JPH0910628A - 空気清浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部電源を必要とせずに運転可能な空気清浄
装置を提供する。 【構成】 エアコン本体２に着脱自在に設けた静電分極
式空気清浄装置の装置本体１に、上記エアコン本体２よ
り吸排出される空気流により発電する風力発電手段１０
を設けると共に、上記風力発電手段１０により発電され
た電力を装置本体１へ供給して集塵を行うようにしたこ
とから、外部電源を必要とせずに装置本体１を運転でき
る。またエアコン本体２の動作に連動して装置本体１が
動作するため、既設のエアコン本体２に装置本体１を後
付けした場合でも、両者を連動するための電気工事など
も必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は冷暖房を行うエアコン
デショナ（以下単にエアコンという）の空気流路に設置
して、空気中の塵埃などを除去する空気清浄装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来室内を冷暖房するエアコンには、室
内の空気をエアコン本体内に取入れる空気取入れ口が開
口されていて、この空気取入れ口より取込んだ空気を冷
却、除湿、加湿または加熱して空気排出口より再び室内
へ排出するように構成されている。

【０００３】またエアコン本体内に取込まれる空気中の
塵埃などを除去するため、従来では空気取入れ口にサラ
ンネットなどの集塵フィルタを設けているが、これは元
来主として装置を保護する目的で設けたものであり、こ
のサランネットよりなる集塵フィルタでは微小な塵埃が
除去できないと共に、早期に目詰まりを起こすためしば
しば清掃する必要があり、手間がかかるなどの不具合も
ある。

【０００４】最近は高効率の電気集塵装置を取付けるこ
とにより室内の空気浄化を行うものが用いられている。
例えばエアコン本体内に図１に示すようなコットレル方
式の電気集塵機ａを設けたり、図２や図３に示すような
天井埋込み型のエアコンの場合は、エアコン本体ｂの空
気取入れ口ｃの直後に、図１に示すようなコットレル方
式の電気集塵機ａを設けたエアコンが実用化されてい
る。

【０００５】図１に示す電気集塵機ａは、開口部に複数
本のイオン化線ｄが、そしてその後方に複数枚の集塵板
ｅがほぼ等間隔に配設されていて、これらイオン化線ｄ
及び集塵板ｅの間には、電源コードｆ及びコネクタｇを
介して商用電源ｈに接続された直流高圧電源ｉより高電
圧が印加されている。そしてエアコン本体ｂ内に吸入さ
れる空気がイオン化線ｄの間を通過する際、空気中の塵
埃などが帯電されると共に、帯電された塵埃などは逆極
性の集塵板ｅに吸着されて集塵されるようになってい
る。

【０００６】一方図２及び図３に示す天井埋込み型のエ
アコンでは、空気取入れ口ｃより取込まれた空気が電気
集塵機ａ内を通過する際、図１に示す電気集塵機ａと同
様な作用で空気中の塵埃などが集塵され、集塵によって
浄化された空気はエアコン本体ｂ内で冷却、除湿、加湿
または加熱された後、空気取入れ口ｃの周囲に開口され
た空気排出口ｊより室内へ排出されるようになってい
る。

【０００７】また天井埋込み型エアコン内に設けられた
空気集塵機ａは、図２に示すように電源コードｆ及びコ
ネクタｇを介して商用電源ｈに接続され、もしくは図３
に示すようにエアコン本体ｂ内に設けられた電気回路ｋ
の予備端子などに電源コードｆ及びコネクタｇを介して
接続されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の電気
集塵機ａでは、何れも外部電源を必要とするため、図１
や図２に示すように外部電源を商用電源ｈより得ようと
した場合、電気工事が必要となって経費がかかると共
に、装置が大きく取付けやメンテナンスが煩雑となり後
付けが困難である。そして図３に示すようにエアコン本
体ｂ内の電気回路ｋより電力を得る場合でも、各エアコ
ンメーカ毎に電気回路ｍが異なるため、接続するのに専
門的な電気知識を必要として、簡単に取付けることが困
難であるなどの不具合がある。

【０００９】また既存のエアコンに電気集塵機ａを後付
けする場合、エアコン本体ｂと電気集塵機ａを連動させ
て運転するためには、別途電気工事が必要となるため、
既存のエアコンに電気集塵機ａを簡単に後付けできない
などの不具合もあった。そして近年誘電分極式空気清浄
装置が用いられるようになり、この種のものは上記電気
集塵機に比べて薄型で、省エネで、かつフィルタ交換等
のメンテナンスも楽であり、しかも後付けも可能である
というようなメリットがあるが、電気工事が必要となる
という不具合があった。この発明はかかる従来の不具合
を改善するためになされたもので、外部電源を必要とせ
ずに運転が可能な空気清浄装置を提供して、既存のエア
コンにも容易に装着できるようにすることを目的とする
ものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために、エアコン本体の空気流路に着脱自在に設
けた静電分極式空気清浄装置本体（以下単に装置本体と
いう）に、上記エアコン本体より吸排出される空気流に
より発電する風力発電手段を設けると共に、上記風力発
電手段により発電された電力を装置本体へ供給して集塵
を行うようにしたものである。

【００１１】

【作用】上記構成によりエアコン本体に取込まれる空気
中の塵埃などを装置本体により効率よく集塵することが
できる。またエアコン本体に吸排気される空気により風
力発電手段が駆動されて発電し、得られた電力により装
置本体が動作するため、外部電源を必要とせずに装置本
体の運転が可能になる。

【００１２】特に装置本体を誘電分極式空気清浄装置と
することにより、少ない電力で効率のよい集塵が可能と
なる。しかも既設のエアコンに後付けした場合、エアコ
ン本体の動作と連動して装置本体が自動的に動作するた
め、エアコン本体と装置本体を連動させるための電気工
事を必要としない。

【００１３】

【実施例】この発明の一実施例を図４及び図５に示す図
面を参照して詳述する。図４は空気清浄装置の断面図、
図５は天井埋込み型のエアコンに空気清浄装置を装着し
た状態の断面図である。

【００１４】これら図において１は装置本体で、エアコ
ン本体２の空気取入れ口３の前面に装着できる大きさに
形成されている。上記装置本体１は枠体１ａを有してい
て、この枠体１ａの前面及び後面開口に、枠体１ａに接
地された導電性の金網よりなるアースネット４が張設さ
れている。上記枠体１ａ内にはほぼ中央部に高圧端子５
に接続された導電性濾材よりなる導電性フィルタ６が、
そしてその前後に絶縁性濾材よりなる絶縁性フィルタ７
が交換自在に収容されている。

【００１５】また上記高圧端子５は、枠体１ａの外側面
に設けられた直流高圧電源８に接続されている。上記直
流高圧電源８からはブラケット９が斜め上方に突設され
ていて、このブラケット９の先端に風力発電手段１０が
設けられている。上記風力発電手段１０は後述するエア
コン本体２の排出口１５より排出される空気により回転
される風車１０ａと、この風車１０ａにより駆動される
直流発電機１０ｂよりなる。

【００１６】上記風力発電手段１０はエアコン本体２よ
り排出される空気流を利用して装置本体１に必要な電力
を得るもので、エアコン本体２より排出される空気の流
速は通常３〜８ｍ／ｓｅｃ程度であり、いま風車１０ａ
の径をφ１５０mmとすると、直流発電機１０ｂで得られ
る電力は、０．１〜１．８Ｗである。この電力で効率の
よい集塵を行うためには、消費電力が０．０７Ｗ程度で
も高圧出力を得られる高圧トランスを有する低圧力損
失、高集塵率の誘電分極式の空気清浄装置が適当であ
る。そして上記風力発電手段１０により発電された電力
は、電源コード１１により直流高圧電源８へ送られて、
直流高圧電源８により高圧が発生され、高圧端子５を介
して導電性フィルタ６に印加されるようになっている。

【００１７】一方図５に示すエアコン本体２は、天井１
３に開口された取付け孔１３ａ内に取付けられていて、
下面に開口された取付け孔３に格子状のグリル３ａが設
けられている。上記グリル３ａの前面には、ボルトなど
の取付け手段１４により装置本体１の枠体１ａが着脱自
在に取付けられるようになっており、グリル３ａに装置
本体１を取付けた場合、図５に示すように、空気取入れ
口３の周囲に開口された空気排出口１５の近傍に風力発
電手段１０が位置するようになっていて、空気排出口１
５より排出される空気により風車１０ａが回転されるよ
うになっている。

【００１８】次に上記構成された空気清浄装置の作用を
説明する。天井埋込み型エアコンに空気清浄装置を取付
けて使用するに当り、まずエアコン本体２の空気取入れ
口３に設けられたグリル３ａの前面に取付け手段１４を
用いて装置本体１を図５に示すように取付ける。次にこ
の状態でエアコンの運転を開始すると、エアコン本体２
により冷却、除湿、加湿または加熱された空気が空気排
出口１５より室内へ排出される際、風力発電手段１０の
風車１０ａが回転されて直流発電機１０ｂが発電を開始
する。そして直流発電機１０ｂで発電された電力は電源
コード１１を介して直流高圧電源８へ供給されて、直流
高圧電源８により直流高圧電圧が発生される。そしてこ
の直流高圧電圧は高圧端子５より導電性フィルタ６とア
ースネット４の間に印加される。

【００１９】一方エアコン本体２の運転により空気取入
れ口３よりエアコン本体２内へ室内の空気が取入れられ
るが、このとき空気が装置本体１内を通過する。そして
アースネット４を通過する際に分極化された空気中の塵
埃が導電性フィルタ６とアースネット４により分極化さ
れた絶縁性フィルタ７に静電気の吸引力等で吸引され、
絶縁性フィルタ７及び導電性フィルタ６により集塵され
ると共に、この集塵により浄化された空気が空気取入れ
口３よりエアコン本体２内へ取込まれるようになる。エ
アコン本体２内に取込まれた空気はエアコン本体２によ
り冷却、除湿、加湿または加熱された後、空気取入れ口
３の周囲に開口された空気排出口１５より室内へ排出さ
れる。

【００２０】またエアコン本体２の運転中は空気排出口
１５より排出される空気により風力発電手段１０の風車
１０ａが絶えず回転されて発電するため、空気の浄化が
可能となると共に、エアコン本体２の運転を停止して空
気が排出されなくなると、風車１０ａが停止されて発電
も停止されるため、装置本体１の運転も自動的に停止さ
れるようになり、装置本体１とエアコン本体２の連動運
転が可能になる。

【００２１】なお上記実施例では、エアコン本体２の空
気取入れ口３の外側に装置本体１を取付けたが、エアコ
ン本体２内に設けてもよいと共に、天井埋込み型エアコ
ンに限らず、壁取付け型のエアコンなどに取付けるよう
にしてもよい。またエアコン本体２より排出される空気
の流れを利用して風力発電手段１０の風車１０ａを回転
させるようにしたが、エアコン本体２内へ吸込まれる空
気の流れを利用して風車１０ａを回転させるようにして
もよいと共に、風力発電手段１０を複数個設けて発電量
を増加させるようにしてもよい。

【００２２】

【発明の効果】この発明は以上詳述したように、エアコ
ンより吸排気される空気の流れを利用して発電し、得ら
れた電力を静電分極式空気清浄装置の装置本体に供給し
て空気中の塵埃などを集塵するようにしたことから、外
部電源を必要とせずに装置本体を運転することができ
る。これによって既設のエアコンに空気清浄装置を後付
けする場合でも、電気工事や専門の電気知識を必要とせ
ずに取付けることができるため、取付けが容易で、かつ
経済的である。

【００２３】特に誘電分極式の空気清浄装置を使用して
あるため、少ない電力で高効率の集塵が可能となると共
に、エアコン本体の運転に連動して自動的に装置本体が
動作するため、エアコン本体と装置本体を連動させるた
めの電気工事を行う必要もない。しかも空気清浄装置は
電力を消費しないので、節電効果も得られるようにな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のコットレル方式の電気集塵機を示す斜視
図である。

【図２】従来の電気集塵機をエアコン内に設けた状態の
断面図である。

【図３】従来の電気集塵機をエアコン内に設けた状態の
断面図である。

【図４】この発明の一実施例になる空気清浄装置の断面
図である。

【図５】この発明の一実施例になる空気清浄装置をエア
コン本体に取付けた状態の断面図である。

【符号の説明】

１ 装置本体（静電分極式の空気清浄装置） ２ エアコン本体 ３ 空気取入れ口 １０ 風力発電手段 １０ａ 風車

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エアコン本体２の空気流路に着脱自在に
   設けた静電分極式空気清浄装置の装置本体１に、上記エ
   アコン本体２より吸排出される空気流により発電する風
   力発電手段１０を設けると共に、上記風力発電手段１０
   により発電された電力を装置本体１へ供給して集塵を行
   うことを特徴とする空気清浄装置。