JP2004087417A - 蛍光体転写フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】既形成画素による剥離界面形状の変化に係わらず、感光性蛍光体層とクッション層間で安定した剥離性を得る。
【解決手段】裏面に帯電防止層7を有する支持体6とカバーフィルム1との間に感光性蛍光体層3と感光性接着層2とを有し、かつ感光性蛍光体層3と支持体6との間に熱可塑性樹脂からなるクッション層5を設け、さらに感光性蛍光体層3とクッション層5との間に熱硬化性樹脂を含む離型層4を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】裏面に帯電防止層7を有する支持体6とカバーフィルム1との間に感光性蛍光体層3と感光性接着層2とを有し、かつ感光性蛍光体層3と支持体6との間に熱可塑性樹脂からなるクッション層5を設け、さらに感光性蛍光体層3とクッション層5との間に熱硬化性樹脂を含む離型層4を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蛍光体を表示媒体としたディスプレイにおいて、その製造工程において使用される蛍光体転写フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蛍光体を表示媒体としたディスプレイは、陰極線管(CRT)を代表として、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などがある。これらのディスプレイは蛍光体の自発光色によりカラー表示が行われる方式であるため、各方式に適合した蛍光体が選択され使用されているが、蛍光体画素のパターン精度や蛍光体密度などの画素状態が表示性能、品質に大きく影響する。また蛍光体画素の形成方法がディスプレイ価格に影響するため、製造方法も重要である。
【0003】
蛍光体層の形成方法については、CRTの場合、特開昭63−279539号、特開平6―89660号、特開平10−273653号などの公報に開示されているようにポリビニルアルコール―重クロム酸アンモニウム(PVA―ADC)系感光剤、あるいはポリビニルアルコール―重クロム酸ナトリウム(PVA―SDC)系感光剤に赤、緑、青に発光する各色発光の蛍光体を分散させて作製したスラリーを一種類づつ直接ガラス基板上に全面塗布し、乾燥後パターニング(露光・現像・乾燥)を繰り返すことにより蛍光体画素を形成している。またPDP、FEDの場合では、ポリビニルアルコールやアクリル系樹脂などに赤、緑、青に発光する各色蛍光体を分散させたペーストをそれぞれスクリーン印刷により付与して蛍光体画素を形成している。
【0004】
蛍光体スラリーを使用する場合、特開平10−273653号公報に開示されているように品質的に他色画素上への蛍光体残り(地汚れ)が発生することがあり大きな問題となる。これは地汚れ部の画素を発光させた場合に、地汚れした他色蛍光体も同時に発光するため、その画素は混色で発光する(色純度が低下)。その結果、蛍光面に形成される画像に色滲み等を引き起こし、クリアな画像が得られない。
蛍光体ペーストを使用するスクリーン印刷法では、印刷精度(位置精度、形状精度、膜厚精度)が悪く、蛍光体画素厚みの不均一性や、他色画素への蛍光体ペーストによる汚染で発色特性が悪化するという大きな問題がある。
【0005】
蛍光体を使用したディスプレイの蛍光面の作製方法は、上述のような蛍光体スラリーを使用するスラリー法や蛍光体ペーストを使用するスクリーン印刷法が一般的に使用されている。これら蛍光面の製造工程においては、他色画素の汚染以外にも画素エッヂの直線性の悪化、欠けの発生、そしてゴミ、異物の混入による欠陥が発生する問題がある。
【0006】
さらにCRTの蛍光体塗布は、特開平5―101775号公報に開示されているようにスラリーをパネルガラス内に注入した後、回転塗布を行うため塗布厚を均一にすることが難しく、被着体毎で、または画素毎においても蛍光体塗布厚が不均一になりやすい。そのため連続生産において蛍光体塗布厚のバラツキが直接ディスプレイ画像の品質を悪化させる原因になっていた。
またスラリー法では製造装置自体が大型で高価であるばかりでなく、製造工程が非常に繁雑になってしまうため、製造コストが高くなるという問題を抱えている。
【0007】
これらの問題を解決する方法として、それぞれのディスプレイの特性、蛍光体の特性に合わせて、最適厚で付与した蛍光体転写フィルムを使用する方法(転写法)が特開2001−43796号及び特開2001−202884号の各公報に提案されている。転写法ではプラスチックフィルムなどの支持体上に予め均一膜厚の蛍光体層を形成することができるのでスラリー法の課題であった蛍光体塗布厚のバラツキを防止し、かつスラリー塗布のための装置に代わって小型の転写装置を使用することにより工程の簡略化、蛍光面の性能向上、そして低製造コスト化が達成できる。
【0008】
蛍光体を使用したカラーディスプレイを転写法で製造する場合に使用される蛍光体転写フィルムは、感光性接着層と感光性蛍光体層を支持体とカバーフィルムの間に有し、かつ該蛍光体層と該支持体の間にクッション層を設けた構成である。構成中のクッション層の機能は被着体となるガラスなどへの感光性接着層及び感光性蛍光体層の転写を補助する働きを持っている。
しかしながら、被着体面に各色の蛍光体転写フィルム順次転写する場合、2色目以降は既に蛍光体画素が形成されている被着体面へ順次感光性接着層及び感光性蛍光体層を転写する工程で、クッション層と該蛍光体層の間の剥離界面は凸凹になる。この場合、支持体の剥離力が重くなったりスムーズな剥離性が得にくくなるため、必要な蛍光体層が支持体側に取られたり、被着体上にうまく接着しないなどの転写不良が発生して蛍光面を作製する上で大きな問題になることがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、感光性蛍光体層とクッション層の間の界面が凸凹であっても、支持体を安定して剥離できるように該蛍光体層とクッション層間の剥離性を改善することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、熱硬化性樹脂などを含む離型層を感光性蛍光体層とクッション層の間に設けることにより上記課題を解決することができるという知見を得、これに基づいて本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明の蛍光体転写フィルムは、支持体上に少なくとも1層の感光性蛍光体層と感光性接着層とを有し、かつ該感光性蛍光体層と該支持体との間に熱可塑性樹脂からなるクッション層を設けた構成であって、さらに該感光性蛍光体層とクッション層との間に離型層を設けた。
前記離型層の厚みは0.1〜2.0μmであることが望ましい。
前記離型層中にはメラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂及びアクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。
前記感光性蛍光体層と離型層との間の剥離力は3〜50g/50mm幅となるように調整される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の蛍光体転写フィルムの一実施形態の構成を示す。図1に示すとおり、蛍光体転写フィルムは、感光性接着層2と感光性蛍光体層3を支持体6とカバーフィルム1との間に有し、かつ該感光性蛍光体層3と該支持体6の間にクッション層5を設けた構成であって、さらに感光性蛍光体層3とクッション層5との間に本発明の離型層4を設けている。なお、支持体6の裏面には帯電防止層7を有している。
以下に図1に示される各層について説明する。
【0013】
1のカバーフィルムは従来公知のプラスチックフィルムが利用できる。例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、トリアセテート等があげられる。特に機械強度に強く、熱安定性に優れたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、または安価で離型性に優れたポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)が好ましい。カバーフィルムの厚さは特に制限はないが、75μm厚以下が好ましい。これは転写フィルムの製品形態、つまりロール状製品に仕上げる時、カバーフィルムが75μmを越える厚さのフィルムの場合では転写フィルムの剛度が高くなるため、ロール仕上げや既定幅へのスリット作業でカバーフィルムと接着層の間に空気が入るようなカバーフィルムの浮きが発生したり、単位長さあたりの製品重量が重くなり長尺巻き取り製品を製造しにくい、製造コストが高くなるなどの弊害が予想されるためである。
【0014】
また、カバーフィルムの基材と感光性接着層との剥離性をより安定させるには離型層を設けることが好ましい。離型層に用いる樹脂としては、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、あるいはこれらとの共重合物、混合物等が挙げられる。離型層の塗工厚は特に限定されるものではないが、0.5〜5.0μmの塗工厚が好ましい。
ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などのように剥離性を有する基材を使用する場合には離型層を付与する必要はない。
【0015】
2の感光性接着層は粘着剤、あるいはヒートシール剤と称される部類に属する一般的な樹脂、及び/又はこれらの樹脂に水溶性感光性樹脂を併用したものである。
粘着剤としては一般に公知であるエマルジョン型、溶剤型、及びホットメルト型の各粘着剤、及び水溶性タイプやUV架橋タイプなどを使用することができる。ヒートシール剤も一般に公知のエマルジョン型や溶剤型の樹脂を使用することができる。
本発明に適した感光性接着層を形成するためには、感光性接着層に含まれる少なくとも1つ以上の樹脂成分のガラス転移温度(Tg)が0℃以下であることが好ましい。
また感光性樹脂については、一般に公知な材料系が使用でき、配合比も材料の性能に応じて任意に決めることができる。該接着層は活性光線への暴露がなければ容易に水に溶解させることができる組成である。
【0016】
3の感光性蛍光体層に用いられる蛍光体はディスプレイの種類によって異なるが、CRT用の蛍光体としては、青色発光蛍光体としては銀および塩素付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag / ZnS:Ag,Cl)、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag,Al)が、緑色発色蛍光体としては銅およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Al)、銅、金およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Au,Al)、マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体(Zn2SiO4:Mn)が、赤色発色蛍光体としてはユーロピウム及びサマリウム付活酸硫化イットリウム蛍光体(Y2O2S:Eu / Y2O2S:Eu,Sm)マンガン付活燐酸亜鉛蛍光体(Zn3(PO4)2:Mn)等を使用することができる。
また、PDP用の蛍光体として、青色発光蛍光体としてはBaMgAl14O23:Eu、BaMgAl10O17:Eu、緑色発光蛍光体としてはBaAl12O19:Mn、Zn2SiO4:Mn、(Ba,Sr,Mg)O・aAl2O3:Mn、赤色発光蛍光体としては(Y,Gd)BO3:Eu等を使用することができる。
さらに、FED用の蛍光体として、ZnGa2O4、SrTiO3:Pr等を使用することができる。
【0017】
感光性接着層及び感光性蛍光体層に使用される感光性樹脂は紫外線又は可視光等で露光した前後で水に対する溶解度が変化する樹脂であれば何を用いても良い。非感光性水溶性樹脂に感光剤を混合しても良いし、樹脂分子中に感光性の官能基が存在してもかまわない。
【0018】
水溶性感光性樹脂は一般に知られているものを使用することができる。特にスチルバゾリウム基、及びスチルキノリニウム基、または5−(4−アジド−2−スルホベンジリデン)−3−(4,4’−ジメトキシブチル)ローダニンナトリウム塩のようなアジド基含有官能基から選ばれた少なくとも1種を感光性成分付加基とした変成ポりビニルアルコールが好ましい。特に水溶性感光性樹脂として5−(4−アジド−2−スルホベンジリデン)−3−(4,4’−ジメトキシブチル)ローダニンナトリウム塩を付加させた変成ポリビニルアルコールが好ましく、さらにポリビニルピロリドンを併用すると形成される蛍光体画素のエッジがシャープになるのでさらに良い。
【0019】
なお、感光性蛍光体層の組成に合わせて感光性接着層の材料を選定する必要がある。つまり、感光性接着層は被着体への接着性は当然有しながら、感光性蛍光体層との密着性が良く、該蛍光体層及び該接着層への露光、現像によるパターン形成時に非画像部に残さが発生しない材料が好ましい。また、塗工厚は材料によって最適化が必要であるが、ディスプレイの製造においては該接着層の厚みは0.5〜3μmが好ましく、塗工厚みが0.5μmより薄い場合、被着体への接着性が低下するため感光性蛍光体層の転写性悪化を引き起こす場合が多い。一方、該接着層の厚みが3μmより厚くなるとパターン形成が可能であっても、CRT製造の場合、焼成工程において蛍光体パターンが剥がれ落ちてしまうことがある。従って、この塗工量範囲で充分な性能が得られない材料はこの用途には好ましくない。
【0020】
感光性蛍光体層中の蛍光体と感光性樹脂との混合比率は蛍光体/感光性樹脂=97〜80重量%/3〜20重量%が好ましい。これ以上蛍光体比率が高いと光硬化後の層強度が弱くなり、現像で画素表面の削れや画素のエッヂの直線性が劣ることがある。感光性蛍光体層の厚みは使用する蛍光体粒子の平均粒径にもよるが、3.0〜30μmの範囲で調整することが可能である。
【0021】
5はクッション層であり、特開2001−43796に示されるような蛍光体転写フィルムの使用法で被着体に形成された蛍光体パターンの上に転写する際、パターン間へ感光性接着層及び感光性蛍光体層を確実に埋め込み転写するために必要である。蛍光体パターンの厚みは通常3〜30μmであるため、パターン間に確実に感光性接着層及び感光性蛍光体層を転写するには、その材料特性にもよるがクッション層の厚みが蛍光体パターン厚みのおよそ2〜4倍は必要である。クッション層の厚みが蛍光体パターンの厚みに対してこれよりも低い比率となると、パターン間に確実に転写することが困難となり、パターンの底辺部、即ち被着体面と被着面から立ち上がる蛍光体パターンの側面の間に空気溜まり(テンティング)が発生して転写不良となりやすい。クッション層の厚みが100μmを越えると用いる樹脂の熱伝導度にもよるが、転写作業の際に熱ロールからの熱伝導速度が低下するため、クッション層を充分軟化できず、既形成蛍光体パターン間に新たな感光性接着層及び感光性蛍光体層を埋め込むように転写することが難しくなる。
【0022】
クッション層の材料としては、熱可塑性の樹脂が好ましく、例えばアクリル酸エステル共重合体、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、スチレンとイソプレン、あるいはブタジエンの共重合体、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂を単独で、あるいは適当な配合で混合したり、適当な組み合わせで積層させて使用することができる。また必要であれば、可塑剤を添加しても良い。
【0023】
6は支持体である。支持体としては、カバーフィルムの説明で示したのと同様な従来公知のプラスチックフィルムが利用できる。支持体の厚さは特に制限はないが、25〜150μm厚が適当である。25μmより薄いと作業性が悪化し、帯電防止層、クッション層付与時にカールが顕著に発生するため好ましくない。150μmより厚いと、ロール状製品が製造しづらくなるばかりでなく、被着体への転写作業において熱ロールによって蛍光体転写フィルムと被着体を熱圧着する際、感光性接着層への熱伝導速度が低下するため、熱ロール温度を高くするか、転写速度を低くする、あるいは被着体を十分に熱するなどの措置をしないと良好な転写が得られなくなる。これは作業性、経済性の観点から好ましくないので支持体の厚みはできるだけ薄い方が良い。特に好ましくは、40〜50μmの厚みが支持体として適している。
【0024】
なお、剥離帯電によるゴミの混入防止のために、帯電防止層7を付与している。プラスチックフィルムの表面抵抗値はJIS K6911で規定されている測定法により106 〜 9Ω/□となることが好ましい。このため、帯電防止処理フィルムを使用するか、あるいは7の帯電防止層を予め付与したフィルムを使用することが好ましい。
【0025】
4は離型層である。離型層の材質としてはメラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂及びアクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。特にアクリルメラミン樹脂にステアリン酸付加物を付加させた樹脂が剥離力の調整が容易であるので好ましい。剥離力は、離型層そのものの組成及び離型層上にコーティングする組成物の組成や、各コーティング層の乾燥条件等により任意の値とすることができるが、本発明の場合は感光性蛍光体層と離型層の剥離力として一定の範囲が必要である。剥離力を調整するために、熱可塑性樹脂を配合してもよい。
【0026】
ここで、図1の蛍光体転写フィルムの構成をもとに被着体への感光性蛍光体層と感光性接着層の転写工程を説明する。まず、カバーフィルム1を感光性接着層2との間で剥離して感光性接着層2を露出する。次いで該感光性接着層2を被着体(ガラス)に加熱及び加圧して接着させた後、感光性蛍光体層3とクッション層5の間で該クッション層5と共に支持体6を剥離する。この段階で感光性蛍光体層3及び感光性接着層2のみが被着体へ転写される。
【0027】
ところで、本発明の蛍光体転写フィルムは、カラーディスプレイを作製する上で必要な色ごとに用意する必要があり、例えば、CRTの場合には電子線で励起して赤色、青色及び緑色に発光する蛍光体をそれぞれ含む3枚の転写フィルムが必要となる。そして、被着体となるパネルガラス上に1色ずつ感光性接着層と感光性蛍光体層を転写し、高圧水銀灯などを光源とする活性光線でのパターン露光、水による現像、乾燥の操作により蛍光体画素を形成する。2〜3色目の蛍光体画素も前記同様に転写・露光・現像・乾燥の操作が必要であるが、既形成の蛍光体画素が3〜30μmの厚みとなるため、2色目以降の転写の際には、被着体表面は凸凹した形状となる。既形成画素間に効率よく新たな感光性接着層と感光性蛍光体層を転写するには、前述したように被着体表面の形状に追従して変形可能なクッション層が必要となる。良好な転写性を得るためには、このクッション層が柔軟性に富んだ軟らかい熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
【0028】
このように、感光性蛍光体層とクッション層の間の剥離は1色目であれば、剥離界面が平坦なので安定して剥離可能である。しかしながら、2色目以降の転写では、前記のように既形成画素で凸凹した被着体表面の形状に追従して感光性接着層、感光性蛍光体層及びクッション層が変形し、被着体と蛍光体転写フィルムがお互いに噛み合うように接着されるので、剥離界面も凸凹となりアンカーリング効果も加味されて感光性蛍光体層とクッション層の間の剥離が安定しにくいという問題がある。剥離が安定しない場合には、必要な蛍光体層の一部がフィルム側に残ったり、被着体へは転写されていても被着体との接着性が弱く被着体から浮き上がった状態となるなどの転写不良を引き起こす。そのため、部分的に画素が欠落した品質の悪い蛍光面が形成されることになる。本発明の蛍光体転写フィルムは、感光性蛍光体層とクッション層との間に前記離型層を設けることで、感光性蛍光体層とクッション層の間の剥離の安定化させている。
【0029】
図1の蛍光体転写フィルムの構成において、本発明の各機能層間の剥離力は以下のような序列となることが好ましい。即ち、
(小)1−2間剥離力< 3−4間剥離力<< 2−3間剥離力 < 4−5間剥離力< 5−6間剥離力< 2−被着体間剥離力(大)
のごとくである。
カバーフィルム1と感光性接着層2間と感光性蛍光体層3と離型層4間の2つの剥離可能な界面が必要となるので、前記の剥離力の序列をなしえないと様々な弊害が発生する。例えば、1−2間の剥離力のみが突出して大きい場合には、カバーフィルム1を剥離したときに3層までカバーフィルム上に転移するという問題が起こる。逆に該剥離力があまりに軽い場合には、転写フィルムを僅かに屈曲、湾曲するだけでカバーフィルム1と感光性接着層2の間に空気が入るようなカバーフィルムの浮きを起こしやすい。この浮きは感光性接着層2への湿気や埃、ゴミなどの侵入を引き起こすので、転写フィルムの転写性を阻害する要因となる。
【0030】
さらに2の感光性接着層と3の感光性蛍光体層間の剥離力は、できるだけ強固に接着することが好ましい。2層と3層の接着力が弱い場合には、カバーフィルムを剥離する際、または2層を被着体にラミネートした後、4層と5層及び7層と共に6の支持体を剥離する際に2層と3層の間で剥離が起こり、被着体に感光性蛍光体層3を転写することができなくなる。また、例えこのような問題を起こすことなく転写が可能な場合でも、2層と3層の剥離力が軽いとパターニングの際に画像部となるべき3層までも洗い流されて良好な蛍光体画素を形成できない現象を引き起こすことがある。
【0031】
本発明では、3の感光性蛍光体層は4の離型層と容易に剥離することが勿論好ましく、とくに被着体面が凹凸形状であっても剥離を安定化させて被着体への感光性接着層2及び感光性蛍光体層3の転写を容易ならしめるためにできるだけ剥離力を軽くすると良い。しかし、一方で3層と4層間の剥離力があまりに軽すぎる場合には、蛍光体転写フィルムを取り扱う上で屈曲させたり湾曲させるだけで3層が剥げ落ちてしまったり、前記のように1のカバーフィルムを剥離する際に3層が感光性接着層と共にカバーフィルム上に転移してしまうなどの問題が起こる。従って、一定値以上の3層と4層間の剥離力が必要となる。本発明の場合は、3〜50g/50mm幅の範囲で調整することが好ましく、特に好ましい剥離力は15〜30g/50mm幅の範囲である。
【0032】
また、離型層4とクッション層5は、感光性蛍光体層と共に被着体に転移しない程度に接着していることが好ましい。4層と5層の剥離力があまりに軽すぎる場合は、4層が感光性蛍光体層と共に被着体に転移してしまう。離型層4は非水溶性なので、転写後のパターニング工程(露光・現像・乾燥)において、現像時に蛍光体層及び接着層のバリヤー層となって画素を形成することができなくなる。
【0033】
一方、離型層4を柔軟性に富んだクッション層5上にコーティングで設けるため、乾燥過程での硬化収縮の大きい熱硬化性樹脂のみを含んだ離型層では塗膜がひび割れるので寸法変化の大きな樹脂を使用することができない。さらに凸凹な被着体面への転写を実現するには、クッション層ほどではないが、離型層にもある程度の可撓性があると良い。離型層に配合できる可撓性を有する樹脂としては一般に公知な熱可塑性樹脂を使用することができるが、好ましくはアクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、エチレン共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂から選ばれた樹脂を用いると良い。特に好ましくは熱硬化性樹脂の他に熱可塑性であるアクリル樹脂、ビニル樹脂及びポリビニルブチラールを併用すると本発明の用途に適した離型層が得られる。ただし、前記に示した組成の離型層を5.0μmを超える厚みにした場合には離型層自体の硬度によりクッション層の機能を低下させてしまうので、離型層の厚みとしては、0.1〜5.0μmの範囲、特に好ましくは0.1〜2.0μmの厚みであればクッション層の柔軟性を損なわずに優れた離型性を示す。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明の特徴とするところをより詳細に説明する。ここではCRT用に使用される蛍光体について本発明の有用性を例示するが、本発明は勿論これらの蛍光体に限定されるものではない。
【0035】
実施例1
図1に示す構成のフィルムを以下の通り作製した。
(1)カバーフィルムにはトーセロ社製の50μm厚のポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)を用いた。次に示す組成の感光液を調製し、OPPフィルム上に塗工厚みが1.7μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で90℃2分間の乾燥を行い、感光性接着層を形成した。
【0036】
(感光性接着層形成用感光液)
感光性樹脂(感光成分付加 変性PVA) 25部
5−(4−アジド−2−スルホベンジリデン)−3−(4,4’−ジメトキブチル)ローダニンナトリウム塩導入率:1.5モル%、平均重合度:1700
アクリルエマルジョン 15部
(フルタイト2602HS、Tg−5℃、三井物産ソルベントコーティング社製)
アクリルエマルジョン 60部
(モビニール185、クラリアントポリマー社製)
メタノール 950部
水 950部
【0037】
(2)支持体として帝人デュポン社製の50μmPETフィルム(裏面に帯電防止層を付与:表面抵抗値108Ω/□)を用い、これにMR−7768(アクリル酸エステル共重合体:Tg9℃、三菱レイヨン社製)をマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で120℃4分間の乾燥を行い、50μm厚のクッション層を形成した。次いで、以下に示す離型層形成用溶液を調整し、上述のクッション層上に塗工厚みが0.4μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で110℃2分間の乾燥を行って離型層を形成した。
(離型層形成用溶液)
アクリルメラミン樹脂 5部
(テスファイン324、日立化成ポリマー株式会社製)
パラトルエンスルホン酸 0.2部
メタノール 48部
メチルセロソルブ 48部
【0038】
最後に、以下に示す組成の感光液を調製し、上述の離型層上に塗工厚みが12μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で90℃2分間の乾燥を行って感光性蛍光体層を形成した。
(蛍光体層形成用感光液)
緑色発光蛍光体(ZnS:Cu,Al) 94部
感光性樹脂(感光成分付加 変性PVA) 1.2部
5−(4−アジド−2−スルホベンジリデン)−3−(4,4’−ジメトキシブチル)ローダニンナトリウム塩導入率:1.5モル%、平均重合度:1700
ポリビニルピロリドン (K―30、ISP社製)4.8部
水 123部
【0039】
(3)蛍光体転写フィルムの貼合
(1)及び(2)で得られたフィルムを(1)のフィルムの感光性接着層面と(2)のフィルムの感光性蛍光体層面とを向かい合うように重ねた後、ラミネーターにニップした。加熱、加圧状態で両フィルムを貼合して一体化させて、緑色発光蛍光体転写フィルムを得た。
貼合条件を以下に示す。
貼合温度:120℃
貼合圧力:3kgf/cm2
貼合速度:2m/分
【0040】
実施例2
以下に示した離型層形成用溶液を調整し、前記実施例1の(2)で示したクッション層上に塗工厚みが1.4μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で140℃1分間の乾燥を行って離型層を形成した。また、感光性蛍光体層形成用感光液の組成として、赤色発光用蛍光体 (Y2O2S:Eu) を用いた以外は実施例1と同様にして、赤色発光蛍光体転写フィルムを得た。
(離型層形成用溶液)
アクリルメラミン系樹脂 2.5部
(テスファイン309、日立化成ポリマー株式会社製)
アクリルメラミン樹脂 4.5部
(タフコートTCM01メジューム、
大日本インキ化学工業株式会社製)
アクリル樹脂 19部
(TA32−204C、日立化成ポリマー株式会社製)
パラトルエンスルホン酸 0.3部
酢酸エチル 22部
メチルエチルケトン 22部
エチルセロソルブ 30部
【0041】
実施例3
以下に示した離型層形成用溶液を調整し、前記実施例1の(2)で示したクッション層上に塗工厚みが1.0μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で140℃1分間の乾燥を行って離型層を形成した。また、感光性蛍光体層形成用感光液の組成として、青色発光蛍光体(ZnS:Ag)を用いた以外は実施例1と同様にして、青色発光蛍光体転写フィルムを得た。
(離型層形成用溶液)
アクリルメラミン系樹脂 6部
(テスファイン324、日立化成ポリマー株式会社製)
ビニル樹脂 0.6部
(ビニロール30、大日本インキ化学工業株式会社製)
ポリビニルブチラール樹脂 2部
(エスレックBLS、積水化学工業株式会社製)
パラトルエンスルホン酸 0.5部
メタノール 46部
メチルセロソルブ 46部
【0042】
このようにして作製した実施例1〜実施例3に示した緑色,赤色,青色の3色にそれぞれ発光する蛍光体転写フィルムをCRT用ブラウン管ガラスのパネルガラス内面に3種類の蛍光体層を順次転写した後、感光性蛍光体層と離型層間の界面で支持体を剥離した。転写は、パネルガラス上に蛍光体転写フィルムの感光性接着層が触れるように置いてフィルム側から160℃に表面が加熱されたゴムロールを4kgf/cm2の圧力で加圧しながら700mm/分の速度で転がして行った。1色目として転写した場合はいずれの実施例の場合でも剥離力が10〜30g/50mm幅であり剥離性は良好であった。なお、剥離力の測定は180度剥離法により行った(以下同様)。次いで、転写された感光性接着層及び感光性蛍光体層をパターニングして1色目の蛍光体画素を形成した後、2色目として既形成画素の上に実施例1〜実施例3の蛍光体転写フィルムを前記同様にして転写し、感光性蛍光体層と離型層間の界面で支持体を剥離した。剥離力は1色目よりは若干高くなったものの、12〜33g/50mm幅であり剥離性は良好であった。2色目の蛍光体画素をパターニングした後、3色目として既形成画素の上に実施例1〜実施例3の蛍光体転写フィルムを転写し、前記同様に支持体を剥離した。剥離力は10〜30g/50mm幅と1色目とほぼ同じ数値を示し、剥離性は良好であった。また、前記の工程の中で離型層が感光性蛍光体層と共に被着体に転移することは全く認められず、離型層とクッション層の接着力は良好であった。後記表1にも示すように、感光性接着層及び感光性蛍光体層の転写性は良好で、画素幅やエッジ形状の画素品質も良好であった。このように実施例1〜実施例3で示した蛍光体転写フィルムは、如何なる順序で用いても、さらには被着体表面が既形成画素で凸凹になっていても安定した剥離を実現していることが判る。
【0043】
比較例1
実施例1において、クッション層上に離型層を付与しなかった以外はそれぞれ同様にして緑色蛍光体転写フィルムを作製した。
【0044】
比較例2
実施例2において、クッション層上に離型層を付与しなかった以外はそれぞれ同様にして赤色蛍光体転写フィルムを作製した。
【0045】
比較例3
実施例2において、クッション層上に離型層を付与しなかった以外はそれぞれ同様にして青色蛍光体転写フィルムを作製した。
【0046】
比較例4
実施例1において、クッション層上に設ける離型層の厚みを7μmとした以外はそれぞれ同様にして緑色蛍光体転写フィルムを作製した。
【0047】
このようにして作製した比較例1〜比較例3に示した緑色,赤色,青色の3色にそれぞれ発光する蛍光体転写フィルムをCRT用ブラウン管ガラスのパネルガラス内面に3種類の蛍光体層を順次転写した後、感光性蛍光体層とクッション層間の界面で支持体を剥離した。転写は、パネルガラス上に蛍光体転写フィルムの感光性接着層が触れるように置いてフィルム側から160℃に表面が加熱されたゴムロールを4kgf/cm2の圧力で加圧しながら700mm/分の速度で転がして行った。1色目として転写した場合はいずれの場合も剥離力は25〜35g/50mm幅であり剥離性は良好であった。次いで、転写された感光性接着層及び感光性蛍光体層をパターニングして1色目の蛍光体画素を形成した後、2色目として既形成画素の上に比較例1〜比較例3の蛍光体転写フィルムを転写し、前記同様に支持体を剥離した。剥離力は30〜55g/50mm幅と1色目より重く、剥離の途中で引っかかるような感触も認められ剥離性は不安定であった。2色目の蛍光体画素をパターニングした後、3色目として既形成画素の上に比較例1〜比較例3の蛍光体転写フィルムを転写し、前記同様に支持体を剥離した。剥離力は35〜55g/50mm幅と2色目とほぼ同じ数値を示し、剥離性も同様に不安定であった。このように比較例1〜比較例3で示した蛍光体転写フィルムは、転写順序によって感光性蛍光体層とクッション層の剥離力が変動した。さらに被着体表面が既形成画素で凸凹になるとより剥離性が不安定となることが判る。
【0048】
また、比較例4で示した蛍光体転写フィルムをCRT用ブラウン管ガラスのパネルガラス内面に前記と同様にして1〜3色目として転写した後、感光性蛍光体層と離型層間の界面で支持体を剥離した。如何なる順序で転写しても剥離力は5〜10g/50mm幅と低く、剥離性も極めて良好であったが、2〜3色目として用いた場合、離型層が硬くクッション層の柔軟性を損なうためか感光性接着層及び感光性蛍光体層が既形成画素間に十分に埋め込まれていなかった。そのため形成された蛍光体画素のエッジはギザギザであり良好な画素を形成できなかった。
【0049】
上述の実施例及び比較例で示した離型層の物性と蛍光体層の転写性能をまとめて下記表1に示す。クッション層上に本発明の離型層を付与することにより感光性接着層及び感光性蛍光体層の被着体への転写性が改善されることがこの表1から明らかである。
なお、表1中の評価基準は次のとおりである。
a)転写性
○:良好 △:感光性接着層及び感光性蛍光体層の埋め込み性がやや悪い ×:ジッピングや転写不良発生
b)蛍光体画素品質
○:全面に均一に画素が出来てエッジ形状もきれい △:全面に画素が出来るがエッジ形状が悪い ×:画素の抜けがあり全面に均一に画素が出来ない
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】
以上詳細に述べてきたように本発明が提供する離型層を付与した蛍光体転写フィルムによれば、被着体に各色如何なる順序で転写しても既形成画素による剥離界面形状の変化に係わらず、感光性蛍光体層と離型層の界面で安定した剥離性を得ることが可能となる。従って、CRTなどの蛍光体を表示媒体とするディスプレイの製造工程において、転写不良によるトラブルを防ぐことができるので生産効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光体転写フィルムの一実施形態を示す断面構成図である。
【符号の説明】
1 カバーフィルム
2 感光性接着層
3 感光性蛍光体層
4 離型層
5 クッション層
6 支持体
7 帯電防止層
【発明の属する技術分野】
本発明は蛍光体を表示媒体としたディスプレイにおいて、その製造工程において使用される蛍光体転写フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蛍光体を表示媒体としたディスプレイは、陰極線管(CRT)を代表として、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などがある。これらのディスプレイは蛍光体の自発光色によりカラー表示が行われる方式であるため、各方式に適合した蛍光体が選択され使用されているが、蛍光体画素のパターン精度や蛍光体密度などの画素状態が表示性能、品質に大きく影響する。また蛍光体画素の形成方法がディスプレイ価格に影響するため、製造方法も重要である。
【0003】
蛍光体層の形成方法については、CRTの場合、特開昭63−279539号、特開平6―89660号、特開平10−273653号などの公報に開示されているようにポリビニルアルコール―重クロム酸アンモニウム(PVA―ADC)系感光剤、あるいはポリビニルアルコール―重クロム酸ナトリウム(PVA―SDC)系感光剤に赤、緑、青に発光する各色発光の蛍光体を分散させて作製したスラリーを一種類づつ直接ガラス基板上に全面塗布し、乾燥後パターニング(露光・現像・乾燥)を繰り返すことにより蛍光体画素を形成している。またPDP、FEDの場合では、ポリビニルアルコールやアクリル系樹脂などに赤、緑、青に発光する各色蛍光体を分散させたペーストをそれぞれスクリーン印刷により付与して蛍光体画素を形成している。
【0004】
蛍光体スラリーを使用する場合、特開平10−273653号公報に開示されているように品質的に他色画素上への蛍光体残り(地汚れ)が発生することがあり大きな問題となる。これは地汚れ部の画素を発光させた場合に、地汚れした他色蛍光体も同時に発光するため、その画素は混色で発光する(色純度が低下)。その結果、蛍光面に形成される画像に色滲み等を引き起こし、クリアな画像が得られない。
蛍光体ペーストを使用するスクリーン印刷法では、印刷精度(位置精度、形状精度、膜厚精度)が悪く、蛍光体画素厚みの不均一性や、他色画素への蛍光体ペーストによる汚染で発色特性が悪化するという大きな問題がある。
【0005】
蛍光体を使用したディスプレイの蛍光面の作製方法は、上述のような蛍光体スラリーを使用するスラリー法や蛍光体ペーストを使用するスクリーン印刷法が一般的に使用されている。これら蛍光面の製造工程においては、他色画素の汚染以外にも画素エッヂの直線性の悪化、欠けの発生、そしてゴミ、異物の混入による欠陥が発生する問題がある。
【0006】
さらにCRTの蛍光体塗布は、特開平5―101775号公報に開示されているようにスラリーをパネルガラス内に注入した後、回転塗布を行うため塗布厚を均一にすることが難しく、被着体毎で、または画素毎においても蛍光体塗布厚が不均一になりやすい。そのため連続生産において蛍光体塗布厚のバラツキが直接ディスプレイ画像の品質を悪化させる原因になっていた。
またスラリー法では製造装置自体が大型で高価であるばかりでなく、製造工程が非常に繁雑になってしまうため、製造コストが高くなるという問題を抱えている。
【0007】
これらの問題を解決する方法として、それぞれのディスプレイの特性、蛍光体の特性に合わせて、最適厚で付与した蛍光体転写フィルムを使用する方法(転写法)が特開2001−43796号及び特開2001−202884号の各公報に提案されている。転写法ではプラスチックフィルムなどの支持体上に予め均一膜厚の蛍光体層を形成することができるのでスラリー法の課題であった蛍光体塗布厚のバラツキを防止し、かつスラリー塗布のための装置に代わって小型の転写装置を使用することにより工程の簡略化、蛍光面の性能向上、そして低製造コスト化が達成できる。
【0008】
蛍光体を使用したカラーディスプレイを転写法で製造する場合に使用される蛍光体転写フィルムは、感光性接着層と感光性蛍光体層を支持体とカバーフィルムの間に有し、かつ該蛍光体層と該支持体の間にクッション層を設けた構成である。構成中のクッション層の機能は被着体となるガラスなどへの感光性接着層及び感光性蛍光体層の転写を補助する働きを持っている。
しかしながら、被着体面に各色の蛍光体転写フィルム順次転写する場合、2色目以降は既に蛍光体画素が形成されている被着体面へ順次感光性接着層及び感光性蛍光体層を転写する工程で、クッション層と該蛍光体層の間の剥離界面は凸凹になる。この場合、支持体の剥離力が重くなったりスムーズな剥離性が得にくくなるため、必要な蛍光体層が支持体側に取られたり、被着体上にうまく接着しないなどの転写不良が発生して蛍光面を作製する上で大きな問題になることがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、感光性蛍光体層とクッション層の間の界面が凸凹であっても、支持体を安定して剥離できるように該蛍光体層とクッション層間の剥離性を改善することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、熱硬化性樹脂などを含む離型層を感光性蛍光体層とクッション層の間に設けることにより上記課題を解決することができるという知見を得、これに基づいて本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明の蛍光体転写フィルムは、支持体上に少なくとも1層の感光性蛍光体層と感光性接着層とを有し、かつ該感光性蛍光体層と該支持体との間に熱可塑性樹脂からなるクッション層を設けた構成であって、さらに該感光性蛍光体層とクッション層との間に離型層を設けた。
前記離型層の厚みは0.1〜2.0μmであることが望ましい。
前記離型層中にはメラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂及びアクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。
前記感光性蛍光体層と離型層との間の剥離力は3〜50g/50mm幅となるように調整される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の蛍光体転写フィルムの一実施形態の構成を示す。図1に示すとおり、蛍光体転写フィルムは、感光性接着層2と感光性蛍光体層3を支持体6とカバーフィルム1との間に有し、かつ該感光性蛍光体層3と該支持体6の間にクッション層5を設けた構成であって、さらに感光性蛍光体層3とクッション層5との間に本発明の離型層4を設けている。なお、支持体6の裏面には帯電防止層7を有している。
以下に図1に示される各層について説明する。
【0013】
1のカバーフィルムは従来公知のプラスチックフィルムが利用できる。例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、トリアセテート等があげられる。特に機械強度に強く、熱安定性に優れたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、または安価で離型性に優れたポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)が好ましい。カバーフィルムの厚さは特に制限はないが、75μm厚以下が好ましい。これは転写フィルムの製品形態、つまりロール状製品に仕上げる時、カバーフィルムが75μmを越える厚さのフィルムの場合では転写フィルムの剛度が高くなるため、ロール仕上げや既定幅へのスリット作業でカバーフィルムと接着層の間に空気が入るようなカバーフィルムの浮きが発生したり、単位長さあたりの製品重量が重くなり長尺巻き取り製品を製造しにくい、製造コストが高くなるなどの弊害が予想されるためである。
【0014】
また、カバーフィルムの基材と感光性接着層との剥離性をより安定させるには離型層を設けることが好ましい。離型層に用いる樹脂としては、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、あるいはこれらとの共重合物、混合物等が挙げられる。離型層の塗工厚は特に限定されるものではないが、0.5〜5.0μmの塗工厚が好ましい。
ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などのように剥離性を有する基材を使用する場合には離型層を付与する必要はない。
【0015】
2の感光性接着層は粘着剤、あるいはヒートシール剤と称される部類に属する一般的な樹脂、及び/又はこれらの樹脂に水溶性感光性樹脂を併用したものである。
粘着剤としては一般に公知であるエマルジョン型、溶剤型、及びホットメルト型の各粘着剤、及び水溶性タイプやUV架橋タイプなどを使用することができる。ヒートシール剤も一般に公知のエマルジョン型や溶剤型の樹脂を使用することができる。
本発明に適した感光性接着層を形成するためには、感光性接着層に含まれる少なくとも1つ以上の樹脂成分のガラス転移温度(Tg)が0℃以下であることが好ましい。
また感光性樹脂については、一般に公知な材料系が使用でき、配合比も材料の性能に応じて任意に決めることができる。該接着層は活性光線への暴露がなければ容易に水に溶解させることができる組成である。
【0016】
3の感光性蛍光体層に用いられる蛍光体はディスプレイの種類によって異なるが、CRT用の蛍光体としては、青色発光蛍光体としては銀および塩素付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag / ZnS:Ag,Cl)、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag,Al)が、緑色発色蛍光体としては銅およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Al)、銅、金およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Au,Al)、マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体(Zn2SiO4:Mn)が、赤色発色蛍光体としてはユーロピウム及びサマリウム付活酸硫化イットリウム蛍光体(Y2O2S:Eu / Y2O2S:Eu,Sm)マンガン付活燐酸亜鉛蛍光体(Zn3(PO4)2:Mn)等を使用することができる。
また、PDP用の蛍光体として、青色発光蛍光体としてはBaMgAl14O23:Eu、BaMgAl10O17:Eu、緑色発光蛍光体としてはBaAl12O19:Mn、Zn2SiO4:Mn、(Ba,Sr,Mg)O・aAl2O3:Mn、赤色発光蛍光体としては(Y,Gd)BO3:Eu等を使用することができる。
さらに、FED用の蛍光体として、ZnGa2O4、SrTiO3:Pr等を使用することができる。
【0017】
感光性接着層及び感光性蛍光体層に使用される感光性樹脂は紫外線又は可視光等で露光した前後で水に対する溶解度が変化する樹脂であれば何を用いても良い。非感光性水溶性樹脂に感光剤を混合しても良いし、樹脂分子中に感光性の官能基が存在してもかまわない。
【0018】
水溶性感光性樹脂は一般に知られているものを使用することができる。特にスチルバゾリウム基、及びスチルキノリニウム基、または5−(4−アジド−2−スルホベンジリデン)−3−(4,4’−ジメトキシブチル)ローダニンナトリウム塩のようなアジド基含有官能基から選ばれた少なくとも1種を感光性成分付加基とした変成ポりビニルアルコールが好ましい。特に水溶性感光性樹脂として5−(4−アジド−2−スルホベンジリデン)−3−(4,4’−ジメトキシブチル)ローダニンナトリウム塩を付加させた変成ポリビニルアルコールが好ましく、さらにポリビニルピロリドンを併用すると形成される蛍光体画素のエッジがシャープになるのでさらに良い。
【0019】
なお、感光性蛍光体層の組成に合わせて感光性接着層の材料を選定する必要がある。つまり、感光性接着層は被着体への接着性は当然有しながら、感光性蛍光体層との密着性が良く、該蛍光体層及び該接着層への露光、現像によるパターン形成時に非画像部に残さが発生しない材料が好ましい。また、塗工厚は材料によって最適化が必要であるが、ディスプレイの製造においては該接着層の厚みは0.5〜3μmが好ましく、塗工厚みが0.5μmより薄い場合、被着体への接着性が低下するため感光性蛍光体層の転写性悪化を引き起こす場合が多い。一方、該接着層の厚みが3μmより厚くなるとパターン形成が可能であっても、CRT製造の場合、焼成工程において蛍光体パターンが剥がれ落ちてしまうことがある。従って、この塗工量範囲で充分な性能が得られない材料はこの用途には好ましくない。
【0020】
感光性蛍光体層中の蛍光体と感光性樹脂との混合比率は蛍光体/感光性樹脂=97〜80重量%/3〜20重量%が好ましい。これ以上蛍光体比率が高いと光硬化後の層強度が弱くなり、現像で画素表面の削れや画素のエッヂの直線性が劣ることがある。感光性蛍光体層の厚みは使用する蛍光体粒子の平均粒径にもよるが、3.0〜30μmの範囲で調整することが可能である。
【0021】
5はクッション層であり、特開2001−43796に示されるような蛍光体転写フィルムの使用法で被着体に形成された蛍光体パターンの上に転写する際、パターン間へ感光性接着層及び感光性蛍光体層を確実に埋め込み転写するために必要である。蛍光体パターンの厚みは通常3〜30μmであるため、パターン間に確実に感光性接着層及び感光性蛍光体層を転写するには、その材料特性にもよるがクッション層の厚みが蛍光体パターン厚みのおよそ2〜4倍は必要である。クッション層の厚みが蛍光体パターンの厚みに対してこれよりも低い比率となると、パターン間に確実に転写することが困難となり、パターンの底辺部、即ち被着体面と被着面から立ち上がる蛍光体パターンの側面の間に空気溜まり(テンティング)が発生して転写不良となりやすい。クッション層の厚みが100μmを越えると用いる樹脂の熱伝導度にもよるが、転写作業の際に熱ロールからの熱伝導速度が低下するため、クッション層を充分軟化できず、既形成蛍光体パターン間に新たな感光性接着層及び感光性蛍光体層を埋め込むように転写することが難しくなる。
【0022】
クッション層の材料としては、熱可塑性の樹脂が好ましく、例えばアクリル酸エステル共重合体、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、スチレンとイソプレン、あるいはブタジエンの共重合体、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂を単独で、あるいは適当な配合で混合したり、適当な組み合わせで積層させて使用することができる。また必要であれば、可塑剤を添加しても良い。
【0023】
6は支持体である。支持体としては、カバーフィルムの説明で示したのと同様な従来公知のプラスチックフィルムが利用できる。支持体の厚さは特に制限はないが、25〜150μm厚が適当である。25μmより薄いと作業性が悪化し、帯電防止層、クッション層付与時にカールが顕著に発生するため好ましくない。150μmより厚いと、ロール状製品が製造しづらくなるばかりでなく、被着体への転写作業において熱ロールによって蛍光体転写フィルムと被着体を熱圧着する際、感光性接着層への熱伝導速度が低下するため、熱ロール温度を高くするか、転写速度を低くする、あるいは被着体を十分に熱するなどの措置をしないと良好な転写が得られなくなる。これは作業性、経済性の観点から好ましくないので支持体の厚みはできるだけ薄い方が良い。特に好ましくは、40〜50μmの厚みが支持体として適している。
【0024】
なお、剥離帯電によるゴミの混入防止のために、帯電防止層7を付与している。プラスチックフィルムの表面抵抗値はJIS K6911で規定されている測定法により106 〜 9Ω/□となることが好ましい。このため、帯電防止処理フィルムを使用するか、あるいは7の帯電防止層を予め付与したフィルムを使用することが好ましい。
【0025】
4は離型層である。離型層の材質としてはメラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂及びアクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。特にアクリルメラミン樹脂にステアリン酸付加物を付加させた樹脂が剥離力の調整が容易であるので好ましい。剥離力は、離型層そのものの組成及び離型層上にコーティングする組成物の組成や、各コーティング層の乾燥条件等により任意の値とすることができるが、本発明の場合は感光性蛍光体層と離型層の剥離力として一定の範囲が必要である。剥離力を調整するために、熱可塑性樹脂を配合してもよい。
【0026】
ここで、図1の蛍光体転写フィルムの構成をもとに被着体への感光性蛍光体層と感光性接着層の転写工程を説明する。まず、カバーフィルム1を感光性接着層2との間で剥離して感光性接着層2を露出する。次いで該感光性接着層2を被着体(ガラス)に加熱及び加圧して接着させた後、感光性蛍光体層3とクッション層5の間で該クッション層5と共に支持体6を剥離する。この段階で感光性蛍光体層3及び感光性接着層2のみが被着体へ転写される。
【0027】
ところで、本発明の蛍光体転写フィルムは、カラーディスプレイを作製する上で必要な色ごとに用意する必要があり、例えば、CRTの場合には電子線で励起して赤色、青色及び緑色に発光する蛍光体をそれぞれ含む3枚の転写フィルムが必要となる。そして、被着体となるパネルガラス上に1色ずつ感光性接着層と感光性蛍光体層を転写し、高圧水銀灯などを光源とする活性光線でのパターン露光、水による現像、乾燥の操作により蛍光体画素を形成する。2〜3色目の蛍光体画素も前記同様に転写・露光・現像・乾燥の操作が必要であるが、既形成の蛍光体画素が3〜30μmの厚みとなるため、2色目以降の転写の際には、被着体表面は凸凹した形状となる。既形成画素間に効率よく新たな感光性接着層と感光性蛍光体層を転写するには、前述したように被着体表面の形状に追従して変形可能なクッション層が必要となる。良好な転写性を得るためには、このクッション層が柔軟性に富んだ軟らかい熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
【0028】
このように、感光性蛍光体層とクッション層の間の剥離は1色目であれば、剥離界面が平坦なので安定して剥離可能である。しかしながら、2色目以降の転写では、前記のように既形成画素で凸凹した被着体表面の形状に追従して感光性接着層、感光性蛍光体層及びクッション層が変形し、被着体と蛍光体転写フィルムがお互いに噛み合うように接着されるので、剥離界面も凸凹となりアンカーリング効果も加味されて感光性蛍光体層とクッション層の間の剥離が安定しにくいという問題がある。剥離が安定しない場合には、必要な蛍光体層の一部がフィルム側に残ったり、被着体へは転写されていても被着体との接着性が弱く被着体から浮き上がった状態となるなどの転写不良を引き起こす。そのため、部分的に画素が欠落した品質の悪い蛍光面が形成されることになる。本発明の蛍光体転写フィルムは、感光性蛍光体層とクッション層との間に前記離型層を設けることで、感光性蛍光体層とクッション層の間の剥離の安定化させている。
【0029】
図1の蛍光体転写フィルムの構成において、本発明の各機能層間の剥離力は以下のような序列となることが好ましい。即ち、
(小)1−2間剥離力< 3−4間剥離力<< 2−3間剥離力 < 4−5間剥離力< 5−6間剥離力< 2−被着体間剥離力(大)
のごとくである。
カバーフィルム1と感光性接着層2間と感光性蛍光体層3と離型層4間の2つの剥離可能な界面が必要となるので、前記の剥離力の序列をなしえないと様々な弊害が発生する。例えば、1−2間の剥離力のみが突出して大きい場合には、カバーフィルム1を剥離したときに3層までカバーフィルム上に転移するという問題が起こる。逆に該剥離力があまりに軽い場合には、転写フィルムを僅かに屈曲、湾曲するだけでカバーフィルム1と感光性接着層2の間に空気が入るようなカバーフィルムの浮きを起こしやすい。この浮きは感光性接着層2への湿気や埃、ゴミなどの侵入を引き起こすので、転写フィルムの転写性を阻害する要因となる。
【0030】
さらに2の感光性接着層と3の感光性蛍光体層間の剥離力は、できるだけ強固に接着することが好ましい。2層と3層の接着力が弱い場合には、カバーフィルムを剥離する際、または2層を被着体にラミネートした後、4層と5層及び7層と共に6の支持体を剥離する際に2層と3層の間で剥離が起こり、被着体に感光性蛍光体層3を転写することができなくなる。また、例えこのような問題を起こすことなく転写が可能な場合でも、2層と3層の剥離力が軽いとパターニングの際に画像部となるべき3層までも洗い流されて良好な蛍光体画素を形成できない現象を引き起こすことがある。
【0031】
本発明では、3の感光性蛍光体層は4の離型層と容易に剥離することが勿論好ましく、とくに被着体面が凹凸形状であっても剥離を安定化させて被着体への感光性接着層2及び感光性蛍光体層3の転写を容易ならしめるためにできるだけ剥離力を軽くすると良い。しかし、一方で3層と4層間の剥離力があまりに軽すぎる場合には、蛍光体転写フィルムを取り扱う上で屈曲させたり湾曲させるだけで3層が剥げ落ちてしまったり、前記のように1のカバーフィルムを剥離する際に3層が感光性接着層と共にカバーフィルム上に転移してしまうなどの問題が起こる。従って、一定値以上の3層と4層間の剥離力が必要となる。本発明の場合は、3〜50g/50mm幅の範囲で調整することが好ましく、特に好ましい剥離力は15〜30g/50mm幅の範囲である。
【0032】
また、離型層4とクッション層5は、感光性蛍光体層と共に被着体に転移しない程度に接着していることが好ましい。4層と5層の剥離力があまりに軽すぎる場合は、4層が感光性蛍光体層と共に被着体に転移してしまう。離型層4は非水溶性なので、転写後のパターニング工程(露光・現像・乾燥)において、現像時に蛍光体層及び接着層のバリヤー層となって画素を形成することができなくなる。
【0033】
一方、離型層4を柔軟性に富んだクッション層5上にコーティングで設けるため、乾燥過程での硬化収縮の大きい熱硬化性樹脂のみを含んだ離型層では塗膜がひび割れるので寸法変化の大きな樹脂を使用することができない。さらに凸凹な被着体面への転写を実現するには、クッション層ほどではないが、離型層にもある程度の可撓性があると良い。離型層に配合できる可撓性を有する樹脂としては一般に公知な熱可塑性樹脂を使用することができるが、好ましくはアクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、エチレン共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂から選ばれた樹脂を用いると良い。特に好ましくは熱硬化性樹脂の他に熱可塑性であるアクリル樹脂、ビニル樹脂及びポリビニルブチラールを併用すると本発明の用途に適した離型層が得られる。ただし、前記に示した組成の離型層を5.0μmを超える厚みにした場合には離型層自体の硬度によりクッション層の機能を低下させてしまうので、離型層の厚みとしては、0.1〜5.0μmの範囲、特に好ましくは0.1〜2.0μmの厚みであればクッション層の柔軟性を損なわずに優れた離型性を示す。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明の特徴とするところをより詳細に説明する。ここではCRT用に使用される蛍光体について本発明の有用性を例示するが、本発明は勿論これらの蛍光体に限定されるものではない。
【0035】
実施例1
図1に示す構成のフィルムを以下の通り作製した。
(1)カバーフィルムにはトーセロ社製の50μm厚のポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)を用いた。次に示す組成の感光液を調製し、OPPフィルム上に塗工厚みが1.7μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で90℃2分間の乾燥を行い、感光性接着層を形成した。
【0036】
(感光性接着層形成用感光液)
感光性樹脂(感光成分付加 変性PVA) 25部
5−(4−アジド−2−スルホベンジリデン)−3−(4,4’−ジメトキブチル)ローダニンナトリウム塩導入率:1.5モル%、平均重合度:1700
アクリルエマルジョン 15部
(フルタイト2602HS、Tg−5℃、三井物産ソルベントコーティング社製)
アクリルエマルジョン 60部
(モビニール185、クラリアントポリマー社製)
メタノール 950部
水 950部
【0037】
(2)支持体として帝人デュポン社製の50μmPETフィルム(裏面に帯電防止層を付与:表面抵抗値108Ω/□)を用い、これにMR−7768(アクリル酸エステル共重合体:Tg9℃、三菱レイヨン社製)をマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で120℃4分間の乾燥を行い、50μm厚のクッション層を形成した。次いで、以下に示す離型層形成用溶液を調整し、上述のクッション層上に塗工厚みが0.4μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で110℃2分間の乾燥を行って離型層を形成した。
(離型層形成用溶液)
アクリルメラミン樹脂 5部
(テスファイン324、日立化成ポリマー株式会社製)
パラトルエンスルホン酸 0.2部
メタノール 48部
メチルセロソルブ 48部
【0038】
最後に、以下に示す組成の感光液を調製し、上述の離型層上に塗工厚みが12μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で90℃2分間の乾燥を行って感光性蛍光体層を形成した。
(蛍光体層形成用感光液)
緑色発光蛍光体(ZnS:Cu,Al) 94部
感光性樹脂(感光成分付加 変性PVA) 1.2部
5−(4−アジド−2−スルホベンジリデン)−3−(4,4’−ジメトキシブチル)ローダニンナトリウム塩導入率:1.5モル%、平均重合度:1700
ポリビニルピロリドン (K―30、ISP社製)4.8部
水 123部
【0039】
(3)蛍光体転写フィルムの貼合
(1)及び(2)で得られたフィルムを(1)のフィルムの感光性接着層面と(2)のフィルムの感光性蛍光体層面とを向かい合うように重ねた後、ラミネーターにニップした。加熱、加圧状態で両フィルムを貼合して一体化させて、緑色発光蛍光体転写フィルムを得た。
貼合条件を以下に示す。
貼合温度:120℃
貼合圧力:3kgf/cm2
貼合速度:2m/分
【0040】
実施例2
以下に示した離型層形成用溶液を調整し、前記実施例1の(2)で示したクッション層上に塗工厚みが1.4μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で140℃1分間の乾燥を行って離型層を形成した。また、感光性蛍光体層形成用感光液の組成として、赤色発光用蛍光体 (Y2O2S:Eu) を用いた以外は実施例1と同様にして、赤色発光蛍光体転写フィルムを得た。
(離型層形成用溶液)
アクリルメラミン系樹脂 2.5部
(テスファイン309、日立化成ポリマー株式会社製)
アクリルメラミン樹脂 4.5部
(タフコートTCM01メジューム、
大日本インキ化学工業株式会社製)
アクリル樹脂 19部
(TA32−204C、日立化成ポリマー株式会社製)
パラトルエンスルホン酸 0.3部
酢酸エチル 22部
メチルエチルケトン 22部
エチルセロソルブ 30部
【0041】
実施例3
以下に示した離型層形成用溶液を調整し、前記実施例1の(2)で示したクッション層上に塗工厚みが1.0μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で140℃1分間の乾燥を行って離型層を形成した。また、感光性蛍光体層形成用感光液の組成として、青色発光蛍光体(ZnS:Ag)を用いた以外は実施例1と同様にして、青色発光蛍光体転写フィルムを得た。
(離型層形成用溶液)
アクリルメラミン系樹脂 6部
(テスファイン324、日立化成ポリマー株式会社製)
ビニル樹脂 0.6部
(ビニロール30、大日本インキ化学工業株式会社製)
ポリビニルブチラール樹脂 2部
(エスレックBLS、積水化学工業株式会社製)
パラトルエンスルホン酸 0.5部
メタノール 46部
メチルセロソルブ 46部
【0042】
このようにして作製した実施例1〜実施例3に示した緑色,赤色,青色の3色にそれぞれ発光する蛍光体転写フィルムをCRT用ブラウン管ガラスのパネルガラス内面に3種類の蛍光体層を順次転写した後、感光性蛍光体層と離型層間の界面で支持体を剥離した。転写は、パネルガラス上に蛍光体転写フィルムの感光性接着層が触れるように置いてフィルム側から160℃に表面が加熱されたゴムロールを4kgf/cm2の圧力で加圧しながら700mm/分の速度で転がして行った。1色目として転写した場合はいずれの実施例の場合でも剥離力が10〜30g/50mm幅であり剥離性は良好であった。なお、剥離力の測定は180度剥離法により行った(以下同様)。次いで、転写された感光性接着層及び感光性蛍光体層をパターニングして1色目の蛍光体画素を形成した後、2色目として既形成画素の上に実施例1〜実施例3の蛍光体転写フィルムを前記同様にして転写し、感光性蛍光体層と離型層間の界面で支持体を剥離した。剥離力は1色目よりは若干高くなったものの、12〜33g/50mm幅であり剥離性は良好であった。2色目の蛍光体画素をパターニングした後、3色目として既形成画素の上に実施例1〜実施例3の蛍光体転写フィルムを転写し、前記同様に支持体を剥離した。剥離力は10〜30g/50mm幅と1色目とほぼ同じ数値を示し、剥離性は良好であった。また、前記の工程の中で離型層が感光性蛍光体層と共に被着体に転移することは全く認められず、離型層とクッション層の接着力は良好であった。後記表1にも示すように、感光性接着層及び感光性蛍光体層の転写性は良好で、画素幅やエッジ形状の画素品質も良好であった。このように実施例1〜実施例3で示した蛍光体転写フィルムは、如何なる順序で用いても、さらには被着体表面が既形成画素で凸凹になっていても安定した剥離を実現していることが判る。
【0043】
比較例1
実施例1において、クッション層上に離型層を付与しなかった以外はそれぞれ同様にして緑色蛍光体転写フィルムを作製した。
【0044】
比較例2
実施例2において、クッション層上に離型層を付与しなかった以外はそれぞれ同様にして赤色蛍光体転写フィルムを作製した。
【0045】
比較例3
実施例2において、クッション層上に離型層を付与しなかった以外はそれぞれ同様にして青色蛍光体転写フィルムを作製した。
【0046】
比較例4
実施例1において、クッション層上に設ける離型層の厚みを7μmとした以外はそれぞれ同様にして緑色蛍光体転写フィルムを作製した。
【0047】
このようにして作製した比較例1〜比較例3に示した緑色,赤色,青色の3色にそれぞれ発光する蛍光体転写フィルムをCRT用ブラウン管ガラスのパネルガラス内面に3種類の蛍光体層を順次転写した後、感光性蛍光体層とクッション層間の界面で支持体を剥離した。転写は、パネルガラス上に蛍光体転写フィルムの感光性接着層が触れるように置いてフィルム側から160℃に表面が加熱されたゴムロールを4kgf/cm2の圧力で加圧しながら700mm/分の速度で転がして行った。1色目として転写した場合はいずれの場合も剥離力は25〜35g/50mm幅であり剥離性は良好であった。次いで、転写された感光性接着層及び感光性蛍光体層をパターニングして1色目の蛍光体画素を形成した後、2色目として既形成画素の上に比較例1〜比較例3の蛍光体転写フィルムを転写し、前記同様に支持体を剥離した。剥離力は30〜55g/50mm幅と1色目より重く、剥離の途中で引っかかるような感触も認められ剥離性は不安定であった。2色目の蛍光体画素をパターニングした後、3色目として既形成画素の上に比較例1〜比較例3の蛍光体転写フィルムを転写し、前記同様に支持体を剥離した。剥離力は35〜55g/50mm幅と2色目とほぼ同じ数値を示し、剥離性も同様に不安定であった。このように比較例1〜比較例3で示した蛍光体転写フィルムは、転写順序によって感光性蛍光体層とクッション層の剥離力が変動した。さらに被着体表面が既形成画素で凸凹になるとより剥離性が不安定となることが判る。
【0048】
また、比較例4で示した蛍光体転写フィルムをCRT用ブラウン管ガラスのパネルガラス内面に前記と同様にして1〜3色目として転写した後、感光性蛍光体層と離型層間の界面で支持体を剥離した。如何なる順序で転写しても剥離力は5〜10g/50mm幅と低く、剥離性も極めて良好であったが、2〜3色目として用いた場合、離型層が硬くクッション層の柔軟性を損なうためか感光性接着層及び感光性蛍光体層が既形成画素間に十分に埋め込まれていなかった。そのため形成された蛍光体画素のエッジはギザギザであり良好な画素を形成できなかった。
【0049】
上述の実施例及び比較例で示した離型層の物性と蛍光体層の転写性能をまとめて下記表1に示す。クッション層上に本発明の離型層を付与することにより感光性接着層及び感光性蛍光体層の被着体への転写性が改善されることがこの表1から明らかである。
なお、表1中の評価基準は次のとおりである。
a)転写性
○:良好 △:感光性接着層及び感光性蛍光体層の埋め込み性がやや悪い ×:ジッピングや転写不良発生
b)蛍光体画素品質
○:全面に均一に画素が出来てエッジ形状もきれい △:全面に画素が出来るがエッジ形状が悪い ×:画素の抜けがあり全面に均一に画素が出来ない
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】
以上詳細に述べてきたように本発明が提供する離型層を付与した蛍光体転写フィルムによれば、被着体に各色如何なる順序で転写しても既形成画素による剥離界面形状の変化に係わらず、感光性蛍光体層と離型層の界面で安定した剥離性を得ることが可能となる。従って、CRTなどの蛍光体を表示媒体とするディスプレイの製造工程において、転写不良によるトラブルを防ぐことができるので生産効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光体転写フィルムの一実施形態を示す断面構成図である。
【符号の説明】
1 カバーフィルム
2 感光性接着層
3 感光性蛍光体層
4 離型層
5 クッション層
6 支持体
7 帯電防止層
Claims (4)
- 支持体上に少なくとも1層の感光性蛍光体層と感光性接着層とを有し、かつ該感光性蛍光体層と該支持体との間に熱可塑性樹脂からなるクッション層を設けた構成であって、さらに該感光性蛍光体層とクッション層との間に離型層を設けたことを特徴とする蛍光体転写フィルム。
- 前記離型層の厚みが0.1〜2.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体転写フィルム。
- 前記離型層中にメラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂及びアクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱硬化性樹脂を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蛍光体転写フィルム。
- 前記感光性蛍光体層と離型層との間の剥離力が3〜50g/50mm幅であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の蛍光体転写フィルム。
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JP2007002066A (ja) * | 2005-06-22 | 2007-01-11 | Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd | 熱硬化性離型コート剤、離型フィルム又はシート、及び熱転写フィルム又はシート |
JP2009220408A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-10-01 | Dainippon Printing Co Ltd | インモールド用転写箔、及びそれを用いた成形品 |
-
2002
- 2002-08-29 JP JP2002250107A patent/JP2004087417A/ja active Pending
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