JPH1112555A - 異方導電性接着剤 - Google Patents

異方導電性接着剤

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JPH1112555A
JPH1112555A JP16777897A JP16777897A JPH1112555A JP H1112555 A JPH1112555 A JP H1112555A JP 16777897 A JP16777897 A JP 16777897A JP 16777897 A JP16777897 A JP 16777897A JP H1112555 A JPH1112555 A JP H1112555A
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JP
Japan
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resin
amine
anisotropic conductive
conductive adhesive
connection
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JP16777897A
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Hiroshi Ito
浩志 伊藤
Masakazu Kawada
政和 川田
Tetsuya Miyamoto
哲也 宮本
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/321Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by conductive adhesives

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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱温度150℃以下、加熱時間15秒以下
の低温短時間で回路同士の接続が可能であり、且つ接続
信頼性、保存性に優れた異方導電性接着剤を提供する。 【解決手段】 ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱
可塑性エラストマー及びアミン変性マレイミド樹脂から
なる樹脂組成物中に導電性粒子を分散させた異方導電性
接着剤において、使用されるアミン変性マレイミド樹脂
中に存在する未反応のアミンを、精製操作によって減少
したことを特徴とする前記異方導電性接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LCD(液晶ディ
スプレイ)とTCP(テープキャリヤパッケージ)との
接続や、TCPとPCB(プリント回路基板)との接続
などの微細な回路同士の電気的接続に使用される異方導
電性接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、接着性樹脂中に導電性粒子を分散
させた異方導電性接着剤が液晶ディスプレイLCDとT
CPやTCPとPCBとの接続など各種微細回路接続の
必要性が飛躍的に増大してきており、その接続方法とし
て異方導電性接着剤が使用されてきている。この方法
は、接続したい部材間に異方導電性接着剤を挟み加熱加
圧することにより、面方向の隣接端子間では電気的絶縁
性を保ち、上下の端子間では電気的に導通させるもので
ある。このような用途に異方導電性接着剤が多用されて
きたのは、被着体の耐熱性がないことや微細な回路では
隣接端子間で電気的にショートしてしまうなど半田付け
などの従来の接続方法が適用できないことが理由であ
る。
【0003】この異方導電接着剤は、熱可塑タイプのも
のと熱硬化タイプのものに分類されるが、最近では熱可
塑タイプのものより、信頼性の優れたエポキシ樹脂系の
熱硬化タイプのものが広く用いられつつある。
【0004】熱可塑タイプの異方導電性接着剤について
は、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SI
S(スチレン−イソプレン−スチレン)、SEBS(ス
チレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)等スチレン
系共重合体が主として用いられてきているが、これら熱
可塑タイプの使用方法は、基本的に溶融融着方式であ
り、その作業性は一般的に条件を選べば熱硬化のものに
比べて、比較的低温・短時間での適用が可能であり良好
であると考えられるが、樹脂の耐湿性・耐薬品性などが
低いため、接続信頼性が低いため長期環境試験に耐えう
るもののではなかった。
【0005】一方、現在主流となっている熱硬化タイプ
の異方導電性接着剤は、一般に保存性安定性、硬化性の
バランスの良いエポキシ樹脂系の熱硬化タイプが広く用
いられている。しかし、実用上これらの熱硬化タイプの
ものは、保存性安定性と樹脂の硬化性を両立させるた
め、その硬化反応性から150〜200℃の温度で30
秒前後加熱、硬化することが必要とされ、たとえば15
0℃以下の温度では実用的な接続時間で樹脂を硬化させ
ることは困難であった。
【0006】更に、保存安定性については、例えば、B
3アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジ
ド、イミダゾール化合物等の潜在性硬化剤を配合した系
のもの等が提案されているが、保存安定性に優れるもの
は硬化に長時間または高温を必要とし、低温・短時間で
硬化できるものは逆に保存安定性に劣るといった問題が
ありいずれも一長一短があった。
【0007】前記問題点に加えて、熱硬化タイプの異方
導電性接着剤を用いた微細な回路同士の接続作業性にお
いて、位置ずれ等の原因によって一度接続したものを被
接続部材を破損または損傷せずに剥離して再度接合(所
謂リペア)したいという要求が多くでてきている。しか
し殆どのものが高接着力、高信頼性といった長所がある
反面、この様な一見矛盾する要求に対しては対応が極め
て難しく、満足するものは得られていない。
【0008】特に最近は、LCDモジュールの大画面
化、高精細化、狭額縁化が急速に進み、これに伴って、
接続ピッチの微細化や接続の細幅化も急速に進んでき
た。このため、たとえば、LCDとTCP接続において
は、接続時のTCPののびのため接続パターンずれが生
じたり、接続部が細幅のため接続時の温度でLCD内部
の部材が熱的影響を受けるなどの問題が生じてきた。ま
た、TCPとPCBの接続においては、PCBが長尺化
してきたため接続時の加熱によりPCBとLCDが反
り、TCPの配線が断線するという問題も生じてきた。
【0009】そこで、より低温で接続することによりこ
れらの問題を解決することが考えられたが、たとえば、
従来の熱可塑性タイプの異方導電性接着剤で接続しよう
とすると、比較的低温での接続は可能であるが樹脂の耐
湿性・耐熱性が低いため接続信頼性が悪いという問題が
あった。また、熱硬化タイプの主流であるエポキシ樹脂
系の異方導電性接着剤で低温で接続しようとすると、樹
脂を硬化させるために接続時間を長くする必要があり、
実用上適用できるものではなかった。
【0010】低温接続を可能とする異方導電性接着剤と
して、カチオン重合性物質とスルホニウム塩とを配合し
た接着性樹脂中に導電性粒子を分散させたもの(特開平
7−90237号公報)や、エポキシ樹脂等と4−(ジ
アルキルアミノ)ピリジン誘導体に導電性粒子を分散さ
せたもの(特開平4−189883号公報)も提案され
ているが、接着剤樹脂の保存性や被接続回路端子の腐食
等の問題があり実用には至っていない。
【0011】さらに、低温接続を可能にするものとし
て、ラジカル重合性樹脂と有機過酸化物、熱可塑性エラ
ストマーとを配合した接着剤中に、導電性粒子を分散さ
せた熱硬化型異方導電性接着剤を用いることも考えられ
ているが、ラジカル重合性樹脂と熱可塑性エラストマー
とが加熱接着時に両者が相溶性の違いから相分離してし
まい、充分な接着強度と接続安定性が得られないという
問題があった。
【0012】また、この問題を解決するために、ラジカ
ル重合性樹脂と有機過酸化物、熱可塑性エラストマーか
らなる樹脂組成物にラジカル重合性樹脂と熱可塑性エラ
ストマーとの双方に相溶性のあるマレイミドを含有させ
ることも考えられているが、マレイミドの溶剤に対する
溶解性、さらに、低温・短時間で接続しようとするとマ
レイミド自身の融点が高いために加熱硬化時、接着剤の
流動性が不足し導通不良を起こすと言った問題があり、
より低温の接続には実用不可能であった。マレイミド樹
脂の溶解性や融点を改良したアミン変性マレイミド樹脂
を使用することでそれらの問題点を解決できたが、アミ
ン変性マレイミド樹脂中に存在する未反応のアミンによ
って接着剤の保存性や硬化性が低下するなどの問題が生
じていた。
【0013】即ち、現状では硬化性、作業性、接着性、
接続信頼性等の全てをバランス良く満足する樹脂系は得
られておらず、そのため、より低温短時間で接続でき、
且つ、接着性、接続信頼性、保存安定性、リペア性等に
優れる異方導電性接着剤の要求が強くなっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
このような問題に鑑みて種々の検討の結果なされたもの
であり、その目的とするところは、LCDとTCPとの
接続や、TCPとPCBとの接続などの微細回路同士の
電気的接続において、特に低温短時間での接続も可能
で、且つ、接着性、接続信頼性、保存安定性、リペア性
にも優れる加熱硬化型異方導電性接着剤を提供しようと
するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ラジカル重
合性樹脂と有機過酸化物、熱可塑性エラストマー、ラジ
カル重合性樹脂と熱可塑性エラストマーとの双方に相溶
性のあるアミン変性マレイミド樹脂からなる樹脂組成物
中に導電性粒子を加えることによって得られた熱硬化型
異方導電性接着剤が、アミン変性マレイミド樹脂中に存
在する未反応のアミンがラジカル重合性樹脂や有機過酸
化物と反応することによって保存性や硬化性が低下して
いた問題に対して種々の検討を加えた結果、上記熱硬化
型異方導電性接着剤に使用されるアミン変性マレイミド
樹脂を精製することによって未反応アミン量を減少させ
ることにより、保存性や硬化性の低下が押さえられ、優
れた特性を有する熱硬化型異方導電性接着剤の得られる
ことを見いだし本発明に至ったものである。
【0016】即ち、本発明はラジカル重合性樹脂、有機
過酸化物、熱可塑性エラストマー及びアミン変性マレイ
ミド樹脂からなる樹脂組成物中に導電性粒子を分散させ
た異方導電性接着剤において、使用されるアミン変性マ
レイミド樹脂中に存在する未反応のアミンを、精製操作
によって減少したことを特徴とする前記異方導電性接着
剤である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるラジカル重合
性樹脂としては特に限定されるものではなく、分子中に
一個以上の炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合可
能なものであり、例えばビニルエステル樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ジアリルフタレートや各種アクリレー
ト類などが挙げられる。中でも硬化性と保存性、硬化物
の耐熱性、耐湿性、耐薬品性を兼ね備えたビニルエステ
ル樹脂を好適に用いる事が出来る。ここでビニルエステ
ル樹脂とは、エポキシ樹脂とアクリル酸あるいはメタク
リル酸との反応、もしくはグリシジルメタクリレートと
多価フェノール類との反応によって得られるものを指
す。これらは単独もしくは構造、分子量等の異なるもの
と併用してもよく。また、その保存性を確保するため
に、予めキノン類、多価フェノール類、フェノール類等
の重合禁止剤を添加することも可能である(例えば、特
開平4−146951など)。さらに硬化性、加熱時の
流動性、作業性を改良するため、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリト
ールジアリレートモノステアレート、テトラエチレング
リコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレートなどのアクリレート類やスチレンなど各種
モノマー類や一般的な反応性希釈剤で希釈して使用する
ことが可能である。
【0018】本発明で用いられる有機過酸化物としては
特に限定されるものではなく、例えば1,1,3,3−
テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネー
ト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、
t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシ
ルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート等が挙げられる。これらの過酸化物は単
独あるいは硬化性をコントロールするため2種類以上の
有機過酸化物を混合して用いることも可能である。ま
た、保存性を改良するため各種重合禁止剤を予め添加し
ておく事も可能である。さらに樹脂への溶解作業を容易
にするため溶剤等に希釈して用いる事もできる。本発明
で用いられる有機過酸化物の種類や配合量は各過酸化物
を配合した場合の接着剤の硬化性と保存性との兼ね合い
で決定されることは当然である。
【0019】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
としては特に制限はないが、例えばポリエステル樹脂
類、ポリウレタン樹脂類、ポリイミド樹脂、ポリブタジ
エン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、ポリアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロ
プレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ナイロン、スチレ
ン−イソプレン共重合体、ポリメチルメタクリレート樹
脂などを用いることができる。その中でアクリロニトリ
ルとブタジエンとを主成分とする共重合体は、異方導電
性接着剤とした時の接着性、接続信頼性などにおいて優
れた特性を持つことからより好適に用いることができ
る。また、アクリロニトリルとブタジエンとを主成分と
する共重合体にカルボキシル基や水酸基など各種官能基
を導入したものを用いることも可能である。
【0020】本発明に用いられるアミン変性マレイミド
樹脂としては、ラジカル重合性樹脂と熱可塑性エラスト
マーとを相溶させる作用を有するものであり、適切な精
製操作により未反応のアミン量が減少されていれば特に
制限はないが、一般的に(1)、(2)式に例示される
化学構造を有するマレイミドとアミンを反応したものを
用いる。アミンとしては特に制限はないが、例えば1官
能1級アミン、2官能1級アミン、1官能2級アミン、
2官能2級アミン等が挙げられ一種又は二種以上混合し
て用いられる。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】ビスマレイミドのアミンによる変性は特に
限定されるものではないが、使用するビスマレイミド、
アミンの種類およびビスマレイミドとアミンの配合比、
反応条件により(1)マレイミド基とアミノ基のマイケ
ル付加反応(2)マレイミド基とアミノ基のアミド化反
応、(3)マレイミド基同士の重合反応の3つが起こり
得るが、マレイミドのアミン変性物の溶剤に対する溶解
性、熱可塑性エラストマーおよびラジカル重合性樹脂と
の相溶性、異方導電接着剤とした時の接着性、接続信頼
性等を考えたときは(1)マレイミド基とアミノ基のマ
イケル付加反応および(2)マレイミド基とアミノ基の
アミド化反応を選択的に行った方が良い。ビスマレイミ
ドとアミンの配合比は、特に限定されるものではなく、
使用するビスマレイミドおよびアミンの種類により適宜
選択すればよい。また、ビスマレイミドとアミンの反応
条件も特に限定されるものではなく、使用するビスマレ
イミドおよびアミンの種類、配合比により適宜選択すれ
ばよい。
【0024】本発明における、アミン変性マレイミド樹
脂の精製方法は特に限定はされないが、未反応のアミン
をできるだけ効率良く減少でき、且つ樹脂中に不純物を
残さないものが好ましい。そのような方法としては、例
えば未反応アミンとアミン変性マレイミド樹脂の特定の
溶剤に対する溶解性の差を利用する方法(再沈、濾過)
やイオン交換樹脂やキレート樹脂など未反応アミンに選
択的に作用する吸着剤を利用する方法(吸着分離)、未
反応アミンと選択的に反応して溶剤不溶性の化合物を生
成させて濾過する方法、熱溶融温度あるいは結晶化温度
の差を利用して分離する方法、液体クロマトグラフィー
による精製、アミン変性マレイミドから未反応アミンを
抽出できる溶剤を使用する方法などを挙げることができ
る。それらのなかでは未反応アミンとアミン変性マレイ
ミド樹脂の特定の溶剤に対する溶解性の差を利用する方
法(再沈、濾過)が一般的に比較的操作が簡単で、且つ
安価で効率良く精製できることから好適に用いることが
できる。しかしながら、精製操作の方法はアミン変性マ
レイミドの種類、用いる原料アミンやマレイミドの種
類、物性によって決定され、またどの程度まで未反応の
アミン量を減少させなければならないかは使用されるラ
ジカル重合性樹脂の種類や有機過酸化物の種類などとの
兼ね合いにより決定されることは当然である。
【0025】本発明に用いられる導電性粒子は、導電性
を有するものであれば特に制限するものではなく、ニッ
ケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバル
ト、銀、金など各種金属や金属合金、金属酸化物、カー
ボン、グラファイト、ガラスやセラミック、プラスチッ
ク粒子の表面に金属をコートしたもの等が適用できる。
これらの導電性粒子の粒径や材質、配合量は、接続した
い回路のピッチやパターン、回路端子の厚みや材質等に
よって適切なものを選ぶことができる。
【0026】更に、本発明の異方導電性接着剤中には、
必要に応じてカップリング剤を適量添加してもよい。カ
ップリング剤を添加する目的は、異方導電性接着剤の接
着界面の接着性を改質し、接着強度や耐熱性、耐湿性を
向上し接続信頼性を向上するものである。カップリング
剤としては、特にシラン系カップリング剤を好適に添加
使用することができ、例えば、エポキシシラン系、メル
カプトシラン系、アクリルシラン系(例えば、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)を用い
ることができる。
【0027】本発明によれば、ラジカル重合性樹脂、有
機過酸化物、熱可塑性エラストマー及びアミン変性され
たマレイミド樹脂からなる樹脂組成物中に導電性粒子を
分散させた異方導電性接着剤において、使用されるアミ
ン変性されたマレイミド樹脂中に存在する未反応のアミ
ン量が、精製操作によって減少されているため保存性や
硬化性の低下が押さえられる。そのため、極めて低温・
短時間での接続も可能であり、接着性、接続信頼性、保
存安定性、リペア性に優れた異方導電性接着剤が得られ
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により説明
する。 (実施例) 1.未反応アミンを減少したアミン変性マレイミド樹脂
の作製 未反応のアミンを含有するジアミノジフェニルプロパン
型マレイミド樹脂(構造式=(3)式)をテトラヒドロ
フラン(THF)に溶解した10%溶液を、その容積の
20倍のメタノール中に滴下し、得られた沈殿物を回収
し、40℃で24時間真空乾燥する事によって、未反応
アミンを減少したアミン変性マレイミド樹脂を得た。
【0029】
【化3】
【0030】2.異方導電性フィルムの作製 (4)式の構造を有するメタアクリロイル化フェノール
ノボラック樹脂(n/n+m=0.7,n+m=8)を
メチルエチルケトンに溶解した50%溶液を200重量
部、1,1,3,3テトラメチルブチルパーオキシ2エ
チルヘキサノエートを5重量部、(5)式の構造を有す
るアクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合
体をメチルエチルケトンに溶解した20%溶液を500
重量部、先述の未反応アミンを減少したアミン変性マレ
イミド樹脂をメチルエチルケトンに溶解した20%溶液
を350重量部、平均粒径5μmのNi/Auメッキポ
リスチレン粒子7重量部を混合し、均一に分散させた
後、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの上に乾燥後の厚さが15μmになるように流延・
乾燥して異方導電フィルムを得た。
【0031】
【化4】
【0032】
【化5】
【0033】3.評価サンプルの作製 銅箔/ポリイミド=25/75μmに0.4μmの錫メ
ッキを施したTCP(ピッチ0.10mm、端子数20
0本)とシート抵抗値30Ωのインジウム/錫酸化物皮
膜を全面に形成した厚さ1.1mmのガラス(以下IT
Oガラス)との間に、2mm幅にカットした前述の異方
導電フィルムを挟み、温度130℃及び150℃、圧力
30kg/cm2、20秒間の条件で加熱加圧接着し、評
価サンプルを作製した。
【0034】4.接着強度測定方法 得られた評価サンプルをテンシロンを用いて、引っ張り
速度50mm/分で90゜剥離し、接着強度を求めた。
【0035】5.接続信頼性評価方法 評価サンプル作製直後および温度85℃、湿度85%、
100時間放置後の接続抵抗を測定した。測定できない
ものを導通不良(OPEN)とした。
【0036】6.保存性評価方法 得られた異方導電フィルムを2mm幅にカットし、25
℃で30日間放置した後、銅箔/ポリイミド=25/7
5μmに0.4μmの錫メッキを施したTCP(ピッチ
0.10mm、端子数200本)とシート抵抗値30Ω
のインジウム/錫酸化物皮膜を全面に形成した厚さ1.
1mmのガラス(以下ITOガラス)との間に、この異
方導電フィルムを挟み、温度150℃、 圧力30kg
/cm2で20秒間加熱加圧接着した。得られたサンプル
の接続抵抗値を測定し、値の大小、導通不良の有無によ
って保存性を評価した。
【0037】(比較例)未反応アミンを減少したアミン
変性マレイミド樹脂の代わりに、未反応のアミンを含有
するジアミノジフェニルプロパン型マレイミド樹脂を精
製操作を行わないで用いること以外、実施例と同様にし
て異方導電フィルムを得、実施例と同様な評価を行っ
た。以上の実施例および比較例の評価結果を表1に示
す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、より低温で接続可能
で、且つ接続信頼性、保存性にも優れる加熱硬化型異方
導電性接着剤を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 133/14 C09J 133/14 135/00 135/00 H01B 1/20 H01B 1/20 D

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱
    可塑性エラストマー及びアミン変性マレイミド樹脂から
    なる樹脂組成物中に導電性粒子を分散させた異方導電性
    接着剤において、使用されるアミン変性マレイミド樹脂
    中に存在する未反応のアミンを、精製操作によって減少
    したことを特徴とする異方導電性接着剤。
  2. 【請求項2】 該ラジカル重合性樹脂がビニルエステル
    樹脂であることを特徴とする請求項1記載の異方導電性
    接着剤。
  3. 【請求項3】 該熱可塑性エラストマーがアクリロニト
    リルとブタジエンとを主成分とする共重合体であること
    を特徴とする請求項1記載の異方導電性接着剤。
JP16777897A 1997-06-24 1997-06-24 異方導電性接着剤 Withdrawn JPH1112555A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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