JPH1112213A - トリハロアリル誘導体、防腐防黴剤および農園芸用殺菌剤 - Google Patents

トリハロアリル誘導体、防腐防黴剤および農園芸用殺菌剤

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JPH1112213A
JPH1112213A JP9163916A JP16391697A JPH1112213A JP H1112213 A JPH1112213 A JP H1112213A JP 9163916 A JP9163916 A JP 9163916A JP 16391697 A JP16391697 A JP 16391697A JP H1112213 A JPH1112213 A JP H1112213A
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compound
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lower alkoxy
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Application number
JP9163916A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Sasamori
浩之 笹森
Masayuki Kusunoki
雅幸 楠
Shiro Niitsuma
史朗 新妻
Seiichi Kutsuma
誠一 久津間
Akitomo Wakabayashi
昭友 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokko Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 広範囲の細菌、酵母、黴に優れた抗菌活性を
有し哺乳類に低毒性である新規なトリハロアリル誘導体
を提供する。 【解決手段】 一般式I 〔Xは沃素または臭素、Yはa)ジアルキルスルファモ
イルオキシ基;b)フェニル環上にハロゲン、低級アル
キル基または低級アルコキシ基の1個以上の置換基を有
してもよいベンゾイルメチルオキシ基;c)アルコキシ
メチルオキシ基;d)メチルチオメチルオキシ基;e)
ジアルキルカルバモイルオキシ基;f)フェニル環上に
b)と同様の置換基を有してもよいフェニルチオ基;ま
たはg)フェニル環上にb)と同様の置換基を有しても
よいフェニルウレイド基を示す〕のトリハロアリル誘導
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広範囲の細菌、酵
母および黴に対して優れた殺菌活性を有し、低毒性であ
って環境問題に好ましい性質を有する新規なトリハロア
リル誘導体、特に1,2-ジヨード-1-モノハロアリル誘導
体に関する。また、本発明は前記の新規なトリハロアリ
ル誘導体を有効成分とする工業用の防腐防黴剤ならびに
農園芸用殺菌剤に関し、さらに該トリハロアリル誘導体
の一部のものの合成に有用な新規な中間体化合物にも関
する。
【0002】
【従来の技術】これまで、トリハロアリル誘導体として
下記の化合物などが知られている。 (1) 次式(A) で示される2,3,3-トリヨードアリルアルコールは非医療
用殺菌剤として繊維工業用、製紙工業用および木材、竹
材の防腐用など工業用殺菌剤として、あるいは農業用殺
菌剤などとして多くの用途があることは知られている
(特開昭49-1720号公報)。また木材の重要害虫である
シロアリに対する防除効力についても報告されている
(特開昭57-64602号公報)。
【0003】(2) 次の一般式(B) (式中、Rはメチル基、エチル基、n-プロピル基または
イソプロピル基を示す)で表されるアルキル 2,3,3-ト
リヨードアリルエーテルが抗菌活性を有することが特公
昭53-20006号公報に記載される。
【0004】(3) 特開昭56-15240号公報には、次の一般
式(C) (式中、Xは臭素原子または沃素原子を示し、Rはアル
カノイル基、アルコキシカルボニル基またはベンゾイル
基を示す)で表されるトリハロアリル誘導体が防黴、防
腐作用を有することが記載されている。
【0005】(4) 特開昭56-43234号公報には、次の一般
式(D) (式中、Xは臭素原子または沃素原子を示し、Rはシク
ロアルキルオキシメチル基、シクロアルキルカルボニル
基、2-フロイル基、2-テノイル基、ピリジルカルボニル
基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニ
ル基またはシクロアルキルオキシカルボニル基を示す)
で表されるトリハロアリル誘導体が防黴、防腐および殺
ダニ作用を有することが記載されている。
【0006】(5) 特開昭57-48951号公報には、次の一般
式(E) (式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を示し、Rは水
素原子、アルキル基または(置換)フェニル基を示す)
で表される化合物を有効成分とする防腐防かび剤が記載
されている。
【0007】(6) 特開昭62-3828号公報には、次の一般
式(F) (式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を示し、Rはア
ルキル基(置換)フェニル基または(置換)ベンジル基
を示しnは1または2の整数を示す)で表わされる化合
物を有効成分とする防腐防かび剤が記載されている。
【0008】(7) 特開昭47-39099号公報には、殺菌剤と
して知られる次の一般式(G) (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、
アルキル基、アシル基、アシルアミノ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基およびシアノ基から選ばれ
た置換基を示し、nは1〜3である)で表される化合物
の製造法が記載される。
【0009】(8) 特開昭57-116023号公報には、次の一
般式(H) (式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示
し、Rはハロゲン原子、低級アルキル基および低級アル
コキシ基より選ばれた1〜3個の置換基を有してもよい
フェニル基を示す)で表される化合物を有効成分とする
防腐防かび剤が記載されている。
【0010】(9) 特開昭56-40659号公報には、次の一般
式(J) (式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を示し、Rは低
級アルキル基を示すか、またはハロゲン原子また低級ア
ルキル基で置換されてもよいフェニル基を示す)で表さ
れる化合物を有効成分とする、防腐防かび剤が記載され
ている。 (10) 特開昭56-150054号公報には、次の一般式(K) (式中、Xは臭素原子を示し、Rは炭素数5以上のアル
キル基を示すか、あるいはハロゲン原子またはアルコキ
シ基を置換基として有するアルキル基またはアリール基
を示す)で表される化合物を有効成分とする防腐防かび
剤が記載されている。
【0011】しかしながら、上記の既知のトリハロアリ
ル化合物は、いずれも黴に対する殺菌活性は強いが、細
菌および酵母に対する殺菌活性は十分とはいえない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の特許
に記載の既知のトリハロアリル化合物とは、異なる化学
構造を有し、かつ黴のみならず細菌および酵母に対して
も広く優れた殺菌作用を有する新規なトリハロアリル誘
導体を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために多くのトリハロアリル化合物を合成
して種々検討を行った結果、広範囲の黴のみならず、細
菌および酵母に対しても優れた殺菌活性を有するが低毒
性である新規なトリハロアリル化合物を創製し、さらに
それの生物学的活性、等について検討を加えて本発明を
完成した。
【0014】すなわち、第1の本発明においては、次の
一般式(I) 〔式中、Xは沃素原子または臭素原子を示し、Yは
(a)ジアルキルスルファモイルオキシ基;(b)フェ
ニル環上にハロゲン原子、低級アルキル基および低級ア
ルコキシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換基を
有してもよいベンゾイルメチルオキシ基;(c)アルコ
キシメチルオキシ基;(d)メチルチオメチルオキシ
基;(e)ジアルキルカルバモイルオキシ基;(f)フ
ェニル環上にハロゲン原子、低級アルキル基および低級
アルコキシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換基
を有してもよいフェニルチオ基;または(g)フェニル
環上にハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコ
キシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換基を有し
てもよいフェニルウレイド基を示す〕で表されるトリハ
ロアリル誘導体が提供される。
【0015】前記一般式(I)において、Xは好適には
沃素原子を示す。Yは好適には(a)ジメチルスルファモ
イルオキシ基のようなジアルキルスルファモイルオキシ
基;(b)フェニル環上に置換基を有しないベンゾイル
メチルオキシ基;(c)メトキシメチルオキシ基または
エトキシメチルオキシ基のようなアルコキシメチルオキ
シ基;(d)メチルチオメチルオキシ基;(e)ジメチ
ルカルバモイルオキシ基またはジエチルカルバモイルオ
キシ基のようなジアルキルカルバモイルオキシ基、
(f)フェニル環上に置換基を有しないフェニルチオ
基;または(g)フェニルウレイド基を示す。前記一般
式(I)を有する化合物のうち、本発明の目的のために
特に有効な化合物は、Xが沃素原子、Yがメチルスルフ
ァモイルオキシ基を有する化合物である。
【0016】本発明の前記の一般式(I)を有する化合
物の代表的な例を例示すれば次表1に示すとおりであ
る。なお、化合物番号は以下の記載においても参照され
る。
【0017】
【0018】第2の本発明においては、前記の一般式
(I)で表されるトリハロアリル誘導体を有効成分とし
て含有することを特徴とする、防腐防黴剤が提供され
る。
【0019】また、第3の本発明においては、前記の一
般式(I)で表されるトリハロアリル誘導体を有効成分
として含有することを特徴とする、農園芸用殺菌剤が提
供される。
【0020】次に、第1の本発明による一般式(I)のト
リハロアリル誘導体の製造のための3つの方法を説明す
る。
【0021】(i) 一般式(I)でYがジアルキルスルファ
モイルオキシ基、置換または非置換ベンゾイルメチルオ
キシ基、アルコキシメチルオキシ基、メチルチオメチル
オキシ基またはジアルキルカルバモイルオキシ基である
場合のトリハロアリル誘導体(Ia)、例えば表1の化合物
No.1〜10の化合物は、下記の反応式Aで示される工程a
〜cからなる第1の方法で製造できる。
【0022】 但し、上記の反応式Aの中で、Xは沃素原子または臭素
原子を示し、X′はハロゲン原子を示し、Yaはジアル
キルスルファモイル基、置換または非置換ベンゾイルメ
チル基、アルコキシメチル基、メチルチオメチル基また
はジアルキルカルバモイル基を示す。
【0023】すなわち、上記の反応式Aで示される第1
の方法においては、式(II)の2-プロピン-1-オールを原
料として用いて、これに溶媒中でアルカリ2モル当量ま
たはそれ以上の存在下、1モルの沃素または臭素(X2)を
室温で作用させて式(III)の3-ヨード(または 3-ブロモ)
-2-プロピン-1-オールを生成する。このアルカリとして
は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど
の金属アルコキシド、水素化ナトリウムあるいは水酸化
カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリ金属
を用いることができる。溶媒としてはアルコールまたは
含水アルコールが好ましい。
【0024】次にエタノール、メタノールなどのアルコ
ール溶媒中で式(III)の化合物に室温で更に1モルの沃素
(I2)を作用させて式(IV)のトリハロアリルアルコールを
生成する。その後、1モルから2モル当量のアルカリの存
在下、室温から80℃で上記の式(V)の化合物(X'-Ya)をハ
ロゲン化剤として作用させて式(Ia)の本発明化合物を製
造することができる。
【0025】(ii) 一般式(I)でYが置換基を有しても
よいフェニルチオ基である場合のトリハロアリル誘導体
(Ib)、例えば表1の化合物No.11〜13の化合物は、下記
の反応式Bで示される反応工程d〜fからなる第2の方
法で製造できる。
【0026】 但し、上記の反応式Bの中で、Xは沃素原子または臭素
原子を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキ
ル基および/または低級アルコキシ基を示す。
【0027】すなわち、上記の反応式Bで示される第2
の方法においては、式(III)の 3-ハロ-2-プロピン-1-オ
ールに溶媒中でアルカリの存在下、式(VI)のパラ-トル
エンスルホニルクロライドを作用させて式(VII)のハロ
プロパルギル 4-メチルベセゼンスルホネートを生成
し、さらにこれにアルカリの存在下で式(VIII)の(置換)
チオフェノールを作用させて式(IX)の新規な 3-(置換ま
たは非置換)フェニルチオ-ハロ-1-プロピンを製造す
る。その後、式(IX)の化合物に沃素(I2)を付加して式(I
b)の本発明化合物を製造することができる。
【0028】(iii) 一般式(I)でYがフェニル環上に置
換基を有してもよいフェニルウレイド基である場合のト
リハロアリル誘導体(Ic)、例えば表1の化合物No.14〜1
6の化合物は、下記の反応式Cに示される工程a〜iか
らなる第3の方法で製造できる。
【0029】 上記の反応式Cにおいて、Xは沃素原子または臭素原子
を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基
および/または低級アルコキシ基を示す。
【0030】上記の反応式Cで示される第3の方法で
は、式(IV)のトリハロアリルアルコールにアルカリの存
在下、式(VI)のパラ-トルエンスルホニルクロライドを
作用させて、式(X)のトリハロプロペニル 1-メチルベン
ゼンスルホナートを生成する。これにアンモニアを作用
させて式(XI)のトリハロアリルアミンを製造する。更に
式(XI)の化合物に式(XII)の(置換または非置換)-フェニ
ルイソシアネートを作用させると、式(Ic)の本発明化合
物を製造できる。
【0031】なお、上記の第2の方法で中間体として得
られる式(IX)の3-(置換または非置換)フェニルチオ-1-
ハロ-1-プロピンは新規な化合物であり、式(Ib)の殺菌
性化合物の合成に有用である。
【0032】従って、第4の本発明においては、次の一
般式(IX) 〔式中、Xは沃素原子または臭素原子を示し、Rは水素
原子、あるいはハロゲン原子、低級アルキル基および低
級アルコキシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換
基を示す〕で表される3-(置換または非置換)フェニルチ
オ-1-ハロ-1-プロピン誘導体が提供される。
【0033】第4の本発明による式(IX)の新規化合物の
具体例には、下記の表2に示したものがある。
【0034】
【0035】一般式(I)の新規なトリハロアリル誘導体
を有効成分とする第2の本発明による防腐防黴剤は、特
に木質原材料、湿潤パルプ、紙、畳、繊維、皮革、接着
剤、塗料、合成樹脂等の種々の工業用原料またその他カ
ビが発育、繁殖して汚染を招くばかりでなく、基質の劣
化などを招いて品質としての価値を損なう恐れのある多
くの製品または工業材に適用できる。
【0036】ここで工業用原材料に発生するカビとして
は、ペニシリウム属、アスペルギルス属、リゾープス
属、ケトミウム属、クラドスポリウム属、フザリウム
属、オーレオバジデウム属等のカビが代表的なものであ
り、この他、トリコデルマ属、木材変色菌等の多種類に
わたるカビが知られているが、本発明の防腐防黴剤にお
いて対象になるカビ類は上記のカビに限定されるもので
はない。また、防腐の用途では、木材腐朽菌および木材
軟腐朽菌による被害を防ぐのに有用である。
【0037】従来既知のヨード系化合物は、カビに対し
ては殺菌効果が強いが、細菌および酵母に対して効果が
弱いという欠点を有していたが、一般式(I)の本発明化
合物は細菌および酵母に対しても殺菌効果が強いという
特徴を持つので、単独で使用しても防腐効果と防黴効果
の両方の効果を十分に発揮することができる。
【0038】第2の本発明による防腐防黴剤は、担体、
および必要に応じて他の補助剤と混合した組成物の形で
あり、工業用防黴防腐剤として通常用いられる製剤形
態、例えば油溶製剤、乳剤、ペースト剤、粉剤、水和
剤、エアゾール剤、塗料等に調製されて使用される。
【0039】第2の本発明の組成物における適当な担体
としては、ケロシン、リグロイン、キシレン、メチルナ
フタリン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等の液体担体または窒素ガス、ジメチルエーテル、塩
化ビニル単量体等の気体担体があげられる。また、クレ
ー、タルク、ベントナイト、カオリン、炭酸カルシウム
等の不活性な固体担体も使用できる。製剤の性状を改善
し、防腐防かび効果を高めるために適宜使用される補助
剤としては、例えば陰イオン性、陽イオン性、非イオン
性の界面活性剤やメチルセルロース、酢酸ビニル樹脂、
アルギン酸ソーダ等の種々の高分子化合物等があげられ
る。
【0040】上記組成物には、本発明の一般式(I)の
有効成分化合物は0.01〜95%、好適には0.5〜70%(重
量)の割合で含有させることができ、有効成分量は製剤
の種類、有効成分化合物の種類、毒性、適用対象、適用
方法等を考慮して適宜変更できる。
【0041】防腐防黴剤としての使用に際しては、2-(4
-チアゾリル)ベンズイミダゾール(TBZ)、1,2-ベンズイ
ソチアゾリン-3-オン、ベンジルブロモアセテート、ペ
ンタクロロフェノール、2,4,5,6-テトラクロロ-4-メチ
ルスルホニルピリジン、パラヒドロキシ安息香酸n-ブチ
ルエステル(メッキンスブチル: 商品名)、1,2-ジブロモ
-2,4-ジシアノブタン、2,4,5,6-テトラクロロイソフタ
ロニトリル、パラクロロメタキシレノール(PCMX: 商品
名)、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンおよ
び2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン等の他の防腐防か
び剤やクロルデン、パーメスリン、ホキシン等の木材防
虫剤と併用でき、それにより一層の効果向上をはかるこ
とも可能である。
【0042】更に、第3の本発明による農園芸用殺菌剤
は、一般式(I)のトリハロアリル誘導体を有効成分と
して含み、これと混和された農業殺菌剤に常用される固
体担体、例えばクレー、タルク、ベントナイト、カオリ
ン等、あるいは液体担体、例えば水、アルコール類等を
含有する組成物の形であることができる。この組成物に
は、一般式(I)の化合物は0.01〜95%、好ましくは0.5〜7
0%(重量)の割合で配合でき、慣用の剤型、例えば乳剤、
粉剤、水和剤、溶液、エアゾール剤等に製剤できる。
【0043】第3の本発明により一般式(I)のトリハロ
アリル誘導体を有効成分とする農園芸用殺菌剤は、イネ
いもち病(Pyricularia oryzae)、キュウリのべと病(Pse
udoperonospora cubensis)、トマト灰色疫病(Phytophth
ora infestans)及び他の宿主植物の病害、ブドウ褐点病
(Cladosporium cladosporioides)、イネ苗立枯れ病(Tri
choderma viride)、リンゴ斑点落葉病(Alternaria mal
i)、サツマイモつる割れ病(Fusarium oxysporum)、タマ
ネギ黒かび病(Aspergillus niger)、サツマイモ軟腐病
(Rhizopus nigricans)、イネばか苗病(Gibberella fuji
kuroi)、大麦及び小麦のうどんこ病(Erysiphe gramini
s)、キュウリのうどんこ病(Sphaerotheca flugina)、リ
ンゴうどんこ病(Podosphaera leucotricha)、ブドウう
どんこ病(Uncinula necator)及び他の宿主植物のうどん
こ病、小麦のさび病(Puccina recondita)、エンバク冠
さび病(Puccina coronate)、並びにその他の宿主植物の
さび病等の防除に有用であり、特に種子消毒剤として有
用である。
【0044】
【発明の実施の形態】次に、前記の式(IV)で示される2,
3,3-トリヨード-または3-ブロモ-2,3-ジヨードアリルア
ルコールの製造例を実施例1〜2に示す。また、一般式
(I)の本発明化合物の製造例を実施例3〜10に示す。
【0045】実施例1 2,3,3-トリヨードアリルアルコ
ールの製造 プロパルギルアルコール35gをメタノール300mlおよび28
%ナトリウムメトキシドメタノール溶液241gに溶解し
た。得られた溶液に氷冷下で沃素159gを徐々に添加し
た。添加終了後、室温で5時間攪拌した後、反応液を濃
縮して水1Lを加え酢酸エチルで抽出を行い、抽出液を水
洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留
去した。析出した結晶をエーテルで洗浄してヨードプロ
パルギルアルコールの70gを得た。
【0046】次いでこの結晶20gをメタノール100mlに溶
解してその溶液に沃素28gを徐々に加え、室温で3時間攪
拌した。得られた反応液を濃縮して水300mlを加え酢酸
エチルで抽出を行い、抽出液を水洗い、5%チオ硫酸ナト
リウムおよび飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。析出した結晶をn-
ヘキサンで洗浄して標記化合物の40gを得た。融点152〜
154℃。
【0047】実施例2 3-ブロモ-2,3-ジヨードアリル
アルコールの製造 プロパルギルアルコール5.6gを水100mlに溶解した後、
その溶液へ臭素16gおよび85%水酸化カリウム7.2gを水20
mlに溶解した溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、3時
間攪拌し、次いでその反応液に沃素25.4gおよび上記水
酸化カリウム溶液20mlを徐々に加えた後、更に室温で3
時間攪拌した。攪拌終了後、反応液に酢酸エチルを加え
て抽出を行い、抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた結晶を酢酸
エチル-n-ヘキサンより再結晶して標記化合物の22gを得
た。融点149〜151℃。
【0048】実施例3 3-ジメチルスルファモイルオキ
シ-1,1,2-トリヨード-1-プロペン(化合物No.1)の製造
(第1の方法) 実施例1で得られた2,3,3-トリヨードアリルアルコール
2.0gおよび60%水素化ナトリウム220mgを脱水テトラヒド
ロフラン20mlにとかした溶液に、氷冷攪拌下にジメチル
スルファモイルクロライド660mgを滴下し、室温で5時間
攪拌した。その反応液を氷水中に注入し、酢酸エチルで
抽出後、抽出液を水洗いし、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧下に溶媒を留去した。得られた油状物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出剤; n-ヘキサン-ト
ルエン=4:1)で精製すると標記化合物の1.5gが得られ
た。融点62〜64℃、質量分析値: m/e 543(M+)。
【0049】実施例4 3-ジメチルスルファモイルオキ
シ-1-ブロモ-1,2-ジヨード-1-プロペン(化合物No.2)の
製造(第1の方法) 実施例2で得られた3-ブロモ-2,3-ジヨードアリルアル
コール2.0g および60%水素化ナトリウム240mgを脱水テ
トラヒドロフラン20mlにとかした溶液に、氷冷攪拌下に
ジメチルスルファモイルクロライド730mgを滴下し、室
温で3時間攪拌した。得られた反応液を氷水中に注入
し、酢酸エチルで抽出後、抽出液を水洗し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた
油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出剤;
n-ヘキサン-トルエン=5:1)で精製すると標記化合物の
1.2gが得られた。油状、質量分析値; m/e 496(M+)。
【0050】実施例5 3-ベンゾイルメチルオキシ-1,
1,2-トリヨード-1-プロペン(化合物No.3)の製造(第1の
方法) 実施例1で得られた2,3,3-トリヨードアリルアルコール
2.0gおよび炭酸カリウム1.3gをN,N-ジメチルホルムアミ
ド20mlにとかした溶液に、室温でフェナシルブロマイド
920mgのN,N-ジメチルホルムアミド10ml溶液を滴下し、
室温で24時間攪拌した。得られた反応液を氷水中に注入
し、酢酸エチルで抽出後、抽出液を水洗し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた
油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
剤;トルエン)で精製すると標記化合物の1.2gが得られ
た。融点95〜98℃、質量分析値:m/e 554(M+)。
【0051】上記のフェナシルブロマイドのかわりに、
4-クロロフェナシルブロマイドおよび4-メチルフェナシ
ルブロマイドを用いることにより、それぞれ3-(4-クロ
ルベンゾイルメチルオキシ)-1,1,2-トリヨード-1-プロ
ペン(化合物No.4)[油状、質量分析値:m/e 588(M+)] お
よび3-(4-メチルベンゾイルメチルオキシ)-1,1,2-トリ
ヨード-1-プロペン(化合物No.5)[油状、質量分析値:m/
e 568(M+)] が製造された。
【0052】実施例6 3-メトキシメチルオキシ-1,1,2
-トリヨード-1-プロペン(化合物No.6)の製造(第1の方
法) 実施例1で得られた2,3,3-トリヨードアリルアルコール
1.0gおよび60%水素化ナトリウム100mgを脱水テトラヒド
ロフラン15mlにとかした溶液へ氷冷攪拌下でメトキシメ
チルクロライド220mgを滴下し、室温で1時間攪拌し
た。得られた反応液を水中に注入し、酢酸エチルで抽出
後、抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減
圧下に溶媒を留去した。得られた油状物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出剤;n-ヘキサン-アセトン
=30:1)で精製すると標記化合物の1.1gが得られた。融点
41〜42℃、質量分析値:m/e 480(M+)。
【0053】上記のメトキシメチルクロライドのかわり
に、エトキシメチルクロライドを用いることにより同様
に3-エトキシメチルオキシ-1,1,2-トリヨード-1-プロペ
ン(化合物No.7)[油状、質量分析値:m/e 494(M+)]が製造
された。
【0054】実施例7 3-メチルチオメチルオキシ-1,
1,2-トリヨード-1-プロペン(化合物No.8)の製造(第1の
方法) 実施例1で得られた2,3,3-トリヨードアリルアルコール
1.0gおよび60%水素化ナトリウム100mgを脱水テトラヒド
ロフラン15mlにとかした溶液へ氷冷攪拌下でクロロメチ
ルメチルスルフィド250mgを滴下し、室温で3時間攪拌
した。反応液を水中へ注入し、エーテルで抽出後、抽出
液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶
媒を留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出剤;n-ヘキサン-トルエン=10:1)で
精製すると標記化合物0.9gが得られた。油状、質量分析
値:m/e 496(M+)。
【0055】実施例8 3-ジエチルカルバモイルオキシ
-1,1,2-トリヨード-1-プロペン(化合物No.10)の製造(第
1の方法) 実施例1で得られた2,2,3-トリヨードアリルアルコール
1.0gおよび60%水素化ナトリウム100mgを脱水テトラヒド
ロフラン15mlにとかした溶液に、氷冷攪拌下でジエチル
カルバモイルクロライド400mgを滴下し、室温で1時間
攪拌した。反応液を氷水中へ注入し、酢酸エチルで抽出
後、水洗いし、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に
溶媒を留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶出剤;n-ヘキサン-アセトン=30:1)
で精製すると標記化合物1.1gが得られた。融点62〜63
℃、質量分析値:m/e 535(M+)。
【0056】同様に、ジエチルカルバモイルクロライド
のかわりに、ジメチルカルバモイルクロライドを用いる
ことにより3-ジメチルカルバモイルオキシ-1,1,2-トリ
ヨード-1-プロペン(化合物No.9)[油状、質量分析値:m/e
507(M+)]が製造された。
【0057】実施例9 3-フェニルチオ-1,1,2-トリヨ
ード-1-プロペン(化合物No.11)の製造(第2の方法) 実施例1の前段階で製造されたヨードプロパルギルアル
コール10gのテトラヒドロフラン20ml溶液へ、攪拌しな
がら水酸化ナトリウム3.4gの水20ml溶液を加える。上記
の冷却された混合液に、テトラヒドロフラン20ml中のパ
ラ-トルエンスルホニルクロライド10.4gの溶液を徐々に
加えた。反応混合物を5℃以下で2時間攪拌した。得ら
れた反応液を氷水中に注いで沈殿物を吸引濾過で集め、
水で洗浄した。減圧乾燥の後、白色の結晶として、式(V
II)で示される、ヨードプロパルギル 4-メチルベンゼン
スルホネートの17.2g(融点75〜78℃)を得た。
【0058】次に、上記の結晶化合物の4.0gおよび炭酸
カリウム2.0gをジメチルスルホキシド20mlにとかした溶
液に氷冷下、攪拌しながらチオフェノール1.3gを加えた
後、更に室温で3時間攪拌した。得られた反応液を氷水
中に注入し、酢酸エチルで抽出後、水洗いし、無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られ
た油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
剤;n-ヘキサン-アセトン=10:1)で精製すると式(IX)で
示される3-ヨード-2-プロピン-1-チオフェノールの2.2g
(融点47〜48℃)を結晶として得た。
【0059】更に上記結晶の1.0gをエタノール20mlに溶
解し、沃素1.0gを加えて室温で2時間攪拌した。反応液
を濃縮して水50mlを加え、トルエンで抽出を行い、水洗
いして、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を
留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出剤;n-ヘキサン-アセトン=10:1)で精製
すると標記化合物0.9gが得られた。油状、質量分析値:m
/e 528(M+)。
【0060】同様にして、上記のチオフェノールのかわ
りに、4-クロルチオフェノールおよび4-メチルチオフェ
ノールを用いることにより、それぞれに3-(4-クロルフ
ェニルチオ)-1,1,2-トリヨード-1-プロペン(化合物No.1
2)[油状、質量分析値:m/e562(M+)]および3-(4-メチルフ
ェニルチオ)-1,1,2-トリヨード-1-プロペン(化合物No.1
3)[油状、質量分析値:m/e 542(M+)]が製造された。
【0061】実施例10 3-フェニルウレイド-1,1,2-ト
リヨード-1-プロペン(化合物No.14)の製造 実施例1で製造された2,3,3-トリヨードアルコール2.8
g、テトラヒドロフラン10ml、水酸化ナトリウム0.4gお
よび水6mlの冷却混合液に、パラ-トルエンスルホニルク
ロライド1.2gを徐々に加えた。反応混合物を室温で3時
間攪拌した。得られた反応液を氷水中に注入し、酢酸エ
チルで抽出、水洗いし、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧下に留去して得られた結晶をn−ヘキサ
ンで洗浄すると式(X)で示されるトリヨードプロペニ
ル 4-メチルベンゼンスルホナートの3.6g(融点105〜106
℃)が得られた。
【0062】次いでこの結晶の2.0gのジオキサン20ml溶
液にアンモニア飽和メタノール溶液10mlを加え室温で12
時間攪拌した。その反応液から溶媒を留去し析出した結
晶をエーテルで洗浄すると式(XI)で示されるトリヨード
アリルアミンの1.2g(融点125〜127℃)が得られた。
【0063】更にこの結晶の1.0gのジオキサン20ml溶液
にフェニルイソシアネート300mgおよび触媒量のトリエ
チルアミンを加え室温で5時間攪拌した。攪拌後、反応
液から溶媒を留去し、得られた油状物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出剤;n-ヘキサン-酢酸エチル
=3:1)で精製すると標記化合物0.7gが得られた。融点144
〜146℃、質量分析値:m/e 554(M+)。
【0064】同様にして、上記のフェニルイソシアネー
トのかわりに、4-クロルフェニルイソシアネートおよび
4-メチルフェニルイソシアネートを用いることにより、
それぞれ、3-(4-クロルフェニルウレイド)-1,1,2-トリ
ヨード-1-プロペン(化合物No.15)[油状、質量分析値:m/
e 588(M+)]および3-(4-メチルフェニルウレイド)-1,1,2
-トリヨード-1-プロペン(化合物No.16)[油状、質量分析
値:m/e 568(M+)]が製造された。
【0065】次に、第2および第3の本発明の防腐防か
び剤および農園芸用殺菌剤の若干の製剤例をあげるが、
配合量、補助剤の種類等は大幅に変えうるものであるこ
とは言うまでもない。文中、単に部とあるものは全て重
量部をあらわす。
【0066】製剤例1 乳剤 化合物No.1の化合物10部をジメチルホルムアミド40部
に溶解させ、この溶液にキシレン50部およびポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル10部を加えて十分に混
合して乳剤を得た。
【0067】製剤例2 粉剤 化合物No.1の化合物 2部をアセトン10部に溶解し、こ
の溶液にクレー68部、タルク 30部を加えて均一に混合
した。その後アセトンを蒸発除去して粉剤を得た。
【0068】製剤例3 水和剤 化合物No.10の化合物40部、クレー56部、ラウリルアル
コールスルホン酸ソーダ3部およびポリビニルアルコー
ル1部を混合機中で均一に混合し、ハンマーミルで粉砕
して水和剤を得た。
【0069】製剤例4 油溶性剤 化合物No.1の化合物2部をジメチルホルムアミド2部
に溶解し、ソルベントナフサ96部を加え油剤を得た。
【0070】製剤例5 エアゾール 化合物No.1の化合物2部、香料0.5部を脱臭灯油40部に
溶解してエアゾール容器に充填した。バルブを装着した
後、液化石油ガス58部を加圧充填してエアゾールを得
た。
【0071】次に、本発明の防腐防黴剤としての効果を
試験例によって説明する。試験例1 防腐防黴活性の測定(MICの測定) 寒天培地希釈法によって本発明化合物の各種の菌に対す
る最小発育阻止濃度(MIC)(ppm単位)を測定した。培地
は、試験菌が黴、酵母の場合はバレイショデンプン200
g、グルコース20g、肉エキス5gおよび寒天20gよりなる
培地を用い、試験菌が細菌の場合は肉エキス5g、ペプト
ン10g、食塩5gおよび寒天15gよりなる培地を用いた。試
験菌が黴および酵母の場合は28℃で96時間培養し、試験
菌が細菌の場合は37℃で24時間培養した。供試化合物の
試験濃度(ppm)は100,50,25,12.5,6.3,3.2,1.6および0.8
の8段階で行った。MICの表示方法は上記の試験濃度の
培地上に試験菌を接種し、培養後に菌が生育してこなか
った最小濃度値をMIC値とした。
【0072】試験菌として、黴はアスペルギルス ニガ
ー S1(Aspergillus niger S1)[略号AnS1], アスペルギ
ルス ニガー S2(Aspergillus niger S2)[略号AnS2],
アスペルギルス テレウス(Aspergillus terreus S3)
[略号At], ペニシリウム シトリナム(Penicillium cit
rinum S5)[略号Pc], ペニシリウム フニクロサム(Peni
cillium funiculosum S6)[略号Pf], クラドスポリウム
クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioide
s S8)[略号Cc], オウレオバシディウム プルランス(Au
reobasidium pullulans S9)[略号Ap], グリオクラディ
ウム ビレンス(Gliocladium virens S10)[略号Gv], フ
ザリウム プロリフェラタム(Fusarium proliferatum S
12)[略号Fp], ミロセシウム ベルカリア(Myrotheciumve
rrucaria S13)[略号Mv]およびアルタナリア シトリ(Al
ternaria citri)[略号Ac]の10種を用いた。
【0073】また、細菌はバシルス ズブチリス(Bacil
lus subtilis ATCC 6633)[略号Bs],バシルス セレウス
(Bacillus cereus)[略号Bc], エシャリヒア コリ(Esch
erichia coli IFO 3301)[略号EC], エンテロバクター
アエロゲネス(Enterobacter aerogenes IAM 1063)[略
号Ea]、シュードモナス アエルギノサ(Pseudomonas ae
ruginosa)[略号Pa], スタフィロコッカス オーレウス
(Staphylococcus aureus IFO 12732[略号Sa]およびクレ
ブジエラ ニウモニエ(Klebsiella pneumoniae IAM 494
2)[略号Kp]の7種を用いた。さらに、酵母はカンジダ
アルビカンス(Candida albicans)[略号Ca], ロドトルラ
ミヌタ(Rodotorula minuta)[略号Rmi]、ロドトルラ
ムシラギノーサ(Rodotorulamucilaginosa[Rmu]、ロドト
ルラ テキセンシス(Rodotorula texensis)[略号Rt]お
よびサッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerev
isiae IAM 494)[略号Sc]の5種を用いた。
【0074】供試化合物として本発明の化合物No.1〜2
および10の化合物(表1参照)を試験した。比較のた
め、後記の比較化合物A、比較化合物Bおよび比較化合
物Cも同様に試験した。得られた結果は次の表3に示
す。
【0075】 なお、表3における比較化合物は下記のとおりである。
【0076】 なお、これら比較化合物は以下の試験例でも同様であ
る。
【0077】表3から明らかなように、本発明による化
合物No.1、No.2およびNo.10の化合物は、ヨードアリル
系の既存の殺菌剤である比較化合物A,BおよびCと比
較して、黴に対してはほぼ同等の抗菌効果であるが細菌
および酵母に対してはより優れた抗菌活性を示す。特に
グラム陰性細菌(例えば、Pa., Ec.など)に対して比較化
合物A,BおよびCはほとんど抗菌効果がないが、本発
明化合物は優れた抗菌活性を示す。
【0078】試験例2 防腐防かび活性の測定(培地上
の阻止円の測定) 上記の活性の試験は通常ペーパーデスク法により行っ
た。すなわち、直径8mmのペーパーデスクを、本発明の
化合物の水またはアセトン溶液(濃度1000μg/ml)に浸漬
処理した後、乾燥して使用した。用いた試験菌の略号お
よび培地は試験例1に示したとおりである。防腐防黴活
性の測定は、ペーパーデスク周辺にできた発育阻止円の
直径の計測により行った。結果を表4に示す。なお、上
記の活性を示す表示は次の基準のとおりである。 A:発育阻止円が41mm以上の直径を示す B:発育阻止円が21〜40mmの直径を示す C:発育阻止円が9〜20mmの直径を示す D:発育阻止円が認められない
【0079】
【0080】試験例3 イネいもち病防除試験 温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで土耕
栽培した水稲(品種:朝日)の第3葉期苗に、製剤例3に
準じて調製した水和剤を水で有効成分200ppm濃度に希釈
した薬液を自動散布装置を用いて1ポットあたり10ml散
布した。薬剤処理の翌日、あらかじめ、オートミール寒
天培地上で形成させたイネいもち病菌(Pyricularia ory
zae:ピリキュラリア オリゼ)の分生胞子を展着剤(ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル)の50ppm水溶液に
て胞子濃度を5×105胞子数(個)/mlに調製し、これをス
プレーガンを用いて噴霧接種した。24℃、湿度100%の接
種箱に一夜保った後、24℃の温室内に移して発病を促し
た。
【0081】接種5日後に第3葉の1葉当たりの稲いも
ち病病斑数を調査し、下記の式により防除価(%)を算
出した。本試験は3ポット制で行い、その平均防除価
(%)を求め、下記の基準により評価値に換算した。ま
た、下記の基準により稲に対する薬害を調査した。その
結果は後記の表5に示すとおりである。
【0082】なお、防除効果の評価値および薬害の調査
指数は、以下の試験例4においても同様である。
【0083】 防除効果の評価値 防 除 価(%) A 100〜95以上 B 95未満 C 80未満 D 60未満 薬害の調査指数 5:激甚 4:甚 3:多 2:若干 1:わずか 0:なし
【0084】試験例4 稲種子消毒防除試験 有効成分濃度1000ppmに調製した供試薬液に、稲馬鹿苗
病菌(Gibberellafujikuroi)汚染籾を20℃で24時間浸漬
した。薬液を軽く切り、さらに水道水に20℃で3日間浸
漬後、30℃で24時間催芽した。催芽後の籾を育苗培土に
播種し、32℃で2日間出芽させた。播種3週間後に罹病
苗率を調査し、無処理区と対比して試験例3と同じ基準
で防除効果を測定した。結果を表5に示す。なお次式に
より防除価(%)を算出した。
【0085】
【0086】試験例5 急性毒性試験 ICR系マウス(体重20.0±0.5g)に対する経口投与法によ
る本発明の化合物No.1〜2の化合物の急性毒性試験を行
なった。すなわち、下記の表6に示す試験化合物はジメ
チルスルホキシド0.05%を含有するカルボキシメチルセ
ルロース水溶液に懸濁して投与した。投与後、2週間目
のマウス生存率から50%致死濃度(LD50値)を求めた。
その試験結果を表6に示す。 [表6]
【0087】
【発明の効果】本発明による一般式(I)のトリハロア
リル誘導体は従来のヨード系化合物と比較して広い範囲
のかび、細菌および酵母に対する殺菌効果が高いが低毒
性であるという特徴を有しており、工業用防腐防黴剤お
よび農園芸用殺菌剤として幅広く使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 47/30 A01N 47/30 B C07C 49/84 C07C 49/84 D 271/12 271/12 275/28 275/28 275/30 275/30 275/34 275/34 307/02 307/02 323/05 323/05 323/09 323/09 323/12 323/12 323/20 323/20 (72)発明者 久津間 誠一 神奈川県厚木市妻田東1丁目5番9−901 (72)発明者 若林 昭友 神奈川県厚木市山際767−2

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I) 〔式中、Xは沃素原子または臭素原子を示し、Yは
    (a)ジアルキルスルファモイルオキシ基;(b)フェ
    ニル環上にハロゲン原子、低級アルキル基および低級ア
    ルコキシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換基を
    有してもよいベンゾイルメチルオキシ基;(c)アルコ
    キシメチルオキシ基;(d)メチルチオメチルオキシ
    基;(e)ジアルキルカルバモイルオキシ基;(f)フ
    ェニル環上にハロゲン原子、低級アルキル基および低級
    アルコキシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換基
    を有してもよいフェニルチオ基;または(g)フェニル
    環上にハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコ
    キシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換基を有し
    てもよいフェニルウレイド基を示す〕で表されるトリハ
    ロアリル誘導体。
  2. 【請求項2】 次の一般式(I) 〔式中、Xは沃素原子または臭素原子を示し、Yは
    (a)ジアルキルスルファモイルオキシ基;(b)フェ
    ニル環上にハロゲン原子、低級アルキル基および低級ア
    ルコキシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換基を
    有してもよいベンゾイルメチルオキシ基;(c)アルコ
    キシメチルオキシ基;(d)メチルチオメチルオキシ
    基;(e)ジアルキルカルバモイルオキシ基;(f)フ
    ェニル環上にハロゲン原子、低級アルキル基および低級
    アルコキシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換基
    を有してもよいフェニルチオ基;または(g)フェニル
    環上にハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコ
    キシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換基を有し
    てもよいフェニルウレイド基を示す〕で表されるトリハ
    ロアリル誘導体を有効成分として含有することを特徴と
    する防腐防黴剤。
  3. 【請求項3】 次の一般式(I) 〔式中、Xは沃素原子または臭素原子を示し、Yは
    (a)ジアルキルスルファモイルオキシ基;(b)フェ
    ニル環上にハロゲン原子、低級アルキル基および低級ア
    ルコキシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換基を
    有してもよいベンゾイルメチルオキシ基;(c)アルコ
    キシメチルオキシ基;(d)メチルチオメチルオキシ
    基;(e)ジアルキルカルバモイルオキシ基;(f)フ
    ェニル環上にハロゲン原子、低級アルキル基および低級
    アルコキシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換基
    を有してもよいフェニルチオ基;または(g)フェニル
    環上にハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコ
    キシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換基を有し
    てもよいフェニルウレイド基を示す〕で表されるトリハ
    ロアリル誘導体を有効成分として含有することを特徴と
    する農園芸用殺菌剤。
  4. 【請求項4】 次の一般式(IX) 〔式中、Xは沃素原子または臭素原子を示し、Rは水素
    原子、あるいはハロゲン原子、低級アルキル基および低
    級アルコキシ基から選ばれる1個またはそれ以上の置換
    基を示す〕で表される3-(置換または非置換)フェニルチ
    オ-1-ハロ-1-プロピン誘導体。
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