JPH11121812A - 熱電半導体材料およびその製造方法 - Google Patents

熱電半導体材料およびその製造方法

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JPH11121812A
JPH11121812A JP9293566A JP29356697A JPH11121812A JP H11121812 A JPH11121812 A JP H11121812A JP 9293566 A JP9293566 A JP 9293566A JP 29356697 A JP29356697 A JP 29356697A JP H11121812 A JPH11121812 A JP H11121812A
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thermoelectric semiconductor
sintered body
semiconductor material
layer
thermoelectric
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JP9293566A
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Inventor
Hitoshi Tauchi
比登志 田内
Joji Hachisuga
譲二 蜂須賀
Satoshi Hori
智 堀
Makoto Yamazaki
誠 山崎
Masayoshi Ando
雅祥 安藤
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度の優れた熱電半導体材料およびその製造
方法。 【解決手段】 熱電半導体材料の固溶体粉末の圧粉体
を、熱間押出または熱間圧延で強加工し、あるいは熱間
押出または熱間圧延をするに際して表面層を溶融凝固
し、表層部に表面強化層を形成した焼結体を得るもので
あり、さらにはセラミックスまたは低融点ガラスからな
る強化層用材料を、熱間押出または熱間圧延により、表
層部に表面強化層として形成した焼結体を得るものであ
り、従来より強度の優れた電子冷却素子あるいは熱発電
素子等の熱電半導体材料を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱電半導体材料およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子冷却装置は、板状の金属間化合物の
半導体、例えばBi−Te系の金属間化合物を用いた電
子冷却素子を2枚組み合わせたものであって、導体に電
流を通じるとペルチェ効果により、一端が発熱すると他
端が吸熱するという現象を利用したものである。また、
これらの金属間化合物の半導体は、熱発電素子としても
用いられ、導体の両端に温度差を与えると、ゼーベック
効果により、高温端と低温端の間に電圧を生じ電力を取
り出すことができる。
【0003】従来、電子冷却素子として用いられるBi
−Te系熱電材料は、Te−Te結晶面において、劈開
性を有するため機械的強度が極めて低く、電子冷却素子
として信頼性に欠けるという欠点があった。そこで、こ
の機械的強度を改善するため固溶体を粉末化しこの固溶
体粉末を一方向加圧で焼結体とすることが提案されてい
る。すなわち、特公平8−32588号公報の熱電半導
体材料およびその製造方法の発明においては、テルル化
ビスマス−セレン化ビスマス固溶体を粒径10〜200
ミクロンの範囲に微粉化し、この固溶体粉末をカーボン
ダイスを用いてホットプレス法により焼結体とするもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記提案にお
いても固溶体粉末の粒径は10〜200ミクロンが主体
であって、結晶体の粒径が大きく、機械的強度がそれほ
ど改善されていないという問題点がある。本発明は従来
の熱電半導体材料の前記のごとき問題点を解決するもの
であって、従来よりも機械的強度の優れた熱電半導体材
料およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者等は、固溶体粉末
の一方向加圧のホットプレスでは充分な機械的強度が得
られないことに鑑み、多方向から加圧の加えられる加工
方法について鋭意研究を重ねた。その結果、熱間押出法
または熱間圧延法により、焼結体表面の組織が微細化し
表面強化層が形成されることを新たに知見して本発明を
完成した。さらに、この結果を踏まえて焼結体表面に熱
電半導体よりも強度が高くかつ熱電半導体に類似した熱
電特性を有する表面強化層を形成することを着想し、従
来より機械的強度に優れた熱電半導体材料を得ることに
成功した。
【0006】本発明の請求項1の熱電半導体材料は、熱
電半導体結晶の焼結体であって、焼結体表面に内部と組
織的に異なる表面強化層を形成したことを要旨とする。
請求項2の発明は、請求項1の熱電半導体材料におい
て、前記表面強化層が、強加工により組織を微細化した
ものであることを要旨とする。請求項3の発明は、請求
項1の熱電半導体材料において、前記表面強化層が、溶
融凝固により形成したものであることを要旨とする。
【0007】請求項4の発明は、請求項2に記載の熱電
半導体材料の製造方法であって、焼結工程が熱間押出法
または熱間圧延法であり、焼結体の表面層を前記方法に
よる強加工により組織を微細化して表面強化層を形成す
ることを要旨とする。請求項5の発明は、請求項3に記
載の熱電半導体材料の製造方法であって、焼結工程が熱
間押出法または熱間圧延法であり、焼結体の表面層を溶
融凝固により表面強化層を形成することを要旨とする。
【0008】請求項6の熱電半導体材料の発明は、熱電
半導体結晶の焼結体であって、焼結体表面に前記熱電半
導体よりも強度が高くかつ前記熱電半導体に類似した熱
電特性を有する表面強化層を形成したことを要旨とす
る。請求項7の熱電半導体材料の発明は、熱電半導体結
晶の焼結対であって、焼結体表面に前記熱電半導体より
も強度が強くかつ絶縁性および断熱性を有する表面強化
層を形成したことを要旨とする。請求項8の発明は、請
求項6または請求項7の熱電半導体材料の発明におい
て、前記表面強化層はセラミックスまたは低融点ガラス
であることを要旨とする。請求項9の発明は、請求項8
に記載の熱電半導体材料であって、前記セラミックス
は、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、窒化
チタン、炭化チタンから選ばれるいずれか1種または2
種以上であることを要旨とする。請求項10の発明は、
請求項8に記載の熱電半導体材料において、前記低融点
ガラスは、鉛ガラス、硫酸鉛ガラスまたは硼珪酸鉛ガラ
スであることを特徴とする。請求項11の発明は、請求
項6〜請求項10に記載の熱電半導体材料の製造方法で
あって、前記表面強化層を熱間押出法または熱間圧延法
で形成することを要旨とする。
【0009】本発明が適用される熱電半導体材料として
は、例えばビスマス−テルル系のように、劈開面を有す
るものに特に効果的である。また、ビスマス−テルル系
であれば前記提案に示されるような3元系に限定され
ず、劈開面を有する固溶体の結晶であれば2〜4元系に
対しても効果的である。また、熱電半導体材料の固溶体
粉末の粒径に関しては特に制約はなく、前記発明のよう
に粒径を10〜200μmの間に均一にする必要はない
が、粒径は90μm以下にすることが好ましく、また粒
径が10μm以下の粉末を用いても粒界が多くなること
による熱電性能の低下はない。
【0010】請求項1〜5の発明においては、焼結体の
内部と表面強化層は組織的に異なるだけで物質的には同
じである。このことは焼結体の内部と表面のEDX線分
析で確認された。表面強化層の結晶構造については層が
薄いので確認できないが、性能が出ているのでBi2
3の結晶構造をしているものと推量される。
【0011】請求項2および4の発明において、表面強
化層は強加工により表面層の組織を微細化することで形
成されるが、強加工により焼結体の内部より表面層の方
が大きい加工による変形を受けるので焼結体を構成する
粉末がより細かく砕かれ微細化する。請求項3および5
の発明においては、強加工により結晶に転位(原子配列
の乱れ)が多数発生し、表面層が溶融・半溶融状態から
結晶化する際に核となるため、結晶粒が微細化し表面強
化層が形成される。なお、表面層を溶融するためには固
溶体粉末の組成や加工度に応じて加工温度を高めに設定
し、固溶体粉末の圧粉体表面に溶融層ができるまで金型
内に充分な時間保持したのち押出成形する必要がある。
【0012】請求項6〜11の発明において、表面強化
層を構成する物質は、熱電半導体材料とは異なる物質で
あって、少なくとも熱電半導体材料よりも強度が高く、
電流が流される場合は、前記の熱電半導体に類似した熱
電特性を有するか、熱伝導度と電気伝導度が低いことが
必要である。しかし、表面強化層に優先的に電流が流さ
れない場合は、絶縁性および断熱性を有すれば足りる。
セラミックスにはアルミナの他にジルコニア、窒化珪
素、炭化珪素、窒化チタン、炭化チタン等を用いること
ができ、低融点ガラスには鉛ガラス、硫酸鉛ガラスまた
は硼珪酸鉛ガラスを用いることができる。
【0013】表面強化層の形成方法は、請求項11に記
載した熱間押出法のほか、押出成形により作製した熱電
半導体の表面にセラミックスとバインダを混合したもの
を均一につけ焼成する、押出成形した熱電半導体の表面
に溶融した低融点ガラスを均一に着け焼成する、押出成
形した熱電半導体の表面にCVD法などにより窒化チタ
ン、炭化チタンなどを化学蒸着する、等の方法も可能で
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を比較例と対
比して説明し、本発明の効果を明らかにする。 (実施例1)本実施例は本発明の請求項1、請求項2お
よび4に対応する実施例である。先ず、本発明例とし
て、Bi2Te2.85Se0.15の組成になるように、ビス
マス、テルル、セレンの純度5Nの原材料を秤量し、石
英管に投入した。次にキャリヤ濃度を調節するため、臭
化銀を0.07wt%添加した。その後真空ポンプによ
り石英管内を1.0×10-5Torr以下の真空にし、
封管した。この石英管を900℃にて1時間加熱しなが
ら揺動させ、管内の原材料混合物を溶融攪拌した後、冷
却し合金化した。この合金をカッターミルにて粉砕し、
90μm以下の粉末に分級した。このようにして作製し
た熱電半導体材料の粉末を、直径20mm×高さ20m
mの円柱状の圧粉体に成形した。
【0015】図1はこの圧粉体を熱間押出する押出装置
10であって、ダイス12の中心には上面から圧粉体を
収容する円柱状のコンテナ14が設けられ、ダイス12
の下面からは円柱状の押出穴16がコンテナ14と軸線
が一致するように設けられ、コンテナ14の下端と押出
穴16の上端は円錐状の縮径部18を介して連通してい
る。コンテナ14に挿入した圧粉体20はパンチ22に
より押出穴16から押出材26として押し出される。ま
た、ダイス12はヒータ24により加熱される。
【0016】本発明例では圧粉体に強加工を施すため、
コンテナ14の径が20mmで押出穴16の径が1mm
であるダイス12を用い、ダイス12をヒータ24によ
り430℃に加熱し、圧粉体20をコンテナ14に挿入
するとすぐに、押出速度4mm/sec、押出圧力20
0kg/mm2 にて熱間押出をして焼結体を作製した。
【0017】上記の発明例と比較するため、比較例とし
て上記と同様にして作製した熱電半導体材料の粉末を用
い、直径10mm×高さ20mmの円柱状の圧粉体に成
形した。コンテナ14の径が10mmで押出穴16の径
が2mmであるダイス12を用い、ダイス12をヒータ
24により430℃に加熱し、圧粉体20をコンテナ1
4に挿入するとすぐに、押出速度4mm/sec、押出
圧力200kg/mm2 にて熱間押出をして焼結体を作
製した。
【0018】次に本発明例および比較例の焼結体から1
2mmの長さのサンプルを切り出し、それぞれのサンプ
ルについて圧縮強度、ゼーベック係数および電気伝導度
を測定した。なお、圧縮強度は3点曲げ強度を測定し、
ゼーベック係数αは温度差ΔT40℃をつけたときの電
位差ΔVを測定しα=ΔV/ΔTにより算出し、電気伝
導度σは直流四端子法にて測定した。得られた結果は作
製条件と共に表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】表1に示したように、表面強化層を形成し
た本発明例は、比較例と比較し、ゼーベック係数は同等
であり、電気伝導度は比較例の930(1/Ω cm)に対し
900(1/Ω cm)とやや低下したものの、圧縮強度は比
較例が20(kg/mm2)であるのに対し35(kg/mm2)であっ
て著しい強度の向上が達成された。また、図2は発明例
の焼結体の結晶組織を表す50倍の顕微鏡組織写真であ
り、図3は発明例の焼結体の表層部の結晶組織を表す4
00倍の顕微鏡写真であり、図4は発明例の焼結体の内
部の結晶組織を表す400倍の顕微鏡写真であるが、い
ずれも表層部が内部よりも微細な表面強化層が形成され
ているのが観察された。
【0021】(実施例2)本実施例は本発明の請求項
1、請求項2および4に対応する実施例である。先ず、
本発明例として、Bi2Te2.85Se0.15の組成になる
ように、ビスマス、テルル、セレンの純度5Nの原材料
を秤量し、石英管に投入した。次にキャリヤ濃度を調節
するため、臭化銀を0.07wt%添加した。その後真
空ポンプにより石英管内を1.0×10-5Torr以下
の真空にし、封管した。この石英管を900℃にて1時
間加熱しながら揺動させ、管内の原材料混合物を溶融攪
拌した後、冷却し合金化した。この合金をカッターミル
にて粉砕し、90μm以下の粉末に分級した。このよう
にして作製した熱電半導体材料の粉末を、直径20mm
×高さ20mmの円柱状の圧粉体に成形した。
【0022】本発明例では圧粉体の表面層を溶融するた
め、図1に示すコンテナ14の径が20mm、押出穴1
6の径が2mmであるダイス12を用い、ダイス12を
ヒータ24により430℃に加熱し、圧粉体20をコン
テナ14に挿入した後1時間保持し、表面層を溶融し
た。次いで、圧粉体を押出速度4mm/sec、押出圧
力170kg/mm2 にて熱間押出をして焼結体を作製
した。押し出された焼結体の表面は外気に触れて直ちに
凝固した。
【0023】上記の発明例と比較するため、比較例とし
て上記と同様にして作製した熱電半導体材料の粉末を用
い、直径20mm×高さ20mmの円柱状の圧粉体に成
形した。コンテナ14の径が20mm、押出穴16の径
が2mmであるダイス12を用い、ダイス12をヒータ
24により410℃に加熱し、圧粉体20をコンテナ1
4に挿入するとすぐに、押出速度4mm/sec、押出
圧力200kg/mm2 にて熱間押出をして焼結体を作
製した。
【0024】次に本発明例および比較例の焼結体から1
2mmの長さのサンプルを切り出し、それぞれのサンプ
ルについて圧縮強度、ゼーベック係数および電気伝導度
を測定した。なお、圧縮強度は3点曲げ強度を測定し、
ゼーベック係数αは温度差ΔT40℃をつけたときの電
位差ΔVを測定しα=ΔV/ΔTにより算出し、電気伝
導度σは直流四端子法にて測定した。得られた結果は作
製条件と共に表2に示した。
【0025】
【表2】
【0026】表2に示したように、表面強化層を形成し
た本発明例は、比較例と比較し、ゼーベック係数は同等
であり、電気伝導度は比較例の930(1/Ω cm)に対し
990(1/Ω cm)と向上し、圧縮強度は比較例が20(kg
/mm2)であるのに対し35(kg/mm2)であって著しい強度
の向上が達成された。また、図5は発明例の焼結体の結
晶組織を示す50倍の顕微鏡組織写真であり、図6は比
較例の焼結体の結晶組織を示す50倍の顕微鏡写真であ
るが、図6の比較例では表層部も内部も組織が粗かった
のに対し、図5の本発明例では、表層部には溶融凝固に
より、表面強化層が形成されているのが観察された。
【0027】(実施例3)本実施例は本発明の請求6〜
8および10に対応する実施例である。先ず、本発明例
として、Bi2Te2.85Se0.15の組成になるように、
ビスマス、テルル、セレンの純度5Nの原材料を秤量
し、石英管に投入した。次にキャリヤ濃度を調節するた
め、臭化銀を0.07wt%添加した。その後真空ポン
プにより石英管内を1.0×10-5Torr以下の真空
にし、封管した。この石英管を900℃にて1時間加熱
しながら揺動させ、管内の原材料混合物を溶融攪拌した
後、冷却し合金化した。この合金をカッターミルにて粉
砕し、90μm以下の粉末に分級した。このようにして
作製した熱電半導体材料の粉末を、直径12mm×高さ
20mmの円柱状の圧粉体に成形した。
【0028】本発明例では圧粉体の表面にセラミックス
からなる表面強化層を形成するため、図示しない内径1
5mmの円柱状の空間を有する治具の中心に挿入し、予
め用意したアルミナ(Al23)にバインダとしてガラ
ス系のリチウムシリケートを混合した表面強化用粉末
を、圧粉体の周辺部に厚みが均一になるように充填し、
再度円柱状の圧粉体を成形した。次いで、図1に示すコ
ンテナ14の径が20mm押出穴16の径が2mmであ
るダイス12を用い、ダイス12をヒータ24により4
50℃に加熱し、圧粉体20をコンテナ14に挿入した
後すぐに、圧粉体を押出速度4mm/sec、押出圧力
170kg/mm2 にて熱間押出をして焼結体を作製し
た。
【0029】上記の発明例と比較するため、比較例とし
て上記と同様にして作製した熱電半導体材料の粉末を用
い、直径20mm×高さ20mmの円柱状の圧粉体に成
形した。コンテナ14の径が20mm押出穴16の径が
2mmであるダイス12を用い、ダイス12をヒータ2
4により410℃に加熱し、圧粉体20をコンテナ14
に挿入するとすぐに、押出速度4mm/sec、押出圧
力200kg/mm2にて熱間押出をして焼結体を作製
した。
【0030】次に本発明例および比較例の焼結体から1
2mmの長さのサンプルを切り出し、それぞれのサンプ
ルについて圧縮強度、ゼーベック係数および電気伝導度
を測定した。なお、圧縮強度は3点曲げ強度を測定し、
ゼーベック係数αは温度差ΔT40℃をつけたときの電
位差ΔVを測定しα=ΔV/ΔTにより算出し、電気伝
導度σは直流四端子法にて測定した。得られた結果は作
製条件と共に表3に示した。
【0031】
【表3】
【0032】表3に示したように、表面強化層を形成し
た本発明例は、比較例と比較し、ゼーベック係数は−1
90であって比較例の−210に対しやや劣化したもの
の、電気伝導度は比較例の930(1/Ω cm)に対し10
00(1/Ω cm)と向上し、圧縮強度は比較例が20(kg/m
m2)であるのに対し35(kg/mm2)であって、著しい強度
の向上が達成された。また、図7は発明例の焼結体の結
晶組織を表す50倍の顕微鏡組織写真であり、図8は発
明例の焼結体の表層部の結晶組織を表す400倍の顕微
鏡写真であり、図9は発明例の焼結体の内部の結晶組織
を表す400倍の顕微鏡写真であるが、表層部にアルミ
ナからなる表面強化層が形成されているのが観察され
た。
【0033】
【発明の効果】本発明の熱電半導体材料およびその製造
方法は、熱電半導体材料の固溶体粉末の圧粉体を、熱間
押出または熱間圧延で強加工し、あるいは熱間押出また
は熱間圧延をするに際して表面層を溶融凝固し、表層部
に表面強化層を形成した焼結体を得るものであり、さら
にはセラミックスまたは低融点ガラスからなる強化層用
材料を圧粉体の表面に形成した後、熱間押出または熱間
圧延により、表層部に表面強化層を形成した焼結体を得
るものであり、従来より強度の優れた電子冷却素子ある
いは熱発電素子等の熱電半導体材料を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた熱間押出装置の断面図
である。
【図2】請求項1、2および4に対応する発明例の焼結
体の結晶組織を表す50倍の顕微鏡組織写真である。
【図3】請求項1、2および4に対応する発明例の焼結
体の表層部の結晶組織を表す400倍の顕微鏡写真であ
る。
【図4】請求項1、2および4に対応する発明例の焼結
体の内部の結晶組織を表す400倍の顕微鏡写真であ
る。
【図5】請求項1、3および5に対応する発明例の焼結
体の結晶組織を示す50倍の顕微鏡組織写真である。
【図6】比較例の焼結体の結晶組織を示す50倍の顕微
鏡写真である。
【図7】請求項6〜9および11に対応する発明例の焼
結体の結晶組織を表す50倍の顕微鏡組織写真である。
【図8】請求項6〜9および11に対応する発明例の焼
結体の表層部の結晶組織を表す400倍の顕微鏡写真で
ある。
【図9】請求項6〜9および11に対応する発明例の焼
結体の内部の結晶組織を表す400倍の顕微鏡写真であ
る。
【符号の説明】
10・・・・・押出装置 12・・・・・ダイス 14・・・・・コンテナ 16・・・・・押出穴 18・・・・・縮径部 20・・・・・圧粉体 22・・・・・パンチ 24・・・・・ヒータ 26・・・・・押出材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 誠 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 安藤 雅祥 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電半導体結晶の焼結体であって、焼結
    体表面に内部と組織的に異なる表面強化層を形成したこ
    とを特徴とする熱電半導体材料。
  2. 【請求項2】 前記表面強化層が、強加工により組織を
    微細化したものであることを特徴とする請求項1に記載
    の熱電半導体材料。
  3. 【請求項3】 前記表面強化層が、溶融凝固により形成
    したものであることを特徴とする請求項1に記載の熱電
    半導体材料。
  4. 【請求項4】 焼結工程が熱間押出法または熱間圧延法
    であり、焼結体の表面層を前記方法による強加工により
    組織を微細化して表面強化層を形成することを特徴とす
    る請求項2に記載の熱電半導体材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 焼結工程が熱間押出法または熱間圧延法
    であり、焼結体の表面層を溶融凝固により表面強化層を
    形成することを特徴とする請求項3に記載の熱電半導体
    材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱電半導体結晶の焼結体であって、焼結
    体表面に前記熱電半導体よりも強度が高くかつ前記熱電
    半導体に類似した熱電特性を有する表面強化層を形成し
    たことを特徴とする熱電半導体材料。
  7. 【請求項7】 熱電半導体結晶の焼結対であって、焼結
    体表面に前記熱電半導体よりも強度が強くかつ絶縁性お
    よび断熱性を有する表面強化層を形成したことを特徴と
    する熱電半導体材料。
  8. 【請求項8】 前記表面強化層はセラミックスまたは低
    融点ガラスであることを特徴とする請求項6または請求
    項7に記載の熱電半導体材料。
  9. 【請求項9】 前記セラミックスは、アルミナ、ジルコ
    ニア、窒化珪素、炭化珪素、窒化チタン、炭化チタンか
    ら選ばれるいずれか1種または2種以上であることを特
    徴とする請求項8に記載の熱電半導体材料。
  10. 【請求項10】 前記低融点ガラスは、鉛ガラス、硫酸
    鉛ガラスまたは硼珪酸鉛ガラスであることを特徴とする
    請求項8に記載の熱電半導体材料。
  11. 【請求項11】 前記表面強化層を熱間押出法または熱
    間圧延法で形成することを特徴とする請求項6乃至請求
    項10のいずれかに記載の熱電半導体材料の製造方法。
JP9293566A 1997-10-09 1997-10-09 熱電半導体材料およびその製造方法 Pending JPH11121812A (ja)

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JP2015015366A (ja) * 2013-07-05 2015-01-22 アイシン精機株式会社 熱電変換素子の製造方法

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