JPH11125708A - 防眩ミラー - Google Patents

防眩ミラー

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JPH11125708A
JPH11125708A JP28981597A JP28981597A JPH11125708A JP H11125708 A JPH11125708 A JP H11125708A JP 28981597 A JP28981597 A JP 28981597A JP 28981597 A JP28981597 A JP 28981597A JP H11125708 A JPH11125708 A JP H11125708A
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JP
Japan
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light
mirror
glare
layer
diffusion layer
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JP28981597A
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English (en)
Inventor
Hiroya Inaoka
宏弥 稲岡
Kazuaki Takada
和明 高田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半永久的に優れた防眩効果が得られ、かつ安価
なものとすることのできる防眩ミラーを提供する。 【解決手段】本発明の防眩ミラーは、ハーフミラー11
0の裏側に、ヘーズメーターにより測定されるところの
拡散透過率が50〜70%でありかつヘーズ値が60〜
90%である光拡散層120を設けたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防眩機能をもつミ
ラーに関し、車両用ルームミラー、ドアミラーなどに利
用することができる。
【0002】
【従来の技術】自動車などの車両にはルームミラー、ド
アミラーなどの後方確認用のミラーが取り付けられてい
る。これらの後方確認用のミラーが、ミラーに照らされ
た光をそのまま反射させるものであると、例えば夜間の
走行時においては後続車のヘッドランプの光をそのまま
反射し、運転者を眩しくさせてしまうことがある。そこ
で、こうした後方確認用のミラーには、ヘッドランプな
どを光源とするスポット状の強い光(以下、スポット光
と称する)が照らされても、運転者を眩しくさせないよ
うに光を反射できる防眩ミラーが用いられている。
【0003】従来より、こうした防眩ミラーとしては、
例えば、液晶やエレクトロクロミック素子を備えた防眩
ミラーがある。これらの防眩ミラーは、液晶やエレクト
ロクロミック素子の働きによってミラーの透光性を変化
させて光の眩しさを和らげており、極めて優れた防眩性
をもつ。しかし、液晶やエレクトロクロミック素子は使
用を繰り返すにつれ劣化するため、これらの防眩ミラー
は半永久的な長い期間にわたって利用することができな
い。また、これらの素子は比較的高価である上、電力で
作動させるためにその電力の確保に係る電源及び電気設
備などを必要とし、その設備コストがさらにかかる。
【0004】一方、特開平8−43611号公報には、
ハーフミラーの裏側にハーフミラーを透過した光を表側
に向かって乱反射させる乱反射体を設けた防眩ミラー
(以下、公報1の防眩ミラーと称する)が開示されてい
る。この公報1の防眩ミラーに、スポット光が照らされ
ると、照らされたスポット光のうちハーフミラーを透過
した光が乱反射体によって鏡面方向に乱反射され、ハー
フミラーで反射されたスポット光の反射像(以下、光源
反射像と称する)の周囲の鏡面を光らせる。これにより
光源反射像とその周囲の鏡面とのコントラストが低くな
って、光源反射像の眩しさが和らげられる。この乱反射
体は光を散乱させることでは劣化しないため、半永久的
に防眩効果を得ることができる。しかし、公報1の防眩
ミラーでは、乱反射体による散乱光と光源反射像との重
複が大きく、光源反射像の周囲の鏡面を高輝度にかつ広
範囲に光らせることができない。それゆえ、十分に優れ
た防眩効果を得ることができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、半永久的に優れた防眩効果が
得られ、かつ安価なものとすることのできる防眩ミラー
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の防眩ミラーは、ハーフミラーの裏側に、ヘーズメータ
ーにより測定されるところの拡散透過率が50〜70%
でありかつヘーズ値が60〜90%である光拡散層を設
けたことを特徴とする。また、本発明の請求項2に記載
の防眩ミラーは、請求項1に記載の防眩ミラーにおい
て、前記光拡散層の裏側に光反射層を設けたことを特徴
とする。
【0007】なお、ヘーズメーターによる拡散透過率お
よびヘーズ値の測定は、JASO(Japan Aut
omobile Standard Organiza
tion)M330 7.7項で定められた測定方法に
従うものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1及び請求項2に
記載の防眩ミラーについて、防眩効果が得られる原理を
次に説明する。請求項1及び請求項2に記載の各防眩ミ
ラーにスポット光が照らされると、このスポット光は、
先ずハーフミラーにおいて反射される光と透過する光と
に分かれる。前者の反射光が反射像(光源反射像)とし
て外部の看者に視認される。一方、後者の透過光は、光
拡散層中で散乱が繰り返されて層中を拡散していく。こ
の光拡散層を拡散する光(以下、拡散光と略する)は、
その一部をハーフミラーの方向に散乱させながら拡散層
を拡散し、次第に減衰する。
【0009】このハーフミラーの方向に散乱される拡散
光のうち、ハーフミラー面を透過して外部へ出ていく光
は、外部の看者には光源反射像の周囲の鏡面がぼんやり
と光っているように見える。その結果、光源反射像とそ
の周囲の鏡面とのコントラストが低下し、光源反射像の
眩しさが和らげられる。以上により、請求項1及び請求
項2に記載の防眩ミラーにおいて防眩効果を得ることが
できる。続いて、請求項1及び請求項2に記載の防眩ミ
ラーの構造形態を以下にそれぞれ説明する。
【0010】先ず、請求項1に記載の防眩ミラーは次の
構造形態をとることができる。ハーフミラーについて
は、照らされた光を反射させる性質と透過させる性質と
を併せもつミラーであれば特に限定されるものではない
が、例えば、ガラスや透明樹脂などよりなる透明板と、
Cr、Al、Ag、Tiなどの金属やCr/Niなどの
合金よりなる半透過反射層と、を組み合わせたものを用
いることができ、用途に応じて双方の材質、厚さなどを
適宜選択することができる。また、表面鏡及び裏面鏡の
どちらでもよい。半透過反射層は、スパッタリング法な
どの方法により透明基板上に形成することができる。
【0011】また、ハーフミラーは、35〜40%の可
視光線反射率をもつことが好ましい。このような可視光
線反射率をもつハーフミラーは、光源反射像を明瞭に視
認するのに十分な量の光を反射することができるととも
に、優れた防眩性を得るのに十分な量の光を光拡散層に
透過させることができる。光拡散層については、ヘーズ
メーターにより測定されるところの拡散透過率が50〜
70%であり、かつヘーズ値(曇度)が60〜90%で
ある層であれば、その材質、厚さなどで特に限定される
ものではない。拡散透過率が50%未満であると、拡散
光の拡散効率が低くなり好ましくなく、70%を超える
と、十分な光拡散層からの反射が得られず好ましくな
い。一方、ヘーズ値(曇度)が60%未満であると、十
分な光拡散層からの反射が得られず好ましくなく、90
%を超えると、入射光の減衰が大きく、拡散光の拡散効
率が低くなり好ましくない。
【0012】また、光拡散層は10〜35%の可視光線
透過率をもつことが好ましい。このような可視光線透過
率をもつ光拡散層により、ハーフミラーを透過してきた
光に対し、優れた防眩効果を得るのに十分な量の光を光
拡散層内で拡散できるようになる。また、光拡散層は1
0〜20%の可視光線反射率をもつことがさらに好まし
い。このような可視光線反射率をもつ光拡散層により、
ハーフミラーの光源反射像と光拡散層の反射光の二重像
の発生を防ぐことができる。
【0013】以上のような光学特性をもつ光拡散層の材
料としては、セルロース、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリオキシメチレン、ポリメタクリル酸メチル及び
ポリカーボネートなどからなる繊維を不規則に配列させ
たものを用いることができる。繊維を不規則に配列させ
たものとしては、例えば長繊維を不織布状にしたものを
用いることができる。このとき繊維はφ5〜10μmの
繊維径をもつことが好ましい。また、繊維の表面を無電
解メッキや蒸着などによってNiやCrなどでメタライ
ズすることによって、拡散光の拡散効率をさらに高める
ことができる。
【0014】また、光拡散層は、セルロースなどからな
る長繊維をエナメル、アクリル、シリコーン、ウレタン
系の塗料などに分散させ、これをハーフミラーに塗布し
て形成することもできる。このときの塗布方法について
は、厚膜印刷やスプレー塗装などの公知の塗装方法を用
いることができる。この塗膜においては、セルロースの
長繊維はφ5〜10μmの繊維径をもち、かつ10〜5
0μmの繊維長さをもつことが好ましい。また、光拡散
層中のセルロースの長繊維の含有量については、層全体
を100体積%とすると長繊維が30〜40体積%であ
ることが好ましい。また、塗膜の膜厚は20〜50μm
であることが好ましい。
【0015】さらに、以上のような繊維を用いた材料の
他に、紙や、樹脂の中にφ85μm以下のエンボスホロ
グラム片や金属粒子などを分散させたホログラムラッカ
ーなども用いることができ、用途に応じて適宜選択する
ことができる。なお、光拡散層はハーフミラーと必ずし
も密着している必要はなく、ハーフミラーと光拡散層と
の間に隙間があってもよいが、密着している方が鏡面を
より光らせることができ好ましい。
【0016】以上の光拡散層により、この防眩ミラーに
スポット光が照射されると、その光源反射像の周囲の鏡
面を高輝度に光らせることができる。この高輝度に光ら
せることのできる範囲は、半径にして光源反射像の3倍
以上の面積であり、広範囲なものである。なお、光拡散
層で生じる拡散光は、光が拡散している間は残ってお
り、光源が失われてもすぐに消えてしまわずにしばらく
の間は残っている。また、拡散光の輝度及びその広がる
範囲は、スポット光の光強度に依存する。
【0017】ところで、光拡散層の裏側には可視光を透
過することのできない光遮蔽層を設けることが好まし
い。こうした光遮蔽層としては、光を吸収できる黒色塗
装などを用いることができる。このような光遮蔽層を設
けることにより、ハーフミラー及び光拡散層を透過して
きた透過光、並びに光拡散層の裏側に拡散してきた拡散
光が防眩ミラーの裏側から出てくることがなくなる。
【0018】なお、この光遮蔽層も光拡散層と必ずしも
密着している必要はなく、光拡散層と光遮蔽層の間に隙
間があってもよい。このような光遮蔽層は、防眩ミラー
のハウジングなどで代用することができる。次に、請求
項2に記載の防眩ミラーについては、光拡散層のすぐ裏
側に光反射層を設ける他は、請求項1に記載の防眩ミラ
ーと同様の構造形態をとることができる。
【0019】この防眩ミラーでは、光拡散層のすぐ裏側
に設けた光反射層により、ハーフミラー及び光拡散層を
透過してきた透過光、並びに光拡散層の裏側に拡散して
きた拡散光を光拡散層に反射して再び光拡散層で拡散さ
せることができる。その結果、光拡散層で拡散する拡散
光の光量が多くなり、光源反射像の周囲の鏡面を透過し
て外部へ出ていく拡散光の光量がより多くなるととも
に、拡散光がこの層の周辺方向へさらに広がっていき、
光源反射像の周囲の鏡面をより広範囲で透過して外部へ
出ていく。それゆえ、防眩ミラーの裏側から出ていく光
の光量を少なくすることができるとともに、光源反射像
の周囲の鏡面をより高輝度にかつ広範囲で光らせること
ができる。
【0020】この光反射層は50%以上の可視光線反射
率をもつことが好ましい。このような光反射層により、
光拡散層の裏側に透過してきた透過光及び拡散してきた
拡散光を光拡散層に極めて多く反射できるようになり、
光源反射像の周囲の鏡面を極めて高輝度にかつ広範囲で
光らせることができるようになる。特に、この光反射層
が可視光を透過させない全反射型のものであれば、ハー
フミラー及び光拡散層を透過してきた透過光、並びに光
拡散層の裏側に拡散してきた拡散光が防眩ミラーの裏側
から出てくることがなくなる。
【0021】
【作用】本発明の請求項1及び請求項2に記載の防眩ミ
ラーでは、スポット光が照射されたときに、その光源反
射像の周囲の鏡面を光拡散層で生じる拡散光により高輝
度にかつ広範囲で光らせることができる。それゆえ、光
源反射像とその周囲の鏡面のコントラストを十分に小さ
くでき、優れた防眩効果を得ることができる。
【0022】特に、請求項2に記載の防眩ミラーでは、
光源反射像の周囲の鏡面を極めて高輝度にかつ広範囲で
光らせることができるため、光源反射像とその周囲の鏡
面のコントラストを極めて小さくすることができ、極め
て優れた防眩効果を得ることができる。これら請求項1
及び請求項2に記載の防眩ミラーの防眩性は、先に挙げ
た公報1の防眩ミラーと比べても高いものである。その
理由は次のように考えられる。
【0023】公報1の防眩ミラーでは、ハーフミラーを
透過した光を乱反射層によって鏡面方向へ単に散乱させ
ているだけであるため、光源反射像の方へ散乱させない
ようにすることが難しく、この散乱光と光源反射像の重
複が大きくなってしまう。これに対し、本発明の防眩ミ
ラーでは、ハーフミラーを透過した光を光拡散層で十分
に拡散させるため、光源反射像の方へ散乱する拡散光が
少なく、鏡面から出ていく拡散光と光源反射像との重複
が小さい。それゆえ、本発明の防眩ミラーは、公報1の
防眩ミラーよりも光源反射像の周囲の鏡面を高輝度にか
つ広範囲に光らせることができる。
【0024】また、請求項1及び請求項2に記載の防眩
ミラーでは、光拡散層は光を拡散させることでは劣化し
ないため、半永久的に防眩効果を得ることができる。ま
た、光拡散層はその材料を適宜選択することにより、液
晶やエレクトロクロミック素子よりも安価に設けること
ができる。また、上記の請求項1及び請求項2に記載の
防眩ミラーの防眩機能は電力を要することなく得られ、
電力確保に係る電源及び電気設備などを必要とせず、そ
の設備コストがかからないようにすることができる。
【0025】さらに、請求項1及び請求項2に記載の防
眩ミラーでは、公報1の防眩ミラーの乱反射体よりも容
易に光拡散層を設けることができる。公報1の防眩ミラ
ーでは、乱反射体を設けるには乱反射体の表面にエッチ
ングやブラスト処理などによって凹凸面を形成するとあ
るが、本発明ではこうした表面処理技術は特に必要とし
ない。それゆえ、請求項1及び請求項2に記載の防眩ミ
ラーは、公報1の防眩ミラーよりも容易に製造すること
ができ、比較的安価なものとすることができる。
【0026】従って、請求項1及び請求項2に記載の防
眩ミラーは、従来の防眩ミラーに対し、半永久的に優れ
た防眩効果が得られ、かつ安価なものとすることができ
る。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)本実施例の防眩ミラー100は、図1に模
式的に示すように、ハーフミラー110と、光拡散層1
20と、光反射層130と、から構成されている。
【0028】ハーフミラー110は、透明板112と半
透過反射層114とが組み合わされてなる。透明板11
2はガラスよりなり、1.5〜2.5mmの板厚をも
つ。半透過反射層114は、Cr、Al、Ag及びNi
などの金属単体、またはそれらの合金よりなり、100
〜500Åの膜厚をもつ。この半透過反射層114はス
パッタリング法または蒸着法によりガラス板112上に
形成したものである。このハーフミラー110の可視光
線反射率は最大38%である。
【0029】光拡散層120は、図3の拡大写真に示す
ように、セルロースの長繊維(φ5〜10μm)を不織
布状にしたものからなる。図3は、これを100倍に拡
大して見たもので、白い筋状のものがセルロースの長繊
維である。この光拡散層120の拡散透過率は65%
で、ヘーズ値は84%である。また、可視光線透過率は
12%で、可視光線反射率は6%である。
【0030】光反射層130は、ガラス板132と全反
射層134とが組み合わされてなる。ガラス板132は
1.5〜2.5mmの板厚をもつ。全反射層134はA
l、Ag及びCrなどよりなり、500Å以上の膜厚を
もつ。この全反射層134はスパッタリング法によりガ
ラス板132上に形成したものである。光反射層130
は、60%以上の可視光線反射率をもち、かつほぼ0%
の可視光透過率をもつ全反射型の光反射層である。
【0031】この防眩ミラー100にスポット状の光が
照らされたときの光の挙動を、図1及び図2を用いて次
に説明する。なお、図2は、図1の円Aの部分の拡大模
式図である。この防眩ミラー100に照らされた光10
は、先ずハーフミラー110において、光源反射像12
と透過する光とに分かれる。ハーフミラー110を透過
して光拡散層に入った光は、セルロースの長繊維120
aによって図1中の矢印14で示すようにこの層120
で散乱されて周囲に広がり、さらに散乱が繰り返されて
層中を拡散していく。この拡散光14は、その一部をハ
ーフミラーの方向に散乱させながら(矢印16)拡散層
をしばらくの間拡散して次第に減衰する。なお、ハーフ
ミラー110及び光拡散層120を透過した光、並びに
光拡散層120の裏側に散乱された拡散光14のほとん
どは光反射層130で反射され、光拡散層120を拡散
する。それゆえ、光反射層130を透過する光はほとん
どない。
【0032】ハーフミラーの方向に散乱された拡散光1
6は、光源反射像12の反射部分及びその周囲のハーフ
ミラー110を透過して外部へ出ていく(矢印16
b)。この拡散光16には、ハーフミラーの裏面で光拡
散層の方向へ反射されるもの(矢印16a)もあるが、
この反射光16aは再び光拡散層120を拡散する。 (実施例2)本実施例の防眩ミラーは、光拡散層の他は
実施例1の防眩ミラーと同じ構成をもつ。この防眩ミラ
ーのハーフミラーは、実施例1の防眩ミラーのものと同
じもので38%の反射率をもつ。
【0033】光拡散層は、セルロースの長繊維をアクリ
ル系の塗料に分散させたものを厚膜印刷法又はスピニン
グ法によってハーフミラーに塗布して乾燥させて得られ
る塗膜である。この塗膜においては、セルロースの長繊
維はφ5〜10μmの径をもち、かつ0.5〜1mmの
繊維長さをもつ。また、塗膜中のセルロースの長繊維の
含有量については、塗膜全体を100体積%とすると長
繊維が50体積%である。また、塗膜の膜厚は30〜6
0μmである。 (比較例1)本比較例は、ガラス基板の裏側にクロム皮
膜を形成してなるミラーである。このミラーは38%の
反射率をもつ。 (比較例2)本比較例の防眩ミラーは、ハーフミラーの
裏側にハーフミラーを透過した光を表側に向かって乱反
射させる乱反射体を設けたものである。ハーフミラー
は、ガラス基板の表面にクロム皮膜を、鏡面反射率が3
8%となる厚さに形成したものである。また、このハー
フミラーの裏面にエッチングで凹凸を形成し、さらにこ
の凹凸面上にアルミニウム膜よりなる乱反射体を形成し
た。 [反射像の視認性の評価]実施例1及び実施例2、並び
に比較例1及び比較例2の各防眩ミラーのいずれのミラ
ーも、通常の光の反射像の視認性については良好であっ
た。 [防眩性の評価]実施例1及び実施例2、並びに比較例
1及び比較例2の各防眩ミラーにスポット光を照射し、
光源反射像の周囲の輝度をそれぞれ測定した。本測定で
は、ライト形状が円形のスポット光を発するハロゲンラ
ンプを用いてスポット光を照射した。各防眩ミラーにつ
いて、光源反射像の中心からの距離と、その位置での輝
度と、の関係を図4にそれぞれ示す。
【0034】図4より、実施例1及び実施例2の各防眩
ミラーでは、光源反射像の中心から5mm以上の距離に
おける輝度が、比較例1及び比較例2の輝度に比べてい
ずれも高く、25mmの距離においても依然として輝度
が高いことがわかる。すなわち、実施例1及び実施例2
の防眩ミラーの光源反射像の周囲の鏡面の輝度は、比較
例1及び比較例2の防眩ミラーに比べてより広い範囲に
おいて高い値となっており、また、光源反射像の大きさ
に対し、半径にして5倍以上の大きさの光源反射像の周
囲の鏡面を光らせていることがわかる。
【0035】次に、実施例1、並びに比較例1及び比較
例2の各防眩ミラーについて、1lx、0.1lx、
0.01lxの各環境照度における、光源反射像の中心
から5〜15mmの距離にある鏡面での輝度と、通常の
人が眩しいと感じられる光源反射像の輝度との関係を図
5にそれぞれ示す。なお、1lxの環境照度は月夜の明
るさに相当し、0.01lxの環境照度は月の出ていな
い夜の明るさに相当する。
【0036】図5より、1lx、0.1lx、0.01
lxのいずれの環境照度においても、実施例1の防眩ミ
ラーでの光源反射像の中心から5〜15mmの距離にあ
る鏡面での輝度が、比較例1及び比較例2の防眩ミラー
よりも高くなり、眩しいと感じられる光源反射像の輝度
が高くなっていることがわかる。具体的には、1lx、
0.1lx、0.01lxの各環境照度において、実施
例1の防眩ミラーの眩しいと感じられる光源反射像の輝
度は比較例1の値よりもそれぞれ5%、9%、14%高
くなっている。このような輝度が5%高くなることは、
実際的には次のような防眩性の向上が示される。
【0037】半径70mmの円形のライト形状をもち、
かつ輝度が500cd/m2のスポット光を発するハロ
ゲンランプを用いて、スポット光を各ミラーに照射した
とする。この場合、比較例1及び比較例2のミラーでは
光源からの距離が60m程度で眩しさが感じられる。一
方、実施例1の防眩ミラーでは、60m程度の距離では
眩しいと感じられず、50m程度で眩しさが感じられ
る。
【0038】従って、実施例1の防眩ミラーの防眩性
は、比較例1及び比較例2のミラーのに比べて優れるこ
とがわかった。
【0039】
【効果】本発明の請求項1及び請求項2に記載の各防眩
ミラーを車両用ルームミラーやドアミラーなどの後方確
認用ミラーに利用すると、次のような効果がある。本発
明の防眩ミラーは優れた防眩効果をもつため、この車両
の運転者は、夜間においてこのミラーに写る後続車のヘ
ッドランプなどの眩しさを感じなくなり、車両をより安
全に運転できるようになる。
【0040】特に、本発明の請求項2に記載の防眩ミラ
ーは極めて優れた防眩機能をもつため、この防眩ミラー
を車両用ルームミラー、ドアミラーなどに利用すること
により、この車両の運転者は、夜間における後続車のヘ
ッドランプの眩しさをさらに感じなくなり、車両をより
一層安全に運転できるようになる。また、後続の車両の
ヘッドランプの光が、後続の車両の運転者の目の方向と
は異なった方向に反射されても、その光源反射像の周囲
の鏡面の光には指向性がないため、後続車の運転手はこ
れを視認することができる。それゆえ、自車の車両の位
置を後続車に認知させるマーカーとしても利用すること
ができる。
【0041】ところで、本発明の防眩ミラーでは、光源
反射像の周囲の鏡面を光らせる拡散光は、すぐに消えて
しまわずにしばらくの間残っている。このことは次のよ
うに有効に働く。後続車のヘッドランプの光の反射され
る方向は、自車と後続車の相対的な位置関係の変化や車
両の振動により常に動いているため、ヘッドランプの光
の反射方向により、その光源反射像が運転者の目に直接
入ってくるときと、入ってこないときとがある。この運
転者の目に光源反射像が直接入ってきていないときのヘ
ッドライトの光も、光拡散層において拡散光を生じさせ
る。この拡散光は、ヘッドランプの光が運転者の目の方
向に反射されたときにも残っていて、運転者の目に直接
入ってくる光源反射像の周囲の鏡面を光らせる。このよ
うに、運転者の目の方向に反射される前にミラーに照ら
されていたヘッドライトの光も、運転者の目に直接入っ
てくる光源反射像と鏡面とのコントラストを小さくする
ことに寄与し、防眩性を向上させる。
【0042】また、本発明の防眩ミラーでは、光源反射
像の周囲の鏡面を光らせる拡散光の輝度及び範囲は、ス
ポット光の光強度によって自動的に可変する。このこと
は次のように有効に働く。自車と後続車との車間距離が
比較的あいていて、後続車のヘッドライトの光源反射像
の明るさが弱くその光源反射像が眩しく感じられない状
態から、車間距離が詰められてその光源反射像の明るさ
が強くなって眩しく感じられることがある。この場合、
車間距離が詰められる前に照らされていたヘッドライト
の光も光拡散層の拡散光を生じさせる。この拡散光の輝
度及び範囲は小さいため、ヘッドライトの光源反射像以
外の反射像も明瞭に視認することができる。また、この
拡散光は車間距離が詰められたときにも残っていて、車
間距離が詰められたときに運転者の目に入ってくる光源
反射像の周囲の鏡面を光らせる。このように、車間距離
が詰められる前に照らされていたヘッドライトの光も、
車間距離が詰められたときのヘッドライトの光の光源反
射像と鏡面とのコントラストを小さくすることに寄与
し、防眩性を向上させる。
【0043】また、本発明の請求項1及び請求項2の防
眩ミラーは、半永久的に優れた防眩効果が得られるた
め、寿命によるミラー交換が不要となる。さらに、本発
明の請求項1及び請求項2の防眩ミラーは、安価なもの
であっても優れた防眩機能が得られ、かつ電力を要する
ことなくその防眩機能が得られるため、車両の製造にお
いて、ミラーの調達コストを小さくできるとともに、電
力の確保に係る電源及び電気設備を省くことができる。
それゆえ、車両の車体重量を小さくできるとともに、車
体価格を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、実施例1の防眩ミラーの構成を模式
的に示す断面模式図である。
【図2】この図は、実施例1の防眩ミラーの光拡散層の
部分を拡大した部分拡大図である。
【図3】この図は、実施例1の光拡散層の拡大写真であ
る。
【図4】この図は、実施例1、比較例1及び比較例2の
各防眩ミラーについて、光源反射像の中心からの距離
と、その位置での輝度と、の関係をそれぞれ示すグラフ
である。
【図5】この図は、実施例1、並びに比較例1及び比較
例2の各防眩ミラーについて、所定の環境照度におけ
る、光源反射像の中心から所定の距離にある鏡面での輝
度と、眩しいと感じられる光源反射像の輝度と、の関係
をそれぞれ示すグラフである。
【符号の説明】
100:防眩ミラー 110:ハーフミラー 120:
光拡散層 130:全反射ミラー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハーフミラーの裏側に、ヘーズメーターに
    より測定されるところの拡散透過率が50〜70%であ
    りかつヘーズ値が60〜90%である光拡散層を設けた
    ことを特徴とする防眩ミラー。
  2. 【請求項2】前記光拡散層のすぐ裏側に光反射層を設け
    た請求項1に記載の防眩ミラー。
JP28981597A 1997-10-22 1997-10-22 防眩ミラー Pending JPH11125708A (ja)

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