JPH11118548A - 電磁流量計 - Google Patents

電磁流量計

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JPH11118548A
JPH11118548A JP28038497A JP28038497A JPH11118548A JP H11118548 A JPH11118548 A JP H11118548A JP 28038497 A JP28038497 A JP 28038497A JP 28038497 A JP28038497 A JP 28038497A JP H11118548 A JPH11118548 A JP H11118548A
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JP
Japan
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fluid
ferromagnetic material
core
magnetic
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JP28038497A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yoshimura
弘幸 吉村
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体の流速分布の影響を大幅に軽減すること
のできる磁気回路を用いて、電磁流量計の測定精度を向
上させる。 【解決手段】 第一磁性体17からなるコア台座14に
第一磁性体17よりも保磁力が大で飽和磁束密度が小な
る第二磁性体18を部分的に積層する。両者の磁化の向
きが逆となる起磁力を励磁コイル4が与えると、測定管
11内に発生する磁場を部分的に弱めることができる。
定磁界の下では流体の流れる測定管11内の位置によっ
て電極3a、3b間に生じる起電力に寄与する寄与率が
異なるので、寄与率は高いが流体の流速は平均から外れ
る電極3a、3b付近の磁界を弱め、起電力への寄与率
の均一化を行なうことで流量測定の精度が向上する。測
定管11内の磁界を変化させるときには、両磁性体の磁
化の変化が飽和磁化曲線上を遷移するように、両磁性体
の磁化を飽和させる起磁力を加えた後に行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性流体の流量
を測定する電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁流量計は、粘度や密度などの流体の
組成に関わらず、殆どの導電性の流体の流量が計測可能
であり、測定可能な流量範囲の広いことや、圧力損失が
無視できる等の特徴を有し、特にプラントや水処理設備
などにおける流量の管理・制御に利用されている。
【0003】電磁流量計の原理を簡単に説明する。電磁
流量計は磁束を切る導体には起電力が生じる電気磁気的
現象を利用したものである。測定管内を流れる導電性流
体にその流れと直交する向きに磁界を加えると、流体に
はその流れの方向と加える磁界の向きとに対して共に直
交する方向に起電力が生じる。この起電力の値は導体の
移動速度である流体の流速に比例するので、この値(以
降、流量信号という)を測定することによって流量を求
めるのが電磁流量計である。
【0004】従来から使用されている電磁流量計では、
流体に加える磁界を発生する手段として、測定管の外周
部に対向して配置される一対の励磁コイルを交流電流で
励磁している。直流電流による励磁を行なうと、流体に
発生する起電力も直流となるために、流体を一定方向に
流れる微弱電流によって流体と電極界面との間で電気化
学反応を連続的に発生し、この反応による界面の状態の
変化や微弱な起電力の発生、あるいは界面の電気抵抗の
変動などが生じていた。これらはいずれも経時的に変化
したり、あるいは流速によっても変動して一定せず、そ
のため流量信号に対するノイズとして観測されてしまっ
ていた。そこで、励磁コイルを交流電流で励磁するよう
にして電気化学反応を正逆交互に発生させ、その進行を
防止することによってこのような問題を解消しているの
である。最近では、商用電源からの50〜60Hzの交
流を直接印加する方式に代えて、矩形波電流を用いて励
磁することにより、零点のドリフトや経時変化を軽減す
る方式も採用されている。
【0005】従来の電磁流量計を構成する電気回路の例
を図6に示す。この電磁電流計は検出部5と変換部9と
が信号ケーブル10によって接続される構成となってお
り、矩形波電流を用いて励磁コイルを励磁するものであ
る。同図を説明する。
【0006】検出部5は、測定管2を流れる流体1の流
量信号を検出するものであり、測定管2と励磁コイル4
とで構成されている。測定管2の内壁には、一対の電極
3a並びに3bが対向して設けられており、流量信号の
検出を行なう。また、励磁コイル4は、励磁することに
より、流体1の流れる方向と電極3a並びに3bの対向
する方向とに対しての直交方向の磁界を測定管2内に発
生させる。
【0007】変換部9は、励磁回路6、差動増幅回路7
及び演算回路8で構成されている。励磁回路6は励磁コ
イル4を矩形波電流で励磁すると共に、その矩形波のタ
イミングに関する信号を演算回路8に伝えている。差動
増幅回路7は流体1の流量信号である起電力によって生
じる電極3aと3bとの電位差を増幅する。演算回路8
は、励磁回路6からの信号に基づいて差動増幅回路7で
増幅された流量信号をサンプリングして流体1の流量を
算出すると共に、信号ケーブル9や検出部5の接続によ
って生じるループ回路への電磁誘導により生じるノイズ
や、励磁回路6の発生させる矩形波よりも長い周期のノ
イズなどの除去も行なう。演算回路8の出力は、測定値
の表示等のために、電気計測装置の一般的な出力信号で
ある4〜20mAの電流信号に変換して出力したり、あ
るいは「スマート」という通称で呼ばれている電流信号
出力に測定値を示すデジタル信号を重畳させる方式等を
用いて出力する。
【0008】図7は図6の各部の信号波形を示す図であ
る。図7を参照しながら図6の回路の動作を説明する。
まず、励磁回路6は図7(a)に示す励磁信号で励磁コ
イル4を励磁するが、励磁コイル4の有するインダクタ
ンスにより励磁電流は図7(b)に示すような電流の変
化点が鈍った波形となる。この変化は励磁コイル4が発
生させる測定管2内の磁束数の変化に等しい。この測定
管2に流体1を一定の流速で流すと、電極3aと3bと
の間には図7(c)に示すような測定管2内の磁束数と
流体1の流速とに比例する起電力である流量信号が発生
する。この流量信号を差動増幅回路6で増幅した後に、
図7(a)の励磁信号と同期関係にある同図(d)のサ
ンプリング信号を用いて、測定管2内の磁束数が一定し
ている部分である流量信号の頂部及び底部の平坦部分の
サンプリングを行なう。サンプリング後の信号を同図
(e)に示す。この信号を、例えば整流した後に平均化
する等の演算によって同図(c)に示すようなノイズ成
分を相殺し、同図(f)のような信号を生成するのであ
る。なお、同図(f)は平均化した信号から一定のタイ
ミングで値を測定している様子を示している。
【0009】次に、図8について説明する。同図は、図
6の検出部5の構造を示す断面図である。ステンレス製
の測定管11の内周面には内部を流れる流体と絶縁する
ためにフッ素樹脂などでライニング12を施す。測定管
11の外周面には一対の鞍状の形の励磁コイル4が測定
管11を同図の上下方向から挟み込むように対向して配
置されている。この一対の励磁コイル4は励磁したとき
の磁力線の向きが測定管11内で同図の上下方向となる
ように直列接続して図6の励磁回路6へ接続される。励
磁コイル14の中心には透磁率の高い強磁性体からなる
角状のコア材13があり、コア材13の測定管11に面
する端面は、測定管11の外周面に沿って円弧状に湾曲
形成された板状の形状であって測定管11の外周面と励
磁コイル4との間に挟まれているコア台座14と接合し
ている。また、一対のコア材13の反対側の面は、管状
の形状の外部磁路15の内周面と接合している。コア台
座14及び外部磁路15にも強磁性体を使用する。外部
磁路15の外周面はケース19で覆われている。電極3
a及び3bは、流体の流れの向きと励磁コイル14によ
って測定管11内に発生させる磁界の向きとに対して直
交する軸が測定管11の両側面を貫く位置に形成されて
いる貫通孔に挿入されており、この電極3a及び3bは
測定管11内を流れる流体と常に接触するように配置さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図8において、電極3
a及び3bを結ぶ軸をx軸、励磁コイル14によって測
定管11内に発生させる磁力線に平行な軸をy軸、流体
が測定管11内を流れる向きに平行な軸をz軸とおく
と、電極3a及び3b間に生じる起電力Uは、次式で表
される。
【0011】
【数1】
【0012】但し、ここで W:重み関数ベクトル v:流体の測定管11内における流速の速度ベクトル B:励磁コイル14によって測定管11内に発生させる
磁束密度ベクトル 上式の重み関数ベクトルWとは、各座標位置における電
極3a及び3bに対する起電力の寄与率を表す重み関数
である。なお、重み関数ベクトルについてはJIS規格
B7554に詳述されている。
【0013】図9は、電極3a及び3bを含むx−y平
面(すなわち、z=0)における重み関数ベクトルWの
成分分布を示す図である。同図でEと示す点に電極3a
及び3bがある。同図を見て分かるように、この重み関
数は位置の関数であるために、発生する起電力Uは、流
体の流速の分布や磁束密度の分布の違いによって大きく
変化してしまう。同図を更に詳しく観察すると、x軸方
向に関しては、電極3aと3bとの中間部付近では起電
力の寄与率が低く、両電極に近づくほど起電力の寄与率
が高いことが分かる。また、y軸方向に関しては、測定
管11の中心部ほど起電力の寄与率が高く、周辺部へ向
かうほど起電力の寄与率が低いことが分かる。
【0014】電磁流量計の性能を高めるために要求され
る課題の一つに、電極3a及び3b間の起電力を出来る
だけ大きくすることがある。そのためには電極周辺の磁
束密度を高めれば効果的であることは図9から明らかで
ある。そこで、図8のコア台座14を電極3a及び3b
の周辺部にまで広げて、その付近での上下のコア台座1
4の間隔を狭くして電極3a及び3b周辺の磁束密度を
高めるように構成するものが従来は存在した。ところが
測定管11の内壁近くの流体の流速とその流体が測定管
11を流れる平均の流速とは異なるために、この方法で
余りに大きな起電力を得ると、今度はこの流速の違いに
起因する求める流量の測定誤差が無視できなくなってし
まう。電磁流量計の検出部に使用される磁気回路は、こ
の両者のバランスを考慮して設計する必要がある。
【0015】本発明の課題は、ある程度の起電力を得な
がら流体の流速分布の影響を大きく軽減することのでき
る磁気回路を実現し、この磁気回路を用いて電磁流量計
の測定精度を向上させることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めの手段として、請求項1に記載の発明は、測定管内に
磁界を発生させ、前記磁界により前記測定管内を流れる
導電性の流体に生じる起電力から該測定管内を流れる該
流体の流量を得る電磁流量計において、前記測定管の外
部に設けられ、中心部に強磁性体からなるコアを有し、
前記流体の流れ方向と直角の方向の磁界を該測定管内に
励磁させる一対の励磁コイルと、前記測定管の内周部に
おける前記流体の流れ方向と前記励磁コイルで励磁させ
る磁界とに対して共に直角である直線上の位置に対向し
て設けられ、該流体に接触する一対の電極と、第一の強
磁性体からなり、前記測定管の外周面に沿う様に形成し
て設けられ、前記励磁コイルのコアとそれぞれ接合する
一対のコア台座と、を有し、前記コア台座は、前記第一
の強磁性体と異なる磁化特性を有する第二の強磁性体か
らなる層を該コア台座に積層してなる積層部を有し、前
記一対の電極間の電位差から前記流体の流量を得ること
を特徴としている。そして、この構成により、測定管内
に生じる磁界の強さの分布を部分的に変化させることが
できるので、図9の重み関数ベクトルの成分分布から、
起電力の寄与率の高い部分の磁束密度をその寄与率の低
い部分の磁束密度よりも低くして、起電力への寄与率の
違いを均一化するようにする。この均一化によって、平
均と異なる流速を示す部分の起電力への寄与の割合が相
対的に低下するので、流量の測定精度の向上が可能とな
る。
【0017】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記励磁コイルを励磁する励磁
電流は、正の半周期と負の半周期との電流波形が対称な
交流電流であり、前記励磁電流の各半周期で励磁される
前記励磁コイルの起磁力の変化を示す波形は、第一の波
高値である矩形の形状と前記第一の波高値よりも高い第
二の波高値である矩形の形状とによる階段形状を示し、
前記第二の波高値に相当する起磁力は、前記積層部を有
するコア台座を構成する第一及び第二の強磁性体の磁化
を飽和させる強さを有することを特徴としている。そし
て、この構成により、コア台座を構成する第一及び第二
の強磁性体の磁化が不飽和である第一の波高値に相当す
る起磁力を励磁コイルが励磁している状態であっても、
磁束分布の励磁電流の周期毎の変化の少ない一定した磁
場を測定管内に発生させることが可能となる。
【0018】この作用について説明する。図4は強磁性
体の飽和磁化曲線であり、Bmは飽和磁束密度、Brは
残留磁束密度、Hcは保磁力を示している。同図に示す
ように強磁性体では磁界の強さと磁化の強さとは比例せ
ずにいわゆるヒステリシスループを描いてしまう。すな
わち、強磁性体に磁化が不飽和である程度の強さの起磁
力しか加えない場合は、磁化の度合いは過去の磁化の経
歴に従うため、起磁力が一定であっても得られる磁界の
強さは常に一定になるとは限らない(一定の起磁力Hに
対する強磁性体の磁束密度Bは図4のループ内部のB軸
に平行な直線上のいずれの値をもとり得る)。しかし、
請求項2に記載の発明では、強磁性体に加える起磁力を
一旦磁化が飽和するまで強めてから不飽和の起磁力とす
るので、強磁性体の磁化の推移は一定し(図4のループ
の線上を常に遷移する)、従って、毎周期で一定した磁
場が得られるのである。
【0019】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の発明において、前記第一の強磁性体の保磁力
は、前記励磁コイルにより前記第一の波高値に相当する
励磁電流で前記第一の強磁性体からなるコア台座に与え
る起磁力よりも小さく、前記第二の強磁性体の保磁力
は、該励磁コイルにより該第一の波高値に相当する励磁
電流で前記第二の強磁性体からなる層に与える起磁力よ
りも大きく、前記第一の強磁性体の飽和磁束密度は、前
記第二の強磁性体の飽和磁束密度よりも大きいことを特
徴としている。そして、この構成により、第一の磁性体
と第二の磁性体とで磁力線の向きが逆である磁界を発生
させることで、弱い部分を局部的に持つ磁場を得ること
が可能となる。
【0020】図5を用いてこの作用を説明する。同図
は、4種の強磁性体a、b、c、dの飽和磁化曲線の第
二象限を示す図である。同図で起磁力H=−200[O
e]のときの各強磁性体の磁束密度Bの正負を考える
と、A、BとC、Dとで磁束の向きが逆になっているこ
とが分かる。従って、このような同一の起磁力で磁束の
向きが逆になる強磁性体の組み合わせを請求項3に記載
の発明における第一及び第二の磁性体として使用し、第
一の波高値に相当する起磁力をこの両磁性体の磁束の向
きが逆になるようにすることで磁場が相殺され、磁場の
弱い部分を局部的に得ることができるのである。
【0021】また、請求項4に記載の発明は、測定管内
に磁界を発生させ、前記磁界により前記測定管内を流れ
る導電性の流体に生じる起電力から該測定管内を流れる
該流体の流量を得る電磁流量計において、前記測定管の
外部に設けられ、中心部に強磁性体からなるコアを有
し、前記流体の流れる方向と直角の方向の磁界を該測定
管内に励磁させる一対の励磁コイルと、前記測定管の内
周部における前記流体の流れ方向と前記励磁コイルで励
磁させる磁界とに対して共に直角である直線上の位置に
対向して設けられ、該流体に接触する一対の電極と、第
一の強磁性体からなり、前記測定管の外周面に沿う様に
形成して設けられ、前記励磁コイルのコアとそれぞれ接
合する一対のコア台座と、を有し、前記コア台座は、前
記第一の強磁性体と異なる磁化特性を有する強磁性体か
らなる層を該コア台座に部分的に積層してなる積層部を
少なくとも1つ以上有し、前記一対の電極間の電位差か
ら前記流体の流量を得ることを特徴としている。そし
て、この構成により、測定管内に生じる磁界の強さの分
布を更にきめ細かく設定することができるようになり、
流体の測定管内の流速分布に起因する測定誤差を更に減
少させることが可能となる。
【0022】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
又は4に記載の発明において、前記積層部は、前記コア
台座における、前記測定管内の各位置を流れる前記流体
が前記起電力へ関与する寄与率の分散がより小さくなる
ような位置に設けられることを特徴としている。そし
て、この構成により、流体の流れる位置に基づく起電力
への均一化が図られ、流体の流速分布の影響が軽減され
る。
【0023】また、請求項6に記載の発明は、測定管内
に磁界を発生させ、前記磁界により前記測定管内を流れ
る導電性の流体に生じる起電力から該測定管内を流れる
該流体の流量を得る電磁流量計において、前記測定管の
外部に設けられ、中心部に強磁性体からなるコアを有
し、前記流体の流れる方向と直角の方向の磁界を該測定
管内に励磁させる一対の励磁コイルと、前記測定管の内
周部における前記流体の流れ方向と前記励磁コイルで励
磁させる磁界とに対して共に直角である直線上の位置に
対向して設けられ、該流体に接触する一対の電極と、第
一の強磁性体からなり、前記測定管の外周面に沿う様に
形成して設けられ、前記励磁コイルのコアとそれぞれ接
合する一対のコア台座と、を有し、前記コア台座は、前
記第一の強磁性体と異なる磁化特性を有する第二の強磁
性体からなる部分を有し、前記一対の電極間の電位差か
ら前記流体の流量を得ることを特徴としている。そし
て、この構成により、請求項1に記載の発明と同様に、
測定管内に生じる磁界の強さの分布を部分的に変化させ
られるので、起電力への寄与率の違いの均一化による流
量の測定精度の向上が可能となる。
【0024】また、請求項7に記載の発明は、請求項6
に記載の発明において、前記コア台座の第二の強磁性体
からなる部分は、該コア台座において、前記測定管内の
各位置を流れる前記流体が前記起電力へ寄与する寄与率
の分散がより小さくなる位置に設けられることを特徴と
している。そして、この構成により、請求項5に記載の
発明と同様に、流体の流れる位置に基づく起電力への均
一化が図られ、流体の流速分布の影響が軽減される。
【0025】また、請求項8に記載の発明は、測定管内
に磁界を発生させ、前記磁界により前記測定管内を流れ
る導電性の流体に生じる起電力から該測定管内を流れる
該流体の流量を得る電磁流量計において、前記起電力を
測定する起電力測定手段と、前記測定管内の各位置を流
れる前記流体が前記起電力測定手段で測定される起電力
へ寄与する寄与率の分散が、該測定管内の磁界が一様な
磁束密度分布であるときの該分散よりも小さくなる磁界
を該測定管内に発生させる励磁手段と、を有することを
特徴としている。そして、この構成により、流体の流れ
る位置に基づく起電力への寄与率の均一化を図り、流体
の流速分布の影響を低減することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態を示す
図である。同図は、図8に示す検出部の断面図のうち、
ケース19内の上部に相当するものであり、下部にも同
様の構成を採る。図1において、図8と同一の構成要素
には同一の符号を付している。
【0027】コア台座14は第一磁性体17でできてい
るが、部分的に第二磁性体18を積層した積層板16を
形成する。積層板16は、図9の重み関数ベクトルの成
分分布において起電力の寄与率の高い部分である電極3
a及び3bに近い部分に形成する。第一磁性体17及び
第二磁性体18の飽和磁化曲線を図2に示す。両者を比
較すると、第一磁性体17は飽和磁束密度が大で保磁力
が小であり、対して第二磁性体18は飽和磁束密度が小
で保磁力が大である。第一・第二磁性体に使用できる磁
性材料としては、例えば第一磁性体としてアルニコ、第
二磁性体としてフェライトの組み合わせが使用できる。
【0028】本実施の形態で精密な磁界分布制御を行な
う様子を図3を用いて説明する。同図は、図1の励磁コ
イル4に加える励磁電流と、図2から得られるその時の
各部の磁力の変化を示すものである。
【0029】まず、励磁電流の大きさをI+2(図3
(a))としてT1の間だけ流して励磁コイル4を励磁
する。I+2及びT1の値はこのとき発生させる起磁力H
+2(同図(b))で第一及び第二磁性体17、18の磁
化を飽和させるのに十分な大きさ及び時間となるように
設定する。
【0030】次に、励磁電流(同図(a))をI-1とし
て励磁コイル4にT2の間だけ流す。このとき励磁コイ
ル4が発生する起磁力H-1(同図(b))により、コア
台座14の積層板16の部分には第一磁性体17による
−B11(同図(c))なる磁場と第二磁性体18による
+B21(同図(d))なる磁場との重ね合わせによる−
11+B21(同図(e))なる磁場が得られ、一方、コ
ア台座14の第一磁性体17のみで形成されている部分
には単に−B11(同図(c))なる磁場が得られる。こ
の状態での磁場が安定した後に流量信号をサンプリング
することで、流体の測定管11内を流れる位置に対する
起電力(=流量信号)への寄与率の差が少ない状態での
流量信号のサンプリングが行なえる。なお、T2の時間
はこのサンプリングの完了時よりも長い時間となるよう
に設定する。
【0031】次に、励磁電流の大きさをI-2(同図
(a))としてT3の間だけ流して励磁コイル4を励磁
する。I-2及びT3の値は、このとき発生させる起磁力
-2で第一及び第二磁性体17、18の磁化を飽和させ
るのに十分な大きさ及び長さとなるように設定すればよ
く、必ずしもI+2と電流の大きさを一致させる必要はな
い。
【0032】次に、励磁電流をI+1(同図(a))とし
て励磁コイル4にT4の間だけ流す。このとき励磁コイ
ル4が発生する起磁力H+1(同図(b))により、コア
台座14の積層板16の部分には第一磁性体17による
+B11(同図(c))なる磁場と第二磁性体18による
−B21(同図(d))なる磁場との重ね合わせによる+
11−B21(同図(e))なる磁場が得られ、一方、コ
ア台座14の第一磁性体17のみで形成されている部分
には単に+B11(同図(c))なる磁場が得られる。こ
の状態での磁場が安定した後に流量信号を再びサンプリ
ングする。この時のT4の時間もこのサンプリングの完
了時より長い時間となるように設定する。
【0033】以降の動作は、励磁電流の大きさをI+2
する動作からの繰り返しとする。また、サンプリングし
た流量信号を流体の流量の測定値に変換する手法は従来
の技術で説明したものと同様に行なう。
【0034】なお、本発明の実施の形態の構成を行なっ
た場合の流体の測定管11内の起電力の寄与率の分布を
実測や計算等によって求め、これを基に、さらに積層板
16をコア台座14に追加したり、また、別の磁化特性
を有する強磁性体を積層する等して、寄与率の更なる均
一化を図ることも可能である。また、本実施の形態にお
いて、コア台座14に積層板16を形成する代わりに、
形成部分を同等の磁化特性を呈する磁性材料で置き換え
た構成とすることも可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上詳細に説明したように構
成されているので、流体の流速分布の影響の極めて少な
い流量信号を得ることが可能となり、電磁流量計の測定
精度を大幅に向上させることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す図である。
【図2】第一磁性体17及び第二磁性体18の飽和磁化
曲線を示す図である。
【図3】励磁コイル4に加える励磁電流と、その時の各
部の磁力の変化を示す図である。
【図4】強磁性体の飽和磁化曲線を示す図である。
【図5】4種の強磁性体a、b、c、dの飽和磁化曲線
の第二象限を示す図である。
【図6】従来の電磁流量計を構成する電気回路の例を示
す図である。
【図7】図6の各部の信号波形を示す図である。
【図8】図6の検出部5の構造を示す断面図である。
【図9】重み関数ベクトルWの成分分布を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 流体 2 測定管 3a、3b 電極 4 励磁コイル 5 検出部 6 励磁回路 7 差動増幅回路 8 演算回路 9 変換部 10 信号ケーブル 11 測定管 12 ライニング 13 コア材 14 コア台座 15 外部磁路 16 積層板 17 第一磁性体 18 第二磁性体 19 ケース

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定管内に磁界を発生させ、前記磁界に
    より前記測定管内を流れる導電性の流体に生じる起電力
    から該測定管内を流れる該流体の流量を得る電磁流量計
    において、 前記測定管の外部に設けられ、中心部に強磁性体からな
    るコアを有し、前記流体の流れ方向と直角の方向の磁界
    を該測定管内に励磁させる一対の励磁コイルと、 前記測定管の内周部における前記流体の流れ方向と前記
    励磁コイルで励磁させる磁界とに対して共に直角である
    直線上の位置に対向して設けられ、該流体に接触する一
    対の電極と、 第一の強磁性体からなり、前記測定管の外周面に沿う様
    に形成して設けられ、前記励磁コイルのコアとそれぞれ
    接合する一対のコア台座と、 を有し、 前記コア台座は、前記第一の強磁性体と異なる磁化特性
    を有する第二の強磁性体からなる層を該コア台座に積層
    してなる積層部を有し、 前記一対の電極間の電位差から前記流体の流量を得るこ
    とを特徴とする電磁流量計。
  2. 【請求項2】 前記励磁コイルを励磁する励磁電流は、
    正の半周期と負の半周期との電流波形が対称な交流電流
    であり、 前記励磁電流の各半周期で励磁される前記励磁コイルの
    起磁力の変化を示す波形は、第一の波高値である矩形の
    形状と前記第一の波高値よりも高い第二の波高値である
    矩形の形状とによる階段形状を示し、 前記第二の波高値に相当する起磁力は、前記積層部を有
    するコア台座を構成する第一及び第二の強磁性体の磁化
    を共に飽和させる強さを有することを特徴とする請求項
    1に記載の電磁流量計。
  3. 【請求項3】 前記第一の強磁性体の保磁力は、前記励
    磁コイルにより前記第一の波高値に相当する励磁電流で
    前記第一の強磁性体からなるコア台座に与える起磁力よ
    りも小さく、 前記第二の強磁性体の保磁力は、該励磁コイルにより該
    第一の波高値に相当する励磁電流で前記第二の強磁性体
    からなる層に与える起磁力よりも大きく、 前記第一の強磁性体の飽和磁束密度は、前記第二の強磁
    性体の飽和磁束密度よりも大きいことを特徴とする請求
    項2に記載の電磁流量計。
  4. 【請求項4】 測定管内に磁界を発生させ、前記磁界に
    より前記測定管内を流れる導電性の流体に生じる起電力
    から該測定管内を流れる該流体の流量を得る電磁流量計
    において、 前記測定管の外部に設けられ、中心部に強磁性体からな
    るコアを有し、前記流体の流れる方向と直角の方向の磁
    界を該測定管内に励磁させる一対の励磁コイルと、 前記測定管の内周部における前記流体の流れ方向と前記
    励磁コイルで励磁させる磁界とに対して共に直角である
    直線上の位置に対向して設けられ、該流体に接触する一
    対の電極と、 第一の強磁性体からなり、前記測定管の外周面に沿う様
    に形成して設けられ、前記励磁コイルのコアとそれぞれ
    接合する一対のコア台座と、 を有し、 前記コア台座は、前記第一の強磁性体と異なる磁化特性
    を有する強磁性体からなる層を該コア台座に部分的に積
    層してなる積層部を少なくとも1つ以上有し、 前記一対の電極間の電位差から前記流体の流量を得るこ
    とを特徴とする電磁流量計。
  5. 【請求項5】 前記積層部は、前記コア台座における、
    前記測定管内の各位置を流れる前記流体が前記起電力へ
    関与する寄与率の分散がより小さくなるような位置に設
    けられることを特徴とする請求項1又は4に記載の電磁
    流量計。
  6. 【請求項6】 測定管内に磁界を発生させ、前記磁界に
    より前記測定管内を流れる導電性の流体に生じる起電力
    から該測定管内を流れる該流体の流量を得る電磁流量計
    において、 前記測定管の外部に設けられ、中心部に強磁性体からな
    るコアを有し、前記流体の流れる方向と直角の方向の磁
    界を該測定管内に励磁させる一対の励磁コイルと、 前記測定管の内周部における前記流体の流れ方向と前記
    励磁コイルで励磁させる磁界とに対して共に直角である
    直線上の位置に対向して設けられ、該流体に接触する一
    対の電極と、 第一の強磁性体からなり、前記測定管の外周面に沿う様
    に形成して設けられ、前記励磁コイルのコアとそれぞれ
    接合する一対のコア台座と、 を有し、 前記コア台座は、前記第一の強磁性体と異なる磁化特性
    を有する第二の強磁性体からなる部分を有し、 前記一対の電極間の電位差から前記流体の流量を得るこ
    とを特徴とする電磁流量計。
  7. 【請求項7】前記コア台座の第二の強磁性体からなる部
    分は、該コア台座において、前記測定管内の各位置を流
    れる前記流体が前記起電力へ寄与する寄与率の分散がよ
    り小さくなる位置に設けられることを特徴とする請求項
    6に記載の電磁流量計。
  8. 【請求項8】 測定管内に磁界を発生させ、前記磁界に
    より前記測定管内を流れる導電性の流体に生じる起電力
    から該測定管内を流れる該流体の流量を得る電磁流量計
    において、 前記起電力を測定する起電力測定手段と、 前記測定管内の各位置を流れる前記流体が前記起電力測
    定手段で測定される起電力へ寄与する寄与率の分散が、
    該測定管内の磁界が一様な磁束密度分布であるときの該
    分散よりも小さくなる磁界を該測定管内に発生させる励
    磁手段と、 を有することを特徴とする電磁流量計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100363718C (zh) * 2004-04-08 2008-01-23 横河电机株式会社 电磁流量计

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