JPH11127840A - 日本酒の醸造方法 - Google Patents

日本酒の醸造方法

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JPH11127840A
JPH11127840A JP21605798A JP21605798A JPH11127840A JP H11127840 A JPH11127840 A JP H11127840A JP 21605798 A JP21605798 A JP 21605798A JP 21605798 A JP21605798 A JP 21605798A JP H11127840 A JPH11127840 A JP H11127840A
Authority
JP
Japan
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water
sake
brewing
quality
alkaline water
Prior art date
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Pending
Application number
JP21605798A
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English (en)
Inventor
Shuji Horie
修二 堀江
Yasuo Hara
安夫 原
Kenji Kobayashi
健治 小林
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Hoshizaki Electric Co Ltd
Original Assignee
Hoshizaki Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽快な酒質の日本酒を、これに適した水を産出
地から取寄せることなく醸造することができるととも
に、もろみ日数の短縮を図る。 【解決手段】蒸し米を原料として醸造する日本酒の醸造
方法であり、醸造用仕込み水として、水を有隔膜電解し
て生成されるアルカリ性水を採用するものであり、アル
カリ性水の機能により、軽快な酒質の日本酒を生成し、
かつもろみ日数の短縮を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸し米を原料とす
る日本酒の醸造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】日本酒を醸造する一方法として、精米を
洗米、浸漬、蒸し工程を経て生成される蒸し米を原料と
して醸造する日本酒の醸造方法がある。かかる醸造方法
により日本酒を醸造する場合には、蒸し米に麹、水、酵
母菌を加えて酒母を生成する工程(酒母生成工程)、酒
母に麹、蒸し米、水を加えてもろみを仕込む工程(もろ
みの仕込み工程)等、もろみの熟成工程以前の各工程で
は、大量の水を仕込み水として使用する。
【0003】ところで、一般に、日本酒の酒質は水質、
麹の酵素力価、蒸し米の硬軟、発酵温度等種々の要素が
絡み合って形成されるが、最終的には、杜氏の勘に頼っ
ているのが実状である。
【0004】日本酒を醸造する際の仕込み水に使用する
水質に関しては、その硬度が酒質に大きく影響すること
が知られている。例えば、仕込み水として硬度が高い硬
水を使用する場合には、酵素が活性化されて澱粉の液
化、および糖化が促進され、歩留まりが向上するととも
に、蛋白質の加水分解が促進されてアミノ酸が生成され
て、濃くのある酒質となる。また、仕込み水として硬度
が低い軟水を使用する場合には、澱粉および蛋白質の分
解が抑制されて、軽快な酒質となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、日本酒の
酒質には、醸造する際に使用する仕込み水の水質が大き
く影響することから、好みに応じた酒質の日本酒を醸造
するには、その酒質に適した水質の水を使用することが
必要であるが、このような好適な水質の水の産出地でな
い場合には産出地から取寄せる必要があり、産出地から
醸造地までの輸送にコストがかかり、結果として、日本
酒のコストを増大させることになる。
【0006】従って、本発明の目的は、かかる問題に対
処するもので、軽快な酒質の日本酒を醸造する際に、か
かる酒質の日本酒を醸造し得る仕込み水に適した水の産
出地でないにも関わらず産出地から取寄せることなく入
手し得て、同質の酒質の日本酒を醸造可能にすることに
あり、さらには、かかる日本酒を醸造する際のもろみ日
数(発酵日数)の短縮を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、蒸し米を原料
として醸造する日本酒の醸造方法であり、醸造用仕込み
水として、水を有隔膜電解して生成されるアルカリ性水
を採用することを特徴とするものである。
【0008】本発明に係る日本酒の醸造方法において
は、もろみの仕込み工程の仕込み水に、水を有隔膜電解
して生成されるアルカリ性水を採用すること、もろみの
仕込み工程を初添え、中添え、留添えの3段の仕込み工
程に分けて、これらの全ての仕込み工程の仕込み水に、
水を有隔膜電解して生成されるアルカリ性水を採用する
ことが好ましい。
【0009】
【発明の作用・効果】本発明に係る日本酒の醸造方法に
よれば、仕込み水であるアルカリ性水の機能により、蒸
し米の酵素反応による液化が抑制されて蛋白質の分解が
抑制されるため、アミノ酸の含有量が少ない軽快な酒質
の日本酒を醸造することができる。酵素反応による液化
が抑制されて蛋白質の分解が抑制される現象は、仕込み
水であるアルカリ性水が低い酸化還元電位によりプロテ
アーゼ活性を低下させるためと考えられる。
【0010】このように、本発明に係る日本酒の醸造方
法によれば、アミノ酸の含有量が少ない軽快な酒質の日
本酒を醸造することができるが、当該醸造方法にて採用
するアルカリ性水は、水を有隔膜電解して生成されるも
のであることから、水の有隔膜電解装置を醸造地に設置
すれば、かかる酒質の日本酒を醸造する際には、かかる
酒質に適した水を産出地から取寄せる必要がない。従っ
て、この点から、日本酒の醸造コストを低減することが
できる。
【0011】また、水の有隔膜電解装置は、すでに多く
の形式のものが市販されていて、容易にかつ安価に入手
することができ、装置の設置による日本酒の醸造コスト
への影響はさほど大きくはない。
【0012】さらにまた、本発明に係る日本酒の醸造方
法によれば、意外にも、もろみ日数(発酵日数)を著し
く短縮することができることが判明し、この点からも、
日本酒の醸造コストを低減することができる。
【0013】なお、本発明に係る日本酒の醸造方法を実
施する場合には、もろみの仕込み工程を初添え、中添
え、留添えの3段の仕込み工程に分けて、これらの全て
の工程の仕込み水にアルカリ性水を採用することが好ま
しく、これにより、少ない酒母を使用して大量のもろみ
を安定した状態で発酵して熟成させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(日本酒の醸造実験)本醸造実験は、図1に示す日本酒
の製造方法に基づいて行った。当該製造方法は、(1)
玄米を精米して白米を生成する工程、(2)白米を洗
米、浸漬、蒸して蒸し米を生成する工程、(3)蒸し米
に酒母、麹、水を加えてもろみを仕込む初添え、仲添
え、留添えの3段仕込み工程、(4)もろみを熟成して
熟成もろみを生成する工程、(5)熟成もろみを圧搾し
て清酒を生成する工程、(6)清酒をおり引き、濾過、
火入れ、貯蔵、規格調整等の処理をして製品化する工程
にて構成されている。
【0015】本醸造実験では、もろみの初添え、仲添
え、留添えの3段仕込み工程の全ての仕込み水にアルカ
リ性水を使用する第1実験、留添えの仕込み工程に仕込
み水にアルカリ性水を、残りの工程の仕込み水には地下
水を使用する第2実験、全ての工程の仕込み水に地下水
を使用する第3実験の3種類の実験を行った。
【0016】本醸造実験で使用したアルカリ性水は、水
道水を有隔膜電解して生成してなるアルカリ性水(pH
9.5)であり、このアルカリ性水と、このアルカリ性
水の生成に使用した原水である水道水のpH、および酸
化還元電位の測定結果を表1に示すとともに、蒸留水
と、この蒸留水と水酸化ナトリウムで調製したモデル水
のpH、および酸化還元電位の測定結果を表2に示す。
また、これらの水を用いた麹の酵素活性の測定結果を表
3および表4に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】これらの測定結果を参照すると、アルカリ
性水は、酵素反応においては、その低い酸化還元電位に
よって、酸性プロテアーゼ活性を低下させているものと
推測される。
【0022】(実験結果)本醸造実験では、もろみの仕
込み開始からもろみの熟成終了までのもろみ日数、およ
び、もろみの熟成終了時点での未発酵固形分を測定し
た。なお、もろみ日数は、清酒の酒度が−5になるまで
に要した日数とした。また、未発酵固形分の測定は下記
の方法に基づいて行った。
【0023】すなわち、もろみの発酵に使用されなかっ
た白米の量と清酒中に溶解している未発酵の糖類を測定
して算出し、これらの合計を未発酵固形分として表し
た。但し、個々の測定は、国税庁所定分析法注解に準じ
た。得られた測定結果を表5に示す。
【0024】
【表5】
【0025】表5を参照すると、もろみ日数は、仕込み
水にアルカリ性水を使用した場合には短縮されているこ
とが認められ、アルカリ性水を全ての仕込み工程の仕込
み水に使用した場合には、もろみ日数は著しく短縮され
ることが認められる。
【0026】また、アルカリ性水を全ての工程の仕込み
水に使用した場合には、熟成もろみ中の未発酵成分が増
大していることが認められる。この現象は、アルカリ性
水がもろみの溶解を抑制していることによるものと推測
され、これにより、酒質が軽快で香りの高い日本酒とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】日本酒の製造工程を示す工程図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸し米を原料として醸造する日本酒の醸造
    方法であり、醸造用仕込み水として、水を有隔膜電解し
    て生成されるアルカリ性水を採用することを特徴とする
    日本酒の醸造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の日本酒の醸造方法におい
    て、もろみの仕込み工程の仕込み水に、水を有隔膜電解
    して生成されるアルカリ性水を採用することを特徴とす
    る日本酒の醸造方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の日本酒の醸造方法におい
    て、もろみの仕込み工程を初添え、中添え、留添えの3
    段の仕込み工程に分けて、これらの全ての仕込み工程の
    仕込み水に、水を有隔膜電解して生成されるアルカリ性
    水を採用することを特徴とする日本酒の醸造方法。
JP21605798A 1997-08-26 1998-07-30 日本酒の醸造方法 Pending JPH11127840A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21605798A JPH11127840A (ja) 1997-08-26 1998-07-30 日本酒の醸造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22997597 1997-08-26
JP9-229975 1997-08-26
JP21605798A JPH11127840A (ja) 1997-08-26 1998-07-30 日本酒の醸造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11127840A true JPH11127840A (ja) 1999-05-18

Family

ID=26521208

Family Applications (1)

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JP21605798A Pending JPH11127840A (ja) 1997-08-26 1998-07-30 日本酒の醸造方法

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JP (1) JPH11127840A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002345450A (ja) * 2001-05-30 2002-12-03 Denen Kurimoto Shuzo Kk 焼酎及びその製造法

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040113