JP2016050921A - 電流検知装置 - Google Patents

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晋 栗原
Susumu Kurihara
晋 栗原
工藤 高裕
Takahiro Kudo
高裕 工藤
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Abstract

【課題】微小電流の検知が可能で、周囲環境条件により影響を受けることが少なく、小型、低コスト、定消費電流で、微小電流の検知を行うことができる電流検知装置を提供する。【解決手段】測定電流が流れる導線を囲む磁気コアに巻回した励磁コイル4と、前記磁気コアを飽和状態又はその近傍とした状態で、前記励磁コイルに供給する励磁電流の向きを反転させる矩形波電圧を発生する発振回路5と、該発振回路から出力される前記矩形波電圧Vaのデューティ変化に基づいて前記測定電流を検出する電流検出回路6とを備え、前記発振回路は、前記矩形波電圧の振幅を温度変化による当該矩形波電圧の振幅変動を抑制する振幅範囲に制限する電圧制限回路15を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、漏電検知等に用いる高透磁率材料の非線形な特性を利用する電流検知装置に関する。
この種の電流検知装置としては、種々の構成を有するものが提案され、実施されているが、構造的に簡単で微小電流の検知が可能なものとしてフラックスゲート型の電流センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載された従来例では、図8(a)に示す構成を有する。すなわち、軟質磁性体製の同形,等大に構成された円環状をなすコア101及び102と、各コア101及び102に等しい回数巻回された励磁コイル103と、各コア101及び102にわたるよう一括して巻回された検出コイル104とを備えている。
励磁コイル103には図示しない交流電源が、また検出コイル104には図示しない検出回路が接続されている。そして、両コア101及び102の中心に電流を測定する対象物たる被測定導線105が挿通されている。
励磁コイル103はこれに通電したとき両コア101及び102に生じる磁場が逆相であって互いに打ち消し合うようコア101及び102に巻回されている。
そして、励磁コイル103に励磁電流iexを通電したとき、各コア101及び102に生じる磁束密度Bの経時変化は、図8(b)に示すようになる。軟質磁性体製のコア101及び102の磁気特性は磁場の大きさHが所定の範囲内では磁場の大きさHと磁束密度Bとは直線的な関係にある。しかしながら、磁場の大きさHが所定値を超えると、磁束密度Bが変化しない磁気飽和の状態となる関係にあることから、励磁コイル103に励磁電流iexを通電すると、各コア101及び102に発生する磁束密度Bは実線図示のように上下対称の台形波状に変化し、しかも相互に180°位相がずれた状態となる。
今、被測定導線105に矢印で示す如く下向きに直流電流値Iが通電しているものとすると、この直流分に相当する磁束密度が重畳される結果、磁束密度Bは図8(b)に破線で示す如く、台形波のうち、上方の台形波はその幅が拡大され、一方下方の台形波はその幅が縮小された状態となる。
ここで、両コア101及び102に生じた磁束密度Bの変化を正弦波(起電力に対応)で表現すると図8(c)に示すようになる。この図8(c)では、前述した図8(b)で実線図示の台形波に対応して実線図示のように180°位相がずれた周波数fの正弦波(起電力)が表れるが、これらは180°ずれているため互いに打ち消し合う。一方、図8(b)で破線図示の台形波に対応して図8(c)には破線図示のような2倍の周波数2fの2次高調波が表れる。この2次高調波は位相が180°ずれているため、相互に重畳すると図8(c)の最下段に示すような正弦波信号となり、これが検出コイル104で検出される。
この検出コイル104で捉えられた検出信号は被測定導線105を流れる直流の電流値Iに対応しており、これを処理することで電流値Iを検出することができる。
特開2000−162244号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、2つのコア101及び102を使用するため、実際にはコア101及び102の磁気特性を完全に一致させることは困難であり、磁気特性の違いにより励磁電流Iexによる電圧が完全に打ち消されることなく発生してしまう。これが2次高調波成分に対応した検出電圧のS/N比を悪化させ、微小電流の検知が難しいという未解決の課題がある。
また、少なくとも2つのコアを使用するので、小型化や低コスト化を実現し難いという未解決の課題もある。
さらに、2つのコア101,102を飽和領域まで励磁する必要があるので、大きな励磁電流が必要となり、センサの消費電流が大きいという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、微小電流の検知が可能で、周囲温度により影響を受けることが少なく、小型、低コスト、定消費電流で、微小電流の検知を行うことができる電流検知装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一の態様に係る電流検知装置は、測定電流が流れる導線を囲む磁気コアに巻回した励磁コイルと、磁気コアを飽和状態又はその近傍とした状態で、励磁コイルに供給する励磁電流の向きを反転させる矩形波電圧を発生する発振回路と、この発振回路から出力される矩形波電圧のデューティ変化に基づいて前記測定電流を検知する電流検知回路とを備え、発振回路は、矩形波電圧の振幅を温度変化による矩形波電圧の振幅変動を抑制する振幅範囲に制限する電圧制限回路を備えている。
本発明によれば、磁気コアのインダクタンスが飽和電流付近で急に消失する特性が内部を貫通する導線の電流によってシフトすることを利用して、励磁手段で、励磁コイルに、矩形波電圧を印加して、磁気コアを飽和状態又はその近傍の状態とする励磁電流を供給し、励磁コイルに磁気コアのインダクタンス消失に応じた電流変化を生じさせ、この電流変化で矩形波電圧の立ち下がりを変化させる。このため、矩形波電圧のデューティを検出することにより、導線に流れる測定電流を検知することが可能となる。したがって、電流検知装置を1つの磁気コアを用いて構成することができ、磁気コアの材料特性の違いによりS/N比が低下することがなく、微小電流を高精度で検出することができる。
また、電流検知装置を1つの磁気コアと1つの巻線とで構成できるので、小型、低コスト化が可能となる。
さらに、発振回路から出力される矩形波電圧の振幅を制限することにより、温度変化の影響が矩形波電圧の振幅変化として現れることを回避する。
本発明に係る電流検知装置の第1の実施形態を示す構成図である。 図1の発振回路および電流検出回路の一例を示す回路図である。 発振回路の出力電圧波形と励磁コイルの電流波形とを示す模式図である。 磁気コアの磁界の強さと磁束密度の関係を示す特性線図及び磁気コアのインダクタンス特性を示す特性線図である。 電流検出時の発振回路の出力電圧と電流検出回路の電流検出電圧との関係を示す図である。 周囲温度変化を生じたときの発振回路の出力電圧と電流検出回路の電流検出電圧との関係を示す図である。 周囲温度変化対策を行ったときの発振回路の出力電圧と電流検出回路の電流検出電圧との関係を示す図である。 従来例を示す説明図であって、(a)センサ部の構成図、(b)は励磁コイルに励磁電流を通電したときの各磁気コアの磁束密度を示す図、(c)は各磁気コアの磁束密度を正弦波で表現した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を伴って説明する。
本発明の一実施形態に係る電流検知装置1は、図1に示すように、例えば漏電検知等の対象物に設けられた例えば10A〜800Aの往復の電流Iが流れる導線2a,2bの微小な差異電流を検知する。ここで、健全状態では導線2a,2bに流れる電流の和はゼロであるが、漏電や地絡などで導線2a,2bに流れる電流の和が零にならず、検出対象とする例えば15mA〜500mA程度の微小な差異電流が流れる。これら導線2a,2bの回りにリング状の磁気コア3が配設されている。つまり、磁気コア3内に導線2a,2bが挿通されている。
磁気コア3には、励磁コイル4が所定巻数で巻回されており、この励磁コイル4に発振回路5から励磁電流が供給される。また、発振回路5から出力される矩形波電圧が電流検出回路6に供給されている。
発振回路5は、図2に示すように、コンパレータとして動作するオペアンプ11を備えている。このオペアンプ11の出力側と反転入力側との間に励磁コイル4が接続されている。また、オペアンプ11の反転入力側は抵抗12を介してグランドに接続され、オペアンプ11の非反転入力側は、オペアンプ11の出力側及びグランド間に直列に接続された分圧抵抗13及び14の接続点に接続されている。
また、オペアンプ11の出力側とグランドとの間に電圧制限回路15が接続されている。この電圧制限回路15は、通電方向が互いに逆方向となるようにアノード同士が互いに接続されたそれぞれツェナーダイオードで構成される第1定電圧ダイオード16及び第2定電圧ダイオード17で構成されている。ここで、第1定電圧ダイオード16及び第2定電圧ダイオード17は、第1定電圧ダイオード16のアノードが第2定電圧ダイオード17のアノードに接続されている。また、第1定電圧ダイオード16のカソードがオペアンプ11の出力側に接続され、第2定電圧ダイオード17のカソードがグランドに接続されている。
この電圧制限回路15では、オペアンプ11から出力される正負の矩形波電圧の正側電圧及び負側電圧の振幅を正側リミット電圧Vplim及び負側リミット電圧Vnlim間の振幅範囲に制限する正負リミッタ回路を構成している。ここで、正側リミット電圧Vplim及び負側リミット電圧Vnlimは、発振回路5の周囲温度の変化によって矩形波電圧に振幅変化が生じたときに、この振幅変化が出力端子toから出力される矩形波電圧に影響を与えない値に設定されている。
また、電流検出回路6は、図2に示すように、発振回路5から出力される矩形波電圧の周波数成分を除去する積分器として動作するローパスフィルタ21と、このローパスフィルタ21のフィルタ出力が供給される増幅回路22とで構成されている。
ローパスフィルタ21は、発振回路5の出力側と増幅回路22の入力側との間に介挿された抵抗21aと、この抵抗21aと増幅回路22との間とグランドとの間に接続されたコンデンサ21bとで構成されている。
増幅回路22は、ローパスフィルタ21のローパス出力が抵抗22aを介して反転入力側に供給されるオペアンプ22bと、このオペアンプ22bの出力側と反転入力側との間に接続された帰還抵抗22cと、オペアンプ22bの非反転入力側とグランドとの間に接続されたバイアス電流の影響を避ける抵抗22dと、抵抗22aと並列に接続された温度補償部としてのサーミスタ22eとで反転増幅器を構成している。
ここで、サーミスタ22eは、前述した発振回路5に設けた電圧制限回路15を構成する第1定電圧ダイオード16及び第2定電圧ダイオード17が正の温度特性を有するので、これら第1定電圧ダイオード16及び第2定電圧ダイオード17の正の温度特性を補償するために負の特性すなわち温度の上昇に応じて抵抗値が減少する特性に設定されている。したがって、増幅回路22では、抵抗22aと並列にサーミスタ22eが接続されているので、温度の上昇によってサーミスタ22eの抵抗が増加することにより、抵抗22aおよびサーミスタ22eとの合成抵抗Rsが減少し、増幅率が増加することにより、増幅出力である電流検知電圧の低下を補償する。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
発振回路5では、分圧抵抗13及び14の接続点Eの閾値電圧Vrefがオペアンプ11の非反転入力側に供給されている。この閾値電圧Vrefは抵抗13の抵抗値をR1、抵抗14の抵抗値をR2とし、オペアンプ11の出力電圧をVaとしたときに下記(1)式で表される。
Vref={R1/(R1+R2)}Va …………(1)
このため、オペアンプ11で閾値電圧Vrefと励磁コイル4及び抵抗12との接続点Dの電圧Vdとが比較されて、その比較出力が図3(a)に示す矩形波の出力電圧Vaとして出力側から出力される。
今、図3(a)に示すように、時点t1で、オペアンプ11の出力側の出力電圧Vaがハイレベルとなると、これが励磁コイル4に印加される。このため、励磁コイル4を出力電圧Vaと抵抗12の抵抗値R12とに応じた励磁電流Ibで励磁する。このとき、励磁電流Iexは、図3(b)に示すように、出力電圧Vaの立ち上がり時点から比較的急峻に立ち上がり、その後緩やかに増加する放物線状となる。
このとき、オペアンプ11の非反転入力側には、出力電圧Vaを分圧抵抗13及び14の接続点Eで得られる分圧抵抗13及び14の抵抗値R1及びR2で分圧された閾値電圧Vrefが入力されている。一方、オペアンプ11の反転入力側の励磁コイル4及び抵抗12の接続点Dの電圧Vdは、励磁コイル4の励磁電流Iexの増加に応じて増加し、その後励磁電流Iexが再度急峻に増加して、電圧Vdが時点t2で図3(b)のF点で非反転入力側の閾値電圧Vrefを上回ると、オペアンプ11の出力電圧Vaが図3(a)に示すように、ローレベルに反転する。
これに応じて励磁コイル4を流れる励磁電流Ibの向きが反転し、励磁電流Iexが最初は比較的急峻に低下し、その後緩やかに低下する放物線状に減少する。
このとき、閾値電圧Vrefは、出力電圧Vaがローレベルとなっていることにより、閾値電圧Vrefよりも低い電圧−Vrefとなっている。そして、オペアンプ11の反転入力側の励磁コイル4及び抵抗12の接続点Dの電圧Vdが、励磁コイル4の励磁電流Ibの減少に応じて減少し、この電圧Vdが時点t3で非反転入力側の閾値電圧−Vrefを下回ると、オペアンプ11の出力電圧Vaが図3(a)に示すように、時点t1と同様にハイレベルに反転する。
このため、出力電圧Vaは、図3(a)に示すように、ハイレベル及びローレベルを繰り返す矩形波電圧となり、発振回路5が非安定マルチバイブレータとして動作する。そして、励磁コイル4の励磁電流Iexは、図3(b)に示すように増加及び減少を繰り返す波形となる。
ところで、磁気コア3は、図4(a)に示すように角型比の大きな磁束密度Bと磁界の強さHとの関係を表すB−H特性を有し、高透磁率材料の非線型な特性を有する。このB−H特性を有する磁気コア3のインダクタンスLは、導線2a,2bの差電流が零であるときに、図4(b)に示すように飽和電流付近Gで急激に消失する。磁気コア3を貫通する導線2a,2bに任意の検出対象となる微小な差電流Cが生じると、図4(b)のL−I特性は、破線図示のように差電流Cに応じて磁界の強さHの正方向にシフトしてインダクタンスが消失するタイミングが変化する。
このため、電流が零のときにインダクタンスが飽和する電流(図4のG)と励磁電流Iexの向きが切り換わる電流(図3のF)とを一致させる。そうすると、インダクタンスが飽和する電流(図4のJ)が導線2a,2bの差電流の電流値Cに応じて変化するので、励磁電流Iexの向きが切り換わる電流(図3(b)のH)も同様に変化することになる。
この励磁電流Iexの向きが切り換わる電流値が変化することにより、励磁コイル4と抵抗12との接続点Dの電圧Vdが閾値電圧Vrefを上回るタイミングが遅れることになる。このため、オペアンプ11から出力される出力電圧Vaの立ち下がり時点が導線2a,2bの差電流の電流値Cに応じて図3(a)で破線図示のように遅れる。この結果、出力電圧Vaの矩形波電圧のデューティ比が導線2a,2bの差電流の電流値Cに応じて変化する。
したがって、発振回路5の出力電圧Vaを、デューティ比を検出する電流検出回路6に供給する。この電流検出回路6では、矩形波電圧の出力電圧Vaをローパスフィルタ21によって、高周波成分を除去して出力電圧Vaのデューティ比に応じたフィルタ出力Vfが増幅回路22に供給されて反転増幅される。
したがって、導線2aおよび2bの差電流が0である状態では、発振回路5から出力される出力電圧Vaが図5(a)で実線図示のようにデューティ比が50%となり、増幅回路22から出力される電流検出電圧Vdは、図5(b)で実線図示のように、基準電圧Vb(例えば0V)を維持している。
この状態から、導線2aおよび2bに微小な差電流が生じたときには、発振回路5の出力電圧Vaが図5(a)で点線図示のように差電流に応じてデューティ比が増加する。このため、電流検出回路6から出力される電流検出電圧Vdが増幅回路22で反転増幅されるので、基準電圧Vbより低下することになり、この電流検出電圧Vdによって微小な差電流を検知することができる。
ところで、発振回路5は、温度依存特性を有し、周囲温度が変化することで、出力電圧Vaが、図6(a)で点線図示のように、正側の電圧減少幅に比較して負側の電圧減少幅が大きくなる場合が生じる。このように、出力電圧Vaの正側および負側で電圧減少幅が異なる場合には、ローパスフィルタ21で高周波成分を除去して平均化したときに、導線2aおよび2bに差電流を生じた場合と同等の0より大きなフィルタ出力Vfが出力される。このフィルタ出力Vfを増幅回路22で反転増幅することにより、図6(b)に示すように、導線2aおよび2bに微小な差電流Cが生じた場合と同等の電流検出電圧Vdが出力されることになり、周囲温度変化による誤検知が発生してしまう。
しかしながら、本実施形態では、発振回路5のオペアンプ11の出力端子部と出力端子toとの間とグランドとの間に電圧制限回路15が接続されている。この電圧制限回路15によって、発振回路5の出力電圧Vaの正側および負側の電圧が温度変化による変動幅分を除くように制限される。したがって、図7(a)に示すように、周囲温度の変化によってオペアンプ11から出力される出力電圧Vaが振幅変動したとしても、その振幅変動分が出力電圧Vaに影響を与えない範囲で電圧制限が行われることになる。
このように、この電圧制限回路15の正負の制限電圧を小さく制限することにより、周囲温度の変化による電圧変動(振幅変動)分を除去することができるが、電圧制限回路15の制限電圧を小さくし過ぎると、導線2aおよび導線2b間の微小な差電流による出力電圧Vaのデューティ比の変化によるローパスフィルタ21のフィルタ出力の変化分が小さくなることから電流検出精度が低下することになる。
このため、電圧制限回路15の制限電圧は使用する周囲温度の範囲内の最大電圧変動幅の影響を受けないぎりぎりの電圧に設定することが好ましい。
しかしながら、電圧制限回路15を構成するツェナーダイオードで構成される第1定電圧ダイオード16および第2定電圧ダイオード17自体も温度の上昇に伴って順方向電圧が上昇する温度依存特性を有することから、周囲温度が高くなるにつれて制限電圧も高くなり、周囲温度の上昇による電圧変動が出力電圧Vaに影響することになる。この出力電圧Vaの変動が電流検出回路6で電流検出電圧Vdの変動として現れ、誤検出の要因となる。
これに対して、本実施形態では、電流検出回路6の増幅回路22に温度の上昇に対して抵抗値が減少する負の抵抗特性を有するサーミスタ22eが抵抗22aと並列に介挿されており、周囲温度の上昇に応じてサーミスタ22eの抵抗値が減少することで、抵抗22aおよびサーミスタ22eの合成抵抗Rsが減少し、オペアンプ22bの増幅率−R2/Rsが増加することになる。
したがって、増幅回路22で、電圧制限回路15を構成する第1定電圧ダイオード16および第2定電圧ダイオード17の温度依存性による増幅回路22から出力される電流検出電圧Vdの減少を補償することができ、図7(b)に示すように正確な電流検出電圧Vdを得ることができる。
しかも、磁気コアのインダクタンスが飽和電流付近で急に消失する特性が内部を貫通する導線の電流によってシフトすることを利用して、励磁手段で、励磁コイルに、矩形波電圧を印加して、磁気コアを飽和状態又はその近傍の状態とする励磁電流を供給し、励磁コイルに磁気コアのインダクタンス消失に応じた電流変化を生じさせ、この電流変化で矩形波電圧の立ち下がりを変化させる。このため、矩形波電圧のデューティを検出することにより、導線に流れる測定電流を検知することが可能となる。したがって、電流検知装置を1つの磁気コアを用いて構成することができ、磁気コアの材料特性の違いによりS/N比が低下することがなく、微小電流を高精度で検出することができる。
なお、上記実施形態においては、増幅回路22として反転増幅器を適用して発振回路5から出力される出力電圧Vaのデューティ比の増加に対して電流検出電圧Vdが減少する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、反転増幅器の出力側に同様の反転増幅器を接続することにより、発振回路5の出力電圧Vaのデューティ比の増加に応じて増加する電流検出電圧Vdを得ることができる。さらには、増幅回路22を非反転増幅器で構成することによっても、発振回路5の出力電圧Vaのデューティ比の増加に応じて増加する電流検出電圧Vdを得ることができる。
なお、上記実施形態においては、電圧制限回路15として第1定電圧ダイオード16および17のアノード同士を接続した場合について説明したが、これに限定されるものではなくカソード同士を接続するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、ローパスフィルタ21として、一次のRCローパスフィルタを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、オペアンプを使用したローパスフィルタや二次のアクティブローパスフィルタ等の他のローパスフィルタを適用することができる。
また、上記実施形態においては、2本の導線2a及び2bの差電流を検知する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、1本の導線に流れる微小電流を検出することもできる。
1…電流検知装置、2a,2b…導線、3…磁気コア、4…励磁コイル、5…発振回路、6…電流検出回路、11…オペアンプ、12〜14…抵抗、15…電圧制限回路、16,…第1定電圧ダイオード、17…第2定電圧ダイオード、21…ローパスフィルタ、22…増幅回路、22a,22c,22d…抵抗、22b…オペアンプ、22e…サーミスタ

Claims (4)

  1. 測定電流が流れる導線を囲む磁気コアに巻回した励磁コイルと、
    前記磁気コアを飽和状態又はその近傍とした状態で、前記励磁コイルに供給する励磁電流の向きを反転させる矩形波電圧を発生する発振回路と、
    該発振回路から出力される前記矩形波電圧のデューティ変化に基づいて前記測定電流を検出する電流検出回路とを備え、
    前記発振回路は、前記矩形波電圧の振幅を温度変化による当該矩形波電圧の振幅変動を抑制する振幅範囲に制限する電圧制限回路を備えていることを特徴とする電流検知装置。
  2. 前記電圧制限回路は、前記発振回路の矩形波電圧出力側及び接地間に設けた逆方向接続した一対の定電圧ダイオードで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電流検知装置。
  3. 前記電流検出回路は、前記電圧制限回路の温度変化による振幅範囲の変動を抑制する温度補償部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電流検知装置。
  4. 前記電流検出回路は、前記発振回路から出力される前記矩形波電圧の周波数成分を除去するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力側に接続された反転増幅器とで構成され、前記温度補償部は、前記反転増幅器の反転入力側及び前記ローパスフィルタの出力側との間に接続された抵抗と並列に接続された前記電圧制限回路の温度特性を補償するサーミスタで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の電流検知装置。
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