JPH11124754A - 織 物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジャケットその他の衣服を始め，種々の布地
に使用される織物で，生地を軽量に構成するとともに，
かつ弾力性，柔軟性，通気性および保温性等を保持さ
せ，さらには立体感を具備させることにより，種々の用
途に適用可能としたものである。 【解決手段】 織物において，生地に一方向の凸条を構
成するように糸を織り込み，さらに，該凸条の内部に，
シニール糸を芯糸として，該凸条に沿って織り込むとと
もに，該凸条と直交方向に横糸を織り込んで畝織りとし
たこと，また，上記の構成において，生地を構成する糸
およびシニール糸からなる芯糸がシルク糸であること，
あるいは，芯糸が，複数本であること，さらには，凸条
が上下方向に突出する畝織りとしたこと，生地を構成す
る糸が，例えば，ウール等々シルク以外の繊維であるこ
と等の要件を具備することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は，ジャケットその他
の衣服を始め，種々の布地に使用される織物で，生地を
軽量に構成するとともに，かつ弾力性，柔軟性，通気性
および保温性を保持させ，さらには立体感を具備させる
ことにより，種々の用途に適用可能としたものである。

【０００２】

【従来の技術】近年，織物においては，種々の考案がな
されている。例えば，シルク糸は光沢があるため，冬物
には向かないとされていた。そこでシルク糸の光沢をな
くしたものが開発され，衣服の生地のみならず，屋内の
インテリア用としても使用されている。また，最近で
は，高級車のシートにも使用されつつある。

【０００３】また，従来から「ベッドフォードコード」
と呼ばれている，縦方向に盛り上がった畝が連続して現
れている織物がある。この織物には，芯のないものと，
畝を膨らませるために，芯を織り込むものとがある。し
かしながらこの場合，畝を充分に膨らませるためには，
芯を太くしなければならない。ところが芯を太くすると
重くなってしまうのみならず，固くなる傾向があり，衣
類には使用できないという問題点がある。

【０００４】このように，織物の用途の拡大を図るため
に，生地について種々の改良が考えられている。本発明
者も，細糸と太糸とを組み合わせたシルク布地を開発
し，光沢，触感等，シルク布地とは異なる感触を得られ
るようにして，布地の用途の拡大を図り，大いに効果を
あげている。さらに，シルク以外の生地についても，衣
服用のみならず，他の用途への適用も種々検討してい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は，上記のよう
な課題の解決策の一環として，生地を軽量に構成すると
ともに，かつ弾力性，柔軟性，通気性および保温性を保
持させ，さらには立体感を具備させることにより，種々
の用途に適用可能とした織物を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】すなわち本発明は，織物
において，生地に一方向の凸条を構成するように糸を織
り込み，さらに，該凸条の内部に，凸条に沿ってシニー
ル糸を芯糸として織り込むとともに，該凸条と直交方向
に横糸を織り込んで畝織りとしたこと，また，上記の構
成において，生地を構成する糸およびシニール糸からな
る芯糸がシルク糸であること。あるいは，上記の構成に
おいて，芯糸が，複数本であること，さらには，凸条が
上下方向に交互に膨出する畝織りとしたこと，生地を構
成する糸が，例えば，ウール等々シルク以外の繊維であ
ること等の要件を具備することを特徴とするものであ
る。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下，添付図面により本発明につ
いて説明する。図１は本発明の要部を示す拡大縦断側面
図で，図２におけるＡ−Ａ線部分を示すものである。図
２は本発明の平面図，図３は側面図，図４は本発明にお
いて，凸条を交互に上下方向に膨出させた実例を示す拡
大縦断側面図，図５は本発明において，芯糸を２本織り
込んだ実例を示す拡大縦断側面図，図６は本発明におい
て，芯糸を３本織り込んだ実例を示す側面図である。

【０００８】図１乃至図６において，１は生地，２は該
生地１の表面に一方向に織りだした凸条，３は該凸条２
を構成する糸である。また４はシニール糸からなる芯糸
で，前記凸条２内に同方向に織り込んである。５はシニ
ール糸からなる芯糸４から張り出した繊維，６は前記凸
条２の下部を構成する糸，７は凸条２と連続する凹部，
８は上記の凸条２およびその下部を構成する糸３，糸６
に直交する方向に織り込んだ横糸で，生地１に凸条２に
よる山と凹部７による谷を形成させて，畝織りとする。

【０００９】

【実施例】図１乃至図３は，本発明の一実施例を示すも
ので，図１から明らかなように，例えば，シルク等から
なる多数の糸３，６および，該糸と直交する方向の横糸
８で，凸条２および凹部７を織り出して畝織りとし，そ
の際，該凸条２の内部にシニール糸からなる芯糸４を織
り込んで生地１を構成したものである。

【００１０】本実施例は，上記のように構成しているの
で，生地１の凸条２の部分は，シニール糸からなる芯糸
４から張り出した繊維５により十分に膨出し，立体感を
現出することができる。また，凸条２の内部は，前記の
ように，シニール糸で形成した芯糸４から張り出した繊
維５により空隙が構成されるので，該空隙に空気が含有
され，従って，通気性および保温性が良好であるのみな
らず，弾力性および柔軟性を有し，しかも全体を軽く構
成することが可能となる。

【００１１】また，図４に示すものは，上記実施例とは
異なる実施例で，凸条２を交互に上下方向に膨出させ，
生地の断面を波形に構成した場合を示すものである。

【００１２】図５に示すものは，さらに別の実施例を示
すもので，凸条２の幅を長く構成するために，芯糸４を
凸条２内に２本織り込んだ場合を示すものである。

【００１３】また，図６に示す実施例は，芯糸４を凸条
２内に３本織り込んだ場合を示すものである。

【００１４】このように，芯糸４は，凸条２の幅に対応
して，適宜の数を織り込むことができる。

【００１５】本発明において，凸条２の方向は，縦横の
任意の方向に形成することができることは勿論である。

【００１６】本発明の生地の原材料としては，シルク，
ウールその他，用途に応じて適宜な材料を使用すること
ができる。

【００１７】本発明は，上記のように構成した結果，通
気性および保温性に富み，しかも弾力性および柔軟性を
有するので，衣服のみならず，例えば，自動車のシート
の上張り，あるいは椅子の背もたれカバー等にも適用す
ることができる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように，本発明は，凸条の
内部に設けたシニール糸からなる芯糸から張出した繊維
により，各繊維間に空気を含有させることができるの
で，生地を軽量に構成することができ，しかも弾力性，
柔軟性，通気性及び保温性等を保持させ，さらには立体
感を具備させることが可能であり，従って，衣類のみな
らず，自動車のノート，椅子の背もたれカバー，特に介
護用の椅子用等々，種々の用途に適用することが可能で
あり，織物の用途の拡大に資することがすこぶる大であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の要部を示す拡大縦断側面図。

【図２】本発明の実例を示す平面図。

【図３】本発明の実例を示す側面図。

【図４】本発明において，凸条を交互に上下方向に設け
た実例を示す拡大縦断側面図。

【図５】本発明において，芯糸を２本織り込んだ実例を
示す拡大縦断側面図。

【図６】本発明において，芯糸を３本織り込んだ実例を
示す側面図である。

【符号の説明】

１ 生地 ２ 凸条 ３ 糸 ４ 芯糸 ５ 繊維 ６ 糸 ７ 凹部 ８ 横糸

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 生地に，一方向の凸条を構成するように
   糸を織り込み，さらに該凸条の内部に，凸条に沿ってシ
   ニール糸を芯糸として織り込むとともに，該凸条と直交
   方向に横糸を織り込んで畝織りとしたことを特徴とする
   織物。
2. 【請求項２】 生地を構成する糸およびシニール糸から
   なる芯糸がシルク糸であることを特徴とする請求項１記
   載の織物。
3. 【請求項３】 芯糸が，複数本のシニール糸からなるこ
   とを特徴とする請求項１または請求項２記載の織物。
4. 【請求項４】 凸条が上下方向に交互に膨出する畝織り
   としたことを特徴とする請求項１記載乃至請求項３記載
   の織物。
5. 【請求項５】 生地を構成する糸が，シルク以外の繊維
   であることを特徴とする請求項１乃至請求項４記載の織
   物。