JPH11128770A - 電気集塵機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネル内の工事により巻き上がる塵埃・粉
塵等の集塵用、又は、地下街、デパート等の粉塵の除去
用として、軽量・小型で大風量の送気が可能な電気集塵
機を提供する。 【解決手段】 被清浄空気（ガス）を流入口１１から取
り入れ、複数の放電電極１及び集塵電極２から構成され
ている集塵部によって前記被清浄空気を清浄にし、該清
浄にした空気を送風機１０から送出する電気集塵機にお
いて、前記送風機１０をインバータ制御方式で作動させ
ることにより、送風機及び該送風機の電力供給設備を小
型化・軽量化にすることができ、かつ大風量の送気を可
能とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、道路、トンネル、
産業焼却炉および発電所、セメント工場における浮遊微
粒子除去用、または放射性粉塵除去用あるいは室内空気
清浄用などに使用する集塵装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、浮遊微粒子除去用として、あるい
は放射性粉塵除去用として使用されている集塵装置に
は、フィルタ式集塵機と電気集塵機とがある。フィルタ
式集塵機の例としては、バグフィルタを使用した集塵機
が従来から使用されている。これは、収納体の内部の被
清浄空気（ガス）流路に、多数の濾布を固定して吊り下
げるという構成であり、濾布の内面及び外面により清浄
にされる空気（ガス）中の塵埃等を濾過するものであ
る。

【０００３】一方、電気集塵機は、塵埃・粉塵を付着さ
せるための集塵電極と、不平等電解を発生させるための
放電電極とを所定の間隔をおいて対向させて収納体の内
部に配置し、両電極に高電圧を印加して、放電電極と集
塵電極との間の空気中にコロナ放電を発生させ、放電電
極から放出された負の電子で清浄にされる空気（ガス）
中の塵埃・粉塵を帯電し、集塵電極に付着させるように
したものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バグフ
ィルタでは、濾布に付着した塵埃・粉塵等を除去するた
めに空気を逆流させて払い落とし洗浄する（以下、逆洗
という）。この場合、濾布の摩耗が激しいために破損し
やすくその耐久性に問題があった。そして、その破損し
た濾布を交換する場合には構造上から、一部のみを交換
することができず、濾布全体を交換しなければならなか
った。また、交換する濾布には集塵機内で払い落とせな
かった塵埃・粉塵等が多く付着しているため、その処理
も問題であった。更に、清浄される空気（ガス）中に水
分，油分があると目詰まりを起こし、性能を低下させ、
目詰まりを起こした濾布の保全も面倒であった。

【０００５】また、例えば、集塵機をトンネル内で使用
する場合には、密室状態に近いトンネル内に巻き起こる
塵埃・粉塵等をいち早く除去し作業環境を改善するため
に、大風量を送気することができる送風機を使用する必
要があった。そのために大出力、大風量の送風機と大口
径の送気ダクトを設備しなければならず、送風機の大出
力の電動機に対する電気設備、電力料等ランニングコス
トが高価となっている。したがって、従来の集塵装置は
大出力、大型のものとなっていて、運搬、据え付け等に
時間、労力および設備費を要し、作業効率が良くない欠
点もあった。

【０００６】本発明は上記問題に着目してなされたもの
で、軽量、小型で大風量を送気できる電気集塵機を提供
することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、請求項１の電気集塵機に係る発明は、鋸刃状の鋭利
なエッジを持つ多数の薄い金属板からなる放電極と、多
数の帯び鋼を短冊状に組み合わせた通気性形状集塵極を
備えた電気集塵機において、被清浄ガスを送り込む送風
機の電動機をインバータ制御することを特徴とするもの
である。そして、インバータ制御により電動機の回転数
を変化させ、送風機からの風量は制御される。

【０００８】また、上記問題を解決するために、請求項
２の電気集塵機に係る発明は、トンネル内の塵埃・粉塵
等の集塵において、前記電気集塵機を天井に吊り下げる
ことを特徴とするものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電気集塵機の
実施の一形態を添付図面に基づいて説明する。

【００１０】図１、図２及び図３に示すように、本発明
の電気集塵機Ｓは、放電支持ボックス内に集塵部を構成
する複数の放電電極１及び集塵電極２が、絶縁支持材４
を介して設けられており、前方部分（図３左方）から被
清浄空気（ガス）を取り入れる流入口１１と、集塵部に
より処理され清浄にされた空気を送出する送風機１０が
設けられている。この送風機１０はインバータ制御によ
り作動し集塵機本体に固定されている。また、集塵部に
電圧を供給する高圧ケーブル６と、集塵された塵埃・粉
塵のダストを集積と取出すためのダスト集積部８及びダ
スト取出口９が設けられている。そして、集塵機の作動
時に被清浄空気（ガス）は、流入口１１から放電電極１
と集塵電極２との集塵部に送られ、放電電極１と集塵電
極２との間に印加される高電圧によりコロナ放電を発生
させ、放電極から放出された負の電子で被清浄空気（ガ
ス）中の塵埃・粉塵等が帯電され、電極間の電界に基づ
くクーロン力により正極の集塵電極に付着し、被清浄空
気（ガス）中から塵埃・粉塵等が取り除かれるようにし
たものである。尚、ここに上げる実施の形態では、送風
機１０は集塵機から集塵された空気を外部に送出するも
のとして使用されているが、被清浄空気を取り入れる流
入口１１に設けて被清浄空気吸い込み用として使用する
こともできる。

【００１１】図４及び図５には、トンネルＴ内で使用さ
れる電気集塵機Ｓの一形態を示す。天井にはアンカーが
取り付けられ、そのアンカーの先には滑車３０が掛着さ
れている。そして、電気集塵機Ｓを引き上げるためのワ
イヤ３１が前記滑車３０を介してその一端を電気集塵機
Ｓに緊結して下方に伸びている。前記ワイヤ３１の他方
の一端はワイヤ巻き上げ機３２に巻着され、該巻き上げ
機３２の操作によりワイヤ３１の長さを変え電気集塵機
Ｓを上下方向に移動させる。

【００１２】次に、トンネルＴの奥方向への移動、すな
わちトンネルに沿った方向への移動は、前記ワイヤ巻き
上げ機３２からワイヤ３１を巻きほどき電気集塵機Ｓを
下方に降ろしてトラックの荷台に乗せ、そして、別のア
ンカー及び滑車のある位置までトラックで移動させる方
法をとっている。尚、この方向への移動方法としては他
に、トンネル内の天井に入口から奥方向へ、すなわちト
ンネルに沿ってレールを敷き該レールに集塵機を掛着さ
せ、掛着したままの状態でレールに沿って移動させる方
法も考えられている。この場合には、トンネル内に移動
制御部を設けて電気的に制御できるようにすることも可
能である

【００１３】工事中の坑内で作業により巻き上がる粉塵
・煤煙等は、電気集塵機Ｓの被清浄空気（ガス）流入口
１１から吸い込まれ、電気集塵機Ｓ内で清浄にされた
後、流出口である送風機１０からトンネルＴの入口方向
Ｂに送出される。尚、発破時にはワイヤーの操作により
開閉可能な防御板３３が閉じ集塵機を保護する役割を果
たす。

【００１４】図６には、トンネル内で使用される電気集
塵機Ｓの別の実施の形態として、電気集塵機がトラック
の荷台に固定されている、トラック搭載型の電気集塵機
を示す。トンネル内の被清浄空気（ガス）は、流入口１
１から電気集塵機Ｓ内に吸い込まれ、該電気集塵機内部
で起こるコロナ放電によって集塵電極に塵埃・粉塵等が
集塵される。このコロナ放電を起こすためには高圧電源
６２が供給され、そして清浄にされた空気は送風機１０
によって送出口６０から電気集塵機Ｓの外部に送気され
る。

【００１５】また、この一連の動作は、制御盤６１を操
作することにより行われ、電気集塵機Ｓの電源オン／オ
フや送風機の風量調整が可能である。

【００１６】

【発明の効果】請求項１に係る発明では、電気集塵機本
体に取り付けた、被清浄空気（ガス）を吸い込み清浄空
気（ガス）を送気する送風機をインバータ制御したこと
により、従来の商用運転方式と比較すると、送風機の回
転数を下げていった時のエネルギーの損失が少ないた
め、送風機の消費電力をその回転速度によって大きく減
らすことができる。従って、従来よりも電力を効率よく
使用できることから、電力を供給する電気設備を小型化
することができ経済的に有利となる。更に、小型化、軽
量化されたことにより運搬、据付け、撤去等を従来より
も容易に行うことができるようになるので、時間的効率
も改善できる。そして、これにより、例えば、天井吊り
下げ式、トラック搭載型等の使用形態でも容易に使用で
きるようになったことは勿論である。

【００１７】請求項２に係る発明では、電気集塵機を天
井から吊り下げることにより、作業上電気集塵機が邪魔
になることがなくなり作業効率を上げることができる。
また、天井に吊り下げられた電気集塵機の位置をトンネ
ル内の作業位置に合わせて天井に設けたアンカー及び滑
車の位置ごとに移動可能であるので、粉塵・煤煙等を効
率よく清浄できる位置に持っていくことができることか
ら、作業効率だけでなく作業環境も改善することができ
る。

【００１８】また、本発明の電気集塵機をトラック搭載
型として使用する場合においても、小型化、軽量化され
たことにより効果的な場所への配置が容易にでき、作業
の邪魔にならず作業効率を上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態の電気集塵機を示す図で
あり、このうち右半分は正面図、左半分は断面図であ
る。

【図２】図１に示す電気集塵機の上面図である。

【図３】図１に示す電気集塵機の側面図であるが、その
一部が断面図となっている。

【図４】本発明の実施の一形態のトンネル内天井吊り下
げ式電気集塵機を示す平面図である。

【図５】図４のＥ−Ｅ線における断面図である。電気集
塵機の細部は図３に示す。

【図６】（ａ）は、本発明の実施の一形態の電気集塵機
を示す側面図である。（ｂ）は、（ａ）に示す電気集塵
機の上面図である。（ｃ）は、（ａ）に示す電気集塵機
の背面図である。

【符号の説明】

Ｓ 電気集塵機 Ｔ トンネル １ 放電電極 ２ 集塵電極 １０ 送風機

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋸刃状の鋭利なエッジを持つ多数の薄い
   金属板からなる放電極と、多数の帯び鋼を短冊状に組み
   合わせた通気性形状集塵極により構成され、一つの放電
   極と二つの集塵極がそれぞれ前後に配置される電気集塵
   機において、被清浄ガスを送り込む送風機の電動機をイ
   ンバータ制御することを特徴とする電気集塵機。
2. 【請求項２】 トンネル内の塵埃・粉塵等の集塵におい
   て、前記電気集塵機を天井に吊り下げることを特徴とす
   る請求項１に記載の電気集塵機。