JP2006098332A - 磁歪変調型電流センサーとこのセンサーを用いた電流計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型・堅牢・簡素・高精度・大電流計測可能の特長を備えた直流電流も計測できる非接触式の磁歪変調型電流センサーを提供すること。
【解決手段】 圧電効果を発現するように電極を設けた圧電素子1と、この圧電素子1に機械的に結合した磁歪材2と、この磁歪材2を巻回したコイル3とを備え、被計測電流4の磁束が前記磁歪材2を通り前記コイル3と交錯するようにしたこと。
【選択図】 図8

Description

本発明は、交流電流では周知のCT(Current Transformer)と同様に、被計測導線に接続することなく絶縁状態のままで電流を計測する電流センサーに係り、特に、周波数特性に関しては直流も計測でき、電流値に関しては1000A領域の大電流まで計測できる電流センサーに関する。
周知のCTは、被計測導線と絶縁状態のままで計測できる長所をもっているが、直流やその近傍の周波数の交流電流、ならびに、直流と交流とが重畳した脈流電流に使用することができない。そこで、CTに代わる絶縁型の直流電流センサーとして、ホール素子型、磁気変調型、磁気ブリッジ型等が提案されている。
また、磁歪材と圧電素子を組み合わせた電流センサーとして、「磁界センサ及びそれを用いた電流検出器」(特許文献1参照)や「機械的な波に基づく電流測定変圧器」(特許文献2参照)などがあるが、これらは何れも被計測電流の磁界による磁歪材の歪みを圧電素子に伝え、圧電素子が発生する電圧を計測することにより被計測電流の値を計測しようとするものである。
圧電素子は歪みが生じたときに電圧を発生するが、静的な歪み(歪んだままで歪みに変動がない定常的な歪み)では、電圧は発生しない。よって、「機械的な波に基づく電流測定変圧器」(特許文献2参照)のように交流電流により変動する磁界によって生ずる動的な歪みを利用することは妥当であるが、当該文献2の中でも述べているように交流電流用に限られ、直流電流を計測することはできない。
一方、「磁界センサ及びそれを用いた電流検出器」(特許文献1参照)の明細書においては、発明の効果として直流電流の計測が可能と記載されているが、それが可能であることについての説明は何らなされておらず、むしろ圧電素子の機能と当該文献1の発明の構造に鑑みると、文献1の発明によって直流電流を計測することは不可能である。
近時、直流電流センサーを必要とする装置としては、モータと内燃エンジンを組合せたいわゆるハイブリッドカーや燃料電池自動車、あるいはコージェネレーション用の燃料電池などの開発が盛んになり、小型で信頼性の高い直流電流センサーが求められている。特に、自動車関連においては堅牢かつ小型であって大電流を精度よく計測できる安価な直流センサーが求められている。
特開2000−88937号公報 特開2001−116774号公報
しかし、上述したような従来技術の直流センサーでは、上記の要求を満たすものはなかった。
即ち、たとえば、ホール素子型では、半導体を用いているために使用できる温度範囲が狭く、また放射線などにも弱く苛酷な環境下には不向きである。
磁気変調型では、複数のコアと複数のコイルを必要とするため、堅牢性と価格で劣るほか、大電流ではセンサーを駆動するための電力が大きくなって、いわゆる省エネを目指している分野では大きな欠点となる。また、励磁の鉄損による自己発熱が大きく用途によっては冷却を必要とすることもある。因みに、磁気変調型では被計測電流より大きな起磁力を必要とする。
磁気ブリッジ型などの微小電流向けに開発された直流センサーは、大電流の計測には不向きである。
本発明はこのような直流センサーに関する技術的な現状を鑑み、小型・堅牢・簡素・高精度・大電流計測可能の特長を備えた直流電流も計測できる非接触式の磁歪変調型電流センサーを提供することを、その課題とするものである。
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明磁歪変調型電流センサー(以下、本発明電流センサーという)の構成は、圧電効果を発現するように電極を設けた圧電素子と、この圧電素子に機械的に結合した磁歪材(磁歪特性を持つ磁性材、以下、同じ。)と、この磁歪材を巻回したコイルとを備え、被計測電流の磁束が前記磁歪材を通り前記コイルと交錯するようにしたことを特徴とするものである。
即ち、本発明電流センサーでは、被計測電流の磁束を前記磁歪材に導くとともに前記圧電素子に変動する電圧を印加することにより、当該圧電素子に変動する歪みを生じさせ、該圧電素子の変動する歪みにより前記磁歪材に変動する歪みを生じさせ、この磁歪材の変動する歪みにより当該磁歪材の透磁率を変動させ、この変動する透磁率により生じる変動する磁束で、当該磁束と交錯した前記コイルに起電力を生じさせ、この起電力を検出することにより被計測電流を測定するのである。
本発明電流センサーは、上記の動作原理により作動するので、被計測電流が直流電流であって磁束が変動しない場合でも、圧電素子に変動する電圧が印加されてコイルと交錯する磁束が変動するので直流電流を計測することができる。
また、被計測電流の変動が、圧電素子に印加する電圧の変動周波数より比較的低い周波数成分は前記動作原理により計測でき、より高い周波数成分は従来の交流用CTの動作原理により計測することもでき、直流から高周波まで計測することが可能である。
次に、本発明電流センサーの実施の形態例について、図を参照して説明する。図1および図2は、圧電効果を発現するように電極を設けた圧電素子1と、この圧電素子1に機械的に結合した磁歪材2と、この磁歪材2を巻回したコイル3とから成る磁界センサーを模式的に示したものであり、本発明電流センサーの基礎となるものである。
図1は、四角形断面の棒状の磁歪材2の長さ方向の一つの端面又は両端面(以下、「端面」はこの意味で用いるが、図1では一端面)に圧電素子1を設け、磁歪材2にコイル3を巻回した磁界センサーの基本構造である。実用的には、磁歪材2が共振する周波数の交流電圧をこの圧電素子1に印加する。この共振によって磁歪材2は大きく歪み、透磁率も大きく変動して磁歪材2内部の磁束も同様に変動する。その結果磁歪材2を巻回したコイル3には起電力が生じる。磁歪材2の両端面に圧電素子を設けた場合も同様である。この起電力は磁界の強さに比例するので、磁界の強さを計測できる。
この磁界センサーは、その圧電素子1を駆動するための交流電圧が安定していると使い易いが、振幅が変動したり、直流が重畳したりするなど不安定であっても使用できる。圧電素子の駆動電圧が不安定である場合は、検出した起電力を処理する電子回路などの処理手段において補正することができる。また、周波数においては前述したように磁歪材を共振させる周波数であると駆動効率がよいが、必ずしも共振しなければならないものではない。
図2は、図1の磁歪材2と同様の磁歪材2の長さ方向に沿った一つの側面又は両側面(以下「側面」はこの意味で用いるが、図2では一側面)に圧電素子1を設けた場合の磁界センサーであるが、図2の場合は図3や図4に示すような歪みモードがある。いずれの面に圧電素子1を設けた場合も前記図1の説明と同様に磁歪材2が歪むことによりコイル3に起電力が生じる。図2では、コイル3は圧電素子1と磁歪材2を一緒に巻回している。
図5、図6、図8、および図9は、何れも本発明電流センサーMSM-csの実施形態の例である。
これらの本発明電流センサーMSM-csでは、図1または図2で説明した磁界センサーの要素を、磁路の全体または一部に少なくとも一つ以上具備している。
即ち、本発明電流センサーMSM-csは、前記磁界センサーの動作原理に基づき、被測定電流が発生する磁界を検出することにより、当該磁界の発生源である電流を計測することができるのである。
また、上記の本発明電流センサーMSM-csにおけるコイル3の起電力は被計測電流に比例し、且つ、磁歪材2の透磁率の変化量、すなわち圧電素子1に印加する電圧にも比例する。よって、任意の電力負荷に印加された電圧に比例した電圧で交流電圧を変調して圧電素子1に印加するか、あるいは当該比例した電圧が交流電圧である場合は直接に圧電素子1に印加し、さらに、当該電力負荷に流れる電流を被計測電流とすれば、コイル3の起電力は当該電力負荷の電圧および電流の双方に比例して、当該電力負荷の消費電力に比例したものとなる。このことから本発明電流センサーMSM-csの構成は、接続する圧電素子駆動回路の構成によって電力センサーとして作動するように形成することもできる(図13,図14参照)。
本発明電流センサーMSM-csの具体例を図5および図6により説明するが、まず図5から説明する。
図5において、磁歪材2と圧電素子1は何れも円筒状である。この実施例では、磁歪材2と圧電素子1とをエポキシ樹脂で接着して一体化しているが、磁歪材2と圧電素子1とは機械的に結合していれば、その手段は接着に限られずいかなる結合方法であってもよい。
この実施例の圧電素子1は、材料に強誘電体セラミックスを用い、内径7mm、外形11mm、長さ7mmの円筒状に整形し、円筒の内側面と外側面にそれぞれ金属を蒸着して電極(図に表われず)とした。1a,1bは両電極に接続したリード線である。
また、磁歪材2は、(株)モリテックス社製の超磁歪材“N2M−800”を用い、内径11.5mm、外形18mm、長さ7mmの円筒状に整形した。
本実施例で使用した超磁歪材((株)モリテックス製 N2M‐800)の透磁率−応力の特性グラフを図15に示す。
この特性グラフからも解る通り、この材料は応力が生じるとその応力に反比例して透磁率が減少する。特に、所定の応力までは急激に減少して、それ以上は減少率が低下する特性を持っている。
本発明において、磁歪材2にかける応力の動作範囲を、透磁率の変化が急峻な領域内に設定すると、磁束は圧電素子1の歪みにより振幅変調される。また、この動作範囲を減衰率が充分に低い領域域まで広げると、磁束はチョッピングされたようになる。本発明電流センサーはいずれの状態でも動作するが、駆動回路は動作範囲の設定に応じて適宜決定する。この特性グラフは、透磁率−応力特性になっているが、応力と歪は相関があり置換できる数値である。
なお、上記実施例では、磁歪性が特に顕著な磁性材料を用いたが、ほとんどの磁性材料は磁歪を持つことが知られている。一般にトランスなどのコアに使用する磁性材料では、磁歪のために所謂「唸り」が生じ、変電所などの大型トランスでは騒音公害の原因となっているため、トランス用コア材に用いる磁性材料では磁歪はないほうが好ましく、磁歪を低減した電磁鋼板も開発されている。
図5,図6の実施例において、圧電素子1にそのリード線1a,1bを通して交流電圧を印加した場合、圧電素子1は直径方向に拡張したり収縮したりする。磁歪材2は圧電素子1と機械的に結合しているので、圧電素子1の歪みに同調して一緒に歪む、この歪みの一例を図7に模式的に示す。
圧電素子に交流電圧を印加して振動させる場合は圧電振動子と呼ばれることもあり、その際、歪みモードは振動モードと呼ばれることがある。この振動モードには、径方向振動、長辺方向伸び振動、縦振動、厚み縦振動、厚みすべり振動などと呼ばれるモードを代表的振動モードとして、多くの振動モードがある。本発明ではその実施の形態に応じて様々な振動モードの中から適宜の振動モードを選択することができ、従って、実施例においても使用できる振動モードも、図7に例示した径方向振動に限られるものではない。
この実施例において、被計測電流4は円筒状の磁歪材2および圧電素子1の内部を貫通させる。図5,図6に符号4で示したものが被計測電流であるが、具体的には導線を流れる電流のほか、気体や液体中のイオンの流れ、真空中の電子の流れ、プラズマの流れ等、電荷を帯びたものの流れであれば何でもよい。被計測電流4はその周囲に磁界を生じるが、この磁界は磁歪材2に周回する磁束を生じる。そして、この磁束の強さは磁歪材2の透磁率と磁界の強さに比例する。ここで、仮に被計測電流4が一定の直流電流であれば起磁力は一定であり、磁束は透磁率に比例する。
一方、上記磁歪材2の透磁率は機械的歪みにより変動させることができる。そこで、磁歪材2と機械的に結合した圧電素子1により磁歪材2を歪ませることにより磁歪材2の透磁率を変動させることができる。その結果、磁歪材2内部の磁束も変化する。
圧電素子1を、交流電圧を印加することによって歪ませることにより、磁歪材2の透磁率が脈動し、磁束の強さも脈動する。よって、この磁歪材2に巻回したコイル3には磁束の脈動量に比例した起電力が生じる。この磁束の脈動量はひずみの振幅が一定であれば被測定電流4の強さに比例する。すなわち、コイル3に生じる起電力は被測定電流4に比例する。
コイル3に生じる起電力は圧電素子1の駆動電圧に同期した交流であるので、これを整流あるいは検波することにより被測定電流4を測定することができる。
特に検波をする場合は、圧電素子1の駆動電圧を基準にした同期検波をすることにより、被測定電流4の方向を測定することができる。
上記実施例の本発明電流センサーMSM-csを駆動するための電子回路のブロック図を図10、図11、および図12に示す。
図10はコイルの起電力をそのまま出力する場合、図11はコイルの起電力を検波あるいは整流して出力する場合、図12はコイルの起電力を増幅して圧電素子1の駆動電圧を基準に同期検波した場合である。
図10、図11、および図12のいずれの回路においても、圧電素子1は発振回路5により駆動する。また、ここに示す発振回路5、検波整流回路6、増幅回路7、および同期検波回路8は、前記の目的を達成するものであれば如何なる回路手段であってもよい。
図6の実施例は、図5の実施例に対して磁歪材2と圧電素子1とが反対に配置された場合であり、動作原理は前記図5の実施例の場合と同様である。
図6の実施例においては、圧電素子1は、内径8mm、外形12mm、長さ7mmの円筒状に整形し、この円筒体の内側面と外側面にそれぞれ金属を蒸着して電極としリード線1a,1bを接続した。
また、磁歪材2は、内径4mm、外形7.5mm、長さ7mmの円筒状に整形し、圧電素子1の内部に挿入して両者1,2を結合した。
図6の実施例においては、圧電素子1と磁歪材2はともに前記図5の実施例の場合と同じ材料で形成し、寸法だけを変更したものである。
図8は、圧電素子1を環状円状に形成し、その上面に当該圧電素子1と同一形状に整形した磁歪材2を接着等により結合一体化し、両者1,2にコイル3を巻回した本発明電流センサーの別の例である。従って、図5,図6と同一符号は同一部材を示し、使用した部材の材質も先の例と同じものである。
図9は、断面(又は正面)略口字状に形成した磁歪材2の、ここでは一つの外周側面に圧電素子1を結合し、前記磁歪材2にコイル3を巻回した形態の本発明電流センサーの別の例である。図9の実施例における各構成部材も、先の実施例と同材質の材料で形成している。よって、先の例と同じ符号は同一部材を示している。
以上に説明した本発明電流センサーMSM-csは、電力を計測する電力センサーとしても利用することができるので、以下にこの点いついて説明する。この電力センサーは、交流も直流も計測できるが、特に直流電力を簡便に計測できる電力センサーとして有用である。
電力は負荷電流値と負荷電圧値を乗算することによって求めることができ、無効電力と有効電力に分けられる。従来技術では負荷電流値と負荷電圧値をそれぞれ別々のセンサーで計測し、計測した値を電子回路などにより演算する方法が一般的である。この方法により交流電力を計測する際は、電流センサーとしてはCT(Current Transformer)を用い、電圧センサーとしてはPT(Potential Transformer)を用いることが多いが、CTもPTも直流では機能しない。
一方、直流も計測でき、負荷電流値と負荷電圧値を同一のセンサーで検出し、当該センサー自体が物理的に乗算を行う電力センサーも特許文献に開示されている。その代表例として、1)ホール素子型電流センサーの動作原理で電流値を計測し、このホール素子の電流供給端子に電圧に比例した電流を供給することにより、これらの電流と電圧に比例した信号を電力値として出力する「電力メータ」(特開平11−108971号参照)、2)ファラディー効果型電流センサーの動作原理で電流値を計測し、ファラディー効果素子に照射する光の強さを電圧に比例させることにより、これらの電流と電圧に比例した信号を電力値として出力する「電力センサー」(特開平1−162165号参照)がある。しかし、これらの特許文献に開示された電力センサーは、その動作原理の基本となっている電流センサーが持っている欠点をそのまま内抱しており、従って、使用温度範囲が狭い、構造が複雑で堅牢化小型化が困難、精度が低い、などの欠点がある。
また、上述したように従来の電力センサーでは、近時求められている小型・堅牢・簡素・高精度・大電流計測可能などを兼ね備えていることを内容とするニーズに対応できない。
しかしながら、上述した本発明電流センサーMSM-csを利用する電力センサーでは、上記従来技術に比べ、小型・堅牢・簡素・高精度・大電流計測可能の特長を備えた直流電力も計測できる電力センサーを提供することができる。
即ち、本発明電流センサーMSM-csを利用した電力センサーは、圧電効果を発現するように電極を設けた圧電素子1と、この圧電素子1に機械的に結合した磁歪材2(磁歪特性を持つ磁性材)と、この磁歪材2を巻回したコイル3とを備え、被計測電流4の磁束が前記磁歪材2を通り前記コイル3と交錯するようにし、圧電素子1に被計測電圧に比例させた変動する電圧を印加するようにした構成を具備する。
換言すれば、本発明電流センサーMSM-csを利用した電力センサーでは、被計測電流4の磁束を前記磁歪材2に導き、さらに前記圧電素子1に被計測電圧に比例させた変動する電圧を印加することにより当該圧電素子1に被計測電圧に比例した変動する歪みを生じさせ、該圧電素子1の変動する歪みにより前記磁歪材2に変動する歪みを生じさせ、この変動する歪みにより前記磁歪材2の透磁率を変動させ、この変動する透磁率により生じる変動する磁束で、当該磁束と交錯した前記コイル3に起電力を生じさせ、この起電力を検出することにより被計測電流と被測定電圧の双方に比例した値、すなわち電力値を測定することができるのである。
本発明電流センサーMSM-csを利用した電力センサーは、上記の動作原理により動作するので、被計測電力が直流であって磁束が変動しない場合でも、コイルと交錯する磁束は変動するので直流電力を計測することが出来る。
また、この電力センサーは電力の瞬時値を計測するので、交流電力計測においては有効電力と皮相電力を計測することができ、その結果、無効電力や力率を求めることもできる。
図13は、上記電力センサーの駆動回路の一例のブロック図、図14は本発明電流センサーを利用した電力センサーの接続例である。この電力センサーは、磁歪変調型電流センサーの電流検出原理を基本とした動作をするので、以下に説明する。
なお、図13と図14において、同一部材,同一構成には同じ符号を用いている。
図13では、変調回路9において、発振回路5により得られた交流電圧を、任意の電力負荷に印加される負荷電圧に比例した電圧10で変調して圧電素子1に印加し、当該負荷に流れる負荷電流を被計測電流4として非接触で貫通させ、コイル3に生じる起電力を増幅回路7で増幅し、同期検波回路8を通して出力させることにより、消費電力に比例した値(電力値)が得られるようにした。
図14において、電源11に負荷12が導線により接続され被計測電流4が流れる。そこで、図8に例示した本発明電流センサーと同一の材料を同一寸法に形成した円環状の圧電素子1と磁歪材2を接着等により結合一体化し、両者にコイル3を巻回したセンサーMSM-csに負荷電流を被計測電流4として非接触で貫通させてコイル3に起電力を生じさせるようにする一方、負荷電圧に比例した電圧10で発振回路5の出力を変調回路9において変調し圧電素子1に印加する。
このとき、コイル3に生じる起電力を増幅回路7で増幅し、この増幅出力を発振回路5の出力で同期した同期検波回路8を通して出力させることにより、負荷12の消費電力に比例した電力値を得ることができる。
本発明は以上の通りであって、本発明電流センサーをコア(磁歪材)とコイルとセラミックス(圧電素子)とにより構成したので、構造が至ってシンプルであり、しかもいずれの部材も耐熱性が十分な材料で形成でき、従って、広範囲の温度に耐えうる電流センサーを提供できる。また、同じ理由から放射線などにも強い。
また、本発明電流センサーでは、コアもコイルも一つでよく、しかも、いずれの部材も形状が単純なために、堅牢化・小型化が容易である。さらに、構造が単純で物理法則に直結した動作原理であるため誤差要因が少なく、従って容易に高精度化することが可能である。そして、大電流を計測する際はコアが磁気飽和を起こさないようにすることだけに配慮すればよく、駆動電力を大きくする必要もないために大電流計測にも適している。
すなわち、本発明によれば小型・堅牢・簡素・高精度・大電流計測の特長を兼ね備えた直流電流も計測できる磁歪変調型電流センサーであって、昨今の電気自動車分野での用途や燃料電池分野での用途など最近の新しいテクノロジー分野でのニーズに対応することができ、従来技術では比肩できるものが全く無い画期的な電流センサーを提供できるので、様々な産業分野のみならず一般社会に対しても大きな貢献度が期待できるものである。
本発明電流センサーの動作原理を説明するための磁歪型の磁界センサーの一例を模式的に示した斜視図。 本発明電流センサーの動作原理を説明するための磁歪型の磁界センサーの別例を模式的に示した斜視図。 図2の磁界センサーの歪を説明するための模式的な正面図。 図2の磁界センサーの歪を説明するための模式的な正面図。 本発明電流センサーの第一例を模式的に示した斜視図。 本発明電流センサーの第二例を模式的に示した斜視図。 図5,図6の本発明電流センサーの歪みの方向を説明するための平面図。 本発明電流センサーの第三例を模式的に示した斜視図。 本発明電流センサーの第四例を模式的に示した斜視図。 本発明電流センサー(又は磁界センサー)の駆動回路の第一例のブロック図。 本発明電流センサー(又は磁界センサー)の駆動回路の第二例のブロック図。 本発明電流センサー(又は磁界センサー)の駆動回路の第三例のブロック図。 本発明電流センサーを電力センサーとして機能させる場合の駆動回路の一例のブロック図。 図13の電力センサーの接続例を示すブロック図。 本発明電流センサーの実施例に用いた磁歪材の透磁率−応力の特性を示すグラフ。
符号の説明
MSM-cs 本発明電流センサー
1 圧電素子
2 磁歪材
3 コイル
4 被検出電流

Claims (2)

  1. 圧電効果を発現するように電極を設けた圧電素子と、この圧電素子に機械的に結合した磁歪材と、この磁歪材を巻回したコイルとを備え、被計測電流の磁束が前記磁歪材を通り前記コイルと交錯するようにしたことを特徴とする磁歪変調型電流センサー。
  2. 圧電効果を発現するように電極を設けた圧電素子と、この圧電素子に機械的に結合した磁歪材と、この磁歪材を巻回したコイルとを備え、被計測電流の磁束が前記磁歪材を通り前記コイルと交錯するようにしておき、前記被計測電流の磁束を前記磁歪材に導くとともに、さらに前記圧電素子に変動する電圧を印加することにより当該圧電素子に変動する歪みを生じさせ、該圧電素子の変動する歪みにより前記磁歪材に変動する歪みを生じさせ、この変動する歪みにより前記磁歪材の透磁率を変動させ、この変動する透磁率により生じる変動する磁束によって、当該磁束と交錯した前記コイルに起電力を生じさせ、この起電力を検出することにより被計測電流を測定することを特徴とする電流の計測方法。
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