JPH11119834A - 帯状材切断工程における送り制御方法及び装置 - Google Patents

帯状材切断工程における送り制御方法及び装置

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JPH11119834A
JPH11119834A JP30483997A JP30483997A JPH11119834A JP H11119834 A JPH11119834 A JP H11119834A JP 30483997 A JP30483997 A JP 30483997A JP 30483997 A JP30483997 A JP 30483997A JP H11119834 A JPH11119834 A JP H11119834A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 継ぎ目を有する帯状材に付されているマーク
を基準に帯状材を間欠送りし、かつ切断する切断工程の
休止を可及的に防止しながら継ぎ目部分を排除する送り
制御方法および装置を提供する。 【解決手段】 一部のマーク間隔が他のマーク間隔と異
なっている帯状材2を帯状材切断装置1で切断する際
に、マーク検出器5によってマーク3を読み取り、マー
ク3の間隔が正規のものとは異なっている場合に、その
検出したマーク間隔および/または正規の送りピッチに
基づいて定めた送りパターンを、検出したマーク間隔に
よって選択し、その選択した送りパターンによって帯状
材を間欠送りし、かつ切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、帯状材に設けら
れたマークを基準に帯状材を切断することにより、所定
長さのシートを製造する帯状材の切断工程においてその
帯状材をカッタに対して送るための制御方法および装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、帯状材を一定間隔ごとに切断して
シート材を得る場合、一定間隔で帯状材に付したマーク
を、帯状材のパスラインの所定位置に固定したセンサー
で読み取ることにより、帯状材を一定間隔で間欠送りす
ることがおこなわれている。その一例が特開昭62−1
36397号公報に記載されており、この公報に記載さ
れた方法では、帯状材に付されたマークと切断位置との
ズレを補正するために、フィードローラを駆動するサー
ボモータに補正パルスを送るように構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように帯状材
に付したマークを検出することにより、帯状材の送り量
を決定し、その送り量ごとに帯状材を切断する例とし
て、前記マークを所定の印刷図柄と共に施されたフィル
ムを積層した鋼板を一定長さのシートに切断する例が知
られている。これは、例えば缶胴用のシート材を得る場
合に利用されており、その場合、鋼板の長さとフィルム
の長さとが必ずしも等しくないため、切断工程の途中で
フィルムの供給ロールを交換し、先行のフィルムの末尾
に後続するフィルムの先端を接着テープ等で接続させて
から、フィルムの鋼板に積層・貼着をおこなっている。
【0004】このため、フィルム積層鋼板にはフィルム
の継ぎ目が存在する場合があり、先行のフィルムの末尾
部分のマークと後続するフィルムの先端部分のマークと
の間隔が常時正常ピッチになるとは限らないので、これ
らのフィルムの接続部分では、マークの間隔が長短に変
化している。したがって通常の状態と同様に、フィルム
の接続部分においてマークに基づいて帯状材を間欠送り
し、かつ切断するとすれば、正常のものより短いシート
材あるいは長いシート材が生じる。
【0005】このようないわゆる不良のシート材は、カ
ッターの前方に搬送するとともに、通常のラインから排
除することになるが、不良シート材が極端に短い場合に
は、カッターの前方(下流側)にシート材を送る送りロ
ーラ(テークアウェイローラ)に不良シート材の先端部
が届かず、不良シート材がライン上に残ってトラブルを
生じる可能性がある。また反対に不良シート材が極端に
長い場合には、不良シートをラインから排除する機構に
よって保持できず、その結果、所期どおりラインからそ
の不良シートを排除できず、この点でもトラブルが生じ
ることがある。
【0006】このため、従来では、帯状材のパスライン
の途中に継ぎ目を検出するための検出器を設け、その検
出器が継ぎ目を検出した際に切断装置を停止して、継ぎ
目の部分を手動により下流側に引き出し、この部分を切
断して排除し、その後再び所定長さのシート材を切断す
るようにしていた。
【0007】その結果、従来では、帯状材に付したマー
クに基づいて帯状材を切断する場合、マークの間隔が相
違していることにより生じる不良シート材(不等間隔シ
ート材)の排除を手作業でおこなわざるを得ず、切断工
程の休止時間が長くなって稼働率が低下する不都合があ
った。
【0008】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであり、継ぎ目によって帯状材に付されたマーク
の間隔が変化して、長さの異なる切断材(シート材)が
生じる場合であっても、帯状材の切断を連続して実行す
ることのできる送り制御方法およびその方法を実施する
ための装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、継ぎ目を有す
る帯状材に付されたマークをセンサーによって読み取
り、マークを基準に前記帯状材を間欠送りして帯状材を
切断する帯状材切断工程における送り制御方法におい
て、前記センサーによってマークを読み取ることによ
り、前記帯状材を切断するべく予め定められたピッチP
とは異なる継ぎ目が存在するマーク間隔Xを計測した場
合、前記帯状材の間欠送り長さを、前記マーク間隔Xに
基づき、予め設定された送り長さの上下限値の範囲内で
構成される送りパターンの中から決まる値に設定し、連
続的に帯状材を間欠送りして切断・排除しつつ、最小限
の処理回数で前記帯状材をパターン送りからマーク基準
の間欠送りに復帰するようにしたことを特徴とする方法
である。
【0010】したがって請求項1の発明によれば、マー
クの間隔が正常でない継ぎ目部分が切断位置に送られて
きた場合、前記センサーによってマークを読み取ること
により、継ぎ目を挟んだマーク同士の間隔Xを計測し、
前記計測された間隔Xに基づいて、帯材の間欠送り長さ
を予め設定された送り長さの上下限値の範囲内で構成さ
れる送りパターンの中から決まる値に設定し、連続的に
帯状材を間欠送りして切断、排除しつつ、前記帯状材を
パターン送りからマークを基準に間欠送り状態に復帰す
るので、継ぎ目部分が送られてきても切断工程の休止を
可及的に回避し、その稼働率を向上させることができ
る。
【0011】また請求項2の発明は、請求項1の発明の
構成に加えて、前記帯状材の送りパターンが、送り長さ
の上下限値の範囲内の(X/n),{(P+X)/
n},(X−nP)(但し、nは自然数)の中から決定
される送り長さを初回の送り長さとすることを特徴とす
る方法である。
【0012】したがって請求項2の発明では、機械的に
搬送もしくは排除することができる切断片の許容長さの
範囲が狭い場合、あるいはマーク同士の間隔Xが予め定
められたピッチPの二倍を超えるような場合でも、nの
値を変化させることにより制約条件に応じた送りパター
ンが設定されるので、切断後の切断片が搬送もしくは排
除される際に、切断片による搬送上のトラブル発生を防
ぐことができる。
【0013】また請求項3の発明は、請求項1の発明の
構成に加えて、前記マーク同士の間隔Xを計測できない
場合には、これらのマークの間での帯状材の間欠送り長
さを前記ピッチPとすることを特徴とする方法である。
【0014】したがって請求項3の発明では、例えば前
記マークの間隔が長すぎてマークを検出できない場合で
あっても、帯状材をそのマーク間隔に従って極端に長く
間欠送りすることがない。その結果、機械的に搬送もし
くは排除をおこなえないほどの切断片が生じることを有
効に防止し、帯状材の連続した切断をおこなうことがで
きる。
【0015】さらにまた、請求項4の発明は、上記の請
求項2に記載された構成に加えて、切断位置とセンサー
との間に、継ぎ目を挟んだ前記マーク間隔Xを構成する
前マークと後マークとが近接して存在し、かつ(P+
X)が送り長さの上限値よりも小さい場合には、前記前
マークをとばして前記後マークを基準にして帯状材を間
欠送りすることを特徴とする方法である。
【0016】したがって、請求項4の発明では、例え
ば、継ぎ目を挟むマーク間隔Xが極めて小さく、センサ
ーから切断位置までの間に継ぎ目を挟む前後のマークが
読み取れる場合、帯状材の間欠送り長さを、継ぎ目を挟
むマーク間隔Xを構成する前マークはとばして後マーク
までの送りとすることによって、不等間隔送りが一回だ
けとなり、かつ不良シート材の発生も一枚だけとなる。
その結果、材料歩留まりを向上させることができる。な
お、前マーク・後マークとは、継ぎ目が存在するマーク
間隔Xを構成する二つのマークのうち、帯状材のパスラ
インの下流側に位置するマークを前マークとし、他方を
後マークとする。
【0017】一方、請求項5の発明は、継ぎ目を有する
帯状材に一定間隔で付されたマークを検出することによ
りその帯状材をカッターに対して間欠的に供給しかつ切
断する帯状材切断工程における送り制御装置において、
前記マークを読み取るマーク検出器と、前記帯状材の送
り量を検出する送り量検出手段と、これらのマーク検出
器および送り量検出手段との検出信号に基づいて二つの
マークの間隔を計測するマーク間隔計測手段と、このマ
ーク計測手段によって計測されたマーク間隔と予め定め
た正常なマーク間隔とに基づいて、前記帯状材を前記カ
ッターに対して送る送り長さが、予め設定された最短長
さと最長長さとの間の範囲内となる送りパターンを、予
め定めた送りパターンから前記計測されたマークの間隔
に基づいて選択するパターン決定手段とを備えているこ
とを特徴とするものである。
【0018】したがって請求項5の発明では、帯状材に
継ぎ目が存在することにより、帯状材の切断位置を決定
するマークの間隔が正常のマークの間隔と相違しても、
搬送やラインからの排除をおこなうことのできない長さ
の切断片が生じることがない。その結果、正常なマーク
間隔と相違したマーク間隔が搬送された場合でも、帯状
材の切断を休止することなく連続して切断でき、装置の
稼働率を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の具体例を図面を
参照して説明する。図1はこの発明による帯状材の送り
制御方法が実施される帯状材の切断装置の一例を示す概
略図である。この具体例で用いられる帯状材2は、帯状
材切断装置1が設けられる生産ラインの上流側で、帯状
の鋼板の一方の表面に、マーク3が一定ピッチPで印刷
されたフィルムを積層して貼着したものであり、そのフ
ィルムの長さが鋼板の長さと必ずしも等しくなく、した
がってフィルムは帯状材2の切断の進行に伴って先行の
ものが繰り出し終わった後に新たに用意されたものが鋼
板に連続して貼着される。そのため、帯状材2にはフィ
ルムの継ぎ目4が存在しており、その継ぎ目4が間に存
在するマーク3の間隔Xは、正常なマーク3のピッチP
とは異なる長さになっている。
【0020】帯状材切断装置1にはマーク3を読み取る
ためのマーク検出器5が設けられており、また、そのマ
ーク検出器5よりも帯状材2の搬送方向での下流側(図
1での右側)に、帯状材2に搬送力を与えるためのフィ
ードローラ6が設けられている。そして、そのフィード
ローラ6の図1における右側に、帯状材2を切断(剪
断)するためのプレスカッタ7が配置されている。な
お、マーク検出器5とプレスカッタ7との間隔は、正常
なマーク3のピッチPよりも幾分長い距離Lに設定され
ている。
【0021】なお、この距離Lが正常なマークピッチP
の二倍を超える場合には、マーク3を上流側からトラッ
キング(追跡)制御する必要があり、装置構成の簡素
化、切断精度の確保の点で難がある。したがって、前記
距離Lを極端に長い距離にすべきではないことは充分に
理解されるところである。これに対して本例では、マー
クを切断位置に送る直前で帯状材の送り長さを決定する
ことができるので、上記のような難点は解決される。
【0022】さらに、そのプレスカッタ7に対して搬送
方向での下流側(図1における右側)には、帯状材2を
切断して得た切断片であるシート8を送るためのテイク
ローラ9が設けられている。また、そのテイクローラ9
に対して搬送方向での下流側(図1における右側)でパ
スラインの上方には、フィルムの継ぎ目を含む箇所の処
理のための調整シート8をパスラインから排除するため
のリジェクトゲート10が設けられている。
【0023】そして、フィードローラ6には、サーボモ
ータなどのフィードローラ駆動手段11とフィードロー
ラ6の回転量に応じたパルスを発生するロータリーエン
コーダなどのフィードローラパルス発生器12とが接続
して設けられている。なお、このフィードローラパルス
発生器12がこの発明の送り量検出手段に相当してい
る。また、プレスカッタ7は、剪断刃を備えたものであ
って、プレスカッタ駆動手段13によって上下動作させ
られて帯状材2の剪断をおこなうように構成されてい
る。さらに、テイクローラ9には、モータなどのテイク
ローラ駆動手段14が接続して設けられ、テイクローラ
9を回転駆動させることによりシート8を図1の右方向
に搬送するように構成されている。そして、リジェクト
ゲート10は、シート8の搬送方向を変更するためのも
のであって、テイクローラ9によって送られたシート8
のパスラインとそのパスラインから外れた位置との間で
選択的に往復移動するよう構成され、その動作をおこな
わせるためのリジェクトゲート駆動手段15が設けられ
ている。
【0024】つぎに上記の切断装置において帯状材2を
プレスカッタ7に対して供給する送り機構の制御系統に
ついて説明する。図2はその制御系統の全体的な構成を
示すブロック図であり、前記マーク検出器5とフィード
ローラパルス発生器12とがマーク間隔計測手段16に
接続されている。このマーク間隔計測手段16は、例え
ばマーク検出器5からマーク3を検出した信号が入力さ
れる都度、カウンタをゼロリセットする。また、ゼロリ
セット後にフィードローラパルス発生器12から入力さ
れるパルス信号をカウントすることにより、マーク3同
士の間隔を計測すると共に、マーク検出器5の位置から
既に送った距離Sも計測するように構成されている。
【0025】このマーク間隔計測手段16がパターン決
定手段17に接続され、さらにこのパターン決定手段1
7にはピッチ設定手段18が接続されている。このピッ
チ設定手段18は、帯状材2の正規の切断長さ、切断さ
れたシートの搬送可能な最大長、最小長、さらにはマー
ク検出器5とプレスカッタ7との距離L等を、ダイヤル
やテンキーなどによって入力するよう構成されている。
また、パターン決定手段17は、マーク間隔計測手段1
6から入力されたマーク3の実際の間隔と、ピッチ設定
手段18から入力されたピッチPとを比較するととも
に、両者に相違がない場合には、マーク検出器5とプレ
スカッタ7との距離Lから既送り量Sを引いた量(L−
S)の送りを繰り返し行わせ(正常時の送り制御)、両
者に相違があった場合には、計測されたマーク3の間隔
に基づいて帯状材2の送りパターンを決定し、すみやか
に正常時の送り制御に復帰させるように構成されてい
る。なお、その送りパターンについては後述する。
【0026】このパターン決定手段17はフィードロー
ラ駆動手段である送り制御手段19に接続されている。
この送り制御手段19は、帯状材2の間欠送り量が、入
力された送りパターンとなるようにフィードローラ6を
駆動するように構成されている。またこの送り制御手段
19には、前記フィードローラパルス発生器12が接続
され、帯状材2の送り量をフィードバック制御するよう
になっている。
【0027】また送り制御手段19は、プレスカッタ駆
動手段13に接続され、帯状材2の間欠送りが終了する
都度、プレスカッタ駆動手段13に信号を出力してプレ
スカッタ7による帯状材2の切断をおこなうように構成
されている。また一方、送り制御手段19は、送り制御
が正規のピッチPに基づいた送りであること、および継
ぎ目4を含む箇所の処理のための送りであることを示す
各信号をリジェクトゲート駆動手段15に出力し、切断
シートの送り箇所を次工程(製品パイラー)と排除位置
(リジェクトゲート10)とに切り換えるように構成さ
れている。そしてプレスカッタ駆動手段13は、テイク
ローラ駆動手段14と送り制御手段19とに接続されて
おり、プレスカッタ7による切断動作の終了信号をテイ
クローラ駆動手段14に入力することによりテイクロー
ラ14を回転駆動させてシート8などの切断片をリジェ
クトゲート10側に搬送させ、またフィードローラ6を
回転駆動させて帯状材2の間欠送りをおこなわせるよう
に構成されている。
【0028】上述した装置による帯状材2の送り制御の
一例を図3および図4を参照して説明する。図3に示す
制御ルーチンは、数ミリ秒ごとに実行されるルーチンで
あり、先ずステップ51で、マーク3を読み取ることに
より信号の入力の有無が判断され、判断結果がノーであ
ればリターンし、また反対にイエスであれば、ステップ
52に進む。ステップ52ではマーク間隔データがチェ
ックされ、すなわち計測したマーク3の間隔が読み込ま
れ、ステップ53に進む。
【0029】ステップ53では、そのマーク間隔データ
とピッチPとが比較され、これらの長さの差がゼロもし
くは許容範囲内であることにより、異常がないと判断さ
れれば、ステップ54に進み、フラグFNGが0とされ、
リターンされる。また、マーク間隔データとピッチPと
の差が、許容範囲を越えていることにより、異常がある
と判断された場合には、ステップ55に進んでフラグF
NGが1とされ、リターンされる。
【0030】したがって図3の制御ルーチンは、マーク
間隔の異常判定ルーチンであり、これに対して図4に示
す制御ルーチンは、その異常判定ルーチンに基づいてフ
ィードローラの駆動を制御するルーチンである。このル
ーチンも数ミリ秒ごとに実行され、先ず、ステップ56
でフィードローラ6のスタート指示が既におこなわれて
いるか否かが判断される。その判断結果がノーであれば
リターンされ、イエスであれば、ステップ57に進む。
ステップ57で既に送りパターンが確定しているか否か
が判断され、イエスであれば次の送りを行うためにステ
ップ58に進む。すなわち送りパターンに従ったフィー
ドローラ6のスタート処理をおこなう。
【0031】また、ステップ57がノーであればステッ
プ59に進み、マーク3が検出されたか否かが判断され
る。マーク3の間隔が、マーク検出器5とプレスカッタ
7との間隔Lより長くなっていれば、フィードローラ6
を1ピッチ分駆動してもマーク3が検出されないので、
この場合は判断結果がノーとなり、ステップ60に進
む。この場合、マーク間隔を知ることができないので、
ステップ60ではピッチPだけ送るように処理され、ス
テップ58に進む。またステップ58の判断がイエスで
あれば、ステップ61に進む。
【0032】ステップ61でフラグFNGが1であるか否
かが判断される。すなわちマーク間隔に異常があるか否
かが判断される。その判断結果がノーであればステップ
62に進む。この場合、マーク間隔に異常がないので、
マーク間隔だけ帯状材2を送るように処理され、ステッ
プ58に進む。またステップ61の判断がイエスであれ
ば送りパターンを決定する必要があり、ステップ63に
進む。
【0033】ステップ63では、マーク間隔に異常があ
る帯状材2を生産ラインのプレスカッタ7よりも下流に
おいて種々のトラブルを引き起こさない長さに帯状材2
を切断する送りパターンを決定する。そしてその送りパ
ターンを確定(ステップ71)した後にフィードローラ
のスタート処理をおこなう(ステップ58)。
【0034】図5は送りパターンを決定するためのサブ
ルーチンを示しており、このルーチンでは、計測された
マーク間隔Xと、ピッチPと、マーク検出器5からプレ
スカッタ7までの距離Lと、生産ラインによって決定さ
れる帯状材2の最小長さMinおよび最大長さMaxと
の五つの長さによって決定される。なおここで、最小長
さMinは、プレスカッタ7によって切断して生じた切
断片を搬送できないことを避けるために設定された長さ
であり、前記プレスカッタ7とテイクローラ9との間隔
に基づいて設定された値である。また最大長さMax
は、リジェクトゲート10に当接してしまうなどの異常
を避けるために設定された長さであり、リジェクトゲー
ト10までの距離などに基づいて設定されている。
【0035】図5において、まず、ステップ64でマー
ク間隔Xが0よりも大きく、(L−P)以下であるか否
かが判断される。イエスであるならばパターン1と判断
され、ステップ71に進みパターンが確定する。また、
ノーであるならばステップ65に進む。次に、ステップ
65ではマーク間隔Xが(L−P)よりも大きく、(M
ax−P)以下であるか否かが判断される。イエスであ
るならばパターン2と判断され、ステップ71に進みパ
ターンが確定する。また、ノーであるならばステップ6
6に進む。
【0036】また、ステップ66でマーク間隔Xが(M
ax−P)よりも大きく、最小長さMinよりも小さい
か否かが判断される。イエスであるならばパターン3と
判断され、ステップ71に進みパターンが確定する。ま
た、ノーであるならばステップ67に進む。次に、ステ
ップ67ではマーク間隔Xが最小長さMin以上で、L
以下であるか否かが判断される。イエスであるならばパ
ターン4と判断され、ステップ71に進みパターンが確
定する。また、ノーであるならばステップ68に進む。
【0037】さらに、ステップ68でマーク間隔XがL
よりも大きく、最大長さMax以下であるか否かが判断
される。イエスであるならばパターン5と判断され、ス
テップ71に進みパターンが確定する。また、ノーであ
るならばステップ69に進む。次に、ステップ69では
マーク間隔Xが最大長さMaxよりも大きく、(Min
+P)よりも小さいか否かが判断される。イエスである
ならばパターン6と判断され、ステップ71に進みパタ
ーンが確定する。また、ノーであるならばパターン7と
判断され、ステップ71に進みパターンが確定する。
【0038】つぎに、帯状材2の送りパターンであるパ
ターン1ないしパターン7について図6ないし図12を
用いて説明する。なお、図6ないし図12において、帯
状材2は右方向に送られる。
【0039】図6を参照してパターン1を説明する。パ
ターン1では、計測されたマーク間隔Xが0より大き
く、かつ(L−P)以下なので、(a)に示すようにマ
ーク3aの位置で帯状材2がプレスカッタ7によって切
断されるときには、前マークであるマーク3bと後マー
クであるマーク3cとが読み取られており、継ぎ目4を
挟んだマーク間隔Xの長さが計測されている。ここで、
マーク3b,3cのマーク間隔Xはテイクローラ9によ
って送ることのできる最小長さに基づいて定められた長
さMinよりも短いので、プレスカッタ7とテイクロー
ラ9との間にシート8が残置されることを避けるため
に、前マークであるマーク3bで切断せずにとばして、
後マークであるマーク3cで切断する。その結果、長さ
(X+Pab)のシートが生じる。ここでPabとは、マー
ク3aとマーク3bとの実際の間隔である。そして、
(X+Pab)は最大長さMaxよりも小さい値なので、
帯状材2を長さ(X+Pab)だけ送り、マーク3cで切
断すると(b)に示す状態になる。長さ(X+Pab)の
シート8はリジェクトゲート10によって除去される。
また、帯状材2が長さ(X+Pab)だけ送られる間にマ
ーク3dが読み取られる。なお、このマーク間隔Pcdは
正規のピッチPである。そして、(b)に示す状態から
帯状材2が長さPcdだけ送られて、マーク3dで切断さ
れると(c)に示す状態になる。したがってパターン1
は、マーク3b,3cが連続して検出された場合に、正
常な状態とは異なり、(X+Pab)の送りを1回おこな
い、その後に正規のピッチPに従った送りをおこなう送
りパターンである。
【0040】図7を参照してパターン2を説明する。パ
ターン2では、計測されたマーク間隔Xが(L−P)よ
り大きくかつ(Max−P)以下であるから、(a)に
示すようにマーク3aの位置で帯状材2がプレスカッタ
7によって切断されるときには、マーク3bは読み取ら
れているが、マーク3cは読み取られておらず、継ぎ目
4を挟んだマーク間隔Xの長さは計測されていない。そ
のため、継ぎ目4を挟んだマーク間隔Xが存在すること
はまだ検出されていない。よって、帯状材2をマーク間
隔Pabだけ送り、マーク3bで切断する。すると、
(b)に示す状態になる。帯状材2がマーク間隔Pabだ
け送られる間にマーク3cが読み取られるので、継ぎ目
4を挟んだマーク間隔Xの長さが計測されるが、マーク
3dはまだ読み取られていない。マーク3b,3cのマ
ーク間隔Xは最小長さMinよりも短いので、帯状材2
を長さ(X+P)だけ送り、切断する。その結果、長さ
(X+P)のシート8が発生する。
【0041】(X+P)は最大長さMax以下なので、
帯状材2を長さ(X+P)だけ送り、切断すると、
(c)に示す状態になる。長さ(X+P)のシート8は
リジェクトゲート10によって除去される。また、帯状
材2が長さ(X+P)だけ送られる間にマーク3eが読
み取られる。そして、(c)に示す状態において先頭の
切断位置は、マーク3dを基準に切断されたものではな
く、予め設定された正規間隔Pを加えた長さ(X+P)
として前回切断されているため、先頭の切断位置からマ
ーク3eまでの長さは(Pcd+Pde−P)となってい
る。その結果、(c)に示す状態から帯状材2をマーク
3eを基準にして切断すると、(d)に示す状態にな
る。長さ(Pcd+Pde−P)のシート8は長さPに概ね
等しいが、誤差を含んだシート長さになっているため、
リジェクトゲート10によって除去される。そして、帯
状材2が次のマーク3eまで送られる間にマーク3fが
読み取られる。これらのマーク3eとマーク3fとの間
隔Pefは正規のピッチPである。そして、(d)に示す
状態から帯状材2は長さPefだけ送られて、マーク3f
で切断されると(e)に示す状態になる。したがってパ
ターン2は、ピッチPより短いマーク間隔Xが計測され
ることにより、第1回目に(X+P)の送りをおこな
い、ついで第2回目に次のマーク3eまでの送りをおこ
ない、その後に正常なマーク3に基づいた送りをおこな
うパターンである。
【0042】図8を参照してパターン3を説明する。パ
ターン3では、計測されたマーク間隔Xが(Max−
P)より大きく、かつ最小長さMinよりも小さいの
で、(a)に示すようにマーク3aの位置で帯状材2が
プレスカッタ7によって切断されるときには、マーク3
bは読み取られているがマーク3cは読み取られていな
い。そのため、継ぎ目4を挟んだマーク間隔Xの長さは
計測されておらず、継ぎ目4を挟んだマーク間隔Xが存
在することはまだ検出されていない。よって、帯状材2
をマーク間隔Pabだけ送り、マーク3bで切断する。す
ると、(b)に示す状態になる。帯状材2がマーク間隔
Pabだけ送られる間にマーク3cが読み取られるので、
継ぎ目4を挟んだマーク間隔Xの長さが計測される。こ
こで、マーク3b,3cのマーク間隔Xは最小長さMi
nよりも短い。
【0043】また、マーク3cから左側にピッチPcdだ
け離れたマーク3dはまだ読み取られていないので、マ
ーク間隔XとピッチPとを足した長さ(X+P)だけ送
るとすれば、長さ(X+P)はリジェクトゲート10に
よってシート8を選別できる最大長さに基づいて定めら
れた長さMaxよりも長くなってしまう。そこで、最小
長さMinよりも長く、最大長さMaxよりも短い長さ
{(X+P)/2}だけ帯状材2を送り、マーク3bか
ら図8における左方向に長さ{(X+P)/2}だけ離
れた位置3αで切断する。その結果、長さ{(X+P)
/2}のシート8が生じ、(c)に示す状態になる。長
さ{(X+P)/2}のシート8はリジェクトゲート1
0によって除去される。
【0044】また、帯状材2が長さ{(X+P)/2}
だけ送られる間にマーク3dが読み取られる。そして、
(c)に示す状態において、先頭の切断位置はマーク3
cを基準に切断されたものではなく、先頭の切断位置か
らマーク3dまでの長さは(X/2+Pcd−P/2)と
なっている。ここで、長さ(X/2+Pcd−P/2)は
Pcdが正規ピッチPに等しいことから、{ (X+P)/
2} に等しく、下流側へ搬送可能な長さであることがわ
かる。その結果、(c)に示す状態から帯状材2をマー
ク3dを基準にして切断すると、(d)に示す状態にな
る。長さ(X/2+Pcd−P/2)のシート8はリジェ
クトゲート10によって除去される。そして、帯状材2
が次のマーク3dまで送られる間にマーク3eが読み取
られ、これらマーク3dとマーク3eとの間隔Pdeは正
規のピッチPである。そして、(d)に示す状態から帯
状材2が長さPdeだけ送られて、マーク3eで切断さ
れ、(e)に示す状態になる。したがってパターン3
は、正規のピッチPより短いマーク間隔Xが検出された
際に、第1回目に{(X+P)/2}の送りをおこな
い、ついで第2回目に次のマーク3dまでの送りをおこ
ない、その後に正常なマーク3に従って送りをおこなう
パターンである。
【0045】図9を参照してパターン4を説明する。パ
ターン4では、計測されたマーク間隔Xが、最小長さM
in以上かつL以下なので、(a)に示すようにマーク
3aの位置で帯状材2がプレスカッタ7によって切断さ
れるときには、マーク3bは読み取られているがマーク
3cは読み取られていない。したがって、継ぎ目4を挟
んだマーク間隔Xの長さは計測されていない。そのた
め、継ぎ目4を挟んだマーク間隔Xが存在することはま
だ検出されていない。よって、帯状材2をピッチPabだ
け送り、マーク3bで切断する。すると、(b)に示す
状態になる。帯状材2がピッチPabだけ送られる間にマ
ーク3cが読み取られるので、継ぎ目4を挟んだマーク
間隔Xの長さが計測される。
【0046】ここで、マーク間隔Xは最小長さMin以
上なので、帯状材2を長さXだけ送り、マーク3cで切
断すると(c)に示す状態になる。そして長さXのシー
ト8はリジェクトゲート10によって除去される。ま
た、帯状材2が長さXだけ送られる間にマーク3dが読
み取られ、これらマーク3cとマーク3dとの間隔Pcd
は正規のピッチPである。そして、(c)に示す状態か
ら帯状材2は長さPcdだけ送られて、マーク3dで切断
され、(d)に示す状態になる。したがって、パターン
4は、正規のピッチPとは異なる長さのマーク間隔Xが
検出された際に、その計測されたマーク間隔Xの送りを
おこない、その後に正常なマーク3に従って送りをおこ
なうパターンである。
【0047】図10を参照してパターン5を説明する。
パターン5は、計測されたマーク間隔Xが、Lより大き
く、かつ最大長さMax以下なので、(a)に示すよう
にマーク3aの位置で帯状材2がプレスカッタ7によっ
て切断されるときには、マーク3bは読み取られている
がマーク3cは読み取られていない。そのため、継ぎ目
4を挟んだマーク間隔Xの長さは計測されておらず、継
ぎ目4を挟んだマーク間隔Xが存在することはまだ検出
されていない。よって、帯状材2をピッチPabだけ送
り、マーク3bで切断する。すると、(b)に示す状態
になる。しかしながら、帯状材2がピッチPabだけ送ら
れる間にマーク3cが読み取られないので、継ぎ目4を
挟んだマーク間隔Xの長さは計測されておらず、継ぎ目
4を挟んだマーク間隔Xが存在することはまだ検出され
ていない。
【0048】そこで、帯状材2をピッチPだけ送り、マ
ーク3bから図10における左方向にピッチPだけ離れ
た位置3αで切断する。その結果、長さPのシート8が
生じ、(c)に示す状態になる。長さPのシート8はリ
ジェクトゲート10によって除去される。また、帯状材
2が長さPだけ送られる間にマーク3cが読み取られ、
継ぎ目4を挟んだマーク間隔Xの長さが計測される。し
かし、次にマーク3cで切断すると、長さ(X−P)の
シート8が生じるが、長さ(X−P)は最小長さMin
よりも短い。また、マーク3dは読み取られていない。
【0049】そこで、計測されたマーク間隔Xが最大長
さMax以下なので、帯状材2を長さXだけ送り、切断
すると、(d)に示す状態となり、長さXのシート8が
生じる。長さXのシート8はリジェクトゲート10によ
って除去される。また、帯状材2が長さXだけ送られる
間にマーク3eが読み取られ、これらマーク3dとマー
ク3eとのマーク間隔Pdeは正規のピッチPである。
【0050】そして、(d)に示す状態において先頭の
切断位置はマーク3dを基準にして切断されたものでは
なく、先頭の切断位置からマーク3eまでの長さは(P
cd+Pde−P)となっている。その結果、(c)に示す
状態から帯状材2をマーク3eを基準にして切断する
と、(e)に示す状態になる。長さ(Pcd+Pde−P)
のシート8はリジェクトゲート10によって除去され
る。また、帯状材2がマーク3eまで送られる間にマー
ク3fが読み取られ、これらマーク3eとマーク3fと
のマーク間隔Pefは正規のピッチPであるから、(e)
に示す状態から帯状材2は長さPefだけ送られてマーク
3fで切断され、(f)に示す状態になる。したがって
パターン5は、正規のピッチPより長いマーク間隔Xが
検出された際に、第1回目にピッチPの送りをおこな
い、第2回目にマーク間隔Xの送りをおこない、そして
第3回目に次のマーク3eまでの送りをおこない、その
後に正常なマーク3に従って送りをおこなうパターンで
ある。
【0051】図11を参照してパターン6を説明する。
パターン6では、計測されたマーク間隔Xが、予め設定
した最大長さMaxより大きく、かつ(Min+P)よ
りも小さいので、(a)に示すようにマーク3aの位置
で帯状材2がプレスカッタ7によって切断されるときに
は、マーク3bは読み取られているがマーク3cは読み
取られていない。そのため、継ぎ目4を挟んだマーク間
隔Xの長さは計測されておらず、継ぎ目4を挟んだマー
ク間隔Xが存在することはまだ検出されていない。
【0052】したがって先ず、帯状材2をマーク間隔P
abだけ送り、マーク3bで切断する。すると、(b)に
示す状態になる。しかしながら、帯状材2がマーク間隔
Pabだけ送られる間にマーク3cが読み取られないの
で、継ぎ目4を挟んだマーク間隔Xの長さは計測されて
おらず、継ぎ目4を挟んだマーク間隔Xが存在すること
はまだ検出されていない。そこで、この場合は、帯状材
2をピッチPだけ送り、マーク3bから図11における
左方向にピッチPだけ離れた位置3αで帯状材2を切断
する。すると、長さPのシート8が発生し、(c)に示
す状態になる。この長さPのシート8はリジェクトゲー
ト10によって除去される。
【0053】また、帯状材2が長さPだけ送られる間に
マーク3cが読み取られ、継ぎ目4を挟んだマーク間隔
Xの長さが計測される。しかし、次にマーク3cで切断
するとすれば、長さ(X−P)のシート8が生じるが、
長さ(X−P)は最小長さMinよりも短くなってしま
う。また、帯状材2を長さXだけ送って切断するとすれ
ば、長さXのシート8が生じるが、長さXは最大長さM
axよりも長くなってしまう。そこで、帯状材2を最大
長さMaxより短い長さX/2だけ送り、マーク3bか
ら図11における左方向に長さX/2だけ離れた位置3
βで帯状材2を切断する。すると、(d)に示す状態と
なり、長さX/2のシート8が発生する。長さX/2の
シート8はリジェクトゲート10によって除去される。
【0054】また、帯状材2が長さX/2だけ送られる
間にマーク3dが読み取られ、これらマーク3dとマー
ク3Eとのマーク間隔Pdcは正規のピッチPである。そ
して、(d)に示す状態において、先頭の切断位置はマ
ーク3cを基準にして切断されたものではなく、先頭の
切断位置からマーク3dまでの長さは(X/2+Pcd−
P)となっている。ここで、(X/2+Pcd−P)の長
さは、Pcdが実質的に正規ピッチPに等しいことから、
X/2に等しく、下流側へ搬送可能な長さであることが
わかる。その結果、(d)に示す状態から帯状材2をマ
ーク3dを基準にして切断すると、(e)に示す状態に
なる。長さ(X/2+Pcd−P)のシート8はリジェク
トゲート10によって除去される。そして、帯状材2が
次のマーク3dまで送られる間にマーク3eが読み取ら
れ、これらマーク3dとマーク3eとのマーク間隔Pde
は正規のピッチPであるから、(e)に示す状態から帯
状材2は長さPdeだけ送られてマーク3eで切断され、
(f)に示す状態になる。したがってパターン6は、正
規のピッチPより長いマーク間隔Xが計測された際に、
先ず、ピッチPと同じ長さの送りをおこない、ついでX
/2の送りをおこない、さらに次のマーク3dまでの送
りをおこない、その後に正常なマーク3に従って送りに
復帰するパターンである。
【0055】図12を参照してパターン7を説明する。
パターン7では、計測されたマーク間隔Xが(Min+
P)より大きいので、(a)に示すように帯状材2がマ
ーク3aの位置でプレスカッタ7によって切断されると
きには、マーク3bは読み取られているがマーク3cは
読み取られていない。そのため、継ぎ目4を挟んだマー
ク間隔Xの長さは計測されておらず、継ぎ目4を挟んだ
マーク間隔Xが存在することはまだ検出されていない。
よって、帯状材2をピッチPabだけ送り、マーク3bで
切断する。すると、(b)に示す状態になる。帯状材2
がピッチPabだけ送られてもマーク3cが読み取られな
いので、継ぎ目4を挟んだマーク間隔Xの長さは計測さ
れておらず、継ぎ目4を挟んだマーク間隔Xが存在する
ことはまだ検出されていない。
【0056】そこで、帯状材2をピッチPだけ送り、マ
ーク3bから図12における左方向にピッチPだけ離れ
た位置3αで帯状材2を切断する。すると、長さPのシ
ート8が生じ、(c)に示す状態になる。長さPのシー
ト8はリジェクトゲート10によって除去される。ま
た、帯状材2が長さPだけ送られる間にマーク3cが読
み取られ、継ぎ目4を挟んだマーク間隔Xの長さが計測
される。そして、長さ(X−P)はMinより大きいの
で、帯状材2を(X−P)だけ送り、マーク3cで切断
する。その結果、長さ(X−P)のシート8が発生し、
(d)に示す状態となる。長さ(X−P)のシート8は
リジェクトゲート10によって除去される。
【0057】そして、帯状材2が長さ(X−P)だけ送
られる間にマーク3dが読み取られ、これらマーク3c
とマーク3dとのマーク間隔Pcdは正規のピッチPであ
るから、(d)に示す状態から帯状材2は長さPcdだけ
送られて、マーク3dで切断され、(e)に示す状態に
なる。したがってパターン7は、正規のピッチPとは異
なるマーク間隔Xが計測された際に、第1回目の送りと
してピッチPの送りをおこない、第2回目に(X−P)
の送りをおこない、その後に正常なマーク3に従って送
りに復帰するパターンである。
【0058】なお、計測されたマーク間隔Xはフィルム
を重ねて継ぐ場合、正常にピッチPの2倍を超えること
はなく、また継ぎ目4が連続して現れることはないの
で、帯状材2を切断するパターンは上記の七つのパター
ンのいずれかに相当することになる。
【0059】このように、表面にフィルムを積層して貼
着した帯状の鋼板を、上記構成の帯状材切断装置および
送り制御装置を用いて前記マーク3を基準として送りか
つ切断することによって、フィルムの継ぎ目が存在する
マーク間隔がどのような長さでも、そのマーク間隔部分
すなわち不良シート(不等間隔シート)を自動的に除去
することができる。したがってフィルムの継ぎ目がカッ
タの位置に到達しても、ラインを止める必要がなく、切
断装置の稼働率の低下を未然に防止することができる。
【0060】なお、ごく稀なケースではあるが、継ぎ目
が存在するマーク間隔が正規間隔Pとまったく同じにな
ることがある。その場合を含め、確実に継ぎ目部分を排
除できるようにするため、継ぎ目を認識できる機能をマ
ーク検出器に設けるか、または別途公知の継ぎ目検出器
を設けることができる。
【0061】またこの具体例では、帯状材としてフィル
ムを貼着した鋼板を対象とした例を説明したが、この発
明はこれに限定されることはなく、帯状材として切断の
基準となるマークの付された金属板やプラスチックフィ
ルム、紙なども対象とすることができる。そして、それ
らの場合であっても、上述した例と同様に送り制御しか
つ切断することにより、継ぎ目が存在するマーク間隔部
分を排除することができる。
【0062】さらにこの具体例では、送りパターンを構
成している送り長さとして、(X/n),{(P+X)
/n},(X−nP)においてnを1または2としてい
ずれか一つを採用したが、この発明はこれに限定される
ことはなく、nは自然数であればよい。
【0063】すなわち、このn値はパターン送りの処理
回数を示すもので、正規間隔に対する不等間隔の不足長
さ分、あるいは過多長さ分を正規シートに分配あるいは
集配(長い場合には、正規シートに分配し、短い場合に
は複数の正規シートから不足分を補う)させて切断処理
する回数であり、機械的に搬送もしくは排除することが
できる切断片の許容長さの範囲が狭い場合、あるいはマ
ーク同士の間隔Xが予め定められたピッチPの二倍を超
える長い場合、稀ではあるが、先行フィルムの末尾と後
続するフィルムの先端とが大きく離れた状態で接着テー
プ等により接続された場合など、または送り長さが長く
フィードローラに機械的な余裕がない場合には、n値を
3以上にすることにより複数に分けて分配または集配す
ることができる。
【0064】そして、継ぎ目が存在するマーク間隔Xが
非常に短く、その前マークと後マークとがが互いに隣接
して存在し、かつ前マークの間隔に継ぎ目が存在するマ
ーク間隔Xを加えた長さが送り長さの上限値よりも小さ
い場合には、前マークを無視し、後マークを基準にして
帯状材を間欠送りすることにより、一回の処理で正規の
マーク間隔送りに復帰させることができる。さらに、マ
ーク検出器で検出されないほどマーク間隔Xが非常に長
い場合には、マークが検出されるまで正規ピッチPを送
り長さとして送り、マークが検出され、マーク間隔Xが
計測された時点で送りパターンが決定されるようにすれ
ば、総処理回数を少なくすることができる。
【0065】なおこの具体例では、送りパターンの数が
七つであるが、この発明はこれに限定されず、帯状材の
送り長さを変化させることによって、送りパターンの数
を増減させてもよい。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように請求項1あるいは請
求項2もしくは請求項5の発明によれば、帯状材に付さ
れているマークに基づいて帯状材を一定ピッチで間欠送
りし、かつその間欠送りの都度、切断をおこなって所定
長さのシート材を得るにあたり、検出されたマークの間
隔に長短の変化がある継ぎ目が存在するマーク間隔の帯
状材が搬送されてきた場合、その検出されたマーク間隔
で帯状材をマークを基準にして間欠送りするだけでな
く、検出されマーク間隔と正常なマーク間隔とに基づい
て定まる所定の送りパターンで間欠送りし、かつ切断を
おこなうから、得られるシート材の長さが、機構上、搬
送もしくは排除することのできないものとなることがな
く、その結果、この発明によれば、フィルムを接続して
貼着した鋼板のような帯状材であっても、そのフィルム
の継ぎ目などにおけるマーク間隔の変化する箇所をその
長さに応じて切断し、かつ除去するなどの機械的なハン
ドリングが可能になり、引き続き、マークを基準に帯状
材を間欠送りして切断する状態に復帰するので、それに
伴って切断工程の休止を防止してその稼働率を向上させ
ることができる。
【0067】また請求項3の発明では、マーク間隔が検
出できない場合であっても、一旦、帯状材をハンドリン
グの可能な長さのシート材が生じるように送りをおこな
うので、このような場合であっても切断工程の休止を防
止できる。
【0068】さらに請求項4の発明では、正常なマーク
に基づかない帯状材の送りや切断を、必要最小限に抑制
することができるので、廃棄するべき不良シート材が少
なくなって材料歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の帯状材切断方法が用いられる帯状材
切断装置の一例を示す概略図である。
【図2】図1に示す帯状材切断装置の制御系統を示すブ
ロック図である。
【図3】マーク間隔の異常判定のルーチンの一例を示す
フローチャートである。
【図4】帯状材の送り処理の制御ルーチンの一例を示す
フローチャートである。
【図5】帯状材の送りパターンを判定するルーチンの一
例を示すフローチャートである。
【図6】この発明による第1の送りパターンを説明する
ための概略図である。
【図7】この発明による第2の送りパターンを説明する
ための概略図である。
【図8】この発明による第3の送りパターンを説明する
ための概略図である。
【図9】この発明による第4の送りパターンを説明する
ための概略図である。
【図10】この発明による第5の送りパターンを説明す
るための概略図である。
【図11】この発明による第6の送りパターンを説明す
るための概略図である。
【図12】この発明による第7の送りパターンを説明す
るための概略図である。
【符号の説明】
1…帯状材切断装置、 2…帯状材、 3…マーク、
4…継ぎ目、 16…マーク間隔計測手段、 17…パ
ターン決定手段、 18…送り制御手段(フィードロー
ラ駆動手段)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 継ぎ目を有する帯状材に付されたマーク
    をセンサーによって読み取り、マークを基準に前記帯状
    材を間欠送りして帯状材を切断する帯状材切断工程にお
    ける送り制御方法において、 前記センサーによってマークを読み取ることにより、前
    記帯状材を切断するべく予め定められたピッチPとは異
    なる継ぎ目が存在するマーク間隔Xを計測した場合、前
    記帯状材の間欠送り長さを、前記マーク間隔Xに基づ
    き、予め設定された送り長さの上下限値の範囲内で構成
    される送りパターンの中から決まる値に設定し、連続的
    に帯状材を間欠送りして切断・排除しつつ、最小限の処
    理回数で前記帯状材をパターン送りからマーク基準の間
    欠送りに復帰するようにしたことを特徴とする帯状材切
    断工程における送り制御方法。
  2. 【請求項2】 前記帯状材の送りパターンが、送り長さ
    の上下限値の範囲内の(X/n),{(P+X)/
    n},(X−nP)(但し、nは自然数)の中から決定
    される送り長さを初回の送り長さとすることを特徴とす
    る請求項1に記載の帯状材切断工程における送り制御方
    法。
  3. 【請求項3】 前記マーク同士の間隔Xを計測できない
    場合、マークが検出されるまで予め定められた前記ピッ
    チPで送り、マーク間隔Xが計測された後、送りパター
    ンが決定されるようにしたことを特徴とする請求項1に
    記載の帯状材切断工程における送り制御方法。
  4. 【請求項4】 切断位置とセンサーとの間に、継ぎ目を
    挟んだ前記マーク間隔Xを構成する前マークと後マーク
    とが近接して存在し、かつ(P+X)が送り長さの上限
    値よりも小さい場合には、前記前マークをとばして前記
    後マークを基準にして帯状材を間欠送りすることを特徴
    とする請求項2に記載の帯状材切断工程における送り制
    御方法。
  5. 【請求項5】 継ぎ目を有する帯状材に一定間隔で付さ
    れたマークを検出することによりその帯状材をカッター
    に対して間欠的に供給しかつ切断する帯状材切断工程に
    おける送り制御装置において、 前記マークを読み取るマーク検出器と、 前記帯状材の送り量を検出する送り量検出手段と、 これらのマーク検出器および送り量検出手段との検出信
    号に基づいて二つのマークの間隔を計測するマーク間隔
    計測手段と、 このマーク計測手段によって計測されたマーク間隔と予
    め定めた正常なマーク間隔とに基づいて、前記帯状材を
    前記カッターに対して送る送り長さが、予め設定された
    最短長さと最長長さとの間の範囲内となる送りパターン
    を、予め定めた送りパターンから前記計測されたマーク
    の間隔に基づいて選択するパターン決定手段とを備えて
    いることを特徴とする帯状材切断工程における送り制御
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011207229A (ja) * 2011-05-23 2011-10-20 Fuji Xerox Co Ltd 印刷システム

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JP2008162170A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Fuji Xerox Co Ltd 印刷システム、裁断装置、及び裁断方法
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