ4を介してボールペンチップ5
を取り付けている。
【0007】ペン先ホルダー2は、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオキシメチ
レン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニ
トリルブタジエンスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂などの合成樹脂の射出成形品を想定してお
り、ボールペンチップ5との間のインキ接続部材の一部
であることを考慮すると、インキと接触し得る部分がイ
ンキと濡れやすいことが好ましく、例えば、インキに使
用する溶剤や界面活性剤等で表面処理を施しておくこと
もできる。
【0008】このペン先ホルダー2は、繊維集束体より
なるインキ中継芯6がボールペンチップ5の内孔より接
続挿入部2a及び一時的インキ溜め部2bの中心孔7を
経てインキタンク部3に挿通されている。更に、一時的
インキ溜め部2b後部には軸筒1の内部を一時的インキ
溜め部2b部分とインキタンク部3とに区画するために
合成ゴム製のリング12が取り付けられており軸筒1内
壁と液密状に当接している。
【0009】図1のI部に相当する部分の拡大図であっ
て、軸筒1に第1の周状のかしめ加工を施した後、その
内孔にペン先ホルダー2を挿入した状態を示す要部拡大
断面図である図2に示すように、軸筒1とペン先ホルダ
ー2とは、軸筒1に形成した周状変形部8によって仮固
定されている。この周状変形部8は軸筒1の外壁に第1
の加工として周状のかしめ加工を施すことによって形成
される。この第1の周状のかしめ加工は、合成樹脂、合
成ゴムなどよりなる圧接ロール(図示せず)を回転させ
ながら筒体1の外壁に圧接させつつ軸筒1を自転させる
ことで形成される。尚、参照符号10は、筆記によるイ
ンキタンク部3のインキ現象に伴って内圧減少を抑制す
るために外気を取り入れるための空気通孔である。
【0010】図3に第2の加工である局部かしめ加工を
施した後のリフィルの外観図を示す。第1の周状のかし
め加工により形成された周状変形部8の範囲内に局部か
しめ加工による局部変形部9を形成している。図3のI
I−II線断面矢視図である図4に示すように、金属
製、合成樹脂、合成ゴムなど適宜材質よりなるかしめピ
ン13を周状変形部8に押し当てて、局部変形部9が形
成される。また、この局部かしめ加工を施した後のもの
の図2に相当する要部拡大断面図である図5にも示すよ
うに、局部かしめ加工により形成される局部変形部9
は、軸筒の内壁において比較的高い内方凸部として形成
され、ペン先ホルダー2に形成した嵌合凹部11に食い
込んでいる。
【0011】ここで、第1の周状のかしめ加工にて溝状
に形成された周状変形部8の溝には、未変形部分とを区
画する角部14が形成されており、また、第2の加工で
ある局部かしめ加工はこの角部14内、即ち周状変形部
8の範囲内にて施されるため、局部かしめ加工による変
形力は角部14に集中することになり、また、周状変形
部8に相当する部分を挟んで内部材であるペン先ホルダ
ー2の嵌合凹部の周壁15が局部かしめ加工の押圧力を
受けることもあって、周状変形部8の範囲を超えた未変
形部には変形が及び難いものであるといえる。
【0012】
【発明の効果】以上より、本発明によれば、金属製の軸
筒と接続挿入部とを確実に固定させ、回転方向の移動を
止めることができ、軸筒全体を歪ませることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接続方法を施した筆記具の形状を示す
断面図。
【図2】第2の局部かしめ加工を施す前の状態を示す要
部拡大図。
【図3】第2の局部かしめ加工を施した後の筆記具の外
観図。
【図4】図3におけるII−II断面矢視図。
【図5】第2の局部かしめ加工を施した後の状態を示す
図2相当図。
【符号の説明】
1 軸筒 2 ペン先ホルダー 2a 接続挿入部 2b 一時的インキ溜め部 3 インキタンク部 4 継ぎ手パイプ 5 ボールペンチップ 6 インキ中継芯 7 中心孔 8 周状変形部 9 局部変形部 10 空気通孔 11 嵌合凹部 12 リング 13 かしめピン 14 角部 15 周壁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の筒体の開口端に、この筒体の内
    孔に接続部材の一部又は全部を挿入して固定する筆記具
    用部材の接続方法において、第1の加工として筒体の内
    孔に接続部材が存在する範囲の所定部に周状のかしめ加
    工を施して筒体の外壁に周状の凹部を形成すると共に接
    続部材に対する周状の嵌合凸部を形成し、その後、第2
    の加工として周状の凹部上に1箇所以上の局部かしめ加
    工を施して接続部材の所定位置を筒体の内壁の一部を圧
    接し固定してなる筆記具用部材の接続方法。
  2. 【請求項2】 前記筒体に周状のかしめ加工を施す第1
    の加工の後に前記接続部材を筒体内孔に挿入し、その後
    に第2の加工である局部かしめ加工を施すことを特徴と
    した請求項1記載の筆記具用部材の接続方法。
  3. 【請求項3】 前記筒体が内部に筆跡形成手段を収容す
    る軸筒であると共に、前記接続部材が内部に筆跡形成手
    段通路を有することを特徴とする請求項1又は2記載の
    筆記具用部材の接続方法。
  4. 【請求項4】 前記筆跡形成手段がインキであり、前記
    接続部材が内部に筆跡形成手段通路として繊維集束体か
    らなるインキ中継芯であることを特徴とした請求項3記
    載の筆記具用部材の接続方法。
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