JPH11124184A - 生タイプロングライフ麺を保存する容器及び方法 - Google Patents

生タイプロングライフ麺を保存する容器及び方法

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JPH11124184A
JPH11124184A JP10172364A JP17236498A JPH11124184A JP H11124184 A JPH11124184 A JP H11124184A JP 10172364 A JP10172364 A JP 10172364A JP 17236498 A JP17236498 A JP 17236498A JP H11124184 A JPH11124184 A JP H11124184A
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JP
Japan
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oxygen
layer
noodles
container
absorbing
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JP10172364A
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Yoshiki Ito
芳樹 伊東
Takashi Kashiba
隆史 加柴
Ryoji Otaki
良二 大滝
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】油脂などを添加された生タイプロングライフ麺
の酸化を防止して、麺を良好な風味を保持しながら長期
間保存する容器及び方法を提供する。 【解決手段】密封容器壁面の少なくとも一部に、酸素透
過性の熱可塑性樹脂からなる酸素透過層(1)、熱可塑
性樹脂に鉄系脱酸素剤組成物を配合した酸素吸収性樹脂
組成物からなる酸素吸収層(2)、ガスバリア性材料か
らなるガスバリア層(3)からなり各層が内側からこの
順序で積層されてなる酸素吸収性多層フィルムが、酸素
透過層(1)を容器内側に配して使用されてなる包装容
器を用いて、生タイプロングライフ麺を保存する。 【効果】保存剤として通常添加される有機酸等の添加剤
の使用を無くするか又は少量にしても、品質が良好に維
持できるため、麺の風味向上に役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化による劣化を防止
して風味を良好に保持したまま、生タイプロングライフ
麺を長期保存する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】袋麺から始まった即席麺もスナック麺
(カップ麺)、生タイプ麺の開発を経て、ラーメン、う
どん、焼きそば、冷やし中華など種類も豊富となり、容
器の多様化と合わせて多種多様の商品が開発されてい
る。中でも生タイプロングライフ麺の需要は、新鮮志
向、本物志向、グルメ志向といった市場ニーズを的確に
とらえて急激な伸びを示している。小麦粉やそば粉等の
穀粉類を主原料として製麺又は成形し、蒸し又は茹でた
後、密封包装のうえ加熱殺菌したものであり、簡単な調
理操作により食用に供するものであって、常温で長期間
の保存に耐えうるものを、生タイプロングライフ麺(以
下、生タイプLL麺と略)と称する。
【0003】生タイプLL麺は、従来の乾燥即席麺と異
なり、麺が湿潤状態にあるので、従来の乾燥即席麺に比
べ食味が良いことが最大の特徴である。湿潤状態にある
麺を常温にて長期間保存しても品質を保持するために
は、麺を密封包装の上加熱殺菌処理を行う他に、麺の水
分調整、ガスバリア性包装材料の選定、有機酸、エチル
アルコール又はプロピレングリコール等の保存料の添加
などの工夫が必要となる。さらに、生タイプLL麺を即
席カップ麺に使用する場合、麺をほぐれやすく簡便に調
理可能とするため、あるいは湿潤状態にある麺の乾燥防
止のために、麺表面への油脂添加による被覆処理が行わ
れる。しかしながら、従来の包装形態では、容器内部に
存在する酸素や容器外部から透過侵入する酸素によっ
て、麺に添加した油脂分が酸化され、特に麺を密封し加
熱処理を行った場合に、油脂の酸化が急激に進行するた
め、風味低下が起こるという問題がある。さらに長期保
存のために有機酸等の保存料を添加すると、麺の風味へ
の悪影響が問題となることがある。
【0004】一方、食品、医薬品等の被包装物の包装体
内の酸素を除去し、被保存物の酸化劣化、変色、カビ、
好気性菌繁殖等の変質を防止する包装技術の一つにガス
バリア性袋内に被保存物とともに脱酸素剤を収納する方
法が広く行われている。この方法には、通常、粒状又は
粉末の脱酸素剤組成物を通気性を備えた小袋に収納した
小袋入り脱酸素剤が用いられる。しかしながら、小袋入
り脱酸素剤を即席麺に使用した場合、誤って調理するお
それがあるという問題があった。
【0005】近年、脱酸素剤を熱可塑性樹脂に分散して
なる酸素吸収層を備えた包装材料で包装容器を構成する
ことが考えられている。酸素吸収層を備えた包装材料に
よる包装方法としては、特開平7−171194のよう
に、酸素吸収層を備えた包装材料に輸液を充填した酸素
透過性容器を収納し水を共存させて保存する方法や特開
平7−39329、特開平8−133345のように容
器炊飯や窒素置換を併用しての炊飯米の保存方法が提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決するために、生タイプLL麺を
酸素吸収層を有する酸素吸収性多層フィルムからなる包
装容器に充填、密封することにより、包装容器壁面より
容器内の酸素を除去して、生タイプLL麺に添加されて
いる油脂の酸化を抑制し、さらに風味等に影響を与える
有機酸等の添加剤の使用量を少量にしても品質劣化な
く、誤調理等の懸念のない、衛生的で簡便な生タイプL
L麺の保存容器及び方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、容器壁面の少
なくとも一部に、酸素透過性の熱可塑性樹脂からなる酸
素透過層(1)、熱可塑性樹脂に鉄系脱酸素剤組成物を
配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層
(2)及びガスバリア性材料からなるガスバリア層
(3)の各層が順次積層されてなる酸素吸収性多層フィ
ルムを、酸素透過層(1)を容器内側に配してなる包装
容器を用いて、生タイプLL麺を保存する方法に関す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳しく説明
する。本発明の保存容器に用いる酸素吸収性多層フィル
ムは、酸素透過性の熱可塑性樹脂からなる酸素透過層
(1)、熱可塑性樹脂に鉄系脱酸素剤組成物を配合した
酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(2)、ガス
バリア性材料からなるガスバリア層(3)の各層が、内
側からこの順に積層されてなる酸素吸収性多層フィルム
である。
【0009】また、前記記載の酸素吸収性多層フィルム
において、酸素透過層(1)は、酸素透過性の熱可塑性
樹脂に無機物を添加した着色隠蔽層(1−2)と酸素透
過性の熱可塑性樹脂に無機物を添加しない無着色層(1
−1)からなり、着色隠蔽層(1−2)が酸素吸収層
(2)側に位置し、無着色層(1−1)が容器内側表面
に位置することが好ましい。
【0010】酸素透過層(1)に用いられる樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン等のポリオレフィン類、ポリスチレン等のポリスチレ
ン類及びこれらの変性物、EVA、EMMA、EAA、
EPA等の各種エチレン共重合体、エラストマー類等の
熱可塑性樹脂が好ましい。中でも、耐熱性及び衛生性が
高いので、ポリプロピレンが好ましく用いられる。これ
らの樹脂は単独または適宜ブレンドして用いられる。
【0011】酸素透過層(1)は包装容器とする場合、
シーラント層となり、ヒートシール性、ピール性、さら
には酸素吸収層(2)との接着性を考慮して適宜選択さ
れる。層(1)の厚みは20〜180μmの範囲で設定
され、該層の酸素透過度は100cc/m2・atm・day以
上が好ましく、200cc/m2・atm・day以上がより好
ましい。
【0012】また、層(1)に酸化チタン等の顔料等の
無機物を加えて不透明にすることにより、鉄系脱酸素剤
を配合した酸素吸収層(2)を隠蔽することができる。
層(1)中に顔料等の無機物を加えて不透明にすること
により、鉄系脱酸素剤を配合した酸素吸収層(2)を隠
蔽した場合、無機物を添加した分、熱可塑性樹脂量が低
下するため、層(1)のヒートシール性、ホットタック
性、耐衝撃性及び強度が損なわれる場合がある。
【0013】そこで、酸素透過層(1)を、酸素透過性
の熱可塑性樹脂に無機物を添加した着色隠蔽層(1−
2)と酸素透過性の熱可塑性樹脂に無機物を添加しない
無着色層(1−1)との少なくとも二層にして、着色隠
蔽層(1−2)を酸素吸収層(2)側に、無着色層(1
−1)を容器内側表面に配置することが好ましい。これ
により、酸素吸収性多層フィルムの強度、耐衝撃性及び
包装容器とした場合のヒートシール性、ホットタック性
が良好に保持される。層(1−2)を設けることによ
り、酸素吸収層中に配合された鉄粉や添加物及び鉄粉が
酸化したときの錆を隠蔽し、外観の優れた酸素吸収性多
層フィルムとなる。
【0014】着色隠蔽層(1−2)の熱可塑性樹脂中に
添加する顔料等の無機物の量は2〜50重量%が好まし
い。顔料等の無機物の添加量が少なすぎると酸素吸収層
(2)の隠蔽が十分でなく美観が低下し、添加量が多す
ぎると、層(1−2)と層(1−1)又は層(1−2)
と層(2)との接着性が低下する。また、層(1−2)
の厚みは20〜80μmとすることが好ましい。厚みが
薄すぎると酸素吸収層(2)の隠蔽が十分でなく美観が
低下し、厚すぎると層(1−2)の酸素透過性が低下し
て多層フィルムの酸素吸収性能に影響を与える。
【0015】無着色層(1−1)は、顔料等の無機物を
実質的に含まない酸素透過性の熱可塑性樹脂からなる層
である。無着色層(1−1)を容器内側表面に設けるこ
とにより、ヒートシール性、ホットタック性が向上し、
さらに、油脂や水分がヒートシール層に付着しても、夾
雑物シール性に優れているため、高速の自動充填包装が
可能となる。また、充填後、ボイル処理やレトルト処理
を行っても、シール性、耐熱性に優れるため、密封性の
優れた脱酸素包装容器となる。さらに、無着色層(1−
1)は、酸素吸収層(2)や着色隠蔽層(1−2)に添
加された鉄粉や酸化チタン等の無機物により低下した酸
素吸収性多層体の耐衝撃性、引き裂き強度、突き刺し強
度等を改善する効果がある。
【0016】無着色層(1−1)に用いられる樹脂は、
前記した酸素透過層(1)に用いられる樹脂の中から、
充填方法、加熱処理条件により適宜選択される。具体的
な例としては、被保存物の自動充填やボイル処理を行な
う場合においては、直鎖状低密度ポリエチレンや直鎖状
低密度ポリエチレンとエチレンープロピレンゴム等のエ
ラストマー類との混合物が、また、充填物をレトルト処
理及びハイレトルト処理を行う場合においては、プロピ
レンホモポリマー、エチレン−プロピレンランダム共重
合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体のポリプ
ロピレン類、エチレン−プロピレンゴム等のエラストマ
ー類及びこれらの混合物が特に好ましく用いられる。無
着色層(1−1)には、スリップ剤、帯電防止剤、酸化
防止剤等の添加物を、酸素透過性、ヒートシール性、ホ
ットタック性等を損なわない量、添加してもよい。
【0017】層(1−1)の厚みは、20〜100μm
とすることが好ましい。厚みが薄すぎると、強度、ヒー
トシール性等の機能が十分でなく、厚すぎると酸素透過
性が低下し、多層フィルムの酸素吸収性能が低下すると
いう問題がある。
【0018】酸素吸収層(2)に用いられる脱酸素剤組
成物は、鉄粉を主剤とし酸素吸収促進剤としてハロゲン
化金属を配合したものが好ましく用いられる。鉄粉とし
ては、例えば、噴霧鉄粉、海綿鉄粉、電解鉄粉、鉄研削
粉、粉砕鉄等が用いられるが、不純物としての酸素及び
珪素等の含量が少なく、金属鉄含量95重量%以上の鉄
粉が特に好ましく用いられる。また、鉄粉の粒子径は、
平均粒径1〜50μmの範囲に選ぶことが好ましい。ま
た、ハロゲン化金属としてはアルカリ金属又はアルカリ
土類金属の塩化物、臭化物又は沃化物が好ましい。本発
明では鉄粉にハロゲン化金属水溶液を混合した後乾燥し
て水分を除去して調整される、表面にハロゲン化アルキ
ル金属又はハロゲン化アルキル土類金属を被覆した鉄粉
が好適に用いられる。
【0019】酸素吸収層(2)に用いられる熱可塑性樹
脂は、前記酸素透過層(1)に用いられる各種の樹脂が
用いられ、中でもポリプロピレンが耐熱性、耐衝撃性の
点でより好ましい。酸素吸収層(2)には上記鉄系脱酸
素剤にアルカリ土類金属酸化物、活性炭、ゼオライト、
酸化チタン等各種添加剤を加えることができる。
【0020】ガスバリア層(3)としてはアルミ箔等の
金属箔、アルミ、酸化アルミ、酸化珪素等の金属又は金
属酸化物を蒸着した樹脂フィルム、MXD6等のナイロ
ン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビ
ニリデン等の樹脂及び樹脂フィルム、ポリ塩化ビニリデ
ン被覆フィルム等が好適に用いられ、ガスバリア性が損
なわれない限り必要に応じて延伸したり、他樹脂と積層
等により複合化してもよい。ガスバリア層(3)の酸素
透過度は100cc/m2・atm・day以下が好ましく、5
0cc/m2・atm・day以下がより好ましい。
【0021】また、ガスバリア層(3)の外側に熱可塑
性樹脂からなる保護層(4)を設けることが好ましい。
保護層に用いる熱可塑性樹脂の融点は、脱酸素性多層体
を用いて包装容器とした場合のヒートシール性を考慮し
て、層(1)または層(1−1)の融点より10℃以上
高いものが好ましい。このような融点差を設けることに
より、保護層側からの加熱により、層(1)または層
(1−1)におけるヒートシールを効果的に行なうこと
が可能となる。保護層の用いる樹脂として具体的には、
高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6、ナ
イロン6,6さらにポリエチレンテレフタレートおよび
これらの組合せが挙げられる
【0022】本発明における酸素吸収性多層フィルムの
積層方法は多層フィルムの層構成、各層の材料や性状に
応じて、押出ラミネーション、ドライラミネーション、
共押出等、公知の技術を用いることができる。例えば酸
素透過層(1)を基材フィルムとし、その上に酸素吸収
層(2)を押出ラミネーションし、得られたフィルムの
酸素吸収層(2)側にガスバリア層(3)をドライラミ
ネーションにより積層し、酸素透過層(1)/酸素吸収
層(2)/ガスバリア層(3)からなる酸素吸収性多層
フィルムを得ることができる。
【0023】または、無着色層(1−1)を基材フィル
ムとし、その上に着色隠蔽層(1−2)を押出ラミネー
ションし、さらに着色層(1−2)側に酸素吸収層
(2)を押出ラミネーションし、得られたフィルムの酸
素吸収層(2)側にガスバリア層(3)をドライラミネ
ーションあるいは押出ラミネーションにより積層し、無
着色層(1−1)/着色隠蔽層(1−2)/酸素吸収層
(2)/ガスバリア層(3)からなる酸素吸収性多層フ
ィルムを得ることができる。
【0024】本発明の酸素吸収性多層フィルムは、密封
容器壁面の一部又は全部に、層(1)または層(1−
1)を容器内面側に配することにより、容器内の酸素を
吸収除去して、容器内に収納した生タイプLL麺の酸素
による変質を防止できる。密封容器壁面全体に本発明の
酸素吸収性多層フィルムを使用しても良く、密封容器壁
面の一部に本発明の酸素吸収性多層フィルムを使用し他
の壁面部分に酸素吸収性の無いガスバリア材料を使用し
てもよい。具体的には、本発明の酸素吸収性多層フィル
ムを袋、容器蓋、トップフィルムなどの部材として使用
することにより包装容器に脱酸素機能が付与される。
【0025】本発明で保存される生タイプLL麺とは、
小麦粉やそば粉等の穀粉類を主原料として製麺又は成形
し、蒸し又は茹でた後、密封包装のうえ加熱殺菌したも
のであり、ラーメン、うどん、そば、そうめん、焼きそ
ば、スパゲティ、マカローニ等の即席麺用として使用さ
れる。この生タイプLL麺は、簡単な調理操作により食
用に供するものであって、麺が湿潤状態にあること及び
常温で長期間の保存に耐えうることが必須の条件になっ
ている。このため、乾燥防止用の油脂添加と品質保持用
の有機酸、エチレンアルコール、プロピレングリコール
等の添加が必要とされている。
【0026】乾燥防止の麺被覆のため、綿実油、胡麻
油、オリーブ油、椿油、パーム油、コーン油、大豆油、
なたね油、ひまわり油、やし油等の常温で液体状の植物
性油脂が通常使用されるが、これらの油脂は加熱処理時
及び保存時に酸化されて麺の風味が損なわれる。また、
麺保存の品質保持のために添加される有機酸等の添加剤
は使用量が多くなると麺の風味が損なわれるという問題
を有していた。
【0027】本発明は、酸素吸収性多層フィルムが容器
壁面の少なくとも一部に、かつ酸素透過層(1)または
無着色層(1−1)を容器内側に配して使用される脱酸
素機能を有する包装容器を用いて、生タイプLL麺を保
存する方法であり、加熱処理時や保存時の油脂の酸化劣
化を防止し、有機酸などの添加剤をなくするかまたは少
量にしても長期保存が可能になるため、上記の問題が解
決されて、風味を良好に保持したまま生タイプLL麺の
長期保存が達成される。
【0028】生タイプLL麺は加熱処理を施し保存され
る。熱処理の温度、加熱時間は、適宜条件設定できる
が、例えば、特に大腸菌群等の非耐熱性菌及び真菌が死
滅し得る条件に設定されてもよく、その他一般生菌が死
滅し得る条件が設定されてもよい。加熱処理方法として
は、セミレトルト、レトルト、ハイレトルト、Uーレト
ルト等のレトルト処理あるいはボイル処理が挙げられ
る。
【0029】
【実施例】本発明を実施例に沿ってさらに詳しく説明す
る。尚、本発明は実施例に必ずしも限定されない。 〔実施例1〕平均粒径30μmの還元鉄粉100kgを
加熱ジャケット付き真空混合乾燥機中に投入し、10m
mHgの減圧下140℃で加熱しつつ、塩化カルシウム
50重量%水溶液5kgを噴霧、乾燥した後、篩い分け
して80μmより大きな粗粒を除き、最大径80μmの
脱酸素剤組成物を得た。
【0030】次に、ベント付き45mmφ同方向回転二
軸押出機と定量フィーダーからなる押出し装置を用い
て、融点147℃、メルトフローレート23g/10分
(230℃、2.16kgf、JIS K7210)の
エチレン−プロピレンランダム共重合体と上記脱酸素剤
組成物とを重量比1:1で混練し、ストランドダイから
押し出した後、空冷、破砕してマスターバッチAを得
た。なお、その際に鉄粉の凝集物を除去することを目的
に二軸押出機のブレーカープレート部に80メッシュの
スクリーンメッシュを設置した。同様に上記押出機を用
いて、平均粒径20μmの酸化カルシウムと上記エチレ
ン−プロピレンランダム共重合体とを重量比1:1で混
練し、マスターバッチBを得た。
【0031】次いで、単軸押出機、Tダイ、冷却ロール
からなる押出装置2組を有するタンデム押出ラミネータ
ーを用い、繰り出されるエチレン−プロピレンブロック
共重合体からなる厚さ50μm、融点167℃、曲げ弾
性率910MPaの無延伸ポリプロピレンフィルム(無
着色層(1−1))の片面に、第一押出機から、酸化チ
タンを20重量%含有した融点170℃、メルトフロー
レート23g/10分(230℃、2.16kgf、J
IS K7210)、曲げ弾性率880MPa(JIS
K6758)のエチレン−プロピレンブロック共重合
体からなる着色隠蔽層(1−2)を厚さ20μmで押し
出し、さらに着色隠蔽層(1−2)の上に、第二押出機
から、前記マスターバッチAとマスターバッチBを重量
比10:1となるようにドライブレンドした厚さ30μ
mの酸素吸収層(2)を押し出し、無着色層(1−1)
/着色隠蔽層(1−2)/酸素吸収層(2)からなる多
層フィルムを得た。押し出し時製膜性は良好であった。
またこの多層フィルムの無着色層(1−1)側から外観
を観察したところ、酸素吸収層中の鉄粉と活性炭が着色
隠蔽層(1−2)により隠蔽され、白色であり外観良好
であった。
【0032】得られた多層フィルムの酸素吸収層(2)
側に、厚さ25μmのナイロン6/MXD6(ガスバリ
ア層(3))/ナイロン6からなる積層ナイロンフィル
ム(三菱化学(株)製;商品名スーパーニール)をドライ
ラミネートし、無着色層(1−1)/着色隠蔽層(1−
2)/酸素吸収層(2)/ガスバリア層(3)からなる
酸素吸収性多層フィルムを得た。
【0033】この酸素吸収性多層フィルム及び厚さ25
μmの無延伸ポリプロピレンと厚さ25μmのナイロン
6/MXD6(ガスバリア層(3))/ナイロン6から
なる積層ナイロンフィルム(三菱化学(株)製;商品名ス
ーパーニール)とを積層した透明バリアフィルムをそれ
ぞれ15×15cmに切り取り、酸素吸収性多層フィル
ムの層(1−1)側と透明バリアフィルムの無延伸ポリ
プロピレン側とを対面させて三辺をヒートシールし、片
面透明バリアフィルム、片面酸素吸収性多層フィルムか
らなる酸素吸収性多層袋を作製した。この袋に、油脂2
重量%とソルビン酸1重量%を添加した生タイプLL麺
150gを充填し、ヒートシールして密封した。
【0034】さらに、生タイプLL麺を密封した密封多
層包袋を105℃、30分間の加熱処理を行った。処理
後、袋の外観を観察し、漏れ等ヒートシール部に異常が
なく、さらに熱収縮や内面同士のブロッキング(融着)
のないことを確認した。この酸素吸収性多層フィルムか
らなる袋を常温で3ヶ月保存後に開封し、香り、味、外
観を評価した。酸素吸収性多層フィルムからなる袋に充
填された生タイプLL麺は、酸化臭等の異臭がなく、さ
らに味、外観も良好に保持されていた。
【0035】〔実施例2〕実施例1において、ソルビン
酸を添加せず油脂2重量%のみを添加した生タイプLL
麺を被保存物とした以外、実施例1と同様にし、加熱処
理後、袋の外観を観察し、漏れ等ヒートシール部に異常
がなく、さらに熱収縮や内面同士のブロッキング(融
着)のないことを確認した。この酸素吸収性多層フィル
ムからなる袋を常温で3ヶ月保存後に開封し、香り、
味、外観を評価した。酸素吸収性多層フィルムからなる
袋に充填された生タイプLL麺は、酸化臭等の異臭がな
く、さらに味、外観も良好に保持されていた。
【0036】〔比較例1〕厚さ25μmの無延伸ポリプ
ロピレンと厚さ25μmのナイロン6/MXD6/ナイ
ロン6からなる積層ナイロンフィルム(三菱化学(株)
製;商品名スーパーニール)を積層した透明バリアフィ
ルムを15×15cmに2枚切り取り、無延伸ポリプロ
ピレン側同士を対面させて三辺をヒートシールし、両面
透明バリア袋を作製し、以下実施例1と同様にし、加熱
処理後、袋の外観を観察し、漏れ等ヒートシール部に異
常がなく、さらに熱収縮や内面同士のブロッキング(融
着)のないことを確認した。この酸素吸収性多層フィル
ムからなる袋を常温で3ヶ月保存後に開封し、香り、
味、外観を評価した。両面透明バリアフィルムからなる
袋に充填された生タイプLL麺は、油脂の酸化臭が認め
られ、味、色調が低下していた。
【0037】〔実施例3〕実施例1でマスターバッチ作
製に用いたエチレン−プロピレンランダム共重合体を、
メルトフローレート9.0g/10分(190℃、2.
16kgf、JIS K6750)の低密度ポリエチレ
ンとした以外、実施例1と同様にして鉄粉を含有したマ
スターバッチC、アルカリ土類金属酸化物を含有したマ
スターバッチDを得た。
【0038】次いで、単軸押出機、Tダイ、冷却ロール
からなる押出装置2組を有するタンデム押出ラミネータ
ーを用い、繰り出される直鎖状低密度ポリエチレンから
なる厚さ30μmのフィルム(無着色層(1−1))の
片面に、第一押出機から、酸化チタンを20重量%含有
したメルトフローレート9.0g/10分(190℃、
2.16kgf、JIS K6750)の低密度ポリエ
チレンからなる着色隠蔽層(1−2)を厚さ20μmで
押し出し、さらに着色隠蔽層(1−2)の上に、第二押
出機から、前記マスターバッチCとマスターバッチDを
重量比10:1となるようにドライブレンドした厚さ3
0μmの酸素吸収層(2)を押し出し、無着色層(1−
1)/着色隠蔽層(1−2)/酸素吸収層(2)からな
る多層フィルムを得た。押し出し時製膜性は良好であっ
た。またこの多層フィルムの無着色層(1−1)側から
外観を観察したところ、酸素吸収層中の鉄粉が着色隠蔽
層(1−2)により隠蔽され、白色であり外観良好であ
った。
【0039】得られた多層フィルムの酸素吸収層(2)
側に、厚さ25μmのナイロン6/MXD6(ガスバリ
ア層(3))/ナイロン6からなる積層ナイロンフィル
ム(三菱化学(株)製;商品名スーパーニール)をドライ
ラミネートし、無着色層(1−1)/着色隠蔽層(1−
2)/酸素吸収層(2)/ガスバリア層(3)からなる
酸素吸収性多層フィルムを得た。
【0040】この酸素吸収性多層フィルムとポリエチレ
ンを積層した積層ナイロンフィルム(三菱化学(株)製;
商品名スーパーニール)からなる透明バリアフィルム
(LLDPE40μm/LDPE20μm/スーパーニ
ール25μm)をそれぞれ15×15cmに切り取り、
酸素吸収性多層フィルムの層(1−1)側と透明バリア
フィルムのLLDPE側とを対面させて三辺をヒートシ
ールし、片面透明バリアフィルム、片面酸素吸収性多層
フィルムからなる酸素吸収性多層袋を作製した。この袋
に、油脂2重量%とクエン酸1重量%を添加した生タイ
プLL麺150gを充填し、ヒートシールして密封し
た。
【0041】さらに、生タイプLL麺を密封した密封多
層包袋を90℃、30分間の加熱処理を行った。処理
後、袋の外観を観察し、漏れ等ヒートシール部に異常が
なく、さらに熱収縮や内面同士のブロッキング(融着)
のないことを確認した。この酸素吸収性多層フィルムか
らなる袋を常温で3ヶ月保存後に開封し、香り、味、外
観を評価した。酸素吸収性多層フィルムからなる袋に充
填された生タイプLL麺は、酸化臭等の異臭がなく、さ
らに味、外観も良好に保持されていた。
【0042】〔実施例4〕実施例3において、クエン酸
を除いた油脂2重量%添加した生タイプLL麺とした以
外、実施例3と同様にした。加熱処理後、袋の外観を観
察し、漏れ等ヒートシール部に異常がなく、さらに熱収
縮や内面同士のブロッキング(融着)のないことを確認
した。この酸素吸収性多層フィルムからなる袋を3ヶ月
に開封し香り、風味を評価した。酸素吸収性多層フィル
ムからなる袋に充填された生タイプは、酸化臭等の異臭
がなく、さらに風味、外観も良好に保持されていた。
【0043】〔比較例2〕ポリエチレンを積層した積層
ナイロンフィルム(三菱化学(株)製;商品名スーパーニ
ール)からなる透明ガスバリアフィルム(LLDPE4
0μm/LDPE20μm/スーパーニール25μm)
をそれぞれ15×15cmに2枚切り取り、LLDPE
側同士を三辺をヒートシールし、両面透明バリア袋を用
い、以下実施例3と同様にした。加熱処理後、袋の外観
を観察し、漏れ等ヒートシール部に異常がなく、さらに
熱収縮や内面同士のブロッキング(融着)のないことを
確認した。この酸素吸収性多層フィルムからなる袋を常
温で3ヶ月保存後に開封し、香り、味、外観を評価し
た。酸素吸収性多層フィルムからなる袋に充填された生
タイプLL麺は、油脂の酸化臭が認められ、味、色調が
低下していた。
【0044】以上の結果から明らかなように、ガスバリ
アフィルムからなる包装容器で保存した場合に品質劣化
が起こる生タイプLL麺の組成と保存条件(比較例)で
あっても、本発明の酸素吸収性多層フィルムからなる包
装容器を用いて保存することにより、生タイプLL麺を
良好な風味、色調に保持して長期間保存できる。さら
に、本発明の包装容器は、密封性、耐熱性に優れ、ボイ
ル処理、レトルト処理等の加熱処理等の加熱処理を行っ
ても、ヒートシール性等に問題がない。
【0045】
【発明の効果】本発明の包装容器に生タイプLL麺を充
填、密封すると、包装容器壁面より容器内の酸素が除去
されるため、麺中の油脂の酸化が防止され、風味、色調
が良好に保持されたまま、長期間の保存が可能になる。
更には、保存剤として通常添加される有機酸等の添加剤
の使用を無くするか又は少量にしても、品質が良好に維
持できるため、麺の風味向上に役立つ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器壁面の少なくとも一部に、酸素透過性
    の熱可塑性樹脂からなる酸素透過層(1)、熱可塑性樹
    脂に鉄系脱酸素剤組成物を配合した酸素吸収性樹脂組成
    物からなる酸素吸収層(2)及びガスバリア性材料から
    なるガスバリア層(3)の各層がこの順に積層されてな
    る酸素吸収性多層フィルムが、酸素透過層(1)を容器
    内側にして、配されてなることを特徴とする生タイプロ
    ングライフ麺の保存容器。
  2. 【請求項2】酸素透過層(1)が、酸素透過性の熱可塑
    性樹脂に無機物が添加された着色隠蔽層(1−2)と酸
    素透過性の熱可塑性樹脂に無機物が添加されていない無
    着色層(1−1)からなり、着色隠蔽層(1−2)が酸
    素吸収層(2)側に位置し、無着色層(1−1)が容器
    内面側に位置することを特徴とする請求項1記載の容
    器。
  3. 【請求項3】酸素透過層(1)及び酸素吸収層(2)に
    用いる熱可塑性樹脂がポリプロピレンであることを特徴
    とする請求項1記載の容器。
  4. 【請求項4】請求項1〜3記載の容器内に麺を収納し、
    密封することを特徴とする生タイプロングライフ麺の保
    存方法。
JP10172364A 1997-08-20 1998-06-19 生タイプロングライフ麺を保存する容器及び方法 Pending JPH11124184A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006212785A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Okamoto Ind Inc 遮光性フィルム、積層体及び容器

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JP2006212785A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Okamoto Ind Inc 遮光性フィルム、積層体及び容器

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