JPH11125335A - 紐状パッキング及びその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器の筐体の表示窓に液晶表示器を取付
ける際に筐体と液晶表示器との間に狭在させる紐状パッ
キングの生産性を高め、取扱いを容易にし、取付作業の
自動化を容易にする。 【解決手段】 シリコーンゴムをカレンダーロールによ
り長尺シートに延伸して加熱加硫させ、この加硫された
長尺シートに両面粘着シートを貼付けたものをスリッタ
ーにより細幅長尺の紐状に分断してパッキング１とな
し、その複数本を共通の巻芯５に揃えて巻回する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は紐状弾性材パッキン
グ、特に液晶表示器を電子機器筐体の表示窓に取付ける
際に使用するシリコーンゴムパッキングに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、液晶表示器を有する電子機器で
は、筐体の内部に塵埃等が侵入するのを防ぐために、筐
体に穿設されている窓の周縁内面と液晶表示器との間
に、シリコーンゴム等で形成された紐状のパッキングを
挟在させていた。この紐状パッキングは、図２に示すよ
うに、厚さ２ｍｍ以下、幅数ｍｍ以下、長さ２０〜３０
ｃｍのシリコーンゴム材２１の裏面に粘着層２２を設け
たものである。

【０００３】このようなパッキングは、通常、次のよう
にして造られる。架橋剤、補強剤、可塑剤、顔料等を配
合した原料をロール等により延伸し、プレス加熱により
加硫されたシートを得る。この加硫シートの裏面に、片
面に離型シートが貼付けられている両面粘着シートを貼
付け、スリッターにより離型シートを残して硬化シート
及び粘着層を切断する。図３はこのようにして得た製品
を示し、２３は離型シート、２４は粘着層を有する紐状
パッキングである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】電子機器の組立に際し
ては、手作業により離型シート２３から紐状パッキング
２４を一本づつ剥がし、筐体または液晶表示器の所定箇
所にこれを粘着層２２によって貼付ける。その際に紐状
パッキングは伸びたり撚れたりし易く、これに加え近年
は液晶表示器の寸法が急速に大型化して来ているので、
その作業は極めて非能率的であった。

【０００５】また、従来のプレス加熱によりシリコーン
ゴムを加硫させる製法では、１回に生産される加硫シー
トの寸法が最大１ｍ×２ｍ程度に制限されるために生産
性も悪かった。本発明は、紐状パッキングの製法を改善
して生産性を高めると共に、長尺の紐状パッキングの生
産を可能にし、これより電子機器の組立て作業における
紐状パッキングの貼付作業の自動化を助けようとするも
のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明においては、配合
原料ゴムをカレンダーロールにより長尺のシート状に延
伸し、これを加熱して加硫させ、或いは熱可塑性弾性材
を長尺シートに延伸加工する。次に、これらの長尺シー
トの裏面に両面粘着シートを貼合わせるが、両面粘着シ
ートの反対面には離型シートが貼付けられている。この
両面粘着シートを貼合わせた長尺シートを、離型シート
ごとスリッターにより紐状に分断し、これを複数本づつ
共通の巻芯に互いに巻回端面を密接させた状態で巻回す
る。

【０００７】上述のスリッタで分断して得た長尺の紐状
パッキングは、幅が狭いために１本だけを巻回したので
は、形が崩れ易いために取扱いに不便であるが、共通の
巻芯に複数本を巻回し、かつその巻回端面で隣接するパ
ッキング同士が粘着層によって互いに粘着しているの
で、形が崩れにくく、取扱いに便利である。そのため
に、電子機器の組立工程において、パッキングの貼付作
業の自動化が容易である。また、長尺の状態で製造され
るために、その生産性も良好である。

【０００８】

【発明の実施の形態】補強剤、可塑剤等が予め混入され
ている市販のシリコーンゴム・コンパウンドに架橋剤及
び顔料を加え、ゴム練りロールにより混練して配合原料
ゴムを得る。これをカレンダーロールにより厚さ０．３
ｍｍ、幅１ｍ、長さ５０ｍに延伸し、加熱ドラムによる
一次加熱及び熱風による二次加熱によって加硫させる。

【０００９】この加硫されたシートの裏面に、市販の両
面粘着シートを貼合わせるが、この両面粘着シートは基
材の片面にシリコーン系粘着剤層を、他の面にアクリル
系粘着剤層を有しており、シリコーン系粘着剤層が上記
硬化シートに結合される。なお、アクリル系粘着剤層に
は離型シートが予め貼合わされている。

【００１０】上述の貼合わせシートをスリッターにより
図１（ｂ）のように２．５ｍｍ幅に分断して、長さ５０
ｍの紐状パッキング１、１、１、１を得る。同図におい
て、２はシリコーンゴム、３は両面粘着シート、４は離
型シートを示す。この紐状パッキング１、１、１、１
は、図１（ａ）に示すように長さ１０ｍｍのアルミニウ
ム製巻芯５に４本揃えて巻回される。貼合わせシートを
スリッターにより２ｍｍ幅に分断した場合は、長さ１０
ｍｍの巻芯５上に紐状パッキング１を５本揃えて巻回す
るとよい。

【００１１】

【発明の効果】以上のように、本発明では、長尺の紐状
パッキングを能率よく生産でき、かつこの紐状パッキン
グは複数本を揃えて共通の巻芯に巻回されているために
型崩れがなく取扱いに便利であり、電子機器の組立工程
におけるパッキングの取付作業を自動化できる等の多く
の効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による紐状パッキングを示し、（ａ）は
見取図、（ｂ）は拡大断面図である。

【図２】紐状パッキングの拡大断面図である。

【図３】従来の紐状パッキングの見取図である。

【符号の説明】

１ 紐状パッキング ２ シリコーンゴム・シート ３ 両面粘着テープ ４ 離型シート ５ 巻芯

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 幅数ｍｍ以下で厚さ２ｍｍ以下の紐状軟
   質の弾性材の裏面に接着層を設けてなるパッキングの複
   数本を、巻回端面を互いに密着させて共通の巻芯に巻回
   してなる紐状パッキング。
2. 【請求項２】 上記弾性材はシリコーンゴム材であり、
   上記粘着層は上記ゴム材の裏面に貼付けられた両面粘着
   シートであることを特徴とする請求項１記載の紐状パッ
   キング。
3. 【請求項３】 配合原料ゴムをロールにより厚さ２ｍｍ
   以下の長尺シートに延伸する工程と、この長尺の原料ゴ
   ムシートを加硫のために加熱する工程と、この加硫され
   た長尺ゴムシートの裏面に片面に離型シートが貼付けら
   れている長尺両面粘着シートを貼合わせる工程と、この
   貼合わせシートを上記離型シートごと幅数ｍｍ以下の紐
   状に切割る工程と、この切割られた紐状物を複数本づつ
   互いに密接させて共通の巻芯に巻回する工程とからなる
   紐状パッキングの製造法。
4. 【請求項４】 上記ゴムはシリコーンゴムであり、上記
   両面粘着シートは上記ゴムシートに貼付けられる側にシ
   リコーン系粘着剤層を有し上記離型シートが貼付けられ
   ている側にアクリル系粘着剤層を有していることを特徴
   とする請求項３記載の紐状パッキングの製造法。
5. 【請求項５】 熱可塑性軟質弾性材原料を厚さ２ｍｍ以
   下の長尺シートに延伸加工する工程と、この延伸された
   長尺シートの裏面に片面に離型シートが貼付けられてい
   る長尺両面粘着シートを貼合わせる工程と、この貼合わ
   せシートを上記離型シートごと幅数ｍｍ以下の紐状に切
   割る工程と、この切割られた紐状物を複数本づつ互いに
   密接させて共通の巻芯に巻回する工程とからなる紐状パ
   ッキングの製造法。