JP3177389B2 - 車両用灯具の光源装置 - Google Patents

車両用灯具の光源装置

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JP3177389B2
JP3177389B2 JP21903594A JP21903594A JP3177389B2 JP 3177389 B2 JP3177389 B2 JP 3177389B2 JP 21903594 A JP21903594 A JP 21903594A JP 21903594 A JP21903594 A JP 21903594A JP 3177389 B2 JP3177389 B2 JP 3177389B2
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昌也 大河戸
悟 広瀬
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Ichikoh Industries Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
Ichikoh Industries Ltd
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  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)
  • Lighting Device Outwards From Vehicle And Optical Signal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホログラムを利用した
車両用灯具類の光源装置に係り、特にハイマウント・ス
トップランプ用の光源として好適である。
【0002】
【従来の技術】ホログラムは、レーザー光などのコヒー
レントな光の干渉によって生じた光の強弱を、主に屈折
率の変化で記録したものであって、このホログラムに対
して該ホログラムを構成したのと同じ光を入射させる
と、回折によってレンズと同様ないし類似の効果が得ら
れる。この場合、波長の選択性(設定した波長の光にし
か反応しない性質)および角度の選択性(設定した入射
角の光にしか反応しない性質)を有していることが知ら
れている。以上に述べたホログラムの特性はセンター・
ハイマウント・ストップランプ(略称、CHMSL)に
利用されている。図13(A)は、上記CHMSL機構
の原理的な説明図であって、自動車のリヤーウインドが
ラス1にホログラム2が取り付けられている。その下方
に設けた光源装置3から赤色光を矢印aのごとく上記ホ
ログラム2に向けて投射すると、矢印bのごとく回折さ
れて車体後方に向けて投射され、ハイマウント・ストッ
プランプとしての機能を果たす。同図(B)は上記従来
例の光源装置3の構成を示すための部分破断斜視図であ
る。ランプハウジング4内に回転放物面状のリフレクタ
5が設置されている。Zは回転放物面の光軸、Fは同じ
く焦点である。上記焦点F付近にバルブ6が配置され
る。7はそのソケットである。前記の回転放物面状リフ
レクタ5には、上記ソケット7を装着するための開口5
aが設けられている。回転放物面の焦点F付近から出射
した光は回転放物面状リフレクタ5で反射され、光軸Z
に平行な光束となってランプハウジング4の前面開口を
通って矢印Z方向に投射される。この平行光束の光路上
に赤色フィルタ8が配設されている。
【0003】図13(A)に示した従来例のCHMSL
においては、リヤートレイ14の上に物品を置くと光路
が妨げられるという問題が有るので、こうした不具合を
解消するため、図14に示すように導光板を用いたCH
MSL機構も開発されている。図14(A)は導光板を
用いた従来例のCHMSL機構の模式的な断面図、同図
(B)は同じく斜視図である。光源装置3は図13
(B)に示した光源装置3と同様の構成であって、矢印
cのごとく投射された平行光束はミラー10によって矢
印dのように反射されて導光板9に入射し、該導光板9
で導かれてホログラム2に到達して矢印e,e′のごと
く屈折せしめられて車体後方に投射される。この図14
(A)の従来例においては、リヤートレイ14の上部空
間Sに物品を置いても光路を遮る虞れが無い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図13(B)に示した
従来例において、回転放物面状リフレクタ5に設けられ
ている開口5aの部分は反射面としての機能について無
効部となる。このため、該回転放物面状リフレクタ5で
反射された平行光束の中で、上記の開口5aに対応する
部分は光量分布が0となり、この光源装置2の赤色フィ
ルタ8の面上に暗部D1が生じる。このため、図13
(A)図において車体後方からホログラム2を見ると、
赤色に発光している区域の中央部に、暗部D1に対応す
る暗影が見えることになる。図14(B)に示したD1
は図13について説明したのと同様の暗部である。光源
装置3から矢印c方向に投射される平行光束の中央部
に、上記の暗部D1に相当する光量の欠落部分が出来る
ので、この暗部D1はミラー10の反射面上に暗影D2
生じ、導光板9の入射面に暗影D3を生じ、ホログラム
2を車体後方から見たとき暗影D4が感じられる。導光
板を用いたCHMSLではホログラム2の発光部の幅寸
法Wを大きく取りにくいので、暗影D4の直径寸法が上
記の幅寸法Wに比較して大きくなり易い。このため、ホ
ログラム2が発光しているとき車体後方からこれを見る
と、発光面が暗影D4で左右に分断され、2個の灯具が
左右に対向,離間して並んでいるように見える。上記の
不具合の原因を図13(B)について考究すると、回転
放物面状リフレクタ5が光軸Zと交わる個所付近にバル
ブソケット装着用の開口5aが設けられていて、この開
口の部分が反射鏡として作用しないからであることが分
かる。こうした検討結果に基づいて、「前記回転放物面
状リフレクタの内で、開口が設けられていない部分」
を、有効反射面として利用することが考えられる。この
アイデアによれば、開口の無い回転放物面鏡を用いるの
で暗部を生じない。而して、開口部の無い部分を具体的
に言えば「仮想の回転放物面を、光軸の片側に位置する
平行な2面で切り取った形状」となる。このような特殊
回転放物面鏡を用いた光源装置は、本発明者が創作した
基本的発明である。
【0005】図1は基本の発明に係る光源装置の1実施
例を示す3面図であって、(A)は平面図、(B)は正
面図、(C)は側面図である。図2は上記実施例の斜視
図である。本実施例の光源装置は図13に示した従来例
の光源装置に基本の発明を適用して改良したものであっ
て、図13と同一の符号を付したバルブ6および赤色フ
ィルタ8は前記従来例におけると同様ないし類似の構成
部分である。図13と同一の符号にダッシを付して示し
たランプハウジング4′は、前記従来例におけるランプ
ハウジング4に対応する構成部材であるが、バルブ6を
収納するための膨出部4aが形成されている。図1
(C)に示すように、仮想の回転放物面Pを想定する。
本発明において仮想の回転放物面とは、設計手順の一時
期において図面上ないしは思考の中で想定する、実体を
伴わない回転放物面をいう、Zはその光軸、Fは焦点で
ある。上記の光軸Zの下方に、該光軸Zと平行な2面p
1,p2を想定する。本図において上記平行2面は紙面と
垂直である。本発明を実施する際、上記平行2面は光軸
Zに比して必ずしも下側に在ることを要せず、片側に位
置すれば良い。要は該平行2面の間に光軸Zを位置せし
めないようにする。そして、前記仮想の回転放物面Pが
平行2面p1,p2によって挟まれている部分に反射面を
沿わしめて回転放物面状リフレクタ11を構成し、その
焦点F付近にバルブ6を配設する。
【0006】図13(B)に示した従来例の光源装置と
対比しつつ図2の実施例を見ると容易に理解できるよう
に、本例の回転放物面状リフレクタ11の上方に光軸Z
が位置し、該光軸Z上の焦点Fの近傍にバルブ6が配置
されている。その結果、バルブ6は回転放物面状リフレ
クタ11よりも上方に位置し、該バルブ6用のソケット
7は回転放物面状リフレクタ11から離間してその上方
に位置している。従って本例における回転放物面状リフ
レクタ11にソケット7を装着するための開口を設ける
必要が無い。図1(C)に示した光路矢印のごとく、バ
ルブ6から出射して回転放物面状リフレクタ11に入射
した光は光軸Zと平行に反射される。上記回転放物面状
リフレクタ11にはソケット7を装着するための開口が
設けられていないので、投射光束の中央部に光度の欠落
部分を生じない。従って、この光源装置から投射された
光を車体後方から見たとき、中央部に暗影が感じられな
い。しかし乍ら、図1(C)から容易に理解されるよう
に、前記先願の発明に係る光源装置においては、バルブ
6から出射した光束の有効利用率が低い。図1(C)の
例で言えば、バルブ6から斜上方に(光軸Zよりも上方
に)向けて出射した光束は無効になっている。本発明は
上述の事情に鑑みて為されたものであって、前記基本の
発明に係る光源装置における「発光部の中央付近に暗影
を生じない」という効果を妨げることなく、光束の有効
利用率の高い光源装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における基本的構
成は、発光区域の中央付近に暗部を生じることを防止す
るためのもので、回転放物面状リフレクタの焦点付近に
光源が設置されているセンター・ハイマウント・ストッ
プランプの光源装置において、上記回転放物面の光軸に
関して同じ側に位置する、ほぼ光軸に平行な2面によっ
て該回転放物面が挟まれている区域を、有効反射面とし
て用いる構造であることを特徴とする。さらに、光源か
ら出射した光束の効利用率を改善するために、その実施
の態様として、前記の回転放物面状リフレクタの光軸に
関して、前記ほぼ平行な2面と反対側に位置せしめて、
前記の光源に向けて凹なる球面鏡を設け、該光源から出
射して有効反射面と反対方向に向かう光束を前記の光源
に向けて反射するようになっていて、上記の光源に向け
て反射された反射光束が光源付近を通過して前記回転放
物面状リフレクタの有効反射面に入射して有効に利用さ
れる構造であることが推奨される。
【0008】
【作用】上記の手段によると、回転放物面状リフレクタ
の光軸上に光源が位置するとともに、該光軸に関して同
じ側に位置する区域が有効反対面として用いられる。す
なわち、有効反射面として用いられる区域は光軸と交わ
っていない。従って、有効反射面区域に開口を設けてソ
ケットを設置する必要が無く、該回転放物面状リフレク
タによる反射光束の中央部付近に暗影(光束密度の小さ
い部分)を生じない。上記のようにして光軸の片側のみ
を有効反射面として用いると、他方の側に向けて出射し
た光束が無効になるという不具合を伴うが、該他方の側
に向けて出射した光束を球面鏡で反射させることにより
光束の有効利用率低下を防止することができる。その結
果、光源から出射した光束の有効利用率を低下せしめる
ことなく、反射光束の中央部付近に暗影を生じさせる虞
れの無い光源装置を構成することができる。
【0009】
【実施例】図1は本発明に係る光源装置の1実施例を示
す3面図であって、(A)は平面図、(B)は正面図、
(C)は側面図である。図2は上記実施例の斜視図であ
る。本実施例の光源装置は図13に示した従来例の光源
装置に本発明を適用して改良したものであって、図13
と同一の符号を付したバルブ6および赤色フィルタ8は
前記従来例におけると同様ないし類似の構成部分であ
る。図13と同一の符号にダッシを付して示したランプ
ハウジング4′は、前記従来例におけるランプハウジン
グ4に対応する構成部材であるが、バルブ6を収納する
ための膨出部4aが形成されている。図1(C)に示す
ように、仮想の回転放物面Pを想定する。本発明におい
て仮想の回転放物面とは、設計手順の一時期において図
面上ないしは思考の中で想定する、実体を伴わない回転
放物面をいう。Zはその光軸、Fは焦点である。上記の
光軸Zの下方に、該光軸Zと平行な2面p1,p2を想定
する。本図において上記平行2面は紙面と垂直である。
本発明を実施する際、上記平行2面は光軸Zに比して必
ずしも下側に有ることを要せず、片側に位置すれば良
い。要は該平行2面の間に光軸Zを位置せしめないよう
にする。そして、前記仮想の回転放物面Pが平行2面p
1,p2によって挟まれている部分に反射面を沿わしめて
回転放物面状リフレクタ11を構成し、その焦点F付近
にバルブ6を配設する。
【0010】図13(B)に示した従来例の光源装置と
対比しつつ図2の実施例を見ると容易に理解できるよう
に、本例の回転放物面状リフレクタ11の上方に光軸Z
が位置し、該光軸Z上の焦点Fの近傍にバルブ6が配置
されている。その結果、バルブ6は回転放物面状リフレ
クタ11よりも上方に位置し、該バルブ6用のソケット
7は回転放物面状リフレクタ11から離間してその上方
に位置している。従って本例における回転放物面状リフ
レクタ11にソケット7を装着するための開口を設ける
必要が無く、該回転放物面状リフレクタ11の反射面の
全部が有効反射面として利用される。図1(C)につい
て上述の構成を見るに、回転放物面状リフレクタ11の
反射面のうち、平行2面p1,p2で挟まれている部分が
有効反射面として用いられていることが本発明の特徴の
一つであって、この回転放物面状リフレクタ11の周辺
部(図において上,下端部)が前記平行2面p1,p2
らハミ出していても、また、該平行2面が立体幾何学的
に厳密な平行2面でなくても、本発明の技術的範囲に属
するものである。図1(C)に示した光路矢印のごと
く、バルブ6から出射して回転放物面状リフレクタ11
に入射した光は光軸Zと平行に反射される。上記回転放
物面状リフレクタ11にはソケット7を装着するための
開口が設けられていないので、投射光束の中央部に光度
の欠落部分を生じない。従って、この光源装置を用いた
ハイマウント・ストップランプの点灯状態を車体後方か
ら見たとき、中央部に暗影を感じない。
【0011】図3は上掲の図1,図2に示した実施例と
異なる実施例に係り車両用灯具の光源装置を示し、
(A)は部分的に切断して描いた平面図、(B)は正面
外観図、(C)は模式的に描いた側面図に、構造説明の
ための座標軸および作用説明のための光路矢印を付記し
た図である。図4は上掲の図3に示した実施例の光源装
置を部分的に破断して描いた斜視図であって、前掲の図
1,図2について説明した実施例における図2に対応す
る斜視図である。この実施例(図3,図4)は、前記実
施例(図1,図2)の光束有効利用率を向上するように
改良した1例であって、前記実施例と同一の図面参照符
号を付したものは前記実施例におけると同様の構成部分
である。バルブ6の上方を覆う形に、半球状の球面鏡1
2を設置する。これにより該球面鏡12は光軸Zに関し
て、回転放物面状リフレクタ11と反対側に位置するこ
とになる。すなわち、平行2面p1,p2と反対側に位置
する。そして、上記球面鏡12の中心を、回転放物面状
リフレクタ11の焦点Fに一致させる。これにより、該
球面鏡12の中心点はバルブ6のフィラメント(図示省
略)とほぼ一致するようになる。而して上記フィラメン
トから球面鏡12に向けて出射した光束は該球面鏡12
により点Fに向けて、すなわちバルブ6のフィラメント
に向けて反射される。この反射光は、フィラメント付近
を通過して回転放物面状リフレクタ11に入射し、あた
かもフィラメントから出射したように振舞う。すなわ
ち、光軸Zと平行に反射されて赤色フィルタ8を通過す
る。これにより、前記実施例(図1,図2)に比して、
バルブ6の光量が見掛け上、約2倍に増加したのと同様
に機能する。すなわち、光束の有効利用率が格段に向上
する。
【0012】以上のようにして発光部中央の暗影(図1
3,図14において符号D1〜D4を付して示した暗部)
の発生が防止され、かつ、バルブ6から出射した光束が
有効に利用されるが、さらに、投射される光束の密度不
均一という問題が有る。図5は上掲の図1ないし図4に
示した実施例における投射光束密度の不均一を説明する
ために示したものであって、回転放物面状リフレクタの
正面図に光源の位置を付記するとともに、反射面に入射
する光束の照度が等しい点を結んだカーブを記入した等
照度曲線図表である。光源であるバルブのフィラメント
6aから近い所は明るく、遠い所は暗くなるので、回転
放物面状リフレクタ11の中央部と周辺部とを比較する
と10倍以上の差を生じていることが分かる。このた
め、例えば図3(A)に示した赤色フィルタ8を見たと
き、中央部が明るくて周辺部が暗く、発光状態が不均一
に感じられる。こうした不具合を防止して、発光部の光
度分布を均一ならしめるには、該回転放物面状リフレク
タの反射率分布を制御することが有効な手段である。図
6は前記と更に異なる実施例におけるリフレクタを抽出
して描いた模式図であって、(A)は球面鏡の反射面に
おける反射率分布を、(B)は回転放物面鏡の反射面に
おける反射率分布を、それぞれ斑点の疎密によって表し
た図であって、必ずしも外観を写実的に表していない。
上掲の図6において、斑点密度の濃い所は反射率が低い
ことを表し、斑点密度の淡い所は反射率が高いことを表
している。図6に示したように、球面鏡12′および回
転放物面状リフレクタ11′のそれぞれについて、中央
部に低反射率部20aを配置するとともに、周辺部に高
反射率部20cを設け、両者の中間には中反射率部20
bを配置してある。
【0013】本発明において回転放物面状リフレクタの
中央部とは(図6(B)参照)該回転放物面が中心線
(本図において紙面と直交している)に近い個所を言
い、周辺部とは中央部から遠い個所を言う。また、本発
明において球面鏡の中央部とは、球の中心に配置された
仮想の光源から出射した光を、回転放物面状リフレクタ
の中央部に向けて反射する個所を言い、球面鏡の周辺部
とは、同じく回転放物面状リフレクタの周辺部に向けて
反射する個所を言うものとする。上記の中央部と周辺部
とは相対的な用語であって、両者の間に明確な境界線は
無い。以上に説明した反射率の分布について、理論的に
は、反射面にボカシ風の塗装を施してアナログ的に反射
率を変化させても良いが、工業的生産における品質管理
面について考えると、ボカシの手法を用いるよりは、多
数の小部分を設定して、反射率1か0かといったデジタ
ル的な制御をする方が実用的である。図7は反射率変化
のための多数の小部分の配置を示し、(A)は球面鏡の
反射面を、(B)は回転放物面状リフレクタの反射面を
それぞれ描いてあり、両図ともに、図の左半部と図の右
半部とは互いに異なる実施例を表しており、反射率0の
小部分として孔を穿った例である。本図7の右半部に示
した実施例は、反射面に分布させて中径の孔21bわ穿
ってある。ここに中径とは、殊更に大径でも小径でもな
い適宜の大きさの意である。そして、球面鏡12′につ
いても回転放物面状リフレクタ11′についても、反射
率を低くしたい中央部は孔の分布密度を大きくし、周辺
部は孔の分布密度を小さくしてある。また、本図7の左
半部に示した実施例は、孔の分布密度のみでなく、孔の
径寸法も変化させてある、すなわち、反射率を小さくし
たい中央部には大径の孔21aを配設するとともに、周
辺部には小径の孔21cを配設してある。
【0014】図示を省略するが、孔の分布密度を全面均
一にして、孔径の変化のみで反射率を制御することもで
きる。すなちわ、反射面積に対する非反射面積の比率を
制御することによって反射率の分布を制御することがで
きる。
【0015】反射率の制御は、球面鏡と回転放物面状リ
フレクタとの双方で行なうことが設計的に容易である
が、球面鏡のみで反射率制御を行なうことも、回転放物
面状リフレクタのみで反射率制御を行なうことも可能で
ある。いずれの場合においても、回転放物面状リフレク
タで反射してホログラムに向けて出射される光束の分布
密度を一様ならしめることを当面の目的として反射率制
御を行えば良い。
【0016】球面鏡もしくは回転放物面状リフレクタの
反射面の反射率を部分的に低下させる手段としては、図
7に示したように孔を穿つことが簡単であるが、その他
の有効な方法として、 イ.反射面を構成した後、多数の小部分を設定して、こ
の小部分に黒色塗装を施すこと、 ロ.上記の設定された小部分に黒色スクリーン印刷を施
すこと、 ハ.上記の設定された小部分に、光吸収材料の小片を貼
着すること、 が考えられる。また、上記ハ項の光吸収材料は、必ずし
も反射面に貼着しなくても、光路上に位置せしめて保持
しても良い。さらに、これらの多数の小部分は、完全に
無反射の構造でなくても、低反射の状態にすることによ
っても同様の効果が得られる。低反射部分を設けるため
の具体的な手段としては、 イ.低反射塗装を施すこと、 ロ.アルミニューム蒸着を施すこと、 ハ.スモークフィルム(半透明フィルム)の貼着もしく
は光路上保持、が有る。
【0017】上述の各実施例における無反射部ないし低
反射部の配置は、先に図5について説明したように、光
源であるバルブのフィラメント6aから近い個所の反射
率を下げるとともに、遠い個所の反射率を下げないよう
にという方針で行なわれているが、さらに光源として用
いられるバルブの出射特性をも考慮すると良い。図8は
現在広く用いられているH1バルブを示し、(A)は外
観側面図、(B)は極座標面に0cdないし200cd
の照度目盛を設けるとともに360度方向の配光曲線を
記入した図表である。本発明を実施する場合の反射率配
分は、本図8(B)に示された特性を打ち消して方向性
を無くするように設計することが望ましい。
【0018】前掲の図7に示した実施例のように多数の
無反射部もしくは低反射部を分布させることは望ましい
が、人間の感覚が明暗差を意識することが余り敏感でな
いことを考慮して、もっとラフな反射率制御を行なうこ
とも実用的価値が有る。図9は単一の開口を球面鏡に設
けて反射率を制御した実施例を示し、(A)は開口に斑
点を付して表示した平面図、(B)は各種の実施例を対
比して表示した光度分布図表である。図10は上掲の図
9に示した実施例を描いたものであって、(A)はバル
ブおよび赤色フィルタを付記した側面図、(B)は各種
の実施例を対比して表示した光度分布図表である。図9
(B)および図10(B)において、破線で描いたカー
ブgは、球面鏡12′を設けない回転放物面状リフレク
タ11のみの場合を表している。実線で描いたカーブh
は上記回転放物面状リフレクタ11に球面鏡12(無反
射部,低反射部を設けていないもの)を付設した場合を
表しており、光度値は約2倍になっているが、図9
(B)における中央部の光度が著しく大きい。この状態
から、球面鏡に単一の開口25を設けると、前記のカー
ブhはカーブiのごとく改善され、完全ではないが光度
分布の均一性がかなり良くなっている。
【0019】図9,図10に示した実施例においては、
開口25内へ入射した光は有効に利用されないので、光
束の有効利用率が比較的低く、その改善に限界が有る。
図11は光束の有効利用率を改善するように構成した実
施例を示し、(A)は模式的に描いた外観平面図、
(B)は球面鏡を抽出して模式的に描いた単品外観正面
図である。本例においては、反射率を下げようとする部
分(左右方向に関して中央部)に開口を設けることな
く、拡散反射面22を設けて反射光を拡散させる。図1
2は上掲の図11図に示した実施例の作用原理を説明す
るために示したもので、ホログラムに入射する光の角度
のズレ量を横軸にとって、回折効率を縦軸に表した図表
である。図12に実線で示したカーブjは、ホログラム
への入射角が上下方向にズレた場合を表している。図1
2において上下方向とは図14における上下方向を言
い、図12における左右方向とは図14における左右方
向を言う。本図12に表されているように入射角が上下
方向にズレると(カーブj)、回折効率は急激に低下す
るが、これに比して入射角が左右にズレても回折効率の
低下は緩徐である。こうした特性を利用して、図11
(B)に示した実施例の球面鏡12′の拡散反射面22
は、反射光を上下に拡散させずに左右に拡散させるよう
に構成する。図11(B)について具体的に言うと、往
復矢印V−V方向にはなるべく拡散させず、主として往
復矢印H−H方向に拡散させるように構成する。球面鏡
12′の左右方向中央部付近で左右方向に拡散された光
束は、ホログラムの中央部に入射することなく、該ホロ
グラムの左右両端部近傍に、左右方向のズレ角を伴って
入射する。図12について説明したように、左右方向に
ズレた入射光は比較的高い回折効果で有効に利用するこ
とができる。なお、図11(A)に示した拡散反射率2
2′は、拡散反射面そのものを描いたものではなく、板
金製の球面鏡12′の内面に(B)図のごとく拡散反射
面を形成したため、(A)図に現れている球面鏡12′
の外面に凹凸を生じている部分である。
【0020】
【発明の効果】本発明を適用すると、回転放物面状リフ
レクタの光軸上に光源が位置するとともに、該光軸に関
して同じ側に位置する区域が有効反対面として用いられ
る。すなわち、有効反射面として用いられる区域は光軸
と交わっていない。従って、有効反射面区域に開口を設
けてソケットを設置する必要が無く、該回転放物面状リ
フレクタによる反射光束の中央部付近に暗影(光束密度
の小さい部分)を生じない。上記のようにして光軸の片
側のみを有効反射面として用いると、他方の側に向けて
出射した光束が無効になるという不具合を伴うが、該他
方の側に向けて出射した光束を球面鏡で反射させること
により光束の有効利用率低下を防止することができる。
その結果、光源から出射した光束の有効利用率を低下せ
しめることなく、反射光束の中央部付近に暗影を生じさ
せる虞れの無い光源装置を構成することができるという
優れた実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光源装置の1実施例を示す3面図
であって、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は
側面図である。
【図2】上記実施例の斜視図である。
【図3】上掲の図1,図2に示した実施例と異なる実施
例に係る車両用灯具の光源装置を示し、(A)は部分的
に切断して描いた平面図、(B)は正面外観図、(C)
は模式的に描いた側面図に、構造説明のための座標軸お
よび作用説明のための光路矢印を付記した図である。
【図4】上掲の図3に示した実施例の光源装置を部分的
に破断して描いた斜視図であって、前掲の図1,図2に
ついて説明した実施例における図2に対応する斜視図で
ある。
【図5】上掲の図1ないし図4に示した実施例における
投射光束密度の不均一を説明するために示したものであ
って、回転放物面状リフレクタの正面図に光源の位置を
付記するとともに、反射面に入射する光束の照度が等し
い点を結んだカーブを記入した等照度曲線図表である。
【図6】前記と更に異なる実施例におけるリフレクタを
抽出して描いた模式図であって、(A)は球面鏡の反射
面における反射率分布を、(B)は回転放物面鏡の反射
面における反射率分布を、それぞれ斑点の疎密によって
表した図であって、必ずしも外観を写実的に表していな
い。
【図7】反射率変化のための多数の小部分の配置を示
し、(A)は球面鏡の反射面を、(B)は回転放物面状
リフレクタの反射面をそれぞれ描いてあり、両図とも
に、図の左半部と図の右半部とは互いに異なる実施例を
表しており、反射率0の小部分として孔を穿った例であ
る。
【図8】現在広く用いられているH1バルブを示し、
(A)は外観側面図、(B)は極座標面に0cdないし
200cdの照度目盛を設けるとともに360度方向の
配光曲線を記入した図表である。
【図9】単一の開口を球面鏡に設けて反射率を制御した
実施例を示し、(A)は開口に斑点を付して表示した平
面図、(B)は各種の実施例を対比して表示した光度分
布図表である。
【図10】上掲の図9に示した実施例を描いたものであ
って、(A)はバルブおよび赤色フィルタを付記した側
面図、(B)は各種の実施例を対比して表示した光度分
布図表である。
【図11】光束の有効利用率を改善するように構成した
実施例を示し、(A)は模式的に描いた外観平面図、
(B)は球面鏡を抽出して模式的に描いた単品外観正面
図である。
【図12】上掲の図11図に示した実施例の作用原理を
説明するために示したもので、ホログラムに入射する光
の角度のズレ量を横軸にとって、回折効率を縦軸に表し
た図表である。
【図13】ホログラムを利用した自動車用ハイマウント
ストップランプの従来例を示し、(A)は垂直断面図で
あり、(B)はその光源装置の一部を破断して描いた斜
視図である。
【図14】上掲の図13に示した従来例を改良した公知
の自動車用ハイマウントストップランプを示し、(A)
は垂直断面図であり、(B)はその要部を描いた外観斜
視図である。
【符号の説明】
1…リヤーウインドウガラス、2…ホログラム、3…光
源装置、4…ランプハウジング、5…回転放物面状リフ
レクタ、5a…開口、6…バルブ、6a…バルブのフィ
ラメント、7…バルブのソケット、8…赤色フィルタ、
11…回転放物面状リフレクタ、12,12′…球面
鏡、14…リャートレイ、20a…低反射率部、20b
…中反射率部、20c…高反射率部、21a…大径の
孔、21b…中径の孔、21c…小径の孔、22…拡散
反射面、22′…拡散反射部、24…配光曲線、25…
開口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−338488(JP,A) 特開 平3−542(JP,A) 実開 平6−80204(JP,U) 実開 昭61−109849(JP,U) 実開 昭63−164104(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F21S 8/10

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転放物面状リフレクタの焦点付近に光
    源が設置されているセンター・ハイマウント・ストップ
    ランプの光源装置において、 上記回転放物面の光軸に関して同じ側に位置する、ほぼ
    光軸に平行な2面によって該回転放物面が挟まれている
    区域を、有効反射面として用い、該有効反射面により反
    射された光軸と平行な平行光束成分をホログラムに照射
    する構造であることを特徴とする、車両用灯具の光源装
    置。
  2. 【請求項2】 前記の回転放物面状リフレクタの光軸に
    関して、前記ほぼ平行な2面と反対側に位置せしめて、
    前記の光源に向けて凹なる球面鏡を設け、該光源から出
    射して有効反射面と反対方向に向かう光束を前記の光源
    に向けて反射するようになっていて、上記の光源に向け
    て反射された反射光束が光源付近を通過して前記回転放
    物面状リフレクタの有効反射面に入射して有効に利用さ
    れる構造であることを特徴とする、請求項1に記載した
    車両用灯具の光源装置。
  3. 【請求項3】 前記球面鏡の反射率が、該球面鏡の中央
    部付近で小さく、周辺に向かうに従って大きくなってい
    て、前記回転放物面状リフレクタで反射された光束が、
    前記平行2面で挟まれている有効反射面区域内でほぼ一
    定の光束密度となる構造であることを特徴とする、請求
    項2に記載した車両用灯具の光源装置。
  4. 【請求項4】 前記球面鏡の反射面区域の中に、多数の
    非反射部が配置されており、かつ、反射面積に対する非
    反射部面積の比率が該球面鏡の中央部付近で大きく、周
    辺に向かうに従って小さくなっていて、前記回転放物面
    状リフレクタで反射された光束が、前記平行2面で挟ま
    れている有効反射面区域内でほぼ一定の光束密度となる
    構造であることを特徴とする、請求項2に記載した車両
    用灯具の光源装置。
  5. 【請求項5】 前記回転放物面状リフレクタが平行2面
    で挟まれている有効反射面区域のうち、中央部付近は反
    射率が小さく、周辺に向かうに従って反射率が大きくな
    っていて、該有効反射面区域で反射される反射光の光束
    密度がほぼ一定となる構造であることを特徴とする、請
    求項1に記載した車両用灯具の光源装置。
  6. 【請求項6】 前記回転放物面状リフレクタの、平行2
    面で挟まれている有効反射面区域の反射率が、該有効反
    射面区域の中央部付近で小さく、周辺部で大きくなって
    いて、前記球面鏡の反射率変化と上記回転放物面状リフ
    レクタの反射率変化との総合的効果として、前記回転放
    物面状リフレクタで反射された光束が、前記平行2面で
    挟まれている有効反射面区域内でほぼ一定の光束密度と
    なる構造であることを特徴とする、請求項2ないし請求
    項4の何れかに記載した車両用灯具の光源装置。
  7. 【請求項7】 前記球面鏡の反射面の一部に拡散反射面
    を設けて、この拡散反射面で反射した光束が光源に向か
    って収束しないようになっていることを特徴とする、請
    求項2に記載した車両用灯具の光源装置。
  8. 【請求項8】 前記回転放物面状リフレクタの反射率の
    設定、および、球面鏡の反射率の設定、並びに非反射部
    の配置の少なくとも何れか一つは、前記の光源として用
    いられているバルブの出射特性に対応せしめて、前記回
    転放物面状リフレクタで反射された光束が、前記平行2
    面で挟まれている有効反射面区域内でほぼ一定の光束密
    度となる構造であることを特徴とする、請求項1ないし
    請求項6の何れかに記載した車両用灯具の光源装置。
  9. 【請求項9】 前記回転放物面状リフレクタの、平行2
    面で挟まれている有効反射面区域に、多数の無反射部,
    低反射部,もしくは欠損よりなる非有効部分が分布され
    ており、かつ、該非有効部分の分布密度が、有効反射面
    区域の中央部において大きく、周辺に向かうに従って小
    さくなっていることにより、反射率の分布が調整されて
    いることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載
    した車両用灯具の光源装置。
  10. 【請求項10】 前記回転放物面状リフレクタの、平行
    2面で挟まれている有効反射面区域に、多数の無反射
    部,低反射部,もしくは欠損よりなる非有効部分が分布
    されており、かつ、該非有効部分それぞれの大きさが、
    有効反射面区域の中央部において大きく、周辺に向かう
    に従って小さくなっていることにより、反射率の分布が
    調整されていることを特徴とする、請求項5または請求
    項6に記載した車両用灯具の光源装置。
  11. 【請求項11】 前記回転放物面状リフレクタの、平行
    2面で挟まれている有効反射面区域に、多数の無反射
    部,低反射部、もしくは欠損よりなる非有効部分が分布
    されており、かつ、該非有効部分の分布密度、および、
    該非有効部分それぞれの大きさが、有効反射面区域の中
    央部において大きく、周辺に向かうに従って小さくなっ
    ていることにより、反射率の分布が調整されていること
    を特徴とする、請求項5または請求項6に記載した車両
    用灯具の光源装置。
  12. 【請求項12】 前記回転放物面状リフレクタの有効反
    射面区域に分布せしめて設けられる無効部は、該回転放
    物面状リフレクタの反射面の上に、多数の小面積の部分
    を設定して、この小面積部分に、(a)黒色塗装、
    (b)黒色スクリーン印刷、および(c)光吸収材料の
    貼付、の、少なくとも何れか一つを施した構造であるこ
    とを特徴とする、請求項9ないし請求項11の何れかに
    記載した車両用灯具の光源装置。
  13. 【請求項13】 前記回転放物面状リフレクタの有効反
    射面区域に分布せしめて設けられる低反射部は、該回転
    放物面状リフレクタの反射面の上に、多数の小面積の部
    分を設定して、この小面積部分に、(a)低反射塗装、
    (b)アルミニューム蒸着、および(c)スモークフィ
    ルムの貼付もしくは光路上への配置、の、少なくとも何
    れか一つを施した構造であることを特徴とする、請求項
    9ないし請求項11の何れかに記載した車両用灯具の光
    源装置。
  14. 【請求項14】 前記回転放物面状リフレクタの有効反
    射面区域に分布せしめて設けられる欠損部は、該回転放
    物面状リフレクタの反射面の上に、多数の小面積の部分
    を設定して、この小面積部分について、(a)反射膜を
    成膜するためのアルミニューム蒸着におけるマスクが
    け、および、(b)穿孔もしくは切欠、の、少なくとも
    何れか一つを施した構造であることを特徴とする、請求
    項9ないし請求項11の何れかに記載した車両用灯具の
    光源装置。
  15. 【請求項15】 前記回転放物面状のリフレクタは、立
    体幾何学的に真正な回転放物面を変形させた形状をなし
    ていて、 光源から出射して該リフレクタで反射された反射光のう
    ち、光軸と平行な平行光束成分の光束密度が制御され
    て、この反射光束をホログラム用の光源として用いられ
    た場合、該ホログラム出射光の光束密度分布が一様とな
    るように構成されていることを特徴とする、請求項1も
    しくは請求項2に記載した車両用灯具の光源装置。
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