JPH06142548A

JPH06142548A - 湿式電気集塵装置

Info

Publication number: JPH06142548A
Application number: JP29950792A
Authority: JP
Inventors: Takahiro Nakajima; 隆弘中島; Kazuo Nashimoto; 一男梨本; Yoshikazu Tashiro; 義和田代
Original assignee: Matsushita Seiko Co Ltd
Current assignee: Panasonic Ecology Systems Co Ltd
Priority date: 1992-11-10
Filing date: 1992-11-10
Publication date: 1994-05-24

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は空気中の粉塵を効率的に除去し洗浄
などのメンテナンスを簡易化し、ランニングコストを低
減することを目的としたものである。【構成】本体１０１の外側に設けた吸込口１０２の内
部に円盤状の複数の集塵板１と前記集塵板１の間に、か
つ、平行に放電線が設けられ集塵板１の下部には集塵板
１の下部を浸せきさせ、洗浄・保水させる為の水槽２を
設置し、集塵板１に軸３とモータ４を接続し回転させ高
圧電源装置１０７により荷電するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、居住空間における浮遊
粉塵を効率的に除去する湿式集塵機に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、タバコ煙やほこりなどの室内の空
気中の浮遊粉塵を除去する方法としては、電気集塵機や
フィルタ集塵機といったものが使用されている。

【０００３】従来、この種の電気集塵機は図６に示すよ
うな構成が一般的であった。以下、その構成について図
６を参照しながら説明する。

【０００４】図６に示すように、本体１０１の内部に、
吸込口１０２から順にプレフィルタ１０３と放電線１０
４と平行電極板１０５とからなる荷電部１０６が設置さ
れている。荷電部１０６は、高圧電源装置１０７によっ
て放電線１０４に＋、平行電極板に−を接続し、電圧を
印加し、荷電部１０６にコロナ放電を生じさせている。
ファン１０８によって送風された粉塵を含む空気は荷電
部１０６を通過する際に、コロナ放電によって、粉塵は
＋に荷電させられる。高圧電源装置１０７によって電極
板に交互に＋と−に接続された集塵部１０９は、電極板
に電界が生じ、＋に荷電させられた粉塵は−側の電極板
に捕集させられる。清浄になった空気はファン１０８に
よって吹出口１１０より吹出される。

【０００５】上記構成において長時間運転すると集塵部
１０９には、粉塵が多量に付着するため、ある時間で集
塵部１０９を洗浄するか、あるいは、新しいものと交換
する必要がある。

【０００６】集塵部１０９に捕集された粉塵の付着防止
法として特開平４−２２４４９号に示すように水ぬれ性
をよくした電極板を有する電場内に、上方からフルコー
ンノズルによって水を供給し、その供給水量が集塵極板
の単位長さ当り０．００２ｍ ³／ｍｉｎ・ｍ以上の水を
供給することにより集塵極と放電極表面に均一な水膜を
形成し、電極板に付着した粉塵にを水を当て、洗い流す
ことで防止していることもある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の電気
集塵機では、集塵部に粉塵が補集されることより、電極
板に粉塵が堆積し電極間隔が狭くなり、火花放電を生じ
たり、極板間隔が狭いために洗浄するのに大変手間がか
かり、新しいものと交換するとかなりの費用がかかると
いう課題があった。

【０００８】また、付着した粉塵を洗い流す方法では、
集塵部を洗浄する際に水を噴霧するために水を汲み上げ
るポンプや給水設備を必要とし、大がかりな装置とな
る。そのうえ、ダスト付着防止のため運転中常に水を供
給し続けなければならなく、従って、大きな給水装置が
必要になるという課題があった。

【０００９】本発明は、上記課題を解決するもので、粉
塵の再飛散を防止し、浮遊粉塵の除去性能を高め、集塵
板を自動洗浄し、メンテナンスの簡易化を行うことがで
きる湿式電気集塵機を提供することを第１の目的とす
る。

【００１０】第２の目的は、火花放電を起こさずに浮遊
粉塵を荷電することにある。第３の目的は、集塵板の保
水力を向上させることにある。

【００１１】第４の目的は荷電粒子を増加させ集塵効率
を向上させることにある。第５の目的は集塵板の保水、
洗浄用の水槽に添加物を加えることにより均一な水膜の
形成と洗浄力を向上させることにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の第１の手段は、本体の外側に設けた吸込口
と、前記本体の内部に設けた円盤状の複数の集塵板と、
この集塵板の間に、かつ、平行に設置した放電線と、前
記集塵板の下部の一部を浸せきさせるための水をいれた
水槽と、前記複数の集塵板を接続し、固定させるための
軸と、前記集塵板を回転させるために前記軸に接続され
た駆動部と、前記集塵板に空気を送風し、吹出口から送
風するファンと、前記放電線と前記集塵板に直流電圧を
引加するための高圧電源装置とから構成したものであ
る。

【００１３】また、本発明の第２の手段は、放電線の代
わりに複数の集塵板の間に、かつ、交互に配置し、前記
軸とは接続されておらず絶縁されている複数の半円盤状
の放電極板とから構成したものである。

【００１４】また、本発明の第３の手段は、編み目状の
溝を加えた複数の集塵板から構成したものである。

【００１５】また、本発明の第４の手段は、吸込口の後
段に放電線と平行電極板とからなる荷電部とから構成し
たものである。

【００１６】また、本発明の第５の手段は、水槽内に水
酸化ナトリウムと低級アルコール水溶液を添加したもの
である。

【００１７】

【作用】本発明は上記した第１の手段の構成により、集
塵板を回転させ、集塵板の表面に水を付着させ、集塵板
表面の水に粉塵を捕集することにより、粉塵を連続的に
除去し、粉塵の飛散を防止し、集塵板の自動洗浄を行う
ことができるものである。

【００１８】また、第２の手段の構成により、放電極板
から放電することにより電荷が分散し、火花放電の発生
を抑制することができるものである。

【００１９】また第３の手段の構成により、集塵板への
保水能力が高まり、集塵板に対する洗浄力も向上するこ
とができるものである。

【００２０】また、第４の手段の構成により、荷電部を
設けることによって、粉塵に対する荷電力を向上させ、
集塵性能を高めることができるものである。

【００２１】そして、第５の手段の構成により、水槽内
に水酸化ナトリウムと低級アルコール溶液を添加するこ
とで、効果的に集塵極板を洗浄することができ、集塵板
の保水効果を高めることができるものである。

【００２２】

【実施例】以下、本発明の第１実施例について図１、図
２を参照しながら説明する。

【００２３】なお、従来例と同一部分は同一番号を付
し、説明は省略する。図１に示すように、本体１０１の
内部に、吸込口１０２の後段にプレフィルタ１０３が設
けられている。そして、円盤状の複数の集塵板１を設
け、各々集塵板の間に、かつ、平行に放電線を設置す
る。集塵板の下部に、集塵板１の下の一部が浸せきする
ように水がはいった水漕２を設けている。各々集塵板１
を接続し、かつ、固定するために、集塵板の中心の軸３
を設置し、軸３はモータ４と接続され、モータ４によっ
て、集塵板１を回転するものである。集塵板１の後段に
は、ファン１０８を配置させ、粉塵を含んだ空気は、吸
込口１０２から吸い込まれ、清浄空気として、吹出口１
１０から吹き出される。図２に電気配線図を示すが、高
圧電源装置を放電線に−、水槽の水、および集塵板に＋
（アース）を接続させ、−電圧の直流電圧を印加する。

【００２４】上記構成により、以下その動作について説
明する。粉塵を含んだ空気は、吸気口１０２からファン
１０８により吸い込まれ大きな粉塵はプレフィルタ１０
３により除去され、プレフィルタ１０３で除去できない
粉塵は、放電線１０４と集塵板１に付着した水の間でコ
ロナ放電が生じているために、−に荷電される。荷電さ
れた粉塵はクーロン力とイオン風により、集塵板１に付
着した水に吸収され除去される。これは、集塵板１に付
着した水が、集塵板１の表面にある程度均一に付着し、
水膜を形成し水膜自体が電極のような役目をすることに
より、電流が放電線１０４からアースである水膜になが
れ、これによって、イオン風が水に向かって生じてい
る。したがって、通常のクーロン力だけでなく、イオン
風の力も加わり、粉塵が水に向かって直接飛び込んでい
き、集塵性能を飛躍的に高めることができる。電極板が
金属などでできている場合にはイオン風は、空気を通さ
ないため電極板に平行にながれてしまうが、水膜自体が
電極板と同様のものであるため、イオン風は直接水に向
かって吹き、集塵性能を高めることができる。また、モ
ータ４によって、軸３を回転させることにより、集塵板
１が回転し、集塵板１の下部は水槽２の水に浸っている
ため、集塵板１には常に水が付着した状態となる。ま
た、集塵板１に付着した水に捕集された粉塵は、集塵板
１の回転によって、水槽２内の水で洗浄されることとな
り、水槽２内の水に溶け込む。集塵板１を常に回転させ
ることにより、上記粉塵の捕集と洗浄と、水の保水は連
続的におこなわれ、高い集塵性能を維持することができ
る。水槽２内の水は長時間運転することにより、粉塵で
汚れるが、水槽の水を新しいものと交換することによっ
て、簡単にメンテナンスをおこなうことができる。そし
て、粉塵を捕集された清浄な空気は、吹出口１１０より
ファン１０８によって室内に送風される。

【００２５】このように本発明の第１実施例の湿式集塵
機によれば、集塵板１に形成された水膜によって、高い
集塵性能を有し、集塵板１の水槽２内に浸せきしている
部分で集塵板１は自動洗浄される為、水槽２内の水を交
換するだけで、粉塵を連続的に除去することができ、ラ
ンニングコストを抑制することができる。

【００２６】次に第２実施例について図３を参照しなが
ら説明する。なお、第１実施例と同一部分は同一番号を
付し、説明を省略する。

【００２７】図３に示すように、複数の集塵板１の間に
半円盤状で端面を滑らかな曲線にした放電極板５を交互
に配置し、集塵板１および軸３とは接続されておらず、
絶縁されている。

【００２８】上記構成により、以下動作を説明する。放
電極板５は半円盤状となっているため、水槽２の水には
浸っておらず、また、集塵板１とも絶縁されている。放
電極板５に−、集塵板１に＋（アース）を接続し、高電
圧を印加することにより、かなり高い電圧を印加しても
火花放電を起こさずにコロナ放電を発生させることがで
きる。これは、放電線１０４の場合は、電荷が集中しや
すいため、ちょっとした水のしぶきでも、火花放電が生
じる可能性があるが、放電極板５の場合は面で放電さ
せ、電荷の集中する端面が無いため、電荷が分散し、火
花放電の発生を防止することができる。

【００２９】なお、放電極板５に突起物を設け、板状の
メリットを活かしながら、電荷を集中させ、集塵性能を
向上させることもある。

【００３０】次に第３実施例について図４を参照しなが
ら説明する。なお、第２実施例と同一部分は同一番号を
付し、説明を省略する。

【００３１】図４に示すように、集塵板１に編目状に溝
６を加えるか、または、集塵板１上に集塵板１に垂直に
突起を加える。

【００３２】上記構成により集塵板１の水膜水の保持力
を高め、集塵効率、洗浄効率を高めることができる。

【００３３】次に第４実施例について図５を参照しなが
ら説明する。なお、第１及び第２実施例と同一部分は同
一番号を付し、説明を省略する。

【００３４】第１及び第２実施例の湿式電気集塵装置の
吸込口１０２の後段に放電線と平行電極板とからなる荷
電部を加える。

【００３５】上記構成により、荷電部を設けることによ
って、粉塵に対する荷電力を向上させ、集塵性能を高め
ることができる。

【００３６】次に第５実施例について説明する。実施例
１、２、３及び実施例４の電気集塵装置の水膜、洗浄用
水に低級アルコールと水酸化ナトリウムを添加する。な
お低級アルコールの代わりに他の界面活性剤でも同様の
効果を得ることができる。

【００３７】上記構成によりアルコールの持つ界面活性
力で集塵板１上に均一な水膜が形成され集塵部面積が拡
大し、且つ水酸化ナトリウムにより集塵板１の洗浄能力
が高まるため、より効果的に浮遊粉塵を除去することが
できる。

【００３８】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば種々の浮遊粉塵で汚染された大気から浮遊粉
塵を除去し清浄な空気を供給することができるだけでな
く、水膜水に直接集塵するため極めて高い集塵性能を示
し、しかも集塵板は連続的に水槽内の水で自動洗浄され
ているために、従来の様な集塵部の洗浄が不要となり通
常のメンテナンスは水槽内の水の交換だけと簡単であ
り、火花放電の発生を防ぐことができ、さらに集塵板の
保水力が向上するため集塵効率が高まり、粉塵荷電力の
向上によって消費電力の低減による省エネルギー効果も
あり、集塵板上に均一な水膜を形成し、洗浄効率も向上
するため、ランニングコストを大幅に低減することがで
き、しかも高除去率で浮遊粉塵を除去することができる
という実用上大きな効果が得られる湿式電気集塵装置を
提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の湿式集塵装置の斜視図

【図２】同第１実施例の湿式集塵装置の電気配線図

【図３】同第２実施例の湿式集塵装置の斜視図

【図４】同第３実施例の集塵板の正面図

【図５】同第４実施例の湿式電気集塵装置の平面図

【図６】従来の集塵装置の模式図

【符号の説明】

１集塵板２水槽３軸４モータ５放電極板６溝１０１本体１０２吸込口１０４放電線１０５平行電極板１０６荷電部１０７高圧電源装置１０８ファン１１０吹出口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｆ２４Ｆ 7/00 ＺＡＢＢ 6925−3Ｌ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】本体の外側に設けた吸込口と、前記本体の
内部に設けた円盤状の複数の集塵板と、この集塵板の間
に、かつ、平行に設置した放電線と、前記集塵板の下部
の一部を浸せきさせるための水をいれた水槽と、前記複
数の集塵板を接続し、固定させるための軸と、前記集塵
板を回転させるために前記軸に接続された駆動部と、前
記集塵板に空気を送風し、吹出口から送風するファン
と、前記放電線と前記集塵板に直流電圧を印加するため
の高圧電源装置とからなる湿式電気集塵装置。
【請求項２】複数の集塵板の間に、かつ、交互に配置
し、軸とは接続されておらず絶縁されている複数の半円
盤状の放電極板とからなる請求項１記載の湿式電気集塵
装置。
【請求項３】編み目状の溝を加えた複数の集塵板からな
る請求項１又は請求項２記載の湿式電気集塵装置。
【請求項４】吸込口の後段に放電線と平行電極板とから
なる荷電部を設けた請求項１、請求項２又は請求項３記
載の湿式電気集塵装置。
【請求項５】水槽内に水酸化ナトリウムと低級アルコー
ル水溶液をいれた請求項１、請求項２、請求項３又は請
求項４記載の湿式電気集塵装置。