JPH11129393A - 積層体成形用サーマルバリア - Google Patents

積層体成形用サーマルバリア

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JPH11129393A
JPH11129393A JP29519497A JP29519497A JPH11129393A JP H11129393 A JPH11129393 A JP H11129393A JP 29519497 A JP29519497 A JP 29519497A JP 29519497 A JP29519497 A JP 29519497A JP H11129393 A JPH11129393 A JP H11129393A
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heat
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/02Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding
    • H05K3/022Processes for manufacturing precursors of printed circuits, i.e. copper-clad substrates

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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬いステンレス鋼板を中間板として用いるこ
とが可能になり、成形の際の加圧によって変形が生じる
ことを防止して成形不良が発生することを防ぐことがで
きる積層体成形用サーマルバリアを提供する 【解決手段】 導電シート1の両面に電気絶縁層2を設
けて発熱シート3を形成し、発熱シート3を複数重に折
り返し屈曲すると共に各折り返し屈曲した部分の発熱シ
ート3の間に中間板4を挟み込んで発熱シート3と中間
板4を交互に重ねる。そして導電シート1への通電によ
って発熱シート3を発熱可能に形成する。中間板4とし
てステンレス鋼板のように電気非絶縁性のものを用いて
も、中間板4を介して電流が短絡するようなことがなく
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属箔に通電する
ことによって発熱させて加熱加圧成形を行なう工法で、
金属箔張りの積層体を成形する際に使用されるサーマル
バリアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板等に加工して使用される
金属箔張り積層体は、プリプレグを複数枚重ねると共に
この片側あるいは両側の外面に銅箔等の金属箔を重ね、
これを加熱加圧して積層成形することによって製造され
ている。また多層プリント配線板の場合は、内層回路板
の片側あるいは両側にプリプレグを重ねると共にプリプ
レグの外側にさらに金属箔を重ね、これを加熱加圧して
積層成形することによって製造されている。そして上記
のように積層成形を行なうにあたって、上記のプリプレ
グと金属箔を重ねた組み合わせ体や、内層回路板とプリ
プレグと金属箔を重ねた組み合わせ体を多段に積み重
ね、これを熱盤間にセットしてプレスする、いわゆる多
段ホットプレスで行なうのが一般的である。
【0003】しかしこのような熱盤を用いた多段ホット
プレスでは、熱盤に近い組み合わせ体と熱盤から遠い組
み合わせ体とでは加熱温度が異なったものとなり、加熱
温度の不均一のために得られた金属箔張り積層体の品質
がばらつくおそれがある。従って多段ホットプレスで
は、積み重ねることのできる組み合わせ体の段数は限ら
れたものになる。
【0004】そこで、金属箔に電源を接続し、金属箔に
通電して金属箔を発熱させることによって加熱を行なう
ようにした方法が特表平7−508940号公報や特表
平8−506289号公報等で提供されている。図3は
その一例を示すものであり、まず、金属箔10として長
尺のものを用い、金属箔10を複数重に折り返し屈曲す
ると共に折り返し屈曲して対向する金属箔10間に、複
数組の組み合わせ体11と複数枚の電気絶縁性の成形プ
レート12とを交互に挟み込むことによって、複数重に
蛇行状に屈曲した金属箔10と、多段に重ねた複数組の
組み合わせ体11と、複数枚の成形プレート12からな
る積み重ねブロック13を作製する。組み合わせ体11
は複数枚のプリプレグ14を重ねたものを一組として
(あるいはプリプレグと内層回路板を重ねたものを一組
として)形成されるものである。そしてこの積み重ねブ
ロック13を加圧プレート15の間にセットすると共に
金属箔10に電源を接続し、加圧プレート15で冷間プ
レスしながら金属箔10に通電すると、金属箔10はジ
ュール熱によって発熱し、この発熱で各組の組み合わせ
体11のプリプレグ14を加熱して成形を行なうことが
できるものである。
【0005】この方法によれば各組の組み合わせ体11
のプリプレグ14を金属箔2を熱源として直接に加熱す
ることができるために、多段に積み重ねた各組み合わせ
体11のプリプレグ14をそれぞれ均一に加熱すること
ができ、プリプレグ14による積層体に金属箔2を積層
して形成される金属箔張り積層体を品質のばらつきなく
多段の成形で得ることができるのである。
【0006】しかしこのように金属箔10に通電して発
熱させ、この発熱で加熱しながら加圧プレート15で加
圧して成形を行なう場合、積み重ねブロック13のう
ち、加圧プレート15に近い組み合わせ体11において
金属箔10から発熱する熱は加圧プレート15に吸収さ
れて逃げてしまい易く、この加圧プレート15に近い組
み合わせ体11の加熱温度が低くなって、硬化が不十分
になるおそれがあるという問題がある。
【0007】このために、加圧プレート15と積み重ね
ブロック13との間にサーマルバリアAと称される発熱
体を設け、金属箔10の発熱が加圧プレート15に吸収
されて逃げることを防ぐようにしている。図4は従来か
ら使用されているサーマルバリアAの一例を示すもので
あり、銅箔などで長尺に形成される発熱シート3を複数
重に折り返し屈曲し、各折り返し屈曲した部分の対向す
る発熱シート3の間に中間板17を挟み込んで発熱シー
トと中間板17を交互に重ね、そしてこれを上下一対の
金属の外装板5,5の間に挟持すると共に発熱シート3
の一端部を一方の外装板5に、発熱シート3の他端部を
他方の外装板5に電気的に接続し、さらに上下の外装板
5,5を電気絶縁性の接合板18で一体に接合すること
によって、全体として板状に形成してある。
【0008】しかして、このように形成されるサーマル
バリアAを図3のように積み重ねブロック13の上端と
上の加圧プレート15の間に、積み重ねブロック13の
下端と下の加圧プレート15の間にそれぞれ挟み込んで
セットし、加圧プレート15によって加圧しながら、上
のサーマルバリアAの上側の外装板5と、下のサーマル
バリアAの下側の外装板5を電源に接続して通電するこ
とによって、成形を行なうことができるものである。
【0009】すなわちこのものでは、上のサーマルバリ
アAの上側の外装板5、上のサーマルバリアAの発熱シ
ート3、上のサーマルバリアAの下側の外装板5、この
外装板5に接触している積み重ねブロック13の金属箔
10、この金属箔10に接触している下のサーマルバリ
アAの上側の外装板5、下のサーマルバリアAの発熱シ
ート3、下のサーマルバリアAの下側の外装板5がこの
順の経路で導通している。従って通電を行なうと電流が
この導通経路を流れ、積み重ねブロック13の金属箔1
0をジュール熱によって発熱させることができ、成形を
行なうことができるものである。また各サーマルバリア
Aにおいても、発熱シート3をジュール熱によって発熱
させることができ、サーマルバリアAのこの発熱によっ
て、積み重ねブロック13の加圧プレート15に近い組
み合わせ体11から熱が加圧プレート15に吸収されて
逃げることを防ぐことができるものである。
【0010】そして上記のように形成されるサーマルバ
リアAにあって、発熱シート3は銅箔等の金属箔で形成
してあり、この発熱シート3を長い寸法で形成して発熱
量を高く得るために、発熱シート3を複数重に折り返し
屈曲し、折り返した発熱シート3の間に中間板17を挟
み込むようにしてあるが、中間板17が導電性を有する
ものであると、発熱シート3に通電された電流は中間板
17を厚み方向に流れて短絡するために、発熱シート3
を高温で発熱させることができない。このために、中間
板17としては電気絶縁性のものが用いられており、具
体的には、フェノール樹脂積層板などの樹脂積層板や、
表面をアルマイト加工して絶縁処理したアルミニウム板
が中間板17として使用されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし樹脂積層板やア
ルミニウム板を中間板17として使用するにあたって、
これらの材料は硬度や剛性が比較的小さく、比較的柔ら
かい。従ってサーマルバリアAを用いて成形を行なうに
あたって、加圧を行なう際に中間板17が変形してサー
マルバリアAの全体も変形するおそれがあり、サーマル
バリアAが変形すると均一な圧力で積み重ねブロック1
3を加圧することができなくなって、成形して得られた
積層体にボイド不良やカスレ不良が発生するおそれがあ
るという問題があった。中間板17として硬度や剛性の
高いステンレス鋼板を使用すればこのような問題を解決
することができるが、ステンレス鋼は表面を絶縁処理す
ることが難しいので、金属板で中間板17を形成するに
しても、絶縁処理が可能がアルミニウム板を使用せざる
を得ないのである。
【0012】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、硬いステンレス鋼板を中間板として用いることが
可能になり、成形の際の加圧によって変形が生じること
を防止して成形不良が発生することを防ぐことができる
積層体成形用サーマルバリアを提供することを目的とす
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
積層体成形用サーマルバリアは、導電シート1の両面に
電気絶縁層2を設けて発熱シート3を形成し、発熱シー
ト3を複数重に折り返し屈曲すると共に各折り返し屈曲
した部分の発熱シート3の間に中間板4を挟み込んで発
熱シート3と中間板4を交互に重ね、導電シート1への
通電によって発熱シート3を発熱可能に形成して成るこ
とを特徴とするものである。
【0014】本発明の請求項2に係る積層体成形用サー
マルバリアは、導電シート1の両面に電気絶縁層2を設
けて発熱シート3を形成すると共に発熱シート3と中間
板4を交互に重ね、中間板4を介して上下に隣合う発熱
シート3の導電シート1を中間板4の一方の端部におい
て導通接続して各発熱シート3の導電シート1を直列に
接続し、導電シート1への通電によって発熱シート3を
発熱可能に形成して成ることを特徴とするものである。
【0015】また請求項3の発明は、上記中間板4をス
テンレス鋼板で形成して成ることを特徴とするものであ
る。また請求項4の発明は、上記の電気絶縁層2を熱硬
化性樹脂の層で形成して成ることを特徴とするものであ
る。また請求項5の発明は、上記の電気絶縁層2を無機
系基材含有熱硬化性樹脂の層で形成して成ることを特徴
とするものである。
【0016】また請求項6の発明は、上記の発熱シート
3と中間板4の積層物を一対の金属の外装板5の間に挟
持して成ることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。発熱シート3を構成する導電シート1としては、
導電性があればよく特に限定されるものではないが、銅
箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、あるいはこれらの金
属の合金箔、これらの箔の複合箔など、長尺の金属箔で
形成したものを用いることができる。導電シート1の厚
みは、0.035〜0.070mm程度が抵抗発熱させ
る上で好ましく、長さの短いものを継ぎ合わせて長尺化
するようにしてもよい。
【0018】そしてこの導電シート1の両面を電気絶縁
層2で被覆することによって、発熱シート3を形成して
ある。電気絶縁層2としては、電気絶縁性を有するもの
であればよく特に限定されるものではないが、熱硬化性
樹脂の層、無機系基材含有熱硬化性樹脂の層、セラミッ
クの層などで電気絶縁層2を形成することができる。金
属箔で形成される導電シート1との接着強度の点では、
熱硬化性樹脂の層や、無機系基材含有熱硬化性樹脂の層
で電気絶縁層2を形成するのが好ましい。熱硬化性樹脂
の層は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル
樹脂などの熱硬化性樹脂を導電シート1の表面に塗布し
て乾燥硬化させることによって形成することができる。
また無機系基材含有熱硬化性樹脂の層は、ガラス繊維布
などの無機系基材に上記の熱硬化性樹脂のワニスを含浸
乾燥してプリプレグを作製し、このプリプレグを導電シ
ート1の表面に重ねて加熱加圧成形することによって形
成することができる。無機系基材含有熱硬化性樹脂の層
は導電シート1に対する接着強度が優れると共に補強効
果が高く、導電シート1の切断の防止の効果を高く得る
ことができる。電気絶縁層2の厚みは、0.02〜0.
10mm程度が好ましい。
【0019】また、中間板4としては、特に限定される
ものではないが、硬さが高く、加圧によって変形し難い
という点で、ステンレス鋼板(SUS板)で形成したも
のを用いるのが好ましい。ステンレス鋼板は表面に絶縁
加工を施すことが難しいが、発熱シート3は導電シート
1の両面に電気絶縁層2を設けて形成しているため、中
間板4として電気絶縁性のものを用いる必要がなく、ス
テンレス鋼板を中間板4として使用することが可能にな
るものである。中間板4の厚みは1〜3mm程度が好ま
しい。
【0020】そしてサーマルバリアAを作製するにあた
っては、長尺に形成される発熱シート3を複数重に折り
返し屈曲し、各折り返し屈曲した部分の対向する発熱シ
ート3の間に中間板4を挟み込むことによって、図1に
示すように、発熱シート3と中間板17を交互に重ね、
そしてこれを上下一対の外装板5,5の間に挟み込むと
共に、上下の外装板5,5を接合板18で一体に接合す
ることによって、全体として板状に形成するようにして
行なうことができるものである。外装板5としてはアル
ミニウム板やステンレス鋼板などの金属板を用いること
ができるものであり、外装板5がこのように電気導電性
の場合には、接合板18は電気絶縁性のもので形成され
るものである。また発熱シート3の両端部において導電
シート1には電気絶縁層2で被覆されない露出部1aが
形成してあり、導電シート1の一方の端部の露出部1a
を一方の外装板5に、導電シート1の他方の端部の露出
部1aを他方の外装板5にそれぞれ接触させたりテープ
によって仮止めしたりすることによって、導電シート1
を外装板5,5間に導通接続してある。
【0021】上記のように作製されるサーマルバリアA
を用い、図3のようにして金属張り積層体を成形するこ
とができる。すなわち、金属箔10として長尺のものを
用い、金属箔10を複数重に折り返し屈曲すると共に折
り返し屈曲して対向する金属箔10間に、複数組の組み
合わせ体11と複数枚の電気絶縁性の成形プレート12
とを交互に挟み込むことによって、複数重に蛇行状に屈
曲した金属箔10と、多段に重ねた複数組の組み合わせ
体11と、複数枚の成形プレート12からなる積み重ね
ブロック13を作製する。組み合わせ体11は複数枚の
プリプレグ14を重ねたものを一組として(あるいはプ
リプレグと内層回路板を重ねたものを一組として)形成
されるものである。プリプレグ14としては、ガラス繊
維や有機繊維の織布あるいは不織布、紙等の基材に、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などの
熱硬化性樹脂のワニスを含浸乾燥して調製したものを用
いることができる。また金属箔10としては、銅箔、ア
ルミニウム箔、ニッケル箔、あるいはこれらの金属の合
金箔、これらの箔の複合箔などを用いることができる。
【0022】そして積み重ねブロック13の上下を一対
のサーマルバリアA,Aで挟み、これを上下の加圧プレ
ート15,15の間に挟み込んでセットし、加圧プレー
ト15によって上下から冷間プレスしながら、上のサー
マルバリアAの上側の外装板5と、下のサーマルバリア
Aの下側の外装板5を電源に接続して通電することによ
って、成形を行なうことができるものである。すなわ
ち、通電を行なうと電流が各サーマルバリアAの発熱シ
ート3の導電シート1や積み重ねブロック13の金属箔
10に流れ、この電流の流れで金属箔10がジュール熱
で発熱し、この金属箔10の発熱で積み重ねブロック1
3の各組の組み合わせ体11のプリプレグ14を加熱し
て、金属箔10とプリプレグ14を積層一体化した金属
箔張り積層体を成形することができるものである。また
電流の流れで各サーマルバリアAの発熱シート3の導電
シート1がジュール熱で発熱し、サーマルバリアAを加
熱することができ、積み重ねブロック13の加圧プレー
ト15に近い組み合わせ体11から熱が加圧プレート1
5に吸収されて逃げることを防ぐことができるものであ
る。尚、サーマルバリアAと積み重ねブロック13の間
や、サーマルバリアAと加圧プレート15の間に、セル
ロースペーパーやアラミド繊維ペーパー等のクッション
材や熱伝導調製材を挟むようにしてもよい。
【0023】ここで上記のように、発熱シート3は導電
シート1の両面に電気絶縁層2を設けて形成しているた
め、中間板4としてステンレス鋼板のように電気非絶縁
性のものを用いても、発熱シート3の導電シート1と中
間板4の間は電気絶縁層2によって絶縁されており、導
電シート1に通電された電流が中間板4を厚み方向に流
れて短絡するようなことがない。従って、中間板4をス
テンレス鋼板のような硬く圧力が作用しても変形し難い
もので形成することによって、上記の成形の加圧によっ
て中間板4が変形することを防止することができると共
に、中間板4の変形によってサーマルバリアAの上面や
下面に凹変形が発生することを防止することができるも
のであり、成形の際に均一な圧力で積み重ねブロック1
3を加圧することができなくなって、成形して得られた
金属箔張り積層体にボイド不良やカスレ不良が発生する
ようなことを防ぐことができるものである。
【0024】また、サーマルバリアAにおいて発熱シー
ト3は複数重に折り返し屈曲してあるが、導電シート1
は両面に電気絶縁層2を設けることによって補強されて
いるので、サーマルバリアAを繰り返し使用しても、導
電シート1がこの屈曲部分で切断されることを防ぐこと
ができるものである。次に、上記のサーマルバリアAの
実施例を示す。
【0025】(実施例)日鉱グールド社製の70μm厚
の銅箔(JTC箔)で形成した導電シート1の両面に、
エポキシ樹脂を60μm厚に塗布して電気絶縁層2を設
けることによって、発熱シート3を作製した。そして中
間板4として厚み1.0mmのステンレス鋼板を用い、
また外装板5として厚み3.0mmの銅板を、接合板1
8として厚み15mmのガラスエポキシ樹脂積層板(松
下電工社製「R1621」)をそれぞれ用い、図1に示
すようなサーマルバリアAを作製した。
【0026】(比較例1)日鉱グールド社製の70μm
厚の銅箔(JTC箔)を発熱シート3として用いた。そ
して中間板17として厚み1.0mmの表面をアルマイ
ト加工して絶縁処理したアルミニウム板を用い、また外
装板5として厚み3.0mmの銅板を、接合板18とし
て厚み15mmのガラスエポキシ樹脂積層板(松下電工
社製「R1621」)をそれぞれ用い、図4に示すよう
なサーマルバリアAを作製した。
【0027】(比較例2)日鉱グールド社製の70μm
厚の銅箔(JTC箔)を発熱シート3として用いた。そ
して中間板17として厚み1.0mmのフェノール樹脂
積層板(松下電工社製「R8700」の銅箔を除去した
もの)を用い、また外装板5として厚み3.0mmの銅
板を、接合板18として厚み15mmのガラスエポキシ
樹脂積層板(松下電工社製「R1621」)をそれぞれ
用い、図4に示すようなサーマルバリアAを作製した。
【0028】上記の実施例及び比較例1,2で作製した
サーマルバリアAを用い、図3のようにして成形を行な
った。すなわち、金属箔10として厚み70μmの銅箔
を用い、組み合わせ体11を、厚み1.1mmのエポキ
シ樹脂積層板(松下電工社製「R−1766」)の両面
に厚み35μmの銅箔で内層用回路を形成した内層回路
板の両面に厚み0.2mmのガラス基材エポキシ樹脂プ
リプレグ(松下電工社製「R−1661」)を1枚ずつ
重ねたもので形成し、成形プレート12として厚み2m
mの表面をアルマイト加工して絶縁処理したアルミニウ
ム板を用いて積み重ねブロック13を作製した。そして
10kg/cm2 の圧力で加圧しながら、最大1.6k
Aの電流を断続的に60分間通電することによって、加
熱加圧成形を行なった。
【0029】ここで、上記の成形を、1回目から9回目
までは製品サイズ340×510mmの小サイズものに
ついて行ない、10回目は製品サイズ510×610m
mの大サイズのものについて行なった。結果は次の通り
であった。比較例1のものは1回目の成形によってサー
マルバリアAに変形が生じ、10回目の成形で得られた
銅張り積層体にボイド及びカスレが発生した。比較例2
のものは、1回目の成形の際にはサーマルバリアAに変
形は生じなかったが、10回目の成形の際にサーマルバ
リアAに変形が生じ、また10回目の成形で得られた銅
張り積層体にボイドが発生した。これに対して、実施例
のものは、1回目の成形の際にも、10回目の成形の際
にもサーマルバリアAに変形は生じず、また10回目の
成形で得られた銅張り積層体にボイドやカスレは発生し
なかった。このように、中間板4としてステンレス鋼板
を使用することができる実施例のものでは、サーマルバ
リアAに変形が生じず、ボイドやカスレなどの成形不良
が生じることを防ぐことができるものである。
【0030】図2は本発明の実施の形態の他の例を示す
ものであり、既述のように導電シート1の両面を電気絶
縁層2で被覆して作製される発熱シート3は、短尺物と
して形成してある。この発熱シート3の端部には、電気
絶縁層2の端部を除去して導電シート1を露出させた接
続部20が設けてある。またこの発熱シート3の他に、
導電シート1の片面を電気絶縁層2で被覆し、導電シー
ト1の他の片面は露出させた発熱シート3aを用いる。
上記の第一の発熱シート3を第二の発熱シート3aで接
続して、複数枚の発熱シート3を直列に導通接続するも
のである。
【0031】すなわち、ステンレス鋼板などで形成され
る複数枚の中間板4と複数枚の第一の発熱シート3を交
互に重ね、第二の発熱シート3aをその電気絶縁層2を
内側にして折り返し屈曲すると共に隣合う中間板4の一
方の端部と他方の端部に交互に配置し、第二の発熱シー
ト3aの導電シート1を第一の発熱シート3の接続部2
0に露出する発熱シート3に接触させた状態で、第二の
発熱シート3aの両端部を中間板4と第一の発熱シート
3の間に挟持させる。第一の発熱シート3の接続部20
の導電シート1と第二の発熱シート3aの導電シート1
とは摺動可能な状態で接触しており、複数枚の発熱シー
ト3の導電シート1は第二の発熱シート3aを介して直
列に導通接続されているものである。後は図1の実施の
形態と同様に、これを上下一対の金属板で形成される外
装板5,5の間に挟み込むと共に、上下の外装板5,5
を電気絶縁性の接合板18で一体に接合することによっ
て、全体として板状に形成したサーマルバリアAを作製
することができるものである。ここで、上端と下端に位
置する第一の発熱シート3の端部において、導電シート
1には電気絶縁層2で被覆されない露出部1aが形成し
てあり、この露出部1aを外装板5に接触させたり、テ
ープで仮止めしたりすることによって、導電シート1を
外装板5に導通接続してある。
【0032】上記のように作製されるサーマルバリアA
を用い、既述の場合と同様に、図3のようにして金属張
り積層体を成形することができる。このサーマルバリア
Aにあっても、発熱シート3は導電シート1の両面に電
気絶縁層2を設けて形成しているため、中間板4として
ステンレス鋼板のように電気非絶縁性のものを用いて
も、発熱シート3の導電シート1と中間板4の間は電気
絶縁層2によって絶縁されており、導電シート1に通電
された電流が中間板4を厚み方向に流れて短絡するよう
なことがない。従って、中間板4をステンレス鋼板のよ
うな硬く圧力が作用しても変形し難いもので形成するこ
とによって、上記の成形の加圧によって中間板4が変形
することを防止することができると共に、中間板4の変
形によってサーマルバリアAの上面や下面に凹変形が発
生することを防止することができるものであり、成形の
際に均一な圧力で積み重ねブロック13を加圧すること
ができなくなって、成形して得られた金属箔張り積層体
にボイド不良やカスレ不良が発生するようなことを防ぐ
ことができるものである。
【0033】また、上記のサーマルバリアAにおいて中
間板4の端部において折り返し屈曲されている第二の発
熱シート3aは、その導電シート1が第一の発熱シート
3の導電シート1と摺動可能に接触しており、固定され
ていないので、サーマルバリアAの繰り返し使用によっ
て加熱が繰り返され、第二の発熱シート3aが膨張収縮
を繰り返しても、この膨張収縮は摺動によって吸収され
るものであり、サーマルバリアAを繰り返し使用して
も、第二の発熱シート3aの導電シート1がこの屈曲部
分で切断されることを防ぐことができるものである。
【0034】尚、上記の各実施の形態では、本発明に係
るサーマルバリアAを金属箔に通電することによって発
熱させて加熱加圧成形を行なう工法に用いるようにして
いるが、サーマルバリアAはこのような工法に用いるこ
とに限定されるものではなく、加熱加圧成形の際の熱源
として用いるようにすることもできるものである。
【0035】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る積
層体成形用サーマルバリアは、導電シートの両面に電気
絶縁層を設けて発熱シートを形成し、発熱シートを複数
重に折り返し屈曲すると共に各折り返し屈曲した部分の
発熱シートの間に中間板を挟み込んで発熱シートと中間
板を交互に重ね、導電シートへの通電によって発熱シー
トを発熱可能に形成するようにしたので、中間板として
ステンレス鋼板のように電気非絶縁性のものを用いて
も、中間板を介して電流が短絡するようなことがないも
のであり、中間板をステンレス鋼板のような硬く圧力が
作用しても変形し難いもので形成することが可能にな
り、成形の際の加圧によってサーマルバリアに変形が生
じることを防止することができると共に成形して得られ
た積層体に成形不良が発生することを防ぐことができる
ものである。
【0036】また本発明の請求項2に係る積層体成形用
サーマルバリアは、導電シートの両面に電気絶縁層を設
けて発熱シートを形成すると共に発熱シートと中間板を
交互に重ね、中間板を介して上下に隣合う発熱シートの
導電シートを中間板の一方の端部において導通接続して
各発熱シートの導電シートを直列に接続し、導電シート
への通電によって発熱シートを発熱可能に形成するよう
にしたので、中間板としてステンレス鋼板のように電気
非絶縁性のものを用いても、中間板を介して電流が短絡
するようなことがないものであり、中間板をステンレス
鋼板のような硬く圧力が作用しても変形し難いもので形
成することが可能になり、成形の際の加圧によってサー
マルバリアに変形が生じることを防止することができる
と共に成形して得られた積層体に成形不良が発生するこ
とを防ぐことができるものである。
【0037】また請求項4の発明は、上記の電気絶縁層
を熱硬化性樹脂の層で形成するようにしたので、金属に
対する熱硬化性樹脂の優れた密着によって、導電シート
に電気絶縁層を接着強度高く形成することができるもの
である。また請求項5の発明は、上記の電気絶縁層を無
機系基材含有熱硬化性樹脂の層で形成するようにしたの
で、無機系基材含有熱硬化性樹脂は強度が高く、電気絶
縁層で導電シートを補強する効果を高く得ることができ
るものである。
【0038】また請求項6の発明は、上記の発熱シート
と中間板の積層物を一対の金属の外装板の間に挟持する
ようにしたので、発熱シートを金属の外装板で保護する
ことができ、サーマルバリアを繰り返し使用することが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の他例を示す分解した断面
図である。
【図3】積層体の成形を示す分解した正面図である。
【図4】従来のアーマルバリアを示す断面図である。
【符号の説明】
1 導電シート 2 電気絶縁層 3 発熱シート 4 中間板 5 外装板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電シートの両面に電気絶縁層を設けて
    発熱シートを形成し、発熱シートを複数重に折り返し屈
    曲すると共に各折り返し屈曲した部分の発熱シートの間
    に中間板を挟み込んで発熱シートと中間板を交互に重
    ね、導電シートへの通電によって発熱シートを発熱可能
    に形成して成ることを特徴とする積層体成形用サーマル
    バリア。
  2. 【請求項2】 導電シートの両面に電気絶縁層を設けて
    発熱シートを形成すると共に発熱シートと中間板を交互
    に重ね、中間板を介して上下に隣合う発熱シートの導電
    シートを中間板の一方の端部において導通接続して各発
    熱シートの導電シートを直列に接続し、導電シートへの
    通電によって発熱シートを発熱可能に形成して成ること
    を特徴とする積層体成形用サーマルバリア。
  3. 【請求項3】 上記中間板をステンレス鋼板で形成して
    成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体成
    形用サーマルバリア。
  4. 【請求項4】 上記の電気絶縁層を熱硬化性樹脂の層で
    形成して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の積層体成形用サーマルバリア。
  5. 【請求項5】 上記の電気絶縁層を無機系基材含有熱硬
    化性樹脂の層で形成して成ることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の積層体成形用サーマルバリ
    ア。
  6. 【請求項6】 上記の発熱シートと中間板の積層物を一
    対の金属の外装板の間に挟持して成ることを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載の積層体成形用サーマ
    ルバリア。
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JP2008516769A (ja) * 2004-10-20 2008-05-22 ヴァルスパー・ソーシング・インコーポレーテッド 缶用コーティング組成物とびコーティング方法
CN108925052A (zh) * 2018-09-27 2018-11-30 盐城嘉腾机电有限公司 一种自发热绝缘镜板

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