JPH1112429A - 低温衝撃性及びドーミング性に優れたプロピレン樹脂組成物及びそのボトルキャップ - Google Patents

低温衝撃性及びドーミング性に優れたプロピレン樹脂組成物及びそのボトルキャップ

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JPH1112429A
JPH1112429A JP17013097A JP17013097A JPH1112429A JP H1112429 A JPH1112429 A JP H1112429A JP 17013097 A JP17013097 A JP 17013097A JP 17013097 A JP17013097 A JP 17013097A JP H1112429 A JPH1112429 A JP H1112429A
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JP
Japan
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low
resin composition
temperature impact
doming
property
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Pending
Application number
JP17013097A
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English (en)
Inventor
Isao Wada
功 和田
Tadashi Asanuma
浅沼  正
Shigenori Maeda
重徳 前田
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温衝撃性、ドーミング性及び成形加工性に
優れたプロピレン樹脂組成物、並びに炭酸飲料用容器の
高剛性で低温耐衝撃性のキャップを提供する。 【解決手段】 メルトフローレイトが5〜30g/10
分のエチレン−プロピレンブロック共重合体90〜95
重量部、23℃での密度が0.90〜0.94で、メル
トフローレイトが1〜4g/10分の直鎖状低密度ポリ
エチレン5〜10重量部及び2,2’−メチレンビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム
(造刻剤)0.05〜0.2重量部からなるプロピレン
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低温衝撃性、ドーミ
ング性及び成型加工性に優れたプロピレン樹脂組成物、
およびそれを用いた炭酸飲料容器のボトルキャップに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、プロピレン樹脂は安価で、機械
特性、衛生適合性、成形加工性に優れ、成形品外観が良
好である事から、食品容器や飲料容器、医療容器等に広
く使用されている。
【0003】現在、飲料容器には、大半が、樹脂として
ポリエチレンテレフタレートが用いられており、その中
で炭酸飲料容器にはボトルキャップとして金属が使用さ
れている。
【0004】最近では、このボトルキャップに樹脂が使
用され始めているが、保存時の炭酸ガス発生に伴う内部
圧力の増加によるキャップの変形すなわちドーミング性
が問題となっている。これは金属よりも剛性が低い為で
あるので、剛性を上げるためプロピレン単独重合体と造
核剤を組み合わせた樹脂が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のプロピレン単独
重合体と造核剤からなる組成物を用いると、剛性は良好
であるが、ボトルキャップの二次加工時、低温保存時及
び運搬時に割れが発生するという問題が起きている。
【0006】従って、プロピレン樹脂組成物をボトルキ
ャップに用いるには、剛性を向上させることによってド
ーミング性の改良をするだけではなく、同時に低温衝撃
性及びプロピレン樹脂の特徴である成形加工性を備えて
いる樹脂組成物を開発することが望まれる。
【0007】本発明の目的は、プロピレン樹脂本来の成
形加工性を有し、しかも炭酸飲料容器のキャップとして
供用できる高剛性,低温耐衝撃性をバランスよく有する
プロピレン樹脂組成物を提供することにある。
【0008】本発明のいま一つの目的は炭酸飲料容器用
の高剛性で、低温耐衝撃性のキャップを提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は以下
に記載するプロピレン樹脂組成物およびボトルキャップ
により解決される。
【0010】すなわち、本発明はメルトフローレイトが
5〜15g/10分のエチレン−プロピレンブロック共
重合体90〜95重量部と、23℃での密度が0.90
〜0.94で、メルトフローレイトが1〜4g/10分
の直鎖状低密度ポリエチレン5〜10重量部と一般式
[I]
【0011】
【化2】 で表される造核剤0.05〜0.2重量部とを配合して
なる、低温衝撃性,ドーミング性及び成形加工性に優れ
たプロピレン樹脂組成物である。
【0012】本発明は、またこの組成物を用いて成形さ
れた炭酸飲料用のボトルキャップである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いるエチレン−プロピ
レンブロック共重合体はアイソタクチック構造であり、
エチレン含有量が、1〜20重量%、好ましくは5〜1
5重量%であり、230℃で測定したメルトフローレイ
ト(ASTM D−1238)が5〜30g/10分、
好ましくは5〜15のものが例示される。メルトフロー
レイトが5未満では成形不良(バリ)を起し易く、また
30を越えると押出し後の切断が困難になる。この重合
体の立体規則性は高い方が好ましく、プロピレン単独重
合部のポリプロピレンの13C−NMRで測定したメソ
ペンタッド分率が0.90以上、好ましくは0.94以
上のものであり、この割合は90〜95重量%である事
が望ましい。従って、エチレンとプロピレンを共重合し
た共重合部の割合は5〜10重量%となる。
【0014】エチレンとプロピレンの共重合部の反応比
としては20/80〜90/10、好ましくは30/7
0〜70/30である。又、共重合部の分子量はプロピ
レン単独重合部より高分子量であるのが好ましい。
【0015】また、直鎖状低密度ポリエチレンとして
は、190℃で測定したメルトフローレイトが1〜4g
/10分、好ましくは1〜2g/10分、密度が0.9
0〜0.94のもので、これを5〜10重量部用いる。
メルトフローレイト及び密度が上記の範囲外では、低温
衝撃性とドーミング性の両者を満足できない。低密度化
する為、用いられるコモノマーとしては1−ブテン,1
−ペンテン,1−ヘキセン,1−ヘプテン,1−オクテ
ンなどが利用される。これらの重合体は特殊なものでは
なく、立体規則性,メルトフローレイトや密度が該当す
るものが市場で入手可能である。
【0016】エチレン−プロピレンブロック共重合体と
直鎖状低密度ポリエチレンの配合比は90〜95:10
〜5とされる。この範囲外では、前記と同様に、低温衝
撃性とドーミング性の両者を満足できない。
【0017】本発明に用いられる造核剤は、前記一般式
[I]の造核剤であり、使用割合は0.05〜0.2重
量部、好ましくは0.05〜0.15重量部である。
【0018】配合比が0.05重量部未満では、ドーミ
ング性不足となり、また0.2重量部を越えると、低温
衝撃性不足となる。
【0019】本発明の組成物は、さらに中和剤、フェノ
ール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などを配合する事
が好ましい。これら各成分をヘンシェルミキサーに一括
投入し、攪拌して混合した後、押出機にて溶融混練して
押出すことにより組成物とする。この組成物はメルトフ
ローレイトが、好ましくは6〜20g/10分である。
【0020】上記組成物を用いてキャップを成形するに
は図1に示したようにするのが一般的である。
【0021】押出機1に上記組成物のペレットをホッパ
ー2から投入し、200〜240℃の温度で加熱溶融し
て押し出す。ダイス3より押し出される溶融樹脂4を一
定速度のカッター5で切断し、キャップの金型6に自由
落下させる。これにネジをきったピストン棒7を押し込
み、樹脂が固化した後、逆方向に回転させ、キャップと
8する。
【0022】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明をさ
らに詳細に説明するが本発明はこれらの実施例のみに限
定されるものではない。 実施例1〜4及び比較例1〜6 表1に記載されたエチレン−プロピレンブロック共重合
体、直鎖状低密度ポリエチレン、配合剤をそれぞれ表1
に記載された比率で配合し、さらに中和剤としてはステ
アリン酸カルシウム0.02重量%、フェノール系酸化
防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕0.10重量%、リン系酸化防止剤と
してトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォス
ファイト0.05重量%を配合した。なお、表1に示し
た配合剤A、BおよびCは下記のとおりである。
【0023】A:2−2’−メチレンビス(4,6−ジ
−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム(本発明で配
合する造刻剤) B:2−2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)リン酸アルミニウム1水酸化物 C:ヒドロキシ−ジ−t−ブチル安息香酸アルミニウム 各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を表1に記載
した各項目について評価した。なお、各測定項目は次の
方法に従って測定した。 (1)メルトフローレイト:ASTM D−1238 (2)引っ張り降伏強さ:JLS K7113 (3)デュポン衝撃強度:三井東圧独自の方法。2mm
厚の射出シートを直径1/2インチの半球状の撃芯受け
台(凹状)の上におき、その上に同じ直径の凸の半球状
の撃芯を置き、1kgの荷重を種々の高さ(cm)から
撃芯上に落下させ、破壊と不破壊との境界のエネルギ
〔kg.cm〕を求める。 (4)アイゾット衝撃強度:ASTM D−256 (5)成形加工性:溶融樹脂を押出機のダイスから一定
量を押し出し、金属カッターで切断する。この時の金属
カッターでの切断が容易であるものを○、切断はできる
が、カッターの切断により樹脂が変形するものを△、カ
ッターに巻き付き、切断が困難なものを×とした。
【0024】
【表1】 実施例1〜4では、ドーミング性に要求される剛性が高
く、低温衝撃性を示すデュポン衝撃強度及びアイゾット
衝撃強度も高い。また、成形加工性についても良好であ
り、剛性,耐衝撃性,成形加工性全てに優れた樹脂組成
物である。
【0025】一方、比較例1は、直鎖状低密度ポリエチ
レンが無添加の為、剛性を示す引張り降伏強さは実施例
よりも高いが、デュポン衝撃強度及びアイゾット衝撃強
度が非常に低い。また、成形加工性も実施例より劣る。
【0026】比較例2及び3では、配合剤Aの量を増量
した場合であるが、引張り降伏強さは高いがデュポン衝
撃強度及びアイゾット衝撃強度が低く、低温衝撃性で実
施例に劣る。
【0027】比較例4及び5では、他の造核剤を使用し
た場合であるが、低温衝撃性については実施例と同等で
あるが、剛性が低く、成形加工性でも若干実施例に劣
る。
【0028】比較例6では、密度が請求項範囲外の直鎖
状低密度ポリエチレンを用いた場合であるが、剛性は実
施例と同等でも低温衝撃性において遙かに実施例に劣
る。
【0029】
【発明の効果】本発明のプロピレン樹脂組成物は、剛
性,低温衝撃性及び成形加工性に優れたものであり、従
来のプロピレン樹脂組成物では達成する事のできないも
のである。
【0030】また、このプロピレン樹脂組成物を用いて
加工されたボトルキャップは、炭酸ガス発生によるキャ
ップの膨張を抑えるドーミング性に優れ、且つ低温での
運搬時に衝撃等による割れを抑える低温衝撃性に優れて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボトルキャップの製造工程を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 押出機 2 ホッパー 3 ダイス 4 溶融樹脂 5 カッター 6 キャップの金型 7 ピストン棒 8 キャップ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローレイトが5〜30g/10分
    のエチレン−プロピレンブロック共重合体90〜95重
    量部と、23℃での密度が0.90〜0.94で、メル
    トフローレイトが1〜4g/10分の直鎖状低密度ポリ
    エチレン5〜10重量部と、一般式[I] 【化1】 で表される造刻剤0.05〜0.2重量部とを配合して
    なる、低温衝撃性及びドーミング性に優れたプロピレン
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のプロピレン樹脂組成物を
    用いて成形された炭酸飲料用のボトルキャップ。
JP17013097A 1997-06-26 1997-06-26 低温衝撃性及びドーミング性に優れたプロピレン樹脂組成物及びそのボトルキャップ Pending JPH1112429A (ja)

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JP17013097A JPH1112429A (ja) 1997-06-26 1997-06-26 低温衝撃性及びドーミング性に優れたプロピレン樹脂組成物及びそのボトルキャップ

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000077086A1 (fr) * 1999-06-15 2000-12-21 Asahi Denka Kogyo K.K. Agent nucleant
JP2009084393A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Mitsui Chemicals Inc 飲料ボトル用キャップ
CN112679865A (zh) * 2021-01-28 2021-04-20 陕西延长石油(集团)有限责任公司 一种三元聚丙烯材料及其制备方法

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