JPH11121484A - 半導体装置及びその製造方法と製造装置 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法と製造装置

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JPH11121484A
JPH11121484A JP9283678A JP28367897A JPH11121484A JP H11121484 A JPH11121484 A JP H11121484A JP 9283678 A JP9283678 A JP 9283678A JP 28367897 A JP28367897 A JP 28367897A JP H11121484 A JPH11121484 A JP H11121484A
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semiconductor chip
semiconductor device
liquid resin
substrate
resin
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JP9283678A
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Yoshiaki Sugizaki
吉昭 杉崎
Takahito Nakazawa
孝仁 中沢
Yumiko Ooshima
有美子 大島
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • H01L2224/10Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/15Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process
    • H01L2224/16Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process of an individual bump connector
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    • H01L2224/92Specific sequence of method steps
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Abstract

(57)【要約】 【課題】短時間で半導体チップの電極と基板の電極とを
バンプを介して接続した半導体装置に樹脂充填を行うこ
とができ、さらに樹脂充填時に発生するボイドによる不
良も低減できる半導体装置及びその製造方法と製造装置
を提供する。 【解決手段】半導体チップ2が接合された基板4上の半
導体チップ2の外周に、液状樹脂を塗布しない一部分
(排気口6)を残して前記液状樹脂8を塗布し、この半
導体装置を減圧下に所定時間保持して、半導体チップ2
と基板4との間隙の空気を、排気口6を介して排気す
る。さらに、液状樹脂8を加熱して排気口6に液状樹脂
8を浸透させ、半導体チップ2の全外周を液状樹脂8で
充填する。半導体装置を大気圧下に戻して、半導体チッ
プ2と基板4との前記間隙を液状樹脂8で充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路を有する
半導体チップの電極と基板の電極とをバンプを介して接
続した半導体装置及びその製造方法と製造装置に関する
ものであり、特に前記半導体装置に液状樹脂を充填した
半導体装置及びその樹脂充填方法と樹脂充填装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】前記集積回路を有する半導体チップの電
極と基板の電極とをバンプを介して接続した半導体装置
においては、通常、前記半導体チップと基板との間隙に
樹脂が充填されている。これは、熱応力等によって接続
部にクラックが発生することや半導体チップに悪影響を
与える水分、不純物の侵入を防止するためである。
【0003】半導体チップと基板との間隙に樹脂が充填
された半導体装置の断面構造を図7に示す。この半導体
装置では集積回路を有する半導体チップ100の電極端
子101と基板110の電極端子111とがバンプ11
2を介して接続され、前記半導体チップ100と基板1
10との間隙には樹脂120が充填されている。
【0004】従来、このような半導体装置における樹脂
120の充填は、次のように行われている。まず、図8
(a)に示すように、半導体チップ100と基板110
がバンプ112を介して接続された半導体装置の前記半
導体チップ100外周の1辺乃至3辺の一部に、液状樹
脂120を塗布する。続いて、図8(b)〜(d)に示
すように、これら半導体チップ100及び基板110を
加熱し、加熱され軟化した液状樹脂120を毛細管現象
により半導体チップ100と基板110との間隙に浸透
させる。
【0005】この方法を用いた場合、半導体チップ10
0の外周のうち、あらかじめ液状樹脂を塗布しなかった
部分にはフィレットが形成されない。このため、半導体
チップ100と基板110との間隙への液状樹脂120
の充填が終了した後、図8(e)に示すように、あらか
じめ塗布しなかった2辺乃至4辺の一部に再度、液状樹
脂120aを塗布している。
【0006】ここで、液状樹脂を塗布してフィレットを
形成させる理由は、半導体チップ100と基板110の
熱膨張差による応力で充填樹脂を劈開させないためであ
り、特に応力が集中する半導体チップ100の4隅のコ
ーナー部にフィレットを形成することが重要となってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来、上述した樹脂充
填工程に要する時間は、塗布装置を1台で賄おうとした
場合、前後2回の塗布時間のみならず、半導体チップ1
00と基板110との間隙に液状樹脂を充填する時間も
加算されたものとなる。ここで、樹脂充填時間は、半導
体チップ100の外周をより多く囲い込むように液状樹
脂を塗布することにより、ある程度短縮することができ
る。
【0008】しかし、余り多く外周を囲い込みすぎる
と、外周からの回り込みにより内部に空気を巻き込んで
しまう。これは、断続的な塗布を行った場合でも同様で
ある。現実的に可能な塗布領域は、半導体チップ100
の外周の50%以下になる。要するに半導体チップ10
0の中心から見て外周の180度以上の領域に液状樹脂
が塗布されると、半導体チップ100と基板110との
間隙に空気の巻き込みが生じてしまう。したがって、半
導体チップと基板との間の20〜200μm程度の間隙
に、短時間で効率よく樹脂を充填することは困難であ
る。
【0009】そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされ
たものであり、前述の従来技術、すなわち半導体チップ
と基板との間隙への樹脂充填が終了した後、半導体チッ
プの外周のうち予め液状樹脂を塗布しなかった部分に再
度液状樹脂を塗布するという方法に比べて、極めて短時
間で半導体チップと基板との間隙に樹脂充填を行うこと
ができ、さらに樹脂充填時に発生するボイドによる不良
も低減できる半導体装置及びその製造方法と製造装置を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1記載の半導体装置の製造方法は、半導体チ
ップが基板に接合され、この半導体チップと基板の間に
形成された間隙に液状樹脂を充填する半導体装置の製造
方法であって、前記基板上の前記半導体チップの外周
に、液状樹脂を塗布しない部分を設けながら前記半導体
チップを囲うように前記液状樹脂を塗布する工程と、前
記半導体チップと基板の前記間隙の空気を、前記液状樹
脂を塗布しない部分を介して排気する工程とを具備する
ことを特徴とする。
【0011】また、請求項2記載の半導体装置の製造方
法は、半導体チップが基板に接合され、この半導体チッ
プと基板の間に形成された間隙に液状樹脂を充填する半
導体装置の製造方法であって、前記基板上の前記半導体
チップの外周に、液状樹脂を塗布しない部分を設けなが
ら前記半導体チップを囲うように前記液状樹脂を塗布す
る工程と、前記半導体装置を大気圧より低い気圧下に所
定時間保持して、前記半導体チップと基板の前記間隙の
空気を、前記液状樹脂を塗布しない部分を介して排気す
る工程と、前記塗布しない部分に、前記液状樹脂を浸透
させて前記半導体チップの全外周を前記液状樹脂で充填
し、前記液状樹脂で囲まれた大気圧より低い気圧空間を
形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0012】また、さらに請求項3記載の半導体装置の
製造方法は、請求項1記載の構成において、前記排気す
る工程の後、前記半導体装置を大気圧下に所定時間保持
して、前記半導体チップと基板の前記間隙を前記液状樹
脂で充填する工程を具備することを特徴とする。
【0013】また、さらに請求項4記載の半導体装置の
製造方法は、請求項2記載の構成において、前記大気圧
より低い気圧空間を形成する工程の後、前記半導体装置
を大気圧下に所定時間保持して、前記半導体チップと基
板の前記間隙を前記液状樹脂で充填する工程を具備する
ことを特徴とする。
【0014】また、さらに請求項5記載の半導体装置の
製造方法は、請求項1記載の構成において、前記排気す
る工程の後、前記半導体装置を大気圧より高い気圧下に
所定時間保持して、前記半導体チップと基板の前記間隙
を前記液状樹脂で充填する工程を具備することを特徴と
する。
【0015】また、さらに請求項6記載の半導体装置の
製造方法は、請求項2記載の構成において、前記大気圧
より低い気圧空間を形成する工程の後、前記半導体装置
を大気圧より高い気圧下に所定時間保持して、前記半導
体チップと基板の前記間隙を前記液状樹脂で充填する工
程を具備することを特徴とする。
【0016】また、さらに請求項7記載の半導体装置の
製造方法は、請求項1乃至6のいずれかに記載の構成に
おいて、前記液状樹脂を塗布する工程における前記塗布
しない部分は、前記半導体チップの外周の断続的な複数
部分であることを特徴とする。
【0017】また、さらに請求項8記載の半導体装置の
製造方法は、請求項1乃至7のいずれかに記載の構成に
おいて、前記液状樹脂を塗布する工程では、前記半導体
チップの外周の4隅のコーナー部分全てに前記液状樹脂
を塗布することを特徴とする。
【0018】また、請求項9記載の半導体装置の製造装
置は、集積回路を有する半導体チップの電極と基板の電
極とをバンプを介して接続した半導体装置に対し、前記
半導体チップと基板との間隙を液状樹脂で充填する半導
体装置の製造装置であって、前記基板上の前記半導体チ
ップの外周に、液状樹脂を塗布しない部分を設けながら
前記半導体チップを囲うように前記液状樹脂を塗布する
手段と、前記半導体装置を大気圧より低い気圧下に所定
時間保持する手段と、前記半導体装置を大気圧より低い
気圧下に保持したまま所定時間加熱する手段と、前記半
導体装置を大気圧下に保持したまま所定時間加熱する手
段とを具備することを特徴とする。
【0019】また、請求項10記載の半導体装置の製造
装置は、集積回路を有する半導体チップの電極と基板の
電極とをバンプを介して接続した半導体装置に対し、前
記半導体チップと基板との間隙を液状樹脂で充填する半
導体装置の製造装置であって、前記基板上の前記半導体
チップの外周に、液状樹脂を塗布しない部分を設けなが
ら前記半導体チップを囲うように前記液状樹脂を塗布す
る手段と、前記半導体装置を大気圧より低い気圧下に所
定時間保持する手段と、前記半導体装置を大気圧より低
い気圧下に保持したまま所定時間加熱する手段と、前記
半導体装置を大気圧より高い気圧下に保持したまま所定
時間加熱する手段とを具備することを特徴とする。
【0020】また、請求項11記載の半導体装置は、集
積回路を有する半導体チップの電極と基板の電極とをバ
ンプを介して接続した半導体装置であって、前記半導体
チップと前記基板との間隙が20〜200μmであり、
この間隙に樹脂が充填されていることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態の半導体装置及びその製造方法と製造装置に
ついて説明する。この発明の実施の形態の製造方法及び
製造装置により製造される半導体装置は、半導体チップ
の電極と基板の電極とをバンプを介して接続し、前記半
導体チップと基板との間隙に樹脂を充填したものであ
り、まずこの半導体装置について説明する。
【0022】図1は、この発明の実施の形態の製造方法
及び製造装置により製造される半導体装置の構成を示す
図である。この図1に示すように、半導体集積回路及び
その電極端子2aを有する半導体チップ2と、この半導
体チップ2との接続用の電極端子3a及び外部接続用の
外部端子3bを有する基板4とが、前記電極端子2a、
3a間に設けられたバンプ5を介して接続されている。
このとき、前記半導体チップ2と基板4の間に20〜2
00μmの間隙が形成されており、この間隙には樹脂8
が充填されている。この樹脂8によって、前記半導体チ
ップ2と基板4とが固着されている。
【0023】以上説明したような半導体装置が、この発
明の実施の形態の製造方法及び製造装置により製造され
る。次に、この発明の第1の実施の形態として、半導体
チップの電極と基板の電極とをバンプを介して接続した
前記半導体装置への樹脂充填方法について説明する。
【0024】図2,図3は、第1の実施の形態の前記半
導体装置の樹脂充填方法を説明するための各製造工程の
樹脂充填状態を示す平面図である。これらの図2,図3
では、樹脂充填の様子を、半導体チップの上方から半導
体チップを透視して示している。
【0025】液状樹脂が塗布される前の半導体装置の構
成は次のようになっている。図1に示したように、半導
体集積回路が形成された半導体チップ2は、基板4、例
えばセラミック基板または有機基板(BT)にバンプ5
を介して接続されている。この接続は、通常、半導体チ
ップ2にハンダから成るバンプ5を形成し、この半導体
チップ2を裏返して基板4の接続位置に合わせた後、ハ
ンダ5を溶かして一括して接合するものであり、この半
導体チップ2と基板4との間には薄い空間(間隙)、こ
こでは20〜200μmの間隙が形成されている。
【0026】このように構成された半導体装置に対し、
図2(a)に示すように、半導体チップ2の外周に、そ
の外周の一部(排気口6)を残して全体を囲い込むよう
な形状で前記半導体チップ2の側面及び基板4上に液状
樹脂8を塗布する。このときの液状樹脂8の塗布は、常
温中にて行われる。前記液状樹脂8には、例えばエポキ
シ系樹脂、シリコーン樹脂、ビニル重合樹脂、フェノー
ル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート
樹脂などの熱硬化性樹脂、またはPPS、芳香族ポリア
ミドのようなスーパーエンジニアリングプラスチック、
ナイロン樹脂、超高分子量ポリエチレンのような汎用エ
ンジニアリングプラスチック、あるいはオレフィンやア
ミドなどを使った熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性
樹脂が用いられる。
【0027】ここで、半導体チップ外周の一部に液状樹
脂8を塗布しない理由は、後述の大気圧より低い気圧下
にする減圧工程においてこの塗布しない一部を、半導体
チップ2と基板4との間隙の空気を排気するための排気
口6として使用するためである。ここで、前記大気圧
は、900〜1060hPaをいうものとする。なお、
後述する大気圧についても同様である。したがって、図
2(a)に示すような塗布形状以外に、その他の塗布形
状として、例えば図4(a)〜(n)に示すような塗布
形状にしてもよい。半導体チップ2の外周に、その外周
の一部を残して囲い込むように液状樹脂8を塗布する前
記塗布形状としては、図4(a)〜(n)に示すような
様々な形状が考えられる。
【0028】その後、液状樹脂8が塗布された前記半導
体装置全体を密閉容器に入れ、この密閉容器内を大気圧
より低い気圧にする(減圧する)。そして、前記半導体
装置を減圧雰囲気下に放置することにより、図2(b)
に示すように、液状樹脂8が塗布されていない排気口6
から、半導体チップ2と基板4との間隙の空気を排気す
る。この際、十分な排気を実現するためには、液状樹脂
8が塗布されていない排気口6を所定時間残存させてお
くことが必要であり、前記半導体装置および塗布した液
状樹脂8をできる限り加熱させない方が好ましい。室温
(25℃)以下に冷却してしまえば、より好ましい。
【0029】また、前記液状樹脂8の特性自体もこの段
階では高粘度であった方が、未塗布の一部分(排気口
6)の残存を確実にする上で好ましい。したがって、低
温で高粘度の樹脂を用いることになるため、前記液状樹
脂8の塗布時には樹脂を供給する容器及びノズルは加熱
した方が好ましい。その結果、塗布する液状樹脂8の温
度は高くなっているが、半導体チップ2及び基板4が加
熱されていなければ、塗布された液状樹脂8は直ちに冷
却されて高粘度状態にもどされる。
【0030】続いて、半導体チップ2と基板4間の間隙
の排気が終了した後、半導体装置を加熱する。すると、
図2(c),図3(a)に示すように、前記液状樹脂8
は、毛細管現象により半導体チップ2と基板4間の間隙
に浸透していくとともに、半導体チップ2外周、前記未
塗布の一部分(排気口6)にも拡がっていき、半導体チ
ップ2の外周の液状樹脂8は完全につながった状態とな
る。この現象は、液状樹脂8の粘度が低い方がより効率
的に進行する。したがって、半導体チップ2と基板4間
の間隙の排気終了時にタイミングを合わせて、半導体装
置を加熱することが好ましい。
【0031】次に、図3(a)に示すように、半導体チ
ップ2外周の液状樹脂8が完全につながった後、半導体
装置を加熱したまま真空破壊を行い、図3(b)に示す
ように、半導体装置の周囲を大気圧中に開放する。する
と、半導体チップ2と基板4間の間隙に存在する液状樹
脂8の未充填部分は、図3(c)に示すように、液状樹
脂8により押しつぶされて完全に充填される。
【0032】すなわち、図3(a)に示すように、半導
体チップ2外周の液状樹脂8が完全につながっているた
め、半導体チップ2と基板4間の液状樹脂8が充填され
ていない未充填部分は大気圧より低い閉じた気圧空間
(減圧空間)になっている。この状態で半導体装置の周
囲を大気圧中に開放すると、図3(b)に示すように、
前記減圧空間と半導体装置の周囲との間に気圧差が生じ
るため、液状樹脂外周全体に掛かる大気圧により、前記
未充填部分(減圧空間)への充填がより効率的に行われ
る。
【0033】またここで、前述したように真空破壊を行
って半導体装置の周囲を大気圧とした場合に、実用上差
し支えのある小さな未充填部分(以下ボイド)が発生す
るときは、前記半導体装置の周囲を大気圧(900〜1
060hPa)以上の高圧空間とする。これにより、液
状樹脂8に掛かる圧力を大きくして前記ボイドを液状樹
脂8により押しつぶして消滅させる。前述した未充填部
分を押しつぶすことは、図3(b)に示すような大きな
未充填部分あるいは前記ボイドを実用上差し支えない程
度の微小な大きさの未充填部分に分解して、液状樹脂8
中に分散させることを含むものとする。
【0034】なお前述では、図3(b)に示す樹脂充填
工程において、真空破壊を行って大気圧とする場合、ま
たは真空破壊後加圧する場合を説明したが、半導体装置
の周囲を大気圧より低い気圧下(減圧下)のままにして
おいてもよい。減圧下のままでも液状樹脂の毛細管現象
により、いずれ半導体チップ2と基板4間の間隙の未充
填部分に液状樹脂8が充填されることはもちろんであ
る。
【0035】また、前述した従来技術の場合、半導体チ
ップ外周にフィレットを形成させるために、樹脂充填終
了後、液状樹脂を再度塗布しなければならないのは既述
の通りだが、この第1の実施の形態では、半導体チップ
外周の主要部分に既に液状樹脂が塗布されているため、
改めて塗布する必要はない。
【0036】特に、図4(a)〜(e)、(n)に示す
ような液状樹脂の塗布形状は、半導体チップの電極と基
板の電極とをバンプを介して接続した前記半導体装置の
特性上、最も応力の集中する半導体チップの4隅のコー
ナー部分に予め塗布した好ましい例であり、この場合、
4隅部分に確実にフィレットが形成されるため、良好な
製品特性(接合強度)が得られる。さらに、図4(e)
に示すような4辺全てに対称に未塗布部分を残す塗布形
状は、半導体チップと基板間の間隙の排気効率が高く、
また、樹脂充填終了後の樹脂形状が対称となるため、応
力の集中も生じにくく最も好ましい塗布形状である。
【0037】以上説明したようにこの第1の実施の形態
によれば、半導体チップと基板の間隙の樹脂充填におい
て、半導体チップ外周の少なくとも一部を残して液状樹
脂を塗布した後、大気圧より低い気圧下(減圧下)にて
前記間隙の空気を排除するとともに、充填樹脂を加熱、
軟化して前記間隙及び半導体チップ全外周を充填させる
ことにより、前述した従来技術、すなわち半導体チップ
の外周のうち、あらかじめ液状樹脂を塗布しなかった部
分にはフィレットが形成されないため、間隙への樹脂充
填が終了した後、塗布しなかった一部に再度液状樹脂を
塗布するという方法に比べて、きわめて短時間で半導体
チップと基板との間隙へ樹脂充填を行うことができる。
さらに、空気の巻き込みや樹脂から発生するガスなどに
よってボイドが発生するのを低減できる。また、樹脂充
填を大気圧下で行うとボイドが発生する場合には、大気
圧より高い気圧下(加圧下)で行うことによりボイドの
発生を低減することができる。
【0038】次に、本発明の第2の実施の形態として、
前記半導体チップの電極と基板の電極とをバンプを介し
て接続した半導体装置への樹脂充填方法を実現するため
の樹脂充填装置について説明する。
【0039】この半導体装置の樹脂充填装置は、半導体
チップの電極と基板の電極とをバンプを介して接続した
半導体装置の基板上の半導体チップ外周に液状樹脂を塗
布する機能と、液状樹脂が塗布された半導体装置を大気
圧より低い気圧下(減圧下)、大気圧下あるいは大気圧
より高い気圧下(加圧下)に置く機能を少なくとも具備
する。
【0040】図5,図6は、前記半導体装置の間隙に樹
脂充填を行う樹脂充填装置の構成を示す図である。この
樹脂充填装置は、半導体チップ外周に液状樹脂を塗布す
る機能をもつ液状樹脂塗布ユニット(図5参照)と、液
状樹脂が塗布された半導体装置を減圧下に置き、半導体
チップと基板との間隙から空気を排気してこの間隙に液
状樹脂を充填する機能をもつ樹脂減圧充填ユニット(図
6参照)を有する。
【0041】図5に示すように、前記液状樹脂塗布ユニ
ットは、半導体チップ2の電極と基板4の電極とをバン
プを介して接続した半導体装置を載置するためのステー
ジ10と、液状樹脂8を蓄えておく液状樹脂容器(シリ
ンジ)12と、この液状樹脂容器12の先端に設けられ
液状樹脂8を噴出して基板4上に塗布するディスペンス
ノズル14と、前記液状樹脂容器12に高圧エアーを加
えるエアー供給管16と、液状樹脂8の粘度を調節する
ために前記液状樹脂容器12及びディスペンスノズル1
4を加熱する液状樹脂加熱部(ヒータ)18とから構成
される。
【0042】このように構成された前記液状樹脂塗布ユ
ニットでは、前記第1の実施の形態で説明したように常
温で高粘度の液状樹脂を用いた方が好ましいため、液状
樹脂8を供給するための液状樹脂容器12およびディス
ペンスノズル14が液状樹脂加熱部18により加熱され
る。
【0043】この加熱機構により液状樹脂容器12の中
で加熱され軟化された液状樹脂8は、エアー供給管16
から供給される空気圧により、ディスペンスノズル14
を介して前記半導体装置の基板4上の半導体チップ2の
外周に塗布される。このとき、液状樹脂8の塗布精度
は、少なくとも、図4に示したように半導体チップ2外
周に塗布しない一部を残した形状に塗布できる程度に高
精度でなければならない。
【0044】次に、図6に示すように、前記樹脂減圧充
填ユニットは、前記第1の実施の形態で説明したよう
に、液状樹脂8が塗布された半導体チップ2及び基板4
からなる半導体装置を大気圧より低い気圧下(減圧下)
に放置した後、所定時間経過してから加熱する機能を具
備している。
【0045】前記樹脂減圧充填ユニット内で温度を変え
る方法としては、加熱媒体自体の温度を変更する方法、
加熱媒体と半導体装置の間に断熱板を設けてこの断熱板
を開閉させる方法、あるいは加熱媒体と半導体装置のい
ずれか一方あるいは両方を移動あるいは回転させて、両
者の距離を変更する方法などが考えられる。ここでは、
可動式の断熱板と可動式の加熱媒体を用いた方法を説明
する。
【0046】図6に示すように、前記樹脂減圧充填ユニ
ットは、半導体装置を収納して気密空間を形成するため
の気密容器20、この気密容器20にOリング等のシー
ル材22を介して開閉される気密蓋24と、半導体装置
を加熱するために輻射熱を発する可動式の加熱媒体(ヒ
ータ)26と、半導体装置と前記加熱媒体26の間に設
けられこの加熱媒体26から半導体装置に放射される輻
射熱を遮る可動式の断熱板28と、この気密容器20内
を大気圧より低い気圧にするために空気を排気したり、
気密容器20内を大気圧より高い気圧にするために高圧
エアーを供給する吸排気管30とから構成される。
【0047】このように構成された樹脂減圧充填ユニッ
トでは、液状樹脂8が塗布された前記半導体装置が気密
容器20内に搬入された後、Oリング等のシール材22
を介した気密蓋24を閉じることによって、気密空間が
形成される。気密容器20の内部には、半導体装置の直
下に断熱板28が配置され、さらにこの断熱板28の直
下に加熱媒体26が配置されている。なお、前記断熱板
28は水平方向に移動可能な構造を有しており、また加
熱媒体26は垂直方向に移動可能な構造を有している。
【0048】また、半導体チップ2と基板4との間隙の
空気を十分に除去するためには、吸排気管30により気
密排気開始後、大気圧より低い所定の気圧まで減圧され
たことを確認し、さらに所定時間待機するようにする。
所定時間待機して間隙の空気を十分に除去した後、断熱
板28を半導体装置の直下から水平方向の他の場所へ移
動し、前記断熱板28からの輻射熱が半導体装置に放射
されるようにしてこの半導体基板を加熱する。
【0049】なお、吸排気管30で気密排気を開始した
後の単純な経過時間設定でも、十分な時間的余裕を持た
せて断熱板28を移動すれば同様な効果が期待できる
が、より確実な排気が必要最小限の時間で行えることを
考慮すれば、減圧度とディレイタイムを設定できる前者
の方がより好ましい。
【0050】前述したように、断熱板28が半導体装置
の直下から他の場所へ移動してしまえば、半導体装置と
加熱媒体26の間を遮るものがなくなるため、加熱媒体
26からの輻射熱により半導体装置は昇温する。この
際、前記加熱媒体26を垂直方向に上昇させれば、半導
体装置と加熱媒体26との距離を短くできるため、より
効率的な半導体装置の昇温が可能となる。
【0051】前記半導体装置に塗布された液状樹脂8
は、前記加熱により軟化し、やがて半導体チップ2全外
周を覆い尽くす。このとき、半導体チップ2と基板4と
の間隙の液状樹脂8に囲まれた空間は大気圧より低い閉
じた気圧空間(減圧空間)であるため、この段階で半導
体装置の周囲を大気圧中に開放してもよく、さらに大気
圧に戻した後、吸排気管30により加圧して周囲を大気
圧より高い気圧下にしてもよい。あるいは、半導体装置
の周囲を大気圧より低い気圧下のまま放置してもよい。
液状樹脂8が半導体チップ2全外周を覆い尽くしたかど
うかの確認は、例えば光学的な検出手段を設けて検出し
てもよいし、または単純に昇温開始後の経過時間で設定
してもよい。
【0052】続いて、半導体チップ2と基板4との間隙
の前記減圧空間へ液状樹脂を充填するための加熱、およ
びその後の液状樹脂の硬化反応のための加熱(150℃
程度)は、本実施の形態の樹脂減圧充填ユニットの加熱
媒体26を引き続き兼用してもよいし、また次のステッ
プに改めて追加加熱する機構を設けてもよい。また、前
記加熱媒体26には、ヒータ(電熱器等)を用いたがこ
れに限るわけではなく、赤外線ランプ等その他の加熱手
段を用いてもよい。
【0053】以上説明したようにこの第2の実施の形態
においては、半導体チップの電極と基板の電極とをバン
プを介して接続した半導体装置の半導体チップ外周の少
なくとも塗布しない一部を残して液状樹脂を塗布する機
構と、当該半導体装置を大気圧より低い気圧下(減圧
下)、大気圧下あるいは大気圧より高い気圧下(加圧
下)に放置する機構と、減圧下、大気圧下あるいは加圧
下で所定時間加熱する機構とを有することにより、前記
第1の実施の形態の製造方法を実現でき、前述した従来
技術、すなわち半導体チップの外周のうち、あらかじめ
液状樹脂を塗布しなかった部分にはフィレットが形成さ
れないため、間隙への樹脂充填が終了した後、塗布しな
かった一部に再度液状樹脂を塗布するという方法に比べ
て、きわめて短時間で半導体チップと基板との間隙へ樹
脂充填を行うことができる。さらに、空気の巻き込みや
樹脂から発生するガスなどによってボイドが発生するの
を低減できる。また、樹脂充填を大気圧下で行うとボイ
ドが発生する場合には、大気圧より高い気圧下(加圧
下)で行うことによりボイドの発生を低減することがで
きる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、前
述の従来技術、すなわち半導体チップと基板との間隙へ
の樹脂充填が終了した後、半導体チップの外周のうち予
め液状樹脂を塗布しなかった部分に再度液状樹脂を塗布
するという方法に比べて、極めて短時間で半導体チップ
と基板との間隙に樹脂充填を行うことができ、さらに樹
脂充填時に発生するボイドによる不良も低減できる半導
体装置及びその製造方法と製造装置を提供することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の製造方法及び製造装置に
より製造される半導体装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態としての半導体チッ
プの電極と基板の電極とをバンプを介して接続した半導
体装置への樹脂充填方法を説明するための各製造工程に
おける樹脂充填状態を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態としての前記半導体
装置への樹脂充填方法を説明するための各製造工程にお
ける樹脂充填状態を示す平面図である。
【図4】液状樹脂塗布時の塗布形状の変形例を示す図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施の形態としての樹脂充填装
置の液状樹脂塗布ユニットの構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態としての樹脂充填装
置の樹脂減圧充填ユニットの構成を示す図である。
【図7】従来の半導体装置の構成を示す図である。
【図8】従来の半導体チップの電極と基板の電極とをバ
ンプを介して接続した半導体装置への樹脂充填方法を説
明するための各製造工程における樹脂充填状態を示す平
面図である。
【符号の説明】
2…半導体チップ 2a,3a…電極端子 3b…外部端子 4…基板 5…バンプ 6…排気口 8…液状樹脂 10…ステージ 12…液状樹脂容器(シリンジ) 14…ディスペンスノズル 16…エアー供給管 18…液状樹脂加熱部(ヒータ) 20…気密容器 22…シール材 24…気密蓋 26…加熱媒体(ヒータ) 28…断熱板 30…吸排気管 100…半導体チップ 101…電極端子 110…基板 111…電極端子 112…バンプ 120,120a…液状樹脂

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体チップが基板に接合され、この半
    導体チップと基板の間に形成された間隙に液状樹脂を充
    填する半導体装置の製造方法において、 前記基板上の前記半導体チップの外周に、液状樹脂を塗
    布しない部分を設けながら前記半導体チップを囲うよう
    に前記液状樹脂を塗布する工程と、 前記半導体チップと基板の前記間隙の空気を、前記液状
    樹脂を塗布しない部分を介して排気する工程と、 を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 半導体チップが基板に接合され、この半
    導体チップと基板の間に形成された間隙に液状樹脂を充
    填する半導体装置の製造方法において、 前記基板上の前記半導体チップの外周に、液状樹脂を塗
    布しない部分を設けながら前記半導体チップを囲うよう
    に前記液状樹脂を塗布する工程と、 前記半導体装置を大気圧より低い気圧下に所定時間保持
    して、前記半導体チップと基板の前記間隙の空気を、前
    記液状樹脂を塗布しない部分を介して排気する工程と、 前記塗布しない部分に、前記液状樹脂を浸透させて前記
    半導体チップの全外周を前記液状樹脂で充填し、前記液
    状樹脂で囲まれた大気圧より低い気圧空間を形成する工
    程と、 を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記排気する工程の後、前記半導体装置
    を大気圧下に所定時間保持して、前記半導体チップと基
    板の前記間隙を前記液状樹脂で充填する工程を具備する
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記大気圧より低い気圧空間を形成する
    工程の後、前記半導体装置を大気圧下に所定時間保持し
    て、前記半導体チップと基板の前記間隙を前記液状樹脂
    で充填する工程を具備することを特徴とする請求項2記
    載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記排気する工程の後、前記半導体装置
    を大気圧より高い気圧下に所定時間保持して、前記半導
    体チップと基板の前記間隙を前記液状樹脂で充填する工
    程とを具備することを特徴とする請求項1記載の半導体
    装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記大気圧より低い気圧空間を形成する
    工程の後、前記半導体装置を大気圧より高い気圧下に所
    定時間保持して、前記半導体チップと基板の前記間隙を
    前記液状樹脂で充填する工程を具備することを特徴とす
    る請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記液状樹脂を塗布する工程において、
    前記塗布しない部分は、前記半導体チップの外周の断続
    的な複数部分であることを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記液状樹脂を塗布する工程では、前記
    半導体チップの外周の4隅のコーナー部分全てに前記液
    状樹脂を塗布することを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 集積回路を有する半導体チップの電極と
    基板の電極とをバンプを介して接続した半導体装置に対
    し、前記半導体チップと基板との間隙を液状樹脂で充填
    する半導体装置の製造装置において、 前記基板上の前記半導体チップの外周に、液状樹脂を塗
    布しない部分を設けながら前記半導体チップを囲うよう
    に前記液状樹脂を塗布する手段と、 前記半導体装置を大気圧より低い気圧下に所定時間保持
    する手段と、 前記半導体装置を大気圧より低い気圧下に保持したまま
    所定時間加熱する手段と、 前記半導体装置を大気圧下に保持したまま所定時間加熱
    する手段と、 を具備することを特徴とする半導体装置の製造装置。
  10. 【請求項10】 集積回路を有する半導体チップの電極
    と基板の電極とをバンプを介して接続した半導体装置に
    対し、前記半導体チップと基板との間隙を液状樹脂で充
    填する半導体装置の製造装置において、 前記基板上の前記半導体チップの外周に、液状樹脂を塗
    布しない部分を設けながら前記半導体チップを囲うよう
    に前記液状樹脂を塗布する手段と、 前記半導体装置を大気圧より低い気圧下に所定時間保持
    する手段と、 前記半導体装置を大気圧より低い気圧下に保持したまま
    所定時間加熱する手段と、 前記半導体装置を大気圧より高い気圧下に保持したまま
    所定時間加熱する手段と、 を具備することを特徴とする半導体装置の製造装置。
  11. 【請求項11】 集積回路を有する半導体チップの電極
    と基板の電極とをバンプを介して接続した半導体装置に
    おいて、 前記半導体チップと前記基板との間隙が20〜200μ
    mであり、この間隙に樹脂が充填されていることを特徴
    とする半導体装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012204718A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Apic Yamada Corp 接合装置および接合方法
JP2014506010A (ja) * 2011-01-11 2014-03-06 ノードソン コーポレーション 真空補助によるアンダーフィル形成方法
JP2015037195A (ja) * 2013-08-16 2015-02-23 印▲鉱▼科技有限公司 電子デバイスの製造方法及び製造装置
US9016342B2 (en) 2011-03-28 2015-04-28 Apic Yamada Corporation Bonding apparatus and bonding method
JP2015522218A (ja) * 2012-07-13 2015-08-03 ノードソン コーポレーションNordson Corporation 電子デバイスの真空補助アンダーフィル方法

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