JPH11117212A - コンクリート境界ブロックおよび軽量コンクリート二次製品、並びに軽量コンクリート二次製品の製造方法 - Google Patents

コンクリート境界ブロックおよび軽量コンクリート二次製品、並びに軽量コンクリート二次製品の製造方法

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JPH11117212A
JPH11117212A JP27761297A JP27761297A JPH11117212A JP H11117212 A JPH11117212 A JP H11117212A JP 27761297 A JP27761297 A JP 27761297A JP 27761297 A JP27761297 A JP 27761297A JP H11117212 A JPH11117212 A JP H11117212A
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concrete
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block
secondary product
synthetic resin
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JP27761297A
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English (en)
Inventor
Osamu Kuroishi
修 黒石
Hiraki Tanimoto
開 谷本
Tamiji Saito
民治 斎藤
Takeshi Minenaga
健 峰永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOUSUI KAGAKU KOGYO KK
TANIMOTO KASEI KK
YUI KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
KOUSUI KAGAKU KOGYO KK
TANIMOTO KASEI KK
YUI KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度と軽量性とを併せ持つコンクリート境界
ブロックを提供する。 【解決手段】 成形されたコンクリート2の内部に発泡
合成樹脂製芯材3が包埋され、ブロック全体に対する芯
材の容積率が25〜50%であるコンクリート境界ブロ
ックであり、芯材の発泡倍率は10〜100倍、コンク
リートの骨材は直径略25mm程度がよい。このコンク
リート境界ブロックはJIS A 5307に規定する
曲げ試験方法により測定した曲げ強さ荷重が60kN以
上となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、歩道と車
道との境界に用いられる歩車道境界ブロックや歩道と民
地とのとの境界に用いられる地先境界ブロックなどのコ
ンクリート境界ブロックや集水枡、その他のコンクリー
ト二次製品、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート製品のうち、コンクリート
構築物のような現場施工されるものではなく、工場など
において型枠内にコンクリートを流し込んで所定の形状
に形成し、養生固化して製造されるものは、一般に、コ
ンクリート二次製品と呼ばれている。このコンクリート
二次製品としては、例えば、橋桁やU字溝などの大型の
ものから、前記のような歩車道境界ブロック、地先境界
ブロックなどのコンクリート境界ブロックや集水枡など
がある。
【0003】従来、上記のようなコンクリート二次製品
は、全体がコンクリートで形成されていたため、重量が
極めて重く、運搬コストが高くつくだけでなく、施工時
の作業員の負担が大きく作業者の腰痛などの原因となっ
たり、大型製品の場合は取り扱いに複数の作業員を必要
したり、さらに大型の製品の場合には重機が必要とな
り、施工コストも高くつくという問題があった。
【0004】そこで、近年、橋桁やU字溝などの比較的
大型のコンクリート二次製品においては、内部に発泡合
成樹脂、例えば一般に発泡スチロールといわれているポ
リスチレン系樹脂発泡体からなる軽量な芯材を用いて製
品の軽量化を可能とし、運搬コストや施工コストの低減
と同時に、施工時の作業の省力化を図ることが提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、比較的
大型のコンクリート二次製品の場合であると、その内部
に発泡合成樹脂製の芯材を用いることで、製品の軽量化
が可能である。しかも、このような大型の製品の場合に
は、その重量が極めて大きいため、コンクリートの自重
が強度面でも負担となっており、内部に発泡合成樹脂製
の軽量な芯材を用いて製品全体の軽量化を図ることが強
度の面でもプラスになることが多い。ところが、コンク
リート境界ブロックのような比較的小型のコンクリート
二次製品の場合であると、自重が強度面でマイナスとな
ることは殆どなく、むしろその強度はコンクリートの使
用量によるところが大きいことから、上記の橋脚やU字
溝などの大型の製品の場合とは異なり、内部に発泡合成
樹脂製の芯材を用いた場合には、製品が軽量化される一
方で、コンクリート使用量の減少による強度の低下とい
う問題がある。このため、例えばコンクリート境界ブロ
ックなどの場合においては、JIS A 5307にブ
ロックの曲げ強さに関して規定されているが、発泡合成
樹脂製の芯材を用いて軽量化したブロックの場合、ここ
に規定された曲げ強さを満足できない、といった問題が
発生する。また、これらの比較的小型のコンクリート二
次製品の場合、その重量も重機を必要とするほど極端に
重いわけではなく、作業員が少し無理することで人手に
よる作業は可能である。このため、従来においては、こ
のコンクリート境界ブロックなどの比較的小型のコンク
リート二次製品においては、製品が小型であるゆえに、
大型の製品の場合に比べて軽量化による運搬コストや施
工コストの低減、作業の省力化対策が遅れており、作業
者が負担を強いられる結果ともなっていた。
【0006】そこで本発明では、上記のようなコンクリ
ート境界ブロックをはじめとする比較的小型のコンクリ
ート二次製品において、その製品に必要とされる十分な
強度を維持しつつ軽量化を図ることにより、運搬コス
ト、施工コストの低減を可能とするとともに、作業の省
力化、作業者の負担軽減を可能とするコンクリート二次
製品、およびその製造方法を提供せんとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の第1は、成形されたコンクリートの内部に
発泡合成樹脂製芯材が包埋されたコンクリート境界ブロ
ックであって、ブロック全体に対する芯材の容積率を2
5〜50%としたコンクリート境界ブロックである。こ
のように、コンクリート境界ブロックとして、内部にコ
ンクリートに較べてはるかに軽量な発泡合成樹脂製芯材
を包埋することにより、全体がコンクリートで形成され
た従来のブロックに比べて軽量化され、運搬コストの軽
減、作業の省力化による施工コストの低減および作業者
の負担軽減が可能となる。さらに、コンクリートの使用
量が低減されることで材料費のコストダウン、および養
生時間、また蒸気による強制養生の場合には養生時に費
やされる熱量をも低減することができ、製造費のコスト
ダウンも可能となる。しかも、ブロック全体に対する前
記発泡合成樹脂製芯材の容積率を上記の範囲とすること
により、コンクリート境界ブロックとして必要とされる
十分な強度を維持したままで軽量化を達成することがで
きる。
【0008】前記コンクリート境界ブロックにおいて
は、前記発泡合成樹脂製芯材の発泡倍率は10〜100
倍とすることが好ましい。
【0009】また、前記コンクリート境界ブロックを形
成するコンクリートに使用される骨材は、コンクリート
の強度、ひいてはブロック全体の強度を左右するもので
あるが、芯材の容積率があまりに大きすぎるとコンクリ
ート部分の容積が小さくなりすぎて使用する骨材を小さ
なものにせざるを得ない。この点、このコンクリート境
界ブロックにおいては、芯材の容積率を前記の範囲とす
ることで、適度な大きさの骨材を使用することも可能と
なる。この場合、直径が略25mm程度の骨材を使用す
ることが、ブロック製品の強度の観点から好ましい。
【0010】また、上記のようなブロック製品内部にお
ける発泡合成樹脂製芯材の位置は特に限定されるもので
はないが、軽量な芯材がブロックの上部に偏在した状態
で包埋することにより、ブロックの安定性が向上する。
【0011】上記のように構成することで、本発明に係
るコンクリート境界ブロックは、JIS A 5307
に規定する曲げ試験方法により測定した曲げ強さ荷重は
60kN以上となり、コンクリート境界ブロックとして
必要とされる十分な強度を維持しうると同時に、内部に
包埋される軽量な発泡合成樹脂製芯材によりコンクリー
ト使用量が低減されブロック全体が軽量化され、運搬コ
スト、製造コスト、および施工コストの低減、並びに作
業の省力化を実現することができる。
【0012】次に、発明の第2は、成形されたコンクリ
ートの内部に発泡合成樹脂製芯材を包埋したコンクリー
ト二次製品であって、芯材の表面に形成された凹条によ
り芯材表面と接しているコンクリート内面にリブが形成
されてなる軽量コンクリート二次製品である。この軽量
コンクリート二次製品においては、内部に包埋された発
泡合成樹脂製芯材により製品の軽量化が実現されると同
時に、芯材の容積率が同じ場合には、内面に形成された
リブによりコンクリート部分が補強されることで、芯材
の容積率を高めて一層の軽量化を図ると同時に製品とし
て必要とされる強度を維持することができる。
【0013】前記コンクリート内面のリブの形成位置に
は特に限定はないが、長尺の製品の場合、例えばコンク
リート境界ブロックのような製品の場合には、芯材の長
手方向にそって凹条を形成しておきコンクリート内面に
製品の長手方向にそってリブが形成されるようにするこ
とで、補強の効果はより顕著となる。
【0014】また、前記リブを形成するための芯材に設
けられる凹条の形状についても特に制限はないが、芯材
に形成された凹条を断面波形とすれば、コンクリート内
面のリブは凹凸の境界が滑らかに連続することで、応力
が局所に集中することなく強度的に有利である。
【0015】次に、本発明の第3は、成形されたコンク
リートの内部に発泡合成樹脂製芯材が包埋されたコンク
リート二次製品であって、芯材の表面に、先端部が製品
の外面または外面近傍に達する凸部が設けられた軽量コ
ンクリート二次製品である。このように芯材の表面に、
先端部が製品の外面または外面近傍に達する凸部が設け
られた軽量コンクリート二次製品は、コンクリートの内
部に前記発泡合成樹脂製芯材を包埋した状態に形成する
に際してコンクリート中における芯材の位置決めが容易
となり、芯材を包埋したコンクリート二次製品を、一定
の品質で大量生産することが可能となる。
【0016】つまり、本発明の第4がその製造方法であ
って、この方法は、コンクリート型枠の内部に、先端部
が型枠の内面または内面近傍に達する凸部をその表面に
設けた発泡合成樹脂製の芯材を装填し、型枠内にコンク
リートを流し込む、というものである。
【0017】上記のような芯材、およびこれを用いた製
造方法によれば、型枠内に装填された芯材は、その表面
に設けられた芯材位置決め用となる凸部によって型枠内
面との間隔が常に所定の距離に保持された状態で型枠内
に装填されることから、この型枠にコンクリートを流し
込んでコンクリート二次製品を形成すれば、形成された
コンクリート内部におけるほぼ一定の位置に芯材が包埋
された品質の安定した製品を大量生産することが可能と
なる。
【0018】前記芯材表面の凸部は、芯材の成形時に発
泡合成樹脂にて一体成形されていてもよいし、また、芯
材の表面に、別部材からなる凸部が設けられていてもよ
い。
【0019】本発明の第5は、軽量コンクリート二次製
品の更に他の製造方法であり、上方に開口したコンクリ
ート型枠の内部に、発泡合成樹脂製の芯材を装填し、芯
材上方の型枠開口部と略同じ高さに係止片を配置した状
態で型枠内にコンクリートを流し込むというものであ
る。一般に、コンクリート二次製品を製造する場合に
は、製品形状に応じて所定の形状に形成され上方に開口
した型枠内にコンクリートを流し込み、天日で自然養生
するか、あるいは蒸気により強制養生させてコンクリー
トを固化させた後、型枠から取り出すのであるが、コン
クリートの内部に軽量な発泡合成樹脂製の芯材を包埋さ
せた製品を製造する際に、単に型枠内に芯材を装填して
コンクリートを流し込んだ場合には、流し込んだコンク
リート上に浮力によって芯材が浮上してしまい、コンク
リートの内部に包埋させることは困難である。そこで、
上記のように芯材上方の型枠開口部と略同じ高さに係止
片を位置させて係止片により芯材の浮上を阻止した状態
で型枠内にコンクリートを流し込み、そのままの状態で
養生固化させることで、コンクリートの内部に芯材が包
埋された製品を簡単に得ることができる。なお、この場
合に、型枠内に装填する芯材の上面(型枠の上面開口部
が製品の底面となるような場合には製品における底面
側)に前記のような芯材位置決め用の凸部を設けておけ
ば、該凸部の高さに応じたコンクリート内部の任意の深
さに芯材を包埋させることができる。
【0020】前記の場合に、型枠の開口縁から型枠内方
に向かって略水平に係止片を突設するとともに、前記係
止片を中間部で下方へ屈曲自在とした型枠を用い、前記
係止片を中間部から下方へ屈曲させながら型枠内へ芯材
を装填した後、係止片を水平方向へ復帰させて芯材上方
に配置することで、係止片により芯材の浮上を確実に阻
止した状態でコンクリートの流し込み、養生、固化を行
うことができる。
【0021】更に、前記係止片を、型枠開口縁に取り付
けた回転軸を中心として水平方向に回転可能に設けてお
けば、コンクリートの養生固化が終了した後に、型枠か
ら製品を取り出す際には、係止片を回転させるだけで型
枠の上面開口部が完全に開放されて、型枠からの製品を
取り出しを容易に行うことが可能となる。
【0022】また、係止片の他の構造としては、型枠に
おける相対向する一対の開口縁間に係止片を着脱自在に
架設したものを採用することもできる。この場合には、
型枠内に芯材を装填した後、型枠における相対向する一
対の開口縁間に係止片を架設して芯材の浮上を阻止した
状態で型枠内にコンクリートを流し込み、養生固化させ
た後、係止片を取り外したうえで型枠内から製品を取り
出す。
【0023】以上のような本発明に係るコンクリート二
次製品の製造方法により、上方に開口したコンクリート
型枠内に、側面に前記型枠内面または型枠内面近傍に達
する凸部を設けるとともに、上面に上向きに突出した凸
部を設けた発泡合成樹脂製芯材を装填し、前記型枠の開
口縁に前記芯材上面の凸部上方に位置する係止片を取り
付けた状態で型枠内にコンクリートを流し込んで芯材を
コンクリート中に埋没させ、蒸気にてコンクリートを強
制養生したのち、前記係止片を型枠の上方開口部から取
り除き、コンクリート製品を取り出すことで、成形され
たコンクリートの内部の所定の位置に発泡合成樹脂製の
軽量な芯材が包埋されたコンクリート二次製品を工業的
に大量生産することが可能となり、かつ、得られたコン
クリート二次製品は、軽量化により運搬コスト、施工コ
ストが低減され、また、施工時の作業性が改善されて作
業員の負担が軽減されるとともに、コンクリートの使用
量が低減されることで、材料費、養生時間、養生に要す
る熱量が低減されて製造コストも低減しうるコンクリー
ト二次製品となる。
【0024】上記のような本発明に係る軽量コンクリー
ト二次製品の製造方法は、比較的小型のコンクリート二
次製品、特に、歩車道境界ブロック、地先境界ブロック
などのコンクリート境界ブロックの製造に有用である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示した各
種の実施態様に基づき、更に詳細に説明する。
【0026】図1に示すものは本発明に係るコンクリー
ト境界ブロックの1実施例を示す両面歩車道境界ブロッ
クである。このブロック1は、外形が両面歩車道境界ブ
ロックの形状に成形されたコンクリート2の内部に、発
泡合成樹脂製の芯材3が包埋されている。
【0027】前記コンクリート2部分は、水、セメン
ト、砂、骨材、減水剤、AE剤などを配合してなる一般
的なブロック成形用のコンクリート配合物からなり、型
枠内にコンクリート配合物を流し込み、天日で自然養生
するか、あるいは蒸気で強制養生して固化させることで
ブロック形状に成形される。前記コンクリート2部分に
用いられる骨材は、例えば砂利、細石のようなものであ
り、骨材4の大きさには特に制限はないものの、この種
のコンクリート境界ブロックの場合には、その製品の大
きさが、例えばJIS A 5307に規定される両面
歩車道境界ブロックCの場合であると、上面の幅が18
0mm、底面の幅が240mm、高さ300mm、長さ
600mmであり、この程度の大きさの製品の場合、骨
材としては直径が約25mm程度のものを用いることが
強度面から好ましい。
【0028】前記コンクリート2の内部に包埋される芯
材は、ポリスチレン系樹脂発泡体(発泡スチロール)な
どの発泡合成樹脂からなる成形体であり、ポリスチレン
系樹脂以外にも、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン
系樹脂、あるいはポリウレタン系樹脂などの各種合成樹
脂発泡体を用いることができる。前記発泡合成樹脂製芯
材3の発泡倍率は10〜100倍とすることが好まし
い。芯材の発泡倍率が10倍未満では容積率が前記の範
囲内であっても軽量化の目的を十分に果たすことができ
ない場合がある。一方、発泡倍率が100倍を越える
と、製品強度の低下が生じ易い。このような観点から、
芯材の発泡倍率としては、より好ましくは30〜70倍
の範囲、特に好ましくは40〜60倍である。蒸気養生
時に問題がある場合は、耐熱性樹脂を使用することが好
ましい。
【0029】前記ブロック1における芯材2の包埋位置
には特に制限はないが、図2に示すように、軽量な芯材
3がブロック1の上部に偏在した状態でコンクリート2
の内部に包埋することにより、重心が下部に位置して施
工時のブロックの安定性が向上する。さらに、例えば、
歩車道境界ブロック等の場合にあっては、ブロック1上
部に位置する前記発泡合成樹脂製芯材3は、自動車のタ
イヤが該ブロックに衝突した場合の緩衝材となって自動
車に対する衝撃を緩和することができる。
【0030】本発明では、このブロック1における芯材
3の容積率を、ブロック1全体に対して25〜50%と
する。芯材3の容積率が25%未満では軽量化という目
的を十分に果たすことができない。また、芯材3の容積
率が50%を越えると、ブロック1は軽量化されるもの
のその一方で強度の低下が著しくなり、ブロックとして
必要とされる強度、例えば、JIS A 5307「コ
ンクリート境界ブロック」に規定されている曲げ強さを
維持することが困難となる。このような観点から、芯材
の容積率としては、より好ましくは30〜50%の範囲
であり、特に40〜50%が好ましい。
【0031】上記のような発泡合成樹脂製芯材3を包埋
してなるブロック1における芯材3の容積率とブロック
1の強度との関係を調べるために、以下のような実験を
行った。すなわち、図3、および表1に示す寸法の両面
歩車道境界ブロック1を作製し、JIS A 5307
に規定する曲げ強さ荷重(kN)を測定した結果を表1
に示す。なお、曲げ試験は自然養生で4週間以上経過し
たのちに行った。また、表中に示す重量減少率とは、全
体がコンクリートで形成された一般的なコンクリートブ
ロックの重量(89.0Kg)に対して減少した比率で
ある。
【0032】
【表1】
【0033】表1の結果から明らかなように、芯材の容
積率が52.9%の実験1のブロックの場合には、重量
が全体コンクリート製品に比べて半分程度に軽量化され
ている一方で、曲げ強度の低下が著しく、JIS A
5307に規定する両面歩車道用境界ブロックCの曲げ
強さ荷重63kNを達成できない。これに対し、芯材容
積率37.8%、同じく29.1%の実験2、3のブロ
ックにおいては、それぞれ40.0%、28.7%の軽
量化を達成する一方、曲げ強さの点においても、72.
5kN、88.1kNと、いずれも上記JISに規定さ
れた値を満足しうるものであった。
【0034】次に、図4、図5に示すものは、本発明に
係る軽量コンクリート二次製品の一実施例を示す歩車道
境界ブロックであり、このブロック11は、外形がブロッ
ク形状に成形されたコンクリート12の内部に発泡合成樹
脂製芯材13を包埋したコンクリート二次製品であって、
芯材13の上面、底面、および側面に、それぞれ芯材13の
長手方向にそって複数の凹条15・・・、16・・・が形成
されており、芯材13表面と接しているコンクリート12の
内面に該凹条15、16により複数のリブ17・・・、18・・
・が形成されている。このブロック11においては、コン
クリート12の内部に包埋された発泡合成樹脂製芯材13に
より製品の軽量化が実現されると同時に、ブロック11全
体に対する芯材13の容積率が同じ場合には、内面に形成
された前記リブ17、18によりコンクリート12部分が補強
されることで、芯材13の容積率を高めてブロック11全体
の軽量化を図ると同時に製品として必要とされる強度を
維持することができる。しかも、前記リブ17、18の形成
は、コンクリート12の内部に包埋される発泡合成樹脂製
芯材13の表面に凹条15、16を形成しておき、この芯材13
を型枠内に装填したところへコンクリート材料を流し込
んで養生固化するだけで、該芯材13と接するコンクリー
ト内面に前記凹条15、16が転写されたリブ17、18が形成
されることから、型枠の構造が複雑化したり、特別な製
造工程を必要とせず、従来から使用されているコンクリ
ート型枠内に上記のような発泡合成樹脂製芯材13を装填
してコンクリートを流し込むだけでリブを形成すること
ができ、製造も極めて簡単である。
【0035】上記の芯材13表面の凹条15、16、即ち、こ
れらの凹条15、16が転写されて形成されるリブ17、18の
位置には特に制限はないが、図例のコンクリート境界ブ
ロック11のような比較的長尺な製品の場合には、芯材13
の長手方向にそって凹条15、16を形成しておきコンクリ
ート12内面にブロック11の長手方向にそってリブ17、18
を形成することで、補強の効果はより顕著となる。ま
た、図例のものでは、芯材13の上面、底面、および側面
に凹条を設けているが、側面の凹条は省いてもよく、ブ
ロック11の曲げ強度の点からいえば、少なくとも芯材13
の上面および底面にリブを設けてこれに接するコンクリ
ート12の内面にリブを設けることが効果的である。
【0036】また、前記凹条15、16、即ちリブ17、18の
形状としては、上記の実施例のように断面波形とすれ
ば、凹凸の境界が滑らかに連続することで、応力が局所
に集中することがなく、ブロック11の強度面で有利であ
るが、これに限定されるものではなく、例えば図6に示
すような直線状の凹凸形状としてもよい。
【0037】次に、図7に示すものは本発明に係る軽量
コンクリート製品の他例を示す両面歩車道境界ブロック
であり、このブロック31も、上記のものと同様に外形が
両面歩車道境界ブロックの形状に成形されたコンクリー
ト32の内部に、発泡合成樹脂製芯材33が包埋されたコン
クリート二次製品であるが、ここでは、前記芯材33の側
面に、先端部がブロック31の外面または外面近傍に達す
る凸部34が複数設けられている。このように芯材33の表
面に、先端部がブロック31の外面または外面近傍に達す
る略円錐形状の凸部34が設けられた軽量コンクリート二
次製品は、成形されたコンクリート32の内部に芯材33を
包埋した状態に形成するに際して芯材33の位置決めが容
易となり、軽量な芯材を包埋したブロックなどのコンク
リート二次製品を、一定の品質で大量生産することが可
能となる。
【0038】つまり、一般に、コンクリート境界ブロッ
クのようなコンクリート二次製品を製造する際には、図
8に示すように、上面に開口し、内部空間を製品形状に
応じた形状に形成された型枠41内にコンクリート配合物
(以下、単に「コンクリート」という。)を流し込んで
養生固化させるのであるが、コンクリートの内部に芯材
を包埋させて形成する場合には、この型枠41内に芯材33
を予め装填した状態でコンクリートを流し込む。このコ
ンクリートの流し込みに際して、芯材33は、その表面に
設けられた芯材位置決め用となる凸部34によって型枠41
内面との間隔が常に所定の距離に保持された状態で型枠
41内に装填されることから、この型枠41にコンクリート
を流し込んで養生固化すれば、芯材33が型枠41内に流し
込んだコンクリートによって位置がずれることが防止さ
れて、常にコンクリート32内部におけるほぼ一定の位置
に芯材33が包埋された品質の安定したブロック31を大量
生産することが可能となるのである。
【0039】また、上記のようにコンクリート32の内部
に軽量な発泡合成樹脂製の芯材33を包埋させた製品を製
造する際に、単に型枠41内に芯材33を装填してコンクリ
ートを流し込んだ場合には、芯材33が浮力によって流し
込んだコンクリート上に浮上してしまい、コンクリート
32の内部に包埋させることは困難である。そこで、例え
ば図9に示すように、型枠41内に装填した芯材33上方の
型枠41開口部と略同じ高さに係止片42を配置して、該係
止片42により芯材33の浮上を阻止した状態で型枠41内に
コンクリートを流し込むと、芯材33はその浮力によって
流し込んだコンクリートの上に浮上しようとするが、そ
の上面を係止片42により抑えられて、型枠41の開口部よ
り上方への突出が阻止された状態でコンクリート内に埋
没する。これをそのままの状態で養生固化させること
で、コンクリート32の内部に芯材33が確実に包埋された
状態の製品を簡単に得ることができる。図例の係止片42
は、例えば金属板、合成樹脂板などにて作製され、型枠
41の長手方向の相対向する一対の開口縁43、43間に架設
される帯状部材の先端部を前記型枠41の開口縁43に形成
された返し部44に対して着脱自在に外嵌しうるように屈
曲形成した取付部45、45を形成してなるものである。な
お、この場合に、図8〜図10に示す実施例のように、型
枠41内に装填する芯材33の上面(型枠の上面開口部が製
品の底面側となるような場合には製品における底面側)
に前記側面に設けた凸部34と同様の芯材位置決め用の凸
部35を設けておけば、該凸部35の先端が係止片42に当接
して該凸部35の高さに応じたコンクリート32内部の任意
の深さに芯材33を包埋させることができる。なお、前記
芯材33に設ける凸部34、35の形状は特に制限はないが、
製品の側面や上面に対する位置決め用凸部としては、該
凸部が製品の表面にあまり大きく露出することは好まし
くないことから、少なくとも先端部の面積は小さくする
ことが好ましく、例えば、図例のように先端にゆくに従
って細くなる錐形状とするとよい。一方、製品の底面に
対する位置決め用凸部、図例のものにあっては、型枠41
の開口部に臨む凸部35については、製品の用途や強度に
配慮は必要であるものの、先端部まで均一断面の円柱状
のような形状であってもよい。さらに、図11に示すよう
に、製品の用途、要求される強度、軽量化の程度によっ
ては、芯材33の上面(図例のものではブロック31の底面
側)に位置決め用凸部35を設けることなしに、芯材33の
底面を直接、係止片41で抑えることで、芯材33の底面全
体が成形されたブロック31の底面に露出する状態で成形
するようにしてもよい。
【0040】上記のような芯材33の表面に設けられた位
置決め用凸部は、発泡合成樹脂による芯材33の成形時に
一体に成形されてもよいが、例えば図12に示すように、
成形された発泡合成樹脂製芯材33の表面に、別部材によ
り位置決め用凸部を取り付けるようにしてもよい。図面
のものは、例えば合成樹脂にて成形してなり、中間部に
鍔部37を設けた軸部材36であり、その先端部は芯材33に
対して容易に突き刺さすことができるように尖った形状
に形成されており、さらに必要に応じてその先端部に抜
け止め用の返し部が設けられていてよい。この軸部材36
は、芯材33の表面の所定に位置に先端部から差し込む
と、その中間部に設けた鍔部37が芯材33の表面に当接す
ることで該鍔部37から先の一定長さ部分のみが芯材33の
表面から突出した状態に取り付けられ、この芯材33を型
枠41内に装填した場合には、型枠41内面と芯材33表面と
の間の間隔を常に所定の距離に保持することが可能とな
る。
【0041】更に、図13に示すものは、型枠41内へのコ
ンクリート流し込み時に、該型枠41内に装填される芯材
33を位置決めする他の方法を示すものであり、ここで
は、型枠41の開口部に取り付けられた前記係止片42の下
面に棒状の芯材保持部材46を取り付け、該芯材保持部材
46の先端部を発泡合成樹脂製の芯材33へ突き刺した状態
で芯材33を係止片42の下方の型枠41内に垂設した状態で
型枠41内へコンクリートを流し込むことで、製品内部に
おける芯材33の位置決めを行うようにするものである。
この場合、係止片42に芯材33を垂設する芯材保持部材46
は、係止片41に着脱自在に取り付けておいてコンクリー
トの養生固化後に係止片42から離脱して製品内部に埋没
状態となるようにしてもよいし、係止片42と一体に設け
ておいてコンクリートの固化後に係止片42とともに製品
から抜き抜くような構造としてもよい。
【0042】更に、図14、図15に示すものは、型枠41内
におけるコンクリート流し込み時の芯材33の浮力による
浮上を阻止してコンクリート製品の内部の所定の位置に
芯材33を包埋させるための係止片の他の例を示すもので
ある。この係止片51は、型枠41の相対向する一対の開口
縁43の適当な箇所、図例のものでは4箇所に、開口縁43
から型枠41の内方に向かって略水平に突設するととも
に、その中間部52で下方へ屈曲自在、かつ屈曲部分が図
示しないバネなどの作用により水平方向へ自動的に復帰
可能に構成してなるものである。このような係止片51を
備えた型枠41を用いたコンクリート二次製品の製造にあ
っては、図16に示すように、前記係止片51の中間屈曲部
52から先端部分53を下方へ屈曲させながら型枠41内へ芯
材33を装填した後、係止片をバネなどの作用により水平
方向へ自動復帰させ、芯材33の上方に係止片51を配置す
ることで、該係止片51により芯材の浮上を阻止する。こ
の状態の型枠41内へコンクリートを流し込み、養生、固
化を行うことで、図17に示すように、コンクリート32の
内部の所定の位置に芯材33が包埋された状態のコンクリ
ート二次製品、例えばコンクリートブロック31を製造す
ることができる。
【0043】更に、前記の係止片51を、型枠開口縁43に
設けた回転軸54を中心として水平方向に回転可能に設け
ておけば、コンクリートの養生固化が終了した後に、型
枠41から製品31を取り出す際には、図18に示すように該
係止片51を回転させるだけで図19に示すように型枠41の
上面開口部が完全に開放されて、型枠41からの製品31を
取り出しを容易に行うことが可能となる。前記係止片51
の回転操作は、例えば図18に示すように、製造ラインの
型枠41が流れるコンベア55の両側にストッパー56、56を
設けておき、コンベア55上を型枠41が流れる際に、該型
枠41から側方へ突出した係止片51の基端部57へ前記スト
ッパー56が当たることで係止片51を型枠41の開口縁43の
長手方向に沿うように回転させて係止片51の方向を変換
することで、人手によることなく製造ライン上で自動的
に係止片51を型枠41の開口部から排除し、その後、型枠
41の開口部から吸引手段などの適宜手段により製品31を
取り出すといった具合に、コンクリート二次製品の全て
の製造工程を全自動化することが可能となるのである。
【0044】また、図20に示すものは、型枠41内へのコ
ンクリート流し込み時の芯材33の浮き上がりを防止する
ための係止片の更に他の実施例を示すものであり、この
実施例では、型枠41の相対向する一対の開口縁43、43間
に架設した長尺の係止片61を、開口縁43の一方に設けた
回転軸62を中心として回転可能とするとともに、係止片
61の先端に設けたフック部63を、前記回転軸62と相対向
する開口縁43部分に設けた係合軸64に係合させること
で、型枠41内に装填された芯材33の浮き上がりを阻止可
能とするとともに、前記の場合と同様に製造ラインにお
ける型枠41が流れるコンベアなどの側位に設けたストッ
パー65により係止片61を自動的に回転させて型枠41内か
らの製品の自動取出を可能とするものである。
【0045】以上、本発明に係るコンクリート二次製品
およびその製造方法について、両面歩車道ブロックを例
に挙げて具体的に説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、例えば、図21、22に示すような水抜き
ブロック71をはじめとして、その他の各種ブロック状コ
ンクリート二次製品、あるいはその他のコンクリート二
次製品にも適用することができる。また、これらのコン
クリート二次製品内に包埋される発泡合成樹脂製芯材72
の形状としては、上記の各種実施例のような角柱状のも
のではなく、例えば図22に示すように、製品71の外形形
状に相似するような形状の芯材73としたり、更には、複
数に分割された状態で芯材を包埋するようにしてもよ
い。
【0046】更に、例えば図23に示すものは、コンクリ
ート82の内部に発泡合成樹脂製の芯材83を包埋してなる
コンクリート境界ブロック81の他の例を示すものであ
り、このブロック81では、内部に包埋した芯材83の一部
をブロック81の長手方向の一端面84から突出させて該端
面84に凸部85を形成する一方、ブロック81の他端面86に
は、前記凸部85を内嵌でき、かつ奥行き寸法を凸部85の
突出長さより短く設定した凹部87を形成してなるもので
ある。このブロック81は、図24に示すように、その一端
面84に設けた前記凸部85を、隣接して配置した他のブロ
ック81の端面86に設けた凹部87に嵌合して凸部85の突出
長さと凹部87の奥行き寸法との差の分だけ互いに離散し
た状態で多数のブロック81を順次連結し、隣接するブロ
ック81、81間の目地部分にモルタル88を充填すること
で、多数のブロック81・・が一体に連結された状態に施
工するものである。このように、ブロック81の一端面84
に凸部85を、他端面86に該凸部85の突出長さより奥行き
寸法の短い凹部87を設けて複数のブロック81を連結する
ことで、隣接するブロック81、81間の目地間隔を一定に
して境界ブロックなどを施工することができるのであ
る。
【0047】なお、上記のようにブロック81の両端面に
凸部85および凹部87を形成するには、例えば図25に示す
ように、コンクリート成形用型枠91の内部に、芯材挿着
用開口部93を設けた中駒92と、内面に凹部形成用凸部95
を形成した中駒94とを前記一方の中駒92の芯材挿着用開
口部93に芯材83の一端を挿着した状態で対向配置し、こ
の型枠91内にコンクリートを流し込むことで、両端面に
連結用の凸部85および凹部87が形成されたブロック81を
得ることができる。
【0048】また、図26に示すものは、コンクリート10
2 の内部に発泡合成樹脂製の芯材103 が包埋されたコン
クリートブロック101 の更に他の実施例を示すものであ
り、このコンクリート101 には、その側面104 、および
底面105 にそれぞれ凸条106、107 が形成されている。
このコンクリートブロック101 は、例えば図27に示すよ
うに地盤Gの上に、歩道Aと車道Bとの片面境界ブロッ
クとして施工するに際して、歩道Aの側面、および地盤
G面に予め形成した凹部108 、109 に前記、ブロック10
1 の側面104 および底面105 の凸条106 、107 の位置を
合わせて施工することで、ブロック101 を所定に位置に
正確に設置可能であるとともに、施工が完了するまでの
間のブロック101 の位置ズレを防止することもできる。
【0049】上記のようなにブロック101 の側面104 お
よび底面105 にそれぞれ凸条106 、107 を形成するに
は、例えば図28に示すように、型枠111 の底面112 と側
面113とに沿ってそれぞれ型枠111 から脱離可能に装着
される中駒114 、115 に、凸条形成用の凹溝116 、117
を形成しておくことで、側面104 および底面105 に凸条
106 および107 が形成されたブロック101 を簡単に製造
することができる。
【0050】更に、図29に示すものは、外形をブロック
状に成形されたコンクリート122 の内部に発泡合成樹脂
製の芯材123 を包埋してなるコンクリート境界ブロック
121の他の実施例を示すものであって、このブロック121
は、前記芯材123 をブロックの一端面から突出させて
形成した連結用凸部124 と、他端面に設けた連結用凹部
125 に加えて、その側面と底面とに位置決め用の凸条12
6 、127 とを併設したものである。このブロック121 の
製造は、図25に示す型枠91の中駒92、94、および図28に
示した中駒114 、115 を併用することで簡単に製造する
ことができる。
【0051】このように、本発明によれば、コンクリー
トの内部に発泡合成樹脂製の芯材が包埋されて、軽量化
されるとともに、製品として必要とされる強度だけでな
く、施工性などの点においても優れたコンクリート二次
製品を提供することができる。
【0052】
【発明の効果】成形されたコンクリートの内部に発泡合
成樹脂製芯材が包埋されたコンクリート境界ブロックで
あって、ブロック全体に対する芯材の容積率が25〜5
0%であるコンクリート境界ブロックにおいては、内部
に軽量な芯材を包埋させて軽量化したことで、運搬コス
トの軽減、作業の省力化による施工コストの低減および
作業者の負担軽減が可能となるうえに、芯材の分だけコ
ンクリートの使用量が減ることで材料費のコストダウ
ン、および養生時間、また蒸気による強制養生の場合に
は養生時に費やされる熱量をも低減することができ製造
費のコストダウンも可能となる。しかも、芯材の容積率
を上記の範囲とすることにより、ブロックとして必要と
される十分な強度を維持したままで軽量化を達成するこ
とができ、JIS A 5307に規定する曲げ試験方
法により測定した曲げ強さ荷重は60kN以上のものと
なり、コンクリート境界ブロックとして必要とされる十
分な強度を達成できる。また、芯材の容積率を前記の範
囲とすることで、適度な大きさの骨材を使用してブロッ
クの強度を維持することができる。更に、芯材をブロッ
クの上部に偏在させれば、ブロックの安定性も向上す
る。
【0053】また、成形されたコンクリートの内部に発
泡合成樹脂製芯材を包埋したコンクリート二次製品であ
って、芯材の表面に形成された凹条により芯材表面と接
しているコンクリート内面にリブが形成されてなる軽量
コンクリート二次製品においては、内部に包埋された発
泡合成樹脂製芯材により製品の軽量化が実現されると同
時に、芯材の容積率が同じ場合には、内面に形成された
リブによりコンクリート部分が補強されることで、芯材
の容積率を高めて一層の軽量化を図ると同時に製品とし
て必要とされる強度を維持することができる。
【0054】更に、成形されたコンクリートの内部に発
泡合成樹脂製芯材が包埋されたコンクリート二次製品で
あって、芯材の表面に、先端部が製品の外面または外面
近傍に達する凸部が設けられた軽量コンクリート二次製
品は、コンクリート型枠の内部に、先端部が型枠の内面
または内面近傍に達する凸部をその表面に設けた発泡合
成樹脂製の芯材を装填して型枠内にコンクリートを流し
込むことで製造されるが、型枠内に装填された芯材は、
その表面に設けられた芯材位置決め用となる凸部によっ
て型枠内面との間隔が常に所定の距離に保持された状態
で型枠内に装填されることから、形成されたコンクリー
ト内部におけるほぼ一定の位置に芯材が包埋された品質
の安定した製品を大量生産することが可能となる。
【0055】また、上方に開口したコンクリート型枠の
内部に、発泡合成樹脂製の芯材を装填し、芯材上方の型
枠開口部と略同じ高さに係止片を配置した状態で型枠内
にコンクリートを流し込むコンクリート二次製品の製造
方法は、前記係止片により芯材の浮上を阻止した状態で
型枠内にコンクリートを流し込み、そのままの状態で養
生固化させることで、コンクリートの内部に芯材が包埋
された製品を簡単に得ることができる。
【0056】上記のような本発明に係る軽量コンクリー
ト二次製品の製造方法は、比較的小型のコンクリート二
次製品、特に、歩車道境界ブロック、地先境界ブロック
などのコンクリート境界ブロックの製造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコンクリート境界ブロックの実
施例を示す一部切欠斜視図。
【図2】 前記ブロックの縦断側面図。
【図3】 曲げ強度試験に用いたブロックの寸法説明
図。
【図4】 本発明に係るコンクリート二次製品の実施例
を示すコンクリート境界ブロックの一部切欠斜視図。
【図5】 図4のブロックの縦断側面図。
【図6】 前記ブロックの他例を示す縦断側面図。
【図7】 本発明に係るコンクリート二次製品の他実施
例を示すコンクリート境界ブロックの一部切欠斜視図。
【図8】 図8のブロックを成形するための型枠に発泡
合成樹脂製芯材を装填した状態の縦断側面図。
【図9】 図8のブロックを成形するための型枠に発泡
合成樹脂製芯材を装填した状態の斜視図。
【図10】 図9の型枠内にコンクリートを流し込んでブ
ロックを成形する様子を示す縦断側面図。
【図11】 前記型枠内にコンクリートを流し込んで他の
ブロックを成形する様子を示す縦断側面図。
【図12】 発泡合成樹脂製芯材表面の位置決め用凸部の
他例を示す斜視図。
【図13】 本発明に係るコンクリート二次製品の製造方
法の他例を示す型枠および芯材の縦断側面図。
【図14】 本発明に係るコンクリート二次製品の製造方
法に用いられるコンクリート型枠の他実施例を示す斜視
図。
【図15】 図14の型枠における係止片部分の拡大斜視
図。
【図16】 図14の型枠内に発泡合成樹脂製芯材を装填す
る様子を示す縦断側面図。
【図17】 図14の型枠を用いてコンクリート二次製品を
製造する様子を示す縦断側面図。
【図18】 前記型枠が製造ラインのコンベア上を流れる
間に係止片を回転操作する様子を示す斜視図。
【図19】 前記型枠から養生固化後のコンクリート二次
製品を取り出す様子を示す斜視図。
【図20】 型枠内における芯材の浮き上がりを防止する
ための係止片の他実施例を示す型枠の平面図。
【図21】 本発明に係るコンクリート二次製品の他実施
例を示す水抜きブロックの斜視図。
【図22】 水抜きブロックの他実施例を示す斜視図。
【図23】 本発明に係るコンクリート二次製品の他実施
例を示すコンクリート境界ブロックの斜視図。
【図24】 図23のブロックを連結施工した状態の平面
図。
【図25】 図23のブロックを製造するためのコンクリー
ト型枠の分解斜視図。
【図26】 本発明に係るコンクリート二次製品の他実施
例を示すコンクリート境界ブロックを下方から見た斜視
図。
【図27】 図26のブロックの施工例を示す縦断側面図。
【図28】 図26のブロックを製造するためのコンクリー
ト型枠の縦断側面図。
【図29】 本発明に係るコンクリート二次製品の他実施
例を示すコンクリート境界ブロックを下方から見た斜視
図。
【符号の説明】
1:ブロック、 2:コンクリート、 3:発泡合成樹
脂製芯材、4:骨材、 11:ブロック、 12:コンクリ
ート、13:発泡合成樹脂製芯材、 14:骨材、 15:凹
条、 16:凹条、17:リブ、 18:リブ、 31:ブロッ
ク、 32:コンクリート、33:発泡合成樹脂製芯材、
34:凸部、 35:凸部、 36:軸部材、37:鍔部、 4
1:型枠、 42:係止片、 43:型枠開口縁、44:返し
部、 45:取付部、 46:芯材保持部材、 51:係止
片、52:中間屈曲部、 53:先端部分、 54:回転軸、
55:コンベア、56:ストッパー、 57:基端部、 6
1:係止片、 62:回転軸、63:フック部、 64:係合
軸、 65:ストッパー、71:水抜きブロック、 72:発
泡合成樹脂製芯材、73:発泡合成樹脂製芯材、 81:ブ
ロック、 82:コンクリート、83:発泡合成樹脂製芯
材、 84:端面、 85:連結用凸部、86:端面、 87:
連結用凹部、 88:モルタル、 91:型枠、92:中駒、
93:装着口、 101 :ブロック、 102 :コンクリー
ト、103 :発泡合成樹脂製芯材、 104 :側面、 105
:底面、106 :凸条、 107 :凸条、 108 :凹部、
109 :凹部、111 :コンクリート型枠、 112 :底
面、 113 :側面、114 :中駒、 115 :中駒、 116
:凹溝、 117 :凹溝、121 :コンクリート境界ブロ
ック、 122 :コンクリート、123 :発泡合成樹脂製芯
材、 124 :連結用凸部、 125 :連結用凹部、126 :
凸条、 127 :凸条。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒石 修 大阪府大阪市住吉区苅田6丁目6番14号 (72)発明者 谷本 開 兵庫県伊丹市東野1丁目70番地 (72)発明者 斎藤 民治 埼玉県草加市手代町283番地 (72)発明者 峰永 健 大阪府堺市浜寺町諏訪森町中2−228 ド ムス諏訪森503

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形されたコンクリートの内部に発泡合
    成樹脂製芯材が包埋されたコンクリート境界ブロックで
    あって、ブロック全体に対する芯材の容積率が25〜5
    0%であるコンクリート境界ブロック。
  2. 【請求項2】 発泡合成樹脂製芯材の発泡倍率が10〜
    100倍である請求項1記載のコンクリート境界ブロッ
    ク。
  3. 【請求項3】 コンクリートの骨材として、直径が略2
    5mm程度の骨材が使用されてなる請求項1記載のコン
    クリート境界ブロック。
  4. 【請求項4】 芯材がブロックの上部に偏在してなる請
    求項1記載のコンクリート境界ブロック。
  5. 【請求項5】 JIS A 5307に規定する曲げ試
    験方法により測定した曲げ強さ荷重が60kN以上であ
    る請求項1記載のコンクリート境界ブロック。
  6. 【請求項6】 成形されたコンクリートの内部に発泡合
    成樹脂製芯材が包埋されたコンクリート二次製品であっ
    て、芯材の表面に形成された凹条により芯材表面と接し
    ているコンクリート内面にリブが形成されてなる軽量コ
    ンクリート二次製品。
  7. 【請求項7】 芯材の長手方向にそって形成された凹条
    によりコンクリート内面に製品の長手方向にそってリブ
    が形成されてなる請求項6記載の軽量コンクリート二次
    製品。
  8. 【請求項8】 芯材に形成された凹条が断面波形である
    請求項6記載の軽量コンクリート二次製品。
  9. 【請求項9】 成形されたコンクリートの内部に発泡合
    成樹脂製芯材が包埋されたコンクリート二次製品であっ
    て、芯材の表面に、先端部が製品の外面または外面近傍
    に達する凸部が設けられた軽量コンクリート二次製品。
  10. 【請求項10】 芯材表面の凸部が芯材と一体成形され
    ている請求項9記載の軽量コンクリート二次製品。
  11. 【請求項11】 芯材の表面に、別部材からなる凸部が
    設けられた請求項9記載の軽量コンクリート二次製品。
  12. 【請求項12】 コンクリート境界ブロックである請求
    項6〜11のいずれかに記載の軽量コンクリート二次製
    品。
  13. 【請求項13】 コンクリート型枠の内部に、先端部が
    型枠の内面または内面近傍に達する凸部をその表面に設
    けた発泡合成樹脂製の芯材を装填し、型枠内にコンクリ
    ートを流し込むことを特徴とする軽量コンクリート二次
    製品の製造方法。
  14. 【請求項14】 上方に開口したコンクリート型枠の内
    部に、発泡合成樹脂製の芯材を装填し、芯材上方の型枠
    開口部と略同じ高さに係止片を配置した状態で型枠内に
    コンクリートを流し込むことを特徴とする軽量コンクリ
    ート二次製品の製造方法。
  15. 【請求項15】 型枠の開口縁から型枠内方に向かって
    略水平に係止片を突設するとともに、前記係止片を中間
    部で下方へ屈曲自在とした型枠を用い、前記係止片を中
    間部から下方へ屈曲させながら型枠内へ芯材を装填した
    後、屈曲した係止片を水平方向へ復帰させて芯材上方に
    係止片を配置してなる請求項14記載の軽量コンクリー
    ト二次製品の製造方法。
  16. 【請求項16】 係止片が、型枠開口縁に取り付けた回
    転軸を中心として水平方向に回転可能に設けられた型枠
    を用いてなる請求項15記載の軽量コンクリート二次製
    品の製造方法。
  17. 【請求項17】 型枠における相対向する一対の開口縁
    間に係止片を着脱自在に架設してなる請求項14記載の
    軽量コンクリート二次製品の製造方法。
  18. 【請求項18】 上方に開口したコンクリート型枠内
    に、側面に前記型枠内面または型枠内面近傍に達する凸
    部を設けるとともに上面に上向きに突出した凸部を設け
    た発泡合成樹脂製芯材を装填し、前記型枠の開口縁に前
    記芯材上面の凸部上方に位置する係止片を取り付けた状
    態で型枠内にコンクリートを流し込んでコンクリート中
    に埋没させ、蒸気にてコンクリートを強制養生して固化
    させたのち、前記係止片を型枠の上方開口部から取り除
    き、コンクリート製品を取り出すことを特徴とする軽量
    コンクリート二次製品の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010079017A (ko) * 2001-06-04 2001-08-22 양영규 도로용 보차도 및 도로경계블록의 제조방법
US6590232B2 (en) 2000-08-28 2003-07-08 Sharp Kabushiki Kaisha Optical coupling semiconductor apparatus and method for manufacturing the same
KR100666780B1 (ko) 2006-04-18 2007-01-09 한부영 합성수지계 도로경계석
KR100809956B1 (ko) 2006-05-15 2008-03-06 강릉대학교산학협력단 복합재료를 이용한 도로 경계석

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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