JPS6040608Y2 - サテン縞柄模様を有するシフオン調織物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は斬新な風合を具えたサテン縞柄模様を有する合
成繊維フィラメントからなるシフオン調織物に関する。

経緯に綿糸を用い平織組織に織成したシフオン織物は従
来より周知であり、広く実用に供されているが、その変
化を求め、変化組織による種々の模様が取り入れられ、
サテン組織により経方向に編柄模様などが形成されてい
る。

しかし、従来の編柄模様を有するこの種、シフオン織物
は通常、１重ビームで織成される関係上、平織組織地を
織成する経糸と同様の強撚糸が使用され、従って織成後
において、強撚糸の縮みにより全体にしぼの如く小さな
凹凸が発生し、外観、風合の悪化を招くことを避けるこ
とができなかった。

本考案はかかるシフオン織物の模様形成における風合の
劣下を招来することなく、斬新な風合を具えたサテン縞
柄模様を有するシフオン調織物を提供すべく案出された
ものであり、サテン組織による編柄部分の経糸として強
撚糸でなく、平織部分の強撚糸の収縮に見合う収縮性能
をもつ高収縮糸を使用したことを特徴とするものである
。

しかも、かかる高収縮糸の使用によって２重ビームを使
用し、従来、実用上、不可能視されていた無撚糸の使用
を可能ならしめ風合の外、生産性をも合理的ならしめ得
ることは他の副次的な特徴といえる。

以下、更に本考案の具体的内容を添付図面を参照しつつ
順次説明する。

第１図は本考案織物の組織の１例を示すものであり、経
緯両方向に連続する組織の一部を図示している。

図において、１は平織組織、２は平織組織の間に介在し
て形成され織物面に経方向に延びる錨柄模様を現出する
サテン組織部分で、平織部分１の経糸及び緯糸、なお緯
糸はサテン組織部分においても緯糸として織威されるが
、これらは従来同様、ポリエステルフィラメント糸、ナ
イロンフィラメント糸等の合成繊維フィラメントの強撚
糸であり、撚数は通常、２８００〜３００Ｈ／米程度で
ある。

しかし勿論、この撚数は本考案における強撚糸を制約す
るものではない。

一方、サテン組織部分２は一例として経糸を表面に浮か
した５枚朱子組織が図示されているが、この部分２にお
いて経糸には前記強撚糸とは異なる合成繊維フィラメン
トの高収縮糸が使用される。

合成繊維フィラメント高収縮糸は製造時、延伸条件等を
配慮することによって所要の潜在収縮性が与えられたも
のであって、撚りを有する加熱糸が普通、一般的に使用
される。

そして、これら高収縮糸は好ましい態様として前記合成
繊維フィラメント強撚糸のもつ収縮程度に適合した収縮
率が選定され、しぼの発生を阻止するが、通常、使用に
好適な収縮率は１２〜１８％、殊に１５〜１６％程度で
ある。

第２図は本考案織物地の他の実施態様であり、前記第１
図の場合が１重ビームで織威されるのに対し２重ビーム
で織威し得る組織図を示す。

この場合には平織部分１の間に介在されるサテン組織部
分２はサテン組織の間に、更に平織部分１を織成する経
糸と同様な合成繊維フィラメント強撚糸３が混入され、
変化組織となっている。

そしてここでは合成繊維フィラメント強撚糸と高収縮糸
とは２重ビームによって送り出され、組織される。

従って高収縮糸には加熱状態のみならず、無撚のものも
容易に使用し得るし、編柄の繰り返し単位を大柄とする
こともできる。

又、サテン組織に挿入される強撚糸は必らずしも、図示
例の如く規則的な混入でなく、２本並列状態を組み合わ
せるようにするなど適宜、改変するようにしてもよい。

本考案は以上の如く、シフオン織物地に該織物の基本使
用糸である合成繊維フィラメント強撚糸の収縮に見合う
収縮率を有する合成繊維フィラメント高収縮糸を併用し
、これによりサテン組織の錨柄模様を現出することによ
って錨柄模様が、従来のシフオン織物の強撚糸による編
柄の如き、小さな凹凸を生じて恰も全体がしぼ織物の如
き外観を呈するのと異なるつやのある截然とした錨柄模
様を顕現して全く斬新な風合の雅趣に富むシフオン織物
を提供すると共に、異質の経糸使用により２重ビーム方
式を可能とすることによって加熱収縮糸より無撚収縮糸
に至る幅広い経糸使用の途を拡げ編柄の繰り返し単位幅
をも大きくし得る等の種々の実効を発輝する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は何れも本考案に係るシフオン調織物
の組織例を示す図である。 １・・・・・・平織組織部分、２・・・・・・サテン組
織模様部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 合成繊維フィラメント強撚糸を経緯に用いて織成し
   た平織組織に経方向にサテン組織による編柄模様を形成
   してなるシフオン調織物において、前記サテン組織の経
   糸として前記合成繊維フィラメント強撚糸の織成後にお
   ける収縮度合に適合した合成繊維フイテメント高収縮糸
   を用いたことを特徴とするサテン縞柄模様を有するシフ
   オン調織物。 ２ 合成繊維フィラメントがポリエステルフィラメン
   ト糸である実用新案登録請求の範囲第１項記載のサテン
   縞柄模様を有するシフオン調織物。 ３ 合成繊維フィラメントからなる強撚糸が２８００〜
   ３０００回／米の撚数を有する強撚糸であり、一方、合
   成繊維フィラメント高収縮糸が無撚又は１０００〜１２
   ０□□□／米程度の撚数を有し、１２〜１８％程度の潜
   在収縮性を有する収縮糸である。 実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載のサテン
   縞柄模様を有するシフオン調織物。