JPH11121031A - ベータアルミナ電解質構造体及び二次電池 - Google Patents

ベータアルミナ電解質構造体及び二次電池

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JPH11121031A
JPH11121031A JP9285037A JP28503797A JPH11121031A JP H11121031 A JPH11121031 A JP H11121031A JP 9285037 A JP9285037 A JP 9285037A JP 28503797 A JP28503797 A JP 28503797A JP H11121031 A JPH11121031 A JP H11121031A
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alumina
electrolyte structure
sodium
electrode chamber
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JP9285037A
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Masatoshi Kudome
正敏 久留
Masayuki Fukagawa
雅幸 深川
Osao Kudome
長生 久留
Toshiro Nishi
敏郎 西
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比抵抗が小さくイオン伝導性に優れ、しかも
高強度なベータアルミナ電解質構造体及びそれを用いた
ナトリウム二次電池を提供すること。 【解決手段】 一端を閉じた管状容器の形に成形した多
孔質基体の内側又は外側の表面にベータアルミナ薄膜層
を形成してなることを特徴とするベータアルミナ電解質
構造体、及び該電解質構造体を金属製の外筒容器内に設
置して前記ベータアルミナ電解質構造体の内側及び外側
に電極室を形成し、一方を負極活物質であるナトリウム
を充填する負極室とし、他方を正極活物質を充填する正
極室としてなることを特徴とするナトリウム二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はナトリウム二次電池
用のベータアルミナ電解質構造体及びそれを用いたナト
リウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】ロードレベリングの電力貯蔵用電池ある
いは電気自動車用などに適用される充放電が可能なナト
リウム二次電池には固体電解質としてベータアルミナが
使用されている。ベータアルミナにはβアルミナ(理論
組成:Na2 O・11Al2 3 )及びβ″アルミナ
(理論組成:Na2 O・5.3Al2 3 )という2種
類の結晶形が存在し、β″アルミナの方が導電性が高く
電池として高性能を示すため、実用的にはβ″アルミナ
あるいはβ″アルミナとβアルミナの混合物のものが多
用されている。従来技術に係る固体電解質構造体及びそ
れを用いたナトリウム二次電池の1例を図7及び図8に
示す。図7のベータアルミナ電解質構造体は下部が袋状
となったチューブタイプのベータアルミナ管20で構成
されている。管の肉厚は約2mm前後である。図8は図
7のベータアルミナ電解質構造体を用いて構成されたナ
トリウム二次電池の概略断面図である。このナトリウム
二次電池は、固体電解質としてチューブタイプのベータ
アルミナ管20を用い、管の内側の正極室にはカーボン
電極5とカーボン電極5にカーボン接着剤により接合さ
れている集電棒6が設置してあり、硫黄又は硫黄と溶融
塩(塩化ナトリウム及び塩化アルミニウム)との混合物
からなる正極活物質4が含浸されている。ベータアルミ
ナ管20の上部にはαアルミナ蓋9があり、ベータアル
ミナ管20及び集電棒6が接続された正極端子10はそ
れぞれガラス半田によりαアルミナ蓋9に接合されてい
る。ベータアルミナ管20の外側に金属製の外筒容器7
があり、外筒容器7とαアルミナ蓋9とはガラス半田で
接合してある。外筒容器7とチューブタイプのベータア
ルミナ管20との間が負極室で、負極活物質としてナト
リウム3が注入され、ウィック兼安全管8が設置してあ
る。
【0003】前記のナトリウム二次電池において、放電
時には負極室のナトリウム3はナトリウムイオンと電子
に分離し、ナトリウムイオンは固体電解質であるベータ
アルミナ管20を通過して管の内部の正極室に入り硫黄
や溶融塩及びセル外部を回ってきた電子と結合してナト
リウム化合物となる。充電時には、正極室のナトリウム
化合物がナトリウムイオンと電子及び硫黄や溶融塩に分
離し、ナトリウムイオンはベータアルミナ管20を通過
して管の外側の負極室に入り、セル外部を回ってきた電
子と結合してナトリウム3となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような二次電池に
用いられる固体電解質に要求される特性は、強度に優れ
ていること、また、イオン導電性に優れていること等が
あげられる。この両者の特性は相反するものである。例
えば固体電解質を構成するベータアルミナ粒子の粒径を
小さくすると強度は上がるものの、組織が密になる分、
比抵抗は大きくなる。一方、ベータアルミナ粒子の粒径
を大きくすると強度は下がるものの、組織が粗になる分
比抵抗は小さくなる。また、同じ粒径のベータアルミナ
粒子を使用したものでも固体電解質の厚さを厚くすると
強度的に強くなるもののセル抵抗は大きくなり、固体電
解質の厚さを薄くするとセル抵抗は小さくなるものの強
度的に弱くなる。本発明はこのような従来技術の実状に
鑑み、比抵抗が小さくイオン伝導性に優れ、しかも高強
度なベータアルミナ電解質構造体及びそれを用いたナト
リウム二次電池を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
する手段として次の(1)〜(7)の構成を採るもので
ある。 (1)一端を閉じた管状容器の形に成形した多孔質基体
の内側又は外側の表面にベータアルミナ薄膜層を形成し
てなることを特徴とするベータアルミナ電解質構造体。 (2)一端を閉じた管状容器の形に成形した多孔質基体
の内側又は外側の表面に、ベータアルミナ粉末のスラリ
を塗布して一体焼結することによってベータアルミナ薄
膜層を形成してなることを特徴とするベータアルミナ電
解質構造体。
【0006】(3)一端を閉じた管状容器の形に成形し
た多孔質基体の外側の表面にベータアルミナ薄膜層を形
成してなる前記(1)又は(2)のベータアルミナ電解
質構造体を金属製の外筒容器内に設置して前記ベータア
ルミナ電解質構造体の内側及び外側に電極室を形成し、
外側の電極室を負極活物質であるナトリウムを充填する
負極室とし、内側の電極室を正極活物質である硫黄又は
硫黄と溶融塩との混合物を充填する正極室としてなるこ
とを特徴とするナトリウム二次電池。
【0007】(4)一端を閉じた管状容器の形に成形し
た多孔質基体の内側の表面にベータアルミナ薄膜層を形
成してなる前記(1)又は(2)のベータアルミナ電解
質構造体を金属製の外筒容器内に設置して前記ベータア
ルミナ電解質構造体の内側及び外側に電極室を形成し、
内側の電極室を負極活物質であるナトリウムを充填する
負極室とし、外側の電極室を正極活物質である硫黄又は
硫黄と溶融塩との混合物を充填する正極室としてなるこ
とを特徴とするナトリウム二次電池。
【0008】(5)板状の多孔質基体の一方の表面にベ
ータアルミナ薄膜層を形成してなることを特徴とするベ
ータアルミナ電解質構造体。 (6)板状の多孔質基体の一方の表面に、ベータアルミ
ナ粉末のスラリを塗布して一体焼結することによってベ
ータアルミナ薄膜層を形成してなることを特徴とするベ
ータアルミナ電解質構造体。
【0009】(7)前記(5)又は(6)のベータアル
ミナ電解質構造体の周縁にαアルミナ部材を接合し、該
αアルミナ部材にベータアルミナ電解質構造体を挟んで
負極容器及び正極容器を接合し、ベータアルミナ薄膜層
が形成された側に負極活物質であるナトリウムを充填す
る負極室を、ベータアルミナ薄膜層が形成されていない
側に正極活物質である硫黄又は硫黄と溶融塩との混合物
を充填する正極室を形成してなることを特徴とするナト
リウム二次電池。
【0010】前記のとおりナトリウム二次電池の固体電
解質には、強度に優れていること及びイオン導電性に優
れていることという二つの特性が要求される。本発明に
係るベータアルミナ電解質構造体は、強度を受け持つ部
材と電解質機能を有する部材とを厚さ方向に重ねた2重
構造、必要により3層以上の多重構造とすることによっ
て、前記特性を満足させるようにしている。また、前記
のようにベータアルミナにはβアルミナ(理論組成:N
2 O・11Al2 3 )及びβ″アルミナ(理論組
成:Na2 O・5.3Al2 3 )という2種類の結晶
形が存在し、実用的にはβ″アルミナあるいはβ″アル
ミナとβアルミナの混合物のものが多用されているが、
本発明はこれらのいずれにも適用可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係るベータアルミナ電解
質構造体においては、強度を受け持つ部材として多孔質
基材を使用する。この多孔質基材として使用される多孔
質材はナトリウム二次電池の固体電解質に必要な強度を
有し、ナトリウム化合物等を吸収し、ナトリウムイオン
も容易に通過可能で、焼結時にべーたアルミナ薄膜層の
ナトリウムが基材中に拡散しないものであって、10M
Pa以上、好ましくは50MPa以上の強度を有し、5
〜60%、好ましくは10〜40%の開孔率を有するも
のである。このような多孔質材の具体的な例としては酸
化マグネシウム、ベータアルミナなどの多孔質体を挙げ
ることができる。
【0012】本発明に係るベータアルミナ電解質構造体
は、一端を閉じた管状容器の形に成形した多孔質基体の
内側又は外側の表面又は板状の多孔質基体の一方の表面
に、ベータアルミナ薄膜層を形成させたものである。多
孔質基体の厚み及びベータアルミナ薄膜層の厚みは使用
する多孔質材の種類や適用するナトリウム二次電池の仕
様などにより適宜設定すればよいが、一般的には多孔質
基体の厚みは2mm以下、ベータアルミナ薄膜層の厚み
は1mm以下、好ましくは0.2mm以下である。ま
た、多孔質基体及びベータアルミナ薄膜層の厚みの下限
値はいずれも多孔質基体の平均ポア径以上であればよ
い。なお、管状容器の形に成形した多孔質基体は断面が
円形のものに限らず、断面が正方形、長方形その他の多
角形など任意の形状とすることができる。また、板状の
多孔質基体の形状も円盤状や多角形など任意の形状とす
ることができる。特に強度的な観点からは、多孔質基体
の形状は断面円形の管、あるいは円板状の板とするのが
好ましい。
【0013】多孔質基体表面にベータアルミナ薄膜層を
形成させる方法は特に限定されるものではなく、例え
ば、ベータアルミナ粉末を、必要によりメチルセルロー
スなどのバインダ成分などを添加した水などの媒体中に
分散させたスラリを調製し、これを多孔質基体の表面に
塗布した後、一体焼結するなどの方法によってベータア
ルミナ電解質構造体を得ることができる。
【0014】本発明に係るナトリウム二次電池は、多孔
質基体の表面にベータアルミナ薄膜層を形成させた管状
又は板状のベータアルミナ電解質構造体を挟んでベータ
アルミナ薄膜層が形成された側に負極活物質であるナト
リウムを充填する負極室を形成し、ベータアルミナ薄膜
層が形成されていない側に硫黄又は硫黄と溶融塩(塩化
ナトリウム及び塩化アルミニウム)との混合物などの正
極活物質を充填する正極室を形成したものである。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施態様を示す図面を参照し
て本発明をさらに具体的に説明する。図1は本発明のベ
ータアルミナ電解質構造体の第1の実施態様を示す構造
図、図2はそれを用いたナトリウム二次電池の概略断面
図である。図1のベータアルミナ電解質構造体22は、
下部が袋状となった管状容器の形に成形された多孔質基
体管1の外表面にベータアルミナ薄膜層2を形成させた
ものである。このようなベータアルミナ電解質構造体2
2は、下部が袋状となった管状容器の形に成形された多
孔質基体管1の外表面にベータアルミナを含むスラリを
塗布し、一体焼結して作製することができる。
【0016】図2は図1のベータアルミナ電解質構造体
22を使用して構成されたナトリウム二次電池である。
この電池においては、多孔質基体管1の外表面にベータ
アルミナ薄膜層2が形成されたベータアルミナ電解質構
造体22の内側が正極室であり、カーボン電極5及び該
カーボン電極5にカーボン接着剤により接合されている
集電棒6が設置され、正極活物質(硫黄又は硫黄と溶融
塩)4が含浸されている。ベータアルミナ電解質構造体
22の上部にはベータアルミナ電解質構造体22の外径
より大きい径のαアルミナ蓋9が載置され、ベータアル
ミナ電解質構造体22と集電棒6の端部に接合された正
極端子は、ガラス半田でαアルミナ蓋9に接合されてい
る。ベータアルミナ電解質構造体22の外側には外筒容
器7がベータアルミナ電解質構造体22を包含する形で
配設され、外筒容器7の上部はαアルミナ蓋9の外縁に
ガラス半田で接合されている。外筒容器7とベータアル
ミナ電解質構造体22との間が負極室で、負極活物質と
してナトリウム3が注入され、ウイック兼安全管8が設
置してある。図中の符号11はナトリウム注入口であ
る。
【0017】ナトリウム二次電池においては、充放電を
行うとその充放電深度に対応して負極活物質であるナト
リウムの液面が上下するが、ウイックをベータアルミナ
電解質に添えることによってナトリウムの液面に関係せ
ずベータアルミナ電解質の全表面にナトリウムを供給す
ることが可能となり、正極活物質との反応面積が常に一
定となり、安定した性能が得られる。また、ベータアル
ミナ電解質が破損すると負極活物質であるナトリウムと
正極活物質中に含まれている硫黄が反応して発熱する。
多量に反応すると爆発的な発熱となり危険であるため、
反応量を制限する方法の一つとして安全管をベータアル
ミナ電解質に添え、ベータアルミナ電解質の破損等が発
生しても安全管とベータアルミナ電解質の間のナトリウ
ムのみの反応に抑える方法がある。前記のウイック兼安
全管8はこの両者の機能を兼ね備えたものである。
【0018】図2のナトリウム二次電池において、放電
時には負極室のナトリウム3がナトリウムイオンと電子
とに分離し、ナトリウムイオンはベータアルミナ電解質
構造体22を通過して内側の正極室に入り硫黄や溶融塩
及びセル外部を回ってきた電子と結合してナトリウム化
合物となる。また、充電時には正極室のナトリウム化合
物がナトリウムイオンと電子及び硫黄や溶融塩の分離
し、ナトリウムイオンはベータアルミナ電解質構造体2
2を通過してチューブ外部の負極室に入りセル外部を回
ってきた電子と結合してナトリウム3になる。
【0019】図3は本発明のベータアルミナ電解質構造
体の第2の実施態様を示す概略図、図4はそれを用いた
ナトリウム二次電池の概略図である。図3のベータアル
ミナ電解質構造体23は、下部が袋状となった管状容器
の形に成形された多孔質基体管1の内表面にベータアル
ミナ薄膜層2を形成させたものである。このようなベー
タアルミナ電解質構造体22は、下部が袋状となった管
状容器の形に成形された多孔質基体管1の内表面にベー
タアルミナを含むスラリを塗布し、一体焼結して作製す
ることができる。
【0020】図4は図3のベータアルミナ電解質構造体
23を使用して構成されたナトリウム二次電池であり、
図2の電池とは正極、負極の位置関係がまったく反対と
なっている。本発明はこのように正極、負極の位置関係
が反対となっても適用可能である。この電池において
は、多孔質基体管1の内表面にベータアルミナ薄膜層2
が形成されたベータアルミナ電解質構造体23の上部
は、内径がベータアルミナ電解質構造体23の外径に等
しく、外径が外筒容器12の外径と等しいドーナツ状の
絶縁材であるαアルミナ部材13とガラス半田接合され
ている。ベータアルミナ電解質構造体23の外側には外
筒容器12がベータアルミナ電解質構造体23を包含す
る形で配設され、外筒容器12はαアルミナ部材13の
下面にアルミニウム合金を介して熱圧接合されている。
また、αアルミナ部材13の上面にはSS、SUS、ア
ルミニウム等からなる外筒上蓋15がアルミニウム合金
を介して熱圧接合されている。外筒容器12とベータア
ルミナ電解質構造体23との間が正極室でカーボン電極
5が設置してあり正極活物質(硫黄又は硫黄と溶融塩)
4が含浸されている。ベータアルミナ電解質構造体23
の内側が負極室で、負極活物質としてナトリウム3が注
入され、ウイック兼安全管兼負極電極21が設置してあ
り、ウイック兼安全管兼負極電極21の上端は外筒上蓋
15に取付けられた負極端子14に接合されている。
【0021】この電池においても、放電時には負極室の
ナトリウムがナトリウムイオンと電子とに分離し、ナト
リウムイオンはベータアルミナ電解質構造体23を通過
して内側の正極室に入り硫黄や溶融塩及びセル外部を回
ってきた電子と結合してナトリウム化合物となり、充電
時には正極室のナトリウム化合物がナトリウムイオンと
電子及び硫黄や溶融塩の分離し、ナトリウムイオンはベ
ータアルミナ電解質構造体23を通過してチューブ外部
の負極室に入りセル外部を回ってきた電子と結合してナ
トリウムになる。
【0022】図5は本発明のベータアルミナ電解質構造
体の第3の実施態様を示す概略図、図6はそれを用いた
ナトリウム二次電池の概略図である。図5のベータアル
ミナ電解質構造体24は、板状の多孔質基体板25の一
方の表面にベータアルミナ薄膜層2を形成させたもので
ある。このようなベータアルミナ電解質構造体24は、
板状あるいは円盤状の多孔質基体板25の一方の表面に
ベータアルミナを含むスラリを塗布し、一体焼結して作
製することができる。
【0023】図6は図5のベータアルミナ電解質構造体
24を使用して構成されたナトリウム二次電池である。
この電池は固体電解質が平板状になっているためコンパ
クト性に優れている。この電池においては、平板状のベ
ータアルミナ電解質構造体24がαアルミナ部材17と
ガラス接合されている。ベータアルミナ電解質構造体2
4のベータアルミナ薄膜層2が形成された側のαアルミ
ナ部材17には負極容器18がガラス半田接合されてい
る。ベータアルミナ電解質構造体24とαアルミナ部材
17及び負極容器18で囲まれた部屋が負極室であり、
負極活物質3としてナトリウムが注入されており、ナト
リウムの液面の高さに関係すること無く、ベータアルミ
ナ電解質構造体24の全域にナトリウムが接触するよう
にウイック16が設置してある。ベータアルミナ電解質
構造体24のベータアルミナ薄膜層2が形成されていな
い側のαアルミナ部材17には正極容器19がガラス半
田接合され、正極室を形成している。正極室には正極活
物質4として硫黄あるいは硫黄と溶融塩との混合物が内
部に設置してあるカーボン電極5に含浸されている。
【0024】この電池においても、放電時には負極室の
ナトリウムがナトリウムイオンと電子とに分離し、ナト
リウムイオンはベータアルミナ電解質構造体24を通過
して内側の正極室に入り硫黄や溶融塩及びセル外部を回
ってきた電子と結合してナトリウム化合物となり、充電
時には正極室のナトリウム化合物がナトリウムイオンと
電子及び硫黄や溶融塩の分離し、ナトリウムイオンはベ
ータアルミナ電解質構造体24を通過してチューブ外部
の負極室に入りセル外部を回ってきた電子と結合してナ
トリウムになる。
【0025】次に、本発明に係るベータアルミナ電解質
構造体の製造例を示す。工業的に製造される電池にベー
タアルミナ電解質を適用する場合には、通常片端を封じ
たチューブ状の焼結体を使用する。本発明においてはチ
ューブ状の多孔質基体管の表面にベータアルミナ薄膜を
成膜する必要がある。以下に多孔質基体管製造及びベー
タアルミナ薄膜の成膜例を示す。
【0026】多孔質基体管としては薄膜との反応性がな
いベータアルミナを用いた。先ず、酸化アルミニウム、
炭酸ナトリウム及び酸化マグネシウムを酸化物ベースで
それぞれ88.3、8.7及び3.0重量%となるよう
に秤量し、アルコール(エタノール)及び粉体に対し1
重量%の分散剤(メチルセルロース)を加えて粉体60
重量%のスラリを調製した。なお、上記粉体組成は1例
であり、他の組成でも状態図上でベータアルミナとなる
組成であれば問題はない。得られたスラリをポットに入
れ、アルミナボールを用いて24時間混合した。混合後
のスラリをロータリーエバポレータで濃縮後、120℃
の乾燥器にて1昼夜乾燥させた。その乾燥物を粉砕し、
500ミクロンの篩を通した後、仮焼した。仮焼は5℃
/minで昇温後、1250℃で2時間保持し、5℃/
minで降温させることによって行った。
【0027】得られた仮焼粉は粒成長しているため、粉
砕と多孔性を与えるための気孔付与剤の混合を行った。
すなわち、アルコール、分散剤及び気孔付与剤としてメ
チルセルロース及びカーボンを添加し、粉体60重量%
のスラリを調製し、5時間混合、粉砕を行った。得られ
たスラリを再度乾燥させた後、静水圧プレス(CIP)
にて管状に成形した。なお、基体管はCIP法のみなら
ず、乾燥割れ防止剤であるグリセリン等を加えて混練
後、押出し成形を行うという、より工業的な手法を採用
することもできる。
【0028】次に、ベータアルミナ薄膜用のスラリを調
製した。このスラリの仮焼処理までは前述の基体管製造
の場合の操作と同一とした。仮焼後、粉体60重量%の
スラリを調製し、仮焼粉の粒径を微細化して、緻密化を
促進するように混合、粉砕時間を48時間とした。前記
のCIP法で作製した成形体をベータアルミナ薄膜用の
スラリに浸漬した後、室温で24時間乾燥させた。この
ようにしてスラリーコートを施した基体管を5℃/mi
nの昇温速度で昇温し、1600℃で10分間保持後、
1450℃で5時間アニール処理を施し、筒状の焼結体
を作製した。焼結体の外表面は緻密体であり、内側は多
孔質体である。外表面の緻密度はPT試験及び顕微鏡観
察で評価した。PT試験とは溶媒に溶かした色素をサン
プルに塗布し、拭き取り後の色素の浸透具合を目視して
緻密度等をチェックする試験であり、前記焼結体の外表
面はこのPT試験により色素が観察されない程度に緻密
化していた。また、内側の多孔度は添加する気孔付与剤
及び分散剤の量で制御が可能である。本実施例において
は、基体管の気孔率を約30%とした。
【0029】
【発明の効果】本発明のベータアルミナ電解質構造体及
びそれを用いたナトリウム二次電池には、従来使用され
ている固体電解質及びそれを用いたナトリウム二次電池
に比較して次のようなメリットがある。 (1)固体電解質の薄膜化と高強度化が同時に達成で
き、イオン導電性に優れ、かつ高強度な固体電解質を有
した二次電池が可能となる。 (2)固体電解質のイオン導電性の向上によりセルの抵
抗が低減され、ジュール熱が抑えられるため、電気エネ
ルギーが熱に変わる割合が減り効率的な電気エネルギー
の貯蔵が可能となる。 (3)固体電解質の高強度化により電池の信頼性が向上
する。 (4)固体電解質構造体の正極側が多孔質基体で形成さ
れるため正極側のウイック効果を兼ねることになり、正
極活物質の液面(充電深度)に関係なく安定した性能が
得られる。 (5)固体電解質構造体の正極側に多孔質基体があるた
め固体電解質が直接正極活物質と接することが無いの
で、電解質表面への硫黄等の絶縁物の付着がなく、電解
質の抵抗を低く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベータアルミナ電解質構造体の第1の
実施態様を示す構造図。
【図2】図1のベータアルミナ電解質構造体を用いたナ
トリウム二次電池の概略断面図。
【図3】本発明のベータアルミナ電解質構造体の第2の
実施態様を示す構造図。
【図4】図3のベータアルミナ電解質構造体を用いたナ
トリウム二次電池の概略断面図。
【図5】本発明のベータアルミナ電解質構造体の第3の
実施態様を示す構造図。
【図6】図5のベータアルミナ電解質構造体を用いたナ
トリウム二次電池の概略断面図。
【図7】従来技術に係る固体電解質構造体の1例を示す
構造図。
【図8】図7の固体電解質構造体を用いたナトリウム二
次電池の概略断面図。
フロントページの続き (72)発明者 西 敏郎 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端を閉じた管状容器の形に成形した多
    孔質基体の内側又は外側の表面にベータアルミナ薄膜層
    を形成してなることを特徴とするベータアルミナ電解質
    構造体。
  2. 【請求項2】 一端を閉じた管状容器の形に成形した多
    孔質基体の内側又は外側の表面に、ベータアルミナ粉末
    のスラリを塗布して一体焼結することによってベータア
    ルミナ薄膜層を形成してなることを特徴とするベータア
    ルミナ電解質構造体。
  3. 【請求項3】 一端を閉じた管状容器の形に成形した多
    孔質基体の外側の表面にベータアルミナ薄膜層を形成し
    てなる請求項1又は2に記載のベータアルミナ電解質構
    造体を金属製の外筒容器内に設置して前記ベータアルミ
    ナ電解質構造体の内側及び外側に電極室を形成し、外側
    の電極室を負極活物質であるナトリウムを充填する負極
    室とし、内側の電極室を正極活物質である硫黄又は硫黄
    と溶融塩との混合物を充填する正極室としてなることを
    特徴とするナトリウム二次電池。
  4. 【請求項4】 一端を閉じた管状容器の形に成形した多
    孔質基体の内側の表面にベータアルミナ薄膜層を形成し
    てなる請求項1又は2に記載のベータアルミナ電解質構
    造体を金属製の外筒容器内に設置して前記ベータアルミ
    ナ電解質構造体の内側及び外側に電極室を形成し、内側
    の電極室を負極活物質であるナトリウムを充填する負極
    室とし、外側の電極室を正極活物質である硫黄又は硫黄
    と溶融塩との混合物を充填する正極室としてなることを
    特徴とするナトリウム二次電池。
  5. 【請求項5】 板状の多孔質基体の一方の表面にベータ
    アルミナ薄膜層を形成してなることを特徴とするベータ
    アルミナ電解質構造体。
  6. 【請求項6】 板状の多孔質基体の一方の表面に、ベー
    タアルミナ粉末のスラリを塗布して一体焼結することに
    よってベータアルミナ薄膜層を形成してなることを特徴
    とするベータアルミナ電解質構造体。
  7. 【請求項7】 請求項4又は5に記載のベータアルミナ
    電解質構造体の周縁にαアルミナ部材を接合し、該αア
    ルミナ部材にベータアルミナ電解質構造体を挟んで負極
    容器及び正極容器を接合し、ベータアルミナ薄膜層が形
    成された側に負極活物質であるナトリウムを充填する負
    極室を、ベータアルミナ薄膜層が形成されていない側に
    正極活物質である硫黄又は硫黄と溶融塩との混合物を充
    填する正極室を形成してなることを特徴とするナトリウ
    ム二次電池。
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