JP2016194483A - 電流検知装置 - Google Patents

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晋 栗原
Susumu Kurihara
晋 栗原
工藤 高裕
Takahiro Kudo
高裕 工藤
高橋 康弘
Yasuhiro Takahashi
康弘 高橋
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Abstract

【課題】測定電流が流れる導線に重畳された高周波ノイズの影響を受けることなく微小電流検知が可能な電流検知装置を提供する。
【解決手段】測定電流が流れる導線を囲む磁気コア3に、電気的に絶縁し磁気的に結合するように巻回した励磁コイル4と、設定した閾値に応じて、前記磁気コアを飽和状態またはその近傍の状態で、前記励磁コイルに供給する励磁電流の極性を反転させる矩形波電圧を発生する発振回路5と、該発振回路から出力される前記矩形波電圧のデューティ変化に基づいて前記測定電流を検出する電流検出部6と、前記導線に重畳された高周波ノイズ成分を打ち消すノイズ打ち消し部16とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁性材料を用いた電流検知装置に関し、特に、直流電源を用いた設備の漏電検知等に用いる微小電流検知が可能な電流検知装置に関する。
この種の電流検知装置としては、例えば特許文献1に記載されている構成が知られている。
この電流検知装置は、図10に示すように、測定電流が流れる導線100a,100bを囲む非線形高透磁率材料を用いた1つの円環状コア101に励磁コイル102を配置し、この励磁コイル102に発振回路103を接続することにより、発振回路103から出力される出力電圧のデューティ変化を電流検出回路104で検出して、導線100a,100bの測定電流を検出するようにしている。
特開2012−2723号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、導線100a,100bに高周波成分が重畳された場合、発振回路103の出力パルスのデューティ比が重畳された高周波成分に応じて変化してしまうため、高周波成分も測定電流として検出してしまうという課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の課題に着目してなされたものであり、測定電流が流れる導線に重畳された高周波ノイズの影響を受けることなく微小電流検知が可能な電流検知装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一の形態に係る電流検知装置は、測定電流が流れる導線を囲む磁気コアに、電気的に絶縁し磁気的に結合するように巻回した励磁コイルと、設定した閾値に応じて、磁気コアを飽和状態またはその近傍の状態で、励磁コイルに供給する励磁電流の極性を反転させる矩形波電圧を発生する発振回路と、この発振回路から出力される矩形波電圧のデューティ変化に基づいて測定電流を検出する電流検出部と、導線に重畳された高周波ノイズ成分を打ち消すノイズ打ち消し部とを備えている。
本発明によれば、導線に重畳された高周波ノイズ成分をノイズ打ち消し部で打ち消すことにより、導線の測定電流を高周波ノイズ成分の影響を受けることなく検出することができ、微小電流を高精度で検出することができる。
本発明の一態様を表す第1の実施形態に係る電流検知装置を示す概略構成図である。 第1の実施形態に適用し得る発振回路の一例を示す回路図である。 図1の電流検知装置の具体的構成を示すブロック図である。 図3の比較回路の具体的構成を示すブロック図である。 発振回路の出力電圧波形と励磁コイルの電流波形とを示す模式図である。 磁気コアの磁界の強さと磁束密度の関係を示す特性線図および磁気コアのインダクタンス特性を示す特性線図である。 ノイズ打ち消し部の高周波ノイズ成分除去動作を説明するための励磁コイルの電流波形図である。 第1の実施形態における第1電流検出回路および第2電流検出回路の出力電圧波形を示す模式図であり、(a)は第1電流検出回路の出力波形図、(b)は第2電流検出回路の出力波形図である。 図3の実施形態の変形例を示す図3と同様のブロック図である。 従来の電流検知装置を示す概略構成図である。
次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明の一態様である電流検知装置1は、図1に示すように、例えば漏電検知等の対象物に設けられた例えば10A〜800Aの往復の電流Iが流れる導線2a,2bの微小な差異電流を検知する。ここで、健全状態では導線2a,2bに流れる電流の和はゼロであるが、漏電や地絡などで導線2a,2bに流れる電流の和が零にならず、検出対象とする例えば15mA〜500mA程度の微小な差異電流が流れる。これら導線2a,2bの回りには導線2a,2bを一次巻線とするようにリング状の磁気コア3が配設されている。つまり、磁気コア3内に導線2a,2bが一次巻線として挿通されている。
磁気コア3には、二次巻線としての励磁コイル4が所定巻数で巻回されている。この励磁コイル4には発振回路5が接続され、この発振回路5から励磁電流Ibが励磁コイル4に供給される。
さらに、磁気コア3には、励磁コイル4に重畳される高周波ノイズ成分を打ち消す補正コイル11が所定巻数で巻回されている。この補正コイル11には電流増幅回路12が接続されている。
一方、導線2a及び2bには、磁気コア3に近接対向して磁気コア3と同様の構成を有する第2磁気コア13が導線2a及び2bを囲むように配置され、この第2磁気コア13に帰還コイル14が所定の巻数で巻回され、この帰還コイル14の両端に高域通過フィルタ回路15が接続されている。そして、高域通過フィルタ回路15の出力が前述した電流増幅回路12に正負逆相となるように供給される。
ここで、高域通過フィルタ回路15のカットオフ周波数は、導線2a及び2bに重畳される高周波ノイズ成分を通過させ、この高周波ノイズ成分より周波数の低い成分については遮断する周波数に設定されている。
また、電流増幅回路の増幅度は、高域通過フィルタ回路15のフィルタ出力である導線2a及び2bに重畳される高周波ノイズ成分が補正コイル11によって磁気コア3に伝達され、励磁コイル4で検出されたときの振幅が励磁コイル4で検出する電流に重畳する高周波ノイズの振幅と同じになるように調整されている。
そして、補正コイル11、電流増幅回路12、第2磁気コア13、帰還コイル14及び高域通過フィルタ回路15で高周波ノイズ成分を相殺するノイズ打ち消し部16が構成されている。
また、発振回路5の出力側には、発振回路5から出力される出力電圧のデューティ比を検出して小電流領域の測定電流を検出する第1電流検知部としての第1電流検出回路6と、発振回路5から出力される出力電圧の周波数を検出して小電流領域より大きな大電流領域の測定電流を検出する第2電流検出部としての第2電流検出回路7が接続されている。そして、2つの電流検出回路6および7の出力側には出力判定部としての出力判定回路8が接続されている。
発振回路5は、図2に示すように、励磁コイル4の両端が接続されるコイル接続端子tc1およびtc2と、矩形波電圧Vaを出力する出力端子to1およびto2とを有する。発振回路5は、出力側がコイル接続端子tc1および出力端子to1に接続されコンパレータとして動作し、矩形波電圧Vaを出力するオペアンプ51を備えている。このオペアンプ51の出力側がコイル接続端子tc1および出力端子to1に接続されている。また、オペアンプ51の反転入力側は帯域通過フィルタ52を介してコイル接続端子tc2に接続されている。また、コイル接続端子tc2および帯域通過フィルタ52間の接続点とグランドとの間に電流検出用抵抗53が接続されている。
さらに、オペアンプ51の出力側とグランドとの間に分圧抵抗54および55が直列に接続されている。これら分圧抵抗54および55間の接続点は、オペアンプ51の非反転入力側に接続され、オペアンプ51の非反転入力側に閾値電圧Vthを供給する。
この閾値電圧Vthは、分圧抵抗54の抵抗値をR1、分圧抵抗55の抵抗値をR2とし、オペアンプ51の出力電圧をVaとすると下記(1)式で表される。
Vth=Va{R2/(R1+R2)} …………(1)
また、帯域通過フィルタ52は、図2に示すように、オペアンプ51の反転入力端子とコイル接続端子tc2および電流検出用抵抗53間の接続点との間に直列に接続されたインダクタンス素子52aおよび容量素子52bと、インダクタンス素子52aおよび容量素子52bの接続点と分圧抵抗54および55間の接続点との間に接続された抵抗素子52cとから一次の帯域通過フィルタとして構成することができる。
この帯域通過フィルタ52で通過させる測定電圧Vdの中心周波数fは、下記(1)式で設定することができる。
f=1/2π√LC …………(1)
この帯域通過フィルタ52では、励磁コイル4を流れる電流を電圧に変換した測定電圧Vdに含まれる測定電流の測定に影響を与えるノイズ成分となる高域成分と励磁電流Ibのレベル変動を生じさせる直流成分を除去することができる。
この発振回路5では、分圧抵抗54および55の接続点Eの閾値電圧Vthがオペアンプ51の非反転入力側に供給されており、この閾値電圧Vthと、励磁コイル4および電流検出用抵抗53との接続点Dの電圧を帯域通過フィルタ52で低域成分および高域成分を除去した電圧Fとが比較される。そして、発振回路5から図5(a)に示す矩形波となる矩形波電圧Vaとして出力される。
また、コイル接続端子tc1およびtc2間に励磁コイル4が接続され、出力端子to1およびto2に第1電流検出回路6および第2電流検出回路7が接続されている。
第1電流検出回路6は、図3に示すように、発振回路5から出力される矩形波電圧Vaを平均化する低域通過フィルタ61と、この低域通過フィルタ61のフィルタ出力を絶対値化する絶対値回路62とから構成することができ、発振回路5の矩形波電圧Vaのデューティ変化に応じた小電流領域の測定電流値に対応する電圧出力を得ることができる。
第2電流検出回路7は、図3に示すように、発振回路5から出力される矩形波電圧Vaを周波数−電圧変換して電圧信号を出力する高域通過フィルタ71と絶対値回路72とから構成することができ、発振回路5の矩形波電圧Vaの周波数増加を検出して小電流領域より大きい大電流領域の測定電流を検出することができる。
さらに、出力判定回路8は、第1電流検出回路6および第2電流検出回路7の出力が個別に供給される第1比較回路81および第2比較回路82と、これら2つの比較回路81および82の出力が入力される論理和回路83とから構成することができる。
第1比較回路81の一態様は、図4に示すように、例えばオペアンプで構成される比較器90を備えている。この比較器90の非反転入力側には絶対値回路62が接続され、反転入力側には直流電源91と接地との間に接続された可変抵抗器92の可動子が接続されている。したがって、比較器90では、絶対値回路62から入力される電流検出電圧Vi1が可変抵抗器92の可動子から出力される閾値電圧Vth2未満であるときにローレベルを維持し、電流検出電圧Viが閾値電圧Vth2以上となったときにハイレベルとなる比較信号Sc1を出力する。
また、第2比較回路82についても、図4に示す構成を適用することができ、比較器90で絶対値回路72から出力される電流検出電圧Vi2と可変抵抗器92または閾値電圧設定回路で設定される第2設定信号としての閾値電圧Vth3とを比較する。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、図5(a)に示すように、時点t1で、オペアンプ51の出力側の矩形波電圧Vaがハイレベルとなると、これが励磁コイル4に印加される。このため、励磁コイル4を矩形波電圧Vaと抵抗53の抵抗値とに応じた励磁電流Ibで励磁する。このとき、励磁電流Ibは、図5(b)に示すように、矩形波電圧Vaの立ち上がり時点から比較的急峻に立ち上がり、その後緩やかに増加する放物線状となる。
このとき、オペアンプ51の非反転入力側に矩形波電圧Vaを分圧抵抗54および55の接続点Eで得られる分圧抵抗54および55の抵抗値R1およびR2で分圧された比較的小さな閾値電圧Vthが入力されている。
一方、オペアンプ51の反転入力側の励磁コイル4および抵抗53の接続点Dの測定電圧Vdは、励磁コイル4の励磁電流Ibの増加に応じて増加する。そして、測定電圧Vdに対して、インダクタンス素子52a、容量素子52bおよび抵抗素子52cからなる帯域通過フィルタ52で高周波成分及び低周波成分を除去したF点のフィルタ出力電圧Vfが時点t2で非反転入力側の閾値電圧Vth、すなわち図5(b)の+Ith1を上回ると、オペアンプ51から出力される矩形波電圧Vaが図5(a)に示すように、ローレベルに反転する。これに応じて励磁コイル4を流れる励磁電流Ibの極性が反転し、励磁電流Ibは、最初は急峻に低下し、その後、緩やかに低下する放物線状に減少する。
このとき、閾値電圧Vthは、矩形波電圧Vaがローレベルとなっていることにより、閾値電圧Vth1も低い電圧となっている。そして、オペアンプ51の反転入力側の励磁コイル4および抵抗53の接続点Dの測定電圧Vdが、励磁コイル4の励磁電流Ibの減少に応じて減少し、電圧Fが時点t3で非反転入力側の閾値電圧Vth、すなわち図5(b)の−Vth1を下回ると、オペアンプ51の矩形波電圧Vaが図5(a)に示すように、時点t1と同様にハイレベルに反転する。
このため、矩形波電圧Vaは、図5(a)に示すように、ハイレベルおよびローレベルを繰り返す矩形波電圧となり、発振回路5が非安定マルチバイブレータとして動作する。そして、励磁コイル4の励磁電流Ibは、図5(b)に示すように増加および減少を繰り返す波形となる。
ところで、磁気コア3は、図6(a)に示すように角型比の大きな磁束密度Bと磁界の強さHとの関係を表すB−H特性を有し、高透磁率材料の非線型な特性を有する。このB−H特性を有する磁気コア3のインダクタンスは、導線2a,2bの差電流が零であるときに、図6(b)に示すように飽和電流付近Gで急激に消失する。磁気コア3を貫通する導線2a,2bに任意の検出対象となる微小な差電流Cが生じると、図6(b)のインダクタンス特性は、破線図示のように差電流Cに応じてインダクタンスが消失するタイミングが変化する。
このため、電流が零のときにインダクタンスが飽和する電流(図6(b)のG)と励磁電流Ibの極性が切り換わる電流(図5(b)のP)とを一致させる。そうすると、インダクタンスが飽和する電流(図6(b)のJ)が導線2a,2bの差電流の電流値Cに応じて変化するので、励磁電流Ibの極性が切り換わる電流(図5(b)のH)も同様に変化することになる。
この励磁電流Ibの極性が切り換わる電流値が変化することにより、フィルタ出力電圧Vfが閾値電圧Vthを上回るタイミングが遅れることになり、オペアンプ51から出力される矩形波電圧Vaの立ち下がり時点が導線2a,2bの差電流の電流値Cに応じて図5(a)で破線図示のように遅れる。この結果、矩形波電圧Vaのデューティ比が導線2a,2bの差電流の電流値Cに応じて変化する。
ところで、導線2a及び2bに流れる測定電流Iには、高周波ノイズが重畳されており、励磁コイル4の励磁電流Ibには、図7(a)に示すように、高周波ノイズ成分による正負のパルス電流Ipがランダムに重畳される場合がある。
このように、励磁コイル4の励磁電流Ibに高周波ノイズ成分によるパルス電流Ipが重畳されると、励磁電流Ibの極性が切り換わる電流値がパルス電流Ipの影響を受けることになり、測定電流に応じた正確な矩形波電圧を得ることができなくなる。
このため、本実施形態では、導線2a及び2bに流れる測定電流に重畳する高周波ノイズ成分を相殺するノイズ打ち消し部16が設けられている。このノイズ打ち消し部16では、図1に示すように、磁気コア3に磁気特性が影響を与えない程度に近接して配置した第2磁気コア13に帰還コイル14を巻装することにより、この帰還コイル14で、磁気コア3を流れる測定電流とこの測定電流に重畳されている高周波ノイズ成分とによる第2磁気コア13の磁束の変化を電流変化として検出される。
そして、帰還コイル14で検出された電流が高域通過フィルタ回路15に供給されるので、この高域通過フィルタ回路15で帰還コイル14の検出電流のうち高周波ノイズ成分のみが通過され、この高域通過フィルタ回路15のフィルタ出力が電流増幅回路12で正負逆相に増幅されて補正コイル11に入力される。
このため、補正コイル11の出力電流は、図7(b)に示すように、高周波ノイズ成分によるパルス電流が正負逆相となった電流パルス波形が出力されることになる。このため、補正コイル11によって磁気コア3に導線2a及び2bの高周波ノイズ成分による磁束に対して逆相となる打ち消し磁束が形成され、この打ち消し磁束によって高周波ノイズ成分による磁束が相殺される。したがって、磁気コア3に巻装された励磁コイル4の励磁電流は、図7(c)に示すように、高周波ノイズ成分によるパルス電流が除去された励磁電流Ibとなり、高周波ノイズ成分の影響を除去することが可能となる。
したがって、発振回路5の出力端子to1およびto2にデューティ比を検出する第1電流検出部としての第1電流検出回路6を接続し、この第1電流検出回路6で、矩形波電圧Vaのハイレベル状態を維持している時間とローレベル状態を維持している時間とを計測することにより、デューティ比を検出することができ、数アンペア以下の微小電流を含む小電流領域を検出することができる。なお、小電流領域とは、図8(a)において、第1電流検出回路6の出力が線形に推移する電流領域を示す。
本実施形態では、第1電流検出回路6は、図3に示すように、矩形波電圧Vaの平均化を行う低域通過フィルタ61と絶対値回路62とから構成することができる。
次に、数アンペア以上の大電流領域の検出について、図1と図8とを用いて説明する。ここで、大電流領域とは図8(a)において、第1電流検出回路6の出力が飽和し始める電流よりも大きい電流領域を示す。
図1において、本実施形態では、発振回路5に第2電流検出部としての第2電流検出回路7を接続し、図2に示す発振回路5の出力端子to1およびto2から出力される矩形波電圧Vaを、第2電流検出回路7にも供給するようにしている。
第2電流検出回路7は、図3に示すように、高域通過フィルタ71と絶対値回路72とから構成することができ、発振回路5から出力される矩形波電圧Vaの周波数増加を検出するものである。
ここで、第1電流検出回路6と、第2電流検出回路7の出力電圧を図8に基づいて説明する。図8は、本実施形態の各検出回路の出力電圧波形を示す模式図であり、(a)は第1電流検出回路6の出力波形図、(b)は第2電流検出回路7の出力波形図である。
図において、第1電流検出回路6の出力電圧は、図8(a)に示すように、最初線形に推移するが、電流の増加とともに一旦飽和し、その後減少を続け、最終的にゼロとなる。これは測定電流の大きさに比較して図5(b)の励磁電流Ibも大きくなることで、磁気コア3が十分飽和する前に閾値電圧(+Ith1、−Ith1)に達してしまうためである。
これにより、発振回路5の矩形波電圧Vaの周波数も急激に増加し、最終的には発振は停止する。
また、第2電流検出回路7の出力電圧は、図8(b)に示すように、第1電流検出回路6の出力が飽和し始めると同時に急激に増加し始め、ある電流以上でほぼ一定の周波数を維持する。
そこで、第1電流検出回路6および第2電流検出回路7の出力をもとに、下記表1に示すように電流検出を行うことで、微小電流から大電流までの広い電流範囲の電流検知が可能になる。表1は測定電流と2つの電流検出回路6および7との関係を示したものである。
Figure 2016194483
この表1において、測定電流が図8(a)に示すように、ある電流値+I1、−I1を越えないXの領域にあるときには、第1電流検出回路6の出力電圧の大きさを検知する。
また、測定電流が図8(b)に示すように、ある電流値+I1、−I1より大きい領域Yでは、第2電流検出回路7の出力電圧がある値、すなわち、ある電流値+I1、−I1に対応した電圧V1よりも大きいことを検知することで、+I1、−I1より大きい電流値を検知できる。
このように、図8のXおよびYの領域に応じて、第1電流検出回路6および第2電流検出回路7の出力電圧を検知することで、小電流から大電流までの広い電流領域の電流を検知することができる。
すなわち、測定電流がXの領域であるときは、第1電流検出回路6で発振回路5の矩形波電圧Vaのデューティ比を検出することで、+I1〜−I1の微小電流を含む小電流領域の測定電流を検出する。また、測定電流がYの領域であるときは、第2電流検出回路7で周波数−電圧変換を行い、発振回路5の矩形波電圧Vaの周波数増加を検出して+I1、−I1より大きい電流値となる大電流領域の測定電流を検出する。
ここで、出力判定回路8を、図3に示すように、第1電流検出回路6の絶対値回路62および第2電流検出回路7の絶対値回路72から出力される出力電圧Vi1およびVi2を個別に第1比較回路81および第2比較回路82に供給して、第1電流検出回路6についても出力電圧Vi1が所望の閾値電圧Vth2以上であるときに小電流領域の測定電流が生じていることを簡易に検出することができる。
このように、上記実施形態によると、磁気コア3に補正コイル11を巻装するとともに、磁気コア3と近接させて第2磁気コア13を導線2a及び2bを囲むように配置し、この第2磁気コア13に帰還コイル14を巻装して、この帰還コイル14で検出した電流を高域通過フィルタ回路15に供給して、高周波ノイズ成分による正負のパルス状電流のみを通過させ、このフィルタ出力を電流増幅回路12で電流増幅して補正コイル11に供給するノイズ打ち消し部16を設けることにより、磁気コア3内で導線2a及び2bに流れる測定電流に重畳する高周波ノイズ成分を相殺することができる。
したがって、磁気コア3に巻装された励磁コイル4の励磁電流Ibは、高周波ノイズ成分による正負のパルス状電流が重畳されない電流波形となり、発振回路5で測定電流の差電流に応じたデューティ比の矩形波電圧Vaを形成することができる。このため、第1電流検出回路6及び第2電流検出回路7で小電流領域及び大電流領域の測定電流を正確に検出することができる。
なお、ノイズ打ち消し部16で高周波ノイズ成分を完全に打ち消し切れない場合には、発振回路5内に配置した帯域通過フィルタ52によって励磁コイル4を通過した励磁電流Ibに応じた接続点Dの測定電圧Vdから高周波成分および低周波成分を除去したフィルタ出力電圧Vfをオペアンプ51の反転入力側に供給するので、このオペアンプ51でノイズ成分および直流成分を確実に除去したフィルタ出力電圧Vfと閾値電圧Vthとの比較が行われる。このため、オペアンプ51から出力される矩形波電圧Vaへのノイズの影響をより確実に除去することができる。したがって、矩形波電圧Vaに基づく測定電流の検知をより正確に行うことができる。
さらに、発振回路5から出力される矩形波電圧Vaを第1電流検出回路6および第2電流検出回路7に供給し、第1電流検出回路6で矩形波電圧Vaのデューティ比に基づいて微小電流を含む小電流領域の測定電流を検出し、第2電流検出回路で矩形波電圧Vaの周波数の増加に基づいて小電流領域より高い高電流領域の測定電流を検出するので、広範囲の測定電流を検知することができる。
ここで、第1電流検出回路6は低域通過フィルタ61によって構成することが可能であり、第2電流検出回路7は高域通過フィルタ71によって構成することが可能であるので、ともに簡易な構成で測定電流を検出することができる。
また、第1電流検出回路6および第2電流検出回路7の出力信号を、第1比較回路81および第2比較回路82を有する出力判定回路8に供給するようにしたので、簡易な構成で広範囲の測定電流の検知を行うことができる。
なお、上記実施形態においては、出力判定回路8に論理和回路83を設けたので、第1比較回路81の比較出力がローレベルとなる大電流領域で第2比較回路82から出力される比較出力がハイレベルとなるように閾値電圧Vth3を設定することにより、第1比較回路81で設定した微小電流を含む小電流領域内の閾値電圧Vth2以上の測定電流を検知することができる。
しかしながら、第1電流検出回路6の第2低域通過フィルタ61から出力されるフィルタ出力Vi1が、図8(a)に示すように正弦波状となるので、出力判定回路8の第1比較回路81に供給する閾値電圧Vth2を図8(a)に示すように0より大きい微小電流値に対応する電圧に設定したときに、この第1比較回路81から出力される比較出力はX領域を超えた場合でもハイレベルを維持することになる。このため、論理和回路83の論理和出力だけでは、測定電流が小電流領域Xであるか大電流領域Yであるかを判別することはできない。
一方、第2比較回路82に供給する閾値電圧Vth3を、図8(b)に示すように、Y領域の電流検知が可能な閾値電圧に設定すると、この第2比較回路82からY領域の電流を検知することが可能となる。
すなわち、測定電流が小電流領域であるか高電流領域であるかを判別する場合には、第2比較回路82の比較出力がローレベルで、第1比較回路81の比較出力のみがハイレベルであるときに小電流領域であり、第1比較回路81の比較出力にかかわらず、第2比較回路82の比較出力がハイレベルとなったときに、高電流領域であると判断することができる。
この結果、出力判定回路8を、図9に示すように、論理和回路83を省略して、第1比較回路81の比較出力を論理積回路86の一方の入力側に供給し、第2比較回路82の比較出力をインバータ85でレベル反転して論理積回路86の他方の入力側に供給することにより、論理積回路86から小電流領域Xの測定電流が検知されたことを表す小電流領域検知出力SSを得ることができ、第2比較回路82の出力をそのまま出力することにより、大電流領域検知出力SLを得ることができる。
また、上記実施形態では、電流増幅回路12で高域通過フィルタ回路15のフィルタ出力を正負逆相として増幅する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、補正コイル11または帰還コイル14の巻回方向を逆にするようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、発振回路5内に帯域通過フィルタ52を配置する場合について説明したが、帯域通過フィルタ52に代えて残存する高周波ノイズ成分を除去する低域通過フィルタを適用することもでき、さらには、ノイズ打ち消し部16で高周波ノイズ成分を正確に打ち消すことができる場合には、帯域通過フィルタ52や低域通過フィルタを省略することができる。
また、上記実施形態においては、出力判定回路8を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第1電流検出回路6および第2電流検出回路7の少なくとも一方の出力信号をAD変換してディジタル値に変換し、このディジタル値をマイクロコンピュータ等の演算処理装置に供給して測定電流値を算出するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、2本の導線2aおよび2bの差電流を検知する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、1本の導線に流れる微小電流を検出することもできる。
1…電流検知装置、2a,2b…導線、3…磁気コア、4…励磁コイル、5…発振回路、6…第1電流検出回路、7…第2電流検出回路、8…出力判定回路、11…補正コイル、12…電流増幅回路、13…第2磁気コア、14…帰還コイル、15…高域通過フィルタ回路、16…ノイズ打ち消し部、51…オペアンプ、52…帯域通過フィルタ、53…電流検出用抵抗、54,55…分圧抵抗、61…低域通過フィルタ、62…絶対値回路、71…高域通過フィルタ、72…絶対値回路、81…第1比較回路、82…第2比較回路、83…論理和回路、90…比較器,92…可変抵抗

Claims (4)

  1. 測定電流が流れる導線を囲む磁気コアに、電気的に絶縁し磁気的に結合するように巻回した励磁コイルと、
    設定した閾値に応じて、前記磁気コアを飽和状態またはその近傍の状態で、前記励磁コイルに供給する励磁電流の極性を反転させる矩形波電圧を発生する発振回路と、
    該発振回路から出力される前記矩形波電圧のデューティ変化に基づいて前記測定電流を検出する電流検出部と、
    前記導線に印加された高周波ノイズ成分を打ち消すノイズ打ち消し部と
    を備えたことを特徴とする電流検知装置。
  2. 前記ノイズ打ち消し部は、前記磁気コアに巻装された補正コイルを有し、該補正コイルに前記導線に印加された高周波ノイズ成分を相殺する逆相成分で前記磁気コアを励磁する励磁電流を供給することを特徴とする請求項1に記載の電流検知装置。
  3. 前記ノイズ打ち消し部は、前記磁気コアに巻装された補正コイルと、前記磁気コアと同一形状で並列に配置された第2磁気コアと、該第2磁気コアに巻装された帰還コイルと、該帰還コイルに接続された打ち消したい高周波ノイズ成分を通過させる高域通過フィルタと、該高域通過フィルタを通過した高周波ノイズ成分を増幅して前記補正コイルに供給する電流増幅回路とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電流検知装置。
  4. 前記発振回路から出力される前記矩形波電圧の周波数に基づいて前記電流検出部より高い測定電流領域の前記測定電流を検出する第2電流検出部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電流検知装置。
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