JP2012127718A - 電流検知装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定電流が流れる導線を囲む磁気コア3に巻回した励磁コイル4と、設定した閾値に応じて、前記磁気コアを飽和状態又はその近傍の状態で、前記励磁コイルに供給する磁化電流の向きを反転させる矩形波電圧を発生する発振手段5と、該発振手段5から出力される前記矩形波電圧のデューティ変化に基づいて前記測定電流を検知する電流検知手段6と、前記発振手段から出力される矩形波電圧の周波数を検知する周波数検知手段7と、該周波数検知手段で検知した周波数に基づいて前記発振手段の閾値を設定する閾値設定手段とを備えた。
【選択図】図1
Description
この特許文献1に記載された従来例では、図8(a)に示す構成を有する。すなわち、軟質磁性体製の同形,等大に構成された円環状をなすコア101及び102と、各コア101及び102に等しい回数巻回された励磁コイル103と、各コア101及び102にわたるよう一括して巻回された検出コイル104とを備えている。
励磁コイル103はこれに通電したとき両コア101及び102に生じる磁場が逆相であって互いに打ち消し合うようコア101及び102に巻回されている。
今、被測定導線105に矢印で示す如く下向きに直流電流値Iが通電しているものとすると、この直流分に相当する磁束密度が重畳される結果、磁束密度Bは図8(b)に破線で示す如く、台形波のうち、上方の台形波はその幅が拡大され、一方下方の台形波はその幅が縮小された状態となる。
この検出コイル104で捉えられた検出信号は被測定導線105を流れる直流の電流値Iに対応しており、これを処理することで電流値Iを検出することができる。
さらに、コア101,102を飽和領域まで励磁する必要があるので、大きな励磁電流が必要となり、センサの消費電流が大きいという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、微小電流の検知が可能で、周囲環境条件により影響を受けることが少なく、小型、低コスト、定消費電流で、微小電流の検知を行うことができる電流検知装置を提供することを目的としている。
この構成によると、待機時や測定電流が小さい場合は閾値電流低く設定することが可能となり、励磁電流の低減が可能となる。
さらに、磁気センサ等を使用しないので、堅牢で、周囲環境条件により影響を受けることが少ない電流検知装置を提供できる。
しかも、発振手段の閾値を矩形波電圧の周波数に応じて変更するので、励磁電流を抑制して、消費電流を低減することができる。
図1は本発明に係る電流検知装置の一実施形態を示す構成図である。図中、1は電流検知装置であって、例えば漏電検知等の対象物に設けられた例えば10A〜800Aの往復の電流Iが流れる導線2a,2bの微小な差異電流を検知する。ここで、健全状態では導線2a,2bに流れる電流の和はゼロであるが、漏電や地絡などで導線2a,2bに流れる電流の和が零にならず、検出対象とする例えば15mA〜500mA程度の微小な差異電流が流れる。これら導線2a,2bの回りにリング状の磁気コア3が配設されている。つまり、磁気コア3内に導線2a,2bが挿通されている。
発振回路5は、図2に示すように、コンパレータとして動作するオペアンプ11を備えている。このオペアンプ11の出力側と反転入力側との間に励磁コイル4が接続されている。また、オペアンプ11の反転入力側は抵抗12を介してグランドに接続され、オペアンプ11の非反転入力側は、オペアンプ11の出力側及びグランド間に直列に接続された分圧抵抗13、14及び15における分圧抵抗13及び14間に接続されている。
このため、発振回路5では、分圧抵抗13及び14の接続点Eの閾値電圧Vthがオペアンプ11の非反転入力側に供給されている。このとき、アナログスイッチ回路16がオフ状態であるときには、閾値電圧Vth1は抵抗13の抵抗値をR1、抵抗14の抵抗値をR2及び15の抵抗値をR3としたときに下記(1)式で表される。
Vth1={R1/(R1+R2+R3)}Va …………(1)
Vth2={R1/(R1+R3)}Va …………(2)
したがって、アナログスイッチ回路16がオフ状態であるときの閾値Vth1に比較してアナログスイッチ回路16がオン状態であるときの閾値Vth2が大きな値となる。
今、図3(a)に示すように、時点t1で、オペアンプ11の出力側の出力電圧Vaがハイレベルとなると、これが励磁コイル4に印加される。このため、励磁コイル4を出力電圧Vaと抵抗12の抵抗値R12とに応じた励磁電流Ibで励磁する。このとき、励磁電流Iexは、図3(b)に示すように、出力電圧Vaの立ち上がり時点から比較的急峻に立ち上がり、その後緩やかに増加する放物線状となる。
このとき、閾値電圧Vthは、出力電圧Vaがローレベルとなっていることにより、閾値電圧Vth1も低い電圧−Vth1となっている。そして、オペアンプ11の反転入力側の励磁コイル4及び抵抗12の接続点Dの電圧Vdが、励磁コイル4の励磁電流Ibの減少に応じて減少し、この電圧Vdが時点t3で非反転入力側の閾値電圧−Vth1を下回ると、オペアンプ11の出力電圧Vaが図3(a)に示すように、時点t1と同様にハイレベルに反転する。
ところで、磁気コア3は、図4(a)に示すように角型比の大きな磁束密度Bと磁界の強さHとの関係を表すB−H特性を有し、高透磁率材料の非線型な特性を有する。このB−H特性を有する磁気コア3のインダクタンスは、導線2a,2bの差電流が零であるときに、図4(b)に示すように飽和電流付近Gで急激に消失する。磁気コア3を貫通する導線2a,2bに任意の検出対象となる微小な差電流Cが生じると、図3(b)のB−H特性は、破線図示のように差電流Cに応じて磁界の強さHの正方向にシフトしてインダクタンスが消失するタイミングが変化する。
一方、発振回路5の接続点Eにおける閾値電圧Vthが前述した分圧抵抗13、14及び15の抵抗値R1、R2及びR3で決定される閾値電圧Vth1で固定されているものとすると、閾値電流±Ith1を超える電流値C2が励磁コイル4に通電された場合の励磁電流波形と閾値電流との関係を模式的に表すと図6に示すようになる。
以上のように、発振回路5の発振周波数を検出することにより、測定する電流値に応じて閾値電流を切り換えることができ、待機時や測定電流が小さい場合の閾値電流を低く設定できるので、励磁電流の低減が可能となる。
測定電流と閾値電流との関係を纏めると下記1表に示すようになる。
また、上記実施形態においては、2本の導線2a及び2bの差電流を検知する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、1本の導線に流れる微小電流を検出することもできる。
Claims (2)
- 測定電流が流れる導線を囲む磁気コアに巻回した励磁コイルと、
設定した閾値に応じて、前記磁気コアを飽和状態又はその近傍の状態で、前記励磁コイルに供給する磁化電流の向きを反転させる矩形波電圧を発生する発振手段と、
該発振手段から出力される前記矩形波電圧のデューティ変化に基づいて前記測定電流を検知する電流検知手段と、
前記発振手段から出力される矩形波電圧の周波数を検知する周波数検知手段と、
該周波数検知手段で検知した周波数に基づいて前記発振手段の閾値を設定する閾値設定手段と
を備えたことを特徴とする電流検知装置。 - 前記閾値設定手段は、前記周波数検知手段で検知した前記矩形波電圧の周波数が所定の設定値より小さい場合に、前記閾値を前記励磁電流の波高値が小さくなるように設定し、検知した前記矩形波電圧の周波数が前記所定の設定値より高い場合に、前記閾値を前記励磁電流の波高値が大きくなるとともに、前記矩形波電圧の周波数が前記所定の設定値よりも低くなるように設定すること特徴とする請求項1に記載の電流検知装置。
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