JPH11124856A - 補強体の連結構造 - Google Patents

補強体の連結構造

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JPH11124856A
JPH11124856A JP28873497A JP28873497A JPH11124856A JP H11124856 A JPH11124856 A JP H11124856A JP 28873497 A JP28873497 A JP 28873497A JP 28873497 A JP28873497 A JP 28873497A JP H11124856 A JPH11124856 A JP H11124856A
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JP
Japan
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anchor
vertical
earth
hook
earth pressure
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JP28873497A
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English (en)
Inventor
Itsuo Sakashita
五男 坂下
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Geosystem Co Ltd Japan
Geo System Co Ltd
Original Assignee
Geosystem Co Ltd Japan
Geo System Co Ltd
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Publication date
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 斜面を補強するために用いられる補強体を、
容易に連結することができる連結構造を提供する。 【解決手段】 格子状の土留体13と、格子状のアンカ
ー体14とは、部分的に重合わされた状体で、係止部材
15を用いて連結され、土留体13の土留壁17によっ
て土圧を受け止め、土留体13のアンカー部18および
アンカー体14によって背後土16から受ける摩擦抵抗
力を利用して、土留体13の土留壁17が変位すること
を阻止する。アンカー体14の縦筋25には、鉤状部2
8が形成され、この鉤状部28は、アンカー部18の縦
筋20を、重合方向B1,B2へ横切って突出し、この
鉤状部28と、縦筋20との間には、係止部材15が挿
入され、この状態で、アンカー部18の横筋21によっ
て、前記土圧が作用する方向Aに沿う鉤状部28の変位
が阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、斜面が崩れ落ちて
崩壊することを防止して、安定した法面を形成するため
に土中に埋設して用いられる補強体の連結構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】たとえば、河川の堤防を築く場合、また
は道路もしくは鉄道を敷設する場合などに行われる盛土
工法では、斜面の崩落を防止して安定した法面を形成す
るために、土留体が設けられる。土留体は、複数の略L
字状の縦筋を複数の横筋によって相互に固定して格子状
に形成され、土圧が作用する斜面に沿って設けられる土
留壁と、土留壁の下方から屈曲して盛土された土中に埋
設されるアンカー部と、によって略L字状に構成されて
いる。このような土留体は、斜面に作用する土圧を土留
壁によって受けとめて斜面を係止し、土留壁の変位をア
ンカー部が周囲の土砂から受ける摩擦抵抗力によって阻
止して、斜面の崩落を防止している。
【0003】このように斜面の崩落を防止するときに、
たとえば、盛土の高さ、現地の環境などによっては、斜
面に大きな土圧が作用する場合があり、この場合には、
この大きな土圧を確実に受け止めるために、土留体のア
ンカー部の長さ、すなわちアンカー長を長くする必要が
ある。しかしながら、運搬上の理由などから、土留体の
アンカー部の長さには限界があり、したがって、土留体
とは別体に形成される格子状のアンカー体を、ボルトお
よびナットによって締結される治具を用いて、土留体の
アンカー部に連結し、全体のアンカー長を長くしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術で
は、ボルトおよびナットを用いて、土留体とアンカー体
とを連結しているので、その連結作業に細かな作業を要
する。特に、前述のような河川の堤防を築く場合、また
は道路もしくは鉄道を敷設する場合には、広範囲にわた
って、斜面を補強しなければならず、大きな手間を要
し、これによって施工時間が長くなってしまう。
【0005】したがって本発明の目的は、土中に埋設し
て、斜面を補強するために用いられる補強体を、容易に
連結することができる連結構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、土圧が作用す
る方向に沿って延びる縦部材と、縦部材に交差して固定
される横部材と、によって格子状に形成され、土圧を受
ける土留壁に接続されて土中に埋設される第1補強体
と、前記土圧が作用する方向に沿って延びる縦部材と、
縦部材に交差して固定される横部材と、によって格子状
に形成され、前記土圧が作用する方向に第1補強体と部
分的に重合わされて土中に埋設される第2補強体と、長
尺状の係止部材とを備え、第1および第2補強体のうち
少なくともいずれか一方の縦部材には、相互に重合わさ
れる部分に、第1および第2補強体のいずれか他方の縦
部材を、第1および第2補強体の重合方向に横切る鉤状
部が形成され、この鉤状部と第1および第2補強体のい
ずれか他方の縦部材との間に、前記係止部材を縦部材と
交差する方向に挿入し、少なくとも第1および第2補強
体のいずれか他方の横部材によって、前記土圧が作用す
る方向に沿う鉤状部の変位を阻止することを特徴とする
補強体の連結構造である。
【0007】本発明に従えば、縦部材と横部材とによっ
て格子状に形成される第1補強体は、たとえば盛土の斜
面を係止してその斜面に作用する土圧を受ける土留壁
に、直接または間接的に接続されて、土中に埋設されて
いる。この第1補強体は、周囲の土砂に対して変位しよ
うとすると、周囲の土砂から摩擦抵抗力を受ける。第1
補強体は、土留壁に接続されているので、第1補強体
は、土留壁が土圧を受けて変位しようするときに、土留
体と一体的に変位しようとする。このとき、第1補強体
が受ける摩擦抵抗力は、土留壁が変位することを阻止す
るように作用する。また第1補強体が埋設される土中に
は、縦部材と横部材とによって格子状に形成される第2
補強体が、第1補強体と部分的に重合わされて埋設され
る。この第2補強体も、第1補強体と同様に周囲の土砂
から摩擦力を受ける。
【0008】第1および第2補強体のうち少なくともい
ずれか一方の縦部材には、鉤状部が形成され、この鉤状
部は、第1および第2補強体のうち少なくともいずれか
他方の縦部材を、重合方向の一方側から他方側へ横切っ
て突出している。この鉤状部と、第1および第2補強体
のいずれか他方の縦部材との間には、第1および第2補
強体のいずれか他方の縦部材の重合方向他方側で、係止
部材が各縦部材と交差する方向に挿入され、第1および
第2補強体のうちいずれか一方の縦部材が、第1および
第2補強体のいずれか他方の縦部材の重合方向他方側か
ら一方側へ変位することを阻止するように、第1および
第2補強体が相互に係止される。このような状態で、少
なくとも第1および第2補強体のいずれか他方の横部材
によって、前記土圧が作用する方向に沿う鉤状部の変位
が阻止される。
【0009】これによって、土留壁が土圧を受け、これ
に伴って第1補強体が変位しようとするときに、第1お
よび第2補強体が、相互に離脱してしまわないように、
接続することができる。したがって、前述のように第2
補強体が受ける摩擦抵抗力は、土留壁が変位することを
阻止するように作用する。このようにして、第1補強体
に第2補強体を連結することによって、土留壁に大きな
摩擦抵抗力を作用させて、斜面の崩落を確実に防止する
ことができる。
【0010】このような第1および第2補強体の連結
は、鉤状部と、第1および第2補強体のいずれか他方の
縦部材との間に、長尺の係止部材を挿入するだけでよ
く、第1および第2補強体を、簡単な作業によって、容
易に連結することができる。したがって、現場での手間
を少なくし、施工時間の短縮を図ることができる。特
に、河川の堤防を築く場合、または道路もしくは鉄道を
敷設する場合など、広範囲にわたって斜面を補強しなけ
ればならない場合には、施工時間を大幅に短縮すること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態の連
結構造が実施されている土留構造体10の一部を示す鉛
直断面図であり、図2は係止部材15によって連結され
る土留体13およびアンカー体14を簡略化して示す斜
視図である。土留構造体10は、たとえば、河川の堤防
を築く場合、または道路もしくは鉄道を敷設する場合な
どに行われる盛土の斜面が崩落することを防ぎ、安定し
た法面11を形成するための構造体であり、図示しない
現地盤上に、単層土留構造体12を積層して構成され
る。各単層土留構造体12は、土留体13と、アンカー
体14と、係止部材15と、背後土16と、をそれぞれ
備える。
【0012】土留体13は、ほぼ鉛直に配置される土留
壁17と、土留壁17の下端部に連なってほぼ垂直に屈
曲してほぼ水平に延びる第1補強体であるアンカー部1
8と、を有してL字状に構成される。アンカー体14
は、土留体13のアンカー部18に、部分的に重なり合
った状態で設けられ、ほぼ水平に延びている。係止部材
15は、土留体13のアンカー部18と、アンカー体1
4とに関連して設けられ、アンカー体14を土留体13
のアンカー部18に連結する。背後土16は、たとえば
砂質土が用いられ、各土留体13の土留壁17の背後
(図1の右側)に、盛土されて収容される。単層土留構
造体12が積層された状態で、背後土16は、格子状の
アンカー部18およびアンカー体14を通して上下に関
連性を有してしる。アンカー部18およびアンカー体1
4は、土留壁17に対して垂直な方向に延びている。
【0013】このような単層土留構造体12が積層され
た状態で、係止部材15を介して相互に係止される土留
体13のアンカー部18およびアンカー体14は、背後
土16として盛土された土中に埋設され、土留体13の
土留壁17は、背後土16の斜面を係止している。この
ように構成される土留構造体10は、背後土16の自重
などによって斜面を前方に押し出す方向(以下、土圧が
作用する方向と記す場合がある)Aへ作用する土圧を、
土留体13の土留壁17によって受止め、この土留壁1
7に連なる土留体13のアンカー部18およびアンカー
部18に連結されるアンカー体14が、背後土16から
受ける摩擦抵抗力によって、土圧に抗して土留壁17の
前方、すなわち土圧が作用する方向Aへの変位を阻止
し、背後土16の斜面が崩落することを防止して、安定
した法面11を形成することができる。ここで、土圧
は、背後土16の自重に加えて、地下水による水圧、土
留構造体10上に設けられる道路、鉄道および建築物な
どの構築物の荷重による圧力などを含む。この形態で
は、土圧が作用する方向Aは、斜面に対してほぼ垂直な
方向であり、この土圧が作用する方向Aに沿って、アン
カー部18およびアンカー体14を設けることによっ
て、土圧に効率良く抗することができる。ここで、土圧
は、背後土16の自重に加えて、地下水による水圧、土
留構造体10上に設けられる道路、鉄道および建築物な
どの構築物の荷重による圧力などを含む。
【0014】このような土留構造体10において、斜面
を崩落させようと作用する土圧は、背後土16の性質、
土留構造体10上の構築物の有無、および地下水の水位
などによって異なる。土留壁17の変位を阻止するため
にアンカー部18およびアンカー体14によって受ける
摩擦抵抗力は、アンカー部18およびアンカー体14の
背後土16中に埋設される長さ、いわゆるアンカー長L
1に依存している。斜面に作用する土圧が大きい場合に
は、土留壁17の前方への変位を阻止するために、背後
土16に埋設される土留体13のアンカー部18および
アンカー体14によって、土圧に抗することができる大
きな摩擦抵抗力を得る必要があり、このためには、アン
カー長L1を長くする必要がある。しかしながら、現場
への搬入および現場での施工を可能にする、あるいは容
易にするために、土留体13のアンカー部18の長さL
2およびアンカー体14の長さL3は、制限を受けてし
まう。
【0015】さらに詳しく述べると、アンカー体14を
用いずに、土留体13だけを用いて、安定した法面11
を形成することができる土留構造体10を構成しようと
する場合に、斜面に作用する土圧が大きいときには、土
圧に抗して土留壁17の前方への変位を阻止することが
できる必要十分な摩擦抵抗力を背後土16から受けるた
めに、アンカー部18の長さL2を大きくする必要があ
る。しかし、前述の運搬上および施工上の問題から、ア
ンカー部18の長さL2は、制限される。このような問
題を同時に解決するために、アンカー部18の長さL2
を、運搬および施工が可能な長さに選択し、このアンカ
ー部18に、土留体13とは別体のアンカー体14を連
結し、アンカー長L1を長くする。このアンカー部18
とアンカー体14との連結を容易にするために、係止部
材15を用いた本発明に従う連結構造を実施し、アンカ
ー部18とアンカー体14とが連結される。
【0016】土留体13は、相互に間隔をあけて設けら
れる複数の縦筋20と、各縦筋20に交差して、相互に
間隔をあけて設けれる複数の横筋21とが、たとえば溶
接によって固定され、格子状に形成されている。縦筋2
0は、土圧が作用する方向Aに沿って延びる水平部22
と、この水平部22の土圧が作用する方向A下流側の端
部に連なり、上方へ立上がる立上がり部23とを有する
L字状であり、横筋21は土圧が作用する方向にほぼ垂
直に延びている。縦筋20は、たとえば、呼び径がφ
6、φ7.5、φ9の鉄筋が用いられ、150mm毎に
12本設けられる。横筋21は、たとえば、呼び径がφ
6、φ7.5の鉄筋が用いられ、縦筋20の水平部22
に対しては225mm毎に縦筋20の上側に31本設け
られ、縦筋20の立上がり部23に対しては225mm
毎に縦筋20の土圧が作用する方向A上流側に2本設け
られる。
【0017】縦部材である縦筋20の水平部22と、こ
の水平部22に固定される横部材である横筋21とによ
って、格子状の第1補強体であるアンカー部18が構成
され、水平部22と立上がり部23とを、1本の鉄筋、
すなわち縦筋20を屈曲させて一体的に形成することに
よって、土留体13とアンカー部18とは一体的に接続
された状態となっている。このように構成される土留体
13は、たとえば、アンカー部18の長さL2が697
5mmに選ばれ、土留壁17の高さH1が450mmに
選ばれ、幅W1が1830mmに選ばれる。
【0018】アンカー体14は、相互に間隔をあけて設
けられる複数の縦筋25と、各縦筋25に交差して、相
互に間隔をあけて設けれる複数の横筋26とが、たとえ
ば溶接によって固定され、格子状に形成されている。縦
筋25は、土圧が作用する方向Aに沿って延び、横筋2
6は、土圧が作用する方向Aにほぼ垂直に延びている。
縦筋25は、たとえば、呼び径がφ6、φ7.5、φ9
の鉄筋が用いられ、150mm毎に12本設けられる。
横筋26は、たとえば、呼び径がφ6、φ7.5の鉄筋
が用いられ、225mm毎に縦筋25の下側にN本設け
られる。横筋26を設ける本数Nは、土圧を支えるため
に必要なアンカー長L1を得るために、土留体13のア
ンカー部18の長さL2に加えなければならない長さL
2−ΔLに基づいて、適宜選択することができる。ここ
で、ΔLは、土留体13のアンカー部18とアンカー体
14とを重合わせたときの土圧が作用する方向Aのいわ
ゆるラップ長であり、たとえば300mm程度である。
このように構成されるアンカー体14は、たとえば、長
さL3が前述のような理由から土圧に応じてたとえば1
025〜6025mmに選ばれる。
【0019】図3は図1のセクションIIIを拡大して
示す断面図であり、図4は図3において左斜め上方から
見た斜視図である。図3および図4には、背後土16を
省略して示す。土留体13のアンカー部18とアンカー
体14とは、土留体13のアンカー部18がアンカー体
14の上側に位置するよに、ラップ長ΔLを有して重合
わされている。
【0020】このように重合わされる第1補強体である
アンカー部18および第2補強体であるアンカー体14
のうち少なくともいずれか一方、本形態においてアンカ
ー体14の縦部材である縦筋25には、相互に重合わさ
れる部分に、アンカー部18およびアンカー体14のい
ずれか他方の縦部材である縦筋20を、アンカー部18
およびアンカー体14の重合方向(上下方向)B1,B
2に横切る鉤状部28が形成されている。さらに詳しく
述べると、アンカー体14の縦筋25は、土圧が作用す
る方向A下流側の端部に、鉤状部28が形成されてお
り、この鉤状部28はL字状であって、土圧が作用する
方向Aに沿って延びる残余の部分29から上方B1へ向
けて屈曲して、土圧が作用する方向A下流側へ向かうに
連れて、アンカー部18の縦部材20を下側から上側へ
横切るように上方Bへ傾斜する第1傾斜部分30と、こ
の第1傾斜部分30の土圧が作用する方向A下流側の端
部から下方B2へ向けて屈曲して、土圧が作用する方向
A下流側へ向かうに連れて、アンカー部18の縦部材2
0を上側から下側へ横切るように下方Bへ傾斜する第2
傾斜部分31とを有する。
【0021】このように、アンカー部18の下側に設け
られるアンカー体14に形成される鉤状部28は、アン
カー部18の縦筋20を積重方向B1,B2に横切っ
て、その縦筋20の上側に部分的に突出する。この鉤状
部28の部分的に突出した部分において、鉤状部28と
縦筋20との間、すなわち各縦筋20,25間に、長尺
の係止部材15を各縦筋20,25と交差する方向(図
3の紙面に垂直な方向)に挿入する。係止部材15は、
たとえば、呼び径φ9の鉄筋であり、その長手方向一端
部が屈曲されている。このように係止部材15の長手方
向一端部を屈曲させることによって、施工時および施工
後に、係止部材15がその軸線方向に不所望に変位する
ことを防ぐことができる。
【0022】このようして、係止部材15を、各縦筋2
0,25間に挿入した状態で、アンカー体14の縦筋2
5は、係止部材15を介して、アンカー部18の縦筋2
0に係止されて、縦筋20に対して下方B2へ変位する
ことが阻止される。また鉤状部28は、縦筋20を横切
って縦筋20の上側に突出するので、鉤状部28の第1
傾斜部分30は、縦筋20の上側に固定される横筋21
に当接し、これによって、鉤状部28は、横筋21によ
って土圧が作用する方向A上流側へ変位することが阻止
される。これによって、土留体13の土留壁17に土圧
が作用し、これに伴って、土留体13をアンカー体14
に対して土圧が作用する方向Aへ変位させる力が作用し
ても、土留体13のアンカー部18へのアンカー体14
の係止状態を保ち、土留体13とアンカー体14との連
結状態を維持することができる。さらに鉤状部28の第
2傾斜部分31には、縦筋20の下側、すなわち係止部
材15とは反対側で、横筋26が固定されており、第2
傾斜部分31の上方への変位が阻止される。これによっ
て前述のように、土留体13を、アンカー体14に対し
て土圧が作用する方向Aに変位させる力が作用したとき
に、その作用によって、第2傾斜部分31が、たとえば
仮想線で示す位置32に変位するように鉤状部28が変
形してしまい、係止部材15が、鉤状部28から抜け出
してしまい、土留体13とアンカー体14との連結状態
が解除されてしまうことを阻止することができる。この
ように係止部材15によって、鉤状部28において、各
縦筋20,25を相互に係止し、各横筋21,26にを
利用して、鉤状部28の土圧が作用する方向Aに沿う変
位を阻止することができる。
【0023】このように土留体13およびアンカー体1
4を連結することによって、土留体13の土留壁17に
土圧が作用したときに、土留体13およびアンカー体1
4は、一体的に変位しようとする。土留体13のアンカ
ー部18およびアンカー体14を背後土16中に埋設す
ることによって、土留体13の土留壁17が土圧を受け
たときに、アンカー部18およびアンカー体14によっ
て、周囲の土砂から摩擦抵抗力を受けて、その摩擦抵抗
力を、土留壁17が変位することを阻止するように作用
させることができる。このようにして、土留体13にア
ンカー体14を連結することによって、土留体13のア
ンカー部18だけではなく、アンカー体14によって
も、背後土16から摩擦抵抗力を受けて、大きな摩擦抵
抗力を得て、この大きな摩擦抵抗力を土留壁17に作用
させて、斜面の崩落を確実に防止し、安定して法面11
を形成することができる。
【0024】また、土留体13のアンカー部18の横筋
21を、縦筋20の上側に設け、かつアンカー体14の
横筋26を、縦筋25の下側に設けることによって、ア
ンカー部18では、そのアンカー部18の上側の背後土
16から摩擦抵抗力を受け、アンカー体14では、その
アンカー体14の下側の背後土16から摩擦抵抗力を受
けることができる。このように、アンカー部18の縦筋
20に対する横筋21の配置方向と、アンカー体14の
縦筋25に対する横筋26の配置方向とを、反対にする
ことによって、上下の両側の背後土16から摩擦抵抗力
を受けることができ、アンカー部18およびアンカー体
14を境目として、アンカー体18およびアンカー体1
4が背後土16に対して滑りやすくなることを防ぎ、土
留構造体10の安定性を向上することができる。
【0025】このような土留体13とアンカー体14と
の連結、さらに詳しく述べると土留体13のアンカー部
18とアンカー体14との連結は、アンカー体14の縦
筋20、さらに詳しく述べると縦筋20に形成される鉤
状部28と、土留体13の縦筋25との間に、長尺の係
止部材15を挿入するだけでよく、土留体13とアンカ
ー体14とを、簡単な作業によって、容易に連結するこ
とができる。したがって、現場での手間を少なくし、施
工時間の短縮を図ることができる。特に、河川の堤防を
築く場合、または道路もしくは鉄道を敷設する場合な
ど、広範囲にわたって斜面を補強しなければならない場
合には、施工時間を大幅に短縮することができる。
【0026】また他の形態として、係止部材15は、鉤
状部28と縦筋20との間に挿入した後、たとえば溶接
によって、鉤状部28および縦筋20にそれぞれ固定す
るようにしてもよく、これによって、土留体13とアン
カー体14との連結状態を確実に維持することができ
る。また、図4に仮想線33で示すように、鉤状部28
の第2傾斜部分31には、横筋26を設けずに、鉤状部
28を、第2傾斜部分31が、土留体13の縦筋20に
対して第1傾斜部分30とは反対側に配置されるように
形成し、この鉤状部28によって、縦筋20を挟むよう
にしてもよく、これによって、土留体13に対するアン
カー体14の、縦筋20と交差する方向の変位を阻止す
ることができる。さらに、図4に仮想線34で示すよう
に、鉤状部28の第2傾斜部分31には、横筋26を設
けずに、鉤状部28を、第2傾斜部分31を縦筋20に
対して第1傾斜部分30とは反対側に配置されるように
形成し、かつ第2傾斜部分31の先端部分を湾曲させ
て、この湾曲した先端部分によって、縦筋20を係止部
材15とは反対側、本形態では下側から係止するよにし
てもく、これによって、第2傾斜部分31が上方へ変位
することを防止して、土留体13とアンカー体14とを
確実に連結することができる。
【0027】図5は、本発明の実施の他の形態の土留体
13eおよびアンカー体14eを簡略化して示す斜視図
である。上述の形態と同様の構成を有する部分には、同
一の参照符号を付し、説明は省略する。土留構造体10
を構築しようとする場所に、土留構造体10が構築され
たときに、背後土16中に埋設される状態となる、たと
えば、杭およびガス管などの障害物40が存在する場合
には、その障害物40を避けて、アンカー部18および
アンカー体14を分割し、土留壁17に対して垂直な方
向から傾斜した方向に沿って、アンカー部18およびア
ンカー体14を設けるようにしてもよい。このような場
合にも、上述の連結構造を好適に実施することが可能で
あり、障害物40を避けることができるとともに、かつ
上述の形態と同様の効果を得ることができる。
【0028】図6は本発明のさらに他の形態の連結構造
の鉤状部28a付近を示す拡大断面図である。図6に
は、背後土16を省略して示す。上述の形態と対応する
部分には、同一の参照符号に添字aを付して異なる構成
についてだけ説明し、同様の構成を有する部分には、同
一の参照符号を付して説明は省略する。アンカー部18
aとアンカー体14aとは、アンカー体14aが上側に
配置されるように、重合わされる。アンカー体14aの
縦筋25aには、相互に重合わされる部分に、縦筋20
を重合方向B1,B2に横切る鉤状部28aが形成され
ている。さらに詳しく述べると、アンカー体14aの縦
筋25aには、土圧が作用する方向A下流側の端部に、
鉤状部28aが形成されており、この鉤状部28aはL
字状であって、土圧が作用する方向Aに沿って延びる残
余の部分29aから下方B2へ向けて屈曲して、土圧が
作用する方向A下流側へ向かうに連れて、アンカー部1
8aの縦部材20を上側から下側へ横切るように下方B
2へ傾斜する第1傾斜部分30aと、この第1傾斜部分
30aの土圧が作用する方向A下流側の端部から上方B
1へ向けて屈曲して、土圧が作用する方向A下流側へ向
かうに連れて、アンカー部18aの縦部材20を下側か
ら上側へ横切るように上方B1へ傾斜する第2傾斜部分
31aとを有する。
【0029】このように、アンカー部18aの上側に設
けられるアンカー体14aに形成される鉤状部28a
は、アンカー部18aの縦筋20を積重方向B1,B2
に横切って、その縦筋20の下側に部分的に突出する。
この鉤状部28aの部分的に突出した部分において、鉤
状部28aと縦筋20との間、すなわち各縦筋20,2
5a間に、長尺の係止部材15を各縦筋20,25aと
交差する方向(図6の紙面に垂直な方向)に挿入する。
【0030】このようして、係止部材15を、各縦筋2
0,25a間に挿入した状態で、アンカー体14aの縦
筋25aは、係止部材15を介して、アンカー部18a
の縦筋20に係止されて、縦筋20に対して上方B1へ
変位することが阻止される。また鉤状部28aは、縦筋
20を横切って縦筋20の下側に突出し、縦筋20には
下側に横筋21が固定されており、鉤状部28aの第1
傾斜部分30aは、縦筋20の下側に固定される横筋2
1に当接し、これによって、鉤状部28aは、横筋21
によって土圧が作用する方向A上流側へ変位することが
阻止される。これによって、土留体13aの土留壁17
に土圧が作用し、これに伴って、土留体13aをアンカ
ー体14aに対して土圧が作用する方向Aへ変位させる
力が作用しても、土留体13aのアンカー部18aへの
アンカー体14aの係止状態を保ち、土留体13aとア
ンカー体14aとの連結状態を維持することができる。
【0031】さらに鉤状部28aの第2傾斜部分31a
には、縦筋20の上側、すなわち係止部材15とは反対
側で、横筋26が固定されており、第2傾斜部分31a
の下方B1への変位が阻止される。これによって前述の
ように、土留体13を、アンカー体14aに対して土圧
が作用する方向Aに変位させる力が作用したときに、そ
の作用によって、第2傾斜部分31aが、たとえば仮想
線で示す位置32aに変位するように鉤状部28aが変
形してしまい、係止部材15が、鉤状部28aから抜け
出してしまい、土留体13aとアンカー体14aとの連
結状態が解除されてしまうことを阻止することができ
る。このように、係止部材15によって、鉤状部28a
において、各縦筋20,25aを相互に係止し、各横筋
21,26にを利用して、鉤状部28aの土圧が作用す
る方向Aに沿う変位を阻止することができる。このよう
に構成しても、上述の形態と同様の効果を得ることがで
きる。
【0032】図7は本発明のさらに他の形態の連結構造
の鉤状部28b付近を示す拡大断面図である。図7に
は、背後土16を省略して示す。上述の形態と対応する
部分には、同一の参照符号に添字bを付して異なる構成
についてだけ説明し、同様の構成を有する部分には、同
一の参照符号を付して説明は省略する。アンカー部18
bとアンカー体14bとは、アンカー体14bが上側に
配置されるように、重合わされる。アンカー部18bの
縦筋20bには、相互に重合わされる部分に、縦筋25
bを重合方向B1,B2に横切る鉤状部28bが形成さ
れている。さらに詳しく述べると、アンカー部18bの
縦筋20bには、土圧が作用する方向A上流側の端部
に、鉤状部28bが形成されており、この鉤状部28b
はL字状であって、土圧が作用する方向Aに沿って延び
る残余部分29bから上方B1へ向けて屈曲して、土圧
が作用する方向A上流側へ向かうに連れて、アンカー体
14bの縦部材25bを下側から上側へ横切るように上
方B1へ傾斜する第1傾斜部分30bと、この第1傾斜
部分30bの土圧が作用する方向A上流側の端部から下
方B2へ向けて屈曲して、土圧が作用する方向A上流側
へ向かうに連れて、アンカー体14bの縦部材25bを
上側から下側へ横切るように下方B2へ傾斜する第2傾
斜部分31bとを有する。
【0033】このように、アンカー体14bの下側に設
けられるアンカー部18bに形成される鉤状部28b
は、アンカー体14bの縦筋25bを積重方向B1,B
2に横切って、その縦筋25bの上側に部分的に突出す
る。この鉤状部28bの部分的に突出した部分におい
て、鉤状部28bと縦筋25bとの間、すなわち各縦筋
20b,25b間に、長尺の係止部材15を各縦筋20
b,25bと交差する方向(図7の紙面に垂直な方向)
に挿入する。
【0034】このようして、係止部材15を、各縦筋2
0b,25b間に挿入した状態で、アンカー体14bの
縦筋25bは、係止部材15を介して、アンカー部18
bの縦筋20bに係止されて、縦筋20bに対して下方
B2へ変位することが阻止される。また鉤状部28b
は、縦筋25bを横切って縦筋25bの上側に突出し、
縦筋25bには上側に横筋26が固定されており、鉤状
部28bの第1傾斜部分30bは、縦筋25bの上側に
固定される横筋26に当接し、これによって、鉤状部2
8bは、横筋21によって土圧が作用する方向A下流側
へ変位することが阻止される。これによって、土留体1
3bの土留壁17に土圧が作用し、これに伴って、土留
体13bをアンカー体14bに対して土圧が作用する方
向Aへ変位させる力が作用しても、土留体13bのアン
カー部18bへのアンカー体14bの係止状態を保ち、
土留体13bとアンカー体14bとの連結状態を維持す
ることができる。
【0035】さらに鉤状部28bの第2傾斜部分31b
には、縦筋25bの下側、すなわち係止部材15とは反
対側で、横筋21が固定されており、第2傾斜部分31
bの上方B1への変位が阻止される。これによって前述
のように、土留体13を、アンカー体14bに対して土
圧が作用する方向Aに変位させる力が作用したときに、
その作用によって、第2傾斜部分31bが、たとえば仮
想線で示す位置32bに変位するように鉤状部28bが
変形してしまい、係止部材15が、鉤状部28bから抜
け出してしまい、土留体13とアンカー体14bとの連
結状態が解除されてしまうことを阻止することができ
る。このように、係止部材15によって、鉤状部28b
において、各縦筋20b,25bを相互に係止し、各横
筋21,26にを利用して、鉤状部28bの土圧が作用
する方向Aに沿う変位を阻止することができる。このよ
うに構成しても、上述の形態と同様の効果を得ることが
できる。
【0036】図8は本発明のさらに他の形態の連結構造
の鉤状部28c付近を示す拡大断面図である。図8に
は、背後土16を省略して示す。上述の形態と対応する
部分には、同一の参照符号に添字cを付して異なる構成
についてだけ説明し、同様の構成を有する部分には、同
一の参照符号を付して説明は省略する。アンカー部18
cとアンカー体14cとは、アンカー部18cが上側に
配置されるように、重合わされる。アンカー部18cの
縦筋20cには、相互に重合わされる部分に、縦筋25
cを重合方向B1,B2に横切る鉤状部28cが形成さ
れている。さらに詳しく述べると、アンカー部18cの
縦筋20cは、土圧が作用する方向A上流側の端部に、
鉤状部28cが形成されており、この鉤状部28cはL
字状であって、土圧が作用する方向Aに沿って延びる残
余の部分29cから下方B2へ向けて屈曲して、土圧が
作用する方向A上流側へ向かうに連れて、アンカー体1
4cの縦部材25cを上側から下側へ横切るように下方
B2へ傾斜する第1傾斜部分30cと、この第1傾斜部
分30cの土圧が作用する方向A上流側の端部から上方
B1へ向けて屈曲して、土圧が作用する方向A下流側へ
向かうに連れて、アンカー体14cの縦部材25cを下
側から上側へ横切るように上方B1へ傾斜する第2傾斜
部分31cとを有する。
【0037】このように、アンカー体14cの上側に設
けられるアンカー部18cに形成される鉤状部28c
は、アンカー体14cの縦筋25cを積重方向B1,B
2に横切って、その縦筋25cの下側に部分的に突出す
る。この鉤状部28cの部分的に突出した部分におい
て、鉤状部28cと縦筋25cとの間、すなわち各縦筋
20c,25c間に、長尺の係止部材15を各縦筋20
c,25cと交差する方向(図8の紙面に垂直な方向)
に挿入する。
【0038】このようして、係止部材15を、各縦筋2
0c,25c間に挿入した状態で、アンカー体14cの
縦筋25cは、係止部材15を介して、アンカー部18
cの縦筋20cに係止されて、縦筋20cに対して下方
B2へ変位することが阻止される。また鉤状部28c
は、縦筋25cを横切って縦筋25cの下側に突出する
ので、鉤状部28cの第1傾斜部分30cは、縦筋25
cの下側に固定される横筋26に当接し、これによっ
て、鉤状部28cは、横筋21によって土圧が作用する
方向A下流側へ変位することが阻止される。これによっ
て、土留体13cの土留壁17に土圧が作用し、これに
伴って、土留体13cをアンカー体14cに対して土圧
が作用する方向Aへ変位させる力が作用しても、土留体
13cのアンカー部18cへのアンカー体14cの係止
状態を保ち、土留体13cとアンカー体14cとの連結
状態を維持することができる。
【0039】さらに鉤状部28cの第2傾斜部分31c
には、縦筋25cの上側、すなわち係止部材15とは反
対側で、横筋21が固定されており、第2傾斜部分31
cの下方B2への変位が阻止される。これによって前述
のように、土留体13を、アンカー体14cに対して土
圧が作用する方向Aに変位させる力が作用したときに、
その作用によって、第2傾斜部分31cが、たとえば仮
想線で示す位置32cに変位するように鉤状部28cが
変形してしまい、係止部材15が、鉤状部28cから抜
け出してしまい、土留体13cとアンカー体14cとの
連結状態が解除されてしまうことを阻止することができ
る。このように、係止部材15によって、鉤状部28c
において、各縦筋20c,25cを相互に係止し、各横
筋21,26にを利用して、鉤状部28cの土圧が作用
する方向Aに沿う変位を阻止することができる。このよ
うに構成しても、上述の形態と同様の効果を得ることが
できる。
【0040】図9は本発明のさらに他の形態の連結構造
の鉤状部28d1,28d2付近を示す拡大断面図であ
る。図9には、背後土16を省略して示す。上述の形態
と対応する部分には、同一の参照符号に添字d、添字d
1または添字d2を付し、異なる構成についてだけ説明
し、同様の構成を有する部分には、同一の参照符号を付
して説明は省略する。アンカー部18dとアンカー体1
4dとは、アンカー部18dが上側に配置されるよう
に、重合わされる。アンカー部18dの縦筋20dに
は、相互に重合わされる部分に、縦筋25dを重合方向
B1,B2に横切る鉤状部28d1が形成され、アンカ
ー体14dの縦筋25dには、相互に重合わされる部分
に、縦筋20dを重合方向B1,B2に横切る鉤状部2
8d2が形成されている。
【0041】さらに詳しく述べると、アンカー部18d
の縦筋20dは、土圧が作用する方向A上流側の端部付
近に、鉤状部28d1が形成されており、この鉤状部2
8d1はL字状であって、土圧が作用する方向Aに沿っ
て延びる残余部分29d1から下方B2へ向けて屈曲し
て、土圧が作用する方向A上流側へ向かうに連れて、ア
ンカー体14dの縦部材25dを上側から下側へ横切る
ように下方B2へ傾斜する第1傾斜部分30d1と、こ
の第1傾斜部分30d1の土圧が作用する方向A上流側
の端部から上方B1へ向けて屈曲して、土圧が作用する
方向A下流側へ向かうに連れて、アンカー体14dの縦
部材25dを下側から上側へ横切るように上方B1へ傾
斜する第2傾斜部分31d1とを有する。
【0042】また、アンカー体14dの縦筋25dは、
土圧が作用する方向A下流側の端部付近に、鉤状部28
d2が形成されており、この鉤状部28d2はL字状で
あって、土圧が作用する方向Aに沿って延びる残余部分
29d2から上方B1へ向けて屈曲して、土圧が作用す
る方向A上流側へ向かうに連れて、アンカー部18dの
縦部材20dを下側から上側へ横切るように上方B1へ
傾斜する第1傾斜部分30d2と、この第1傾斜部分3
0d2の土圧が作用する方向A上流側の端部から下方B
2へ向けて屈曲して、土圧が作用する方向A下流側へ向
かうに連れて、アンカー部18dの縦部材20dを上側
から下側へ横切るように下方B2へ傾斜する第2傾斜部
分31d2とを有する。
【0043】このように、アンカー体14dの上側に設
けられるアンカー部18dに形成される鉤状部28d1
は、アンカー体14dの縦筋25dをその鉤状部28d
2において積重方向B1,B2に横切って、その鉤状部
28d2の下側に部分的に突出する。また逆に、アンカ
ー部18dの下側に設けられるアンカー体14dに形成
される鉤状部28d2は、アンカー部18dの縦筋20
dをその鉤状部28d1において積重方向B1,B2に
横切って、その鉤状部28d1の上側に部分的に突出す
る。このような各鉤状部28d1,28d2間に、長尺
の係止部材15を各縦筋20d,25dと交差する方向
(図9の紙面に垂直な方向)に挿入する。
【0044】このようして、係止部材15を、各鉤状部
28d1,28d2間に挿入した状態で、アンカー体1
4dの縦筋25dは、係止部材15を介して、アンカー
部18dの縦筋20dに係止されて、縦筋20dに対し
て下方B2へ変位することが阻止される。また鉤状部2
8d1は、縦筋25dを横切って縦筋25dの下側に突
出するので、鉤状部28d1の第1傾斜部分30d1
は、縦筋25dの下側に固定される横筋21に当接し、
かつ鉤状部28d2は、縦筋20dを横切って縦筋20
dの上側に突出するので、鉤状部28d2の第1傾斜部
分30d2は、縦筋20dの下側に固定される横筋26
に当接し、これによって、鉤状部28d1は、横筋21
によって土圧が作用する方向A下流側へ変位することが
阻止され、かつ鉤状部28d2は、横筋21によって土
圧が作用する方向A上流側へ変位することが阻止され
る。これによって、土留体13の土留壁17に土圧が作
用し、これに伴って、土留体13をアンカー体14dに
対して土圧が作用する方向Aへ変位させる力が作用して
も、土留体13のアンカー部18dへのアンカー体14
dの係止状態を保ち、土留体13とアンカー体14dと
の連結状態を維持することができる。
【0045】このように、係止部材15によって、各鉤
状部28d1,28d2において、各縦筋20d,25
dを相互に係止し、各横筋21,26にを利用して、各
鉤状部28d1,28d2のの土圧が作用する方向Aに
沿う相互の変位を阻止することができる。このように構
成しても、上述の形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0046】上述の形態は、本発明の一例であり、材
質、寸法などは、適宜変更することが可能であり、たと
えば各縦筋20,25および各横筋21,26として、
異形鉄筋を用いるようにしてもよく、また、各鉤状部2
8,28a,28b,28c,28d1,28d2が当
接される各横筋21,26および係止部材15として、
たとえば軸直角断面の形状が正方形状の角筒体を用いる
など、軽量で剛性の高いものを用いるようにし、土留構
造体10の強度を向上するようにしてもよい。さらに、
複数のアンカー体14を、土圧が作用する方向に部分的
に重合わせて並べるようにして、複数のアンカー体を連
結してもよく、これによって、アンカー長L1をさらに
長くすることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、土留壁の変位を阻止し
て斜面の崩落を確実に防止することができる大きな摩擦
抵抗力うるために、第1および第2補強体を用いる場合
に、その第1および第2補強体の連結は、鉤状部と、第
1および第2補強体のいずれか他方の縦部材との間に、
長尺の係止部材を挿入するだけでよく、第1および第2
補強体を、簡単な作業によって、容易に連結することが
できる。したがって、現場での手間を少なくし、施工時
間の短縮を図ることができる。特に、河川の堤防を築く
場合、または道路もしくは鉄道を敷設する場合など、広
範囲にわたって斜面を補強しなければならない場合に
は、施工時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の連結構造が実施される
土留体13およびアンカー体14を備える土留構造体1
0の一部を示す鉛直断面図である。
【図2】係止部材15によって連結される土留体13お
よびアンカー体14を簡略化して示す斜視図である。
【図3】図1のセクションIIIを拡大して示す断面図
である。
【図4】図3の左斜め上方から見て示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の他の形態の係止部材15によっ
て連結された土留体13eおよびアンカー体14eを簡
略化して示す斜視図である。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態の鉤状部28a
付近を拡大して示す断面図である。
【図7】本発明の実施のさらに他の形態の鉤状部28b
付近を拡大して示す断面図である。
【図8】本発明の実施のさらに他の形態の鉤状部28c
付近を拡大して示す断面図である。
【図9】本発明の実施のさらに他の形態の鉤状部28d
1,28d2付近を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
10 土留構造体 11 法面 12 単層土留構造体 13,13a〜13e 土留体 14,14a〜14e アンカー体 15 係止部材 16 背後土 17 土留壁 18,18a〜18d アンカー部 20,20b〜20d,25,25a〜25d 縦筋 21,26 横筋 28,28a〜28c,28d1,28d2 鉤状部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土圧が作用する方向に沿って延びる縦部
    材と、縦部材に交差して固定される横部材と、によって
    格子状に形成され、土圧を受ける土留壁に接続されて土
    中に埋設される第1補強体と、 前記土圧が作用する方向に沿って延びる縦部材と、縦部
    材に交差して固定される横部材と、によって格子状に形
    成され、前記土圧が作用する方向に第1補強体と部分的
    に重合わされて土中に埋設される第2補強体と、 長尺状の係止部材とを備え、 第1および第2補強体のうち少なくともいずれか一方の
    縦部材には、相互に重合わされる部分に、第1および第
    2補強体のいずれか他方の縦部材を、第1および第2補
    強体の重合方向に横切る鉤状部が形成され、この鉤状部
    と第1および第2補強体のいずれか他方の縦部材との間
    に、前記係止部材を縦部材と交差する方向に挿入し、少
    なくとも第1および第2補強体のいずれか他方の横部材
    によって、前記土圧が作用する方向に沿う鉤状部の変位
    を阻止することを特徴とする補強体の連結構造。
JP28873497A 1997-10-21 1997-10-21 補強体の連結構造 Pending JPH11124856A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015036502A (ja) * 2013-08-15 2015-02-23 旭化成ジオテック株式会社 分割された盛土構築用壁面材ユニット

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015036502A (ja) * 2013-08-15 2015-02-23 旭化成ジオテック株式会社 分割された盛土構築用壁面材ユニット

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