JPH11119224A - 反強誘電性液晶表示素子 - Google Patents

反強誘電性液晶表示素子

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JPH11119224A
JPH11119224A JP28178597A JP28178597A JPH11119224A JP H11119224 A JPH11119224 A JP H11119224A JP 28178597 A JP28178597 A JP 28178597A JP 28178597 A JP28178597 A JP 28178597A JP H11119224 A JPH11119224 A JP H11119224A
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JP
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antiferroelectric liquid
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display device
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Application number
JP28178597A
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English (en)
Inventor
Kazuko Wakita
佳寿子 脇田
Tetsuya Satake
徹也 佐竹
Takamitsu Fujimoto
隆光 藤本
Tetsuyuki Kurata
哲之 藏田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性に優れ、安定した特性を長期間保つこ
とができる反強誘電性液晶表示素子を得る。 【解決手段】 反強誘電性液晶表示素子は配向膜を設け
た一対の電極の配向膜を対向させ、上記配向膜間に反強
誘電性液晶を挟持したものであり、上記配向膜の第1の
配向膜がテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物か
ら成るポリイミド前駆体をイミド化したものであり、第
2の配向膜が誘電率2.8以下である。上記配向膜によ
り反強誘電性液晶を配向することにより、欠陥が少なく
反強誘電性液晶を良好に配向させることができるので、
安定した配向を得ることができ安定した素子特性を得る
ことができる。また、上記のようにして配向膜を得るの
で、塗布法等が利用でき製造法が簡単で生産性に優れ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光シャッタ
や表示装置等に用いられる反強誘電性液晶表示素子に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、刊行物1{Jpn.J.App
l.Phys.,28,L1265(1989)}にC
handaniらによってメモリー性を有した反強誘電
性液晶が開示された。その後、メモリー性を有しない反
強誘電性液晶が福田らによって刊行物2{ASIA D
ISPLAY’95,p61(1995)}に開示さ
れ、この液晶のアクティブ駆動型液晶表示素子への適用
化が始まっている。図1は上記メモリー性を有しない反
強誘電性液晶の印加電圧による透過率変化を示す電気光
学応答特性を示す特性図である。なお、測定条件は三角
波周波数0.1Hz、印加電圧±8Vである。上記反強
誘電性液晶の特徴は、図1に示したように、V字型電気
光学応答特性(V字の底部は反強誘電性状態、平坦部は
強誘電性状態)を示すことであり、従来の高速応答性、
広視野角に加え、階調表示が可能なことである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、反強誘
電性液晶は、ネマチック液晶に比べ配向制御が難しく、
実用化の妨げとなっている。従来、反強誘電性液晶の配
向膜としてポリイミド膜等が用いられているが、従来の
ネマチック液晶配向用では配向が充分ではなく、反強誘
電性液晶用の配向膜の開発が期待されている。
【0004】また、メモリー性反強誘電性液晶用の配向
膜として、特開平6―18889号公報にポリアミック
酸と長鎖アルキルアミンとを反応させたポリイミド膜が
開示されているが、この配向膜は、ラングミュア・ブロ
ジェット法で膜形成を行う為の材料であり、液晶表示素
子の生産性などに問題点がある。
【0005】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたものであり、生産性に優れ、安定した特性を長期
間保つことができる反強誘電性液晶表示素子を得ること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の反強
誘電性液晶表示素子は、配向膜を設けた一対の電極、お
よび上記配向膜間に狭持されるように設けた反強誘電性
液晶を備えた反強誘電性液晶表示素子において、上記配
向膜の第1の配向膜がテトラカルボン酸二無水物または
その誘導体とジアミン化合物から成るポリイミド前駆体
をイミド化したものであり、第2の配向膜の誘電率が
2.8以下のものである。
【0007】本発明に係る第2の反強誘電性液晶表示素
子は、上記第1の反強誘電性液晶表示素子において、第
1の配向膜が、ジアミノジフェニルエーテルまたはジア
ミノジフェニルメタンとピロメリット酸二無水物とから
成るポリイミド前駆体を樹脂分として30重量%以上含
有したポリイミド前駆体をイミド化したものである。
【0008】本発明に係る第3の反強誘電性液晶表示素
子は、上記第1または第2の反強誘電性液晶表示素子に
おいて、第2の配向膜がポリスチレンまたはフッ素化ポ
リイミドのものである。
【0009】本発明に係る第4の反強誘電性液晶表示素
子は、上記第1ないし第3のいずれかの反強誘電性液晶
表示素子において、第1および第2の配向膜の少なくと
も一方が一軸配向性を有するものである。
【0010】本発明に係る第5の反強誘電性液晶表示素
子は、上記第4の反強誘電性液晶表示素子において、一
軸配向性をラビング処理による一軸配向処理により得る
ものである。
【0011】本発明に係る第6の反強誘電性液晶表示素
子は、上記第1または第2の反強誘電性液晶表示素子に
おいて、上記第1の配向膜の厚みが、5nm〜100n
mのものである。
【0012】本発明に係る第7の反強誘電性液晶表示素
子は、上記第1ないし第6のいずれかの反強誘電性液晶
表示素子において、上記反強誘電性液晶の自発分極が5
0〜280nC/cm2のものである。
【0013】本発明に係る第8の反強誘電性液晶表示素
子は、上記第1ないし第7のいずれかの反強誘電性液晶
表示素子において、上記反強誘電性液晶を等方相からス
メクチックA相を経由してスメクチックC* A相を呈する
ように配向したものである。
【0014】本発明に係る第9の反強誘電性液晶表示素
子は、上記第8の反強誘電性液晶表示素子において、ス
メクチックC* A相で、三角波周波数0.1Hz〜10H
z、印加電圧±30V以下で、電界処理したものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の反強誘電性液晶表示素子
は、配向膜を設けた一対の電極の配向膜を対向させ、上
記配向膜間に反強誘電性液晶を挟持したものであり、上
記配向膜の第1の配向膜がテトラカルボン酸二無水物ま
たはその誘導体とジアミン化合物から成るポリイミド前
駆体をイミド化したものであり、第2の配向膜の誘電率
が2.8以下のものである。上記第1および第2の配向
膜により反強誘電性液晶を配向することにより、上記液
晶の配向のドメインを大きくすることができ、安定した
配向を得ることができ安定した素子特性を得ることがで
きる。また、上記のようにして配向膜を得るので、塗布
法等が利用でき製造法が簡単で生産性に優れる。
【0016】上記ポリイミド前駆体は、公知の方法、例
えばテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を、反
応溶媒として、N―メチル―2―ピロリドン(NM
P)、N,N―ジメチルホルムアミド(DMF)、N,
N―ジアミノアセトアミド(DMA)、γ―ブチロラク
トンもしくはエチルセロソルブなどのセロソルブ系また
はm―クレゾールの単独もしくは2種以上の混合系で使
用し、これらの溶媒中で、ジアミン化合物とテトラカル
ボン酸二無水物を0℃〜80℃の温度で反応させて得る
ことができる。反応溶液の濃度は、1〜35重量%の間
にするのが好ましい。
【0017】上記ポリイミド前駆体を得るために用いら
れる、テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリッ
ト酸二無水物、3・3’・4・4’―ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2・3・3’・4’―ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、3・3’・4・4’―ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2・3・6・7
―ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1・4・5・
8―ナフタレンテトラカルボン酸二無水物またはシクロ
ペンタンテトラカルボン酸二無水物が用いられる。ま
た、テトラカルボン酸二無水物の誘導体としては上記テ
トラカルボン酸二無水物の酸ハロゲン化物、モノエステ
ルまたはジエステルなどが用いられる。なお、上記化合
物は単独または二種以上混合して用いられる。ジアミン
化合物としては、パラフェニレンジアミン、メタフェニ
レンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジ
フェニルエーテル、3・3’―ジアミノジフェニルスル
ホン、4・4’―ジアミノベンゾフェノン、4・4’―
ジアミノジフェニルスルホン、4・4’―ジアミノジフ
ェニルプロパン、1・5―ナフタレンジアミン、3・
3’―ジメチル―4・4’―ジフェニルジアミン、2・
2―ビス[4―(4―アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パンもしくは2・2―ビス[4―(4―アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホンまたはこれらの誘導体が挙げら
れ、これら化合物は単独もしくは二種以上混合して用い
られる。
【0018】上記第1の配向膜を形成するポリイミド前
駆体がジアミノジフェニルメタンまたはジアミノジフェ
ニルエーテルとピロメリット酸二無水物から成るポリイ
ミド前駆体を樹脂分として30重量%以上含有すると配
向特性が向上し、欠陥の少ない反強誘電性液晶の配向が
得られる。30重量%未満では反強誘電性液晶初期配向
性と配向安定性が損なわれる。
【0019】本発明において、上記ポリイミド前駆体と
ともに他のポリマーを共存させることも可能であり、共
存させるポリマーとしては、ポリアミドイミドまたはポ
リアミド等が挙げられる。
【0020】また、上記第2の配向膜は誘電率が2.8
以下であり、例えばポリスチレンまたはフッ素化ポリイ
ミドを用いて形成することができる。
【0021】本発明における上記ポリイミド前駆体を用
いて得られる第1の配向膜および例えばポリスチレンま
たはフッ素化ポリイミドを用いて得られる誘電率が2.
8以下である第2の配向膜は、例えば以下の方法によっ
て形成することができる。まず、透明電極を設けたガラ
ス基板の透明電極側に、本発明で用いる上記ポリイミド
前駆体、ポリスチレンまたはフッ素化ポリイミド前駆体
を印刷法またはスピナー法などの方法で塗布し、ポリス
チレンは、加熱により溶剤を揮発させ、上記ポリイミド
前駆体およびフッ素化ポリイミド前駆体は化学環化法ま
たは加熱による焼成によりイミド化して塗膜を形成す
る。形成された塗膜に液晶の配向規制力を付与するため
に、第1および第2の配向膜の一方または両方に一軸配
向処理を施すのが望ましいが、液晶が欠陥無く配向し電
界に追随して高速応答するように駆動の方式および液晶
の種類により配向処理は調整する必要がある。なお、必
要に応じて、ガラス基板上に二酸化ケイ素または窒化ケ
イ素などの絶縁膜を設けてもよく、化学環化法によるイ
ミド化を行う前に60〜100℃の温度で予備乾燥して
も良い。
【0022】また、上記イミド化を化学環化法により行
う場合は、高温に曝す必要が無いので、反強誘電性液晶
と電極を設ける基板の耐熱温度が低くても反強誘電性液
晶を配向させるのに適した配向膜の材料を広範囲の材料
から選択することができる。本発明における化学環化法
は、公知の方法、例えば上記ポリイミド前駆体またはフ
ッ素化ポリイミド前駆体を透明電極に塗布した上記基板
を室温で、無水酢酸、ピリジンおよびベンゼンの混合液
に浸漬することにより上記ポリイミド前駆体をイミド化
するもので、配向膜の配向処理特性が向上し、欠陥の少
ない反強誘電性液晶の配向が得られる。
【0023】この時、無水酢酸:ピリジン:ベンゼンの
配合比は、30〜60ml:90〜150ml:150
〜210mlの範囲、特に、40〜50ml:110〜
130ml:170〜190mlの範囲が好ましい。上
記化学環化剤への浸漬時間としては、4〜15時間、特
に、6〜12時間の範囲が好ましい。化学環化剤から引
き上げられた基板は、ベンゼンにて洗浄され、その後、
室温〜180℃の温度範囲で、真空乾燥され、塗膜が形
成される。なお、化学環化剤としては、ピリジンに代え
てトリエチルアミンなどの塩基性化合物、ベンゼンに代
えて、トルエン、キシレンなどを用いることもできる。
【0024】上記配向膜の一軸配向性は例えばラビング
処理による一軸配向処理により得るのが好ましく、均一
に安定に処理を施すことができ、配向欠陥の少ない一軸
配向性が得られる。毛先押し込み長さが0.15〜0.
4mmの時、ラビング条件としては、下式で示されるラ
ビング強度(L)が以下の範囲であることが好ましい。 L=N[1+(2πrn/v)]=30〜2000 L:ラビング強度 N:ラビング回数 r:ロール半径(mm) n:ロール回転数(rpm) v:基板移動速度(mm/min) 特に、ラビング強度(L)は、50〜1000の範囲が
更に好ましい。上下基板のラビング方向は同一でも、図
2に示すように、θずれていても良い。この時のθは、
0〜22゜の範囲で、配向膜の特性により最適なθを選
べばよい。図2は、上下ガラス基板に設けた上下の配向
膜のラビング方向のずれを模式的に示す説明図であり、
図中1はガラス基板、点線矢印は下ガラス基板に設けた
配向膜のラビング方向、実線矢印は上ガラス基板に設け
た配向膜のラビング方向であり、θは上下配向膜のラビ
ング方向のずれである。
【0025】本発明における上記第1の配向膜の厚みを
5nm〜100nm、特に15〜50nmとすることが
好ましく、液晶分子の配向性の安定化と共にしきい値電
圧の最適化が図れ透過光量が増える。5nm未満では液
晶の配向性が劣り、100nmを越えると、液晶駆動時
のしきい値電圧が高くなり好ましくない。また、本発明
における上記第2の配向膜の厚みを10nm〜70n
m、特に15〜50nmとすることが好ましい。
【0026】本発明における反強誘電性液晶の自発分極
(Ps)を50〜280nC/cm2、特に120〜2
50nC/cm2とすることが好ましく、高速応答性を
保ちながら、配向安定性と最適な液晶注入性が得られ
る。50nC/cm2未満では、電気光学応答速度が低
下し、280nC/cm2を越えると、液晶の粘性が高
くなり、液晶セルへの液晶注入が困難になる。つまり、
本発明に用いる反強誘電性液晶としては、V字電気光学
応答性を示すものでPsが上記範囲にあるものが適用で
き、必要に応じ、フェリ誘電性液晶化合物または光学活
性化合物などを添加してもよい。
【0027】上記自発分極(Ps)は、5mmΦのIT
O電極(主電極)とこれとギャップ調整して対向して設
けたITO電極によりセルを作製し、その間に反強誘電
性液晶を挟持させ、三角波周波数0.1Hz〜1Hz、
印加電圧±5〜±20Vの条件で、液晶セル・イオン密
度測定装置{商品名:MTR―1型,(株)東陽テクニ
カ製}を用いて過渡電流を測定し、これから得られる電
圧対電流プロットの電流ピークの面積から自発分極(P
s)を求める。この時、図3の斜線で示した部分を分離
して不純物分極とする。図3は、本発明における反強誘
電性液晶の自発分極(Ps)を測定するための、反強誘
電性液晶の電圧による電流変化を示す特性図であり、2
は自発分極(Ps)、3は不純物分極、4はフィッティ
ング直線で下式で示される。 I=Cp(dV/dt)+V/R (式中、Cpはセルの容量、Vは印加電圧、Rはセルの
抵抗)
【0028】本発明における反強誘電性液晶は、反強誘
電相であるスメクチックC* A相とその高温側でスメクチ
ックA相、更に高温側で等方相を呈し、反強誘電性液晶
を等方相からスメクチックA相を経由してスメクチック
* A相を呈するように加熱・冷却して配向することで、
スメクチックC* A相の大きなドメインが得られ、配向の
均一性が達成される。上記等方相またはスメクチックA
相を経由しない場合は、スメクチックC* A相の充分な配
向が得られず好ましくない。また、上記スメクチックC
* A相、スメクチックA相および等方相の相間で副次相を
呈しても良い。
【0029】また、上記スメクチックC* A相を呈する温
度範囲までの冷却過程において、スメクチックC* A
で、三角波周波数0.1Hz〜10Hz特に0.1〜3
Hz、印加電圧±30V以下特に±3〜±15Vで、電
界処理することにより、液晶相を動かすことができモノ
ドメイン配向が達成され光抜けが防止されコントラスト
が向上する。三角波周波数が上記以外では、充分な配向
性が得られず、また印加電圧が±30Vを越えると、初
期配向は達成できるが、液晶配向が経時的に乱れ好まし
くない。
【0030】
【実施例】
合成例1.ポリイミド前駆体は、ジアミノジフェニルエ
ーテルとピロメリット酸二無水物の精製品から合成し
た。ジアミノジフェニルエーテルの精製品は、トルエン
800gにジアミノジフェニルエーテル25gを溶か
し、120℃、1時間還流溶解した後、再結晶して得
た。ピロメリット酸二無水物の精製品は、無水酢酸80
0g、トルエン160gの混合溶媒に、ピロメリット酸
二無水物240gを溶かし、130℃、4時間還流した
後、温度を下げながら結晶を析出させる。得られた結晶
を窒素下で濾過し、130〜140℃で減圧乾燥させて
得た。ポリイミド前駆体は、温度計、撹拌機、窒素ガス
導入口および原料投入口を備えた500ml4つ口セパ
ラブルフラスコに、脱水NMP300gとジアミノジフ
ェニルエーテル20gを入れ、乾燥窒素気流下で撹拌し
ながら溶解し、反応系の温度を10℃以下に保ちなが
ら、ピロメリット酸二無水物21.8gを添加し、30
分間反応を続けた後、徐々に室温に戻して16時間撹拌
を続け、粘ちょうな溶液として得た。
【0031】合成例2.合成例1と同様な装置、精製方
法および反応方法により、原料としてジアミノジフェニ
ルメタン19.8gとピロメリット酸二無水物21.8
gからポリイミド前駆体を粘ちょうな溶液として得た。
【0032】合成例3.合成例1と同様な装置、精製方
法および反応方法により、原料として2・2―ビス[4
―(4―アミノフェノキシ)フェニル]プロパン20.
5gと3・3’・4・4’―ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物16.1gからポリイミド前駆体を粘ち
ょうな溶液として得た。
【0033】合成例4.合成例1と同様な装置、精製方
法および反応方法により、原料として4・4’―ジアミ
ノベンゾフェノン21.2gと3・3’・4・4’―ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物29.4gからポリ
イミド前駆体を粘ちょうな溶液として得た。
【0034】実施例1.合成例1で得られたポリイミド
前駆体溶液10gと合成例3で得られたポリイミド前駆
体溶液10gを混合し、全ポリイミド前駆体の濃度が3
重量%になるようにNMPを添加し、ポアサイズ0.5
μmのメンブランフィルターで濾過して液晶配向用の配
向膜溶液を得た。この液晶配向膜溶液を透明電極付きガ
ラス基板の透明電極面にスピナーにより塗布し(スピン
コート条件:500rpm、10sec+3000rp
m、60sec)、80℃で10分間予備乾燥後、22
0℃で60分間焼成し、40nmの塗膜を形成した。続
いて、ラビングマシーン{商品名:RSYN―8,飯沼
ゲージ製作所(株)製}により、毛先押し込み長さ0.
2mm、ラビング強度L=300の条件で、上記塗膜を
ラビングし第1の配向膜を得た。また、平均分子量3.
7万のポリスチレン(誘電率2.3)を樹脂分濃度3.
0重量%になるようトルエン溶剤に溶かし、ポアサイズ
0.5μmののメンブランフィルターで濾過して液晶配
向膜溶液を得た。この液晶配向膜溶液を透明電極付きガ
ラス基板の透明電極面にスピナーにより塗布し(スピン
コート条件:500rpm、10sec+3000rp
m、60sec)、50℃、10分間予備乾燥後、12
0℃、30分間乾燥し、35nmの塗膜を形成し第2の
配向膜を得た。次に、両基板を第1および第2の配向膜
が対向するように1.8μmのギャップを設けて貼り合
わせ、反強誘電性液晶(Ps=250nC/cm2)を
等方相の温度領域で注入し、スメクチックA相の温度範
囲を経由して、スメクチックC* A相を呈する温度範囲ま
で冷却して液晶セルを作製し、本発明の一実施例の反強
誘電性液晶表示素子を得た。なお、上記反強誘電性液晶
(Ps=250nC/cm2)は下記化学式(1)〜
(3)で示される3種類の化合物を、上記自発分極とな
るように適宜混合することにより得た。
【0035】
【化1】
【0036】上記液晶の初期配向性を偏光光学顕微鏡で
評価したところ、全面にわたり均一で、50℃で30日
後も液晶の配向の乱れはなかった。
【0037】実施例2〜10.合成例1または2と、合
成例3または4とから得られたポリイミド前駆体を調整
した液晶配向膜溶液から第1の配向膜を、ポリスチレン
または誘電率2.6のフッ素化ポリイミド前駆体(樹脂
分濃度3重量%)を用いて調製した液晶配向膜溶液から
第1の配向膜を実施例1と同様にして形成し、上記化学
式(1)〜(3)で示される3種類の化合物を、自発分
極(Ps)が70、150または225となるように適
宜混合することにより各反強誘電性液晶を調製し、実施
例1と同様に液晶セルを作製して、本発明の実施例の反
強誘電性液晶表示素子を得、配向性の評価を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】なお、表中ポリイミド前駆体溶液の配合量
単位はグラムである。☆は実施例で使用した反強誘電性
液晶を、二重丸は上記液晶の配向の乱れが無いことを示
す。
【0040】実施例11.実施例1において、第1の配
向膜だけではなく、第2の配向膜にも一軸配向処理を施
す他は実施例1と同様に液晶セルを作製し、配向性の評
価を行った。その結果を表1に示す。
【0041】実施例12.実施例1において、第1の配
向膜を形成した液晶配向膜溶液のポリイミド前駆体濃度
を1.5重量%、第2の配向膜を形成した液晶配向膜溶
液のポリスチレン濃度を1.7重量%に調製し、それぞ
れ約10nmの塗膜を形成する他は実施例1と同様に液
晶セルを作製し、配向性の評価を行った。その結果を表
1に示す。
【0042】実施例13.実施例1において、第1の配
向膜を形成した液晶配向膜溶液のポリイミド前駆体濃度
を4重量%、第2の配向膜を形成した液晶配向膜溶液の
ポリスチレン濃度を5.2重量%に調製し、それぞれ約
90nmの塗膜を形成する他は実施例1と同様に液晶セ
ルを作製し、配向性の評価を行った。その結果を表1に
示す。
【0043】実施例14.実施例1において、セル作製
後スメクチックC* A相で、三角波周波数1Hz、印加電
圧±10V、1分間電界処理を施す他は実施例1と同様
に液晶セルを作製し、配向性の評価を行った。その結果
を表1に示す。
【0044】実施例15.実施例1において、第1およ
び第2の配向膜のどちらにも一軸配向処理を施さない他
は実施例1と同様にして反強誘電性液晶表示素子を得、
配向性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0045】実施例16.実施例1において、第1の配
向膜を形成した液晶配向膜溶液のポリイミド前駆体濃度
を0.8重量%に調製し、3.8nmの塗膜を形成する
以外は実施例1と同様にして反強誘電性液晶表示素子を
得、配向性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0046】実施例17.実施例1において、全ポリイ
ミド前駆体の濃度を5.5重量%に調製し、120nm
の塗膜を形成する以外は実施例1と同様にして反強誘電
性液晶表示素子を得、配向性の評価を行った。その結果
を表1に示す。それによると、初期および50℃で30
日後の配向性は優れていたが、光透過率が90%に達す
る電圧が11.1Vと高く通常のIC駆動には好ましく
ない結果となった。
【0047】比較例1〜4.合成例1、3または4で得
られたポリイミド前駆体を用いて第1および第2の配向
膜を得る他は、実施例1と同様に液晶セルを作製して、
反強誘電性液晶表示素子を得配向性の評価を行った。そ
の結果を表2に示す。なお、上記配向膜の誘電率は3.
5〜4.2であった。
【0048】
【表2】
【0049】なお、表中 ポリイミド前駆体溶液の配合
量単位はグラムであり、☆は使用した反強誘電性液晶を
示し、○は液晶配向の乱れ少し有り、△は液晶配向の乱
れ多い、×は液晶配向の乱れ非常に多いことを示す。
【0050】比較例5.自発分極(Ps)が38nC/
cm2の反強誘電性液晶を用いた以外は、実施例1と同
様にして反強誘電性液晶表示素子を得たが、反強誘電相
の安定性が乏しく、評価できなかった。
【0051】比較例6.自発分極(Ps)が308nC
/cm2の反強誘電性液晶を用いた以外は、実施例1と
同様にして反強誘電性液晶表示素子を得たが、液晶セル
への液晶注入が不充分で評価できなかった。
【0052】
【発明の効果】本発明の第1の強誘電性液晶表示素子
は、配向膜を設けた一対の電極、および上記配向膜間に
狭持されるように設けた反強誘電性液晶を備えた強誘電
性液晶表示素子において、上記配向膜の第1の配向膜が
テトラカルボン酸二無水物またはその誘導体とジアミン
化合物から成るポリイミド前駆体をイミド化したもので
あり、第2の配向膜の誘電率が2.8以下であり、生産
性に優れ、安定した素子特性を長期間保つことができる
という効果がある。
【0053】本発明の第2の反強誘電性液晶表示素子
は、上記第1の反強誘電性液晶表示素子において、第1
の配向膜が、ジアミノジフェニルエーテルまたはジアミ
ノジフェニルメタンとピロメリット酸二無水物とから成
るポリイミド前駆体を樹脂分として30重量%以上含有
したポリイミド前駆体をイミド化したものであり、生産
性に優れ、安定した素子特性を長期間保つことができる
という効果がある。
【0054】本発明の第3の反強誘電性液晶表示素子
は、上記第1または第2の反強誘電性液晶表示素子にお
いて、第2の配向膜がポリスチレンまたはフッ素化ポリ
イミドであり、生産性に優れ、安定した素子特性を長期
間保つことができるという効果がある。
【0055】本発明の第4の反強誘電性液晶表示素子
は、上記第1ないし第3のいずれかの反強誘電性液晶表
示素子において、第1および第2の配向膜の少なくとも
一方が一軸配向性を有し、生産性に優れ、安定した素子
特性を長期間保つことができるという効果がある。
【0056】本発明の第5の反強誘電性液晶表示素子
は、上記第4の反強誘電性液晶表示素子において、一軸
配向性をラビング処理による一軸配向処理により得るも
のであり、一軸配向が均一にしかも安定になされるとい
う効果がある。
【0057】本発明の第6の反強誘電性液晶表示素子
は、上記第1または第2の反強誘電性液晶表示素子にお
いて、上記配向膜の厚みが、5nm〜100nmのもの
であり、液晶分子の配向性の安定化と共にしきい値電圧
の最適化が図れ透過光量が増すという効果がある。
【0058】本発明の第7の反強誘電性液晶表示素子
は、上記第1ないし第6のいずれかの反強誘電性液晶表
示素子において、上記反強誘電性液晶の自発分極が50
〜280nC/cm2のものであり、配向安定性と最適
な液晶注入性が得られるという効果がある。
【0059】本発明の第8の反強誘電性液晶表示素子
は、上記第1ないし第7の反強誘電性液晶表示素子にお
いて、上記反強誘電性液晶を等方相からスメクチックA
相を経由してスメクチックC* A相を呈するように配向し
たものであり、配向安定性と最適な液晶注入性が得られ
るという効果がある。
【0060】本発明の第9の反強誘電性液晶表示素子
は、上記第8の反強誘電性液晶表示素子において、スメ
クチックC* A相で、三角波周波数0.1Hz〜10H
z、印加電圧±30V以下で、電界処理したものであ
り、モノドメイン配向が達成されコントラストが向上す
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 反強誘電性液晶の印加電圧による透過率変化
を示す電気光学応答特性を示す特性図である。
【図2】 ラビング方向のずれを模式的に示す説明図で
ある。
【図3】 本発明における反強誘電性液晶の自発分極を
測定するための、反強誘電性液晶の電圧による電流変化
を示す特性図である。
フロントページの続き (72)発明者 藏田 哲之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向膜を設けた一対の電極、および上記
    配向膜間に狭持されるように設けた反強誘電性液晶を備
    えた反強誘電性液晶表示素子において、上記配向膜の第
    1の配向膜がテトラカルボン酸二無水物またはその誘導
    体とジアミン化合物から成るポリイミド前駆体をイミド
    化したものであり、第2の配向膜の誘電率が2.8以下
    であることを特徴とする反強誘電性液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 第1の配向膜が、ジアミノジフェニルエ
    ーテルまたはジアミノジフェニルメタンとピロメリット
    酸二無水物とから成るポリイミド前駆体を樹脂分として
    30重量%以上含有したポリイミド前駆体をイミド化し
    たものであることを特徴とする請求項1に記載の反強誘
    電性液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 第2の配向膜がポリスチレンまたはフッ
    素化ポリイミドであることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の反強誘電性液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 第1および第2の配向膜の少なくとも一
    方が一軸配向性を有することを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれかに記載の反強誘電性液晶表示素
    子。
  5. 【請求項5】 一軸配向性をラビング処理による一軸配
    向処理により得ることを特徴とする請求項4に記載の反
    強誘電性液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 第1の配向膜の厚みが、5nm〜100
    nmであることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の反強誘電性液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 反強誘電性液晶の自発分極が50〜28
    0nC/cm2であることを特徴とする請求項1ないし
    請求項6のいずれかに記載の反強誘電性液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 反強誘電性液晶が反強誘電相(スメクチ
    ックC* A相)、この高温側にスメクチックA相、さらに
    この高温側に等方相を有し、上記等方相およびスメクチ
    ックA相を経由して上記スメクチックC* A相を呈するよ
    うに配向したことを特徴とする請求項1ないし請求項7
    のいずれかに記載の反強誘電性液晶表示素子。
  9. 【請求項9】 スメクチックC* A相で、三角波周波数
    0.1Hz〜10Hz、印加電圧±30V以下で、電界
    処理したことを特徴とする請求項8に記載の反強誘電性
    液晶表示素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8632862B2 (en) 2011-02-01 2014-01-21 Samsung Display Co., Ltd. Vertical alignment layer and liquid crystal display including the same
CN114253034A (zh) * 2021-12-20 2022-03-29 广州华星光电半导体显示技术有限公司 液晶配向薄膜、液晶盒、液晶显示器件及其制备方法

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