JP2000243273A - プラズマディスプレイパネル用背面板の製造法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用背面板の製造法

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JP2000243273A
JP2000243273A JP1547899A JP1547899A JP2000243273A JP 2000243273 A JP2000243273 A JP 2000243273A JP 1547899 A JP1547899 A JP 1547899A JP 1547899 A JP1547899 A JP 1547899A JP 2000243273 A JP2000243273 A JP 2000243273A
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phosphor
resin composition
pattern
barrier material
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JP1547899A
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Hiroyuki Tanaka
裕之 田仲
Takeshi Nojiri
剛 野尻
Kazuya Sato
和也 佐藤
Hiroyuki Kawakami
広幸 川上
Mariko Shimamura
真理子 島村
Yukiko Muramatsu
有紀子 村松
Seiji Tai
誠司 田井
Yoshiyuki Horibe
芳幸 堀部
Tetsuya Kashimura
鉄也 樫村
Naoki Kimura
直紀 木村
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性よく、低エネルギーで、寸法精度に優
れたプラズマディスプレイパネル用背面板を、歩留まり
よく作製できるプラズマディスプレイパネル用背面板の
製造法を提供する。 【解決手段】 複数の凸部を有する基体を用いて、この
基体に対応した形状の障壁材料及び蛍光体含有樹脂組成
物からなるパターンを基板上に形成し、次いで、焼成す
ることを特徴とするプラズマディスプレイ用背面板の製
造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル用背面板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、平板ディスプレイの1つとし
て、プラズマ放電により発光する蛍光体を設けることに
よって多色表示を可能にしたプラズマディスプレイパネ
ル(以下PDPと記す)が知られている。PDPは、ガ
ラスからなる平板状の前面板と背面板とが互いに平行に
かつ対向して配設され、両者はその間に設けられた障壁
により一定の間隔に保持されており、前面板、背面板及
び焼成後の障壁に囲まれた空間で放電する構造になって
いる。このような空間には、表示のための蛍光体が塗布
され、放電によって封入ガスから発生する紫外線によっ
て蛍光体が発光させられ、この光を観察者が視認できる
ようになっている。
【0003】従来、PDP用背面板は、複数の電極が整
列配置された基板上に、所定形状の障壁材料からなるパ
ターンを形成してこれを焼成し障壁を形成し、次いで、
障壁の形成された前記平面板上に蛍光体を含む樹脂組成
物からなるパターンを形成してこれを焼成し蛍光体パタ
ーンを形成することにより作製していた。
【0004】障壁材料からなるパターンを形成する方法
としては、印刷スクリーンと障壁材料とを用いた厚膜印
刷法、感光性材料を用いて形成したレジストパターンの
間隙にガラスペーストを埋め込んだ後レジストパターン
を除去するアディティブ法(特開平2−165539号
公報、特開平2−165540号公報、特開平7−19
2626号公報等)があるが、これらは、いずれも障壁
材料からなるパターンを所望の位置に形成した後に、5
00℃前後で焼成することにより、障壁を得ている。
【0005】上記のようにして障壁が形成された基板上
に、蛍光体を含む樹脂組成物からなるパターンを形成す
る方法としては、各色の蛍光体を含む樹脂組成物蛍を、
スクリーン印刷等の印刷方法によって塗布する方法(特
開平1−115027号公報、特開平1−124929
号公報、特開平1−124930号公報、特開平2−1
55142号公報等)、蛍光体を含有させた感光層を有
する感光性エレメント(感光性フィルム)を用いる方法
(特開平6−273925号公報等)が提案されてい
る。
【0006】従来のPDP用背面板は、障壁材料からな
るパターンを焼成する際の加熱によって、基板が縮小す
る(対角50cm程度の大きさの基板においては、数十〜
数百ミクロン縮小する)ために、あらかじめ設計した蛍
光体パターン形成用のスクリーン印刷のマスクや露光用
パターンマスクの位置あわせが困難となり、蛍光体パタ
ーンの高精細なパターニングを行うことがきわめて困難
であった。また、この問題は、PDPの表示面積が大き
くなるにつれて誤差が大きくなるために、大画面PDP
の作製に際し、非常に大きな問題であった。
【0007】また、予め基板の縮小の割合を考慮して、
蛍光体パターン用スクリーンマスク又は露光用パターン
マスクを作製して対応させる場合もあるが、焼成時の基
板の縮小幅は、必ずしも一定ではなく、部分的に縮小幅
が異なるために、やはり位置あわせが困難となり、製品
の歩留まりが悪く、大画面PDPを寸法精度よく作製す
ることが非常に困難であった。さらに、障壁材料と蛍光
体パターンはそれぞれ別個に焼成を行う必要があったた
め、エネルギー効率が悪く、製造コストを上昇させる原
因ともなっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、作業性よく、低エネルギーで、寸法精度に優れたプ
ラズマディスプレイパネル用背面板を、歩留まりよく作
製できるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造法
を提供するものである。請求項2記載の発明は、低エネ
ルギーで、寸法精度に極めて優れたプラズマディスプレ
イパネル用背面板を、歩留まりよく作製できるプラズマ
ディスプレイパネル用背面板の製造法を提供するもので
ある。請求項3記載の発明は、極めて作業性よく、低エ
ネルギーで、寸法精度に優れたプラズマディスプレイパ
ネル用背面板を、歩留まりよく作製できるプラズマディ
スプレイパネル用背面板の製造法を提供するものであ
る。請求項4記載の発明は、請求項1、2及び3記載の
発明の効果に加えて、カラー表示が可能であるプラズマ
ディスプレイパネル用背面板の製造法を提供するもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の凸部を
有する基体を用いて、この基体に対応した形状の障壁材
料及び蛍光体含有樹脂組成物からなるパターンを基板上
に形成し、次いで、焼成することを特徴とするプラズマ
ディスプレイ用背面板の製造法に関する。また、本発明
は、複数の凸部を有する基体の凸部の上面と側面に形成
された蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン及び前記
蛍光体含有樹脂組成物からなるパターンが形成された凸
部と凸部の間隙に埋め込まれた障壁材料を、前記基体の
凸部の上面が基板に対向するようにして前記基板上に積
層し、次いで、複数の凸部を有する基体を除去して基板
上に障壁材料からなるパターン及び蛍光体含有樹脂組成
物からなるパターンを形成し、次いで、これらのパター
ンを焼成することを特徴とするプラズマディスプレイ用
背面板の製造法に関する。
【0010】また、本発明は、複数の凸部を有する基体
で、基板上に障壁材料層を有しその上に前記の複数の凸
部を有する基体の凸部に対応した位置に蛍光体含有樹脂
組成物からなるパターンを形成した基板を、前記基体の
凸部の上面と前記基板の蛍光体を含有する樹脂組成物層
からなるパターンとが対向するようにして圧着し、次い
で、複数の凸部を有する基体を除去して基板上に障壁材
料及び蛍光体含有樹脂組成物からなる凹凸のパターンを
形成し、次いで、これらのパターンを焼成することを特
徴とするプラズマディスプレイ用背面板の製造法に関す
る。また、本発明は、蛍光体含有樹脂組成物からなるパ
ターンが、多色で、規則的に形成されてなる前記プラズ
マディスプレイパネル用背面板の製造法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における複数の凸部を有す
る基体としては、特に制限はなく、金属、セラミック、
ガラス、プラスチック等の材料から構成されるシート、
ロール等の表面に複数の凸部を設けたものを使用するこ
とができ、また、これらの基体は、単一組成の材料から
なる一体化されたものであってもよく、組成の異なる同
系統の材料からなる複数の部分を組み合わせてなるもの
でもよく、異なる系統の材料からなる複数の部分を組み
合わせてなるものでもよい。積層工程、剥離工程におけ
る取り扱い性、作業性等の点から、表面に凸部が設けら
れた可とう性のあるプラスチック等から構成されるシー
トが好ましい。
【0012】複数の凸部を有する基体の凸部の形状に
は、特に制限はなく、格子状、ストライプ状、ハニカム
状、三角形状、楕円形状等が可能である。このような複
数の凸部を有する基体は、通常、凸部の高さが20〜5
00μm、幅が20〜1000μm、凹凸間の開口幅が
20〜300μmとされる。
【0013】基体自体の寸法精度、製造の簡便性、バリ
エーション性等の点から、可とう性のある支持体フィル
ム上に設けられた感光性樹脂組成物層を選択的に露光
し、次いで、現像により感光性樹脂組成物層を選択的に
除去して現像し、レジストパターンを形成する(感光性
樹脂組成物層へのフォトリソグラフ法の適用)ことによ
り、前記レジストパターンを凸部(選択的に除去された
部分は凹部となる)として有するものを複数の凸部を有
する基体として用いることがより好ましい。
【0014】そのような基体は、例えば、感光性樹脂層
が支持体フィルム及びカバーフィルムで挟まれた感光性
エレメントを用い、支持体フィルム上からフォトマスク
を介して選択的に露光(パターン状露光)した後、カバ
ーフィルムを除去し、カバーフィルムが積層されていた
側から現像して支持体フィルム上にストライプ状のレジ
ストパターンを形成して得られる支持体フィルム及びそ
の上に形成された複数の凸部としてのストライプ状のレ
ジストパターンから構成される基体である。
【0015】上記の感光性樹脂層が支持体フィルム及び
カバーフィルムで挟まれた感光性エレメントは、感光性
樹脂層を構成する各材料を有機溶剤に溶かし、支持体フ
ィルム上に塗布、乾燥して感光性樹脂層を形成し、カバ
ーフィルムをこの感光性樹脂層上に積層することにより
得ることができる。また、他の方法として、第1の支持
体フィルムと第2の支持体フィルム上に別々に形成した
感光性樹脂層をそれぞれ貼りあわせて得ることもできる
(この場合は第2の支持体フィルムをカバーフィルムと
して扱えばよい)。
【0016】前記感光性樹脂層を構成する材料として
は、特に制限なく公知のものを使用でき、例えば、ポジ
型感光性樹脂組成物(1,2−ナフトキノンジアジド系
化合物、o−ニトロベンジル系化合物等を用いた光可溶
性基生成型の組成物、オニウム塩等を用いた光酸発生・
酸分解型の組成物等)、ネガ型感光性樹脂組成物
((a)エチレン性不飽和化合物、(b)カルボキシル
基含有フィルム性付与ポリマ及び(c)光重合開始剤を
必須成分として含有し、他に必要に応じて、(d)染料
又は顔料、(e)その他添加物を含んだ光重合型の組成
物等)などが挙げられる。感光性樹脂層の厚さは、形成
しようとするレジストパターンの高さ(厚さ)(これは
形成しようとする凸部の高さに対応)によって決定され
るが、通常、15〜300μm程度である。
【0017】支持体フィルムや保護フィルムとしては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、その中でも、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンが好まし
く、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。支持
体フィルムや保護フィルムの厚さは、5〜300μm程
度である。
【0018】塗布方法としては、例えば、ナイフコート
法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコー
ト法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられ、
乾燥温度は、60〜130℃とすることが好ましく、乾
燥時間は、3分〜1時間とすることが好ましい。現像方
法としては、特に制限されず、ウェット現像、ドライ現
像等が挙げられる。ウェット現像の現像液としては、例
えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の弱アルカリ性
の稀薄水溶液が挙げられ、現像方式は、浸漬方式、スプ
レイ方式等が挙げられる。また、現像後に基板上に形成
された樹脂パターンを、強度、耐溶剤性等の向上の目的
で、加熱及び/又は露光してもよい。また、活性光とし
ては、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセ
ノンアーク等から発生する光が用いられる。
【0019】本発明における基板としては、特に制限は
なく、例えば、厚さ0.5〜5mm程度のガラス板、セラ
ミック板、プラスチック板等が挙げられる。なお、この
基板上には、厚さ0.2〜20μm程度の電極、厚さ1
〜40μm程度の誘電体層、厚さ1〜40μm程度の保
護層等が形成されていてもよい。
【0020】本発明における障壁材料は、無機材料、樹
脂成分、有機溶剤、シランカップリング剤等を含んでな
る組成物である。障壁材料に使用される無機材料として
は、例えば、ガラス粉末、アルミナ(Al23)、酸化
チタン、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化カリウム、酸化
ナトリウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化
カドミウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化マンガ
ン、酸化ビスマス等の金属酸化物、顔料などが挙げられ
る。上記ガラス粉末のガラス組成としては、例えば、P
bO・B23・SiO2、PbO・B23、ZnO・B2
3・SiO2等が挙げられる。これら無機材料の軟化点
は、350〜1000℃、粒度は、0.1〜5μmであ
ることが、作業性、障壁の強度等の点から好ましい。無
機材料中、ガラス粉末の含有量は、形成される障壁の強
度、焼成時の形状保持性の点から、30〜75重量%と
することが好ましい。
【0021】障壁材料に使用される樹脂成分は、焼成前
までパターン状に形成された障壁材料の形状を保持する
ために使用されるもので、公知のポリマー、オリゴマ
ー、モノマー等から構成され、有機溶剤を含んでいても
よい。これらの樹脂成分は、非硬化系でもでもよく、硬
化系の場合は、熱硬化系、光硬化系のいずれでもよい。
障壁材料中の樹脂成分の含有量は、無機材料の総量10
0重量部に対して、3〜500重量部とすることが好ま
しく、5〜50重量部とすることがより好ましく、10
〜30重量部とすることが特に好ましい。この含有量が
3重量部未満であると、障壁材料をパターン状に形成す
ることが困難となる傾向があり、500重量部を超える
と、障壁材料中の有機物を焼成により熱分解、消失させ
る工程でその熱分解、消失前の溶融段階で流動性が過大
となり障壁材料の形状保持性が劣る傾向がある。
【0022】障壁材料に使用される有機溶剤としては、
特に制限なく公知のものを使用でき、その含有量は、障
壁材料の粘度が20〜200ポイズとなるような量を含
有させることが好ましく、そのような含有量は、無機材
料100重量部に対して、10〜100重量部程度であ
る。有機溶剤の含有量が10重量部未満であると、組成
物の粘度が大きすぎて作業性が劣る傾向があり、100
重量部を超えると乾燥後の目減りが大きすぎる傾向があ
る。
【0023】本発明における蛍光体含有樹脂組成物は、
蛍光体と樹脂成分を含有する組成物である。蛍光体含有
樹脂組成物における蛍光体としては、特に限定はなく、
金属酸化物を主体とするものが使用できる。赤色発色の
蛍光体(以下、赤色の蛍光体という)としては、例え
ば、Y22S:Eu、Zn3(PO4)2:Mn、Y23
Eu、YVO4:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、γ−Z
3(PO4)2:Mn、(ZnCd)S:Ag+In2O等が
挙げられる。
【0024】緑色発色の蛍光体(以下、緑色の蛍光体と
いう)としては、例えば、ZnS:Cu、Zn2Si
4:Mn、ZnS:Cu+Zn2SiO4:Mn、Gd2
2S:Tb、Y3Al512:Ce、ZnS:Cu,A
l、Y22S:Tb、ZnO:Zn、ZnS:Cu,A
l+In23、LaPO4:Ce,Tb、BaO・6A
23:Mn等が挙げられる。青色発色の蛍光体(以
下、青色の蛍光体という)としては、例えば、ZnS:
Ag、ZnS:Ag,Al、ZnS:Ag,Ga,A
l、ZnS:Ag,Cu,Ga,Cl、ZnS:Ag+
In23、Ca259Cl:Eu2+、(Sr,Ca,B
a,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu2+、Sr10(PO4)6
2:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+、BaMg
Al1423:Eu2+、BaMgAl1626:Eu2+等が
挙げられる。
【0025】蛍光体含有樹脂組成物における樹脂成分
は、焼成前までパターン状に形成された蛍光体含有樹脂
組成物の形状を保持するために使用されるもので公知の
ポリマー、オリゴマー、モノマー等から構成される。こ
れらの樹脂成分は、非硬化系でも硬化系でもよく、硬化
系の場合は、熱硬化系、光硬化系のいずれでもよい。蛍
光体含有樹脂組成物中の蛍光体の含有量は、樹脂成分の
総量100重量部に対して、10〜500重量部とする
ことが好ましく、50〜250重量部とすることがより
好ましい。この含有量が10重量部未満では、PDPの
発光効率が低下する傾向があり、500重量部を超える
と、均一な蛍光体含有樹脂組成物の調整が困難となる傾
向があり、また、形状保持性が低下する傾向がある。ま
た、蛍光体含有樹脂組成物には、公知の有機溶剤を含有
させてもよい。
【0026】本発明のプラズマディスプレイ用背面板の
製造法は、複数の凸部を有する基体を用いて、この基体
に対応した形状の障壁材料及び蛍光体含有樹脂組成物か
らなるパターンを基板上に形成し、次いで、焼成するこ
とを特徴とする。本発明における複数の凸部を有する基
体に対応した形状の障壁材料及び蛍光体含有樹脂組成物
からなるパターンを基板上に形成し、焼成する方法とし
ては、例えば、下記に示す〔第1の方法〕、〔第2の方
法〕等が挙げられる。
【0027】〔第1の方法〕とは、複数の凸部を有する
基体の凸部の上面と側面に形成された蛍光体含有樹脂組
成物からなるパターン及び前記蛍光体含有樹脂組成物か
らなるパターンが形成された凸部と凸部の間隙に埋め込
まれた障壁材料を、前記基体の凸部の上面が基板に対向
するようにして前記基板上に積層し、次いで、複数の凸
部を有する基体を除去して基板上に障壁材料からなるパ
ターン及び蛍光体含有樹脂組成物からなるパターンを形
成し、次いで、これらのパターンを焼成する方法であ
る。
【0028】具体的に〔第1の方法〕は、例えば、
(I)複数の凸部を有する基体の凸部の上面と側面に蛍
光体含有樹脂組成物からなるパターンを形成する工程、
(II)前記蛍光体含有樹脂組成物からなるパターンが形
成された凸部と凸部の間隙に障壁材料を埋め込む工程、
(III)凸部の上面が基板に対向するようにして前記基
板に積層する工程、(IV)複数の凸部を有する基体を除
去する工程及び(V)パターンを焼成する工程の各工程
を順次行なうことにより実施することができる。
【0029】〔第2の方法〕とは、複数の凸部を有する
基体で、基板上に障壁材料層を有しその上に前記の複数
の凸部を有する基体の凸部に対応した位置に蛍光体含有
樹脂組成物からなるパターンを形成した基板を、前記基
体の凸部の上面と前記基板の蛍光体を含有する樹脂組成
物層からなるパターンとが対向するようにして圧着し、
次いで、複数の凸部を有する基体を除去して基板上に障
壁材料及び蛍光体含有樹脂組成物からなる凹凸のパター
ンを形成し、次いで、これらのパターンを焼成する方法
である。
【0030】具体的に〔第2の方法〕は、例えば、
(I′)基板上に障壁材料層を積層する工程、(II′)
障壁材料層の上に、蛍光体含有樹脂組成物からなるパタ
ーンを形成する工程、(III′)複数の凸部を有する基
体で、前記基体の凸部の上面と前記基板の蛍光体を含有
する樹脂組成物層からなるパターンとが対向するように
して圧着する工程、(IV)複数の凸部を有する基体を除
去する工程及び(V)パターンを焼成する工程の各工程
を順次行なうことにより実施することができる。
【0031】なお、本発明のプラズマディスプレイ用背
面板の製造法は、カラー表示が可能であるプラズマディ
スプレイパネル用背面板を得るために、前記した方法に
おける蛍光体含有樹脂組成物からなるパターンを、多色
で、規則的に形成することが好ましい。
【0032】以下、本発明の一態様である〔第1の方
法〕及び〔第2の方法〕について、図面を用いて詳述す
る。図1、図2及び図3は、本発明のプラズマディスプ
レイ用背面板の製造法の一例を示した模式図であり、図
1及び図2は前記した〔第1の方法〕であり、図3は前
記した〔第2の方法〕である。
【0033】まず〔第1の方法〕について図1を用いて
説明する。 〔(I)複数の凸部を有する基体の凸部の上面と側面に
蛍光体含有樹脂組成物からなるパターンを形成する工
程〕複数の凸部2を有する基体1を図1(a)に示し
た。図1(a)において、基体1はストライプ状の凸部
2を有しており、図1(a)は、ストライプの長手方向
に垂直な面で切ったときの断面を示している。この凸部
2の形状は、後に、複数の凸部2を有する基体1が除去
された後に形成される放電空間の形状に対応している。
【0034】複数の凸部2の上面及び側面に規則的に多
色の蛍光体含有樹脂組成物からなるパターンを形成した
状態を図1(b)示した。図1(b)において3aは赤
色の蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン、3bは緑
色の蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン3c及び青
色の蛍光体含有樹脂組成物からなるパターンである。多
色の蛍光体パターンは、例えば、赤、緑及び青の蛍光体
を、それぞれ一色ずつ含有する感光性樹脂組成物を使用
して一色毎に順次形成することができる。また、赤、緑
及び青の蛍光体を、それぞれ一色ずつ含有する樹脂組成
物を使用して複数の吹き出しノズルを備えたディスペン
サーを適用することにより三色併せて形成することもで
きる。
【0035】複数の凸部2の上面及び側面に蛍光体含有
樹脂組成物からなるパターンを形成する方法としては、
液状の非感光性の蛍光体含有樹脂組成物を、スクリーン
印刷法、ディスペンサー法(移動可能な少なくとも1個
の吹き出しノズルを備えた装置の前記ノズルから蛍光体
含有樹脂組成物を所定の位置に吹き出すことを特徴とす
る)等を適用して行なうことができるが、位置精度、作
業性等の点から、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物に
フォトリソグラフ法を適用して行うことが好ましい。蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物は、公知の感光性樹脂
組成物に蛍光体を添加して調整できる。このような蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物として、例えば、特開平
9−265906号公報に記載されるものを使用するこ
とができる。
【0036】蛍光体を含有する感光性樹脂組成物へのフ
ォトリソグラフ法の適用において、複数の凸部を有する
基体上に蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を形成す
る方法としては、液状の蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物を、スクリーン印刷法、ディスペンサー法、ロール
コート法等を適用して行なうことができるが、位置精
度、作業性等の点から、支持体及び蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物を有する感光性エレメントを、前記基体
1上に積層することにより行うことが好ましい。
【0037】上記した、支持体及び蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を有する感光性エレメントは、蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物を厚さ5〜100μm程度
の支持体上に塗布、乾燥し、支持体上に蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層(蛍光体含有感光層)を形成する
ことにより製造できる。前記支持体としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等が挙げられ、その中でも、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンが好ましく、ポリ
エチレンテレフタレートがより好ましい。支持体の厚さ
は、5〜300μm程度である。
【0038】このような蛍光体含有感光層を有する感光
性エレメントを用いての蛍光体含有樹脂組成物からなる
パターンの形成は次のようにして行うことができる。前
記感光性エレメントに保護フィルムが存在している場合
には、保護フィルムを除去後、必要に応じて蛍光体含有
感光層を加熱(90〜130℃)しながら複数の凸部を
有する基体1(予熱されていてもよい)上に圧着(1〜
10kgf/cm2)させることにより積層(ラミネート)
し、蛍光体含有感光層上に存在する支持体を剥離してネ
ガフィルム又はポジフィルムを介して活性光露光する
か、あるいは、感光層上に存在する支持体を剥離せずに
ネガフィルム又はポジフィルムを介して活性光露光す
る。活性光としては、例えば、カーボンアーク、水銀蒸
気アーク、キセノンアーク等から発生する光が用いられ
る。
【0039】次いで、露光後、蛍光体含有感光層上に支
持体等が存在している場合には、これを除去した後、ア
ルカリ水溶液等を用いて、例えば、スプレー、揺動浸
漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知方法により
未露光部を除去し現像して、複数の凸部を有する基体の
所定の位置(前記凸部の上面及び側面)に蛍光体含有樹
脂組成物からなるパターンを形成することができる。
【0040】〔(II)前記蛍光体含有樹脂組成物からな
るパターンが形成された凸部と凸部の間隙に障壁材料を
埋め込む工程〕前記蛍光体含有樹脂組成物からなるパタ
ーン3a、3b、3cが形成された凸部2と凸部2の間
隙に障壁材料を埋め込んだ後の状態を図1(c)に示し
た。蛍光体含有樹脂組成物からなるパターンが形成され
た凸部と凸部の間隙に障壁材料を埋め込む方法として
は、スクリーン、スキージー等を使用して行うことがで
きる。この際、障壁材料が有機溶剤を含む場合は、埋め
込んだ後、加熱して有機溶剤を除去することができ、こ
の埋め込み、加熱を繰り返し行うことができる。この障
壁材料が熱又は光硬化性である場合は、焼成前のいずれ
かの時点で加熱又は光照射して硬化させることもでき
る。
【0041】〔(III)凸部の上面が基板に対向するよ
うにして前記基板に積層する工程〕前記蛍光体含有樹脂
組成物からなるパターン3a、3b、3cが形成された
凸部2と凸部2の間隙に障壁材料を埋め込んだ後、これ
を凸部2の上面が基板5に対向するようにして配置した
状態を図1(d)に示した。図1(d)の状態で凸部2
の上面及び側面に規則的に形成された多色の蛍光体含有
樹脂組成物からなるパターン3a、3b、3cと埋め込
まれた障壁材料4を有する基体1を予め電極6及び誘電
体層7が形成された基板5に積層した状態を図1(e)
に示した。
【0042】蛍光体含有樹脂組成物からなるパターンが
形成された凸部2と凸部2の間隙に障壁材料4が埋め込
まれた複数の凸部を有する基体1(図1(c)の状態)
を、凸部2の上面が基板5に対向するようにして(図1
(d)及び図1(e)のようにして)前記基板5に積層
する。なお、前記基板5上に電極6が形成されている場
合は、複数の凸部を有する基体1の凸部2の上面が電極
6と重なるように位置あわせして積層し、凸部2と凸部
2の間隙に埋め込まれた障壁材料4が電極6と電極6の
間に配置されるようにすることが好ましい。
【0043】〔(IV)複数の凸部を有する基体を除去す
る工程〕図1(e)の状態から複数の凸部2を有する基
体1を除去して基板5上に障壁材料からなるパターン
4′及び蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン3a、
3b、3cを形成した状態を図1(f)に示した。複数
の凸部を有する基体1を除去する方法としては、例え
ば、鉤型の治具等を用いて物理的に複数の凸部を有する
基体を剥がす方法などが挙げられる。また、作業性の向
上を目的に、静電気、吸引等の力を利用して、複数の凸
部を有する基体1を除去する方法などを使用することも
できる。
【0044】また、複数の凸部を有する基体1の除去を
円滑にする点から、障壁材料からなるパターン4′及び
蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン3a、3b、3
cを形成するのに先立って、複数の凸部を有する基体1
の表面に離型剤を塗布してもよい。
【0045】また、複数の凸部を有する基体1と、蛍光
体含有樹脂組成物からなるパターン3a、3b、3c、
障壁材料からなるパターン4′、電極6、誘電体層7及
び基板1からなる群から選ばれる1個以上との、そのい
ずれか一方又は両方を収縮させ、複数の凸部を有する基
体1と、蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン3a、
3b、3c及び障壁材料からなるパターン4′との間に
微小間隙ができるようにし、複数の凸部を有する基体1
の除去を円滑にすることもできる。
【0046】また、複数の凸部を有する基体1が、ネガ
型の感光性樹脂にフォトリソグラフ法を適用して作成さ
れている場合、複数の凸部を有する基体1の除去前に、
複数の凸部を有する基体1に活性光線を照射し更に光硬
化を進めて光硬化収縮を起こし、上述の微小間隙ができ
るようにし、複数の凸部を有する基体1の除去を円滑に
することもできる。
【0047】また、複数の凸部を有する基体1が、ポジ
型の感光性樹脂にフォトリソグラフ法を適用して作成さ
れている場合、複数の凸部を有する基体1の除去前に、
複数の凸部を有する基体1に、活性光線を照射し、薬液
(アルカリ水溶液等)への溶解性を増大させることによ
り、蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン3a、3
b、3cを損傷することなく、複数の凸部を有する基体
1の薬液による除去を円滑にすることもできる。
【0048】また、複数の凸部を有する基体1を、可撓
性の優れるもの、例えば、エチレン/エチルアクリレー
ト共重合体等の熱可塑性樹脂から構成されるものとし
て、複数の凸部を有する基体1の除去を円滑にすること
もできる。
【0049】また、複数の凸部を有する基体1を除去し
た後、障壁材料4及び蛍光体含有樹脂組成物からなるパ
ターン3a、3b、3cの形状を維持することを目的
に、加熱を行うこともできる。
【0050】〔(V)パターンを焼成する工程〕図1
(f)の状態で、これらのパターンを焼成して基板5上
に障壁4″及び蛍光体パターン3a′、3b′、3c′
を形成したプラズマディスプレイ用背面板の状態を図1
(g)に示した。障壁材料からなるパターン4′及び蛍
光体含有樹脂組成物からなるパターン3a、3b、3c
を焼成して樹脂等の有機物を焼失させ障壁4″及び蛍光
体パターン3a′、3b′、3c′を基板5上に形成す
ることによりプラズマディスプレイ用背面板が得られ
る。この焼成の温度と時間は、350〜580℃、1〜
20時間程度である。
【0051】この図1により説明した製造法によれば障
壁材料からなるパターン4′及び蛍光体含有樹脂組成物
からなるパターン3a、3b、3cを一括焼成するの
で、別々に焼成した場合(まず、障壁材料からなるパタ
ーンを焼成し、次いで蛍光体含有樹脂組成物からなるパ
ターンを焼成する)に比較して、省エネルギー効果が高
く、障壁材料からなるパターン4′の焼成時の収縮を考
慮する必要がなく、位置あわせが容易で、高い寸法精度
を実現でき、生産性も高い。
【0052】なお、上記においては、図1(d)で予め
誘電体層7が形成された基板が使用されているが、この
段階で電極6を有する基板5(誘電体層は形成されてい
ない)を使用し、この基板5に誘電体層用ペースト(例
えば、酸化鉛、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化カル
シウム等の無機粉末70〜97重量%及びアクリル系樹
脂、セルロース系樹脂等のバインダ樹脂3〜30重量%
からなる組成物100重量部に有機溶剤10〜400部
添加したもの等)を塗布、乾燥して誘電体層用ペースト
の層を形成し、その後は上記で説明したのと同様に行
い、最終的に行う焼成時に誘電体層用ペーストの層を焼
成し、誘電体層7としてプラズマディスプレイ用背面板
を得ることもできる。
【0053】また、電極6を有する基板5(誘電体層は
形成されていない)に誘電体層用ペーストを塗布、乾燥
する代わりに、蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン
3a、3b、3c及び埋め込まれた障壁材料4の上に誘
電体層用ペーストを塗布、乾燥しても同様にプラズマデ
ィスプレイ用背面板を得ることができる。これらの誘電
体層用ペーストを使用する方法は、より省エネルギー効
果が高い。
【0054】また、図1で示した〔第1の方法〕とは別
に、誘電体層7と障壁4″の機能及び構成材料が類似し
ていることに着目したプラズマディスプレイ用背面板の
製造法を、他の〔第1の方法〕として図2に示した。こ
の図2で示される製造法の特徴は、図2(c)にあり、
図1(c)におけるより障壁材料4を余分に使用し、蛍
光体含有樹脂組成物からなるパターン3a、3b、3c
が形成された凸部2と凸部2の間隙だけに障壁材料4を
埋め込むのにとどまらず凸部2上面部分の蛍光体含有樹
脂組成物からなるパターンも覆うように障壁材料4を塗
布することである。
【0055】図2(d)、図2(e)、図2(f)及び
図2(g)の状態を達成するための操作は、図1
(d)、図1(e)、図2(f)及び図1(g)の状態
を達成するための操作と同様であるが、図2(c)で凸
部2上面部分の蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン
も覆うように塗布された障壁材料4が、最終的に誘電体
層としての役割を果たすため、図2(d)では基板5は
電極6のみを有している。図2(f)に示されるように
複数の凸部2を有する基体1を除去した後、障壁材料か
らなるパターン4′及び蛍光体含有樹脂組成物からなる
パターン3a、3b、3cを焼成することによりプラズ
マディスプレイ用背面板が得られる。この焼成の温度と
時間は、350〜580℃、1〜20時間程度である。
【0056】この図2で示した、他の〔第1の方法〕
は、図1で示した〔第1の方法〕による前記した利点に
加え、誘電体層も一度に形成できるので(通常、誘電体
層は電極の設けられた基板上に誘電体ペーストを塗布、
焼成して形成される)、省エネルギー効果が高く、より
位置あわせが容易でより高い寸法精度を実現でき、より
生産性も高い。
【0057】次に、〔第2の方法〕について図3を用い
て説明する。後に使用する、複数の凸部2を有する基体
1を図3(a)に示した。 〔(I′)基板上に障壁材料の層を積層する工程〕基板
5上に、障壁材料4の層を形成した状態を図3(b)に
示した。基板5上に、障壁材料4の層を形成する方法と
しては、障壁材料4を基板5上に、塗布、乾燥すること
により得られる。前記塗布方法としては、公知の方法を
用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコ
ート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコ
ート法、カーテンコート法、スクリーン印刷法等が挙げ
られる。乾燥方法としては、公知の方法を用いることが
でき、乾燥温度は、60〜130℃とすることが好まし
く、乾燥時間は、3分〜1時間とすることが好ましい。
また、基板5上に障壁材料4を形成する方法として、障
壁材料4を支持体フィルム上に、塗布、乾燥し、基板5
上に障壁材料4の層が接するようにして配置し、圧力を
加えて、基板5上に障壁材料4の層を積層することもで
きる。
【0058】また、障壁材料4の層は、後述する蛍光体
含有樹脂組成物からなるパターンのパターニング性を向
上することを目的に、障壁材料4の層の上面を、凹凸を
有する形状に加工してもよい。凹凸を有する形状に加工
する方法としては、凹凸を有する基材を圧着した後、こ
の凹凸を有する基材を除去する方法が挙げられる。この
ような凹凸を有する基材の材質としては、特に制限はな
く、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リ塩化ビニル、テフロン、ステンレス等の金属等が挙げ
られる。また、凹凸を有する基材を除去する方法として
は、例えば鉤型の治具等を用いて物理的に凹凸を有する
基材を剥す方法などが挙げられる。
【0059】〔(II′)障壁材料の層の上に、蛍光体含
有樹脂組成物からなるパターンを形成する工程〕基板5
上に形成した障壁材料4の層の上に、規則的に多色の蛍
光体含有樹脂組成物からなるパターン3a、3b、3c
を形成した状態を図3(c)示した。障壁材料4の層上
に蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン3a、3b、
3cを形成する方法としては、基板5上に積層した障壁
材料4の層上に、蛍光体含有樹脂組成物を塗布、乾燥す
ることにより得られる。前記塗布方法としては、公知の
方法を用いることができ、例えば、スクリーン印刷法、
ディスペンサを用いる方法等が挙げられる。乾燥方法と
しては、公知の方法を用いることができ、乾燥温度は、
60〜130℃とすることが好ましく、乾燥時間は、3
分〜1時間とすることが好ましい。
【0060】多色の蛍光体含有樹脂組成物からなるパタ
ーンを形成するためには、赤、緑、青の蛍光体含有樹脂
組成物を障壁材料4の層上に、順次塗布、乾燥する操作
を繰り返すことにより得られる。また、障壁材料4の層
が凹凸を有する形状である場合には、その凹部に前記蛍
光体含有樹脂組成物を選択的に塗布することが、蛍光体
含有樹脂組成物層の混色を防止できる点で好ましい。こ
のようにして、基板5上に、障壁材料4の層を有し、そ
の上に、前記の複数の凸部を有する基体1の凸部2に対
応した位置に蛍光体含有樹脂組成物のパターン3a、3
b、3cが規則的に形成することができる。
【0061】〔(III′)複数の凸部を有する基体で、
前記基体の凸部の上面と前記基板の蛍光体を含有する樹
脂組成物層からなるパターンとが対向するようにして圧
着する工程〕複数の凸部を有する基体1の凸部2の上面
が、前記蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン3a、
3b、3cが形成された面と対向するようにして配置し
た状態を図3(d)に示した。図3(d)の状態で、複
数の凸部を有する基体1を圧着した状態を図3(e)に
示した。
【0062】圧着する方法としては、圧着ロールで圧着
する方法、プレス機で圧着する方法等が挙げられる。圧
着ロールで圧着させる方法において、圧着ロールは、加
熱圧着できるように加熱手段を備えたものであってもよ
く、加熱圧着する場合の加熱温度は、0〜150℃とす
ることが好ましく、20〜135℃とすることがより好
ましく、30〜130℃とすることが特に好ましい。こ
の加熱温度が、0℃未満では、障壁材料層及び蛍光体を
含有する樹脂組成物層の凹凸形状の形成性が低下する傾
向があり、150℃を超えると、蛍光体を含有する樹脂
組成物層と複数の凸部を有する基体との密着力が増大
し、蛍光体を含有する樹脂組成物層から複数の凸部を有
する基体を除去しにくくなる傾向がある。
【0063】また、圧着時の圧着圧力は、線圧で50〜
1×105N/mとすることが好ましく、2.5×102
5×104N/mとすることがより好ましく、5×102
4×104N/mとすることが特に好ましい。この圧着圧力
が、50N/m未満では、障壁材料層及び蛍光体を含有す
る樹脂組成物層の凹凸形状の形成性が低下する傾向があ
り、1×105N/mを超えると、基板が破損する傾向があ
る。また、凹凸形状の形成性をさらに向上させる点か
ら、5×104Pa以下の減圧下で、上記した圧着及び加
熱圧着の操作を行うこともできる。なお、圧着の際、複
数の凸部を有する基体1を圧着して形成された、障壁材
料及び蛍光体含有樹脂組成物層の凹部には、単色の蛍光
体含有樹脂組成物層を形成できるように、複数の凸部を
有する基体1を位置決めして圧着する必要がある。
【0064】プレス機で圧着させる方法において、プレ
ス機は、加熱圧着できるように加熱手段を備えたもので
あってもよく、加熱圧着する場合の加熱温度は、0〜1
50℃とすることが好ましく、20〜135℃とするこ
とがより好ましく、30〜130℃とすることが特に好
ましい。この加熱温度が、0℃未満では、障壁材料層及
び蛍光体を含有する樹脂組成物層の凹凸形状の形成性が
低下する傾向があり、150℃を超えると、蛍光体を含
有する樹脂組成物層と複数の凸部を有する基体との密着
力が増大し、蛍光体を含有する樹脂組成物層から複数の
凸部を有する基体を除去しにくくなる傾向がある。
【0065】また、圧着時の圧着圧力は、2×105
1×107Paとすることが好ましく、3×105〜8×1
6Paとすることがより好ましく、5×105〜5×10
6Paとすることが特に好ましい。この圧着圧力が、2×
105〜1×107Pa未満では、障壁材料層及び蛍光体を
含有する樹脂組成物層の凹凸形状の形成性が低下する傾
向があり、1×107Paを超えると、基板が破損する傾
向がある。また、凹凸形状の形成性をさらに向上させる
点から、5×104Pa以下の減圧下で、上記した圧着及
び加熱圧着の操作を行うこともできる。
【0066】〔(IV)複数の凸部を有する基体を除去す
る工程〕図3(e)の状態から複数の凸部を有する基体
1を除去して基板5上に障壁材料からなるパターン4′
及び蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン3a、3
b、3cを形成した状態を図3(f)に示した。複数の
凸部を有する基体1を除去する方法としては、前記した
〔第1の方法〕と同様にして行なうことができる。ま
た、障壁材料4及び蛍光体含有樹脂組成物からなるパタ
ーンの凹部内面以外に残存した蛍光体含有樹脂組成物か
らなるパターン(不要部)を研磨等により完全に除去す
ることもできる。
【0067】〔(V)パターンを焼成する工程〕図3
(f)の状態で、これらのパターンを焼成して基板5上
に障壁4″及び蛍光体パターン3a′、3b′、3c′
を形成したプラズマディスプレイ用背面板の状態を図3
(g)に示した。焼成する方法としては、前記した〔第
1の方法〕と同様にして行なうことができる。
【0068】前述したこれらの本発明のプラズマディス
プレイ用背面板の製造法は、フィールドエミッションデ
ィスプレイ(FED)、エレクトロルミネッセンスディ
スプレイ(ELD)等の自発光型ディスプレイにも適用
することができる。
【0069】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0070】製造例1 〔凸部としてのレジストパターン形成用の感光性エレメ
ントの調製〕メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/
メタクリル酸共重合体〔組成(重量比)53/30/1
7、重量平均分子量10万〕の41重量部メチルセロソ
ルブ/トルエン(重量比8:2)溶液137g(固形分
55g)、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシペンタ
フェノキシ)フェニル〕プロパン34g、γ−クロロ−
β−ヒドロキシプロピル−β−メタクリロイルオキシエ
チル−o−フタレート11g、2,2′−メチレンビス
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)0.1g、
トリブロモメチルフェニルスルフォン1.2g、シリコ
ーンレベリング剤(SH−193、トーレシリコン株式
会社製)0.04g、1−7−ビス(9−アクリジニ
ル)ヘプタン0.2g、ベンジルメチルケタール3g、
ロイコクリスタルバイオレット1.0g、マラカイトグ
リーン0.05g、トルエン7g、メチルエチルケトン
13g及びメタノール3gを配合し、感光性樹脂組成物
の溶液を得た。
【0071】この感光性樹脂組成物の溶液を50μm厚
のポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に
均一に塗布し、110℃の熱風対流式乾燥機で約10分
間乾燥して感光性フィルムを得た。乾燥後の感光層の膜
厚は75μmであった。次いで、得られた感光性フィル
ム2枚の感光層同士を貼りあわせ、感光層150μmが
厚さ50μmのPETで挟まれた感光性エレメントが得
られた。
【0072】製造例2 〔障壁材料の調製〕表1に示された材料をライカイ機に
投入し15分間混練してペースト状の障壁材料組成物を
得た。
【0073】
【表1】
【0074】製造例3 〔赤色の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物の層を有す
る感光性エレメント(A−1)の作製〕表2に示す材料
を、ライカイ機を用いて15分間混合し、赤色の蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物の溶液を調製した。なお、
以下において、フィルム性付与ポリマの溶液としてはメ
タクリル酸メチル/メタクリル酸n−ブチル/アクリル
酸エチル/メタクリル酸共重合体〔組成(重量比)55
/10/15/20、重量平均分子量8万〕のメチルセ
ロソルブ/トルエン(重量比6:4)の溶液(固形分4
5.5重量%)を用いた。
【0075】
【表2】
【0076】得られた溶液を、50μmの厚さのポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、80
〜110℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤
を除去し、赤色の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物の
層を形成した。得られた赤色の蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物の層の乾燥後の厚さは50μmであった。次
いで、この赤色の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物の
層の上に、厚さが25μmのポリエチレンフィルムをカ
バーフィルムとして張り合わせ、赤色の蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物の層を有する感光性エレメント(A
−1)を得た。
【0077】製造例4 〔緑色の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物の層を有す
る感光性エレメント(A−2)の作製〕表2に示す材料
で(Y,Gd)BO3:Euを、Zn2SiO4:Mn2+
変更した以外は製造例3と同様にして緑色の蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物の層を有する感光性エレメント
(A−2)を作成した。
【0078】製造例5 〔青色の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物の層を有す
る感光性エレメント(A−3)の作製〕表2に示す材料
で(Y,Gd)BO3:Euを、BaMgAl1423:E
2+に変更した以外は製造例3と同様にして青色の蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物の層を有する感光性エレ
メント(A−3)を作成した。
【0079】製造例6 〔熱可塑性樹脂層を有するフィルムの作製〕下記表3に
示す材料からなる樹脂溶液を、20μmの厚さのポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、11
0℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去
し、熱可塑性樹脂層を形成した。得られた熱可塑性樹脂
層の乾燥後の厚さは、60μmであった。
【0080】
【表3】
【0081】次いで、熱可塑性樹脂層の上に、厚さが2
5μmのポリエチレンフィルムをカバーフィルムとして
張り合わせて、熱可塑性樹脂層を含むエレメントを作製
した。
【0082】実施例1 〔複数の凸部を有する基体の製造〕製造例1で得た感光
性エレメントの一方のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上にネガマスクを載置し、3kW高圧水銀灯(HMW
−590、オーク製作所製)で80mJ/cm2の露光を行
い、露光後5分以内に80℃で10分間加熱した。次い
で、ネガマスクを載置したのと反対側のポリエチレンテ
レフタレートフィルムを剥がした後、30℃、1重量%
炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像を行った。さら
に、1重量%クエン酸水溶液(20℃)に2分間浸漬処
理した。浸漬処理後、水洗、水切り、80℃で5分間乾
燥後、7kWメタルハライドランプ(HMW−680、
(株)オーク製作所製)で2000mJ/cm2露光した後、1
50℃で100分加熱した。ポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に形成された凸部としてのストライプ状レ
ジストパターンは、パターンサイズ310×410m
m2、ライン/スペース=150μm/70μm、レジス
ト厚さ150μm厚であった。
【0083】〔(I)複数の凸部を有する基体の凸部の
上面と側面に蛍光体含有樹脂組成物からなるパターンを
形成する工程〕前記で得られたストライプ状レジストパ
ターンに、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物の層が接
するように、製造例3で得られた赤色の蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物の層を有する感光性エレメント(A
−1)のポリエチレンフィルムを剥がしながら、真空ラ
ミネータ(日立化成工業(株)製、商品名VLM−1型)
を用いて、加熱温度が30℃、気圧が4000Pa以下、
圧着圧力が2.5×103N/m(線圧)、基板の送り速度
が0.5m/分で積層した。
【0084】次いで、蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物の層を有する感光性エレメント(A−1)のポリエチ
レンテレフタレートフィルムを剥離し、蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物の層の上に、製造例6で得られた熱
可塑性樹脂層を有するフィルムを、ポリエチレンフィル
ムを剥がしながら、ラミネータ(日立化成工業(株)製、
商品名HLM−3000型)を用いて、加熱温度が11
0℃、圧着圧力が5×103N/m(線圧)、基板の送り速
度が0.5m/分で積層し、蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物の層をストライプ状のレジストパターンの上面
と側面に充分に追従させた。
【0085】次いで、熱可塑性樹脂層を有するフィルム
を除去した後、ストライプ状レジストパターンの3本に
1本の間隔で作成された、レジストパターン幅と同程度
の活性光線透過幅を有するフォトマスクを密着させて、
(株)オーク製作所製、HMW−201GX型露光機を使
用し、100mJ/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0086】次いで、活性光線の照射後、常温で1時間
放置した後、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、
30℃で120秒間スプレー現像し、ストライプ状のレ
ジストパターンの上面及び側面に赤色の蛍光体含有樹脂
組成物からなるパターンを形成した。現像後、80℃で
10分間乾燥し、東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を
使用して、3J/cm2の紫外線照射を行い、さらに、15
0℃で1時間加熱した。
【0087】製造例4で得られた蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物の層を有する感光性エレメント(A−2)
及び製造例5で得られた蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物の層を有する感光性エレメント(A−3)について
もそれぞれ上記と同様にして行ない、ストライプ状レジ
ストパターンの上面及び側面に、赤色、緑色及び青色の
蛍光体を含有する樹脂組成物からなるパターンが規則的
に繰り返された多色の蛍光体含有樹脂組成物からなるパ
ターンを形成した(図2(b)参照)。
【0088】〔(II)前記蛍光体含有樹脂組成物からな
るパターンが形成された凸部と凸部の間隙に障壁材を埋
め込む工程〕製造例2で調製した障壁材料をゴムスキー
ジを使用して均一にその上面及び側面に蛍光体含有樹脂
組成物からなるパターンが形成されたレジストパターン
とレジストパターンの間隙に埋め込んだ。次いで、1分
以内に、5トール以下で3分間の減圧脱泡を行った後、
80℃で30分間乾燥した。その後、さらに、障壁材料
をゴムスキージを使用して多色の蛍光体含有樹脂組成物
からなるパターンを覆うようにして塗布し、80℃で3
0分間乾燥した。次いで、180℃で2時間加熱し、障
壁材料を熱硬化させた(図2(c)参照)。
【0089】〔(III)凸部の上面が基板に対向するよ
うにして前記基板に積層する工程〕ストライプ状に電極
の形成されたガラス基板上に、前記のように多色の蛍光
体含有樹脂組成物からなるパターンが形成されレジスト
パターンとレジストパターンの間隙に障壁材料が埋め込
まれたものをレジストパターンの上面がガラス基板に対
向するようにして(図2(d)参照)、前記ストライプ
状に電極の形成された基板にラミネータを用いて積層し
積層体を得た。ここで、埋め込まれた障壁材料(ストラ
イプ状)がストライプ状の電極間の中央に配置されるよ
うに位置あわせして積層した(図2(e)参照)。
【0090】〔(IV)複数の凸部を有する基体を除去す
る工程〕上記積層体からポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを除去し、40℃の5重量%水酸化ナトリウム水
溶液に浸漬してレジストパターンを剥離して除去した
(図2(f)参照)。
【0091】〔(V)パターンを焼成する工程〕次い
で、水洗、乾燥後、室温から380℃まで昇温速度が3
℃/分で昇温し、380℃で30分間保持、さらに55
0℃まて昇温速度が5℃/分で昇温し、550℃で30
分間保持後、室温まで自然冷却することにより焼成し
て、ストライプ状に電極の形成されたガラス基板上に障
壁及び蛍光体パターンを形成しプラズマディスプレイ用
背面板を得た(図2(g)参照)。
【0092】得られたプラズマディスプレイ用背面板の
断面を電子顕微鏡(SEM)で観察したところストライ
プ状の電極間の中央にストライプ状の障壁が形成されて
おり、極めて高精細、高精度のプラズマディスプレイ用
背面板製造できたことが確認された。
【0093】製造例7 [赤色の蛍光体を含有する樹脂組成物層用溶液(A−
4)の作製]表4に示す材料を、ライカイ機を用いて1
5分間混合し、赤色の蛍光体を含有する樹脂組成物層用
溶液(A−4)を作製した。
【0094】
【表4】
【0095】製造例8 [緑色の蛍光体を含有する樹脂組成物層用溶液(A−
5)の作製]表5に示す材料を、ライカイ機を用いて1
5分間混合し、緑色の蛍光体を含有する樹脂組成物層用
溶液(A−5)を作製した。
【0096】
【表5】
【0097】製造例9 [青色の蛍光体を含有する樹脂組成物層用溶液(A−
6)の作製]表6に示す材料を、ライカイ機を用いて1
5分間混合し、青色の蛍光体を含有する樹脂組成物層用
溶液(A−6)を作製した。
【0098】
【表6】
【0099】実施例2 〔(I′)基板上に障壁材料層を積層する工程〕製造例
2で得られた、障壁材料組成物を、基板上に均一に塗布
し、110℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶
剤を除去し、障壁材料層を形成した(図3(b)参
照)。得られた障壁材料層の厚さは50μmであった。
【0100】〔(II′)障壁材料層の上に蛍光体含有樹
脂組成物からなるパターンを形成する工程〕次いで、障
壁材料層上にディスペンサを用いて赤色の蛍光体を含有
する樹脂組成物層用溶液(A−4)を吐出して幅130
μm、厚さ50μmの赤色の蛍光体を含有する樹脂組成
物層パターンを470μm間隔で形成した。次に、緑色
の蛍光体を含有する樹脂組成物層用溶液(A−5)を用
いて同様の形状の蛍光体パターンを赤の蛍光体を含有す
る樹脂組成物層の隣に70μmの間隔を空けて緑の蛍光
体を含有する樹脂組成物層パターンを形成した。次に、
青色の蛍光体を含有する樹脂組成物層用溶液(A−6)
を用いて、同様の形状の蛍光体を含有する樹脂組成物層
パターンを緑の蛍光体を含有する樹脂組成物層の隣に7
0μmの間隔を空けて青の蛍光体を含有する樹脂組成物
層パターンを形成した(図3(c)参照)。その後、1
30℃の乾燥機で30分間乾燥し溶剤を除去した。
【0101】〔(III′)複数の凸部を有する基体で、
前記基体の凸部の上面と前記基板の蛍光体を含有する樹
脂組成物層からなるパターンとが対向するようにして圧
着する工程〕次いで、ポリカーボネート製の凹凸を有す
る基体(ストライプ状の凹凸、凹凸間の開口幅70μ
m、凸部の幅140μm、凸部の高さ120μm)の凸
部の上面と前記障壁材料層上に、蛍光体を含有する樹脂
組成物層が形成された基板の蛍光体を含有する樹脂組成
物層とが対向するように(図3(d)参照)、ラミネー
タ(日立化成工業(株)製、商品名HLM−3000型)
を使用して、ラミネート温度が70℃、ラミネート速度
が0.5m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)が4×10
5Pa(厚さが3mm、縦10cm×横10cmの基体を用いた
ため、この時の線圧は9.8×103N/m)で圧着した
(図3(e)参照)。
【0102】〔(IV)複数の凸部を有する基体を除去す
る工程〕次いで、凹凸を有する基材を物理的に剥離して
除去した(図3(f)参照)。具体的には、平板に複数
の吸引孔を設けた治具に基板を載置し、吸引して基板を
治具に密着固定させ、一方、凹凸を有する基材に粘着テ
ープを張り付け粘着テープを引っ張って凹凸を有する基
材を剥離除去した。
【0103】〔(V)パターンを焼成する工程〕次に、
450℃で30分間加熱処理(焼成)を行い、不必要な
有機成分を除去し、PDP用背面板を作製した(図3
(g)参照)。
【0104】得られたバリアリブ及び蛍光体パターンの
断面を、実体顕微鏡及びSEMにより目視にて観察し、
バリアリブ及び蛍光体パターンの形成状況を評価した結
果、バリアリブは良好な形状で形成され、蛍光体パター
ンはバリアリブ壁面及び基板底面上に均一に形成されて
いることが確認できた。
【0105】
【発明の効果】請求項1記載のプラズマディスプレイパ
ネル用背面板の製造法は、作業性よく、低エネルギー
で、寸法精度に優れたプラズマディスプレイパネル用背
面板を、歩留まりよく作製できる。請求項2記載のプラ
ズマディスプレイパネル用背面板の製造法は、低エネル
ギーで、寸法精度に極めて優れたプラズマディスプレイ
パネル用背面板を、歩留まりよく作製できる。請求項3
記載のプラズマディスプレイパネル用背面板の製造法
は、極めて作業性よく、低エネルギーで、寸法精度に優
れたプラズマディスプレイパネル用背面板を、歩留まり
よく作製できる。請求項4記載のプラズマディスプレイ
パネル用背面板の製造法は、請求項1、2及び3記載の
プラズマディスプレイパネル用背面板の製造法の効果を
奏し、カラー表示が可能であるプラズマディスプレイパ
ネル用背面板が作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマディスプレイパネル用背面板
の製造法の一例を示した模式図である。
【図2】本発明のプラズマディスプレイパネル用背面板
製造の別の一例を示した模式図である。
【図3】本発明のプラズマディスプレイパネル用背面板
製造の別の一例を示した模式図である。
【符号の説明】
1 …複数の凸部を有する基体 2 …凸部 3a …赤色の蛍光体を含有する樹脂組成物からなるパ
ターン 3a′…焼成後の赤色の蛍光体パターン 3b …緑色の蛍光体を含有する樹脂組成物からなるパ
ターン 3b′…焼成後の緑色の蛍光体パターン 3c …青色の蛍光体を含有する樹脂組成物からなるパ
ターン 3c′…焼成後の青色の蛍光体パターン 4 …障壁材料 4′ …障壁材料からなるパターン 4″ …障壁 5 …基板 6 …電極 7 …誘電体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09K 11/08 C09K 11/08 J 5C040 (72)発明者 佐藤 和也 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 川上 広幸 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 島村 真理子 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 村松 有紀子 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 田井 誠司 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 堀部 芳幸 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 樫村 鉄也 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 木村 直紀 東京都足立区西新井本町5−3−12 至誠 寮4−1 Fターム(参考) 2H025 AA00 AB11 AB17 AC01 AD01 BC32 BC42 CA01 CA20 CA28 CB13 CB14 CC11 CC20 FA03 FA17 FA29 4F100 AK01B AR00C AS00B AT00A BA03 BA05 DD09B EC072 EJ482 GB90 JL04 JN17 JN17C 4H001 CA01 XA05 XA08 XA12 XA13 XA14 XA15 XA16 XA17 XA20 XA23 XA30 XA38 XA39 XA48 XA56 XA57 XA64 YA13 YA17 YA25 YA29 YA30 YA31 YA47 YA58 YA63 YA65 5C027 AA01 AA09 AA10 5C028 FF16 HH14 5C040 FA01 GA03 GB02 GF01 GF19 GG09 JA13 JA15 JA19 JA20 MA23 MA24 MA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の凸部を有する基体を用いて、この
    基体に対応した形状の障壁材料及び蛍光体含有樹脂組成
    物からなるパターンを基板上に形成し、次いで、焼成す
    ることを特徴とするプラズマディスプレイ用背面板の製
    造法。
  2. 【請求項2】 複数の凸部を有する基体の凸部の上面と
    側面に形成された蛍光体含有樹脂組成物からなるパター
    ン及び前記蛍光体含有樹脂組成物からなるパターンが形
    成された凸部と凸部の間隙に埋め込まれた障壁材料を、
    前記基体の凸部の上面が基板に対向するようにして前記
    基板上に積層し、次いで、複数の凸部を有する基体を除
    去して基板上に障壁材料からなるパターン及び蛍光体含
    有樹脂組成物からなるパターンを形成し、次いで、これ
    らのパターンを焼成することを特徴とするプラズマディ
    スプレイ用背面板の製造法。
  3. 【請求項3】 複数の凸部を有する基体で、基板上に障
    壁材料層を有しその上に前記の複数の凸部を有する基体
    の凸部に対応した位置に蛍光体含有樹脂組成物からなる
    パターンを形成した基板を、前記基体の凸部の上面と前
    記基板の蛍光体を含有する樹脂組成物層からなるパター
    ンとが対向するようにして圧着し、次いで、複数の凸部
    を有する基体を除去して基板上に障壁材料及び蛍光体含
    有樹脂組成物からなる凹凸のパターンを形成し、次い
    で、これらのパターンを焼成することを特徴とするプラ
    ズマディスプレイ用背面板の製造法。
  4. 【請求項4】 蛍光体含有樹脂組成物からなるパターン
    が、多色で、規則的に形成されてなる請求項1、2又は
    3記載のプラズマディスプレイパネル用背面板の製造
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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