JPH1111934A - 非晶質アルミノシリケートの製造方法 - Google Patents

非晶質アルミノシリケートの製造方法

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JPH1111934A
JPH1111934A JP18461897A JP18461897A JPH1111934A JP H1111934 A JPH1111934 A JP H1111934A JP 18461897 A JP18461897 A JP 18461897A JP 18461897 A JP18461897 A JP 18461897A JP H1111934 A JPH1111934 A JP H1111934A
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JP
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alkali metal
amorphous aluminosilicate
sio
cao
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JP18461897A
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Kenji Yamada
兼士 山田
Katsumasa Nakahara
勝正 中原
Hachiro Hirano
八朗 平野
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ土類金属イオン捕捉能と吸油能が大
きく、洗剤用ビルダーに好適な非晶質アルミノシリケー
トの効率的な製造方法の提供。 【解決手段】 ケイ酸アルカリ金属塩水溶液とアルミン
酸アルカリ金属塩水溶液をモル比でSiO2:Al
23:R2O=2〜15:5〜20:65〜93となる
ように40℃以下で攪拌混合し、析出した沈殿を水洗分
離し目的物を得た後、該分離により得たSiO2/Al2
3 モル比0.1以下の母液をアルミン酸アルカリ金属
塩水溶液として再使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗剤、特に衣料用
洗剤、食器用洗剤、洗顔洗身用洗剤または工業用洗剤へ
配合する洗剤用ビルダーとして好適なアルカリ土類金属
イオン捕捉能と吸油性に優れた、アルカリ土類金属イオ
ン捕捉剤として使用できる、X線回折装置で測定したと
きに実質的に非晶質であるアルミノシリケート(この明
細書全体を通して、これを単に「非晶質アルミノシリケ
ート」と称する)粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、洗剤用ビルダーとして用いられて
いるNaA型ゼオライトは、アルカリ土類金属イオン捕
捉能が大きいことから、アニオン系界面活性剤との混合
スラリーをスプレードライする方法で粒状の洗剤に配合
されている。しかしながら、このNaA型ゼオライト
は、界面活性剤と混練して洗剤を形成せしめる場合に
は、その吸油量が40g/100g程度のため、ホワイ
トカーボンのような吸油量の大きい材料を添加しなけれ
ば粒状洗剤にならなかった。
【0003】このため洗剤のコストが上昇したり、コン
パクト化が難しいという欠点があった。上記した問題点
を解決する手段として、近頃非晶質アルミノシリケート
を洗剤用ビルダーとして配合することが提案されてお
り、本発明者も最近アルカリ土類金属イオン捕捉能と吸
油性の優れた非晶質アルミノシリケートの製造方法を開
発し、既に特許出願した(特願平8ー8652号)。こ
の方法で製造された非晶質アルミノシリケートは、前記
したとおり洗浄剤に配合するのに必要な性質において
は、優れた特性を有するものの、この非晶質アルミノシ
リケートの製造工程において、析出した沈殿を分離する
際に発生する分離母液の処理に関しては何ら配慮されて
いない。
【0004】この分離母液中にはアルミナ成分とシリカ
成分が含有されており、これをそのまま廃棄すると資源
の無駄になるだけでなく、これら成分のほかに高濃度の
アルカリも含まれていることから、このまま投棄するこ
とはできず、廃棄するに当たっては中和処理が必要にな
る。そのため更に有益な酸性物質を無駄に使用すること
になる。このようなことから、本発明者は上記分離母液
を製造工程において再使用することを考慮した。
【0005】ところが、上記製造工程にて非晶質アルミ
ノシリケートを沈殿させ、分離した母液に不足した原料
を追加して、分離母液を再使用する場合、製造された非
晶質アルミノシリケートの中には、所定の特性を有して
いないものがあることが判明した。そこでその原因を追
究したところ、ケイ酸アルカリ金属塩水溶液とアルミン
酸アルカリ金属塩水溶液中のSiO2分とAl23分と
2O分とのモル比に問題があり、このモル比をある特
定の範囲にコントロールすることによって、分離母液を
再使用しても、特性の低下のない非晶質アルミノシリケ
ートが得られる範囲のあることを突き止めた。その結果
完成したのが本発明である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルカリ土
類金属イオン捕捉能と吸油能に優れ、洗剤用ビルダーと
して好適なアルカリ土類金属イオン捕捉剤として使用で
きる非晶質アルミノシリケート製造方法において、析出
した沈殿を分離した後の分離母液を非晶質アルミノシリ
ケートを製造する際の原料の一部として再使用すること
を可能とせしめた製造方法を提供するものであり、この
ように再使用しても、製造した非晶質アルミノシリケー
トのアルカリ土類金属イオン捕捉能と吸油能の特性に低
下がなく、優れた特性のものが得られることを特徴とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、まずケイ酸
アルカリ金属塩水溶液とアルミン酸アルカリ金属塩水溶
液を、SiO2分とAl23分とR2O(Rはアルカリ金
属より選ばれる1種類以上の元素の総称)分とがモル比
でSiO2:Al23:R2O=2〜15:5〜20:6
5〜93となるように混合し、攪拌しながら40℃以下
に保持し、析出した沈殿を分離して非晶質アルミノシリ
ケートを製造するものであり、ここで沈殿を分離した際
に生ずる分離母液は、その組成を調整してアルミン酸ア
ルカリ金属塩水溶液として再使用するものである。また
先の3者のモル比を前記したとおりにすることによっ
て、分離した後の母液中のSiO2/Al23 モル濃度
比を0.1以下にすることができ、その結果この母液が
再使用できるのである。
【0008】
【発明の実施の形態】前記したプロセスからなる本発明
で製造された非晶質アルミノシリケートは、Al23
モルに対し、R2O を0.01〜2.0モル、好ましく
は0.016〜1.25モル、SiO2 を1.0〜4.
0モル、好ましくは1.6〜2.5モル含有する非晶質
の物質である。RはNaまたはKが好ましく、特にNa
が好ましい。本発明で得られた非晶質アルミノシリケー
トはアルカリ土類金属イオン捕捉能が優れていることが
一つの特徴であり、その捕捉能は、本発明では後記する
A法およびB法によるCaイオン捕捉量で規定する。
【0009】本発明で製造された非晶質アルミノシリケ
ートは、A法によるCaイオン捕捉量が100mgCa
O/g以上であって、かつB法によるCaイオン捕捉量
が90mgCaO/g以上である。特に、B法のような
低いCaO濃度においても、高いアルカリ土類金属捕捉
能を有しており、すなわち30重量ppmという低いC
aO濃度でも後記するような高い能力を有しており、こ
のような性能があれば洗剤用ビルダーとして充分機能す
るものである。また本発明の非晶質アルミノシリケート
は含水物でもよく、その場合上記のCaイオン捕捉量の
測定では、添加重量は無水物換算で表わす。なお、この
明細書で無水物換算とは、800℃の温度で1時間乾燥
した後の重量を基準にした数値を意味する。
【0010】本発明で得られる非晶質アルミノシリケー
トは、吸油量が80〜300g/100gであること
も、もう一つの特徴であり、このような性能を有してい
れば、界面活性剤と混練し、それを担持せしめる場合に
はホワイトカーボンなどを添加しなくてもよい。吸油量
が80g/100g未満では、その能力が低いためホワ
イトカーボン等の油を吸収せしめる能力のある含浸用材
料を加える必要があり、洗剤のコンパクト化が難しくな
るので不適当となる。本発明で製造された非晶質アルミ
ノシリケートの吸油量は300g/100gが上限であ
り、これを越えるとCa捕捉能が低下するので、これを
越えない範囲で、両特性が所定の範囲にあるところで非
晶質アルミノシリケートを製造することが大事なことで
ある。
【0011】本発明で得られる非晶質アルミノシリケー
トについては、比表面積は10〜50m2/gにあるこ
とが必要である。それが10m2/g未満では吸油量が
低下するので不適当であり、50m2 /g超では吸油量
は充分であるがアルカリ土類金属イオン捕捉能が低く、
特にB法によるCaイオン捕捉量が不足するので不適当
である。
【0012】本発明では、ケイ酸アルカリ金属塩水溶液
とアルミン酸アルカリ金属塩水溶液とを混合し、反応さ
せることによって非晶質アルミノシリケートを製造す
る。スラリー状で得られた非晶質アルミノシリケート
は、ろ過等の固液分離および水洗によって母液を除去
し、純水中に再び懸濁してスラリー状としたり、または
乾燥して粉末状としたりできる。固液分離および水洗に
よって析出した非晶質アルミノシリケートの沈殿を分離
する際に発生する分離母液中には、余剰のAl23、S
iO2 、及びR2Oが溶解している。この余剰のAl2
3、SiO2、及びR2Oを再使用することが製造コスト
低減のために重要である。
【0013】本発明では、この問題を解決したのであ
る。非晶質アルミノシリケートを製造するに当たり、使
用される原料がケイ酸アルカリ金属塩水溶液とアルミン
酸アルカリ金属塩水溶液であることから、余剰のAl2
3、SiO2およびR2Oを含有する分離母液の再使用
方法としては、以下の2通りが想定される。一つは、分
離母液をケイ酸アルカリ金属塩水溶液として使用する方
法であり、もう一つは、分離母液をアルミン酸アルカリ
金属塩水溶液として使用する方法である。
【0014】前者の場合には、非晶質アルミノシリケー
トの反応時の仕込み組成に対して不足分のSiO2とR2
Oを添加して所望の組成とするには、SiO2の含有量
がR2Oに比べて低いために珪砂などのSiO2 源を加
えることが必要であり、そのためにはSiO2 を溶解さ
せるのにオートクレーブ等の新たに費用のかかる設備が
必要となり好ましくない。他方後者の場合には、アルミ
ン酸アルカリ金属塩水溶液の組成に対して、不足分のA
23とR2O を添加して所望の組成とすることになる
が、その際にはAl23源としては安価な水酸化アルミ
ニウムが使用されることになる。
【0015】Al23源として、水酸化アルミニウムを
使用するには、アルカリを加えて加熱溶解することによ
り、再使用できるアルミン酸アルカリ金属塩水溶液が形
成されるが、分離母液中のSiO2 濃度が多い場合、水
酸化アルミニウムを溶解することができない。本発明者
は、今回、この課題を解決すべく試験を行い、残留Si
2分を分離母液中のSiO2/Al23モル濃度比で
0.1以下とすることで目標が達成できることを見出し
た。
【0016】主原料として反応に使用されるケイ酸アル
カリ金属塩としては、ケイ酸ナトリウム、またはケイ酸
カリウムなどが使用できる。アルミン酸アルカリ金属塩
としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム
等が使用できる。これには、水酸化アルミニウムとアル
カリ金属水酸化物を加熱溶解したものも使用できる。ケ
イ酸アルカリ金属塩水溶液またはアルミン酸アルカリ金
属塩水溶液には、必要に応じてあらかじめアルカリ金属
水酸化物水溶液を混合しておいてもよい。
【0017】ケイ酸アルカリ金属塩水溶液とアルミン酸
アルカリ金属塩水溶液の混合の方法は特に限定されな
い。一方のアルカリ金属塩水溶液を満たした容器中に他
方のアルカリ金属塩水溶液を添加してもよく、両アルカ
リ金属塩水溶液を同時に反応容器中に添加してもよい。
添加に際しては、それぞれのアルカリ金属塩水溶液が充
分混合できるように攪拌しながら行うことが好ましい。
具体的には、R2O/SiO2モル比が0.25〜4.0
のケイ酸アルカリ金属塩水溶液と、R2O/Al23
ル比が1.0〜3.0のアルミン酸アルカリ金属塩水溶
液を混合するのが好ましい。
【0018】ケイ酸アルカリ金属塩水溶液とアルミン酸
アルカリ金属塩水溶液との混合は、SiO2分とAl2
3分とR2O分とがモル比でSiO2:Al23:R2O=
2〜15:5〜20:65〜93となるようにする。こ
の三者のモル比をかかる範囲に維持することがこの発明
にとって大事なことである。このようにすることによっ
て、分離母液中のSiO2/Al23 モル濃度比を0.
1以下にすることができるのである。
【0019】本発明者の前記先願発明では、上記三者の
モルがSiO2:Al23:R2O=5〜30:2〜1
0:60〜93となっており、かかる場合には、その全
範囲にわたっては、分離母液を再使用して、アルミン酸
アルカリ金属塩水溶液を作成することができない。
【0020】具体的には、SiO2が本発明の下限未
満、Al23 が本発明の範囲の下限未満またはR2
が本発明範囲の上限超では、得られる非晶質アルミノシ
リケートは比表面積が10m2 /g未満および吸油量が
80g/100g未満となり好ましくない。SiO2
本発明の範囲の上限超、Al23が本発明の範囲の上限
超又はR2 Oが本発明の範囲の下限未満では、得られる
非晶質アルミノシリケートは、比表面積が50m2 /g
超および吸油量が80〜300g/100gとなるが、
B法によるCaイオン捕捉量が90mgCaO/g未満
となり、また、分離母液中の残留SiO2分がSiO2
Al23モル濃度比で0.1より大きくなるので好まし
くない。
【0021】混合終了後さらに攪拌を続けて行うと反応
が進行し非晶質アルミノシリケートが析出する。この際
ケイ酸アルカリ金属塩水溶液とアルミン酸アルカリ金属
塩水溶液との混合溶液の温度は40℃以下が良好で、特
に25〜40℃が好ましい。混合溶液の温度が40℃よ
り高いと反応で生成する非晶質アルミノシリケートが結
晶化してBET比表面積が10m2 /g未満の粗大な粒
子となり、A法およびB法によるCaイオン捕捉量はそ
れぞれ100mgCaO/g以上となるが、吸油量は8
0g/100g未満となる。
【0022】本発明で製造された非晶質アルミノシリケ
ートは、アルカリ土類金属イオン捕捉剤、特に、衣料用
洗剤、食器用洗剤、洗顔洗身用洗剤または工業用洗剤へ
配合する洗剤用ビルダーとして好適である。
【0023】
【実施例】以下において、実施例および比較例により本
発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより
限定されるものではない。なお、測定値は次に示す方法
により測定した。 [A法によるCaイオン捕捉能]無水物換算で試料1.
0gを秤取し、塩化カルシウム溶液(CaO濃度は30
0重量ppm)1000ml中に加え、さらに1Nの水
酸化ナトリウム溶液を加えてpHを10.0〜10.5
に調整した後、25℃で10分間攪拌した。10分後、
5種C番(JIS P3801に規定される、以下同
じ)のろ紙を用いてろ過した。そのろ液20mlを取っ
て、EDTA滴定によりろ液中のCa量を測定し、その
値より、ろ液中に残存した、すなわち捕捉されなかった
(未捕捉の)Caイオン量を求め、ついで当初存在した
Caイオン量から未捕捉のCaイオン量を差し引くこと
によって、試料の無水物1gあたりのCaイオン捕捉量
を求めた。
【0024】[B法によるCaイオン捕捉能」無水物換
算で試料0.10gを秤取し、塩化カルシウム溶液(C
aO濃度は30重量ppm)1000ml中に加え、さ
らに1Nの水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを10.
0〜10.5に調整した後、25℃で10分間攪拌し
た。10分後、5種C番(JIS P3801に規定さ
れる、以下同じ)のろ紙を用いてろ過した。そのろ液1
0mlを取って、純水で10倍に希釈した後、原子吸光
分析によってろ液中のCa濃度を測定し、その値より、
ろ液中に残存した未捕捉のCaイオン量を求め、ついで
当初存在したCaイオン量から未捕捉のCaイオン量を
差し引くことによって、試料の無水物1gあたりのCa
イオン捕捉量を求めた。
【0025】[吸油量]300mlのビーカーに乾燥試
料粉末25gを秤取し、よく混ぜながらアマニ油を1g
ずつ加えた。当初の乾燥した粉状の状態から一塊(ひと
かたまり)のガム状になった状態(時点)、すなわち光
沢のある滑らかなペースト状になったところで、吸着限
界として重量を測定し、試料100gあたりの吸油量を
求めた。なお、これ以上アマニ油を添加すると粘性が急
激に低下する。
【0026】[実施例1]市販の3号ケイ酸ナトリウム
水溶液(Na2O:9.49重量%、SiO2:29.3
7重量%)243.5gを1000mlのビーカーに取
り、攪拌しながら48%水酸化ナトリウム水溶液33.
0gを加えて、276.5gのオルトケイ酸ナトリウム
水溶液(Na2O/SiO2モル比0.53)を調製した
(以下「A1液」という)。
【0027】市販のアルミン酸ナトリウム水溶液(Na
2O:20.46重量%、Al23:20.32重量
%、Na2O/Al23 モル比1.66)808.3g
を容積3000mlのビーカーに取り、攪拌しながら4
8%水酸化ナトリウム水溶液728.0gを加えて、ア
ルミン酸ナトリウム水溶液(Na2O/Al23 モル比
5.16)を調製した(以下「B1液」という)。
【0028】B1液をホモミキサー(特殊機化工業(株)
製:M2−2.5)で強力に攪拌(7000rpm)し
ながら、A1液を20分かけてゆっくりと添加した。混
合溶液中の各酸化物成分の割合はモル比でSiO2:A
23:Na2O=10.2:13.7:76.1であ
り、SiO2/Al23 モル比は0.74であった。添
加終了後も30分間攪拌を続け、反応させて沈殿を析出
させた。添加中及び添加後の反応液の温度は25〜40
℃の範囲内であった。攪拌終了後、反応物を5種C番の
ろ紙でろ過し、純水9000gを用いて洗浄した。次い
で1/1000規定の硫酸溶液1000mlで再度洗浄
した後、得られたケーキを常温で減圧乾燥しアルミノシ
リケートの粉末を得た。
【0029】このアルミノシリケートの重量は、無水物
換算で219.0gであった。化学分析したところ、酸
化物モル比でNa2O:Al23:SiO2=1.65:
1.00:2.65であった。またX線回折により非晶
質であることを確認した。BET表面積(単位:m2
g)、A法およびB法によるCaイオン捕捉量(単位:
mgCaO/g)、吸油量(単位:g/100g)を測
定した結果を表1に示す。
【0030】[実施例2]実施例1において、発生した
洗浄ろ液は9370g(ろ液2960g、洗浄液641
0g)であり、化学分析したところ、Na2Oは5.4
8重量%、Al23は1.26重量%、SiO2は0.
06重量%だった。またこのろ液のSiO2/Al23
モル比は0.08であった。このことから、A1液とB
1液を混合した後のSiO2:Al23:Na2Oのモル
比を本発明の範囲にコントロールすることで非晶質アル
ミノシリケート沈殿分離後の分離母液のSiO2/Al2
3 モル比が0.1以下になることがわかった。
【0031】この洗浄ろ液を加熱濃縮して1460gと
し、ついでこれに水酸化アルミニウム70.4gと48
%水酸化ナトリウム16.4gとを添加し、110℃以
上で30分間加熱溶解することで、[実施例1]のB1
液相当液を作製した。上記したB1液相当液をホモミキ
サーで強力に攪拌(7000rpm)しながら、[実施
例1]のA1液を[実施例1]と同様の操作で20分か
けてゆっくりと添加した。混合溶液中の各酸化物成分の
割合はモル比でSiO2:Al23:Na2O=10.
8:13.5:75.8であり、SiO2/Al23
ル比は0.8であった。
【0032】[実施例1]と同様の操作でアルミノシリ
ケートの粉末を取得した。このアルミノシリケートの重
量は無水物換算で224.0gであった。化学分析した
ところ、酸化物モル比でNa2O:Al23:SiO2
1.60:1.00:2.76であった。またX線回折
により非晶質であることを確認した。BET表面積(単
位:m2 /g)、A法およびB法によるCaイオン捕捉
量(単位:mgCaO/g)、吸油量(単位:g/10
0g)を測定した結果を表1に示す。この結果から、原
料混合組成におけるSiO2:Al23:R2Oのモル比
を2〜15:5〜20:65〜93の範囲で、分離ろ液
のSiO2/Al23 モル比が0.1以下のものが得ら
れ、この分離ろ液を再使用しても、再使用しない場合と
同様の特性を備える非晶質アルミノシリケートが製造で
きることが明らかとなった。
【0033】[比較例]市販の3号ケイ酸ナトリウム水
溶液(Na2O:9.49重量%、SiO2:29.37
重量%)506.2gを2000mlのビーカーに取
り、攪拌しながら48%水酸化ナトリウム水溶液10
0.0gを加えて、606.2gのオルトケイ酸ナトリ
ウム水溶液(Na2O/SiO2モル比0.63)を調整
した(以下「A2液」という)。
【0034】市販のアルミン酸ナトリウム水溶液(Na
2O:20.46重量%、Al23:20.32重量
%、Na2O/Al23 モル比1.66)470.6g
を容積3000mlのビーカーに取り、攪拌しながら4
8%水酸化ナトリウム水溶液594.0gを加えて、ア
ルミン酸ナトリウム水溶液を調整した(以下「B2液」
という)。
【0035】ついで、B2液をホモミキサーで強力に攪
拌(7000rpm)しながら、A2液を20分かけて
ゆっくりと添加した。混合溶液中の各酸化物成分の割合
はモル比でSiO2:Al23:Na2O=22.3:
8.4:69.3であり、SiO2 /Al23モル比は
2.64であった。添加終了後も30分間攪拌を続け、
反応させて沈殿を析出させた。添加中および添加後の反
応液の温度は25〜40℃の範囲内であった。攪拌終了
後、反応物を5種C番のろ紙でろ過し、純水9000g
を用いて洗浄した。次いで1規定の硫酸溶液1000m
lで再度洗浄した後、得られたケーキを常温で減圧乾燥
しアルミノシリケートの粉末を得た。
【0036】このアルミノシリケートの重量は、無水物
換算で235.2gであった。化学分析したところ、酸
化物モル比でNa2O:Al23:SiO2=1.48:
1.00:2.98であった。またX線回折により非晶
質であることを確認した。BET表面積(単位:m2
g)、A法およびB法によるCaイオン捕捉量(単位:
mgCaO/g)、吸油量(単位:g/100g)を測
定した結果を表1に示す。
【0037】実施例2と同様に発生した洗浄ろ液937
0g(ろ液2960g、洗浄液6410g)に関し、化
学分析したところ、Na2Oは3.88重量%、Al2
3 は0.74重量%、SiO2は0.16重量%であっ
た。またこのろ液のSiO2/Al23モル比は0.3
4であった。これを実施例2と同様に濃縮して980g
とし、それに水酸化アルミニウム31.3g、48%水
酸化ナトリウム水溶液35.6g添加して加熱溶解しよ
うとしたが、未溶解の水酸化アルミニウムが残存し、B
2液相当液を調製することができなかった。したがっ
て、この場合には、洗浄ろ液を利用してアルミノシリケ
ートを形成するのに必要な組成を持つアルミン酸ナトリ
ウム溶液を形成することができなかった。以上のとおり
であるから、この場合には、分離ろ液を再使用すること
はできず、この発明の目的を達成することができないこ
とがわかった。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1および2の結果から、ケイ酸アル
カリ金属塩水溶液とアルミン酸アルカリ金属塩水溶液と
をモル比でSiO2:Al23:R2O=2〜15:5〜
20:65〜93となるように混合した場合には、沈殿
を洗浄分離する際に発生する分離濾液をアルミン酸アル
カリ金属塩水溶液として再使用できることがわかる。そ
れに対し、この範囲を逸脱すると初期の目的を達成する
ことができないことがわかった。
【0040】
【発明の効果】本発明により、アルカリ土類金属イオン
捕捉能および吸油能の性能が高く、優れた特性を示す非
晶質アルミノシリケート粉末が製造でき、得られた非晶
質アルミノシリケート粉末は、現在洗剤用ビルダーとし
て用いられているNaA型ゼオライトと比較してアルカ
リ土類金属イオン捕捉能は、ほぼ同等でかつ吸油能が大
きく、界面活性剤の含浸性に優れた、衣料用洗剤、食器
用洗剤、洗顔洗身用洗剤または工業用洗剤に配合する洗
剤用ビルダーとして好適な、アルカリ土類金属イオン捕
捉剤として使用できるものである。またその製造プロセ
スは、非晶質アルミノシリケート沈殿を分離した後の分
離母液を原料液の一部として再使用しており、その結
果、資源を有効活用するものとなっており、優れた製造
プロセスとなっている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ酸アルカリ金属塩水溶液とアルミン
    酸アルカリ金属塩水溶液を、SiO2分とAl23分と
    2O(Rはアルカリ金属より選ばれる1種類以上の元
    素の総称)分とがモル比でSiO2:Al23:R2O=
    2〜15:5〜20:65〜93となるように混合し、
    攪拌しながら40℃以下に保持し、析出した沈殿を分離
    して非晶質アルミノシリケートを製造する方法におい
    て、沈殿を分離した際に発生する分離母液を上記アルミ
    ン酸アルカリ金属塩水溶液として再使用する、Al23
    の1モルに対し、R2O (Rはアルカリ金属より選ばれ
    る1種類以上の元素の総称)を0.01〜2.0モル、
    SiO2 を1.0〜4.0モル含有し、下記A法による
    Caイオン捕捉量が100mgCaO/g以上、下記B
    法によるCaイオン捕捉量が90mgCaO/g以上、
    吸油量が80〜300g/100g、比表面積が10〜
    50m2 /gである、非晶質アルミノシリケートの製造
    方法。 A法:CaOに換算した濃度が300重量ppmのCa
    塩溶液1000ml中に無水物換算で1gの非晶質アル
    ミノシリケートを添加して測定される、CaOに換算し
    たCaイオンの捕捉量(単位:mgCaO/g)。 B法:CaOに換算した濃度が30重量ppmのCa塩
    溶液1000ml中に無水物換算で0.1gの非晶質ア
    ルミノシリケートを添加して測定される、CaOに換算
    したCaイオンの捕捉量(単位:mgCaO/g)。
  2. 【請求項2】 分離母液中のSiO2/Al23 モル濃
    度比を0.1以下にする請求項1記載の非晶質アルミノ
    シリケートの製造方法。
  3. 【請求項3】 分離後の沈殿を希硫酸で洗浄する請求項
    1又は2記載の非晶質アルミノシリケートの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018172238A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 戸田工業株式会社 非晶質アルミノケイ酸塩粒子粉末及びその製造方法、スラリー並びに成形体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018172238A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 戸田工業株式会社 非晶質アルミノケイ酸塩粒子粉末及びその製造方法、スラリー並びに成形体

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