JPH11121487A - 半導体素子の樹脂封止装置 - Google Patents

半導体素子の樹脂封止装置

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JPH11121487A
JPH11121487A JP29618797A JP29618797A JPH11121487A JP H11121487 A JPH11121487 A JP H11121487A JP 29618797 A JP29618797 A JP 29618797A JP 29618797 A JP29618797 A JP 29618797A JP H11121487 A JPH11121487 A JP H11121487A
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JP
Japan
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resin
mold
cavity
plunger
pressure
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JP29618797A
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English (en)
Inventor
Masataka Sakiura
正隆 崎浦
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】装置構成を複雑化せずに製品の歩留まり及び信
頼性が向上する樹脂封止装置を提供する。 【解決手段】上流側のダミーキャビティ26に設けられ
たチャンバ28内を気密に摺動するプランジャ30を設
置した複数のスルーゲート方式の金型10と金型10内
部下流側に形成されるエアーベント18を閉鎖するため
の補助シリンダ部40とメインランナ33とを備えたモ
ールド装置1において,半導体素子34のモールド成形
時に,型締めとともにその余剰圧力で作動する補助シリ
ンダ部40により密閉された金型10内部を,プランジ
ャ30による相対的な容積拡大で減圧し,メインランナ
33から供給される樹脂が高気密に充填される状態にす
ることで,ボイド及び未充填の発生を抑えて歩留まり及
び信頼性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,半導体素子の樹脂
封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,半導体素子の樹脂封止工程におい
ては,所定形状の金型に溶融樹脂を注入し,熱硬化させ
る方法が一般に採用されている。しかしながら,実際の
プロセスにおいて,樹脂封止された製品には,例えば,
型合わせ精度の限界や型締め時の構造的限界などに起因
してフレーム表面にフラッシュ(樹脂バリ)などが生じ
ることがあり,あるいは,半導体素子に形成されるゲー
ト形状などに起因するボイドや未充填部分などの不良が
生じることがあった。したがって,樹脂封止工程の設計
の際には,上記のような不良が生じないように金型の構
造や樹脂の流動部の形状などを慎重に検討する必要があ
った。
【0003】しかしながら,実際のプロセスでは,金型
や樹脂流動部の形状をいくら改良しても樹脂封止された
製品に生じる上記不良を十分に抑制することは難しかっ
た。したがって,樹脂封止工程後に別工程,例えばバリ
取り工程などが必要であり,工程数増加によるコスト増
は避けられなかった。
【0004】そこで,かかる問題点を解決するために,
各種方法及び装置が提案されている。例えば特開平5−
326596号公報においては,金型のエアベント近傍
にダミーキャビティを設け,そのダミーキャビティにボ
イドなどの不良を集中させることにより,不良製品の発
生を防止する方法が開示されている。しかしながら,い
くらダミーキャビティを設けても,実際のプロセスで
は,全ての不良をそのダミーキャビティに集中させるこ
とは困難であり,不良製品の発生を十分に抑制すること
ができなかった。
【0005】また,特開平7−164473号公報や特
開平8−64623号公報には,型締め状態の金型内を
排気機構,例えば真空ポンプを用いて排気減圧すること
により,樹脂を効果的に金型内部に引き込む手段が開示
されている。これらの方法では,いずれも別途に構成さ
れた真空ポンプなどの排気機構を設置せねば成らず,装
置構造が複雑化及び大型化し,装置のイニシャルコスト
の増加を回避できなかった。また,金型の動作と排気機
構とを同期させて制御することも難しく,制御系も複雑
とならざるを得ないという問題点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,従来の半導
体素子の樹脂封止方法が有する上記問題点に鑑みて成さ
れたものであり,別途排気機構を設けなくても,金型内
部を高気密状態で所望の減圧雰囲気に維持することによ
り,効果的に樹脂注入を行うことが可能であり,従っ
て,ボイドなどの不良の発生を効果的に防止することに
より,製品の歩留まりを上昇させることが可能であると
ともに,製品の信頼性をも向上させることが可能な,新
規かつ改良された半導体素子の樹脂封止装置を提供する
ことを目的としている。
【0007】さらに本発明の別の目的は,大型パッケー
ジ工程やスルーゲート方式の工程にも対応可能であり,
従来の工程にも僅かの設計変更により適用することが可
能であり,しかもイニシャルコストも非常に廉価に抑え
ることが可能な,新規かつ改良された半導体素子の樹脂
封止装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,請求項1に記載の発明は,一対の金型を型締めする
ことにより形成される少なくとも1つのキャビティと,
キャビティに連通する樹脂供給系及びエアベントとを備
えた樹脂封止装置において,樹脂供給系及びエアベント
を密閉することにより形成されるキャビティを含む密閉
空間の容積を相対的に拡大する容積拡大装置を設けたこ
とを特徴としている。
【0009】かかる構成によれば,容積拡大装置によ
り,キャビティを含む密閉空間の容積を拡大することに
より,キャビティ内を減圧雰囲気に保持できるので,気
泡や未充填などの不良の少ない製品を製造でき,歩留ま
りを向上させることができる。また,キャビティ内の減
圧を行う際に,エアベントなどに真空引き機構などを接
続する必要がないので,装置構成が簡略化される。
【0010】容積拡大装置は,例えば,請求項2に記載
のように,密閉空間に連通するチャンバと,チャンバ内
を気密に摺動するプランジャとから構成することが可能
であり,かかる構成によれば,従来の装置のように別途
真空引き機構などを設けずとも,プランジャの摺動によ
り簡単にキャビティ内を減圧することが可能である。
【0011】さらに,容積拡大装置を,請求項3に記載
のように,ダミーキャビティに設ければ,ボイドなどの
不良をダミーキャビティに追い込むことが可能であり,
製品の歩留まりを向上させることができる。
【0012】また,請求項4に記載のように,樹脂供給
系がメインランナとメインランナから分岐する複数のス
ルーゲートとを備えているような場合には,容積拡大装
置をメインランナ近傍のスルーゲートに設ければ,樹脂
のスルーゲートの流れ込みが促進され,特に,各スルー
ゲートごとに多くのキャビティが形成されている場合
に,歩留まりを顕著に向上させることができる。
【0013】あるいは,請求項5に記載のように,容積
拡大装置をエアベント近傍に設ければ,メインランナか
ら最も遠い位置で減圧動作が行われるので,樹脂の流れ
性をさらに一層向上させ,樹脂を末端にあるキャビティ
にまで均一に行き渡らせることが可能である。
【0014】さらに,請求項6に記載のように,樹脂供
給系がメインランナとメインランナから分岐する複数の
スルーゲートとを備えている場合には,容積拡大装置を
二以上のスルーゲートを連通するように形成された空間
に設けることも可能である。かかる構成によれば,大型
のパッケージにも対応可能であり,また各スルーゲート
の樹脂の流れを平均化することが可能となり,より安定
した処理が可能となる。
【0015】また,請求項7に記載のように,樹脂供給
系がメインランナとメインランナから分岐する複数のス
ルーゲートとを備えている場合には,容積拡大装置を隣
接するスルーゲート間に設けることが可能である。かか
る構成によれば,個々の製品ごとに型内部を減圧する構
成を簡単に構成でき,また,大量の製品をバッチ処理す
る場合であっても,各スルーゲートの樹脂流れを平均化
することができ,より安定した処理が可能となる。
【0016】さらにまた,請求項8に記載のように,容
積拡大装置をキャビティと連通路を介して連通する容積
拡大用チャンバと,チャンバ内の容積を相対的に拡大可
能な減圧プレートとから構成し,その連通路をキャビテ
ィ内を昇降動作可能なエジェクタにより密閉可能なよう
に構成すれば,エジェクタピンと金型の一部改良だけで
より高い減圧効果を期待でき,さらに一層不良の発生を
抑えることができる。
【0017】あるいは,請求項9に記載のように,容積
拡大装置をキャビティ内に突出可能な減圧プレートから
構成し,その減圧プレートをキャビティ内を昇降動作可
能なエジェクタに対して気密に相対移動可能にし,さら
にその減圧プレートが所定位置に移動されてキャビティ
の一部をなすように構成すれば,減圧プレートを備える
一方の金型,例えば下型の移動により型内部をより効果
的に減圧することが可能となるため,大型のパッケージ
を樹脂封止する場合でも,特段の排気機構を設けずと
も,金型及びエジェクタの一部改良だけで,効果的に不
良の発生を抑えることができる。
【0018】なお,請求項10に記載のように,樹脂供
給系に樹脂タブレットを収納するタブレット収容部とタ
ブレット収容部を密閉するプランジャとタブレット収容
部内を加熱可能な加熱装置,例えば高周波発振器とから
構成すれば,減圧作業中に樹脂タブレットの予備加熱が
可能となり,スループットを向上させることが可能とな
る。
【0019】また,請求項11に記載のように,樹脂供
給系に樹脂タブレットを収納可能なタブレット収容部と
タブレット収容部を密閉するプランジャを設け,さらに
容積拡大装置にタブレット収容部が内設されてキャビテ
ィ内に突出可能な減圧プランジャを設け,その減圧プラ
ンジャは所定位置に移動されてキャビティの一部を成す
ように構成すれば,樹脂供給系と容積拡大装置を一体的
に構成できるので,一製品一タブレットのマルチモール
ド製品のような場合であっても,別途真空引き機構を設
けずとも,金型に減圧プランジャを追加するようなマイ
ナーチェンジで十分な減圧を効果を期待でき,製品の品
質を向上させることができる。
【0020】本発明によれば,容積拡大装置により減圧
処理を施す前に,密閉空間を形成する必要があるが,請
求項12に記載のように,金型の型締め圧力が所定圧力
を超えるとエアベントを密閉するように動作する補助シ
リンダを設ければ,型締めと同時にエアベントを密閉し
て密閉空間を短時間に効果的に形成することが可能であ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に,添付図面を参照しなが
ら,本発明にかかる半導体素子の樹脂封止装置(以下,
「モールド装置」という。)の好適な実施の形態につい
て詳細に説明する。なお,以下の説明において,略同一
の機能及び構成を有する構成要素については,同一符号
を付することにより,重複説明を省略する。なお,第1
〜4の実施の形態では,多数取りのモールド装置を例に
挙げて説明する。また,第5以降の実施の形態では,少
数取りのモールド装置を例に挙げて説明する。
【0022】(第1の実施の形態)まず,本発明の第1
の実施の形態にかかるトランスファモールド型のモール
ド装置1の構成について,図1〜4を参照して詳細に説
明する。なお,図1は第1の実施の形態にかかるモール
ド装置1の概略構成を示す断面図であり,図2は第1の
実施の形態にかかるモールド装置1の減圧工程の動作説
明図であり,図3は第1の実施形態にかかるモールド装
置1により製造された成形品8の外形を示す断面図であ
り,図4は第1の実施形態にかかるモールド装置1の概
略構成を示す平面図である。
【0023】モールド装置1は,各製品の内部を貫通し
て樹脂を流す方式(以下,「スルーゲート方式」とい
う。)を採用した金型10を備えている。金型10は,
図1に示すように,上型10aと下型10bとから構成
される。また,金型10においては,上型10aと下型
10bとを型締めすることにより,ランナ14を介して
列を成すように順次接続された複数のキャビティ(以
下,「モールドキャビティ」と称する。)16を含む密
閉空間が形成される。なお,一連のモールドキャビティ
16の最下流側には空気逃し用のエアベント18が設け
られている。エアベント18は,金型10の型締めもで
きる後述するエアーベント閉鎖機構20(図4)によっ
て,閉鎖することが可能である。
【0024】また,上型10aには,不図示のポットか
らメインランナ22(図4)を介して供給された樹脂の
注入口であるゲート24が設けられており,本実施の形
態においては,上記モールドキャビティ16の上流側の
ゲート24近傍にダミーキャビティ26が形成されてい
る。このダミーキャビティ26は,後述するように上型
10aと下型10bとを型締めした際に形成される密閉
空間(以下,「金型10内部」という。)の容積を相対
的に拡大する容積拡大装置として機能するものである。
そのために,ダミーキャビティ26の一部にはシリンダ
状のチャンバ28が形成されており,そのチャンバ28
内には減圧プランジャ30が気密に嵌挿されている。従
って,図2に示すように,減圧プランジャ30を引き出
すことにより,金型10内部の容積を相対的に拡大し,
金型10内部の圧力を減圧することが可能である。
【0025】次に,図2を参照しながら,上記のように
構成されたモールド装置1の動作について説明すると,
まず,金型10のダミーキャビティ26部分にはダミー
製品36(図3)用のリードフレーム32aを設置し,
各モールドキャビティ16には半導体素子34の載置さ
れたリードフレーム32をそれぞれ配置する。さらに,
エアーベント閉鎖機構20(図4)によって,型締めを
行うとともにエアーベント18を閉鎖すれば,金型10
内部が密閉される。
【0026】かかる状態で減圧プランジャ30を減圧方
向(矢印Aの方向)に作動させると,密閉した状態で金
型10内部全体の容積が拡大するため,金型10内部の
圧力を外気の圧力よりも低下させることができる。次
に,メインランナ22からゲート24を介して樹脂を金
型10内部に導入すると,減圧雰囲気の金型10内部に
流動性の向上した樹脂が図4の矢印方向に流れて各モー
ルドキャビティ16内に充填される。さらに,金型10
に充填された樹脂を,熱源(図示せず。)によって熱処
理すると,図3に示すように,減圧プランジャ30が摺
動するダミーキャビティ26に相当する部分に突起を有
するダミー製品36を付属した一連の成形品8が得られ
る。
【0027】以上説明したように,本実施の形態にかか
るモールド装置1においては,減圧プランジャ30によ
り密閉空間を形成する金型10内部の容積を相対的に拡
大することにより,金型10外部の圧力よりも金型10
内部の圧力の方を相対的に低くすることが可能なので,
金型10内部における気泡の発生及び未充填を抑制する
ことができる。また,外気圧により金型10外部への樹
脂流出が起き難くなり,フラッシュを低下させることが
できるので,バリ取り工程をしなくても外観不良の少な
い製品を形成することが可能である。
【0028】さらに,本実施の形態においては,減圧プ
ランジャ30が設置されるダミーキャビティ26を各ゲ
ート24に最も近い位置に配置するので,連続充填する
製品が多い場合であっても,メインランナ22からの樹
脂の分岐が確実に行われ,樹脂の高気密充填を安定して
行うことが可能である。すなわち,本実施の形態にかか
るモールド装置1では,排気機構を内設又は外設せずに
減圧プランジャ30を配しただけの簡単な装置によっ
て,総合的な歩留まりの向上を実現することができる。
【0029】次に,図5〜図10を参照しながら,上記
モールド装置1に適用可能なエアーベント閉鎖機構20
の構成及び動作について説明する。このエアーベント閉
鎖機構20は,図5に示すように,型締めシリンダ4
0,エアーベント18との密閉動作を行う補助シリンダ
部42,型締め用油圧系44,補助シリンダ部駆動用油
圧系46,逃し弁48,開閉弁50,52,54から構
成されている。
【0030】上記エアーベント閉鎖機構20において,
金型10の型締めを行う型締めシリンダ40には,型締
め圧力を供給する型締め用油圧系44が,開閉弁50を
介して接続されている。さらに,型締めシリンダ40に
は,逃し弁48を介して,型締め用の油圧系44とは独
立に作動できる補助シリンダ部駆動用油圧系46が接続
されており,設定値以上の圧力が供給された場合には,
その余剰圧力を補助シリンダ部駆動用油圧系46へ逃せ
る構成になっている。また,補助シリンダ部42には,
開閉弁52を介して,補助シリンダ部駆動用油圧系46
が接続されている。さらに,後述するようにエアーベン
ト18の密閉を行う補助シリンダ部42は,開閉弁54
を介して,型締めシリンダ40に接続されている。
【0031】なお,補助シリンダ部42は,図6及び図
7に示すように,上型10aと下型10bとの間に形成
されるエアーベント18を完全に密閉することが可能な
大きさの補助シリンダ56と,補助シリンダ56をエア
ベント18の開放方向に付勢するバネ58と,補助シリ
ンダ56が摺動するシリンダ容器60によって形成され
ている。さらに,補助シリンダ部42は,上型10aの
エアーベント18を形成する部分に気密に付設されてい
る。
【0032】次に,上記構成によって成る補助シリンダ
部42の動作について,図7〜図9を参照しながら説明
すると,補助シリンダ部42に圧力が供給されていない
状態では,図7に示すように,補助シリンダ56はバネ
58の収縮力によりシリンダ容器60内に引き込まれて
おり,上型10aと下型10bとの間に形成されるエア
ーベント18は開放状態に維持される。次いで,補助シ
リンダ部42に圧力が供給されると,図8に示すよう
に,シリンダ容器60内を補助シリンダ56が下型10
b方向に摺動し,エアーベント18を徐々に閉止してい
く。そして,最終的には,図9に示すように,補助シリ
ンダ56はシリンダ容器60内を下型10b方向に摺動
して,下型10bに密着し,エアーベント18を密閉す
ることになる。そして,補助シリンダ部42への供給圧
力を減圧すると,上記説明の逆順により,補助シリンダ
56がバネ58によってシリンダ容器60内に引き込ま
れ,従って,エアーベント18が開放される。
【0033】本実施の形態に適用可能な補助シリンダ部
42は,単体として上記のように動作することが可能で
あるが,かかる補助シリンダ部42は型締めシリンダ4
0と連動して動作することが可能である。そこで,以下
に,補助シリンダ部42と型締めシリンダ40との連動
動作について,図5及び図10を参照しながら説明する
ことにする。
【0034】まず,金型10の型締めを行う際には,開
閉弁50を開放し,型締め用油圧系44から型締めシリ
ンダ40に圧力を供給可能にする。このとき,開閉弁5
2も開放しているので,補助シリンダ部駆動用油圧系4
6から補助シリンダ部42に対しても圧力を供給するこ
とが可能である。ところで,本実施の形態においては,
金型10の型締めに必要な型締め圧力をP1とすると,
型締め圧力P1を超過する圧力が供給された場合には,
その余剰圧力は,型締めシリンダ40から逃し弁48を
介して補助シリンダ部駆動用油圧系46に逃され,補助
シリンダ部42の駆動圧力として使用できるように構成
されている。
【0035】従って,図10に示すように,型締め開始
時からt1後に供給圧力が型締め圧力P1に到達する
と,余剰圧力が逃し弁48を介して補助シリンダ駆動用
油圧系46に供給されることになる。この時,開閉弁5
2は開放状態にあるので,余剰圧力はさらに補助シリン
ダ部42に供給され,補助シリンダ56をバネ58の収
縮力に抗して駆動され,エアーベント18が補助シリン
ダ56により密閉される。このように,本実施の形態に
よれば,型締め動作を行う過程において自動的にエアー
ベント18の密閉動作(図7〜図9)も行うことが可能
である。
【0036】このようにして,時刻t1〜t2間におい
て,エアーベント18の密閉が行われた後,時刻t2〜
t3間において,ダミーキャビティ26に設けられた減
圧プランジャ30を駆動して,モールドキャビティ16
内の減圧を行う(図2)。その後,時刻t3〜t4間に
おいて,規定の型締め圧力P1にまで供給圧力を減圧し
た後,時刻t4〜t5間において,樹脂注入及び加熱を
行い,所定の樹脂封止工程を完了する。
【0037】ところで,時刻t3〜t4間において規定
の型締め圧力P1にまで減圧するのに際して,従来,型
締め圧力は完全にクランプ開放しないと低下しないこと
が知られている。しかし,本実施の形態においては,図
5に示すように,型締め用油圧系44とは独立制御可能
な補助シリンダ部駆動用油圧系46が設けられているの
で,開閉弁52を閉止して補助シリンダ部42への油圧
供給を停止するとともに開閉弁54を開放してやれば,
補助シリンダ部42により閉鎖されていたエアーベント
18が自然開放し,容易に規定の型締め圧力P1までの
減圧を行うことができる。
【0038】このようにして。一連のモールド処理が終
了した時刻t5以降,型締め圧力をさらに減圧すること
により,補助シリンダ部42に供給されていた圧力も減
圧され,エアーベント18も開放し,型締め圧力も開放
されて,成形品8(図3)を取り出すことが可能とな
り,一連の処理が終了する。
【0039】以上説明したように,本実施の形態では,
主に油圧系と補助シリンダから成るエアーベント密閉機
構20を追加するだけの比較的簡単な装置変更で,金型
10の型締め動作と連動してエアーベント18を密閉す
ることができる。従って,従来のモールド装置のよう
に,金型10をさらに密閉する二重構造を要する真空成
形装置などを設けなくとも,気密性を高めてより効果的
な減圧雰囲気を形成することができる。さらにまた,型
締めシリンダ40を完全にクランプ開放しなくても,型
締め圧力を低下させられるので,急激な圧力変化による
装置の故障を防止できる。すなわち,本実施の形態によ
れば,安全かつ簡素な構成の装置を用いた低費用なモー
ルド処理で,品質の高い製品の製作が実現できる。
【0040】(第2の実施の形態)次に,本発明の第2
の実施の形態にかかるトランスファモールド型のモール
ド装置101,及びモールド装置101を構成するスル
ーゲート方式の金型110の構成について,図11〜図
14を参照しながら説明する。なお,図11は第2の実
施の形態にかかるモールド装置101の概略構成を示す
断面図であり,図12は第2の実施の形態にかかるモー
ルド装置101の減圧工程の動作説明図であり,図13
は第2の実施の形態にかかるモールド装置101により
製造された成形品118の外形を示す断面図であり,図
14は第2の実施の形態にかかるモールド装置101の
概略構成を示す平面図である。
【0041】この第2の実施の形態にかかるモールド装
置101及び金型110の基本構成は,上記第1の実施
の形態にかかるモールド装置1及び金型10と実質的に
同一なので,略同一の構成要素については同一の符号を
付することにより,その詳細な説明は省略する。
【0042】第2の実施の形態にかかる金型110は,
図11及び図12に示すように,ゲート24が設けられ
た上型110a,及び下型110bにより構成されてい
る。なお,上型110aには,第1の実施の形態とは異
なり,エアーベント18に最も近い位置(すなわち,ゲ
ート24から最も遠い最下流の位置)にダミーキャビテ
ィ112が形成される形状をしており,従って,減圧プ
ランジャ30もかかるダミーキャビティ112部に形成
されるシリンダ状のチャンバ114内に気密に嵌挿され
ている。従って,図12に示すように,減圧プランジャ
30を矢印B方向に引き出すことにより,金型110内
部の容積を相対的に拡大し,減圧することが可能であ
る。また,エアーベント18には閉鎖機構(図示せ
ず。)が設けられており,金型110内部を減圧する前
に,エアーベント18を閉止して金型110内部に密閉
空間を作ることが可能である。以上のように,本実施の
形態においては,主に,ダミーキャビティ112と,チ
ャンバ114と,減圧プランジャ30とにより容積拡大
装置が構成されている。
【0043】次に,図12を参照しながら,上記のよう
に構成されたモールド装置101の動作について説明す
ると,まず,金型110のダミーキャビティ112部分
にはダミー製品116用のリードフレーム32aを設置
し,各モールドキャビティ16には半導体素子34の載
置されたリードフレーム32をそれぞれ配置して,型締
め機構(図示せず。)によって型締めが行われる。さら
に,エアーベント18を閉鎖機構(図示せず。)を用い
て閉鎖すれば,金型110内部が密閉される。
【0044】かかる状態で減圧プランジャ30を減圧方
向(矢印Bの方向)に作動させると,密閉した状態で金
型110内部全体の容積が拡大するため,金型110内
部の圧力を外気の圧力よりも低下させることができる。
次に,メインランナ22からゲート24を介して樹脂を
金型110内部に導入すると,減圧雰囲気の金型110
内部に,図14の矢印方向に流動性の向上した樹脂が流
れて,各モールドキャビティ16内に充填される。さら
に,金型110に充填された樹脂を,熱源(図示せ
ず。)によって熱処理すると,図13に示すように,減
圧プランジャ30が摺動するダミーキャビティ112に
相当する部分に突起を有するダミー製品116を付属し
た一連の成形品118が得られる。
【0045】以上説明したように,第2の実施の形態に
かかるモールド装置101を用いた場合にも,先に説明
した第1の実施形態と同様に,減圧プランジャ30によ
り密閉空間を形成する金型110内部の容積を相対的に
拡大することにより,金型110外部の圧力よりも金型
110内部の圧力の方を相対的に低くすることが可能な
ので,金型110内部における気泡の発生及び未充填を
抑制することができる。また,外気圧により金型110
外部への樹脂流出が起き難くなり,フラッシュを低下さ
せることができるので,バリ取り工程をしなくても外観
不良の少ない製品を形成することが可能である。
【0046】さらにまた,本実施の形態の場合には,各
金型110において,樹脂が供給されるメインランナ2
2より最下流側のエアベント18の近傍で吸引を行うた
め,樹脂がエアーベント18付近まで確実に充填され
る。したがって,樹脂の特性ばらつきによるスパイラル
フロー(樹脂流れ性)が通常より低い場合であっても,
金型110内部全体に安定した樹脂供給が可能となる。
その結果,成形条件の大きなマージンが確保できるた
め,安定した工程が可能となる。
【0047】(第3の実施の形態)次に,本発明の第3
の実施の形態にかかるモールド装置201について,図
15を参照しながら説明する。この第3の実施の形態に
かかるモールド装置201の基本構成は,上記第1の実
施の形態にかかるモールド装置1と実質的に同一なの
で,略同一の構成要素については同一の符号を付するこ
とにより,その詳細な説明は省略する。
【0048】この第3の実施の形態にかかるモールド装
置201は,モールド金型210とメインランナ22よ
り構成されている。さらに,モールド金型210は,各
々が並列に配置されたスルーゲート部210aと,各ス
ルーゲート部210aを相互に連通するように形成され
た共通減圧室210bから形成されている。なお,スル
ーゲート部210aは,ゲート24より供給された樹脂
が,各ランナ14を介して,複数のモールドキャビティ
16が連続的に充填されるスルーゲート方式を採用した
構造(以下,「スルーゲート構造」という。)になって
いる。また,共通減圧室210bには,複数のプランジ
ャ摺動室211が形成されており,各プランジャ摺動室
211内に減圧プランジャ212が挿入されている。従
って,各プランジャ摺動室211において減圧プランジ
ャ212を引き出す方向に駆動することにより金型21
0内部を減圧することができる。このように,金型21
0は,第2の実施の形態にかかる金型110において隣
接するスルーゲートに並列に配されたダミーキャビティ
112を相互に連通し,共通減圧室210bとして一体
化させた構造を有している。以上のように,本実施の形
態にかかるモールド装置201においては,主に,共通
減圧室210bと,プランジャ摺動室211と,減圧プ
ランジャ212とにより容積拡大装置が構成されてい
る。なお,共通減圧室210bの容積や,プランジャ摺
動室211及び減圧プランジャ212の設置数や容積
は,モールド装置201のスルーゲート部210aの数
やモールドキャビティ16の数や大きさにより任意に設
定することができる。
【0049】次に,第3の実施形態にかかるモールド装
置201の動作について説明すると,モールド成形時に
は,まず,半導体素子の載置されたリードフレーム(図
示せず。)を,金型210の各スルーゲート部210a
に配置する。さらに,金型210の型締め機構(図示せ
ず。)によって型締めを行い,金型210内部を密閉す
る。ここで,減圧プランジャ212をプランジャ摺動室
211から引き出す方向に駆動すると,金型210内部
において密閉した状態での容積拡大が起こるので,金型
210内部の圧力は,金型210外部の圧力と比較し
て,相対的に減少する。したがって,流動性の高まった
樹脂が,メインランナ22から金型210内部に供給さ
れて,気密性の高い樹脂の充填が行われる。
【0050】さらに,熱源(図示せず。)によって金型
210が加熱されると,樹脂が硬化してモールド成形が
終了し,共通減圧室210b内で成形されたダミー製品
により各々が一体化された成形品が完成する。
【0051】以上説明したように,第3の実施の形態に
かかるモールド装置201を用いれば,排気機構を使用
せずに,金型210内部の気圧低下が実現でき,気泡や
未充填の発生が抑制される。これによって,大型パッケ
ージなどのモールド成形であっても,気密性の高い樹脂
充填が可能となる。さらに,共通減圧室210b,プラ
ンジャ摺動室211,及び減圧プランジャ212の容積
及び設置個数及び設置箇所については,実際の製品の大
きさや配置によって任意に選択することができる。した
がって,金型210のプランジャ部210bの設計を工
夫するだけで,製品の設置位置の違いによる充填性の差
を平均化することができ,低価格かつ構成の簡単な装置
で,歩留まりの高い安定した成形が可能となる。
【0052】(第4の実施の形態)次に,本発明の第4
の実施の形態にかかるモールド装置301について,図
16を参照しながら説明する。この第4の実施の形態に
かかるモールド装置301の基本構成は,上記第1の実
施の形態にかかるモールド装置1と実質的に同一なの
で,略同一の構成要素については同一の符号を付するこ
とにより,その詳細な説明は省略する。
【0053】まず,第4の実施の形態にかかるモールド
装置301の構成について説明すると,このモールド装
置301は,相互に並列に配置された複数のスルーゲー
ト部310aと隣接するスルーゲート部310a間にお
いて各スルーゲート部310aに沿うように配置された
複数のエアーベント通路310bとから構成される金型
310を備え,各金型310はゲート24を介して樹脂
供給用のメインランナ22に連通している。
【0054】なお,金型310を形成する各々のスルー
ゲート部310aは,メインランナ22から各ゲート2
4を介して供給された樹脂が各ランナ14を介して複数
のキャビティ16に連続的に充填されるスルーゲート構
造になっている。そして,各キャビティ16とエアーベ
ント通路310bとは減圧ランナ314によって連通し
ている。また,エアーベント通路310bの適宜箇所に
は,複数のプランジャ摺動室313が形成されており,
各プランジャ摺動室313には減圧プランジャ314が
摺動自在に挿入されている。従って,各プランジャ摺動
室313内において減圧プランジャ314を引き込み方
向に駆動することにより,エアーベント通路310b内
の容積を拡大し,結果的に,そのエアーベント通路31
0bに連通する各キャビティ16内を減圧することがで
きる。なお,エアーベント通路310bの容積や,プラ
ンジャ摺動室313及び減圧プランジャ314の設置数
や容積については,製品の大きさや装置の規模に応じて
任意に選択することができることは言うまでもない。以
上のように,本実施の形態においては,主にエアーベン
ト通路310b,減圧ランナ314,プランジャ摺動室
313及び減圧プランジャ314により容積拡大装置が
構成されている。
【0055】次に,第4の実施形態にかかるモールド装
置301の動作について説明すると,モールド成形時に
は,まず,半導体素子の載置されたリードフレーム(図
示せず。)を,金型310の各スルーゲート部310a
に配置する。さらに,金型310の型締め機構(図示せ
ず。)によって型締めを行い,金型310内部を密閉す
る。ここで,エアーベント通路312bの各プランジャ
摺動室313に挿入された減圧プランジャ312を引き
込み方向に作動させると,まず,エアーベント部312
b内の減圧が起こり,続いて,減圧ランナ314を介し
て,各キャビティ16内の減圧が個別に達成される。金
型310全体でみれば,密閉した状態で全体的な容積拡
大により,外気圧と比較して相対的な圧力減少が起こっ
ている。したがって,流動性の促進させられた樹脂が,
メインランナ22より金型310内部に供給されて,気
密性の高い樹脂の充填が行われる。さらに,熱源(図示
せず。)によってスルーゲート部310aが加熱される
と,樹脂が硬化してモールド成形が終了する。
【0056】以上説明したように,第4の実施の形態に
かかるモールド装置301を用いれば,金型310内部
の気圧の低下により,気泡や未充填の発生が抑制され
る。さらに,スルーゲート部310a内に形成された各
キャビティ16付近に一様に配置されたエアーベント部
310bによって,各キャビティ16毎に減圧が行われ
る。したがって,スルーゲート構造をした金型内部の特
定箇所だけで減圧を行った場合に起こる,位置の違いに
よる気密性のばらつきが発生しない。すなわち,ワンシ
ョットで大量の製品を処理するトランスファモールドの
ような場合でも,成型時の位置に関係なく,気密性の高
い製品の成形が可能である。これによって,モールド成
形の安定性及び歩留まりの向上を実現できる。
【0057】さらに,減圧ランナ314の溝幅を小さく
することで,容易に突起部又は拡大部を持つ外観不良
品,例えば上記ダミー製品36(図3)や116(図1
3)を作らずとも,気密性の高い製品を作成できる。さ
らにまた,樹脂を金型内部の製品に完全に充填する必要
があるときは,減圧ランナ314の溝幅を拡大し,エア
ーベント部310bを樹脂溜まりとして使用することも
可能である。以上のように本実施の形態によれば,低価
格かつ構成の簡単な装置構成により歩留まりの高い安定
した製品を供給することが可能である。
【0058】(第5の実施の形態)次に,本発明の第5
の実施の形態にかかるモールド装置401について,図
17〜図21を参照しながら説明する。なお,図17は
第5の実施の形態にかかるモールド装置401の概略的
構成を示す断面図であり,図18〜図20は図17で示
す第5の実施の形態にかかるモールド装置401の減圧
工程を示す動作説明図であり,図21は図17で示す第
5の実施の形態にかかるモールド装置401の離型工程
を示す動作説明図である。
【0059】モールド装置401は,図17に示すよう
に,ゲート410を設けた上型412a,減圧室414
が設けられた下型412b,成形製品の離型及びキャビ
ティ416の封止を行うエジェクタピン418,エジェ
クタピン418の嵌入孔が設けられた減圧プレート42
0とから構成されている。なお,図中符号422は半導
体素子であり,符号424は半導体素子422を載置し
たリードフレーム424である。
【0060】図示のように,下型412bの減圧室41
4とキャビティ416とを連通する通路は,後述するよ
うに,エジェクタピン418のピンヘッド418aによ
って封止可能な封止口426として構成されている。さ
らに,下型412bの減圧室414には減圧プレート4
20が気密に摺動自在に挿入されている。この減圧プレ
ート420は不図示の駆動機構により上下動可能であ
り,減圧室414内の容積を拡大縮小し,さらには減圧
室414に封止口426を介して連通するキャビティ4
16内を減圧することが可能である。またこの減圧プレ
ート420にはエジェクタピン418が摺動自在に貫装
されている。このエジェクタピン418のピンヘッド4
18aは,不図示の駆動機構により,キャビティ416
内に突出する第1位置と封止口426を封止する第2位
置との間を自在に移動可能である。従って,ピンヘッド
418aの外径寸法は,封止口426の内径寸法とほぼ
同一に構成されている。また,ゲート410には,キャ
ビティ416内に樹脂を注入できるように,樹脂注入口
428を介して,樹脂ポット(図示せず。)が気密に接
続されている。以上のように,本実施の形態において
は,主に,減圧室414と,エジェクタピン418と,
ピンヘッド418aと,封止口426と,減圧プレート
420とによりキャビティ416を含む密閉空間の容積
を拡大し,キャビティ416内を減圧する容積拡大装置
が構成されている。
【0061】次に,図17〜図21を参照しながら,本
実施の形態にかかるモールド装置401の動作について
説明する。まず,モールド成形前には,図17に示すよ
うに,キャビティ416に,半導体素子422の載置さ
れたリードフレーム424が配置され,型締め機構(図
示せず。)によって型締めが行われる。ここで,図18
に示すように,減圧プレート420を矢印C方向に下降
させると,減圧室414の容積が拡大するため,封止口
426を介して,キャビティ416内部の減圧が達成さ
れる。このキャビティ416内部の減圧によって,樹脂
をキャビティ416内に引き込み易くなる。
【0062】さらに,図19に示すように,エジェクタ
ピン418のピンヘッド418aを矢印D方向に下型4
12bのキャビティ416の底面と同一平面になる位置
まで下降させる。この結果,ピンヘッド418aによっ
て封止口426を封止し,減圧された状態でキャビティ
416部分を独立させることができる。さらにまた,図
20に示すように,下型412bと一体化する位置まで
減圧プレート420を矢印E方向に引き上げる。そし
て,ゲート410を介して,樹脂注入口428から樹脂
を供給し,キャビティ416内への樹脂充填を行う。
【0063】さらにまた,キャビティ416内に充填さ
れた樹脂を熱処理することにより,モールド成形が行わ
れる。モールド成形後は,図21に示すように,型締め
を緩めて,キャビティ416内でモールドされた成形品
428を,エジェクタピン418によって離型する。
【0064】以上説明したように,第5の実施の形態に
かかるモールド装置401を用いると,エジェクタピン
418及び減圧プレート420によるキャビティ416
内部の相対的な圧力減少のみで,気密性の高い樹脂充填
が可能になる。これによって,ボイド及び未充填若しく
はフラッシュの減少による製品内部の気密性上昇が実現
でき,成形製品の歩留まり向上が期待される。またキャ
ビティ416単位で減圧することが可能なので,大型の
パッケージの樹脂封止にも容易に対応することが可能で
ある。
【0065】また,本実施の形態にかかるモールド装置
401では,従来のモールド装置に使用されているエジ
ェクタピンの部分変形,下型及び減圧プレートの追加加
工のみの小幅な装置改修によって,真空成形と同等若し
くはそれに近いキャビティ416内の減圧を達成でき
る。すなわち,小規模の設備投資のみによって製品の品
質向上が図れる。
【0066】(第6の実施の形態)次に,本発明の第6
の実施の形態にかかるモールド装置501について,図
22〜25を参照しながら説明する。なお,図22は第
6の実施の形態にかかるモールド装置501の概略的構
成を示す断面図であり,図23は図22で示す第6の実
施の形態にかかるモールド装置401の型締工程を示す
動作説明図であり,図24は図22で示す第6の実施の
形態にかかるモールド装置401の減圧工程を示す動作
説明図であり,図25は図22で示す第6の実施の形態
にかかるモールド装置401の離型工程を示す動作説明
図である。
【0067】まず,第6の実施形態にかかるモールド装
置501の構成について説明すると,このモールド装置
501は,図22に示すように,ゲート510を設けた
上型512a,下型512b,下型512bに形成され
た減圧室513内に嵌挿されてキャビティ524の底部
を構成する下型水平部514とから構成されている。ま
た,上型512aのゲート510には,樹脂供給口52
0を介して,樹脂ポット(図示せず。)が気密に接続さ
れている。図中符号516はダイスであり,符号518
はダイス516の載置されたリードフレーム518であ
る。なお,本実施の形態においては,リードフレーム5
18をヒートシンクとして外部に露出させる構成を示し
ている。
【0068】下型水平部514は,不図示の昇降機構に
より,減圧室513内を摺動して,キャビティ524内
に突出する第1位置と減圧室513内に引っ込む第2位
置との間を移動可能である。また,下型水平部514の
略中央には,成形された製品の離型を行うエジェクタピ
ン519が貫装されている。さらに,キャビティ524
の上部にはリードフレーム518を吸着固定するための
電磁石522aと位置決めピン522bとを備えてい
る。なお,後述するように,下型水平部514とエジェ
クタピン519とは相対的に上下動することが可能であ
る。
【0069】次に,図23〜図25を参照しながら,本
実施の形態にかかるモールド装置501の動作について
説明する。まず,モールド成形前には,図23に示すよ
うに,リードフレーム部516がセットされた下型水平
部514を,エジェクタピン519と一体化した状態
で,矢印F方向に移動させ,ダイス516の上面が上型
512aと接触する寸前(第1位置)まで上昇させてお
く。さらに,型締め機構(図示せず。)によって型締め
をしてから,エアーベント(図示せず。)を閉め,キャ
ビティ524を密閉状態にする。
【0070】次に,図24に示すように,下型水平部5
14及びエジェクタピン519を矢印G方向に下降させ
て,電磁石522a及び位置決めピン522bにより支
持されるリードフレーム518をヒートシンクとしてキ
ャビティ524の下面から露出させる(第2位置)。こ
のように,下型水平部514を,第1位置から第2位置
にまで移動させることにより,キャビティ524内部の
容積は拡大され,キャビティ524内を,外部と比較し
て相対的に減圧することができる。次いで,キャビティ
524内の減圧状態を保持したまま,ゲート510を介
して,樹脂供給口520から樹脂を供給すると,キャビ
ティ524内に気密性の高い樹脂充填が行われる。さら
に,熱源(図示せず。)によってキャビティ524内の
樹脂を加熱処理すると,モールド成形が行われる。モー
ルド成形後は,図25に示すように,型締めを緩めて,
キャビティ524内でモールドされた成形品526を,
エジェクタピン519を下型水平部514に対して相対
的に上昇させることにより,離型する。
【0071】以上説明したように,第6の実施の形態に
かかるモールド装置501では,下型水平部514によ
って減圧されたキャビティ524への樹脂の導入によっ
て,気密性の高い充填が可能である。したがって,上記
他の実施の形態にかかるモールド装置と同様に,特別に
排気機構を設置せずに,気密性の高いモールド成形が可
能である。したがって,半導体の製造において,総合的
な歩留まりの向上が実現できる。
【0072】特に,本実施の形態の場合には,大型パッ
ケージの製品のモールド加工などのように,エジェクタ
ピンを製品に対して圧倒的に小さくしか設定できない場
合でも,下型水平部514による減圧作業を行うことが
できるので,未充填及びボイドの減少が可能となり,製
品の歩留まりが向上する。さらにまた,リードフレーム
518がヒートシンクの目的などにより下型から露出さ
せる形状のモールド加工のような場合でも,下型水平部
514の移動量を大きく取れるので,減圧の効果を顕著
にすることができる。すなわち,より効果的なキャビテ
ィ524内への樹脂の高気密充填が可能となり,ボイド
及び未充填若しくはフラッシュの低減によ歩留りの向上
が期待できる。なお,上記においては,本実施形態にか
かるモールド装置501を,ヒートシンクとしても機能
するリードフレーム518が外部に露出する成型品52
6を樹脂封止する工程に適用した場合について説明した
が本発明はかかる例に限定されず,各種成型品の樹脂封
止に適用することが可能であることは言うまでもない。
【0073】(第7の実施の形態)次に,本発明の第7
の実施の形態にかかるモールド装置601について,図
26及び図27を参照しながら説明する。なお,図26
は第7の実施の形態にかかるモールド装置601の概略
的構成を示す断面図であり,図27は第7の実施の形態
にかかるモールド装置601の樹脂プリヒート機構であ
る高周波発振器618の概略的構成を示す斜視図であ
る。
【0074】まず,第7の実施形態にかかるモールド装
置601の構成について説明すると,このモールド装置
601は,図26に示すように,上型610aと,下型
610bとを備えており,上型610aと下型610b
で囲まれた空間に,キャビティ624が形成される。そ
して,上型610aには,樹脂タブレット620を収納
するポット622が設けられており,ポット622とキ
ャビティ624とはゲート623により連通している。
さらに,ポット622の上部には,プランジャ摺動室6
22aが形成されている。そして,そのプランジャ摺動
室622a内に減圧プランジャ612が嵌挿されてい
る。従って,本実施の形態においては,主に,ポット6
22と,プランジャ摺動室622aと,減圧プランジャ
612と,ゲート623とにより,容積拡大装置が構成
されており,後述するように,減圧プランジャ612を
引き込み方向に駆動することにより,ゲート623を介
してキャビティ624内を減圧することが可能である。
【0075】さらに,ポット622の周辺部には,ポッ
ト622内に投入される樹脂タブレット620のプリヒ
ート(予備加熱)が行えるように加熱装置618が設置
されている。なお,加熱装置618としては,抵抗加熱
装置な各種装置を適用することができるが,本実施の形
態においては,図27に示す高周波発振器618が配置
されている。なお,図中,符号614は樹脂封止される
半導体素子であり,符号616は,半導体素子614を
載置したリードフレームである。
【0076】次に,本実施の形態にかかるモールド装置
601の動作について説明すると,モールド成形時に
は,図26に示すように,キャビティ624に半導体素
子614が搭載されたリードフレーム616がセットさ
れ,型締め機構(図示せず。)によって型締めが行われ
る。この後に,上型610aのポット622内に,プリ
ヒートを行っていない樹脂タブレット620を導入す
る。
【0077】次に,キャビティ624が完全に密閉され
た状態になるように,減圧プランジャ612をポット6
22の樹脂タブレット620を圧縮しない程度の位置ま
で下降させて止める。さらに,高周波発振器618によ
って,モールド装置601内部に配置されたポット62
2内で,樹脂タブレット620をプリヒートして,樹脂
の粘度を低下させる。
【0078】さらにまた,キャビティ624内を減圧さ
せる方向(矢印H方向)に減圧プランジャ612を起動
すると,キャビティ624内部は密閉状態での容積拡大
により減圧される。以上の工程によって,粘度が低下し
た樹脂のキャビティ624内への充填が行われる。さら
に,熱源(図示せず。)によって,キャビティ624内
に充填した樹脂を熱処理してモールド成形が行われる。
【0079】以上説明したように,第7の実施の形態に
かかるモールド装置601では,減圧されたキャビティ
624への樹脂の導入によって,気密性の高い充填が可
能である。したがって,排気機構を設置せずに,気密性
の高いモールド成形が可能であり,キャビティ624内
での気泡及び未充填の発生を抑え,さらに,フラッシュ
の低減ができ,製品の歩留まりの向上に効果がある。
【0080】また,モールド装置601では,減圧機構
と独立したプリヒート機構である高周波発振器618に
よって,ポット622での樹脂のプリヒートが可能とな
る。通常のモールド装置を用いたモールド成形では,樹
脂のプリヒートを外部のプリヒータで行っていたので,
プリヒータからモールド装置へ樹脂を移動するための時
間的ロス時間が存在していた。しかしながら,第7の実
施の形態にかかるモールド装置601を用いれば,この
時間的ロスがなく,樹脂が最低粘度になった時点で樹脂
充填を行える。これによって,ゲルタイムが短い樹脂を
用いる場合であっても,成形条件の設定が容易であり,
工程導入時のマージンが広く取れる。すなわち,低価格
かつ構造の簡素な装置によって,工程削減による作業時
間の減少が期待でき,信頼性及び作業性の良い工程設定
が可能となる。
【0081】(第8の実施の形態)次に,本発明の第8
の実施の形態にかかるモールド装置701について,図
28〜図30を参照しながら説明する。なお,図28は
第8の実施の形態にかかるモールド装置701の概略的
構成を示す断面図であり,図29は図28で示す第8の
実施の形態にかかるモールド装置701の減圧工程を示
す動作説明図であり,図30は図28で示す第8の実施
の形態にかかるモールド装置701の樹脂充填工程を示
す動作説明図である。
【0082】まず,第8の実施の形態にかかるモールド
装置701の構成について説明すると,このモールド装
置701は,図28に示すように,上型710aと,下
型710bとを備えている。そして,上型710aと下
型710bとの間に囲まれた空間には,キャビティ72
4が形成されており,このキャビティ724内に,ダイ
ス712の載置されたリードフレーム714が設置され
る。
【0083】また,上型710aの上部には,プランジ
ャ摺動室715が形成され,そのプランジャ摺動室71
5内に減圧プランジャ716が挿入される。この減圧プ
ランジャ716は,キャビティ724に入り込む第1位
置と,プランジャ摺動室715に引き込んで,キャビテ
ィ724の上面を構成する第2位置との間を摺動可能で
ある。さらに,本実施の形態においては,減圧プランジ
ャ716内に,樹脂タブレット722を収納可能なポッ
ト718が形成されており,このポット718とキャビ
ティ724とはゲート719により連通している。さら
に,減圧プランジャ716のポット718上部には,樹
脂圧入用プランジャ720が摺動可能な樹脂圧入用プラ
ンジャ摺動室721が形成されている。なお,図示はし
ていないが,第7の実施形態と同様に,ポット718の
周囲に予備加熱装置を配置することも可能であることは
言うまでもない。
【0084】次に,図28〜図30を参照しながら,本
実施の形態にかかるモールド装置701の動作について
説明する。まず,モールド成形前には,図28に示すよ
うに,減圧プランジャ716は,ダイス712に接触し
ない範囲で下型710bの方向に下げられている(第1
位置)。さらに,樹脂圧入用プランジャ720は,樹脂
タブレット722よりも上方に上げられている。
【0085】モールド成形時には,キャビティ724に
リードフレーム714がセットされ,型締め機構(図示
せず。)によって型締めが行われる。さらに,エアーベ
ン(図示せず。)を閉めて,キャビティ724内を密閉
する。ここで,図29に示すように,減圧プランジャ7
16を上型方向(矢印I方向)に持ち上げ,第2位置に
まで移動させることにより,キャビティ724の容積を
相対的に拡大し,キャビティ724内の減圧雰囲気を達
成する。
【0086】さらに,図30に示すように,樹脂圧入用
プランジャ720を矢印J方向に下降させると,樹脂タ
ブレット722が圧縮されて,キャビティ724内に樹
脂が充填される。そして,熱源(図示せず。)によって
キャビティ724内の樹脂を加熱処理すると,モールド
成形が行われる。
【0087】以上説明したように,第8の実施の形態に
かかるモールド装置701では,真空形成のような大幅
な装置の追加をしなくても,キャビティ724内部の相
対的な圧力減少により,気密性の高い樹脂充填が可能に
なり,製品内部の気密性向上が実現できる。したがっ
て,品質向上に必要なコストを削減できる。
【0088】また,特にリードフレーム714の一部が
下型710bより露出した成型品に適用すれば,減圧プ
ランジャ716の移動距離を長く取れるので,減圧効果
が大きい。さらにまた,ポット718を内蔵した減圧プ
ランジャ716を設置すれば,樹脂タブレット722の
溶融部を個々の製品に設けなくても良い。したがって,
1タブレットで大量の製品を成形するトランスファーモ
ールド形式のモールド装置にも効果的に適用できる。
【0089】(第9の実施の形態)次に,本発明の第9
の実施の形態にかかるモールド装置801について,図
31〜33を参照しながら説明する。なお,図31は第
9の実施の形態にかかるモールド装置801の概略的構
成を示す断面図であり,図32は図31で示す第9の実
施の形態にかかるモールド装置801の減圧工程を示す
動作説明図であり,図33は図31で示す第9の実施の
形態にかかるモールド装置801の樹脂充填工程を示す
動作説明図である。
【0090】まず,第9の実施形態にかかるモールド装
置801の構成について説明すると,このモールド装置
801では,図31に示すように,上型部810aと下
型部810bに囲まれた空間である金型810内部にお
いて,後述するゲート825を介して供給された樹脂を
分岐させるランナ部814によって連通された対のキャ
ビティ816が形成されている。
【0091】そして,上型810aには,ランナ部81
4の略中央部分上部に,樹脂タブレット824を収納可
能なポット820が形成されている。そして,ポット8
20には,樹脂圧入用プランジャ822が挿入されてお
り,ポット820を摺動することが可能である。また,
下型810bのランナ部814を形成する部分には,ラ
ンナ部814を完全に塞ぐことができる大きさのランナ
減圧プレート826が設置されている。このランナ減圧
プレート826は,不図示の駆動機構により,ランナ部
814の上部に突出する第1位置と,ランナ部814を
開放する第2位置との間を移動可能であり,第1位置か
ら第2位置にランナ減圧プレート826を駆動すること
により,ランナ部814の容積を拡大し,ランナ部81
4に連通するキャビティ816内を減圧することができ
る。
【0092】次に,図31〜図33を参照しながら,本
実施の形態にかかるモールド装置801の動作について
説明すると,まず,モールド成形時には,図31に示す
ように,キャビティ816に半導体素子828を載置し
たリードフレーム830をセットし,型締め機構(図示
せず。)によって型締めを行う。
【0093】次に,図32に示すように,ランナ減圧プ
レート826を矢印K方向に上型810aに接触する領
域まで上昇させ,ランナ部814を塞いで容積をゼロま
たはそれに近い状態にまでする。ここで,エアーベント
(図示せず。)を閉じて,金型810内部を完全に密閉
状態にする。
【0094】さらに,図33に示すように,ランナ減圧
プレート826を矢印L方向に下降させて,モールド処
理開始時の位置に戻すと,ランナ部814内の容積が拡
大し,このランナ部814内に連通するキャビティ81
6を含む金型810内部が減圧状態となる。さらにま
た,圧入プランジャ822で金型810内部に樹脂タブ
レット824を圧縮する。これによって,金型810内
部では,高気密な樹脂充填が行われる。さらに,熱源
(図示せず。)によって金型810内部の樹脂を加熱処
理すると,モールド成形が行われる。
【0095】以上説明したように,第9の実施の形態に
かかるモールド装置801は,例えばトランスファーモ
ールド形式のように,ランナ部分が大きな金型を用いる
場合であっても,金型810内部の圧力を確実に減少さ
せることができる。したがって,真空形成モールド装置
のような大規模な装置構成にしなくても,ボイドや未充
填の十分少ない製品の成形が可能である。
【0096】また,本実施の形態にかかるモールド装置
801では,ランナ部814の容積減少によって,間接
的にキャビティ816内の減圧をするので,個々の製品
が小さくキャビティ内減圧だと十分な減圧領域を作成で
きない場合でも,十分な減圧作業が可能である。
【0097】以上,本発明の好適な実施の形態につい
て,添付図面を参照しながら説明したが,本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇において,当業者であれば,各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり,それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
【0098】特に,上記においては,各実施形態に関し
て最適と思われる樹脂封止工程に即して本発明を説明し
たが,本発明はかかる例に限定されず,上記実施形態に
かかるモールド装置を任意に組み合わせて実施すること
も可能であり,それらについても本発明の技術的範囲に
属することは言うまでもない。
【0099】
【発明の効果】本発明によれば,装置に排気機構を設け
たり金型を二重構造にしたりする必要がない。したがっ
て,構造が簡素で廉価かつ小規模な樹脂封止装置によっ
て,確実かつ効率の良い半導体素子の実装が可能とな
る。また,従来の樹脂封止装置に対して小規模の設計変
更を加えるのみで,外観不良品の発生を抑えて,半導体
の製造における工程数の減少及び総作業時間の短縮を実
現できる。さらに,大型製品の実装や大量生産の場合で
あっても,低額の設備投資のみで歩留まり及び製品品質
の向上を図れる。すなわち,総合的な半導体の生産効率
を向上させることができるので,高集積と低価格とを両
立した製品の生産が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用できるモールド装置の概略構成を
示す断面図である。
【図2】図1に示したモールド装置の減圧工程の動作説
明図である。
【図3】図1に示したモールド装置により成形される成
形品の概観を示す断面図である。
【図4】図1に示したモールド装置の概略構成を示す平
面図である。
【図5】図1に示したモールド装置に適用できる閉鎖機
構を示す概略的な構成説明図である。
【図6】図5に示した閉鎖機構に適用できる補助シリン
ダ部の概略構成を示す平面図である。
【図7】図6に示した補助シリンダ部の概略構成を示す
断面図である。
【図8】図6に示した補助シリンダ部の閉鎖工程を示す
動作説明図である。
【図9】図6に示した補助シリンダ部の閉鎖工程を示す
他の動作説明図である。
【図10】図5に示した閉鎖機構に適用できる型締めシ
リンダの付加圧力変化の概略図である。
【図11】本発明を適用できる他のモールド装置の概略
構成を示す断面図である。
【図12】図11に示したモールド装置の減圧工程の動
作説明図である。
【図13】図11に示したモールド装置により成形され
る成形品の概観を示す断面図である。
【図14】図11に示したモールド装置の概略構成を示
す平面図である。
【図15】本発明を適用できる他のモールド装置の概略
構成を示す平面図である。
【図16】本発明を適用できる他のモールド装置の概略
構成を示す平面図である。
【図17】本発明を適用できる他のモールド装置の概略
構成を示す断面図である。
【図18】図17に示したモールド装置の減圧工程の動
作説明図である。
【図19】図17に示したモールド装置の減圧工程の他
の動作説明図である。
【図20】図17に示したモールド装置の減圧工程の他
の動作説明図である。
【図21】図17に示したモールド装置の離型工程の動
作説明図である。
【図22】本発明を適用できる他のモールド装置の概略
構成を示す断面図である。
【図23】図22に示したモールド装置の型締工程の動
作説明図である。
【図24】図22に示したモールド装置の減圧工程の動
作説明図である。
【図25】図22に示したモールド装置の離型工程の動
作説明図である。
【図26】本発明を適用できる他のモールド装置の概略
構成を示す断面図である。
【図27】図26に示したモールド装置に適用できる高
周波発振器の構成を示す概略説明図である。
【図28】本発明を適用できる他のモールド装置の概略
構成を示す断面図である。
【図29】図28に示したモールド装置の減圧工程の動
作説明図である。
【図30】図28に示したモールド装置の樹脂充填工程
の動作説明図である。
【図31】本発明を適用できる他のモールド装置の概略
構成を示す断面図である。
【図32】図31に示したモールド装置の減圧工程の動
作説明図である。
【図33】図31に示したモールド装置の樹脂充填工程
の動作説明図である。
【符号の説明】
1 モールド装置 10 金型 16 モールドキャビティ 18 エアーベント 22 メインランナ 26 ダミーキャビティ 28 チャンバ 30 プランジャ 34 半導体素子 56 補助シリンダ 210aスルーゲート部 426 封止口 418 エジェクタピン 522 減圧プレート 618 高周波発振器 620 タブレット 622 ポット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29L 31:34

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の金型を型締めすることにより形成
    される少なくとも1つのキャビティと,前記キャビティ
    に連通する樹脂供給系及びエアベントとを備えた樹脂封
    止装置において,前記樹脂供給系及びエアベントを密閉
    することにより形成される前記キャビティを含む密閉空
    間の容積を相対的に拡大する容積拡大装置を設けたこと
    を特徴とする,半導体素子の樹脂封止装置。
  2. 【請求項2】 前記容積拡大装置は,前記密閉空間に連
    通するチャンバと,前記チャンバ内を気密に摺動するプ
    ランジャであることを特徴とする,請求項1に記載の半
    導体素子の樹脂封止装置。
  3. 【請求項3】 前記容積拡大装置は,ダミーキャビティ
    に設けられることを特徴とする,請求項1または2に記
    載の半導体素子の樹脂封止装置。
  4. 【請求項4】 前記樹脂供給系は,メインランナと前記
    メインランナから分岐する複数のスルーゲートとを備
    え,前記容積拡大装置は,前記メインランナ近傍の前記
    スルーゲートに設けられることを特徴とする,請求項
    1,2または3に記載の半導体素子の樹脂封止装置。
  5. 【請求項5】 前記容積拡大装置は,前記エアベント近
    傍に設けられることを特徴とする,請求項1,2または
    3に記載の半導体素子の樹脂封止装置。
  6. 【請求項6】 前記樹脂供給系は,メインランナと前記
    メインランナから分岐する複数のスルーゲートとを備
    え,前記容積拡大装置は,二以上の前記スルーゲートを
    連通するように形成された空間に設けられることを特徴
    とする,請求項1または2に記載の半導体素子の樹脂封
    止装置。
  7. 【請求項7】 前記樹脂供給系は,メインランナと前記
    メインランナから分岐する複数のスルーゲートとを備
    え,前記容積拡大装置は,隣接する前記スルーゲート間
    に設けられることを特徴とする,請求項1または2に記
    載の半導体素子の樹脂封止装置。
  8. 【請求項8】 前記容積拡大装置は,前記キャビティと
    連通路を介して連通する容積拡大用チャンバと,前記チ
    ャンバ内の容積を相対的に拡大可能な減圧プレートとを
    備え,前記連通路は,前記キャビティ内を昇降動作可能
    なエジェクタにより密閉可能であることを特徴とする,
    請求項1に記載の半導体素子の樹脂封止装置。
  9. 【請求項9】 前記容積拡大装置は,前記キャビティ内
    に突出可能な減圧プレートを備え,前記減圧プレート
    は,前記キャビティ内を昇降動作可能なエジェクタに対
    して気密に相対移動可能であるとともに,所定位置に移
    動されて前記キャビティの一部をなすことを特徴とす
    る,請求項1に記載の半導体素子の樹脂封止装置。
  10. 【請求項10】 前記樹脂供給系は,樹脂タブレットを
    収納するタブレット収容部と,前記タブレット収容部を
    密閉するプランジャと,前記タブレット収容部内を加熱
    可能な加熱装置とを備えていることを特徴とする,請求
    項1,2,3,4,5,6,7,8または9のいずれか
    に記載の半導体素子の樹脂封止装置。
  11. 【請求項11】 前記樹脂供給系は,樹脂タブレットを
    収納可能なタブレット収容部と,前記タブレット収容部
    を密閉するプランジャを備え,前記容積拡大装置は,前
    記タブレット収容部が内設されて前記キャビティ内に突
    出可能な減圧プランジャを備え,前記減圧プランジャは
    所定位置に移動されて前記キャビティの一部を成すこと
    を特徴とする,請求項1に記載の半導体素子の樹脂封止
    装置。
  12. 【請求項12】 前記金型の型締め圧力が所定圧力を超
    えると前記エアベントを密閉するように動作する補助シ
    リンダを含むことを特徴とする,請求項1,2,3,
    4,5,6,7,8,9,10または11のいずれかに
    記載の半導体素子の樹脂封止装置。
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