JP2014206521A - 電流検知装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定電流が流れる導線を囲む磁気コア3に巻回した励磁コイル4と、測定した閾値に応じて、励磁コイルを飽和状態又はその近傍の状態で、励磁コイル4に供給する励磁電流の極性を反転させる出力電圧を発生するとともに、低域通過フィルタを備えた発振手段5と、発振手段5から出力される出力電圧のデューティ変化に基づいて測定電流を検知する電流検知手段6と、発振手段5から出力される出力電圧の周波数を検知する周波数検知手段7とを備え、電流検知手段6と周波数検知手段7のそれぞれの出力をもとに、測定電流を検知する。
【選択図】図1
Description
この特許文献1に記載された従来例では、図9(a)に示す構成を有する。すなわち、軟質磁性体製の同形、等大に構成された円環状をなすコア101及び102と、各コア101及び102に等しい回数巻回された励磁コイル103と、各コア101及び102にわたるように一括して巻回された検出コイル104とを備えている。
そして、励磁コイル103に励磁電流iexを通電したとき、各コア101及び102に生じる磁束密度Bの経時変化は、図9(b)に示すようになる。軟質磁性体製のコア101及び102の磁気特性は磁場の大きさHが所定の範囲内では磁場の大きさHと磁束密度Bとは直線的な関係にある。しかしながら、磁場の大きさHが所定値を超えると、磁束密度Bが変化しない磁気飽和の状態となる関係にあることから、励磁コイル103に励磁電流iexを通電すると、各コア101及び102に発生する磁束密度Bは実線図示のように上下対称の台形波状に変化し、しかも相互に180°位相がずれた状態となる。
また、フラックスゲート型の他の電流センサとして、特許文献2に示された構成が知られている。図10は、特許文献2に示された電流センサの動作を説明するためのブロック図である。
さらに、コア101,102を飽和領域まで励磁する必要があるので、大きな励磁電流が必要となり、センサの消費電流が大きいという課題がある。
また、前記電流検知手段は、前記出力電圧のデューティ変化を検知する低域通過フィルタで構成することができる。
また、前記電流検知手段と前記周波数検知手段のそれぞれの出力に接続された比較回路と、各比較回路からの出力を入力する論理和回路からなる出力判別回路を備えるようにしてもよい。さらに前記比較回路は、記憶素子の設定値に基づいて出力された電圧に応じて比較回路の基準電圧を設定することができる。
更に、磁気センサや集磁コア等を使用する必要がないので、堅牢で、周囲環境条件により影響を受けることが少ない高信頼性な電流検知装置が提供できる。
図1は、本発明の第一の実施形態を示す電流検知装置の構成図、図2は、本発明の電流検知装置の一例を示す回路構成図、図3は、図1の発振回路を示す回路図、図4は、発振回路の出力電圧波形と励磁コイルの励磁電流波形を示す模式図、図5は磁気コアの磁界の強さと磁束密度の関係を示す特性線図及び磁気コアのインダクタンス特性を示す特性線図、図6は本発明の各検出回路の出力電圧波形を示す模式図である。
また、発振回路5には、デューティ比を検出する電流検知手段としての電流検出回路6と、周波数検知手段としての周波数検出回路7が接続されている。そして、2つの検出回路には出力判別回路9が接続されている。
このため、発振回路5では、分圧抵抗13及び14の接続点Eの閾値電圧Vthがオペアンプ11の非反転入力側に供給されており、この閾値電圧Vthと、励磁コイル4及び抵抗15との接続点Dの電圧を抵抗12及びコンデンサ16からなる低域通過フィルタで高域成分を除去した電圧Fとが比較される。そして発振回路5の出力電圧Aが図4(a)に示す矩形波として出力側から出力される。
次に、数アンペア以上の大電流検知について、図1と図6を用いて説明する。ここで、大電流とは図6(a)において、電流検出回路6の出力が飽和し始める電流よりも大きい電流を示す。
ここで、電流検出回路6と、周波数検出回路7の出力電圧を図6に基づいて説明する。図6は、本発明の各検出回路の出力電圧波形を示す模式図であり、(a)は電流検出回路の出力波形図、(b)は周波数検出回路の出力波形図である。
また、周波数検出回路7の出力電圧は、図6(b)に示すように、電流検出回路6の出力が飽和し始めると同時に急激に増加し始め、ある電流以上でほぼ一定の周波数を維持する。
表1において、測定電流が図6(a)に示すように、ある電流値I1、−I1を超えないXの領域にあるときは、電流検出回路6で出力電圧の大きさを検知する。
すなわち、測定電流がXの領域であるときは、電流検出回路6で発振回路5の出力パルスのデューティ変化を検出することで、微小電流を検出する。また、測定電流がYの領域であるときは、周波数検出回路7で発振周波数を検出し、発振回路5の出力パルスの周波数増加を検知することで、I1、−I1より大きい電流値を検出する。
図2において、電流検出回路6は、発振回路5の出力パルスのデューティ変化を検出する必要があるが、本実施形態では、低域通過フィルタ61と絶対値回路62から構成することができる。また、周波数検出回路7は、発振回路5の出力パルスの周波数増加を検知する必要があるが、高域通過フィルタ71と絶対値回路72とから構成することができる。
このように本実施形態によれば、2つの検出回路6、7の出力電圧が測定電流に応じて図6に示すように変化した場合、測定電流に応じて、比較回路91、92は、上記したように、各検出回路毎に設定した閾値電圧と比較して出力電圧を発生するので、論理和回路94で出力和をとることで、微小電流から大電流までの広い電流範囲の検知を行うことができる。
図7は、図2に示す比較回路の一般的な回路構成図であり、図8は図2に示す比較回路の一実施例を示す回路構成図である。なお、図7及び図8では、図2に示す比較回路91に適用した例について説明する。
この比較回路91Aでは、電源901と可変抵抗器902により基準電圧を設定する。そして、絶対値回路62の出力が基準電圧よりも大きい場合に、比較器900は論理和回路94にハイレベルの電圧を出力する。
図7に示す比較回路91Aは、電流定格等に応じて基準電圧の調整が必要であるが、手動で可変抵抗902を調整する必要がある。特に、本実施形態では出力判別回路9に2つの比較回路を用いているために、2つの比較回路をそれぞれ設定する必要があり、調整するためのコストや人が調整することによる精度の低下が課題となっている。
図8に示す比較回路91Bでは、基板毎にメモリー904に設定された値をCPU903で読み込み、その設定に基づいてDAコンバータ905から電圧を出力し、その電圧を抵抗906と抵抗907で分圧することで基準電圧を設定する。そして、絶対値回路62の出力が基準電圧よりも大きい場合に、比較器900は論理和回路94にハイレベルの電圧を出力する。
2a 導線
2b 導線
3 磁気コア
4 励磁コイル
5 発振回路
6 電流検出回路
7 周波数検出回路
9 出力判別回路
Claims (6)
- 測定電流が流れる導線を囲む磁気コアに巻回した励磁コイルと、
測定した閾値に応じて、前記励磁コイルを飽和状態又はその近傍の状態で、前記励磁コイルに供給する励磁電流の極性を反転させる出力電圧を発生するとともに、低域通過フィルタを備えた発振手段と、
前記発振手段から出力される前記出力電圧のデューティ変化に基づいて前記測定電流を検知する電流検知手段と、
前記発振手段から出力される前記出力電圧の周波数を検知する周波数検知手段とを備え、
前記電流検知手段と前記周波数検知手段のそれぞれの出力をもとに、前記測定電流を検知することを特徴とする電流検知装置。 - 前記発振手段の低域通過フィルタは、抵抗とコンデンサで構成することを特徴とする請求項1に記載の電流検知装置。
- 前記電流検知手段は、前記出力電圧のデューティ変化を検知する低域通過フィルタで構成することを特徴とする請求項1に記載の電流検知装置。
- 前記周波数検知手段は、前記出力電圧の周波数増加時にのみ前記出力電圧を通過させる高域通過フィルタで構成することを特徴とする請求項1に記載の電流検知装置。
- 前記電流検知手段と前記周波数検知手段のそれぞれの出力に接続された比較回路と、各比較回路からの出力を入力する論理和回路からなる出力判別回路を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電流検知装置。
- 前記比較回路は、記憶素子の設定値に基づいて出力された電圧に応じて比較回路の基準電圧が設定されることを特徴とする請求項5に記載の電流検知装置。
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