JPH11117652A - 基礎地盤の施工工法とその施工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】如何なる硬質地盤であるも容易に掘孔すると共
に強固にて崩壊の憂いのない孔周壁を有した杭孔を確実
に掘孔する基礎地盤の施工工法とその装置を提供する。 【解決手段】先掘刃２にて先端下方の地盤を掘削し、追
従続進するスクリュー翼片３にて掘削土礫を拡開しなが
ら地中を掘進し、オーガ掘進に伴って周辺の掘孔土礫を
後続する円錐形ヘッド４面に付設せる攪乱刃５にて破砕
攪乱すると同時にヘッド面の円錐傾斜面ａの作用によっ
て破砕し攪乱せる土礫を孔周壁に拡開圧締しながら地中
を掘進し、更に強固に圧締し固結せる孔周壁の摩擦抵抗
をオーガロッド６面に付設せる土圧切開スクリュー凸条
ｂにて切開し地中に強固な孔周壁を有した杭孔ｒを掘孔
しようとする基礎地盤の施工工法とその装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は基礎地盤の施工工法に
おいて如何なる硬質地盤であるも該地盤に最適にて強固
な孔周壁を有した杭孔を容易確実に掘孔すると共に完全
無排土を主な目的とした基礎地盤の施工工法とその装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】建築等基礎地盤施工工法において無振
動、無騒音工法としてスクリュー羽根により地中を回転
掘孔し、該掘孔内に杭柱を打設し強固な地盤を造成しよ
うとする謂わゆるスクリュー工法が既に開発されその多
くは知られているが、これらの施工工法は単に地盤掘削
のみを目的とするものであるから上記、地中掘孔時に孔
底及び孔周辺地盤を徒らに掘削し、しかも該施工作業中
において孔壁が崩壊する等して爾後の作業を著しく困難
化とするは勿論、上記杭孔掘削と同時に多量の掘削土礫
が地上に揚土しその排土処理に相当な経費と労力を必要
とする等重大な欠点を有していたのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかる欠点を解決する
ものとしてこの発明の発明者が、先にオーガヘッドの全
体形状を円錐形状に形成し、且つ該円錐形ヘッド面に圧
土縁を有したスクリュー羽根を付設し、地中掘削と同時
に該掘削土壌を上記円錐面及び圧土縁の相乗作用にて孔
周面に拡開圧締し、強固な圧密層を造成すると共に地上
への排土量を極力寡少とした特殊形状の地盤の掘孔装置
（特許第１１３６１７７号）を開発し、これが業界間に
おいては相当の好評を得ていたのである。しかるに、上
記掘孔装置は強固に圧締された孔周壁を容易に掘孔求め
得られると謂う反面、例えば岩石、粘土層等の如く硬質
な地盤では逆にスクリュー羽根間に土礫、岩石等が強固
に食い込み、これがオーガ掘進にて更に固結し摩擦抵抗
はもとより相当の負荷が生じ、遂には空転する等して円
滑な掘削掘孔が求め得られないという硬質地盤の掘孔装
置としては不向きであることが判明したのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、かかる欠点
に着眼し、単に孔周壁の圧締のみを目的とするものとは
異なり、軟質地盤はもとより如何なる地盤地質であるも
切開掘削が容易にて地中に強固な基礎地盤を造成求める
ことが出来得る基礎地盤の施工工法とその装置を汎く提
供しようとするものである。以下、その目的を達成する
手段としてこの発明に係る掘孔装置は、図面にてその概
略を説明すると、オーガ軸１の先端下方に先掘刃２を、
該先掘刃２の上部にスクリュー翼片３を付設し、且つ該
スクリュー翼片３の上部にヘッド面全体を略円錐形状の
傾斜面ａに形成すると共に該円錐傾斜面ａに数本の攪乱
刃５，５，５を上下適宜間隔毎に放射状に付設してなる
円錐形オーガヘッド４を連結設け、更に上記オーガヘッ
ド４の上部に柱面に土圧切開スクリュー凸条ｂを付設せ
るオーガロッド６を一体的に同軸上に連結してなるもの
であって、かかる形状の地盤掘孔装置を杭打機に吊設し
て建て込みし、しかる後に動力を駆動回転行わしめるこ
とによって、先掘刃２が先端下方の地盤を掘削し、追従
続進するスクリュー翼片３にて上記掘削土礫を拡開しな
がら地中を掘進する。かかるオーガ掘進に伴って周辺の
掘孔土礫は後続する円錐形オーガヘッド４面に付設せる
数本の攪乱刃５，５，５にて破砕攪乱すると同時に該ヘ
ッド面の円錐傾斜面ａの作用によって上記破砕し攪乱せ
る土礫を孔周壁に拡開圧締しながら、地中を掘進し、更
に該掘進によって上記強固に圧締し固結せる孔周壁の摩
擦抵抗がオーガロッド６面に付設せる土圧切開スクリュ
ー凸条ｂにて切開し何らの抵抗負荷もなく容易円滑に装
置全体を下降掘進行わしめることが出来得るのである。
しかして上記により地中に孔周壁が強固に圧締された杭
孔ｒ内に装置の抜杆後または抜杆と同時にモルタルセメ
ント等を充填してモルタル柱ｃを造成し、該モルタル柱
ｃ内に基礎杭Ｐを打設行わしめることによって地中に強
固な基礎地盤を極めて容易確実に施工求めることが出来
得るのである。更に、上記スクリュー翼片３の各羽根片
の一部に空気の逃げ場及び土礫をより効果的に攪乱、破
砕するがために適当形状の切欠部分３｀を切欠設けたこ
とも特徴としている。

【０００５】

【作用】以下、この装置による基礎地盤の掘孔施工例を
説明すると、先ず上記の如く構成してなる掘孔装置を所
定地盤上に定置せる杭打機に吊設して建て込み、動力を
駆動行わしめるにおいてオーガロッド６の回転と共に先
掘刃２及びスクリュー翼片３が回転し、図２の如く地
盤下方の地盤を掘削しながら地中を掘進する。かかる地
中掘進と伴って該スクリュー翼片３の上部の円錐形オー
ガヘッド４の円錐形傾斜面ａの作用によって上記掘削せ
る掘削土礫を孔周壁に拡開圧締しながら、地中を掘進す
るが、特にこの発明においては上記円錐傾斜面ａに数本
の攪乱刃５，５，５が付設されているがために掘削土礫
中の岩石等の硬質土塊を掘削土礫と共に破砕攪乱し、更
に該破砕土礫を上記孔周壁に圧締して孔内壁土面により
強固に固締せる杭孔を容易に掘削行わしめることが出来
得るのである。またこの発明による場合には上記の如く
孔周壁が強固に固結されているが上記オーガヘッド４と
共に追従するオーガロッド６面の土圧切開スクリュー凸
条ｂによって強固に圧締された孔周壁の摩擦抵抗を切開
しながら掘進が行われるので装置掘進時に何らの負荷抵
抗もなく円滑に杭孔を掘削することが出来得る。かくし
て掘削せる杭孔ｒ内にモルタルセメント等の凝結材を抜
杆後または抜杆時に軸先端に開設せるセメント充填口よ
り充填して地中にモルタル柱ｃを造成し、しかる後に該
モルタル柱ｃ内に既成杭、Ｈ鋼柱等の芯鋼を基礎杭Ｐと
して打設行わしめることによって図２にて図示する如
く地中に強固な地盤層を殆ど無排土にて造成施工するこ
とが出来得るのである。なお、この発明においては上記
掘孔施工時にオーガヘッド４またはオーガロッド６の上
部に施工地盤に応じて丸形又は三角、四角、六角等の多
角形状のオーガ杆を連結し用いることによって、該オー
ガ杆各角縁の回転作用によって上記掘孔せる孔周壁面を
間歇的に打叩圧締し、より強固な孔周壁を有した杭孔を
容易確実に施工求め得られることは謂うまでもない。ま
たスクリュー翼片３の一部に切欠部分３｀を切欠設ける
ことによって掘削土礫を粉砕すると同時に該掘削杭孔内
に渋滞せる空気の逃げ場となり、オーガ抜扞時に発生す
る孔内の吸引力による孔周壁の崩壊を防止する作用をも
有している。

【０００６】

【実施例】以下、この発明に係る地盤掘削装置の構成部
分の実施例を図面について詳細に説明すると、１は下方
先端に数枚の掘削刃による先掘刃２を、また該先掘刃２
の上部に数枚のスクリュー翼片３が一体的に付設せるオ
ーガ軸であって、該オーガ軸１の上部に円錐傾斜面ａに
て形成され、且つ該円錐傾斜面ａに数本の攪乱刃５，
５，５を適宜間隔毎に放射状に配設せる円錐形オーガヘ
ッド４を一体的または連繋自在に連結されている。オー
ガロッド６は適当な長さを有したロッド杆にて軸周面に
適宜浅深の土圧切開スクリュー凸条ｂが一体的に付設形
成してなるもので、なお該スクリューの径巾は上記オー
ガ軸１のスクリュー翼片３及び攪乱刃５の刃長と上下略
同径回転軌跡ｘにて配設することが望ましい。上記オー
ガヘッド４の傾斜角度、攪乱刃５の付設数、長短形状、
付設箇所は地盤により任意に変更可能であり、更に攪乱
刃５に補助刃を付設する場合もある。

【０００７】また、上記スクリュー翼片３の周辺一部に
適当形状の切欠部分３｀を切欠設け周辺硬質地盤を切開
すると同時に掘削土礫の攪拌粉砕を求めることも出来得
る。

【０００８】

【発明の効果】この発明に係る基礎地盤の施工装置は、
上記の如くスクリュー翼片３を付設せるオーガ軸１の上
部に数本の攪乱刃５，５，５を凸設してなる円錐形オー
ガヘッド４ーを連設し、且つ該円錐形オーガヘッド４の
上部に土圧切開スクリュー凸条ｂを付設せるオーガロッ
ド６を一体的に連結し形成してなるものであるから、上
記攪乱刃５，５，５にて掘進時に硬質地盤内の岩石、粘
土塊等を破砕攪乱すると同時に該破砕土礫を円錐傾斜面
ａの作用によって孔周壁に強力に圧締する等、従来困難
と為されていた如何なる硬質の地盤層においても強固な
孔周壁を有した杭孔を容易確実に掘孔施工求めることが
出来得、しかも上記により強固に圧締固結された孔周壁
を土圧切開スクリュー凸条ｂを付設したことによって何
らの負荷抵抗もなく確実に装置全体の掘進が行われる等
顕著な効果を有している。

【０００９】また、この発明においては請求項３項記載
の如く、スクリュー翼片３の周辺一部の適当形状の切欠
部分３｀切欠設けたことによって周辺の硬質地盤をより
確実に切開するは勿論、先掘土礫の攪拌と同時により良
好なる粉砕が求め得られ、特に該切欠部分３｀により掘
進時における摩擦抵抗も少なくなり円滑な掘削作業が得
られると共に該切欠部分３｀が空間部分となり、かかる
空間部分の開設にて掘削杭孔内に渋滞せる空気の逃げ場
となり、これがオーガ抜扞時に発生する孔内の吸引力を
減少し、該吸引力による孔周壁の崩壊を未然に防止する
等の作用効果も併せ有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明に係る基礎地盤掘孔装置の全体図、

【図２】 施工状体の略解図 杭打設完成図であ
る。

【符号の説明】

１ オーガ軸 ２ 先掘刃 ３ スクリュー翼片 ３｀切欠部分 ４ オーガヘッド ａ 円錐傾斜面 ５ 攪乱刃 ６ オーガロッド ｂ 土圧切開スクリュー凸条 ｃ モルタル柱 Ｐ 基礎杭

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オーガ軸１の先端下方に先掘刃２を、該
   先掘刃２の上部にスクリュー翼片３を付設し、且つ該ス
   クリュー翼片３の上部にヘッド面全体を略円錐形状の傾
   斜面ａに形成すると共に該円錐傾斜面ａに数本の攪乱刃
   ５，５，５を上下適宜間隔毎に放射状に付設し、更に上
   記円錐形ヘッド４の上部に周面に土圧切開スクリュー凸
   条ｂを付設せるオーガロッド６を一体的に同軸上に連結
   し形成してなる地盤掘孔装置を用いて地盤に基礎地盤を
   造成しようとするもので、掘孔施工時に該装置全体を杭
   打機に吊設し、しかる後に動力を駆動し地盤を回転掘進
   するにおいて、先掘刃２にて先端下方の地盤を掘削し、
   追従続進するスクリュー翼片３にて上記掘削土礫を拡開
   しながら地中を掘進し、該オーガ掘進に伴って周辺の掘
   孔土礫は後続する円錐形ヘッド４面に付設せる攪乱刃５
   にて破砕攪乱すると同時に該ヘッド面の円錐傾斜面ａの
   作用によって上記破砕し攪乱せる土礫を孔周壁に拡開圧
   締しながら地中を掘進し、更に上記強固に圧締し固結せ
   る孔周壁の摩擦抵抗をオーガロッド６面に付設せる土圧
   切開スクリュー凸条ｂにて切開し地中に強固な孔周壁を
   有した杭孔ｒを掘孔し、しかる後に該杭孔ｒ内にモルタ
   ルセメントを充填してモルタル柱ｃを造成し、該モルタ
   ル柱ｃ内に基礎杭Ｐを打設行わしめることによって地中
   に強固な基礎地盤層を施工することを特徴とする基礎地
   盤の施工工法。
2. 【請求項２】 オーガ軸１の先端下方に先掘刃２を、該
   先掘刃２の上部にスクリュー翼片３を付設し、且つ該ス
   クリュー翼片３の上部にヘッド面全体を略円錐形状の傾
   斜面ａに形成すると共に該円錐傾斜面ａに数本の攪乱刃
   ５，５，５を放射状に付設せる円錐形オーガヘッド４を
   一体的に連結し、更に該オーガヘッド４の上部に土圧切
   開スクリュー凸条ｂを付設してなるオーガロッド６を同
   軸上に連結し、且つ上記スクリュー翼片３、攪乱刃５，
   土圧切開スクリュー凸条ｂの径巾が上下略同径寸に形成
   せしめたことを特徴とする基礎地盤の施工装置。
3. 【請求項３】 上記スクリュー翼片３の羽根片の一部に
   切欠部分３｀を切欠設けたことを特徴とする請求項２項
   記載の基礎地盤の施工装置。