JPH11125219A - 送風機の吸込流予旋回制御バイパス構造 - Google Patents

送風機の吸込流予旋回制御バイパス構造

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JPH11125219A
JPH11125219A JP9309684A JP30968497A JPH11125219A JP H11125219 A JPH11125219 A JP H11125219A JP 9309684 A JP9309684 A JP 9309684A JP 30968497 A JP30968497 A JP 30968497A JP H11125219 A JPH11125219 A JP H11125219A
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史郎 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送風機の吸込管内羽根車近寄り部に発生する
予旋回を持つ流れの旋回方向速度に起因するエネルギを
合理的に制御することによって、送風機軸動力の低減あ
るいは送風機羽根車による昇圧量の増大を導き、送風機
効率の向上を目的とする。さらに、吸込管内羽根車直近
部における流れの改善を導き、送風機騒音の低減を目的
とする。 【解決手段】 本発明の機構は、羽根車1へ流入する流
体の流れにおいて羽根車の上流側に設置される流体を媒
体とするエネルギのバイパス機構5である。本機構の構
成は吸込管2の特定領域をバイパス機構5の一部として
共用し、さらに吸込管2の外部に流体の流動を可能とす
る閉空間領域としての流体室3を持ち、その閉空間領域
と吸込管2とは連通路4によって統合されるという構成
となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は送風機の吸込流予旋
回制御バイパス構造に係り、詳しくは、遠心形・軸流形
・斜流形の各送風機における羽根車へ流入する流体に誘
起する予旋回の制御構造であって、送風機効率の向上お
よび送風機騒音の低減を図るようにした予旋回制御バイ
パス機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポンプや送風機における羽根車へ流入す
る流体の予旋回を抑制する工夫が、従来からなされてい
る。例えば、寺田進著「渦巻ポンプの設計と製図」第4
版:昭和47年6月15日(理工図書発行)の第36頁、第66
頁ないし第71頁や、生井武文著「遠心軸流送風機と圧縮
機」第5版:昭和39年7月30日(朝倉書店発行)の第 2
22頁ないし第 225頁、さらに、生井武文・井上雅弘共著
「ターボ送風機と圧縮機」昭和63年8月25日(コロナ社
発行)の第 582頁ないし第 583頁には、吸込管内羽根車
近寄り部に板状あるいは円筒状の遮蔽板を配置して羽根
車へ流入する流体の予旋回を軽減したり、吸込管をテー
パ状にして予旋回の影響を低減することが記載されてい
る。
【0003】ところで、予旋回の発生機構の考え方は、
次に記す説明が一般的である。何らかの原因でポンプま
たは送風機の吸込管内羽根車近寄り部に逆流(渦流れ)
が生じ、その結果として予旋回が発生する。このような
考え方をとると、従来の技術思想においては予旋回を持
つ流れの旋回方向速度に起因するエネルギを合理的に制
御する工夫がなされ得ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】A.J.ステパノフ(S
tepanoff)著「第2版遠心及び軸流ポンプ」(2nd Editi
on Centrifugal and Axial Flow Pumps) 1957 年(ジョ
ン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイティッ
ド(JOHN WILEY & SONS,INC.)発行)第38頁ないし第42頁
や、A.J.ステパノフ著今市憲作他訳「ポンプとブロ
ワ」昭和54年11月12日:初版(産業図書発行)第78頁な
いし第 101頁に例示されているように、羽根車へ流入す
る流体の予旋回が次のように説明されている。
【0005】ポンプや送風機の吸込管内羽根車近寄り部
には、最小抵抗の原理によって予旋回が発生する。な
お、この予旋回は、羽根車の羽根が直接流体へ力を伝達
するために発生するわけではなく、したがって、羽根車
の回転方向と予旋回の旋回方向とは一致するとはかぎら
ない。すなわち、設計流量を外れた過小流量(部分流
量)では羽根車の回転と同じ向きの旋回方向速度を持
ち、過大流量では羽根車の回転と逆向きの旋回方向速度
を有する。吸込管内羽根車近寄り部の逆流(渦流れ)は
予旋回が生じるゆえに発生するものであって、逆流のた
めに結果として予旋回が発生するのではない。
【0006】本発明は、上記ステパノフの主張に基づ
き、送風機の吸込管内羽根車近寄り部に発生する予旋回
を持つ流れの旋回方向速度に起因するエネルギを合理的
に制御することによって、送風機軸動力の低減あるいは
送風機羽根車による昇圧量(ヘッド)の増大を導き、送
風機効率を向上させること、さらに、吸込管内羽根車直
近部における流れの改善を導き、送風機騒音の低減を図
ることを目的とした送風機の吸込流予旋回制御バイパス
構造を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、送風機の羽根
車に吸入流体を導入するための吸込管が設けられている
送風機の流体吸込部構造に適用される。その特徴とする
ところは、図1を参照して、吸込管2の羽根車近寄り部
の外部に閉空間領域を形成する流体室3が併置されると
共に、その流体室3と吸込管2とが吸入流体の流通方向
に沿って配置された三以上の連通路4を介して接続され
る。そして、その連通路4を介して吸込管2と流体室3
との間における圧力伝達ならびに流体の流出入が可能と
なっていると共に、流体室3と連通路4とにより吸込管
2のバイパス経路を形成させ、吸入流体の一部にバイパ
ス流5a(図8を参照)を発生させるようにしたことで
ある。
【0008】流体室3は、図2に示すように吸込管2の
外部に設けられた筐体3Aであり、連通路4はその筐体
3Aと吸込管2とを接続するパイプ4Aである。また、
流体室3を、例えば図13に示すように、吸込管2の羽
根車近寄り部の外周に形成されたリング状空間3Bと
し、連通路4はそのリング状空間3Bと吸込管2とを画
成する吸込管2の周壁2mに設けられた穿孔4Bとして
もよい。
【0009】図3を参照して、吸込管2の羽根車近寄り
部が、吸入流体の流通方向に沿って異なった内径を有す
るn個の円筒部21 ,22 ,・・・,2n-1 ,2n と、
隣り合う異なる内径の円筒部の間を接続する截頭円錐部
2a1 ,2a2 ,・・・,2an-2 ,2an-1 とからな
っているとした場合に、円筒部の最大内径をdMAX 、最
小内径をdMIN 、各截頭円錐部の軸方向長さをBi (た
だしi=1,2,3,…,n−1)と定義し、送風機が
遠心形送風機11(図4の(a)を参照)であって、羽
根1A1 の羽根車軸1aの方向における吸込管側に側板
がなく、羽根1A1 の吸込管側に位置する側縁における
羽根入口端pa1が羽根出口端pa2よりも羽根車軸1aの
方向において吸込管側にあるときは、羽根車軸方向にお
ける羽根入口端pa1に対応する位置が基準位置ZPaと選
定され、この基準位置ZPaから予旋回制御バイパス機構
5の上流側点までの長さをZ1 とし、その基準位置ZPa
から予旋回制御バイパス機構の下流側点までの長さをZ
2 としたとき、
【数4】 を満たし、かつ、dMAX >100mm,dMIN >100
mmの場合にあっては、
【数5】 を、dMAX ≦100mmまたはdMAX >100mmであ
り、かつ、dMIN ≦100mmの場合には、
【数6】 を満たす位置関係が、予旋回制御バイパス機構5と羽根
車1との間に与えられていることである。
【0010】前記した基準位置は、図4の(b)に示す
ように、遠心形送風機11の羽根1A1 の羽根車軸1a
の方向における吸込管側に側板がなく、羽根1A1 の吸
込管側に位置する側縁における羽根入口端pb2が羽根出
口端pb1よりも羽根車軸1aの方向において吸込管側に
あるときは、羽根車軸方向における羽根入口端pb2に対
応する位置が基準位置ZPbに選定される。しかし、図4
の(c)のように、遠心形送風機11の羽根1A1 の吸
込管側に側板1pが、また反吸込管側に主板1qが取り
付けられ、羽根車側板に固定した口金1mが設けられて
いるときは、口金1mの羽根車軸1aの方向における流
れの最上流端部の位置が基準位置ZPcとして選定され
る。
【0011】送風機が軸流形である場合に、前記基準位
置としては、図5の(a)に示すように、軸流形送風機
12の羽根1A2 の前縁1cにおける翼根pd1が翼端p
d2よりも羽根車軸1aの方向において吸込管側にあると
き、羽根車軸方向における翼根pd1に対応する位置ZPd
が採用され、また、図5の(b)のように、翼端pe2
翼根pe1よりも羽根車軸1aの方向において吸込管側に
あるときは、羽根車軸方向における翼端pe2に対応する
位置ZPeが採用される。
【0012】送風機が斜流形である場合に、図6の
(a)に示すように、斜流形送風機13の羽根1A3
端に側板がない場合であって、羽根前縁1dにおける翼
端pf2が翼根pf1よりも羽根車軸1aの方向において吸
込管側にあるときは、羽根車軸方向における翼端pf2
対応する位置が基準位置ZPfとして、また、図6の
(b)のように、翼根pg1が翼端pg2よりも羽根車軸1
aの方向において吸込管側にあるときは、羽根車軸方向
における翼根pg1に対応する位置が基準位置ZPgとして
選定される。一方、図6の(c)のように、羽根1A3
の端に側板1rが取り付けられ、羽根車側板に固定した
口金1nが設けられているときは、口金1nの羽根車軸
1aの方向における流れの最上流端部の位置が基準位置
Phとして選定される。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、連通路を介して吸込管
と流体室との間における圧力伝達ならびに流体の流出入
が可能となるように、流体室と連通路とによって吸込管
のバイパス経路を形成させることができる。したがっ
て、吸入流体の一部にバイパス流を発生させることによ
り、送風機の吸込管内羽根車近寄り部に発生する予旋回
を持つ流れの旋回方向速度に起因するエネルギが合理的
に制御され、送風機軸動力の低減あるいは送風機羽根車
による昇圧量の増大を導き、送風機効率を向上させるこ
とが可能となる。また、吸込管内羽根車直近部における
流れの改善を導き、送風機騒音の低減を図ることができ
る。
【0014】流体室を吸込管の外部に設けた筐体とし、
連通路を筐体と吸込管とを接続するパイプとしておけ
ば、既成の送風機に爾後的に装着することもでき、その
送風機における送風機効率の改善や騒音の低減が図られ
る。もちろん、流体室を吸込管の羽根車近寄り部の外周
に形成されたリング状空間とし、連通路をリング状空間
と吸込管とを画成する吸込管周壁に設けた穿孔としてお
けば、上記効果を発揮する送風機をコンパクトなものと
しておくことができる。
【0015】請求項4のように、選定された基準位置か
ら予旋回制御バイパス機構の上流側点までの長さと、そ
の基準位置から下流側点までの長さとを規定しておく
と、本発明による効果を発揮させやすくなり、送風機を
設計するうえにおける目安を与えることができる。
【0016】送風機の種類や羽根の形状が異なる場合で
も、請求項5ないし請求項11のように選定すれば、そ
れぞれの送風機においての基準位置が明確となり、各種
送風機における十分な設計指針を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る送風機の吸
込流予旋回制御バイパス構造を、その実施の形態を表し
た図面に基づいて詳細に説明する。図2は遠心形送風機
11の概略図であり、羽根車1に吸入流体を導入するた
めの吸込管2の羽根車近寄り部に、本発明の吸込流予旋
回制御バイパス構造が適用されている。
【0018】この吸込管2の羽根車近寄り部の外部に閉
空間領域を形成する流体室3が併置されると共に、この
流体室と吸込管2とが吸入流体の流通方向に沿って配置
された複数の連通路4を介して接続されている。なお、
この連通路は後述するが、吸入流体の流通方向に沿って
少なくとも三以上設けられる。ちなみに、図2は、閉空
間領域を形成する流体室3が吸込管2の外部に設けた筐
体3Aであり、連通路4は筐体3Aと吸込管2とを接続
するパイプ4Aとなっている例である。
【0019】このような構造は、連通路4を介して吸込
管2と流体室3との間における圧力伝達ならびに流体の
流出入が可能となっていると共に、流体室3と連通路4
とにより、吸込管2のバイパス経路を吸入流体の流通方
向に沿って配置された各連通路の適宜な組み合わせによ
り複数形成させ、吸入流体の一部にバイパス流を発生さ
せることができるようにした予旋回制御バイパス機構5
が形成される。
【0020】ところで、予旋回制御バイパス機構5と送
風機羽根車1とは、図3に示すモデル図において定義さ
れる諸寸法記号を用いてZ1 とZ2 とにより規定される
相対位置関係をとる。なお、図中の白抜き矢印21は吸
入流体が、羽根車1に流れる方向を示している。
【0021】まず、吸込管2の羽根車近寄り部が、吸入
流体の流通方向に沿って異なった内径を有するn個の円
筒部21 ,22 ,・・・,2n-1 ,2n と、隣り合う異
なる内径の円筒部の間を接続する截頭円錐部2a1 ,2
2 ,・・・,2an-2 ,2an-1 とからなっていると
した一般例について述べる。
【0022】各円筒部21 ,22 ,・・・,2n の内径
をd1 ,d2 ,・・,dn とし、その最大内径を
MAX 、最小内径をdMIN と表し、各截頭円錐部2
1 ,2a2 ,・・・,2an-1 の軸方向長さをB
i (但しi=1,2,3,…,n−1)と定義したと
き、送風機の後述する基準位置ZP から予旋回制御バイ
パス機構5の上流側点までの長さをZ1 とし、基準位置
P から予旋回制御バイパス機構5の下流側点までの長
さをZ2 としたとき、
【数7】 を満たすような位置関係が、予旋回制御バイパス機構5
と羽根車1との間に与えられることが好ましい。
【0023】なお、予旋回制御バイパス機構5の上流側
点とは、円筒部21 に設けられた連通路41 の開口4d
1 の中心位置を意味し、バイパス機構5の下流側点と
は、円筒部2n に設けられた連通路4n の開口4dn
中心位置を意味する。また、送風機の基準位置ZP
は、羽根車軸1aの方向において吸込管側にある羽根の
端部の位置であり、羽根車側板に固定した口金が設けら
れている場合には、その口金の羽根車軸1aの方向にお
ける流れの最上流端部の位置であって、物理的には羽根
車へ流入する流体が羽根から力を直接的に受け始める位
置である。なお、この基準位置ZP については、送風機
の種類ごとに異なるので、後にさらに詳しく説明する。
【0024】上式(a) において、Z1 を2・dMAX +Σ
i 以下と選定しているのは、2・dMAX +ΣBi より
大きい領域においては本発明でとり挙げている予旋回が
ほとんど生じないからであり、Z1 を2・dMAX +ΣB
i より大きくしても本発明による効果を発揮させること
のできないことが、本発明者らによって確認されている
からである。
【0025】一方、上式(b) においてZ2 の下限値を
0.03・dMIN としているのは、羽根車1の吸込管最
近接部とバイパス機構の存在領域との距離を極力小さく
しておくことが、羽根車へ流入する流体の予旋回角速度
を小さくするうえで必要であるとの理由である。しか
し、Z1 よりも小さければ、次に述べる式(c) または式
(d) の条件を満たすかぎり大きくても差し支えないこと
も、本発明者らの研究により判明している。反面、Z2
を0.03・dMIN より小さい値とする場合にはZ2
基準位置ZP に接近しすぎることになり、後述する羽根
車へ流入する流体が羽根から力を直接受けない限界位置
であるZ3 より反吸込管側の位置となってしまうことが
多くなるからである。
【0026】上で触れたごとく、本発明においては以下
の条件をも考慮すべきである。まず、dMAX >100m
m,dMIN >100mmの場合には、
【数8】 を満たし、dMAX ≦100mmまたはdMAX >100m
mであり、かつ、dMIN ≦100mmの場合には、
【数9】 を満たす位置関係が、予旋回制御バイパス機構と羽根車
との間に与えられることが適切であることも幾多の実験
等により把握された。いずれも、適宜な領域を有したバ
イパス機構を実現し、バイパス流の発生を可能にしよう
とする意図のものである。
【0027】以上は吸込管2の内径に変化がある場合を
一般的に表示したものであるが、吸込管の羽根車近寄り
部が吸入流体の流通方向に沿って一定内径d0 (図1を
参照)の円筒部となっている場合には、dMAX =dMIN
=d0 であり、Bi =0となるので、前記の式(a) と
(b) とは、
【数10】 と簡略化される。そして、d0 >100mmの場合に
は、
【数11】 の条件が付加され、d0 ≦100mmの場合には、
【数12】 が付加された条件によって規定される位置関係が、予旋
回制御バイパス機構5と羽根車1との間に与えられるこ
とになる。
【0028】ここで、上記の式(a'), (b'), (c')につい
て、具体的な数値を与えた実例を挙げる。 (i)d0 =200mmの吸込管である場合、
【数13】 となり、 (ii)d0 =150mmの吸込管である場合、
【数14】 となる。その中からZ1 ,Z2 を選定すると、(i) の場
合には表1の(A)のような組み合わせ例が、また(ii)
の場合には表1の(B)のような組み合わせ例のあるこ
とが分かる(単位はいずれもmm)。
【表1】
【0029】次に、上記の式(a'), (b'), (d')につい
て、具体的な数値を与えた実例を挙げる。 (iii) d0 =100mmの吸込管である場合、
【数15】 となり、 (iv)d0 =50mmの吸込管である場合、
【数16】 となる。その中からZ1 ,Z2 を選定すると、(iii) の
場合には表2の(A)のような組み合わせ例が、また(i
v)の場合には表2の(B)のような組み合わせ例のある
ことが分かる(単位はいずれもmm)。
【表2】
【0030】なお、送風機が図2のような遠心形送風機
であって、その場合の前記した基準位置ZP は、図4の
(c)に示したように遠心形羽根車の羽根1A1 の吸込
管側に側板1pが、また反吸込管側に主板1qが取り付
けられており、側板1pに固定した口金(マウスリン
グ)1mが設けられているときは、口金1mの羽根車軸
1aの方向における流れの最上流端部の位置ZPcに選定
される。
【0031】ところで、送風機には回転している羽根車
1が存在し、かつ、羽根車手前に吸込管2が存在する。
これら二者が存在してこそ、送風機羽根車へ流入する流
体の流れに予旋回が発生する。したがって、羽根車1と
吸込管2との位置関係が上記した構成を持つことが必須
要件とされ、そのうえで予旋回を持つ流れの旋回方向速
度に起因するエネルギを合理的に制御するための機構を
実現することとなる。本発明の本質は、羽根車1,吸込
管2,予旋回制御機構の三位一体構成の中にある。
【0032】本発明の機構は羽根車1へ流入する流体の
流れにおいて、流体を媒体とする羽根車の上流側に設置
したエネルギのバイパス機構である。本機構の構成は吸
込管の特定領域をバイパス機構の一部として共用し、さ
らに吸込管2の外部に流体の流動を可能とする閉空間領
域を持ち、後述する図1に示すように、流体室3として
の閉空間領域と吸込管2とは連通路4なる経路によって
統合されるという構成となっている。なお、連通路4は
吸込管2内の吸入流体の流通方向に三以上設けられるの
で、バイパス経路が複数確保されるようになっている。
【0033】本機構の構成上、次の二点について配慮し
ておくことが好ましい。(1)バイパス機構の存在領域
は、送風機羽根車との相対位置関係を表すにあたり、羽
根車近寄り部における吸込管直径および截頭円錐部の軸
方向長さを基準とした数値限定によって規定しておくこ
と、(2)閉空間領域と連通路とによって形成する吸込
管のバイパス経路は単一ではなく複数存在させておくこ
とである。この理由は後述する〔作用イ〕の記述中に示
される。なお、いかなる連通路にせよ、そのそれぞれの
連通路は、吸込管と閉空間領域の流体室とで圧力の伝達
および流体の流動が可能であるような経路として存在す
ることが必要である。
【0034】本発明においては、以下の点について考慮
しておく必要がある。第一には、吸込管2内の予旋回を
持つ流れの旋回方向速度に起因するエネルギを有効な仕
事へ変換する作用原理の定式化である。第二には、旋回
方向速度に起因するエネルギを有効な仕事へ変換すると
なぜ送風機軸動力が低減するかの定式化である。第三と
して、予旋回を持つ流れの旋回方向速度成分を減少させ
ると、なぜ送風機羽根車による昇圧量(ヘッド)が増大
するかの定式化である。最後に、予旋回制御バイパス機
構の存在によりなぜ送風機騒音が低減されるかの定性的
説明である。なお、以下においては、上記4点につい
て、〔作用イ〕ないし〔作用ニ〕と表示した項において
説明する。
【0035】以上の各項目のそれぞれについて、吸込流
予旋回制御バイパス構造のない場合とある場合とを対比
しながら述べることにする。
【0036】〔作用イ〕 吸込管2内の予旋回を持つ流
れの旋回方向速度に起因するエネルギを有効な仕事へ変
換する作用原理の定式化について述べる。
【0037】図7および図8は送風機吸込側がダクト配
管されるような場合であって、吸込管2が十分に長い直
管である。バイパス機構のない場合が図7であり、バイ
パス機構のある場合が図8である。図9および図10は
送風機吸込側にダクト配管がなく、大気開放状態にある
吸込管2を有する。バイパス機構のない場合が図9であ
り、バイパス機構のある場合が図10である。
【0038】送風機を設計流量外の或る流量点で定常運
転すると、羽根車1へ流入する流体の流れにおいて羽根
車の上流側位置Z0 (図9および図10ではZ0 ≒Z1
と推定される)から予旋回角速度を持ち始め、羽根車直
近位置Z3 において角速度ω3 を持つまでに加速され
る。なお、羽根車直近位置Z3 とは、羽根車へ流入する
流体が羽根車の羽根から力を直接受けない限界位置を意
味している。ちなみに、Z3 は前述した基準位置ZP
極めて近似した値である。
【0039】図8および図10において示されるω3'
は、後述する式(5) で示すように、バイパス機構存在領
域Z1 〜Z2 において旋回方向速度成分の1/2を消滅
させた流れが、羽根車直近領域Z2 〜Z3 において再び
角加速度の作用を受けてZ3 の位置で角速度ω3'を持つ
ことを意味する。なお、Z0 とω3 とを結ぶ直線の勾配
とω2'とω3'とを結ぶ直線の勾配とは等しいと考えられ
る。
【0040】図8と図10との本質的な差異は距離Z0
〜Z3 の大小である。この差異はZ 0 とω3 とを結ぶ直
線の勾配の大小を生み、Z1 における予旋回角速度ω1
に対して、Z2 における予旋回角速度ω2 に対して、さ
らにZ3 における予旋回角速度ω3'に対して距離Z2
3 の大小にも従属しつつ影響を与えるところが大きい
ものである。
【0041】念のために、ω1'は、予旋回制御バイパス
機構がない場合にZ1 で発生する予旋回角速度ω1 に対
して、予旋回制御バイパス機構5があることにより発生
するバイパス流5aによって軽減されたZ1 における予
旋回角速度である。同様に、ω2'は、予旋回制御バイパ
ス機構がない場合にZ2 で発生する予旋回角速度ω2
対して、予旋回制御バイパス機構5があることにより発
生するバイパス流5aによって軽減されたZ2 における
予旋回角速度である。さらに、ω3'は、予旋回制御バイ
パス機構がない場合にZ3 で発生する予旋回角速度ω3
に対して、予旋回制御バイパス機構5があることにより
発生したバイパス流5aによって軽減されたZ3 におけ
る予旋回角速度である。
【0042】図7および図9に示すように、バイパス機
構のない場合では吸込管内壁近くに逆流31(渦流れ)
が発生する。図8および図10に示すようにバイパス機
構のある場合では、流体の流動を可能とする閉空間領域
を介して逆流(循環流れ)としてのバイパス流5aが発
生する。この作用原理は図8と図10に示すバイパス機
構のあるモデルを用い以下に示すように定式化される。
【0043】吸込管2内の予旋回は、羽根車1よりエネ
ルギを与えられて旋回方向速度を持つので強制渦巻運動
である。板谷松樹著「水力学」昭和49年2月15日:第14
版(朝倉書店発行)第73頁ないし第75頁により、強制渦
巻運動場での圧力エネルギの一般式は次式で与えられ
る。
【数17】 なお、右辺第1項は動圧エネルギを意味し、第2項は遠
心力による静圧エネルギを意味する。ρは流体の密度で
あり、uは強制渦巻運動の旋回方向速度である。そし
て、P=ρ・u2 を得る。
【0044】また、前掲のA.J.ステパノフ著「第2
版遠心及び軸流ポンプ」第40頁によれば、 予旋回流れ場
において吸込管内壁近くでの遠心力による静圧は+ρ・
2/2・1/2であって、吸込管内中心近くでの遠心
力による静圧は−ρ・u2 /2・1/2である。したが
って、上記両静圧の合計は、
【数18】 であることが示されている。
【0045】図8および図10に示されるバイパス機構
5において強制渦巻運動である予旋回の圧力エネルギを
有効に伝達できるのは、遠心力による静圧+ρ・u2
2・1/2=ρ/4・u2 である。したがって、吸込管
内壁バイパス機構部にて伝達される予旋回に起因した静
圧は次式のように定式化される。図8および図10にお
いて示される位置Z1 における伝達静圧は、P1 =ρ/
4・u1 2 であり、位置Z2 における伝達静圧は、P2
=ρ/4・u2 2 である。
【0046】ここで、吸込管2の径は位置Zによらず一
定であるとし、吸込管内中心より管内壁までの半径をr
0 、位置Z1 の旋回角速度をω1 、Z2 でω2 とすれ
ば、u1 =r0 ・ω1 、u2 =r0 ・ω2 と表すことが
でき、P1 およびP2 は以下のようになる。
【数19】
【0047】図8および図10において示されるバイパ
ス機構部の詳細モデル図として図1を提示する。図中の
0 は吸込管内中心より吸込管内壁までの半径、PC
バイパス機構部閉空間領域内の静圧、P1 は図に示され
る位置Z1 における伝達静圧、P2 は図に示される位置
2 における伝達静圧、S1 は位置Z1 におけるバイパ
ス機構開口部面積、S2 は位置Z2 におけるバイパス機
構開口部面積、図中のv1 は位置Z1 におけるバイパス
機構開口部より吸込管内へ流出する流体速度、v2 は位
置Z2 における吸込管内よりバイパス機構開口部へ流入
する流体速度である。
【0048】古屋善正他共著「流体工学」昭和54年9月
1日:初版第19刷(朝倉書店発行)第34頁ないし第35頁
より次のことが知られる。すなわち、バイパス機構部閉
空間領域内の流体に伝達静圧がなす仕事の総量は、バイ
パス機構部閉空間領域内の流体の持つ運動エネルギの変
化量に等しい。
【0049】以下に上記記述の定式化をする。単位時間
内にバイパス機構部閉空間領域の流体に伝達静圧がなす
仕事の総量をWとする。
【数20】 ここで、連続の式からS2 ・v2 =S1 ・v1 であるの
で、W=(P2 −P1 )・S1 ・v1 が得られる。単位
時間内のバイパス機構部閉空間領域内流体の持つ運動エ
ネルギの変化量をEとし、流体の密度をρとすれば、
【数21】 ここで、E=Wとすれば、
【数22】 から、次の式(3) を得る。
【数23】 式(3) に式(1) 式(2) を代入すると、
【数24】 となり、次式(4) を得る。
【数25】 式(4) の意味とすることろは次のように表現できる。す
なわち、バイパス機構部において予旋回に起因する静圧
エネルギを流体の持つ運動エネルギへ変換することが可
能である。
【0050】なお、式(4) の導出にあたっては、吸込管
内中心より吸込管内壁までの半径は位置Zによらず一様
であると前提されている。ところで、図3に示すような
位置Zにより半径が異なる場合を考える。すなわち、位
置Z1 における半径をr1 とし、位置Z2 における半径
をr2 とし、r1 >r2 であるとする。式(4) の1/2
・r0 2 ・(ω2 2 −ω1 2 )の項に着目すると、この
項は、1/2・(r2 2 ・ω2 2 −r1 2 ・ω1 2 )と
変形することができる。仮定したように、r1>r2
あるが、その一方ω1 <ω2 と考えられるので、1/2
・(r2 2 ・ω2 2 −r1 2 ・ω1 2 )の項は、正の値
をとると保証できるものでない。
【0051】換言すれば、このような状態にあるバイパ
ス機構部においては、予旋回に起因する静圧エネルギを
流体の持つ運動エネルギへ変換することが可能とは必ず
しも保証することができない。したがって、送風機の吸
込管2内の羽根車近寄り部の截頭円錐部2a1 ,2
2 ,・・・,2an-1 である異径連絡部の距離をバイ
パス機構部存在領域として有効な区間とみなすことはで
きない。
【0052】以下の記述は本発明の技術的創作において
基幹をなすところであって、従来の技術体系には存在し
ない新規な概念である。バイパス機構存在領域における
予旋回を持つ流れの挙動は、以下のようであると考えら
れる。吸込管内中心より吸込管内壁までの半径r0 の位
置においてバイパス機構5の閉空間領域内の流体へ伝達
される静圧は、旋回角速度をωとすれば、ρ/4・r0
2 ・ω2 である。ここで、そもそも静圧エネルギの存在
は予旋回を持つ流れの旋回方向速度が存在してこそ成立
するわけであるから、ρ/4・r0 2 ・ω2 なる静圧が
バイパス機構の閉空間領域内の流体へ仕事をなすことに
よって、予旋回を持つ流れの旋回方向速度の運動エネル
ギであるρ/2・r0 2 ・ω2 も消滅することになる。
【0053】吸込管内中心より吸込管内壁までの半径r
0 の位置において予旋回を持つ流れの旋回方向速度に起
因する全エネルギは、本来ρ・r0 2 ・ω2 であるか
ら、
【数26】 なる旋回方向速度に起因するエネルギが、予旋回を持つ
流れに保存されていると考えられる。ここで、
【数27】 と二とおりの表現が可能となる。そして、その物理的意
味は次のようになる。すなわち、式(5) の表現では吸込
管内半径位置r=r0 において、旋回角速度は実際には
観測されないが、潜在的にω/2なる旋回角速度を有す
るに相当するエネルギを持つ状態として旋回方向速度成
分を持つ流れが存在している。
【0054】一方、式(6) の表現では吸込管内半径位置
r=r0 /2において、旋回角速度ωを持つ状態として
旋回方向速度成分を持つ流れが存在し、吸込管内半径位
置r0 /2<r≦r0 の領域において、流れは旋回方向
速度成分を持たない状態として存在している。実際に観
測されるのは式(6) により表現される状態である。
【0055】以上を整理すると、バイパス機構存在領域
において予旋回を持つ流れは、吸込管内半径位置0≦r
≦r0 /2の領域では本来持っている旋回角速度ωを持
つ流れであり、吸込管内半径位置r0 /2<r≦r0
領域では、旋回角速度は持たないが式(4) で表現される
羽根車1へ向かう流れ方向の速度方向を持つ速度v1
流れとなる。
【0056】ところで、吸込管内半径位置0≦r≦r0
/2の領域において旋回方向速度成分を持つ流れが存在
しているために、吸込管内半径位置r=r0 /2付近に
旋回方向速度に起因する静圧の上昇部が生じる。したが
って、バイパス機構の開口4d1 より初速度v1 にて吸
込管内へ流出した流れは、初速度が吸込管内中心へ向か
う方向であるにもかかわらず吸込管内半径位置r=r0
/2付近での静圧の上昇部圧力に打ち勝ち、そのまま初
速度の方向を維持することができなくなって、エアクッ
ションにぶつかるようにして速度の方向を羽根車1へ向
かうように変える。
【0057】ここまでに記述した作用原理によって送風
機の吸込管内羽根車近寄り部に発生する予旋回を持つ流
れの旋回方向速度に起因したエネルギの一部(これを式
(4)として定式化)を、羽根車1が流体になす有効な仕
事へ変換できる。同時に式(5) による表現をとれば、予
旋回を持つ流れが当初に持つ旋回角速度の1/2を消滅
させた流れへと変化させることができる。
【0058】これらの作用を効果的に実現するというこ
と、換言すれば、予旋回制御バイパス機構の存在領域内
全範囲にわたって上記作用を確実に行うということは、
次のことを意味する。すなわち、その内部を送風機羽根
車へ向かって流体が流れるバイパス機構の一部として共
用する吸込管に、圧力伝達ならびに流体の流動を可能と
するバイパス経路がバイパス機構存在領域内全範囲にわ
たってむらなく均一に存在すべきである。したがって、
閉空間領域と連通路とによって形成する吸込管のバイパ
スは単一ではなく、図8や図10中にバイパス流を記入
したごとく複数存在することが必要となることが分か
る。
【0059】なお、複数のバイパス流5aは、吸入流体
の流通方向に沿って連通路4が三以上配置されることに
よって実現されるものであり、図8のように下流側の一
つの連通路から上流側の二以上の連通路を介して流動す
るバイパス流もあれば、下流側の二つの連通路から上流
側の一つの連通路を介して流動するバイパス流もあるは
ずである。要するに、流側の幾つかの連通路から流体
室3に流入し、流側の幾つかの連通路から吸込管へ流
出するという経路をたどるものであって、上記したごと
く、均一に発生させるべきものである。したがって、流
通方向に沿って連通路4が二つ配置される場合には均一
なバイパス流は望み得ないということになる。
【0060】〔作用ロ〕 旋回方向速度に起因するエネ
ルギを有効な仕事へ変換すると、なぜ送風機軸動力が低
減するかの定式化について述べる。
【0061】図11および図12は、送風機吸込側がダ
クト配管されるような場合であって吸込管2が十分に長
い直管である。バイパス機構のない場合が図11であっ
て、バイパス機構のある場合が図12である。図中のZ
D は羽根車へ向かう方向の流体速度が0である位置、Z
3 は羽根車直近位置、Z1Fはバイパス機構存在領域直前
位置、Z1Bはバイパス機構存在領域直後位置、VD は位
置ZD における羽根車へ向かう方向の吸込管内流体平均
速度、V3 は位置Z3 における羽根車1へ向かう方向の
吸込管内流体平均速度、VF は位置Z1Fにおける羽根車
へ向かう方向の吸込管内流体平均速度、VB は位置Z1B
における羽根車へ向かう方向の吸込管内流体平均速度、
1 は位置Z1Bにおいてバイパス機構開口部より吸込管
内へ流出したあと羽根車へ向かう方向へ速度の方向を変
える流体の速度であり、図1における位置Z1 における
バイパス機構開口部より吸込管内へ流出する流体速度v
1と同じものである。
【0062】古屋善正他共著「流体工学」昭和54年9月
1日:初版第19刷(朝倉書店発行)第34頁ないし第35頁
より次のことが知られる。すなわち、位置ZD と位置Z
3 との間で羽根車が流体になす仕事の総量は、位置Z3
における流体の持つ運動エネルギと位置ZD における流
体の持つ運動エネルギとの差に等しい。
【0063】ここで、図11に示すモデルにおいて羽根
車が流体になす仕事の総量をE6 として、図12に示す
モデルで羽根車が流体になす仕事の総量をE7 とすれ
ば、
【数28】 と表現されるΔEが、バイパス機構の存在ゆえに羽根車
の流体になす仕事の減少分、換言すれば、羽根車を駆動
するための動力である送風機軸動力の低減量である。
【0064】以下に、上記記述の定式化をする。ここ
で、ρは流体の密度、Qは単位時間内に吸込管内を流れ
る流体流量、Q1 は位置Z1Bにおいてバイパス機構開口
部より吸込管内へ流出したあと羽根車へ向かう方向へ速
度の方向を変える流体速度v1を持つ流体流量、Q2
QよりQ1 を除いた流体流量である。
【数29】 であり、定義より、VD =0であるゆえ次式のようにな
る。
【数30】
【0065】一方、E7 は、位置ZD から位置Z1Fまで
の間と、位置Z1Bから位置Z3 までの間とに分けて考
え、
【数31】 定義より、VD =0であるゆえ
【数32】 式(8) 式(9) を式(7) に代入して、
【数33】 定義より、Q=Q1 +Q2 であるゆえ、
【数34】
【0066】ところで、図10に示すような吸込管2の
開口部大気開放状態では、VF ≒0、VB ≒VF である
ゆえ、式(10)は、ΔE=1/2・ρ・Q1 ・v1 2 とな
り、式(4) において表現される速度を持つ流体の運動エ
ネルギすべてを送風機軸動力の低減へと役立たせること
が可能となる。
【0067】〔作用ハ〕予旋回を持つ流れの旋回方向速
度成分を減少させると、なぜ送風機羽根車による昇圧量
が増大するかの定式化について述べる。
【0068】古屋善正他共著「流体工学」昭和54年9月
1日:初版第19刷(朝倉書店発行)第 249頁ないし第 2
53頁より、送風機羽根車による昇圧量をΔPとすると、
その一般式は次式であることが知られる。
【数35】 なお、ρは流体の密度、UO は羽根車入口直前の流体の
旋回方向速度、U3 は羽根車出口直後の流体の旋回方向
速度、WO は羽根車入口直前の羽根車内流路に沿った方
向の流体の相対速度、W3 は羽根車出口直後の羽根車内
流路に沿った方向の流体の相対速度である。或る一定の
流量にて送風機を運転する場合、羽根車入口直前での予
旋回の有無にかかわらず、U3 、W3 、WO の値は一定
であると考えられる。
【0069】ここで羽根車入口直前において予旋回によ
る旋回方向速度の値に差異がある場合を考えると、或る
一定の流量において送風機を運転するかぎり、UO の値
が小さいほど送風機羽根車による昇圧量ΔPは大きいと
言うことが式(11)から自明である。すなわち、予旋回制
御バイパス機構において予旋回を持つ流れが旋回角速度
を半減された後に、羽根車入口直前における旋回方向速
度成分が小さければ小さいほど送風機羽根車による昇圧
量は大きいものとなる。
【0070】〔作用ニ〕予旋回制御バイパス機構の存在
により、送風機騒音が低減されることの定性的説明を以
下に述べる。
【0071】図7および図9において示されるような予
旋回制御バイパス機構が存在しない場合を考えると、
〔作用イ〕の説明において述べたように予旋回を持つ流
れの旋回方向速度に起因する静圧の影響のために、吸込
管内中心近くでは送風機羽根車によって作られる負圧圧
力場の負圧の程度がより一層強くなる。
【0072】一方、吸込管内壁面近くでは反対に負圧圧
力場の負圧の程度が弱められる。したがって、吸込管内
を羽根車へ向かって流れる流体は吸込管内中心近くでは
負圧の程度が大きいために大きな加速度が与えられ、羽
根車入口直前において大きな速度を持つ。一方、吸込管
内壁面近くでは負圧の程度が小さいため、流体は加速度
を十分与えられず、羽根車入口直前においても小さな速
度を持つにすぎない。結果として羽根車入口直前におい
て羽根車中心付近に過大な流体が押し寄せ、羽根車内の
流路へ流体が入りきれずに留まり、羽根車中心付近に淀
みが生じる。このときに乱流騒音としての騒音が発生す
るものと考えられる。
【0073】他方、図8および図10において示される
ような予旋回制御バイパス機構5が存在する場合、予旋
回制御バイパス機構の存在は上記作用のいずれもがその
作用を小さくするような効果を生む。すなわち、吸込管
内の負圧圧力場が比較的均一な圧力場となる。したがっ
て、羽根車入口直前において羽根車1へ向かって流れる
流体の速度も比較的均一な流れとなり、ある箇所に過大
な流体が押し寄せることはなくなる。その結果、流れの
淀みが発生することなく、流体は羽根車内の流路へ無理
なく流入する。それゆえ、予旋回制御バイパス機構の存
在は吸込管内羽根車直近部における流れを改善し乱流騒
音の発生を抑制する効果を発揮する。
【0074】ところで、基準位置ZP に関して、前述の
例は遠心形送風機であって、図4の(c)の羽根の吸込
管側に側板が取り付けられ、側板に固定した口金が設け
られている場合についてはZPcであると説明した。しか
し、遠心形送風機の羽根の羽根車軸方向における吸込管
側に側板がない場合は、以下の基準位置が採用される。
もちろん、前記した式(a) ,(b) ,(c) ,(d) がそのま
ま適用できることは思想上当然であり、またその確認も
なされている。
【0075】まず、図4の(a)に示すように、遠心形
羽根車の羽根1A1 の吸込管側に位置する側縁における
羽根入口端pa1が羽根出口端pa2よりも羽根車軸1aの
方向において吸込管側にあるときは、羽根車軸方向にお
ける羽根入口端pa1に対応する位置が基準位置ZPaとし
て選定される。一方、図4の(b)に示すように、羽根
出口端pb2が羽根入口端pb1よりも羽根車軸1aの方向
において吸込管側にあるときは、羽根車軸方向における
羽根出口端pb2に対応する位置が基準位置ZPbとして選
定される。
【0076】送風機が図5の(a)に示す軸流形送風機
12である場合には、軸流形羽根車の羽根1A2 の前縁
1cにおける翼根pd1が翼端pd2よりも羽根車軸1aの
方向において吸込管側にあるとき、羽根車軸方向におけ
る翼根pd1に対応する位置が基準位置ZPdとされる。一
方、図5の(b)に示すように、羽根1A2 の前縁1c
における翼端pe2が翼根pe1よりも羽根車軸1aの方向
において吸込管側にあるときは、羽根車軸方向における
翼端pe2に対応する位置を基準位置ZPeとされる。
【0077】送風機が斜流形送風機の場合であって、斜
流形羽根車の羽根1A3 の端部に側板1rが取り付けら
れており、図6の(c)のように、側板1rに固定した
口金(マウスリング)1nが設けられているときは、口
金1nの羽根車軸1aの方向における流れの最上流端部
の位置が基準位置ZPhとして選定される。
【0078】斜流形送風機の羽根端に側板がない場合で
あって図6の(a)に示すように、羽根1A3 の前縁1
dにおける翼端pf2が翼根pf1よりも羽根車軸1aの方
向において吸込管側にあるときは、基準位置は羽根車軸
方向における翼端pf2に対応する位置ZPfとされる。一
方、図6の(b)に示すように、羽根前縁1dにおける
翼根pg1が翼端pg2よりも羽根車軸方向において吸込管
側にあるときは、羽根車軸方向における翼根pg1に対応
する位置が基準位置ZPgとして選定されることになる。
【0079】ちなみに、閉空間領域を形成する流体室3
は、図1に示した吸込管2の外部に設けられた筐体3A
であり、連通路4は筐体と吸込管とを接続するパイプ4
Aであるとして説明してきたが、これに代えて、図13
ないし図15に示すように、閉空間領域を形成する流体
室3は、吸込管2の羽根車近寄り部の外周に形成された
リング状空間3Bであり、連通路4はリング状空間と吸
込管とを画成する吸込管周壁2mに設けられた穿孔4B
であるという構造とした場合でも同様な効果を発揮させ
ることができる。
【0080】なお、流体室をリング状空間とする場合に
は、送風機を新規に製作する時からその機構の装着を念
頭において設計することになるが、図2に示した筐体3
Aとパイプ4Aからバイパス機構を形成させる場合は、
既成の送風機に爾後的に装着することもできる利点があ
る。リング状空間を流体室とした場合の図にあるよう
に、吸入流体の流通方向に沿って配置された連通路は三
以上存在することはもとより、連通路を円周面に複数列
配置すればバイパス機構による効果は一層増強される。
したがって、図2においてはパイプが一列となっている
が、三以上からなる連通路の列を多数配置するようにし
てもよい。
【0081】以上の説明から分かるように、連通路を介
して吸込管と流体室との間における圧力伝達ならびに流
体の流出入が可能となるように、流体室と連通路とによ
って吸込管のバイパス経路を形成させることができる。
したがって、吸入流体の一部にバイパス流を発生させる
ことによって、送風機の吸込管内羽根車近寄り部に発生
する予旋回を持つ流れの旋回方向速度に起因するエネル
ギが合理的に制御される。
【0082】本発明にしたがえば、送風機軸動力の低減
あるいは送風機羽根車による昇圧量の増大を導き、送風
機効率を2%ないし9%といったように向上させること
が可能となる。また、吸込管内羽根車直近部における流
れの改善を導き、送風機騒音が1.5dBないし4dB
も低減させることができる。これについての具体的な説
明を以下に記述する。ちなみに、2dBの低減といえど
も、室内等に設置される送風機においてはその減音効果
は著しいものである。
【0083】
【実施例】送風機の予旋回制御バイパス機構を具体的に
適用したAないしEの例として図番に対照させた具体例
主要諸元を表3として提示する。
【表3】 なお、例Dは図15の送風機に直管を接続したものであ
り、図15から容易に想像できるので図面は割愛されて
いる。
【0084】送風機の予旋回制御バイパス機構を具体的
に適用したAないしEの例として図番に対照させた具体
的効果を表4に掲げる。
【表4】 ここで、「送風機効率の差」とは〔バイパス機構ありの
場合の送風機効率(%)〕−〔バイパス機構なしの場合
の送風機効率(%)〕である。ただし、送風機吐出側で
の流量、圧力測定値において算出した最高効率点の値で
ある。「送風機騒音の差」とは〔バイパス機構ありの場
合の送風機騒音dB(A)〕−〔バイパス機構なしの場
合の送風機騒音dB(A)〕である。ただし、最高効率
点におけるものであって、大気開放状態の場合の騒音値
は吸込管開口部正面1メートル位置での測定値であり、
直管接続の場合は接続部側面1メートル位置での測定値
である。なお、例Dは表3の場合と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る送風機の吸込流予旋回制御バイ
パス構造における吸込管内の予旋回を持つ流れの旋回方
向速度に起因するエネルギを有効な仕事へ変換する作用
原理の定式化〔作用イ〕の説明に使用したモデル図。
【図2】 送風機予旋回制御バイパス機構を具体的に適
用した例Eとしての遠心形送風機の一例の斜視図。
【図3】 吸込管の管内径を一般表示した解析用のモデ
ル図。
【図4】 遠心形送風機の各基準位置を示し、(a)は
羽根に羽根車軸方向における吸込管側に側板および口金
が設けられなく、羽根の吸込管側に位置する側縁におけ
る羽根入口端が羽根出口端よりも羽根車軸の方向におい
て吸込管側にあるときのモデル図、(b)は羽根出口端
が羽根入口端よりも羽根車軸の方向において吸込管側に
あるときのモデル図、(c)は羽根の吸込管側に側板が
取り付けられ、側板に固定した口金が設けられている場
合のモデル図。
【図5】 軸流形送風機の各基準位置を示し、(a)は
羽根前縁における翼根が翼端よりも羽根車軸の方向にお
いて吸込管側にあるときのモデル図、(b)は翼端が翼
根よりも羽根車軸の方向において吸込管側にあるときの
モデル図。
【図6】 斜流形送風機の各基準位置を示し、(a)は
羽根に側板および口金が設けられなく、羽根前縁におけ
る翼端が翼根よりも羽根車軸の方向において吸込管側に
あるときのモデル図、(b)は翼根が翼端よりも羽根車
軸方向において吸込管側にあるときのモデル図、(c)
は羽根の端部に側板が取り付けられ、側板に固定した口
金が設けられているときのモデル図。
【図7】 送風機吸込側がダクト配管された場合の〔作
用イ〕の説明に使用したバイパス機構のない場合のモデ
ル図。
【図8】 送風機吸込側がダクト配管された場合の〔作
用イ〕の説明に使用したバイパス機構のある場合のモデ
ル図。
【図9】 吸込側にダクト配管がなく大気開放状態にあ
る吸込管の場合の〔作用イ〕の説明に使用したバイパス
機構のない場合のモデル図。
【図10】 吸込側にダクト配管がなく大気開放状態に
ある吸込管の場合の〔作用イ〕の説明に使用したバイパ
ス機構のある場合のモデル図。
【図11】 吸込側がダクト配管されるような場合であ
って、吸込管が十分に長い直管とした場合の旋回方向速
度に起因するエネルギを有効な仕事へ変換するとなぜ送
風機軸動力が低減するかの定式化〔作用ロ〕の説明に使
用したバイパス機構のない場合のモデル図。
【図12】 吸込側がダクト配管されるような場合であ
って、吸込管が十分に長い直管とした場合の〔作用ロ〕
の説明に使用したバイパス機構のある場合のモデル図。
【図13】 送風機予旋回制御バイパス機構を具体的に
適用した例Aとしての軸流形送風機の一例の斜視図。
【図14】 送風機予旋回制御バイパス機構を具体的に
適用した例Bとしての遠心形送風機の一例の斜視図。
【図15】 送風機予旋回制御バイパス機構を具体的に
適用した例Cとしての遠心形送風機の一例の斜視図。
【符号の説明】
1…羽根車、1A1 …遠心形羽根車の羽根、1A2 …軸
流形羽根車の羽根、1A3 …斜流形羽根車の羽根、1a
…羽根車軸、1c,1d…前縁、1p…遠心形羽根車の
側板、1m…遠心形羽根車の口金、1r…斜流形羽根車
の側板、1n…斜流形羽根車の口金、2…吸込管、
1 ,22 ,・・・,2n-1 ,2n …吸込管の円筒部、
2a1 ,2a2 ,・・・,2an-2 ,2an-1 …吸込管
の截頭円錐部、2m…吸込管の周壁、3…流体室、3A
…筐体、3B…リング状空間、4…連通路、4A…パイ
プ、4B…穿孔、5…予旋回制御バイパス機構、5a…
バイパス流、11…遠心形送風機、12…軸流形送風
機、13…斜流形送風機、d0 …吸込管の一定内径、d
1 ,d2 ,・・,dn …円筒部の内径、dMAX …円筒部
の最大内径、dMIN …円筒部の最小内径、Z1 …基準位
置から予旋回制御バイパス機構の上流側点までの長さ、
2 …基準位置から予旋回制御バイパス機構の下流側点
までの長さ、ZP ,ZPa,ZPb,ZPc,ZPd,ZPe,Z
Pf,ZPg,ZPh…基準位置。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送風機の羽根車に吸入流体を導入するた
    めの吸込管が設けられている送風機の流体吸込部構造に
    おいて、 前記吸込管の羽根車近寄り部の外部に閉空間領域を形成
    する流体室が併置されると共に、該流体室と前記吸込管
    とが吸入流体の流通方向に沿って配置された三以上の連
    通路を介して接続され、 該連通路を介して前記吸込管と流体室との間における圧
    力伝達ならびに流体の流出入が可能となっていると共
    に、前記流体室と連通路とにより前記吸込管のバイパス
    経路を形成させ、前記吸入流体の一部にバイパス流を発
    生させるようにしたことを特徴とする送風機の吸込流予
    旋回制御バイパス構造。
  2. 【請求項2】 前記流体室は、前記吸込管の外部に設け
    られた筐体であり、前記連通路は該筐体と吸込管とを接
    続するパイプであることを特徴とする請求項1に記載さ
    れた送風機の吸込流予旋回制御バイパス構造。
  3. 【請求項3】 前記流体室は、前記吸込管の羽根車近寄
    り部の外周に形成されたリング状空間であり、前記連通
    路は該リング状空間と前記吸込管とを画成する吸込管周
    壁に設けられた穿孔であることを特徴とする請求項1に
    記載された送風機の吸込流予旋回制御バイパス構造。
  4. 【請求項4】 前記吸込管の羽根車近寄り部が、吸入流
    体の流通方向に沿って異なる内径を有したn個の円筒部
    と、隣り合う異なる内径の円筒部の間を接続する截頭円
    錐部とからなっているとした場合、前記円筒部の最大内
    径をdMAX 、最小内径をdMIN 、各截頭円錐部の軸方向
    長さをBi (ただしi=1,2,3,…,n−1)と定
    義し、 送風機が遠心形送風機であって、羽根の羽根車軸方向に
    おける吸込管側に側板がなく、該羽根の吸込管側に位置
    する側縁における羽根入口端が羽根出口端よりも羽根車
    軸方向において吸込管側にあるときは、羽根車軸方向に
    おける前記羽根入口端に対応する位置が基準位置
    (ZPa)と選定され、 該基準位置から予旋回制御バイパス機構の上流側点まで
    の長さをZ1 とし、基準位置から予旋回制御バイパス機
    構の下流側点までの長さをZ2 としたとき、 【数1】 を満たし、かつ、dMAX >100mm,dMIN >100
    mmの場合にあっては、 【数2】 を、dMAX ≦100mmまたはdMAX >100mmであ
    り、かつ、dMIN ≦100mmの場合には、 【数3】 を満たす位置関係が、前記予旋回制御バイパス機構と前
    記羽根車との間に与えられていることを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれかに記載された送風機の吸
    込流予旋回制御バイパス構造。
  5. 【請求項5】 請求項4の基準位置に代えて、羽根の吸
    込管側に位置する側縁における羽根出口端が羽根入口端
    よりも羽根車軸方向において吸込管側にあるときは、羽
    根車軸方向における前記羽根出口端に対応する位置を基
    準位置(ZPb)としたことを特徴とする請求項4に記載
    された送風機の吸込流予旋回制御バイパス構造。
  6. 【請求項6】 請求項4の基準位置に代えて、羽根の吸
    込管側に側板が取り付けられ羽根車側板に固定した口金
    が設けられているときは、該口金の羽根車軸方向におけ
    る流れの最上流端部の位置を基準位置(ZPc)としたこ
    とを特徴とする請求項4に記載された送風機の吸込流予
    旋回制御バイパス構造。
  7. 【請求項7】 請求項4の遠心形送風機の基準位置に代
    えて、送風機が軸流形であって、羽根前縁における翼根
    が翼端よりも羽根車軸方向において吸込管側にあるとき
    は、羽根車軸方向における前記翼根に対応する位置を基
    準位置(ZPd)としたことを特徴とする請求項4に記載
    された送風機の吸込流予旋回制御バイパス構造。
  8. 【請求項8】 請求項4の遠心形送風機の基準位置に代
    えて、送風機が軸流形であって、羽根前縁における翼端
    が翼根よりも羽根車軸方向において吸込管側にあるとき
    は、羽根車軸方向における前記翼端に対応する位置を基
    準位置(ZPe)としたことを特徴とする請求項4に記載
    された送風機の吸込流予旋回制御バイパス構造。
  9. 【請求項9】 請求項4の遠心形送風機の基準位置に代
    えて、送風機が斜流形であって、羽根端に側板がなく羽
    根前縁における翼端が翼根よりも羽根車軸方向において
    吸込管側にあるときは、羽根車軸方向における前記翼端
    に対応する位置を基準位置(ZPf)としたことを特徴と
    する請求項4に記載された送風機の吸込流予旋回制御バ
    イパス構造。
  10. 【請求項10】 請求項4の遠心形送風機の基準位置に
    代えて、送風機が斜流形であって、羽根端に側板がなく
    羽根前縁における翼根が翼端よりも羽根車軸方向におい
    て吸込管側にあるときは、羽根車軸方向における前記翼
    根に対応する位置を基準位置(ZPg)としたことを特徴
    とする請求項4に記載された送風機の吸込流予旋回制御
    バイパス構造。
  11. 【請求項11】 請求項4の遠心形送風機の基準位置に
    代えて、送風機が斜流形であって、羽根端に側板が取り
    付けられ羽根車側板に固定した口金が設けられていると
    きは、該口金の羽根車軸方向における流れの最上流端部
    の位置を基準位置(ZPh)としたことを特徴とする請求
    項4に記載された送風機の吸込流予旋回制御バイパス構
    造。
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