JP2009084393A - 飲料ボトル用キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】飲料ボトル用キャップとして要求される剛性および耐衝撃性等の特性を保持しつつ、キャップ成形時における応力負荷により生じる白化現象を抑制できる飲料ボトル用キャップを提供すること。
【解決手段】本発明の飲料ボトル用キャップは、メルトフローレートが0.1〜100g/10min、融点が100〜155℃の範囲にある、室温n-デカンに不溶な部分(Dinsol)9
0〜60重量%と室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)10〜40重量%とから構成され、前記DinsolおよびDsolが特定の要件を満たすプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含むプロピレン系樹脂組成物から得られることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、特定のプロピレン系ランダムブロック共重合体を含むプロピレン系樹脂組成物から得られる飲料ボトル用キャップに関する。
一般に、プロピレン樹脂は安価で、かつ機械特性、衛生適合性、および成形加工性に優れ、成形品外観も良好であることから、食品容器、飲料容器、医療容器などの幅広い分野における成形品製造に利用されている。飲料容器、いわゆる飲料ボトルは、内容物を加熱充填する必要性があることから、飲料ボトルのキャップ(飲料ボトル用キャップ)には耐熱性に優れたプロピレン樹脂が多く用いられている。
一方、こうした飲料ボトル用キャップは、製造工程において金型から成形品を取り出す際、急激な応力負荷が生じる場合がある。従来のプロピレン樹脂組成物であると、この急激な応力負荷が起因となって、白化現象が生じやすく、キャップ自体の外観が損なわれ、透明性が低下するおそれがある。このような白化現象は、特にボトル本体との密封性を確保するためにキャップの内壁面に螺子溝が形設されている場合に、無理抜き(螺子溝に合わせて回転させながら金型を引き抜くのではなく、無理やり引き抜く工程)することによって発生しやすい。
例えば、特許文献1には、特定のプロピレン樹脂組成物を用いた樹脂キャップが開示されている。該キャップは、剛性および成形性等に優れるとともに、クロージング性、開栓性などのキャップ特有の物性にも優れるものであることが示されているが、無理抜きの際の白化についてはなんら検討が行われていなかった。
特開2005−314474号公報
本発明は、飲料ボトル用キャップとして要求される剛性および耐衝撃性等の特性を保持しつつ、キャップ成形時における応力負荷により生じる白化現象を抑制できる飲料ボトル用キャップを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定のプロピレン系ランダムブロック共重合体を含むプロピレン系樹脂組成物を用いることにより上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明の飲料ボトル用キャップは、メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、荷重2.16kg)が0.1〜100g/10min、融点が100〜155℃
の範囲にあるプロピレン系ランダムブロック共重合体であって、室温n-デカンに不溶な部分(Dinsol)90〜60重量%と室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)10〜40重量%とから構成され、前記Dinsolが要件(1)および(2)を満たし、前記Dsolが要件(3)および(4)を満たすプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含むプロピレン系樹脂組成物から得られることを特徴としている。
(1) Dinsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が0.5〜13モル%
(2) Dinsol中のプロピレンの2,1-挿入結合量および1,3-挿入結合量の和が0.2モル%
以下
(3) Dsolの135℃デカリン中における極限粘度[η]が1.5〜4dl/g
(4) Dsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が15〜35モル%
前記飲料ボトル用キャップが、飲料ボトル用本体の口栓部の外壁面に形成された螺子溝と螺合するように、内壁面に螺子溝を形成されてなることが好ましい。
前記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)が、メタロセン触媒の存在下で重合されてなることが好ましい。
本発明によれば、剛性および耐衝撃性等に優れるだけでなく、成形時における応力負荷が原因となって生じる白化現象を抑制することができ、透明性に優れた飲料ボトル用キャップを実現することができる。
本発明は、このような優れた透明性を有する飲料ボトル用キャップであることから、さらに顔料を添加することにより、発色効果を高めることができる。
本発明の飲料ボトル用キャップは、メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、荷重2.16kg)が0.1〜100g/10min、融点が100〜155℃の範囲に
あるプロピレン系ランダムブロック共重合体であって、室温n-デカンに不溶な部分(Dinsol)90〜60重量%と室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)10〜40重量%とから構成され、前記Dinsolが要件(1)および(2)を満たし、前記Dsolが要件(3)および(4)を満たすプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含むプロピレン系樹脂組成物から得られることを特徴としている。
(1) Dinsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が0.5〜13モル%
(2) Dinsol中のプロピレンの2,1-挿入結合量および1,3-挿入結合量の和が0.2モル%
以下
(3) Dsolの135℃デカリン中における極限粘度[η]が1.5〜4dl/g
(4) Dsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が15〜35モル%。
<プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)>
本発明において用いられるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)は、好適にはメタロセン触媒系の存在下で、第一重合工程にてプロピレンとエチレンとを共重合してプロピレン系ランダム共重合体であるプロピレン・エチレンランダム共重合体を製造し、引き続き第二重合工程でプロピレン−エチレンランダム共重合体ゴムを製造して得られる。該共重合体(A)は、メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、荷重2.16kg)が0.1〜100g/10分、融点が100〜155℃の範囲にあり、第一重合工程で製造されるプロピレン−エチレンランダム共重合体を主成分とする室温n−デカンに不溶な部分(Dinsol)90〜60重量%と、第二重合工程で製造されるプロピレン
−エチレンランダム共重合体ゴムを主成分とする室温n−デカンに可溶な部分(Dsol
10〜40重量%とから構成される。ここで、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)におけるメルトフローレート、融点、室温n−デカンに不溶な部分(Dinsol)の重
量分率、室温n−デカンに可溶な部分(Dsol)の重量分率は、プロピレン系樹脂組成物
に含まれる他の成分に応じて適宜変えることができる。
ここでプロピレン系ブロック共重合体は、メタロセン触媒系で重合して得られたものメタロセン触媒の存在下で重合して得られたものであることが望ましい。
そして、上記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)において、前記Dinsol
要件(1)および(2)を満たし、さらに前記Dsolが要件(3)および(4)を満たす

(1)Dinsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が0.5〜13モル%
(2)Dinsol中のプロピレンの2,1−挿入結合量および1,3−挿入結合量の和が0
.2モル%以下
(3)Dsolの135℃デカリン中における極限粘度[η]が1.5〜4dl/g
(4)Dsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が15〜35モル%。
以下、上記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)が備える上記要件(1)〜(4)について詳細に説明する。
要件(1)
本発明に用いるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の室温n−デカンに不溶な部分(Dinsol)中のエチレンに由来する骨格の含有量が0.5〜13モル%、好まし
くは0.7〜10モル%、さらに好ましくは1.0〜8モル%である。Dinsol中のエチ
レンに由来する骨格の含有量が0.5モル%未満であると、該共重合体(A)の融点(Tm)が高くなり、飲料ボトル用キャップの透明性が低下する場合がある。また、Dinsol
中のエチレンに由来する骨格の含有量が13モル%よりも多いと、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の融点が低くなり、高温下での剛性が低下する等の不具合が発生するおそれがある。
要件(2)
本発明において用いられるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の室温n−デカンに不溶な部分(Dinsol)中のプロピレンの2,1−挿入結合量および1,3−挿入
結合量の和が0.2モル%以下、好ましくは0.1モル%以下である。Dinsol中のプロ
ピレンの2,1−挿入結合量および1,3−挿入結合量の和が0.2モル%よりも多い場合、プロピレンとエチレンとのランダム共重合性が低下し、その結果、室温n−デカンに可溶な部分(Dsol)中のプロピレン−エチレン共重合体ゴムの組成分布が広くなる為、
耐衝撃性が低下し、白化現象が生じ易くなることがある。
要件(3)
本発明において用いられるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の室温n−デカンに可溶な部分(Dsol)の135℃デカリン中における極限粘度[η]が1.5〜4
dl/g、好ましくは1.5dl/gを超え3.5dl/g以下であり、さらに好ましくは1.8〜3.5dl/gである。こうしたランダムブロック共重合体の製造において、本発明において使用されるメタロセン触媒系以外の触媒を用いたのでは、極限粘度[η]が1.5dl/gを超えるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を製造することは極めて困難であり、特に極限粘度[η]が1.8dl/g以上のプロピレン系ランダム
ブロック共重合体(A)を製造することはほとんど不可能である。また、極限粘度Dsol
の135℃デカリン中における極限粘度[η]が4dl/gよりも高いと、第二重合工程でプロピレン−エチレンランダム共重合体ゴムを製造する際に、超高分子量乃至高エチレン量プロピレン−エチレンランダム共重合体ゴムが微量に副生する。この微量に副生したプロピレン−エチレンランダム共重合体ゴムは、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)中に不均一に存在する為、耐衝撃性の低下やフィッシュアイ等が発生するなどの外観不具合が生ずることがある。
要件(4)
本発明において用いられるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の室温n−デカンに可溶な部分(Dsol)中のエチレンに由来する骨格の含有量が15〜35モル%、
好ましくは18〜30モル%である。Dsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が15
モル%よりも低いと、プロピレン系ランダムブロック共重合体の耐衝撃性が低下する場合がある。また、Dsol中におけるエチレンに由来する骨格の含有量が35モル%よりも高
いと透明性が低下するおそれがある。
なお、この室温n−デカンに可溶な部分(Dsol)中のエチレンに由来する骨格の含有
量を通常は17〜28モル%、好ましくは20〜25モル%の範囲内にすることにより、透明性が低下しにくくなるとともに、耐衝撃性の低下が生じにくくなる。
本発明において用いられるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)は、好適にはメタロセン触媒の存在下に、第一重合工程([工程1])でプロピレンと少量のエチレンとからなるプロピレン系ランダム共重合体を製造後、第二重合工程([工程2])でプロピレンと第一工程よりも多量のエチレンとを共重合してプロピレン−エチレン共重合体ゴムを製造して得られるプロピレン系ランダムブロック共重合体である。
本発明において使用されるメタロセン触媒としては、メタロセン化合物と、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物およびメタロセン化合物と反応してイオン対を形成することのできる化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、さらに必要に応じて粒子状担体とからなるメタロセン触媒であり、好ましくはアイソタクチックまたはシンジオタクチック構造等の立体規則性重合をすることのできるメタロセン触媒を挙げることができる。前記メタロセン化合物の中では、本願出願人による国際出願(WO01/27124号パンフレット)に例示されている以下に示すような架橋性メタロセン化合物が用いられる。
Figure 2009084393
上記一般式[I]において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10
11、R12、R13、R14は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。このような炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、アリル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−のニル基、n−デカニル基などの直鎖状炭化水素基;イソプロピル基、tert−ブチル基、アミル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−プロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基などの分岐状炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの環状飽和炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの環状不飽和炭化水素基;ベンジル基、クミル基、1,1−ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基などの環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル基、N-メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−フェニルアミノ基、ピリル基、チエニル基などのヘテロ原子含
有炭化水素基等を挙げることができる。ケイ素含有基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基などを挙げることができる。
また、一般式[I]において、置換基R5〜R12は隣接する置換基と相互に結合して環
を形成してもよい。このような置換フルオレニル基としては、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル基等を挙げることができる。
上記一般式[I]において、シクロペンタジエニル環に置換するR1、R2、R3、R4は水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくはR3が炭素数1〜20の炭化水素基である。
上記一般式[I]において、フルオレン環に置換するR5〜R12は炭素原子数1〜20
の炭化水素基であることが好ましい。炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、前掲の炭化水素基を例示することができる。置換基R5〜R12は、隣接する置換基が相互に結合
して環を形成してもよい。
上記一般式[I]において、シクロペンタジエニル環とフルオレニル環を架橋するYは周期律表第14族元素であることが好ましく、より好ましくは炭素、ケイ素、ゲルマニウムであり、さらに好ましくは炭素原子である。このYに置換するR13、R14は炭素原子数1〜20の炭化水素基が好ましい。これらは相互に同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、前掲の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくは、R14は炭素数6〜20のアリール(a
ryl)基である。アリール基としては、前述の環状不飽和炭化水素基、環状不飽和炭化
水素基の置換した飽和炭化水素基、ヘテロ原子含有環状不飽和炭化水素基を挙げることができる。また、R13、R14はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。このような置換基としては、フルオレニリデン基、10−ヒドロアントラセニリデン基、ジベンゾシクロヘプタジエニリデン基などが好ましい。
また、上記一般式[I]で表されるメタロセン化合物は、R1、R4、R5またはR12
ら選ばれる置換基と架橋部のR13またはR14が互いに結合して環を形成してもよい。
上記一般式[I]において、Mは好ましくは周期律表第4族遷移金属であり、さらに好ましくはTi、Zr、Hfである。また、Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子
または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。jは1〜4の整数であり、jが2以上のときは、Qは互いに同一でも異なっていてもよい。ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、炭化水素基の具体例としては前掲と同様のものなどが挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシなどのアルコキシ基、アセテート、ベンゾエートなどのカルボキシレート基、メシレート、トシレートなどのスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類等が挙げられる。Qは少なくとも1つがハロゲン原子またはアルキル基であることが好ましい。
このような架橋メタロセン化合物としては、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル-シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
フェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル-シクロペンタジエニル)(2,
7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル-シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブ
チルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレン(3−tert−ブチル−5−メチル-シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロベン
ゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、[3−(1’,1’,4’,4’,7’,7’,10’,10’−オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)(1,1,3−トリメチル−5−tert−ブチル−1,2,3,3a−テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド(下記式[II]参照)などが好ましく挙げられる。
Figure 2009084393
なお、本発明において使用されるメタロセン触媒において、上記一般式[I]で表わされる第4族遷移金属化合物とともに用いられる、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、および遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物、必要に応じて用いられる粒子状担体としては、本出願人による前記公報(WO01/27124号パンフレット)あるいは特開平11−315109号公報中に開示された化合物を制限無く使用することができる。
本発明におけるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)は、二つ以上の反応装置を直列に連結した重合装置を用い、次の二つの工程([工程1]および[工程2])を連続的に実施することによって得られる。
[工程1]は、重合温度0〜100℃、重合圧力常圧〜5MPaゲージ圧で、プロピレンとエチレンとを共重合させる。[工程1]では、プロピレンに対してエチレンのフィード量を少量とすることによって、[工程1]で製造されるプロピレン系ランダム共重合体がDinsolの主成分となるようにする。
[工程2]は、重合温度0〜100℃、重合圧力常圧〜5MPaゲージ圧で、プロピレンとエチレンとを共重合させる。[工程2]では、プロピレンに対するエチレンのフィード量を[工程1]のときよりも多くすることによって、[工程2]で製造されるプロピレン−エチレン共重合体ゴムがDsolの主成分となるようにする。
このようにすることにより、Dinsolに係る要件(1)および(2)は、[工程1]に
おける重合条件の調整によって、Dsolに係る要件(3)および(4)は、[工程2]に
おける重合条件の調整によって、満足させることが可能となる。
また、本発明において用いられるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)が満足すべき物性については、使用するメタロセン触媒の化学構造により決定されることが多い。具体的には、要件(2)Dinsol中のプロピレンの2,1−挿入結合量および1,3−
挿入結合量の和、およびプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の融点については、主として、[工程1]および[工程2]において用いられるメタロセン触媒を適切に選択することによって、本発明の要件を満足するように調節することができる。本発明において好ましく用いられるメタロセン触媒については前述の通りである。
さらに、要件(1)Dinsol中のエチレンに由来する骨格の含有量については、[工程
1]におけるエチレンのフィード量などによって調整することが可能である。要件(3)Dsolの135℃デカリン中における極限粘度[η]については、[工程2]における水
素などの分子量調節剤のフィード量などによって調節することが可能である。要件(4)Dsol中のエチレンに由来する骨格の含有量については、[工程2]におけるエチレンの
フィード量などによって調節することが可能である。さらに、[工程1]と[工程2]とで製造する重合体の量比を調整することによって、DinsolとDsolとの組成比、およびプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)のメルトフローレートを適切に調節することが可能である。
また、本発明において用いられるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)は、前記方法の[工程1]で製造されるプロピレン−エチレンランダム共重合体と、前記方法の[工程2]で製造されるプロピレン−エチレンランダム共重合体ゴムとを、メタロセン化合物含有触媒の存在下で個別に製造した後に、これら物理的手段を用いてブレンドして製造しても良い。
<(B)高密度ポリエチレン>
本発明に用いるプロピレン系樹脂組成物には、さらに(B)高密度ポリエチレンが含まれていてもよい。(B)高密度ポリエチレンとしてはエチレン単独重合体が好ましいが、必要に応じ、エチレンと全モノマー単位の0.5モル%以下、好ましくは0.2モル%以下、特に好ましくは0.1モル%以下の他のα−オレフィンとを共重合させた重合体である。他のα−オレフィンの例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができる。
なお、(B)高密度ポリエチレンの密度(ASTM D1505)としては、0.95
0〜0.980(g/cm3)である。
(B)高密度ポリエチレンは、そのメルトフローレート(ASTM D1238、230℃、荷重2.16kg)が、4〜28g/10minである。上記範囲内では、プロピレン系
樹脂組成物の機械強度、特に耐衝撃性を向上させ、更に白化抑制も優れ、且つ成形加工性及びキャップ性能を高めることができ、かつ摺動性を保持できる。
(B)高密度ポリエチレンは、オレフィンの立体規則性重合触媒を用い、分子量調整を図りつつエチレンおよび必要に応じて他のα−オレフィンを共存させて重合することにより、製造することができる。
<造核剤>
本発明に用いるプロピレン系樹脂組成物には、さらに造核剤(以下の説明では単に核剤とも云う)が含まれていても良い。使用できる核剤としては、(a)p−tert−ブチル安息香酸アルミニウム等のカルボン酸金属塩、(b)ジベンジリデンソルビトール、ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール等の多価アルコール誘導体、(c)ナトリウム−
2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート等の有機リン酸エステル金属塩、(d)分岐状オレフィン、例えば3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等の単独重合体または共重合体等のポリマー核剤等を挙げることができる。
これらの中でも有機リン酸エステル金属塩が好ましく、その添加によってプロピレン系樹脂組成物の剛性と耐衝撃性との良好なバランスを図り、かつ優れた摺動性を付与することができる。有機リン酸エステル金属塩として、式(III)で表されるナトリウム−2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、式(IV)で表されるアルミニウム化合物等を例示することができる。特に、式(IV)で表される化合物の効果が高い。
Figure 2009084393
ここで、t−Buは、tert-ブチル基を示す。
Figure 2009084393
上記式(IV)において、R1およびR2は、各々独立して水素原子またはアルキル基である。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、アミル、tert-アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−エチルヘキシル等の基を例示することができる。Xはアルキレン基であって、メチレン、エチレン、プロピレン基等を挙げることができる。
具体的には、Xがメチレン基であって、R1がtert-ブチル基、R2がメチル基の化合物
、またXがメチレン基であって、R1およびR2がtert-ブチル基の化合物、さらにXがメ
チレン基であって、R1およびR2がtert-アミル基の化合物を例示することができる。
また、飲料ボトル用キャップの生産速度を特に重要視したい場合は、飲料ボトル用キャップの接液する飲料によって造核剤が抽出されない飲料系である場合には下記式(V)で表される成分を主成分とする造核剤を用いることが好ましい。なお本発明でいう「主成分」とは造核剤100重量%あたりの含有量が50重量%以上の成分を示す。また含有量は70重量%以上が好ましく、80%重量以上が特に好ましい。
Figure 2009084393
上記式(V)において、Metalは1価または3価の金属を指し、その中でも1価が好ま
しい。特に好ましいMetalは、ナトリウムである。なお、3価金属の場合は水酸基を含む
アルミニウム金属も可能である。
<その他>
本発明に用いるプロピレン系樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じてさらに、顔料、ビタミン類、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、石油樹脂、ミネラルオイル等の添加物を含んでいてもよい。
<プロピレン系樹脂組成物>
本発明のプロピレン系樹脂組成物には、上記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を必須成分として含み、上記(B)高密度ポリエチレン、造核剤、その他添加剤等を含む。
本発明に用いるプロピレン系樹脂組成物100重量%あたり、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)は、通常100〜70重量%、好ましくは100〜80重量%含まれ、高密度ポリエチレン(B)は、通常0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%含まれる。上記範囲では、耐白化性に優れ、透明性を維持しながら低温衝撃性が良好である。
本発明に用いるプロピレン系樹脂組成物の調整法としては特に限定はないが、例えば上記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)および必要に応じて用いる各種成分を、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー等の混合機でブレンドした後、一軸乃至二軸の押出機を用いてペレット状として得ることができる。
<飲料ボトル用キャップ>
本発明の飲料ボトル用キャップは上記プロピレン系樹脂組成物からなることを特徴とする。飲料ボトル用キャップの成形方法としては、特に限定されないが、通常は射出成形や圧縮成形によって製造される。
本発明の飲料ボトル用キャップは、飲料ボトル用本体の口栓部を閉栓するために用いられる。その形状は特に限定されず、円形、楕円形、略四角形等であってもよい。その一例を図1に示す。通常、この飲料ボトル用キャップ1は、螺合することにより係止可能となるよう、飲料ボトル用キャップ1の内壁面に螺子溝2が形成されている。一方、飲料ボト
ル用本体3の口栓部4の外壁面には螺子溝5が形成されており、これら螺子溝2と螺子溝5とが螺合することにより、飲料ボトル用キャップ1を飲料ボトル用本体3に係止することができる。
特に飲料ボトル用キャップの内壁面に螺子溝を形設させる場合、キャップの金型からキャップ成形品を無理抜き等により取り出す際に、急激な応力負荷が生じる。従来より飲料ボトル用キャップに用いられているプロピレン系樹脂組成物であると、この応力負荷によりマトリックス相(海相)とゴム相(島相)との界面にクラックが発生しやすく、このクラックに起因して白化現象が生じ、キャップ自体の外観が損なわれ透明度が著しく低減することとなる。
しかしながら、本発明の飲料ボトル用キャップは、特定のプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含むプロピレン系樹脂組成物を用いているため、マトリックス相(海相)におけるゴム相(島相)の均一分散性が高く、成形時に係る応力負荷が起因となって生じる樹脂の白化現象を有効に低減することができ、飲料ボトル用キャップの内壁面に螺子溝を形設する場合であっても透明度の高いキャップを得ることができる。
また、本発明の飲料ボトル用キャップは、上記のように必要に応じて顔料を添加した場合であっても、白化現象の発生を有効に低減することが可能となるため、所望の発色を得ることが容易である。
なお、飲料ボトル本体を成形するために用いられる樹脂組成物については、飲料用に適していれば特に制限されず、いずれの樹脂組成物でもよく、たとえばPET、ポリプロピレンなどを採用することができる。
[実施例]
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における物性の測定方法は次の通りである。
<評価方法>
[プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)について]
(m1)MFR(メルトフローレート)
MFRは、ASTM D1238(230℃、荷重2.16kg)に従って測定した。
(m2)融点(Tm)
示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製)を用いて測定を行った。ここで測定し
た第3stepにおける吸熱ピークを融点(Tm)と定義した。
(測定条件)
第1step : 10℃/minで240℃まで昇温し、10min間保持する。
第2step : 10℃/minで60℃まで降温する。
第3step : 10℃/minで240℃まで昇温する。
(m3)室温n-デカン可溶部量(Dsol
最終生成物(すなわち、本発明のプロピレン系ランダムブロック重合体)のサンプル5gにn-デカン200mlを加え、145℃で30分間加熱溶解した。約3時間かけて、20℃まで冷却さ
せ、30分間放置した。その後、析出物(以下、n-デカン不溶部:Dinsol)を濾別した。濾液を約3倍量のアセトン中入れ、n-デカン中に溶解していた成分を析出させた(析出物(
A))。析出物(A)とアセトンを濾別し、析出物を乾燥した。なお、濾液側を濃縮乾固しても残渣は認められなかった。
n-デカン可溶部量は、以下の式によって求めた。
n-デカン可溶部量(wt%)=〔析出物(A)重量/サンプル重量〕×100。
(m4)エチレンに由来する骨格の含有量
Dinsol、Dsol中のエチレンに由来する骨格濃度を測定するために、サンプル20〜30mgを1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン(2:1)溶液0.6mlに溶解後、炭素核磁気共鳴分析(13C-NMR)を行った。プロピレン、エチレン、α-オレフィンの定量はダイアッド連鎖分布より求めた。例えば、プロピレン−エチレン共重合体の場合、
Figure 2009084393
を用い、以下の計算式(Eq-1)および(Eq-2)により求めた。
Figure 2009084393
(m5)極限粘度[η]
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。サンプル約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追
加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、
濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた。
[η]= lim(ηsp/C) (C→0)。
(m6)2,1-挿入結合量、1,3-挿入結合量の測定
13C−NMRを用いて、特開平7-145212号公報に記載された方法に従って、プロピレンの2,1-挿入結合量、1,3-挿入結合量を測定した。
[プロピレン系樹脂組成物および角板(試験片)について]
(n1)MFR(メルトフローレート)
MFRは、ASTM D1238(230℃、荷重2.16kg)に従って測定した。
(n2)曲げ弾性率
曲げ弾性率は、ASTM D790に従って測定した。
(n3)射出成形体のIzod衝撃強度
アイゾット衝撃強度(IZ)は、ASTM D256に準拠して下記の条件で測定した。
(n4)射出成形体のHAZE
HAZEは、ASTM D1003に準拠して測定した。
(n5)落球試験
厚さ2mm角板に剛球の荷重95.1g、落球径28.6mmを高さ20cmから落下させる。その際角板に出来た白化を目視で確認し、定規で直径を測定した。
白化が確認されなかったものを◎、白化した部分の直径が5mm以下のものを○、白化した部分の直径が5mmを超えるものを×として評価した。
[製造例1]
(1)固体触媒担体の製造
容量1リットル枝付フラスコにSiO2300gをサンプリングし、トルエン800ml
を入れ、スラリー化した。
次にスラリーを容量5リットルの4つ口フラスコへ移液し、トルエン260mlを加えた。
ここにメチルアルミノキサン(以下、MAO)−トルエン溶液(アルベマール社製10wt%溶液)を2830ml導入し、室温のままで、30分間攪拌した。1時間で110℃に昇温し、4時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した。冷却後、上澄みトルエンを抜き出し、フレッシュなトルエンで、置換率が95%になるまで、置換を行った。
(2)固体触媒成分の製造(担体への金属触媒成分の担持)
グローブボックス内にて、容量5リットルの4つ口フラスコにWO2006/068308号の記載
に従って合成された[3−(1’,1’,4’,4’,7’,7’,10’,10’−オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)(1,1,3−トリメチル−5−tert−ブチル−1,2,3,3a−テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライドを2.0g秤取った。フラスコをグローブボックスの外に出し、トルエン0.46リットルと上記(1)で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー1.4リットルとを窒素下で加え、30分間攪拌し担持を行った。
得られた[3−(1’,1’,4’,4’,7’,7’,10’,10’−オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)(1,1,3−トリメチル−5−tert−ブチル−1,2,3,3a−テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド/MAO/SiO2/トルエンスラリーはn-ヘプタンにて99%置換を行い、最終的な
スラリー量を4.5リットルとした。この操作は、室温で行った。
(3)予備重合触媒の製造
前記の(2)で調製した固体触媒成分202g、トリエチルアルミニウム109ml、ヘプ
タン100リットルを内容量200リットルの攪拌機付きオートクレーブに導入し、内温15〜20℃に保ち、エチレンを2020g導入し、180分間攪拌しながら反応させた。
重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた予備重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で2g/リットルとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この予備重合触媒は固体触媒成分1g当りポリエチレンを10g含んでいた。
(4)本重合
内容量58リットルの管状重合器にプロピレンを40kg/時間、水素を5Nリットル/時間、上記(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として1.6g/時間、トリエチルアルミニウム1.0g/時間を連続的に供給し、管状重合器内に気相の存在しない満液の
状態にて重合した。管状反応器の温度は30℃であり、圧力は3.2MPa/Gであった。
得られたスラリーを内容量1000リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを45kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が0.7mol%、水素を気相部の水素濃度が0.5mol%になるように供給した。重合温度72℃、圧力3.1MPa/Gで重合を行った。
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重
合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が0.7mol%、水素を気相部の水素濃度が0.5mol%になるように供給した。重合温度71℃、圧力3.0MPa/Gで重合を行った。
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が0.7mol%、水素を気相部の水素濃度が0.5mol%になるように供給した。重合温度70℃、圧力3.0MPa/Gで重合を行った。
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、共重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、水素を気相部の水素濃度が0.11mol%になるように供給した。重合温度61℃、圧力2.9MPa/Gを保つようにエチレンを供給し重合を行った。
得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A-1)を得た。得られたプロピレン系ランダムブロック共重合体(A-1)を、80℃で真空乾燥させた。得られたプロピレン系ランダムブロック共重合体(A-1)の特性を表1に
示す。
Figure 2009084393
製造例1で製造されたプロピレン系ランダムブロック共重合体(A-1)100重量部
に対して、熱安定剤IRGANOX1010(チバガイギー(株)商標)0.1重量部、熱安定剤IRGAFOS168(チバガイギー(株)商標)0.1重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量
部をヘンシェルにて混合後、(株)日本製鋼所製 CIM50S(二軸押出機)とP65(単軸押出機)を用いてCIMシリンダー温度180℃、P65シリンダー温度200℃条件にて溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を基材として、(株)東芝機械セルマック社製のEC160N(型締め圧力160トン)でシリンダー温度200℃、金型温調機40℃条件にてASTM規格の試験片を製造した。又、FANUC社製の100トン射出成形機でシリンダー温度200℃、金型温調機40℃条件にて角板厚み2mmの角板を製造した。得られたASTM規格の試験片で曲げ弾性
率、アイゾット衝撃強度を測定し、角板でHAZEを測定した。結果を表2に示す。
製造例1で製造されたプロピレン系ランダムブロック共重合体(A-1)80重量部及
び高密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製2200J(MFR190℃5.2g/10min、密度0.968)20重量部の合計100重量部に対して、熱安定剤IRGANOX1010(チバガイギー(株)商標)0.1重量部、熱安定剤IRGAFOS168(チバガイギー(
株)商標)0.1重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部をヘンシェルにて混合後、(株)日本製鋼所製 CIM50S(二軸押出機)とP65(単軸押出機)を用いてCIMシリンダー温度180℃、P65シリンダー温度200℃条件にて溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を基材として、(株)東芝機械セルマック社製のEC160N(型締め圧力160トン)でシリンダー温度200℃、金型温調機40℃条件にてASTM規格の試験片を製造した。又、FANUC社製の100トン射出成形機でシリンダー温度200℃、金型温調機40℃条件にて角板厚み2mmの角板を製造した。得られたASTM規格の試験片で曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度を測定し、角板でHAZEを測定した。結果を表2に示す。
[比較例1]
市販されている汎用ブロック銘柄((株)プライムポリマー製:J707G(MFR30g/10min))を、この樹脂組成物を基材として、(株)東芝機械セルマック社製のEC160N(型締め圧力160トン)でシリンダー温度200℃、金型温調機40℃条件にてASTM規格の試験片を製造した。又、FANUC社製の100トン射出成形機でシリンダー温度200℃、金型温調機40℃条件にて角板厚み2mmの角板を製造した。得られたASTM規格の試験片で曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度を測定し、角板でHAZEを測定した。結果を表2に示す。
Figure 2009084393
本発明の飲料ボトル用キャップは、特定のプロピレン系ランダムブロック共重合体(A
)を含むプロピレン系樹脂組成物を用いており、耐熱性と剛性、耐衝撃性に優れるだけでなく、高い透明性をも有している。また、成形時における過度な応力負荷によっても白化現象が生じにくく、透明性を保持することができる。したがって、さらに顔料を添加することにより、発色性豊かな飲料ボトル用キャップを得ることができる。
本発明の飲料ボトル用キャップの形状の一例を表す図である。
符号の説明
1: 飲料ボトル用キャップ
2: 螺子溝
3: 飲料ボトル用本体
4: 飲料ボトル用本体3の口栓部
5: 螺子溝

Claims (3)

  1. メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、荷重2.16kg)が0.1〜100g/10min、融点が100〜155℃の範囲にあるプロピレン系ランダムブロック
    共重合体であって、室温n-デカンに不溶な部分(Dinsol)90〜60重量%と室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)10〜40重量%とから構成され、前記Dinsolが要件(1)および(2)を満たし、前記Dsolが要件(3)および(4)を満たすプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含むプロピレン系樹脂組成物からなることを特徴とする飲料ボトル用キャップ。
    (1) Dinsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が0.5〜13モル%
    (2) Dinsol中のプロピレンの2,1-挿入結合量および1,3-挿入結合量の和が0.2モル%
    以下
    (3) Dsolの135℃デカリン中における極限粘度[η]が1.5〜4dl/g
    (4) Dsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が15〜35モル%
  2. 前記飲料ボトル用キャップが、飲料ボトル用本体の口栓部の外壁面に形成された螺子溝と螺合するように、内壁面に螺子溝を形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の飲料ボトル用キャップ。
  3. 前記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)が、メタロセン触媒の存在下で重合されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の飲料ボトル用キャップ。
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