JPH11124239A - 用紙搬送機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】不適切な角度で挿入された単票用紙や用紙搬送
時に曲がった用紙の検知を行い、目的の位置への給紙を
可能とする。また、用紙送り時に発生する用紙のしわの
解消が可能な用紙搬送機構を提供する。 【解決手段】搬送ローラ対を備えた用紙搬送機構におい
て、前記搬送ローラa1,a2は球形ローラであり、搬送ロ
ーラ駆動用ローラb1,b2,b3,b4により前後左右あらゆる
方向へそれぞれ独立した回転が可能で、用紙進行方向と
略直角に設けた光学式検出器cにより検出された情報を
図示せぬ演算回路にて求めた搬送ローラa1,a2それぞれ
の回転角、回転数で動作し単票用紙等を正確に吸入、搬
送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリンター、複写
機、ファクシミリ、スキャナーなどの画像形成装置や画
像読み取り装置の用紙の搬送機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のプリンター、複写機、ファクシミ
リ、スキャナーなどの画像形成装置や画像読み取り装置
の単票用紙の搬送機構は、使用者が目的とする給紙部の
搬送ローラ部に用紙あるいは原稿をセットし、搬送ロー
ラにて給紙、紙送りを行う。

【０００３】この際、用紙や原稿が斜めにセットされた
場合は、搬送ローラ直近に設けられているセンサー等で
斜行検出を行い、搬送ローラを逆転することにより用紙
を排出し、使用者への再セット要求を促す。

【０００４】また、特開平８−８１０８９に記述されて
いるような強制的に用紙斜行を補正する機能を持った装
置については、左右２対以上の搬送ローラを設け、それ
ぞれの給紙ローラの回転数を制御することで用紙左右の
紙送り量を調整を行ったり、あるいは、搬送ローラと直
角方向に動作する補正専用のローラを設けることにより
用紙左右のズレを強制的に補正している。

【０００５】さらに、使用者が目的とする印字位置への
調整は、従来、給紙部に付加されている用紙ガイドを使
用者自ら調整し、用紙の左右端部のいずれかを突き当て
た後、ガイド部に添うような形で搬送部へ送り込むか、
搬送する用紙のサイズに合わせた専用カセットを使用し
ている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前記のように、左右に
設けた搬送ローラの回転数制御により傾きを矯正する場
合は、ローラ回転数のズレによる用紙のしわや破れの原
因からローラの送り量が制限されるとともに、補正を開
始してから一定量の紙送りを行わないと用紙のズレが解
消できない。また、左右方向への大きな移動ができない
ため、斜行の補正は可能であるが用紙端部の大きなズレ
は解消できない。

【０００７】さらに、上記の手段は斜め給紙に対する補
正は可能であるが、用紙送りの際に発生する用紙のしわ
を取り除くことが困難であるとともに、単一方向の用紙
送りが主動作であるため目的とした印字位置への移動が
不可能である。

【０００８】搬送ローラと直角方向に動作する補正専用
のローラを備えた場合は、前記同様に用紙のしわや破れ
を防止するために搬送ローラと同時に動作することが不
可能であり、搬送ローラ、補正専用ローラそれぞれの解
放・駆動動作時間が必要となるほか用紙を搬送しながら
の同期した補正が不可能で処理時間も増加する。また、
駆動機構および制御回路が付加されるほか用紙幅に応じ
てローラ位置を変化させなくてはならないため構造が複
雑化および大型化してくる。

【０００９】本発明は、従来技術の問題点を解決するた
めに成されたもので、斜めに給紙された用紙の補正を瞬
時に精度良く行うとともに、印字位置への適正なセッ
ト、さらには用紙送りと同期した斜行補正を容易に行
い、用紙に発生するしわの解消を行うことのできる用紙
搬送機構を提供する。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決すべ
く本発明の用紙搬送機構は、給紙ローラ対により搬送さ
れる搬送機構において、前後左右あらゆる角度に独立回
転可能な独立した球形のローラ対を備え、それぞれ独立
した回転角および回転数の動作を行うことを特徴とす
る。球形のローラは、用紙進行方向に対し直角方向に配
置することを前提とするが、使用用紙の大きさ、構造の
制限により進行方向と同一線上あるいは一定角を設けた
配置でも可能である。

【００１１】また、搬送機構部には、用紙の進行方向お
よび進行方向に対する左右方向の用紙端が通過する位置
に光学式の用紙端検出機構を配設し用紙の傾きを検出す
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図示に基づいて本発明の搬
送機構の実施例を詳細に説明する。

【００１３】図１は本発明の用紙搬送機構を説明するた
めの要部上視図である。図１においてa1,a2は搬送ロー
ラであり、上下一対の球形ローラにより用紙の吸入およ
び搬送を行うものであり、用紙あるいは原稿を狭持支持
する。b1,b2およびb3,b4はそれぞれ搬送ローラa1,a2を
駆動するための駆動ローラであり、搬送ローラa1,a2に
対し、それぞれ直角方向に配置され、例えば駆動モータ
d1,d2により独立した回転数および正逆の回転により、
搬送ローラa1,a2を前後左右あらゆる方向へ回転する。
検出器cは、長手方向に検知が可能でその間隔は、微少
であり一列配置の光学式検出器である。実施例として、
用紙１が点線の様に斜めに吸入されたと仮定し、aが検
出器cを通過した後、搬送ローラa1、a2により一定量の
用紙搬送を行い再度検出器cにより用紙幅lbを検出する
ことにより吸入角を算出することが可能となる。

【００１４】また、搬送ローラa2等から構成する搬送ロ
ーラ部u1は左右方向に移動が可能とすることにより用紙
幅に合わせ適正な位置での搬送が可能となる。また、図
示していないが事前に用紙幅を装置に入力し記憶させる
ことにより、吸入時に搬送ローラ部u1を自動的に適正な
位置に移動させることが可能となる。

【００１５】図２は、用紙吸入後に発生するしわの除去
動作例を示す平面図である。搬送時に発生する用紙１の
しわの検出は、吸入時に検出している用紙幅l1と搬送中
に検知される用紙幅l2との差により算出され適正な位置
まで搬送ローラa1、a2の補正動作により可能となる。

【００１６】図３は、搬送の過程において発生する用紙
１の斜行を示す平面図である。搬送時に発生する用紙斜
行の検出は、吸入時に検出した用紙幅l1と搬送中に検知
される用紙幅l2との差並びに、吸入時に通過していた検
出器cの左右端部Δa、Δbの位置とのズレ量を常時検知
し適正な位置まで搬送ローラa1、a2の補正動作により可
能となる。

【００１７】図４〜図６は、搬送ローラ部の駆動方式に
ついて説明する。

【００１８】図４は、搬送ローラa1は搬送ローラa1の接
線上に圧接状態で設置している駆動ローラb1と、駆動ロ
ーラb1と直角方向に配置され搬送ローラa1と圧接状態に
ある駆動ローラb2から駆動力を受けている。駆動ローラ
b1,b2はそれぞれに独立した例えばモータd1,d2と連結し
ており正逆の回転が可能である。しかし、上記のように
駆動ローラが搬送ローラの片側一方向の場合、駆動力の
低下搬送ローラの中心ズレなどが懸念される。また駆動
ローラを搬送ローラの対向する接線上に配置した場合、
直角方向に配置されているもう一方の駆動ローラの駆動
軸と干渉してしまう位置となる。図５は上記の問題を解
決した搬送ローラの駆動部を示す図であり、搬送ローラ
a1の対向する接線上に２本の駆動ローラ対b1,b2を設
け、それぞれはアイドルギヤe1を介しモータd1に連結さ
れ、一方の駆動ローラ対b3,b4は駆動ローラb1,b2で形成
する面とは直角方向に配置し、同様にアイドルギヤe2を
介してモータd2により駆動する。図６は本発明の搬送ロ
ーラ駆動機構部についての第二の実施例であり、球形の
搬送ローラa1は同ローラを貫通する駆動軸b5に固定され
ており、駆動軸b5はモータd1により回転力を得ている。
搬送ローラa1、駆動軸b、およびモータd1は１体のフレ
ームfに固定され、フレームfは搬送ローラa1の中心を円
心として例えばモータd2により回転する。搬送ローラa1
の回転数とフレームfの回転角は、前述した検出器の検
出した結果により算出する。

【００１９】図７は、本発明のシステム構成例を示す図
である。

【００２０】検出部101は、検出器cを含む機構部で用紙
吸入や用紙幅を検知し検出データ102にデータを送る。
送られたデータは、記憶部113に一旦記憶され演算回路1
04にて比較演算、搬送量の補正値を算出し搬送ローラ制
御部106に送る。搬送ローラ制御部106では、ローラa制
御部107とローラb制御部110にデータが分け送られ駆動
モータ制御回路108,109,111,112を経由しモータb1,b2,b
3,b4を駆動させる。

【００２１】続いて具体的な実施例について、図８〜図
１０に基づいて説明する。

【００２２】図８は、吸入部の用紙位置状態を監視、補
正する動作Ａ部（図９に詳細記載）と用紙搬送時のしわ
や斜行状態を監視、補正する動作Ｂ部（図１０に詳細記
載）により構成されている。

【００２３】図９のステップＳ１により用紙１を吸入動
作すると検出器ｃにおいてステップＳ１２の用紙が吸入
されたかチェックする。未吸入の場合には、再度、吸入
動作を実施する。用紙が検出器cで検知された場合に
は、ステップＳ１３により検出した位置をメモリに記憶
する。さらにステップＳ１４により搬送ローラa1,a2を
一定量（lb)正方向に駆動させ、ステップＳ１５の検出
器ｃにより用紙幅ならびに用紙位置を検出する。続いて
ステップＳ１６により、ステップＳ１３で記憶したデー
タとステップＳ１５で検出したデータを比較演算し用紙
の吸入角と用紙適正位置を算出する。算出したデータ
は、ステップＳ１７により搬送ローラa1,a2により適正
な位置に補正を行う。補正動作が終了したら再度検出器
ｃにより用紙幅、用紙位置を検知し適正な位置にあるか
比較演算を行い、適正な位置になるまで以上の動作を継
続する。

【００２４】図１０のステップＳ２１は、検出器ｃによ
り用紙左右端の位置Δa,Δbを検知しそのデータをステ
ップＳ２２のメモリに記憶させる。ステップＳ２３によ
り搬送ローラa1,a2を一定量正方向に駆動させステップ
Ｓ２４により再度検出器cによりΔa’、Δb’を検出す
る。ステップＳ２５はステップ２３のデータとステップ
２４のデータの比較演算を行い同値になっていない場合
には、ステップＳ２６の補正位置演算ならびにステップ
Ｓ２７補正動作を行いステップＳ２３に進む。ステップ
Ｓ２５の動作が正常終了した場合には、用紙搬送が正常
であり継続動作を行う。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る用紙搬
送機構は、搬送ローラにより用紙を搬送する装置におい
て、搬送ローラを球形にし、かつあらゆる方向に回転可
能とすることにより、自在方向への用紙移動がダイレク
トかつスムーズに可能となる。また、それぞれのローラ
を独立して回転させることにより従来技術にあるような
円柱形ローラで発生していた用紙のしわの発生を抑える
こと更にしわの解消あるいは斜行の補正など、微調整が
容易になる。一方、吸入部に検出機構を用紙幅方向に設
けることにより用紙吸入時の斜行検知や用紙搬送時の用
紙曲がりなどが常に監視可能となる。本発明は、同一の
作用を必要とする装置であれば本発明の機構を適用する
ことができ、給紙時における使用者の用紙吸入に対する
正確な給紙意識が不要となり、かつ斜め挿入を的確に検
出し瞬時に補正を行うことが可能となる。

【００２６】また、用紙搬送時に発生する用紙のしわを
無理なく解消することが可能であり、搬送中に発生する
斜行補正も容易となるため、搬送不良による用紙の無駄
が低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の実施例を示す要部上視図。

【図２】図２は搬送時のしわ解消時の動作を示す上視
図。。

【図３】図３は搬送時の斜行補正の動作を示す上視図。

【図４】図４は搬送ローラ駆動部を示す図。

【図５】図５は図４の搬送ローラ駆動部を改良したもの
の説明図。

【図６】図６は搬送ローラ駆動部の第２の実施例を示す
図。

【図７】図７は本発明の構成ブロック図を示す。

【図８】図８は本発明の制御のフローチャートを示す。

【図９】図９は本発明の制御のフローチャートを示す。

【図10】図10は本発明の制御のフローチャートを示す。

【符号の説明】

a1,a2 搬送ローラ b1,b2,b3,b4 駆動ローラ c 光学検出器 d1,d2,d3,d4 モータ e1,e2 アイドルギヤ f フレーム la 吸入量 lb,l1,l2 検出用紙幅 lc 用紙ズレ量 ld 検出幅 ∠a,∠b 用紙の角 △a,△b 用紙幅検出位置 Ｗ 用紙進行方向 １ 用紙

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】全方向への回転動作が可能な球形の搬送ロ
   ーラと、正対する位置にあり駆動ローラと同じように全
   方向に回転可能な従動ローラを保持し、用紙の吸紙、搬
   送を全方向に動作可能とすることを特徴とする用紙搬送
   装置。
2. 【請求項２】球形の駆動ローラならびに正対する位置に
   ある従動ローラが、左右方向に移動することにより、用
   紙幅に合わせた用紙搬送可能となることを特徴とする用
   紙搬送装置。
3. 【請求項３】用紙吸入部に用紙端部を検知する検出器を
   設け、常時検出した用紙端部の情報を、用紙搬送および
   補正動作に連動することを特徴とする用紙搬送装置。
4. 【請求項４】用紙吸入部に設けた用紙検出器により用紙
   角部を検知した後、搬送ローラで一定量紙送りを行い、
   再度用紙検出器により用紙幅を検知し用紙の斜行量を測
   定することを特徴とする用紙搬送装置