JPH11124513A - フィラー材料及びその製造方法 - Google Patents

フィラー材料及びその製造方法

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JPH11124513A
JPH11124513A JP29019097A JP29019097A JPH11124513A JP H11124513 A JPH11124513 A JP H11124513A JP 29019097 A JP29019097 A JP 29019097A JP 29019097 A JP29019097 A JP 29019097A JP H11124513 A JPH11124513 A JP H11124513A
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clay mineral
acid
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calcium silicate
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Akira Mikuni
彰 三国
Kiyoji Miyoshi
潔治 三好
Masahiro Maeno
昌弘 前野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無機質天然資源、特に粘土鉱物を原材料として
用い、安価で高い補強性を有するフィラー材料を提供す
る。 【解決手段】低結晶性又は結晶性のケイ酸カルシウムと
スメクタイト族粘土鉱物との複合体よりなることを特徴
とするフィラー材料。結晶性のケイ酸カルシウムがトバ
モライトであり、かつスメクタイト族粘土鉱物が酸性白
土由来のモンモリロナイトであることが好ましい。フィ
ラー表面の少なくとも一部が多孔質二酸化珪素で被覆さ
れてなるものも好適である。本発明のフィラー材料はゴ
ム補強用として好適である。製造は、スメクタイト族粘
土鉱物の懸濁水にカルシウムイオン含有液を添加混合
し、加熱処理することにより実施できる。例えば、酸性
白土の懸濁水に、酸性白土100重量部に対してカルシ
ウムイオン含有液をCaO換算として43〜83重量部
を添加混合して、2〜8時間80〜95℃で撹拌するこ
とにより低結晶性のケイ酸カルシウムとスメクタイト族
粘土鉱物の複合体よりなるフィラー材料を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機質天然資源、特
に粘土鉱物を有効に利用して、安価で高い補強性を有す
るフィラー材料を提供する技術に関し、例えばゴム用の
補強性白色フィラー材料として好適なフィラー材料及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
合成樹脂製品や無機質製品の補強、特性改善、着色等の
目的から、それら製品に粉末状、粒子状、細片状、薄片
状あるいは繊維状等の各種フィラー材料(充填材料)を
混合・充填することが行われている。例えば、車輌用タ
イヤ等への補強性ゴムフィラー材料としては主にカーボ
ンブラックが使用されている。このカーボンブラックは
比較的安価であり、粒子が極めて細かいほかに、活性の
要因となる粒子表面の官能基として−OH,=O,−C
OOH等が確認され、補強性に優れているため自動車用
タイヤ等の補強性フィラーとして多量に使用されてい
る。しかしながら、それはカーボンブラツクは黒色であ
るため、環境保護の立場から自動車タイヤ以外の用途で
は制限されている。また、カーボンブラックを使用した
タイヤはリサイクル時に燃焼する際に多量のCO等を
発生するため、大型タイヤ等においてホワイトカーボン
フィラーへの少しずつ置換することが推し進められてい
る。
【0003】一方、白色補強性フィラー材料の素材とし
ては無水及び含水のシリカ及び微粉ケイ酸塩(ケイ酸ア
ルミニウム、ケイ酸カルシウム等)があり、その補強性
は、カーボンブラックにほぼ匹敵するとされていて、ホ
ワイトカーボンとも呼ばれている。微粉シリカのゴムの
補強作用は、シリカ表面のシラノール基とゴムとの水素
結合が関与しているものと考えられており、それらの官
能基数は製造方法により大きく異なっている。しかしな
がら、補強性を得るためのホワイトカーボンは原料コス
ト及び製造コストがかかるため、ゴム用フィラー材料等
に多量に使用されるに至っていない。
【0004】その他の白色系フィラー材料としては、カ
オリン等の天然資源を微粉砕してフィラー材料として使
用しているが、補強性を有するハードクレーは国内には
ほとんど産出せず、ほとんど米国産ジョージアカオリン
が使用されているにすぎない。また粉砕による微粉砕化
には限度がある。多くの原料粉を補強性フィラー材料と
して使用するためには数μm〜サブμmの粒子とするこ
とが必要であるが、実質、現存の粉砕機ではそのような
サイズに微粒子化することは不可能である。
【0005】フィラー材料としての炭酸カルシウム等の
カルシウム系化合物においても、粉砕による重質タンカ
ルでは微粉砕が困難であるため、消石灰スラリーに炭酸
ガスを吹き込むことにより得られる軽質タンカルがフィ
ラー材料として用いられているが、表面が不活性である
ため単なる充填材としかならない。これらはカーボンブ
ラックやホワイトカーボンと比較して、ゴム分子に対す
る化学的あるいは物理的活性が乏しいことが欠点として
あげられる。したがってこれらは微粒子の炭酸カルシウ
ムに有機物で表面処理を行ったものをフィラー材料とし
ているが、これらは加工性に重点をおいたもので補強性
への寄与は極めて少ない。
【0006】上記のように補強性を有するフィラー材料
に必要とされる粉体の特性は、微粒子であり、なおかつ
表面活性を有することであるが、これらの粉体を無機質
天然資源から得る場合、粉砕により粒子を小さくするか
微細な粒子のみを水簸操作により得ることが必要であ
る。しかしながら天然無機質資源の粉砕品はせいぜい平
均粒子径は数10μmであり、とてもそれ以下の微粒子
は得られない。また無機質天然資源の粘土等から水簸に
より微粒子を得る操作ではわずかな収率でしか微粒子が
得られず、原料の大半を廃棄することになり、製造コス
トも多額にかかるためこのような手法はフィラー材料製
造へは利用されていない。よって、無機質天然資源の中
でホワイトカーボンに匹敵する白色系フィラー材料は現
在存在しない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記のよう
な背景を鑑み、無機質天然資源の有効利用について多角
的研究をすすめた結果、本発明を完成するに至ったもの
であり、本発明は無機質天然資源、特に粘土鉱物の特性
を有効に活用することにより、従来にない安価で高い補
強性を有するフィラー材料、特に好ましくは白色系フィ
ラー材料を提供するもので、ホワイトカーボン並みの補
強性を有する補強性フィラー材料を無機質天然資源、特
に粘土鉱物から製造するものである。
【0008】すなわち本発明の構成は、以下のとおりの
フィラー材料及びその製造方法である。 (1)低結晶性又は結晶性のケイ酸カルシウムとスメク
タイト族粘土鉱物との複合体よりなることを特徴とする
フィラー材料。 (2)結晶性のケイ酸カルシウムがトバモライトである
ことを特徴とする(1)項記載のフィラー材料。 (3)スメクタイト族粘土鉱物がモンモリロナイトであ
ることを特徴とする(1)項又は(2)項に記載のフィ
ラー材料。 (4)スメクタイト族粘土鉱物が酸性白土由来のもので
あることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1
項に記載のフィラー材料。 (5)フィラー材料がゴム補強用のものであることを特
徴とする(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載のフ
ィラー材料。 (6)フィラー表面の少なくとも一部が多孔質二酸化珪
素で被覆されてなることを特徴とする(1)項〜(5)
項のいずれか1項に記載のフィラー材料。 (7)フィラー材料が、有機化合物表面処理剤で表面処
理されてなることを特徴とする(1)項〜(6)項のい
ずれか1項に記載のフィラー材料。
【0009】(8)スメクタイト族粘土鉱物の懸濁水に
カルシウムイオン含有液を添加混合し、加熱処理するこ
とにより低結晶性又は結晶性のケイ酸カルシウムとスメ
クタイト族粘土鉱物との複合体よりなるフィラー材料を
製造することを特徴とするフィラー材料の製造方法。 (9)酸性白土の懸濁水にカルシウムイオン含有液を添
加混合し、加熱処理することにより低結晶性又は結晶性
のケイ酸カルシウムとスメクタイト族粘土鉱物との複合
体よりなるフィラー材料を製造することを特徴とするフ
ィラー材料の製造方法。 (10)酸性白土の懸濁水に、酸性白土100重量部に
対してカルシウムイオン含有液をCaO換算として43
〜100重量部を添加混合して、2〜8時間80〜95
℃で撹拌することにより低結晶性のケイ酸カルシウムと
スメクタイト族粘土鉱物の複合体よりなるフィラー材料
を製造することを特徴とするフィラー材料の製造方法。 (11)酸性白土の懸濁水に、酸性白土100重量部に
対してカルシウムイオン含有液をCaO換算として43
〜100重量部を添加混合して、2〜8時間80〜95
℃で撹拌し、その後オートクレーブ処理することにより
結晶性のケイ酸カルシウムとスメクタイト族粘土鉱物の
複合体よりなるフィラー材料を製造することを特徴とす
るフィラー材料の製造方法。 (12)酸性白土の懸濁水に、酸性白土100重量部に
対してカルシウムイオン含有液をCaO換算として43
〜100重量部を添加混合して、2〜8時間80〜95
℃で撹拌し、その後オートクレーブ処理して得られるス
ラリー状物を濾過、水洗し、乾燥して結晶性のケイ酸カ
ルシウムとスメクタイト族粘土鉱物の複合体よりなるフ
ィラー材料を製造することを特徴とするフィラー材料の
製造方法。 (13)得られるフィラー材料がゴム補強用のものであ
ることを特徴とする(8)項〜(12)項のいずれか1
項に記載のフィラー材料の製造方法。 (14)前記(8)項〜(13)項のいずれか1項に記
載の方法により得られた結晶性のケイ酸カルシウムとス
メクタイト族粘土鉱物の複合体に、酸を加えて結晶性ケ
イ酸カルシウムを部分中和することにより多孔質二酸化
珪素となすことを特徴とするフィラー材料の製造方法。 (15)酸が、低濃度の強酸であることを特徴とする
(14)項記載のフィラー材料の製造方法。 (16)前記(8)項〜(15)項のいずれか1項に記
載の方法におけるカルシウムイオン含有液の添加混合物
に、同時にケイ酸ナトリウム水溶液を添加することを特
徴とするフィラー材料の製造方法。 (17)前記(8)項〜(16)項のいずれか1項に記
載の方法で得られたフィラー材料表面を有機化合物によ
り表面処理することを特徴とするフィラー材料の製造方
法。
【0010】
【発明の実施の形態】無機質天然資源のスメクタイト族
粘土鉱物としては、反応活性な非晶質シリカに富む酸性
白土が特に好ましいものである。本発明者らは、この酸
性白土の活性なシリカに着目し、これにカルシウムイオ
ンを反応させることにより、スメクタイト族粘土鉱物−
ケイ酸カルシウム複合体を作製した。酸性白土中の非晶
質シリカにカルシウムイオンを懸濁水中で反応させると
スメクタイト族粘土鉱物表層に低結晶性珪酸カルシウム
又は結晶性珪酸カルシウムが容易に形成される。それら
のケイ酸カルシウムには多くの種類があり、様々な形態
を有する化合物が知られている。これらのうち、ある種
のものは微粒子で比表面積が大きいことが知られてい
る。反応条件の選定により種々のケイ酸カルシウムとス
メクタイト族粘土鉱物との複合体粒子が得られる。
【0011】酸性白土は、スメクタイト族粘土鉱物が酸
性の自然環境下で変成して生成されたもので、スメクタ
イト族粘土鉱物、特にベントナイト(モンモリロナイト
を含む粘土鉱物)が風化し、酸性化したもので、モンモ
リロナイトとα−クリストバライトを主成分とし、他に
石英、長石等の夾雑物を含むものである。これらの表層
は、カルシウムイオンと反応しやくす容易にケイ酸カル
シウムを生成する。風化の進んでいない白土ではシリカ
化合物は結晶化が進み、水熱反応が長時間となるか、あ
るいは高圧で反応を促進する必要があるため望ましくな
い。特に常圧における処理では長時間を必要とするため
望ましくない。しかし、非晶質ケイ酸の少ない酸性白土
でも強制的に酸処理により同様の原料とすることもでき
る。
【0012】なお、スメクタイト族粘土鉱物の他にもシ
リカを含有する他の粘土鉱物、例えばカオリン族粘土鉱
物のうちのハロイサイト等を用いても同様に粘土鉱物ー
ケイ酸カルシウムの複合体を合成し得る。
【0013】本発明で使用される原料粘土鉱物のスメク
タイト族粘土鉱物は風化の進行度合により、ナトリウム
系ベントナイト、カルシウム系ベントナイト、B型酸性
白土、A型酸性白土の4種類に大別される。このうち最
も風化の進んだA型酸性白土は日本国内各地の至るとこ
ろに豊富に産出するが利用価値がなく、未利用の状態に
ある。現在吸着剤として使用されている活性白土原料は
新潟県と山形県のごく一部にしか産出されず、鉱量的に
も枯渇化し、問題となっている。本発明者らは国内各地
に未利用のまま豊富に埋存されるA型酸性白土を中心に
研究を続け、風化の進み、粘土鉱物が分解して生成した
非晶質シリカに着眼して、この特性を利用して本発明を
完成したものであり、さらに残存する粘土鉱物の層間の
イオン交換性にも着目してその特性を利用しており、従
来全く存在しない複合体のフィラー材料を提供するもの
であり、かつ二次的酸処理により、更に表面活性を付与
したフィラー材料を提供するものである。
【0014】スメクタイト族粘土鉱物と反応させるカル
シウムイオンに代えて、他のアルカリ土類金属イオン、
例えば、バリウム、マグネシウム等も採用できるが経済
面を考慮すれば安価なカルシウム化合物を用いたカルシ
ウムイオンを採用することが好ましい。
【0015】酸性白土中のシリカ分にカルシウムイオン
を反応させるとケイ酸カルシウムがスメクタイト粘土鉱
物上に容易に生成されるが、その反応は以下に示すごと
きものと考えられる。
【0016】この場合カルシウムイオンの添加量が少な
くても微細なケイ酸カルシウム粒子は得られないし、多
すぎても石灰化合物が余分に残存し、微細な粒子になり
得ない。カルシウムイオンの添加量が少ないとケイ酸カ
ルシウムの生成が不十分であり、シリカ分が残存し、良
好な複合体は微粒子とならない。カルシウムイオンの添
加量が多いと未反応のカルシウム化合物がそのまま残存
し、かつ粒子が成長するためやはり微粒子となりえな
い。本発明で提供される好ましい複合体のフィラー材料
を得るためには、懸濁水中の酸性白土100重量部に対
してカルシウムイオンをCaO換算として30重量部〜
50重量部添加することが望ましい。またこの時の液
(水)/固比は10〜30が好ましい。
【0017】複合体を形成するケイ酸カルシウムには、
出発原料の種類や反応条件の差異により多くの種類のケ
イ酸カルシウム化合物が合成できる。酸性白土60〜7
0重量部と、カルシウムイオン供給源をCaO換算とし
て30〜50重量部との混合懸濁水を90℃前後で加熱
撹拌すると5時間で低結晶性ケイ酸カルシウム(C−S
−H)とスメクタイトとの複合体となる。得られた低結
晶性カルシウムとスメクタイトとの複合体を、更にオー
トクレーブで処理すると結晶性のケイ酸カルシウムとス
メクタイトの複合体となることが明らかとなった。複合
体を各種条件で生成し、物性を評価した結果、低結晶性
ケイ酸カルシウム(C−S−H)−スメクタイトの場
合、が非常に微粒子であり、フィラーへの応用に適して
いることが明らかとなった。
【0018】こうして合成した複合体を構成するケイ酸
カルシウム水和物に、更に酸処理(好ましくは、低濃度
の硫酸、塩酸、硝酸等の強酸による処理)を施すとケイ
酸カルシウム水和物の形態を保持したシリカとなる。こ
の得られたシリカは多孔質のもので非常に比表面積の大
きな構造をしている。こうした酸処理を施すと、集合し
ていた各スメクタイト粒子同士は、完全に遊離・分離す
るとともに粒子表面の構造も活性化される。また酸の種
類によりカルシウム化合物(例えば、硫酸;硫酸カルシ
ウム、炭酸;炭酸カルシウム)が析出するが、これらの
粒子成長を抑制したかたちで酸処理することが望まし
い。酸処理の条件の検討により微細なカルシウム化合物
の合成条件を選定すれば非常に微細かつ表面活性なシリ
カとカルシウム化合物の複合体粒子が得られ、補強性を
有するフィラー材料への利用が可能となる。
【0019】
【実施例】
[実施例1]酸性白土をボールミルで24時間混合粉砕
した後、これに、カルシウム化合物として塩化カルシウ
ムあるいは硝酸カルシウムを、酸性白土100重量部に
対してCaO換算で43重量部添加し、水を加え(液/
固比=20)てスラリーとし、撹拌しながら加熱処理
(90℃)を行った。塩化カルシウムを用いる場合炭酸
ナトリウムを、硝酸カルシウムを用いる場合水酸化ナト
リウムを、各々数%添加した。得られたスラリーを濾
過、水洗し、乾燥したものをフィラー材料とした。X線
回拆結果からクリストバライトやα−石英等のシリカ化
合物のピークは消失し、低結晶性ケイ酸カルシウム(C
−S−H)が生成されていることが確認された。得られ
た低結晶性ケイ酸カルシウムとスメクタイト族粘土鉱物
の複合体よりなるフィラー材料粉末を用いて表1の配合
組成でゴムの混練を行い、補強性ゴムフィラー材料とし
ての特性を評価した。
【0020】
【表1】
【0021】[実施例2]実施例1で得られたスラリー
(100ml)を低濃度の硫酸水溶液(2規定)で酸処
理を行った。酸性白土100重量部に対して、カルシウ
ムイオン:CaO換算で43重量部のカルシウムイオン
で反応させて得られたスラリーを硫酸で処理し、PH値
と比表面積の測定を行った。比表面積が最大となった時
の酸の添加を終了し、スラリーを濾過、水洗、乾燥した
粉体を補強性フィラー材料とした。実施例1と同様のゴ
ム試験を行った。
【0022】[実施例3]実施例1で得られたスラリー
(100ml)に炭酸ガスを吹き込むことにより炭酸化
処理を行った。酸性白土100重量部に対して、カルシ
ウムイオン:CaO換算で43重量部のカルシウムイオ
ンで反応させて得られたスラリーに炭酸ガスを1時間吹
き込んだ後、スラリーを濾過、水洗、乾燥した粉体を補
強性フィラー材料とした。実施例1と同様のゴム試験を
行った。
【0023】[実施例4]実施例1で得られたスラリー
(100ml)を低濃度の塩酸水溶液(2規定)で酸処
理を行った。酸性白土100重量部に対して、カルシウ
ムイオン:CaO換算で43重量部のカルシウムイオン
で反応させて得られたスラリーをを硫酸処理し、PH値
と比表面積の測定を行った。比表面積値が最大となった
時の酸の添加を終了し、スラリーを濾過、水洗、乾燥し
た粉体を補強性フィラー材料とした。実施例1と同様の
ゴム試験を行った。
【0024】[実施例5]実施例1で得られたスラリー
にケイ酸ナトリウム水溶液(JIS3号;10%溶液)
をスラリー中の粉体に対してシリカ分が10重量%とな
るよう添加し、塩酸溶液(2規定)により部分中和し
た。濾過乾燥した粉末を補強性フィラー材料とした。
【0025】[比較例1〜5]白色系ゴム用補強性フィ
ラーとして販売されている代表的なフィラーとして重質
炭酸カルシウム(比較例1)、軽質炭酸カルシウム(比
較例2)、ソフトクレー(比較例3)、脂肪酸表面処理
を行った軽質炭酸カルシウム(比較例4,5)を選定し
た。実施例1と同様のゴム物性の試験を行った。
【0026】以上の実施例1〜5及び比較例1〜5によ
り得られたゴムの物性試験の引っ張強さ結果及び引き裂
強さ結果を表2及び表3に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】本発明では、以上のように、酸性白土にカ
ルシウムイオン(石灰)を反応させ、酸性白土中の反応
性に富んだ非晶質シリカ、さらにαークリストバライ
ト、珪石等の化合物を微細なケイ酸カルシウムにするこ
とにより、微粒子のスメクタイト族粘土鉱物と低結晶性
又は結晶性のケイ酸カルシウムとの複合体粒子を得る。
ホワイトカーボンのように補強性の強いフィラーはゴム
と混練するとカーボンブラックと同じくフィラー表面に
多量のゴムがゲル化付着し補強性が向上することが知ら
れているが、本発明の複合体を酸処理又はシリカコーテ
ィングした複合体粉末においても粒子表面に多量のゴム
がゲル化付着するため補強性が向上する。
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、本発明により提供される
低結晶性又は結晶性のケイ酸カルシウムとスメクタイト
族粘土鉱物との複合体、又はそれを更に酸で部分中和し
たものは、ホワイトカーボンに近い補強性、優れた加工
性を有するフィラー材料であり、その製造コストも安価
であるため経済的に有利である。また、本発明に係るフ
ィラー材料は白色粉末であるため、着色性に優れてお
り、カーボンブラックと比較すると適用する用途分野が
著しく広範囲となる。さらに耐久性等の物性も向上する
ためゴムフィラーとして有用である。そしてまた、本発
明により天然に多量に埋蔵する無機質天然資源の有効利
用に大いに寄与することができる。また従来のゴム用フ
ィラーとして汎用されているカーボンブラックやホワイ
トカーボンは加工性に問題があり、混練時にバックロー
ルに付着し、分散不良となる欠点があったところ、本発
明によるフィラー材料は、このような欠点がなく、作業
性が良好で均一分散し、実用上優れたフィラー材料特性
を持つものである。さらにフィラー材料の補強性につい
ても、本発明フィラー材料充填のゴム製品は引裂抵抗が
優れており、チッピング、カッティング防止が可能とな
り、自動車タイヤ用としても好適である。本発明のフィ
ラー材料は、タイヤ用品のほかに、履物、工業用品(ベ
ルト、ホース、ゴムロール、スポンジ等)にも有利に使
用できるものである。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低結晶性又は結晶性のケイ酸カルシウムと
    スメクタイト族粘土鉱物との複合体よりなることを特徴
    とするフィラー材料。
  2. 【請求項2】結晶性のケイ酸カルシウムがトバモライト
    であることを特徴とする請求項1記載のフィラー材料。
  3. 【請求項3】スメクタイト族粘土鉱物がモンモリロナイ
    トであることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィ
    ラー材料。
  4. 【請求項4】スメクタイト族粘土鉱物が酸性白土由来の
    ものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載のフィラー材料。
  5. 【請求項5】フィラー材料がゴム補強用のものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフ
    ィラー材料。
  6. 【請求項6】フィラー表面の少なくとも一部が多孔質二
    酸化珪素で被覆されてなることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか1項に記載のフィラー材料。
  7. 【請求項7】フィラー材料が、有機化合物表面処理剤で
    表面処理されてなることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載のフィラー材料。
  8. 【請求項8】スメクタイト族粘土鉱物の懸濁水にカルシ
    ウムイオン含有液を添加混合し、加熱処理することによ
    り低結晶性又は結晶性のケイ酸カルシウムとスメクタイ
    ト族粘土鉱物との複合体よりなるフィラー材料を製造す
    ることを特徴とするフィラー材料の製造方法。
  9. 【請求項9】酸性白土の懸濁水にカルシウムイオン含有
    液を添加混合し、加熱処理することにより低結晶性又は
    結晶性のケイ酸カルシウムとスメクタイト族粘土鉱物と
    の複合体よりなるフィラー材料を製造することを特徴と
    するフィラー材料の製造方法。
  10. 【請求項10】酸性白土の懸濁水に、酸性白土100重
    量部に対してカルシウムイオン含有液をCaO換算とし
    て43〜100重量部を添加混合して、2〜8時間80
    〜95℃で撹拌することにより低結晶性のケイ酸カルシ
    ウムとスメクタイト族粘土鉱物の複合体よりなるフィラ
    ー材料を製造することを特徴とするフィラー材料の製造
    方法。
  11. 【請求項11】酸性白土の懸濁水に、酸性白土100重
    量部に対してカルシウムイオン含有液をCaO換算とし
    て43〜100重量部を添加混合して、2〜8時間80
    〜95℃で撹拌し、その後オートクレーブ処理すること
    により結晶性のケイ酸カルシウムとスメクタイト族粘土
    鉱物の複合体よりなるフィラー材料を製造することを特
    徴とするフィラー材料の製造方法。
  12. 【請求項12】酸性白土の懸濁水に、酸性白土100重
    量部に対してカルシウムイオン含有液をCaO換算とし
    て43〜100重量部を添加混合して、2〜8時間80
    〜95℃で撹拌し、その後オートクレーブ処理して得ら
    れるスラリー状物を濾過、水洗し、乾燥して結晶性のケ
    イ酸カルシウムとスメクタイト族粘土鉱物の複合体より
    なるフィラー材料を製造することを特徴とするフィラー
    材料の製造方法。
  13. 【請求項13】得られるフィラー材料がゴム補強用のも
    のであることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1
    項に記載のフィラー材料の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項8〜13のいずれか1項に記載の
    方法により得られた結晶性のケイ酸カルシウムとスメク
    タイト族粘土鉱物の複合体に、酸を加えて結晶性ケイ酸
    カルシウムを部分中和することにより多孔質二酸化珪素
    となすことを特徴とするフィラー材料の製造方法。
  15. 【請求項15】酸が、低濃度の強酸であることを特徴と
    する請求項14記載のフィラー材料の製造方法。
  16. 【請求項16】請求項8〜15のいずれか1項に記載の
    方法におけるカルシウムイオン含有液の添加混合物に、
    同時にケイ酸ナトリウム水溶液を添加することを特徴と
    するフィラー材料の製造方法。
  17. 【請求項17】請求項8〜16のいずれか1項に記載の
    方法で得られたフィラー材料表面を有機化合物により表
    面処理することを特徴とするフィラー材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008214466A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Kaisui Kagaku Kenkyusho:Kk 安定化された含ハロゲン樹脂組成物

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