JPH11117171A - 連結マット及び繊維強化熱可塑性シートの製造方法 - Google Patents

連結マット及び繊維強化熱可塑性シートの製造方法

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JPH11117171A
JPH11117171A JP9277281A JP27728197A JPH11117171A JP H11117171 A JPH11117171 A JP H11117171A JP 9277281 A JP9277281 A JP 9277281A JP 27728197 A JP27728197 A JP 27728197A JP H11117171 A JPH11117171 A JP H11117171A
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mat
fiber
thickness
producing
mats
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JP9277281A
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Inventor
Koji Fujimoto
浩司 藤本
Hisashi Eguchi
尚志 江口
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連結部の引張による破断や、すけるといった問
題のない繊維強化熱可塑性シートを与える繊維マットの
連結方法を提供する。 【解決手段】この発明は、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維
とからなる繊維マット(絡合マット)14の端部を長さ
方向に連結して長尺の連結マット16を製造する方法で
ある。端部14bの厚みが減少された繊維絡合マット1
4を製造する端部厚減少マット製造工程と、端部厚減少
マット製造工程により得られた繊維絡合マット14の端
部14b同志を重ね合わせて二つの繊維絡合マット14
を連結して一つの連結マット16とするマット連結工程
とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、強化繊維と熱可
塑性樹脂繊維とから構成される繊維マットを連結した連
結マットの製造方法とその連結マットから得られる繊維
強化熱可塑性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とから構成
された複合物から形成され、熱可塑性樹脂繊維と強化繊
維との間を強く密着させた繊維強化熱可塑性シートが、
例えば特公昭61−130345号公報により知られて
いる。この公報によれば、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維
とから複合物ヤーンが製造され、このヤーンから直接、
またはこのヤーンが裁断されてステープルとなし、織
物、編み物、積層物(バット)などの布帛が形成され、
その布帛は、熱可塑性樹脂繊維の融点よりも高い温度に
加熱・加圧されることにより繊維強化熱可塑性シートが
得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、強化繊維と熱可
塑性樹脂とから繊維マットを形成し、このマット中の熱
可塑性樹脂を加熱加圧して引き取ることにより熱可塑性
樹脂を溶融して繊維強化熱可塑性シートを製造する方法
が考えられている。この繊維マットから、長尺ものの繊
維強化熱可塑性シートを成形する場合には、用いられる
繊維マットとしても長尺のものを用いる必要がある。
【0004】ここで、この混合繊維マットは、マット厚
みが厚いので、紙芯等に巻きつけて保管する場合、長尺
ものを巻くことができないので、この混合繊維マット
は、加熱成形に移送される前に、その端部同志を突き合
わせ、接合部はミシン等により縫製されて連結される。
【0005】しかしながら、縫製により繊維マットを連
結した場合、連結部(縫製部分)の強度が低下し、繊維
マットを加熱して引き取る際には引っ張りにて破断して
しまうという問題がある。これは、連結部の引張強度が
縫製に用いられる有機繊維またはガラス繊維などの糸の
強度に起因するためと思われる。
【0006】また、連結部の引張強度を高めるために繊
維マットの一部を重ねて縫製することも考えられるが、
この場合には、連結部が繊維マットの重なり合いにより
肉厚となったり、引っ張りにより、すけて(穴があい
て)薄肉となり、繊維強化熱可塑性シートとしての品質
を満足しない場合が生じる。
【0007】そこで、本発明は、連結部の引張による破
断や、すけるといった問題のない繊維強化熱可塑性シー
トを与える繊維マットの連結方法を提供することを目的
とする。併せて本発明は、安定した品質を有する長尺の
強化熱可塑性シートの製造方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、繊維マット端部の厚みを減少させ、減
少させたマットの端部同志を重ねあわせ、ニードルパン
チなどの手法により連結することにより、連結部の繊維
マットの形態は連結以外の部分と同等となり、連結部の
品質を満足させる繊維強化熱可塑性シートを得ることが
できることを見いだした。
【0009】すなわち、本発明の請求項1の発明は、熱
可塑性樹脂繊維と強化繊維とからなる繊維マットの端部
を長さ方向に連結して長尺の連結マットを製造する方法
において、前記端部の厚みが減少された繊維マットを製
造する端部厚減少マット製造工程と、該端部厚減少マッ
ト製造工程により得られた繊維マットの端部同志を重ね
合わせて二つの繊維マットを一つの連結マットに連結す
るマット連結工程とから構成されることを特徴とする連
結マットの製造方法である。
【0010】請求項2の発明は、前記端部の厚みは、繊
維マットの中間部厚みの略半分であることを特徴とする
請求項1に記載の連結マットの製造方法である。
【0011】請求項3の発明は、前記端部厚減少マット
製造工程は、連続的に供給される繊維マットの原料供給
速度を一定にして繊維マットの成形速度を調節する方
法、前記成形速度を一定にして前記原料の供給速度を調
節する方法、または前記原料供給速度と前記成形速度と
の双方を調整する方法、から選択された方法により部分
的に厚みの減少された繊維マットを製造する工程と、得
られた繊維マットの厚み減少部分で該繊維マットを長さ
方向と直交する方向で切断する切断工程とを含むことを
特徴とする請求項1又は請求項2に記載の連結マットの
製造方法である。
【0012】請求項4の発明は、前記端部厚減少マット
製造工程は、前記繊維マットを成形する際にマットの中
間にフィルムを介在させる繊維マット製造工程と、中間
のフィルムを境に得られた繊維マットを分割する分割工
程と、フィルム介在部分で繊維マットを長さ方向と直交
する方向で切断する切断工程と、を組み合わせることを
特徴とする請求項1又は請求項2に記載の連結マットの
製造方法である。
【0013】請求項5の発明は、前記マットの連結工程
は、ニードルパンチによる絡合工程を含むことを特徴と
する請求項1〜4のいずれか1項に記載の連結マットの
製造方法である。
【0014】請求項6の発明は、請求項1〜請求項5の
いずれか1項に記載の製造法により得られた連結マット
を前記熱可塑性樹脂の融点以上、前記強化繊維の融解温
度以下で熱処理することを特徴とする繊維強化熱可塑性
シートの製造方法である。
【0015】請求項1のように構成すれば、熱可塑性樹
脂繊維と強化繊維とから端部の厚みが減少された繊維マ
ットが製造される。この繊維マットの厚みの減少された
端部同志は重ね合わされて二つの繊維マットは一つに連
結される。この連結部は重ね合わされているので、繊維
強化熱可塑性シートに成形した場合、引張による破断
や、すけるといった問題がない。
【0016】請求項2のように構成すれば、繊維マット
の端部厚みは、繊維マットの中間部厚みの略半分である
ので、重ね合わせ部分の厚みとその他の部分の厚みが略
等しくなる。これにより、長手方向に均一厚みの連結マ
ットを得ることができる。
【0017】請求項3のように構成すれば、繊維マット
の成形速度を調節するか又は原料供給速度を調節するこ
とにより繊維マットの厚みは部分的に減少される。この
厚みの減少された部分で切断することにより端部厚みの
減少された繊維マットが得られる。この工程は、成形速
度を調整するか又は原料供給速度を調整するだけである
ので、特別の設備や工程を必要としない。
【0018】請求項4のように構成すれば、繊維マット
を成形する際にマットの中間にフィルムを挟み込んだ繊
維マットが製造される。得られた繊維マットは、中間の
フィルムを境に分割できるので、繊維マットを切断する
切断工程とを組み合わせることにより端部の厚みが分割
により減少された繊維マットが得られる。この端部を接
合すれば、もとの厚さとなり、長手方向に厚みの均一な
連結マットが得られる。
【0019】請求項5のように構成すれば、マットはニ
ードルパンチ装置による絡合により連結されるので、こ
の連結部は、一体化されて確実に連結される。また、連
結部以外の部分もニードルパンチ装置により絡合させれ
ば、連結部とその他の部分とは全く同一の組成が保たれ
る。これにより、連結部の強度低下がなく、長手方向に
均一な組成の連結マットが得られる。
【0020】請求項6のように構成すれば、請求項1〜
請求項6のいずれか1項に記載の製造法により得られた
連結マットは熱処理されて、熱可塑性樹脂繊維と強化繊
維との間が強く密着された長尺の繊維強化熱可塑性シー
トが安定に製造される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】この実施の形態において用いられる熱可塑
性樹脂繊維としては、熱可塑性を有する樹脂から形成さ
れる繊維状のものであれば使用可能である。例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ナイ
ロン、アクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート
等の長繊維、短繊維が挙げられる。
【0023】これらの熱可塑性樹脂繊維は単独で使用さ
れても二種又はそれ以上が混合されて用いられてもよ
い。また、この繊維を形成する樹脂中には、熱安定剤、
可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、無機
充填材、補強単繊維等の添加剤、充填材、加工助剤、改
質剤等が添加されてもよい。
【0024】強化繊維としては引張弾性率が大きいもの
が好ましい。一般にその引張弾性率は10GPa以上の
ものが選択される。また、この強化繊維は、上述の熱可
塑性樹脂繊維との組み合わせにおいて、その熱可塑性樹
脂繊維の溶融温度において熱的に安定である繊維が選択
される。この強化繊維としては、例えばガラス繊維、カ
ーボン繊維、セラミック繊維等の無機繊維、ポリアミド
繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維、または金属繊維
等が挙げられる。強化繊維の直径は、限定されないが、
1〜50μmの範囲内が好ましく、2〜30μmの範囲
内が特に好ましい。直径が1μm未満の場合には、繊維
強化熱可塑性シートに成形した場合の強度が充分ではな
い。また、逆に50μmを超える場合には、熱可塑性樹
脂繊維で強化繊維間を密着させることが困難となり、強
度が発現できない場合がある。
【0025】この発明においては、この熱可塑性樹脂繊
維と強化繊維との2種類の繊維からマットが形成される
が、このマットの形成方法については特には限定されな
い。例えば、図1に示すようなマット形成装置1を用い
た形成方法が一例として示される。
【0026】まず、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とは適
当な長さに切断され、図示を略す開繊機にて開繊されな
がら混合され、エアにて図1のマット形成装置1に搬送
される。この搬送された混合繊維2は、まずホッパ3内
に投入され、下方のタンク4に落下する。ついで落下し
た混合繊維2は定量供給機としての一対のコンベア5
a、5bにより左右に振り分けられると共に、その一定
量がコンベア6a、6bを介して抄造機7a、7bに供
給される。ついで、回転している抄造機7a、7bによ
ってコンベア8a、8b上に吹き付けられマット9a、
9bが形成される。マット9bはコンベア10により搬
送される。コンベア8aの終点付近にてマット9bにマ
ット9aが重ね合わされ積層マット9が得られる。この
積層マット9のマット9aとマット9bとの境界線は必
ずしも明確ではないが、符号11として表されている。
得られた積層マット9は、搬送コンベア12によりニー
ドルパンチ装置(図示を略す)に搬送され、さらに、巻
取り機(図示を略す)にてロール状に所定の長さで巻き
取られる。ニードルパンチ装置では、積層マット9は、
ニードリングによりその繊維が絡合されるがその詳細は
後述される。
【0027】このマット成形装置1を用い、マット9a
の原料の供給を一時的に停止すれば、すなわち、一時的
にコンベア5a、6a、抄造機7a、コンベア8aを停
止すれば、図2に示すように、停止時間に応じて長さl
の間、マット9aの送給が停止され、この間の厚みが半
減された積層マット9が得られる。
【0028】また、コンベア5,6抄造機7、コンベア
8に供給する混合繊維の量を半減させることにより、図
3に示すように、供給量を半減させた時間に応じて長さ
lの間、マット9a、9bの双方の厚みが半減された積
層マット9が得られる。この図3に示す積層マットは、
例えば、供給量を一定に保っても、ベルト8a、8b及
びコンベアベルト10、12の送り速度を2倍に速める
ことにより、同様にマット9a、9bの双方の厚みがベ
ルト速度を速めた時間に応じた長さlの間、マット9
a、9bの双方の厚みが半減された積層マット9を得る
ことができる。この積層マットの厚みは、このように、
原料供給速度、成形速度、またはその双方を調整するこ
とにより任意に調整することができる。
【0029】図2に示す積層マット9は、図4(a)に
示すように、ニードルパンチ装置13に移送され、ニー
ドリングすることにより、マット9aとマット9bとは
絡合されて一体化される。ニードリングを十分に行う
と、図4(b)に示すように、厚み方向にマット9aと
マット9bとの境界がなくなり、マット9bから構成さ
れた厚みが半減された中間部14aを有する均一な絡合
マット14を得ることができる。この絡合マット14は
厚みの半減された端部14bを残してこの中間部14a
の任意の位置で切断され、両端部の厚みが半減された所
定の長さの絡合マット14が得られる。
【0030】ついで、上記絡合マット14を複数連結し
て一つの連結マットを形成し、後述の長尺な繊維強化熱
可塑性シートを形成する場合には、図5に示すように、
その端部14b同志が符号15を境界線として互いに重
ね合わされて接合される。この図5では、この重ね合わ
せ部はニードリング装置13´によりニードリングされ
て一体化されている。ニードリングを十分に行うと、図
6に示すように、境界線15は認められなくなり、均一
な連結マット16を得ることができる。なお、図5、図
6において符号17はニードリングマークを示すが、こ
のニードリングマーク17の個数は省略されている。
【0031】このように、端部14bの厚みを積層マッ
ト9の厚みの半分とすることにより、連結部が他の部分
と同一厚みとすることができる。また、この連結部をニ
ードリングすることにより、この連結部は一体化されて
確実に連結される。また、連結部以外の部分もニードル
パンチ装置により絡合されているので、連結部とその他
の部分とは全く同一の組成が保たれる。これにより、連
結部の強度低下がなく、長手方向に均一な組成の連結マ
ットが得られる。
【0032】以上の説明では、この連結部は、ニードリ
ングにより行ったが、縫製によることもできる。また、
連結部の補強のため、さらに、ガラス繊維や有機繊維に
より縫製して補強させてもよい。
【0033】また、端部同志を連結する際に、連結部に
ニードルパンチをかける場合には、積層マット9の段階
で、中間部14a(端部14b)には、ニードルパンチ
をかけずにマット状にしておき、端部接合時に端部同志
を重ね合わせてニードルパンチをかけて絡合してもよ
い。
【0034】端部14bの厚さを減少させたマット9
は、中間にフィルムを介在させて製造した混合繊維マッ
トから、中間のフィルムを境に分割して製造することも
できる。
【0035】例えば、中間部14aとなるために必要な
長さlのフィルム18を用意する。図1に示すマット成
形装置1において、マット9aとマット9bとの間に、
そのフィルム18を介在させると、図7に示す積層マッ
ト9´が得られる。この積層マット9´は、フィルム1
8を境にマット9aとマット9bとに厚み方向に分割可
能であるので、積層マット9´を切断する切断工程を組
み合わせることにより端部の厚みが分割により減少され
た繊維マットが得られる。
【0036】例えば、フィルム18を介在した部分の長
さと直交する方向でこの積層マット9´を切断する。つ
いで、このフィルム18を境にこのフィルム介在部分の
マット9aとマット9bとを引き剥がす。端部14bと
なるために必要な長さを残して切断し、このフィルム1
8を除去すれば、端部14bの厚みが減少された積層マ
ットが得られる。その端部14b同志を重ね合わせれ
ば、図5と全く同様な絡合マット14が得られる。その
後は、同様にして連結されて連結マット16とすること
ができる。この方法によれば、連結マット16は、常に
長手方向に厚みの均一な連結マットが得られる。この端
部を接合すれば、もとの厚さとなり、長手方向に厚みの
均一な連結マット16が得られる。
【0037】このフィルムとして、例えば熱可塑性樹脂
繊維を構成する樹脂と同一のものを使用すれば、後述す
る加熱処理の工程で、この熱可塑性樹脂は強化繊維を密
着させるために用いることもできる。この場合、このフ
ィルム18は除去されずに連結されて、繊維強化熱可塑
性シートの成形工程に移送される。このとき、熱可塑性
樹脂繊維に比較して、このフィルム18を構成する樹脂
は、融点が低い方が好ましい。これにより、後述される
加熱処理工程でこのフィルム18を構成する樹脂が容易
に溶融されて樹脂と強化繊維とが一体化された繊維強化
熱可塑性シートが得られる。これらの樹脂は、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ナ
イロン、アクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスル
ホン、ポリエーテルエーテルケトンなどである。
【0038】以上の工程により製造された連結マット1
6は、加熱され、必要に応じて加圧され、引き取られて
繊維強化熱可塑性シートが形成される。
【0039】次ぎに、実施例に基づき本発明を具体的に
説明する。
【0040】
【実施例1】 (積層マット、絡合マットの製造)図1に示す装置を用
い、熱可塑性樹脂繊維として溶融温度255°C、直径
約20μm、平均長さ約50mmのポリエチレンテレフ
タレート(PET)繊維を用い、強化繊維として直径約
10μm、平均長さ約50mmのカーボン繊維(CF)
を用いた。
【0041】これらの熱可塑性繊維と強化繊維とを開繊
しながら混合し、図1のマット成型装置1を用い積層マ
ット9を作成した。積層マット9は、ベルト12を搬送
され、ニードルパンチにて絡合(繊維同志が絡み合う)
され、絡合マット14とされる。この積層マット9の成
形速度は3m/分であった。また、得られた絡合マット
は、目付け量約500g/m2、CF:PET=40:
60(重量%)であり、その厚みは平均で7mmであっ
た。この絡合マット14は、紙芯にて、100mの長さ
で巻き取られた。
【0042】(積層マット、絡合マットの連結部の形
成;端部厚減少マット製造工程)前述の積層マット9の
製造工程において、連結部を形成するために30秒の
間、成形速度は6m/分に加速された。これにより、中
間部分の厚みが半減され、その長さlが3mの図3に示
す積層マット9が得られた。なお、このときのマット成
形工程での材料の供給量は一定である。この積層マット
9は、ニードリングされ絡合マット14とされる。
【0043】(マットの連結方法:マット連結工程)端
部継ぎ部分に用いるために絡合マット14は、厚み減少
部分の3mのうち、30cmだけを残して切り取られ、
端部14bの長さが30cmの絡合マット14とされ
る。この端部14b同志を重ね合わせて、ニードルパン
チにて接合して実施例1の連結マットを得た。
【0044】
【実施例2】 (積層マット、絡合マットの連結部の形成)実施例1の
積層マットの製造において、連結部に用いるために、マ
ット9aを形成するラインが一時的に停止された。これ
により、図2に示すような、長さlが3mであり、その
間の厚みが約1/2となった積層マット9を得た。その
他は、実施例1に準じて実施例2の連結マットを得た。
【0045】
【実施例3】 (積層マット、絡合マットの連結部の形成)実施例1の
積層マットの製造において、連結部に用いるため、マッ
ト9bがベルト10上を搬送されている間に、厚さ30
μmのPETフィルムが3m載置され、コンベア8aの
末端でマット9a、9bが積層されて、上下のマット9
a、9bの中間にPETフィルムが挟み込まれた。これ
により、図7に示すような、長さlが3mにわたって中
間にフィルム18が介在された積層マット9´が得られ
た。この積層マット9´は、ニードリングされ絡合マッ
ト14とされる。
【0046】実施例1と同様にして得たマット状混合物
の端部は、端部継ぎ部分とした (マットの連結方法)端部継ぎ部分に用いるために絡合
マット14は、フィルム介在部の3mのうち、30cm
だけを残して切り取られ、フィルム18を介在させたま
まで、端部14bの30cm同志が重ね合わされた。そ
の後、この重ね合わせ部にニードルパンチが施されて、
二つの絡合マット14は連結された。その他は、実施例
1と同様にして実施例3の連結マットを得た。
【0047】
【比較例】図8に示すように、実施例1で得られた端部
厚みが減少されていない絡合マット14同志の端部を付
き合わせてガラス糸19にて縫い合わせて比較例の連結
マットを得た。
【0048】(繊維強化熱可塑性シートの成形)実施例
及び比較例において得られた絡合マット14を100m
ごとに連結し、連結マット16を500m作成し、図9
に示す繊維強化熱可塑性シート成形装置にて以下に記す
成形条件にて繊維強化熱可塑性シートの成形を5回行っ
た。
【0049】図9において、連結マット(混合繊維マッ
ト)16はマット繰出機20に巻かれている。この連結
マット16は、加熱炉21に連続的に投入され、加熱ロ
ール22、冷却ロール23、引取機24を経て巻き取り
機25にて巻き取られる。この加熱炉21には、上下に
各6本相対向して配置された遠赤ヒータ26が設置され
て、連結マット16は、支持ロール27上に支持されな
がら、炉内28を通過する。この炉内28のマット通過
部の雰囲気温度は285℃に設定されている。
【0050】加熱ロール22としては、ロール径250
mmのものが使用され、ロール表面温度は100℃、加
熱ピンチ圧は線圧で20kgf/cmに設定されてい
る。また、冷却ロール23としては、ロール径250m
mのものが使用され、ロール表面温度は30℃、冷却ピ
ンチ圧は線圧で20kgf/cmに設定されている。成
形速度は、巻き取り時のラインスピードで1.5m/分
に設定されている。
【0051】得られた繊維強化熱可塑性シート29の巾
は500mmであり、その評価結果を表1に示した。い
ずれの実施例の連結マットも連結部のすけ(隙間)発生
やシート成形時の破断は起こらなかったが、ミシンによ
り縫製した比較例のものは、2箇所ですけ発生が認めら
れた。また、本発明の繊維強化熱可塑性シート29はい
ずれも引張強度が高く、工程通過性が優れていることが
わかる。
【0052】 [表1] 連結部のすけ(隙間)発生 成形時の破断 シートの引張強度 実施例1 (0/5)箇所 (0/5)回 5.2kgf/mm2 実施例2 (0/5)箇所 (0/5)回 4.8kgf/mm2 実施例3 (0/5)箇所 (0/5)回 5.8kgf/mm2 比較例 (2/5)箇所 (1/5)回 1.6kgf/mm2
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の発明によれば、厚みの減少された端部同志が重ね合わ
されて二つの繊維マットは一つに連結されるので、この
連結部は重ね合わされ、繊維強化熱可塑性シートに成形
した場合、引張による破断や、すけるといった問題がな
い。
【0054】請求項2の発明によれば、重ね合わせ部分
の厚みとその他の部分の厚みが略等しくなる。これによ
り、長手方向に均一厚みの連結マットを得ることができ
る。
【0055】請求項3の発明によれば、成形速度や原料
供給速度を調整するだけで端部の厚みの減少された繊維
マットが提供される。この工程は、特別の設備や工程を
必要としない。
【0056】請求項4の発明によれば、繊維マットの中
間にフィルムを挟み込んだ繊維マットが製造され、中間
のフィルムを境に分割すれば、端部厚みが減少された繊
維マットが得られる。この端部を接合すれば、もとの厚
さとなり、長手方向に厚みの均一な連結マットが得られ
る。
【0057】請求項5の発明によれば、繊維マットはニ
ードルパンチにより連結されるので、この連結部は、ニ
ードルパンチにより確実に連結されると共に、その他の
部分と全く同一の組成が保たれる。これにより、連結部
の強度低下がなく、長手方向に均一な組成の連結マット
が得られる。
【0058】請求項6の発明によれば、請求項1〜請求
項6のいずれか1項に記載の製造法により得られた連結
マットから、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維との間が強く
密着された繊維強化熱可塑性シートが製造される、とい
う実用的な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】混合繊維マットの製造方法の一例である。
【図2】本発明の端部連結方法を説明するための中間の
マットの断面図である。
【図3】本発明の端部連結方法を説明するための中間の
マットの断面図である。
【図4】本発明の連結マットの製造方法の一例を説明す
る図であり、(a)は斜視模式図、(b)は、断面模式
図である。
【図5】本発明の連結マットの製造方法の一例を説明す
る図であり、(a)は斜視模式図、(b)は、断面模式
図である。
【図6】本発明の連結マットを説明する図であり、図6
(a)は斜視模式図、図6(b)は、断面模式図であ
る。
【図7】本発明の端部連結方法を説明するための中間の
マットの断面図である。
【図8】従来の混合繊維マットの端部の接合方法を説明
する斜視模式図である。
【図9】繊維強化熱可塑性シートの製造例を示す工程図
である。
【符号の説明】
1 マット成形装置 9 積層マット 9a、9b マット 14 絡合マット 14a 端部 16 連結マット(混合繊維マット)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とからなる
    繊維マットの端部を長さ方向に連結して長尺の連結マッ
    トを製造する方法において、 前記端部の厚みが減少された繊維マットを製造する端部
    厚減少マット製造工程と、 該端部厚減少マット製造工程により得られた繊維マット
    の端部同志を重ね合わせて二つの繊維マットを連結して
    一つの連結マットに連結するマット連結工程とから構成
    されることを特徴とする連結マットの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記端部の厚みは、繊維マットの中間部
    厚みの略半分であることを特徴とする請求項1に記載の
    連結マットの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記端部厚減少マット製造工程は、連続
    的に供給される繊維マットの原料供給速度を一定にして
    繊維マットの成形速度を調節する方法、前記成形速度を
    一定にして前記原料の供給速度を調節する方法、または
    前記原料供給速度と前記成形速度との双方を調整する方
    法、から選択された方法により部分的に厚みの減少され
    た繊維マットを製造する工程と、得られた繊維マットの
    厚み減少部分で該繊維マットを長さ方向と直交する方向
    で切断する切断工程とを含むことを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の連結マットの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記端部厚減少マット製造工程は、前記
    繊維マットを成形する際にマットの中間にフィルムを介
    在させる繊維マット製造工程と、中間のフィルムを境に
    得られた繊維マットを分割する分割工程と、フィルム介
    在部分で繊維マットを長さ方向と直交する方向で切断す
    る切断工程と、を組み合わせることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の連結マットの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記マットの連結工程は、ニードルパン
    チ装置による絡合工程を含むことを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の連結マットの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記
    載の製造法により得られた連結マットを前記熱可塑性樹
    脂の融点以上、前記強化繊維の融解温度以下で熱処理す
    ることを特徴とする繊維強化熱可塑性シートの製造方
    法。
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