JPH11125901A - 感光性樹脂フイルム、該フイルムを用いる蛍光体パターンの形成方法、該フイルムを用いるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法、該製造方法により得られたプラズマディスプレイパネル用背面板及びプラズマディスプレイパネル - Google Patents

感光性樹脂フイルム、該フイルムを用いる蛍光体パターンの形成方法、該フイルムを用いるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法、該製造方法により得られたプラズマディスプレイパネル用背面板及びプラズマディスプレイパネル

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JPH11125901A
JPH11125901A JP10208395A JP20839598A JPH11125901A JP H11125901 A JPH11125901 A JP H11125901A JP 10208395 A JP10208395 A JP 10208395A JP 20839598 A JP20839598 A JP 20839598A JP H11125901 A JPH11125901 A JP H11125901A
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photosensitive resin
resin layer
display panel
phosphor
plasma display
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Inventor
Masaaki Asano
雅朗 浅野
Takuma Hattori
琢磨 服部
Masami Yanagisawa
正巳 柳澤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Tomoegawa Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Tomoegawa Paper Co Ltd
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像工程等が省略されて工程が簡略であり、
且つセル表面に密着した均一な蛍光体層を形成すること
ができる感光性樹脂フイルム、及び該フイルムを用いる
PDP背面板を提供すること。 【解決手段】 基材フイルムと、該フイルムの一面に形
成された粘着性感光性樹脂層とからなり、該感光性樹脂
層が蛍光体を含有するとともに、露光領域の粘着性が低
下する感光性樹脂層からなることを特徴とする感光性樹
脂フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、蛍光体パターンを
形成するための感光性樹脂フイルム、蛍光体パターン、
特にプラズマディスプレイパネル(PDP)等の蛍光表
示体の製造に有用な感光性樹脂フイルム、及びPDPの
背面板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にPDPは、2枚の対向するガラス
基板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、そ
の間にNe等を主体とするガスを封入した構造になって
いる。そして、これらの電極間に電圧を印加し、電極周
辺の微小なセル内で放電を発生させることにより、各セ
ルを発光させて表示を行なうようにしている。情報表示
するためには、規則的に並んだセルを選択的に放電発光
させる。このPDPには、電極が放電空間に露出してい
る直流型(DC型)と絶縁層で覆われている交流型(A
C型)の2タイプがあり、双方とも表示機能や駆動方法
の違いによって、更にリフレッシュ駆動方式とメモリー
駆動方式に分類される。
【0003】図7は、AC型PDPの一構成例を示した
ものである。この図は前面板71と背面板72を離した
状態で示したもので、図示のようにガラスからなる前面
板71と背面板72とが互いに平行に且つ対向して配設
されており、背面板72の前面側には、これに立設する
バリヤーリブ73が固着され、このバリヤーリブ73に
より前面板71と背面板72とが一定間隔で保持されて
いる。そして、前面板71の背面側には透明電極である
維持電極74と金属電極であるバス電極75とからなる
複合電極が互いに平行に形成され、これを覆って誘電体
層76が形成されており、更にその上に保護層77(M
gO層)が形成されている。
【0004】又、背面板72の前面側には前記複合電極
と直交するようにバリヤーリブ73の間に位置してアド
レス電極78が互いに平行に形成されており、更にバリ
ヤーリブ73の壁面とセル底面を覆うようにして蛍光体
層79が設けられている。このAC型PDPでは、前面
板71上の複合電極間に交流電源から所定の電圧を印加
して電場を形成することにより、前面板71と背面板7
2とバリヤーリブ73とで区画される表示要素として各
セル内で放電が行なわれる。そしてこの放電により生じ
る紫外線により蛍光体層79を発光させ、前面板71を
透過してくる光を観察者が視認するようになっている。
この蛍光体層の形成方法としては、蛍光体を含有せしめ
た感光性樹脂層からなる感光性樹脂フイルムを使用する
方法が提案されている(例えば、特開平6−27392
5号公報、特開平8−95239号公報、特開平8−9
5250号公報等参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記提案された方法
は、PDPの背面板に形成されたセル中に感光性樹脂層
を圧入し、露光及び現像後に焼成して圧入された感光性
樹脂層中の有機物を焼失させ、セル表面に蛍光体の層を
形成する方法であるが、焼成後のセル中には十分な放電
空間を確保する必要があるために、感光性樹脂層中の有
機物の含有量を大にする、即ち蛍光体の含有量を少なく
することが必須である。このような事情からして、焼成
には多くの熱エネルギーを要するだけではなく、焼成時
には分解ガスが多量に発生するので焼成炉の管理が煩雑
であるという問題がある。
【0006】更に重大な問題として、セル内に圧入され
た感光性樹脂層には有機物が多量に含まれているため
に、焼成時間の経過とともに、感光性樹脂層が収縮し、
最終的に形成されるべき蛍光体層がセル表面から浮き上
がり、蛍光体層がセル表面に密着しないという問題があ
る。又、上記方法では、バリヤーリブ間に形成されたセ
ル中のパターン状の蛍光体層を形成するために、露光及
び現像工程、即ち、ウエット処理が必須であり、プロセ
スが煩雑であるとともに、感光性樹脂として常に現像可
能な樹脂、特にアルカリ現像可能な感光性樹脂を使用せ
ねばならないという制約があり、そのために焼失性に優
れた感光性樹脂の選択が困難であった。
【0007】更に現像時において、形成させる蛍光体含
有層のリブ壁面に対する密着力が弱い場合には、蛍光体
含有層がリブ壁面から剥離し易い。該剥離を防止するた
めに、現像条件の最適化を図ること必要であった。従っ
て、本発明の目的は上記従来技術の問題点を解決し、現
像工程等が省略されて工程が簡略であり、且つセル表面
に密着した均一な蛍光体層を形成することができる感光
性樹脂フイルム、及び該フイルムを用いるPDP背面板
の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、基材フイルム
と、該フイルムの一面に形成された粘着性感光性樹脂層
とからなり、該感光性樹脂層が蛍光体を含有するととも
に、露光領域の粘着性が低下する感光性樹脂からなるこ
とを特徴とする感光性樹脂フイルム、該フイルムを用い
る蛍光体パターンの形成方法、該フイルムを用いるPD
P用背面板の製造方法、該製造方法により得られたPD
P用背面板及びPDPである。
【0009】本発明の感光性樹脂フイルムは、図1〜2
に示す如き構成を有している。図2は、図1における層
12を薄く形成した例を示す。図1のフイルムの特性を
図3a〜cを参照して説明する。基材フイルム11上に
形成された蛍光体含有感光性樹脂層12は、図3bに示
すようにセル内に圧入された後、フォトマスク4を介し
て紫外線等に露光すると、基材フイルム11と感光性樹
脂層12との界面の露光領域において基材フイルムに対
する層12の粘着性αが、他の非露光領域における界面
の粘着性γに比較して著しく低下する。層12中には比
較的多量の蛍光体が含有されているために、セル3の内
表面と層12との界面の粘着性βの低下は少ない。即ち
粘着性α<粘着性β<粘着性γの関係となる。従って図
3cに示す如く基材フイルムを剥離すると、非露光領域
の蛍光体含有層はセル内から除去され、露光領域のみの
蛍光体含有層がセル内に充填される。従ってパターン形
成において従来技術の如き煩雑な現像工程は不要であ
る。尚、図2に示す例の感光性樹脂フイルム20の原理
は上記と同様であり、詳細は後述する。
【0010】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳細に説明する。本発明の感光性樹脂フイ
ルムに用いる基材フイルムとしては、透明乃至半透明で
あればいずれのフイルムでも使用することができる。例
えば、厚み10〜80μm程度のポリエステルフイル
ム、ポリプロピレンフイルム、ポリスチレンフイルム等
のプラスチックフイルムが挙げられる。
【0011】上記基材フイルムの一方の面に形成する蛍
光体含有感光性樹脂層は、必須成分として蛍光体と粘着
性感光性樹脂を含有する。本発明で使用する蛍光体とし
ては、特に限定されないが、希土類オキシハライド等を
母体とし、この母体を付活剤で付活したものが好まし
く、例えば、紫外線励起型蛍光体としては、Y23:E
u、YVO4:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu(以上赤
色)、Zn2GeO2:Mn、BaAl1219:Mn、Z
2SiO4:Mn、LaPO4:Tb(以上緑色)、S
5(PO43Cl:Eu、BaMgAl1423:Eu
2+、BaMgAl1627:Eu、(以上青色)等が挙げ
られ、その他の蛍光体としては、Y23S:Eu、γ−
Zn3(PO42:Mn、(Zn,Cd)S:Ag+I
23(以上赤色)、ZnS:Cu,Al、ZnS:A
u,Cu,Al、(Zn,Cd)S:Cu,Al、Zn
2SiO4:Mn,As、Y3Al512:Ce、Gd22
S:Tb、Y3Al512:Tb、ZnO:Zn(以上緑
色)、ZnS:Ag+赤色顔料、Y2SiO3:Ce(以
上青色)等を使用することもでき、勿論これらの蛍光体
は2種類以上を混合して使用することもできる。
【0012】本発明で使用する粘着性感光性樹脂は、ベ
ースポリマー(a)、エチレン性不飽和化合物(b)及
び光重合開始剤(c)からなり、ベースポリマー(a)
としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢
酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアル
コール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系
樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリ
ルアミド等のアクリル系重合体又はアクリル系共重合
体、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂等が挙げられる。
【0013】エチレン性不飽和化合物(b)としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキ
シ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセ
リンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロ
イルオキシエチルアシッドホスフェート、フタル酸等の
ジカルボン酸のアクリレート変性体、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレ
ン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール
酸、イタコン酸、或いはそれらの無水物やモノエステル
等の単官能性単量体が挙げられる。
【0014】又、多官能性のエチレン性不飽和化合物
(b)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
レート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエ
トキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−(メ
タ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2
−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、
フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレー
ト、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)ア
クリレート等の多官能モノマーが挙げられる。これらの
多官能モノマーは前記の単官能モノマーと適当量併用す
ることもできる。
【0015】ベースポリマー(a)100重量部に対す
るエチレン性不飽和化合物(b)の割合は、5〜200
重量部、特に10〜50重量部の範囲から選ぶことが望
ましい。エチレン性不飽和化合物(b)の使用量が少な
すぎると、感光性組成物の硬化不良により界面における
粘着性の低下が不十分であり、エチレン性不飽和化合物
(b)の使用量が多すぎると、組成物が液状に近くな
り、形成される感光性樹脂層の形状保持性が不十分であ
る。
【0016】更に、光重合開始剤(c)としては、ベン
ゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチル
エーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイ
ンn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、
ベンジルジフェニルジスルフィド、ベンジルジメチルケ
タール、ジベンジル、ジアセチル、アントラキノン、ナ
フトキノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾ
フェノン、ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジメチル
アミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジエチルア
ミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ジエチルアミノベン
ゾフェノン、ピバロインエチルエーテル、1,1−ジク
ロロアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフ
ェノン、ヘキサアリールイミダゾール二量体、2,2’
−ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テ
トラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2−クロロ
チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−
ジエチルチオキサントン、2,2’−ジエトキシアセト
フェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノン、2,2’−ジクロロ−4−フェノキシアセト
フェノン、フェニルグリオキシレート、α−ヒドロキシ
イソブチルフェノン、ジベゾスパロン、1−(4−イソ
プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−プロパノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェ
ニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、トリブロ
モフェニルスルホン、トリブロモメチルフェニルスルホ
ン等が挙げられる。このときの光重合開始剤(c)の総
配合割合は、ベースポリマー(a)とエチレン性不飽和
化合物(b)との合計量100重量部に対し0.1〜2
0重量部程度とするのが適当である。
【0017】上記感光性樹脂に、蛍光体及びその他の任
意成分を含有させる方法としては、特に限定されず、公
知の方法、例えば、上記の感光性樹脂に所定量の蛍光体
等を添加して、十分混合撹拌して蛍光体を均一に分散さ
せる方法等がある。この場合の蛍光体の含有量は、感光
性樹脂層中で10〜50重量%を占める量が好ましく、
より好ましくは20〜30重量%を占める量である。該
蛍光体の含有量が、50重量部を越えると、充填される
蛍光体量が多すぎて、焼成後にセル内に放電空間が確保
できなくなり、逆に10重量部未満では、蛍光体層とし
た時に膜厚が薄くて輝度が低下する傾向にあり好ましく
ない。
【0018】本発明において感光性樹脂層を形成するに
当たり、感光性樹脂層中に揮発性有機物を配合すること
ができ、特に揮発性有機物としては可塑剤及び高沸点有
機溶剤の少なくとも1つ(以下、これらを単に「揮発性
有機物」と称する)を用いることが本発明においては好
適である。この揮発性有機物は、後に示す表1のように
ジオクチルフタレート、ジブチルセバケート、トリメチ
ルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジシクロヘ
キシルフタレート、ジヘプチルフタレートがあり、図4
a又はbに示す工程において揮発させることにより、セ
ル内に充填された感光性樹脂層中の有機物含有量を少な
くして焼成に要する熱エネルギーの節約が可能であると
ともに、図4cに示す蛍光体層上に広い放電空間を確保
するうえで有用である。この目的に使用する揮発性有機
物は、上記の感光性樹脂と相溶性があり、感光性樹脂の
被膜形成性を損わない有機化合物であり、代表的な例と
しては、従来塩化ビニル樹脂等の可塑剤として使用され
ている可塑剤が挙げられる。具体的には、例えば、フタ
ル酸エステル系、脂肪酸又は芳香族酸(二又は三塩基
酸)エステル系等の公知の可塑剤が任意に使用可能であ
る。
【0019】その他の揮発性有機物としては、例えば、
グリセリン、トリメチロールプロパン、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
これらの低級アルキルエーテル、低級脂肪酸エステル、
各種高級脂肪酸或いはそれらのエステル、高級脂肪族ア
ルコール或いはそれらのアルキルエステル等の高沸点有
機溶剤が挙げられる。ここでいう揮発性有機物は150
〜300℃で揮発するものである。以上の如き、揮発性
有機物は、前記の感光性樹脂の種類に応じて、感光性樹
脂が被膜形成性を失わない程度の量で使用する。一般的
な使用量は感光性樹脂(A)と揮発性有機物(B)との
重量比が、A:B=10:90〜90:10の範囲であ
り、好ましくはA:B=30:70〜70:30の範囲
である。尚、揮発性有機物を含む場合の感光性樹脂組成
物に対する蛍光体含有量は、前記と同様である。
【0020】本発明における上記感光性樹脂組成物に
は、そのほか、染料(着色、発色)、密着性付与剤、酸
化防止剤、熱重合禁止剤、溶剤、表面張力改質剤、安定
剤、連鎖移動剤、消泡剤、難燃剤等の添加剤を適宜添加
することができる。特にシラン系、アルミ系又はチタネ
ート系のカップリング剤を含有させることによって、最
終的にPDP背面板のセル中に形成される蛍光体層のセ
ル表面に対する密着性を向上させることができる。又、
これらのカップリング剤は、予めPDPの背面板のセル
表面に塗布しておいてもよい。
【0021】本発明の感光性樹脂フイルムは、上記の感
光性樹脂組成物を、適当な基材フイルム面に塗工して感
光性樹脂層を形成することによって得られる。この際必
要であれば、その塗工層面の上からポリエチレンフイル
ム、ポリビニルアルコール系フイルム等の保護フイルム
13を被覆して積層体とすることができる。この時の感
光性樹脂層の膜厚は、蛍光体やその他の成分の含有量
や、製造すべきPDPの背面板等の構造によっても異な
り一概にいえないが、通常は10〜150μmの範囲か
ら好適に選択される。
【0022】以上の如く形成される図1に示した感光性
樹脂フイルム10を用いるパターン形成方法をPDP背
面基板の製造方法を代表例として説明する。図3〜4は
感光性樹脂フイルム10を用いたPDP背面基板の製造
方法を説明する図である。先ず、感光性樹脂フイルム1
0をガラス基板1面に形成されたバリヤーリブ面にラミ
ネートして感光性樹脂層をバリヤーリブ2間に形成され
ているセル3内に圧入する。この圧入は、例えば、加熱
ローラー等を用いて容易に行うことができる。この際に
おけるセル3の深さhよりも幾分薄い感光性樹脂層12
を有する感光性樹脂フイルム10を用いることが好まし
い。
【0023】次に図3bに示すように所望のパターンを
有するフォトマスク4を通じて紫外線5を照射すると、
基材フイルムと感光性樹脂層との間の界面において、非
露光部における粘着性γは変化しないが、露光領域にお
ける界面の粘着性αが低下する。この際、感光性樹脂層
中には、蛍光体が含有されているので紫外線はセルの内
表面と感光性樹脂層との界面には十分には到達せず、従
って界面βの粘着性の低下は少ない。図3cに示すよう
に露光後に基材フイルム11を剥離すると、上記の各界
面の粘着性の差により、非露光部の感光性樹脂層は基材
フイルムとともに剥離され、一方、露光領域における感
光性樹脂層はセル内に残る。この際、感光性樹脂層はバ
リヤーリブによってその厚みの大部分がカットされてい
るので、上記のパターン化は非常に容易であり、露光領
域の感光性樹脂層が基材フイルムとともに剥離されるこ
とはない。
【0024】以上の感光性樹脂フイルム10における感
光性樹脂層中の蛍光体を赤色発光の蛍光体Rとする。次
に緑色に発光する蛍光体Gを含有する感光性樹脂フイル
ムを用いて上記の操作を繰り返し、更に青色に発光する
蛍光体Bを含有する感光性樹脂フイルムを用いて同様に
することによって、図4aに示す如く、3色の蛍光体含
有感光性樹脂層がセル3中に充填される。必要に応じて
バリヤーリブ面を研磨して図4bの如く表面を平に調整
し、最後に適当な温度で焼成することによって図4cに
示すようにセル内にはRGB3色の蛍光体層が形成され
る。尚、蛍光体RGBのセル中への充填の順序は任意で
ある。尚、上記工程において感光性樹脂フイルムの感光
性樹脂層に揮発性物質が含有されている場合には、焼成
に先だって揮発性物質を揮発除去しておく。
【0025】次に図2に示す本発明の感光性樹脂フイル
ム20について説明する。図2に示す感光性樹脂フイル
ム20は、図1に示す感光性樹脂フイルム10の感光性
樹脂層を、その膜厚を薄くする(樹脂分を少なくする)
ことにより、感光性樹脂に対する蛍光体の含有量の割合
を高めた(蛍光体の添加量としては図1に示したものと
同様)以外は同様な構成のものである。適当な厚みは、
PDPの背面板に形成されたセルの深さの1/8〜3/
8、好ましくは1/6〜1/3の厚さである。この感光
性樹脂フイルム20を用いてPDP背面板の製造方法を
図5〜6を参照して説明する。
【0026】先ず、感光性樹脂フイルム20をガラス基
板1面に形成されたバリヤーリブ面にラミネートして感
光性樹脂層をバリヤーリブ2間に形成されているセル3
内に圧入する。次にセル3の上方に圧入された感光性樹
脂層を、図6aに示すように更に圧力をかけてセルの底
部に達するまで圧入(第二の圧入)する。この第二の圧
入は、リブ2を損傷させないように、空気圧、水圧或い
は可撓性のある樹脂等を用いて行うことが好ましく、
又、感光性樹脂層が十分に軟化するように作業時の温度
を約80〜120℃程度に加温して行うことが好まし
い。例えば、空気圧を用いて感光性樹脂層の第二の圧入
を行う場合には、株式会社ロプコ社製の「非接触ギャッ
プ成形硬化装置(LOPSKY)」を用いることができ
る。
【0027】この装置は、空気の膜によってセル上部に
充填されている感光性樹脂層に圧力をかけて感光性樹脂
層をセル内に圧入する装置であり、上下の気体膜発生器
の無数の孔から空気を噴射させ、背面板を浮かせた状態
で上下から圧力をかけることによって感光性樹脂層をセ
ルの底部に押し込むことができる。この際に装置から噴
射される空気を適当な温度に設定しておくことによっ
て、感光性樹脂層を軟化させ、感光性樹脂層の圧入を容
易に且つ均一に行うことができる。
【0028】感光性樹脂層の圧入は、上記空気圧に代え
て水圧によっても、例えば、リックス株式会社製の「ウ
オタージェット樹脂バリ取り装置(AXシリーズ)」を
用いても行うことができる。この装置は、高圧水によっ
てセル上部に充填されている感光性樹脂層に圧力をかけ
て感光性樹脂層をセル底部に圧入することができる装置
であり、洗浄ノズルが多数個用意されており、これらを
高速回転させることにより、ある幅の水流の噴射が可能
で、更に振動させることによって感光性樹脂層が圧入さ
れている背面板基板全面に圧力をかけ、感光性樹脂層を
セルの底部に圧入させることができる。
【0029】又、圧力発生装置として、従来から用いら
れている高圧ブースタに代えて最高吐出圧力1500k
gf/cm2の連続吐出プランジャーポンプを用いてい
るので運転信頼性が高い。又、この装置から噴射される
水を適当な温度に設定しておくことによって、感光性樹
脂層を軟化させ、感光性樹脂層のセル底部への圧入を容
易に且つ均一に行うことができる。又、可撓性樹脂を用
いて蛍光体層をセルの底部に押し込む場合には、例え
ば、水溶性樹脂からなる層を蛍光体層の上にラミネート
し、圧力をかけて水溶性樹脂をセルの底部に押し込むこ
とによって、蛍光体層はセルの底部に押し込まれ、その
後水洗等により上記水溶性樹脂を溶解除去する方法も蛍
光体層の押し込み方法として有効である。
【0030】尚、本発明で使用する蛍光体含有感光性樹
脂層は、前記のようにセル空間を完全に充填する厚さで
はないので、感光性樹脂に対する蛍光体含有量の割合
を、感光性樹脂層の膜厚を薄くする(樹脂分を少なくす
る)ことにより高めることができる。例えば、好ましい
蛍光体含有量は、感光性樹脂層中で約50〜90重量%
を占める割合である。
【0031】以上の感光性樹脂フイルム20における感
光性樹脂層中の蛍光体を赤色発光の蛍光体Rとする。次
に緑色に発光する蛍光体Gを含有する感光性樹脂フイル
ムを用いて上記の操作を繰り返し、更に青色に発光する
蛍光体Bを含有する感光性樹脂フイルムを用いて同様に
することによって、図6bに示す如く、3色の蛍光体含
有感光性樹脂層がセル3中に充填される。必要に応じて
バリヤーリブ面を研磨し表面を平に調整し、最後に適当
な温度で焼成することによって、図6cに示すようにセ
ル内にはRGB3色の蛍光体層が形成される。尚、前記
と同様に上記工程において感光性樹脂フイルムの感光性
樹脂層に揮発性物質が含有されている場合には焼成に先
だって揮発性物質を揮発除去しておく。上記各方法にお
ける焼成温度は通常400〜550℃の温度で行われ
る。
【0032】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、実施例中「%」又は「部」とあ
るのは、特に断りのない限り重量基準である。 実施例1感光性樹脂組成物の調製 下記のベースポリマー23部、下記のエチレン性不飽和
化合物27部、下記処方の光重合開始剤4部、下記の蛍
光体26部及び揮発性有機物17部を混合して3色の感
光性樹脂組成物を調製した。 (ベースポリマー)メチルアクリレート/2−エチルヘ
キシルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比
(重量)=25/70/5)
【0033】(エチレン性不飽和化合物)トリメチロー
ルプロパントリアクリレート/ポリエチレングリコール
(#600)ジメタクリレート/エチレンオキサイド変
性フタル酸アクリレート(共栄社油脂工業株式会社製)
の重量比20/10/6の混合物 (光重合開始剤)ベンゾフェノン/p,p’−ジエチル
アミノベンゾフェノン/2,2’−ビス(o−クロロフ
ェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,
2’−ビイミダゾールの重量比8/0.15/1の混合
【0034】(蛍光体)
【0035】(揮発性有機物)ジオクチルフタレート
(沸点390℃ at 760mmHg、225〜 2
30℃ at 4mmHg、これも150〜300℃の
範囲で揮発するものである。)
【0036】感光性樹脂フイルムの作製 上記3色の中から1色選び、この色の感光性組成物を、
ギャップ4ミルのアプリケーターを用いて厚さ25μm
のポリエステルフイルム上に塗工し、室温で1分30秒
間放置した後、60℃、90℃、110℃のオーブンで
それぞれ3分間ずつ乾燥して、膜厚120μmの感光性
樹脂層を有する選んだ色の本発明の感光性樹脂フイルム
とした(但し、保護フイルムは設けていない)。そし
て、残りの2色は同様に作製した。尚、上記の120μ
mの厚みは、40μmづつ3回の塗工により形成しても
よい。ガラス基板へのラミネート この感光性樹脂フイルムを、リブ基板(高さ150μ
m、幅50μm、ピッチ350μm)上に、ラミネート
ロール温度100℃、同ロール圧3kg/cm2、ラミ
ネート速度1.5m/min.にてラミネートした。
【0037】露光、乾燥 ラミネート後、全面に開口幅200μmのリブに平行な
ピッチ1050μmの短冊状のパターン露光部分が形成
されるように、パターンマスクを感光性樹脂層の表面に
重ねて、オーク製作所製の露光機HMW−532Dにて
3kw超高圧水銀灯で200mJの露光を行った。露光
後15分間のホールドタイムを取った後、ポリエステル
フイルムを剥離して図3cに示される状態とした。次に
全体を250℃、4mmHgの乾燥炉中で10分間乾燥
させ、感光性樹脂層中に含まれているジオクチルフタレ
ートを蒸発乾燥させた。焼成 乾燥後に焼成炉内で、室温から450℃まで1時間で上
昇させ、感光性樹脂層内の樹脂分を焼失させて蛍光体層
を形成した。
【0038】実施例2〜7 表1に示す如く、実施例1の感光性組成物における成分
量と、揮発性有機物の種類と含有量とを変化させて、実
施例1と同様にして3色の感光性樹脂組成物を得、これ
を用いて実施例1と同様にして3色の本発明の感光性樹
脂フイルムを得た。尚、以上の実施例1〜7の感光性樹
脂フイルムは図1に示す実施の形態である。
【0039】表1:実施例2〜7 (括弧内は使用部数である)
【0040】これらの感光性樹脂フイルムを用いてPD
Pの背面板を作製した。PDPの背面基板におけるリブ
は高さが150μmであり、リブの間隔は350μmで
あり、溝状のセルの深さは150μm、そのリブ頂部幅
は50μm、溝幅は300μmに形成されている。上記
セル面に感光性樹脂フイルムの感光性樹脂層を対向させ
て重ね合せ、この重ね合わせたものをラミネート用のゴ
ムロール間に通して、セル中に感光性樹脂層を圧入させ
た後、蛍光体の発色光と同色の画素パターンを有するフ
ォトマスクを介して実施例1と同様にして露光した後、
ポリエステルフイルムを剥離して図3cに示される状態
とした。次に全体を250℃、4mmHgの乾燥炉中で
10分間乾燥させ、感光性樹脂層中に含まれている揮発
性有機物を蒸発乾燥させた。その後、実施例1と同様に
して焼成して蛍光体層を形成してPDPの背面板とし
た。上記PDP背面板における蛍光体層の密着性を目視
観察で調べたところ、いずれも良好であった。
【0041】実施例8感光性樹脂組成物の調製 温度計、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管を備えたフラ
スコ中に、n−ブチルアクリレート96部、ヒドロキシ
エチルメタクリレート1部、アクリル酸3部、過酸化ベ
ンゾイル0.3部、酢酸エチル40部及びトルエン60
部を投入し、窒素導入管より窒素を導入しフラスコ内を
窒素雰囲気とした後、65℃に加温して10時間重合反
応を行いアクリルポリマー溶液を得た。この溶液に該ア
クリルポリマー100部に対してトリメチロールプロパ
ントリアクリレート15部、及びベンゾフェノン0.4
部を加えて紫外線硬化型粘着剤を得た。この粘着剤の固
形分100部に対してポリイソシアネート(日本ポリウ
レタン社製、商品名 コロネートL)1部を加え、更に
下記の蛍光体250部を加えて均一に分散させ、3色の
感光性粘着性組成物とした。上記組成物を厚さ25μm
のPET(ポリエチレンテレフタレート)フイルムに乾
燥後の厚さが30μmとなるように塗布乾燥し、この上
に厚さ38μmの剥離性PETフイルムを保護層として
仮着して3色の本発明の感光性樹脂フイルムを得た。
【0042】(蛍光体)
【0043】ガラス基板へのラミネート 前記感光性樹脂フイルムを、オーブンで60℃に予熱し
たガラス基板[導電性回路とバリヤーリブ(高さ150
μm、幅50μm、ピッチ350μm)とが形成された
蛍光面形成用基板]上に、ラミネートロール温度100
℃、同ロール圧3kg/cm2、ラミネート速度1.5
m/minにてラミネートした。
【0044】露光、乾燥 ラミネート後、蛍光面パターン形状(線幅開孔200μ
m、ピッチ1050μm)の露光部分が形成されるよう
に、パターンマスクをラミネートフイルム表面に重ね
て、大日本スクリーン製の露光機MAP−200にて3
kw超高圧水銀灯で400mJ/cm2の露光を行っ
た。露光後15分間のホールドタイムを取った後、ポリ
エステルフイルムを剥離して図5cに示される状態とし
た。その後セル中に充填された感光性樹脂層に対して圧
力0.1kg/cm2、温度100℃で5分間エアープ
レスを行って、図6aに示されるように感光性樹脂層を
セルの底部に圧入した。これらの工程を3色の感光性樹
脂フイルムについてそれぞれ行い、図6bに示されるよ
うにした。
【0045】焼成 次に上記で3色の蛍光体層がそれぞれ充填されたガラス
基板を、焼成炉内で室温から450℃まで1時間で上昇
させ、蛍光体層内の樹脂分を焼失させて蛍光体層を形成
してPDPの背面板を得た。この蛍光体層は基板に十分
に密着しており、蛍光体層の浮き上がりがなく、又、十
分な放電空間が確保されていた。
【0046】実施例9〜11 下記表2に示す如く、実施例8の感光性組成物における
組成を変化させて、実施例8と同様にして感光性樹脂組
成物を得、これを用いて実施例8と同様にして3色の感
光性樹脂フイルムを得た。尚、以上の実施例8〜11の
感光性樹脂フイルムは図2に示す実施の形態である。
【0047】表2:実施例9〜11
【0048】これらの感光性樹脂フイルムを用いてPD
Pの背面板を作製した。PDPの背面基板におけるリブ
は高さが150μmであり、リブの間隔は350μmで
あり、リブ幅が50μmであるため、溝状のセルの深さ
は150μm、その溝幅は300μmに形成されてい
る。上記セル面に感光性樹脂フイルムの感光性樹脂層を
対向させて重ね合せ、この重ね合わせたものをラミネー
ト用のゴムロール間に通して、セル中に感光性樹脂層を
圧入させた後、セルと蛍光体の発色光と同色の画素パタ
ーンを有するフォトマスクを介して実施例8と同様にし
て露光後、ポリエステルフイルムを剥離して図5cに示
される状態とし、実施例8と同様にしてエアープレスを
行った。その後、実施例8と同様にして3色の蛍光体組
成物についてそれぞれ行い、図6bに示されるようにし
た。その後に実施例8と同様に焼成して蛍光体層を形成
してPDPの背面板とした。この蛍光体層は基板に十分
に密着しており、蛍光体層の浮き上がりがなく、又、十
分な放電空間が確保されていた。
【0049】比較例1 下記表3に示す如く、実施例8の感光性組成物における
組成を変化させて、実施例8と同様にして感光性樹脂組
成物を得、これを用いて実施例8と同様にして感光性樹
脂フイルムを得た。この得られた感光性樹脂フイルムを
用いて実施例8と同様にしてPDPの背面板(但しグリ
ーンのみ)を形成したところ、比較例1の感光性樹脂フ
イルムを用いた場合には、感光性樹脂フイルムの感光性
樹脂層を基板のセル中に充填させることができなかっ
た。
【0050】表3:比較例1
【0051】実施例12 実施例8における感光性樹脂フイルムの圧入を、リック
ス株式会社製の「ウオタージェット樹脂バリ取り装置
(AXシリーズ)」を用い、水温80℃、水圧5kgf
/cm2で行った他は実施例8と同様にしてPDPの背
面板を形成した。この背面板の蛍光体層は基板に十分に
密着しており、蛍光体層の浮き上がりがなく、又、十分
な放電空間が確保されていた。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、基材フイルムと感光性
樹脂層との露光された界面において基材フイルムと感光
性樹脂層の粘着性αが、他の非露光領域における界面の
粘着性γに比較して著しく低下するので、基材フイルム
を剥離すると、非露光領域の蛍光体含有層はセル内から
除去され、露光領域のみの蛍光体含有層がセル内に充填
される。従って従来技術の如き煩雑な現像工程は不要と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の感光性樹脂フイルムの構成を説明す
る図
【図2】 本発明の感光性樹脂フイルムの構成を説明す
る図
【図3】 本発明の方法を説明する図
【図4】 本発明の方法を説明する図
【図5】 本発明の方法を説明する図
【図6】 本発明の方法を説明する図
【図7】 PDPの構成説明図。
【符号の説明】 1:基板 2:バリヤーリブ 3:セル 4:フォトマスク 5:露光光線 11:基材フイルム 12:蛍光体含有感光性樹脂層 13:保護層 71:前面板 72:背面板 73:バリヤーリブ 74:維持電極 75:バス電極 76:誘電体層 77:保護層 78:アドレス電極 79:蛍光体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 11/02 H01J 11/02 B 17/04 17/04 (72)発明者 柳澤 正巳 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所電子材料事業部内 (54)【発明の名称】 感光性樹脂フイルム、該フイルムを用いる蛍光体パターンの形成方法、該フイルムを用いるプラ ズマディスプレイパネル用背面板の製造方法、該製造方法により得られたプラズマディスプレイ パネル用背面板及びプラズマディスプレイパネル

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フイルムと、該フイルムの一面に形
    成された粘着性感光性樹脂層とからなり、該感光性樹脂
    層が蛍光体を含有するとともに、露光領域の粘着性が低
    下する感光性樹脂からなることを特徴とする感光性樹脂
    フイルム。
  2. 【請求項2】 感光性樹脂層に含有される蛍光体の量
    が、感光性樹脂層の10〜50重量%を占める量である
    請求項1に記載の感光性樹脂フイルム。
  3. 【請求項3】 感光性樹脂層が、150〜300℃で揮
    発する揮発性有機物を含有する請求項1に記載の感光性
    樹脂フイルム。
  4. 【請求項4】 揮発性有機物が、可塑剤及び有機溶剤の
    少なくとも1つから選択される請求項3に記載の感光性
    樹脂フイルム。
  5. 【請求項5】 感光性樹脂層を構成する感光性樹脂と、
    揮発性有機物との重量比が、10:90〜90:10の
    範囲である請求項3又は請求項4に記載の感光性樹脂フ
    イルム。
  6. 【請求項6】 感光性樹脂層に含有される蛍光体の量
    が、感光性樹脂層の10〜50重量%を占める量である
    請求項3に記載の感光性樹脂フイルム。
  7. 【請求項7】 感光性樹脂層の厚みが、プラズマディス
    プレイパネルの背面板のバリヤーリブ間セル深さの1/
    8〜3/8の厚みである請求項1に記載のプラズマディ
    スプレイパネル用感光性樹脂フイルム。
  8. 【請求項8】 感光性樹脂層に含有される蛍光体の量
    が、感光性樹脂層の50〜90重量%を占める量である
    請求項7に記載のプラズマディスプレイパネル用感光性
    樹脂フイルム。
  9. 【請求項9】 基板の表面に、請求項1〜6の何れか1
    項に記載の感光性樹脂フイルムを貼り合わせる工程、該
    感光性樹脂フイルムをパターン露光する工程、該感光性
    樹脂フイルムを剥離する工程、上記基板を焼成する工程
    からなることを特徴とする蛍光体パターンの形成方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法により形成され
    たことを特徴とする蛍光体パターン。
  11. 【請求項11】 基板が、プラズマディスプレイパネル
    の背面板である請求項9に記載の蛍光体パターンの形成
    方法。
  12. 【請求項12】 プラズマディスプレイパネルの背面板
    の表面に、請求項1〜6の何れか1項に記載の感光性樹
    脂フイルムを貼り合わせる工程、該感光性樹脂フイルム
    をパターン露光する工程、該感光性樹脂フイルムを剥離
    する工程、上記基板を焼成する工程からなることを特徴
    とするプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 プラズマディスプレイパネルの背面板
    の表面に、請求項7又は8に記載の感光性樹脂フイルム
    を貼り合わせる工程、該感光性樹脂層を背面板バリヤー
    リブ間のセルに圧入する工程、該感光性樹脂フイルムを
    パターン露光する工程、該感光性樹脂フイルムを剥離す
    る工程、上記基板を焼成する工程からなることを特徴と
    するプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法。
  14. 【請求項14】 セル中への感光性樹脂層の圧入を、エ
    アプレス、ウォータージェット又は可撓性樹脂を用いて
    行う請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル用
    背面板の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項12〜14の何れか1項に記載
    の方法で形成されたプラズマディスプレイパネル用背面
    板。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載のプラズマディスプ
    レイパネル用背面板を有するプラズマディスプレイパネ
    ル。
JP10208395A 1997-08-19 1998-07-23 感光性樹脂フイルム、該フイルムを用いる蛍光体パターンの形成方法、該フイルムを用いるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法、該製造方法により得られたプラズマディスプレイパネル用背面板及びプラズマディスプレイパネル Pending JPH11125901A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6399287B1 (en) 1998-08-29 2002-06-04 Lg Electronics Inc. Method for forming fluorescent film in PDP by using a photopolymerizable photosensitive phosphor paste composition
WO2018070360A1 (ja) * 2016-10-11 2018-04-19 株式会社村田製作所 揮発性有機物検知体及びその製造方法、揮発性有機物の検知方法並びに揮発性有機物検知装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6399287B1 (en) 1998-08-29 2002-06-04 Lg Electronics Inc. Method for forming fluorescent film in PDP by using a photopolymerizable photosensitive phosphor paste composition
US6777165B2 (en) 1998-08-29 2004-08-17 Lg Electronics Inc. Photopolymerization type photosensitive phosphor paste composition and method for forming fluorescent film in PDP by using the same
WO2018070360A1 (ja) * 2016-10-11 2018-04-19 株式会社村田製作所 揮発性有機物検知体及びその製造方法、揮発性有機物の検知方法並びに揮発性有機物検知装置

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