JP7284617B2 - 基礎構造 - Google Patents
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Description
この点、特許文献1には、梁幅方向で間隔を空けて並ぶ一対(複数の一例)の縦壁部と、一対の縦壁部の下端側部位どうしに亘る底版部とを有し、上方側が開放された設備配管用のピットが梁幅方向の中間部位に区画形成されている断面U字状のピット一体型基礎梁を用いた基礎構造が開示されている。地盤中で基礎梁の上に別途のピット構造物を設置する必要がなく、設備配管用のピットを構成しながらも、地盤中の比較的浅い位置に基礎梁を設置することができる。この基礎構造では、平面視において、設備配管用のピットを有しない断面長方形状の一対の基礎梁(基礎の大梁)の間に複数本のピット一体型基礎梁が平面視で平行に配置されている。
そのため、ピットを通じた設備配管ルートの設定自由度が低く、上述した展示場等の建物に適用するのは困難である。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、設備配管ルートの設定自由度の高い設備配管用ピットを構成できながら、地盤中の比較的浅い位置に基礎梁を設置できる合理的な基礎構造を提供する点にある。
複数本の前記ピット一体型基礎梁が、平面視で略格子状に交差する状態に並べて配置され、それらピット一体型基礎梁どうしの間に床スラブが構築され、
前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部の下方の地盤に支持杭又は独立基礎が配置され、ピット一体型基礎梁は、前記床スラブの荷重を支持杭又は独立基礎に伝達するように構成され、
前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部では、前記ピット一体型基礎梁の前記ピットが前記交差部を縦断して梁長方向に連続する状態で、交差する複数本の前記ピット一体型基礎梁が接合されている点にある。
そして、そのピット一体型基礎梁が平面視で交差する状態に並べて配置され、その交差部では、ピット一体型基礎梁のピットが交差部を縦断して梁長方向に連続するので、設備配管ルートの設定自由度の高い設備配管用ピットを構成することができる。
ちなみに、1本のピット一体型基礎梁のピットが交差部を縦断して梁長方向に連続させれば、交差部どうしの間隔に制限されずに梁長方向に沿って設備配管ルートを設定することができ、複数本のピット一体型基礎梁のピットが交差部を縦断して梁長方向に連続させれば、平面視で交差する複数の方向に沿って設備配管ルートを設定することができる。
よって、設備配管ルートの設定自由度の高い設備配管用ピットを構成できながら、地盤中の比較的浅い位置に基礎梁を設置できる合理的な基礎構造を提供することができる。
前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部以外の部位では、前記複数の縦壁部に前記梁鉄筋が配筋されて、前記複数の縦壁部が前記複数の梁構造部として備えられている点にある。
しかも、ピット一体型基礎梁どうしの交差部以外の部位では、複数の縦壁部が複数の梁構造部として備えられているので、上方側が開放された設備配管用のピットを有するピット一体型基礎梁の断面形状を活用して複数の梁構造部を効率的に構成することができる。
複数本の前記ピット一体型基礎梁が、平面視で交差する状態に並べて配置され、
前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部では、前記ピット一体型基礎梁の前記ピットが前記交差部を縦断して梁長方向に連続する状態で、交差する複数本の前記ピット一体型基礎梁が接合され、
前記ピット一体型基礎梁には、主筋及びあばら筋を有する梁鉄筋が配筋されて梁長方向に連続する複数の梁構造部が備えられ、
前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部以外の部位では、前記複数の縦壁部に前記梁鉄筋が配筋されて、前記複数の縦壁部が前記複数の梁構造部として備えられ、
前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部では、前記ピット一体型基礎梁の前記底版部の厚みが拡大され、その厚みが拡大された前記底版部における梁幅方向で間隔を空けた複数の部位に前記梁鉄筋が配筋されて、その梁鉄筋が配筋された複数の潜り梁状の部位が前記複数の梁構造部として備えられている点にある。
そして、そのピット一体型基礎梁が平面視で交差する状態に並べて配置され、その交差部では、ピット一体型基礎梁のピットが交差部を縦断して梁長方向に連続するので、設備配管ルートの設定自由度の高い設備配管用ピットを構成することができる。
ちなみに、1本のピット一体型基礎梁のピットが交差部を縦断して梁長方向に連続させれば、交差部どうしの間隔に制限されずに梁長方向に沿って設備配管ルートを設定することができ、複数本のピット一体型基礎梁のピットが交差部を縦断して梁長方向に連続させれば、平面視で交差する複数の方向に沿って設備配管ルートを設定することができる。
よって、設備配管ルートの設定自由度の高い設備配管用ピットを構成できながら、地盤中の比較的浅い位置に基礎梁を設置できる合理的な基礎構造を提供することができる。
また、本構成によれば、ピット一体型基礎梁には、梁鉄筋が配筋されて梁長方向に連続する複数の梁構造部が備えられているので、その梁長方向に連続する複数の梁構造部によって曲げモーメント等の応力を伝達することができ、基礎の大梁として、長期荷重だけでなく地震力等の短期荷重を適切に負担することができる。
しかも、ピット一体型基礎梁どうしの交差部以外の部位では、複数の縦壁部が複数の梁構造部として備えられているので、上方側が開放された設備配管用のピットを有するピット一体型基礎梁の断面形状を活用して複数の梁構造部を効率的に構成することができる。
更に、本構成によれば、ピット一体型基礎梁どうしの交差部では、厚みが拡大された底版部における梁幅方向で間隔を空けた複数の潜り梁状の部位が複数の梁構造部として備えられているので、複数の梁構造部を、ピット一体型基礎梁どうしの交差部で分断することなく連続させることができ、地震力等の短期荷重を一層適切に負担することができる。
この基礎構造は、例えば、図1に示すように、1階の床1に設備配管用のピット2が略格子状に配置される展示場等の建物に好適に用いることができる。
この基礎構造は、図2、図3に示すように、上方側にピット2を有する鉄筋コンクリート造の複数のピット一体型基礎梁Bを平面視で略格子状(交差する状態の一例)に並べて構成されている。そして、図3に示すように、ピット一体型基礎梁Bどうしの間に鉄筋コンクリート造の床スラブ3が構築され、それらの上に展示物の据え付けや転倒防止のためのアンカーの設置等に利用される嵩上げコンクリート層4等が適宜に構築される。なお、本実施形態では、ピット一体型基礎梁Bどうしの交差部5の下方の地盤やピット一体型基礎梁Bの梁長方向の途中部位の下方の地盤等の適所に支持杭6が略等間隔で建て込まれており、ピット一体型基礎梁Bは、床スラブ3等の荷重を支持杭6に伝達するように構成されている。
そして、この基礎構造では、図2、図6に示すように、ピット一体型基礎梁Bどうしの交差部5では、一本又は二本(複数本の一例)のピット一体型基礎梁Bのピット2が交差部5を縦断して梁長方向(長手方向)に連続する状態で、交差する複数本のピット一体型基礎梁Bが接合されている。そのため、交差部5どうしの間隔に制限されずに設備配管ルートの長さを設定したり、平面視で交差する複数の方向に沿って設備配管ルートを設定したりする等、設備配管ルートの設定自由度の高い設備配管用のピット2を構成することができる。
以下、ピット一体型基礎梁B、及び、ピット一体型基礎梁Bの交差部5について順に説明する。
図3は、ピット一体型基礎梁Bの梁長方向中間部で支持杭6の上方に位置しない部位の断面構造を示している。同図3に示すように、ピット一体型基礎梁Bは、梁幅方向(図中の左右方向)で間隔を空けて並ぶ一対(複数の一例)の縦壁部11と、一対の縦壁部11の下端側部位どうしに亘る底版部12とを有し、上方側が開放された設備配管用のピット2が梁幅方向の中間部位に区画形成されている。縦壁部11、底版部12、ピット2は、梁長方向に連続している。また、ピット一体型基礎梁Bには、横姿勢の主筋13a及びあばら筋13bを有する横姿勢の梁鉄筋13Aが配筋されて梁長方向に連続する一対(複数の一例)の梁構造部13が備えられている。
図2に示すように、ピット一体型基礎梁Bどうしの交差部5では、少なくとも一本のピット一体型基礎梁Bのピット2が交差部5を縦断して梁長方向に連続する状態で、交差する二本のピット一体型基礎梁Bが接合されている。
図2中の4つの交差部5おいて、左上と右下の二つの交差部5は、図中で一本のピット一体型基礎梁Bのピット2(図中、左右方向に延びる一本)が交差部5を縦断して梁長方向に連続する構造を例示しており、左下と右上の二つの交差部5は、交差する二本のピット一体型基礎梁Bのピット2(図中、左右方向と上下方向に延びる二本)が交差部5を縦断して梁長方向に連続する構造を例示している。
そのため、各接合部位15を介して、ピット一体型基礎梁B,B´の梁構造部13,13´を梁長方向に段違い状に連続させる形態で、ピット一体型基礎梁B,B´の梁構造部13,13´を曲げモーメント等の応力を伝達可能に適切に接続することができ、ピット一体型基礎梁B,B´にて、長期荷重だけでなく、地震力等の短期荷重を適切に負担することができる。
また、各接合部位15において、ピット一体型基礎梁B,B´の平面視における各幅寸法Wは、縦壁部11,11´の高さ寸法(梁せい)H1と略同等に構成されており、本実施形態では、ピット一体型基礎梁B,B´の平面視における各幅寸法Wが、縦壁部11,11´の高さ寸法(梁せい)H1よりも若干小さく構成されている。
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
5 交差部
11,11´ 縦壁部
11C,11C´ 縦壁部非形成領域
12,12´ 底版部
12D,12D´ 潜り梁状の部位
13,13´ 梁構造部
13A,13A´ 梁鉄筋
13a 主筋
13b あばら筋
B,B´ ピット一体型基礎梁
Claims (4)
- 梁幅方向で間隔を空けて並ぶ複数の縦壁部と、前記複数の縦壁部の下端側部位どうしに亘る底版部とを有し、上方側が開放された設備配管用のピットが梁幅方向の中間部位に区画形成されているピット一体型基礎梁を用いた基礎構造であって、
複数本の前記ピット一体型基礎梁が、平面視で略格子状に交差する状態に並べて配置され、それらピット一体型基礎梁どうしの間に床スラブが構築され、
前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部の下方の地盤に支持杭又は独立基礎が配置され、ピット一体型基礎梁は、前記床スラブの荷重を支持杭又は独立基礎に伝達するように構成され、
前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部では、前記ピット一体型基礎梁の前記ピットが前記交差部を縦断して梁長方向に連続する状態で、交差する複数本の前記ピット一体型基礎梁が接合されている基礎構造。 - 前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部では、前記複数の縦壁部を有しない複数の縦壁部非形成領域が前記ピット一体型基礎梁に形成されている請求項1記載の基礎構造。
- 前記ピット一体型基礎梁には、主筋及びあばら筋を有する梁鉄筋が配筋されて梁長方向に連続する複数の梁構造部が備えられ、
前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部以外の部位では、前記複数の縦壁部に前記梁鉄筋が配筋されて、前記複数の縦壁部が前記複数の梁構造部として備えられている請求項1又は2記載の基礎構造。 - 梁幅方向で間隔を空けて並ぶ複数の縦壁部と、前記複数の縦壁部の下端側部位どうしに亘る底版部とを有し、上方側が開放された設備配管用のピットが梁幅方向の中間部位に区画形成されているピット一体型基礎梁を用いた基礎構造であって、
複数本の前記ピット一体型基礎梁が、平面視で交差する状態に並べて配置され、
前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部では、前記ピット一体型基礎梁の前記ピットが前記交差部を縦断して梁長方向に連続する状態で、交差する複数本の前記ピット一体型基礎梁が接合され、
前記ピット一体型基礎梁には、主筋及びあばら筋を有する梁鉄筋が配筋されて梁長方向に連続する複数の梁構造部が備えられ、
前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部以外の部位では、前記複数の縦壁部に前記梁鉄筋が配筋されて、前記複数の縦壁部が前記複数の梁構造部として備えられ、
前記ピット一体型基礎梁どうしの交差部では、前記ピット一体型基礎梁の前記底版部の厚みが拡大され、その厚みが拡大された前記底版部における梁幅方向で間隔を空けた複数の部位に前記梁鉄筋が配筋されて、その梁鉄筋が配筋された複数の潜り梁状の部位が前記複数の梁構造部として備えられている基礎構造。
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