JP2000302881A - 連結マット及び繊維強化熱可塑性シートの製造方法 - Google Patents

連結マット及び繊維強化熱可塑性シートの製造方法

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JP2000302881A
JP2000302881A JP11110991A JP11099199A JP2000302881A JP 2000302881 A JP2000302881 A JP 2000302881A JP 11110991 A JP11110991 A JP 11110991A JP 11099199 A JP11099199 A JP 11099199A JP 2000302881 A JP2000302881 A JP 2000302881A
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fiber
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thermoplastic resin
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Shingo Sudo
新吾 須藤
Koji Fujimoto
浩司 藤本
Takahiro Ishihira
貴裕 石平
Mitsuhiro Kurokawa
三広 黒川
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連結部の引張による破断や、すけるといった問
題のない繊維強化熱可塑性シートを与える繊維マットの
連結方法を提供する。 【解決手段】この発明は、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維
とからなる繊維マットMの端部Maを長さ方向に連結し
て長尺の連結マットを製造する方法である。この端部M
aの目付が減少された繊維マットを製造する端部目付減
少マット製造工程と、端部目付減少マット製造工程によ
り得られた繊維マットMの端部Ma同志を重ね合わせて
二つの繊維マットを連結して一つの連結マットに連結す
るマット連結工程とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、強化繊維と熱可塑性
樹脂繊維とから構成される繊維マットを連結した連結マ
ットの製造方法とその連結マットから得られる繊維強化
熱可塑性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とから構成
された複合物から形成され、熱可塑性樹脂繊維と強化繊
維との間を強く密着させた繊維強化熱可塑性シートが、
例えば特公昭61−130345号公報により知られて
いる。この公報によれば、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維
とから複合物ヤーンが製造され、このヤーンから直接、
またはこのヤーンが裁断されてステープルとなし、織
物、編み物、積層物(バット)などの布帛が形成され、
その布帛は、熱可塑性樹脂繊維の融点よりも高い温度に
加熱・加圧されることにより繊維強化熱可塑性シートが
得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、強化繊維と熱可
塑性樹脂とから繊維マットを形成し、このマット中の熱
可塑性樹脂を加熱加圧して引き取ることにより熱可塑性
樹脂を溶融して繊維強化熱可塑性シートを製造する方法
が考えられている。この繊維マットから、長尺ものの繊
維強化熱可塑性シートを成形する場合には、用いられる
繊維マットとしても長尺のものを用いる必要がある。
【0004】ここで、この混合繊維マットMは、マット
厚みが厚いので、紙芯等に巻きつけて保管する場合、長
尺ものを巻くことができないので、複数の混合繊維マッ
トM1,M2は、加熱成形に移送される前に、その端部
Ma同志を突き合わせ、例えば、図11に示すように、
接合部はミシン等により有機繊維又はガラス繊維19な
どにより縫製されて連結される。
【0005】しかしながら、縫製により繊維マットを連
結した場合、連結部(縫製部分)の強度が低下し、繊維
マットを加熱して引き取る際には引っ張りにて破断して
しまうという問題がある。これは、連結部の引張強度が
縫製に用いられる有機繊維またはガラス繊維などの糸の
強度に起因するためと思われる。
【0006】また、連結部の引張強度を高めるために繊
維マットの一部を重ねて縫製することも考えられるが、
この場合には、連結部が繊維マットの重なり合いにより
肉厚となったり、引っ張りにより、すけて(穴があい
て)薄肉となり、繊維強化熱可塑性シートとしての品質
を満足しない場合が生じる。
【0007】そこで、本発明は、連結部の引張による破
断や、すけるといった問題のない繊維強化熱可塑性シー
トを与える繊維マットの連結方法を提供することを目的
とする。併せて本発明は、安定した品質を有する長尺の
強化熱可塑性シートの製造方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発明は、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とからなる繊維
マットの端部を長さ方向に連結して長尺の連結マットを
製造する方法において、前記端部の目付が減少された繊
維マットを製造する端部目付減少マット製造工程と、該
端部目付減少マット製造工程により得られた繊維マット
の端部同志を重ね合わせて一つの連結マットに連結する
マット連結工程とから構成されることを特徴とする連結
マットの製造方法である。
【0009】請求項2に記載の発明は、前記端部目付減
少マット製造工程は、ニードルパンチ装置によることを
特徴とする請求項1に記載の連結マットの製造方法であ
る。
【0010】請求項3に記載の発明は、前記端部目付減
少マット製造工程は、複数の針を有する回転ロールによ
ることを特徴とする請求項1に記載の連結マットの製造
方法である。
【0011】請求項4に記載の発明は、前記マットの連
結工程は、ニードルパンチ装置による絡合工程を含むこ
とを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記
載の連結マットの製造方法である。
【0012】請求項5に記載の発明は、熱可塑性樹脂繊
維と強化繊維とからなる繊維マットの端部を長さ方向に
連結して長尺の連結マットを製造する方法において、前
記端部を互いに嵌合可能な形状に加工する端部嵌合加工
工程と、該端部嵌合加工工程により得られた繊維マット
の端部同志を嵌合させて一つの連結マットに連結するマ
ット連結工程とから構成されることを特徴とする連結マ
ットの製造方法である。
【0013】請求項6に記載の発明は、前記マット端部
の嵌合形状は、該マット端部の厚み方向に凹凸を付与す
ることにより形成された凹凸構造であることを特徴とす
る請求項5に記載の連結マットの製造方法である。
【0014】請求項7に記載の発明は、前記凹凸構造
は、凸部が前記マットの全体厚みの2/3であり、凹部
が前記マットの全体厚みの1/3であることを特徴とす
る請求項5に記載の連結マットの製造方法である。
【0015】請求項8に記載の発明は、前記マット端部
の嵌合形状は、該マット端部の幅方向に凹凸を付与する
ことにより形成された凹凸構造であることを特徴とする
請求項5に記載の連結マットの製造方法である。
【0016】請求項9に記載の発明は、前記マットの連
結工程は、ニードルパンチ装置による絡合工程を含むこ
とを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれか1項に記
載の連結マットの製造方法である。
【0017】請求項10に記載の発明は、請求項1〜請
求項9のいずれか1項に記載の製造法により得られた連
結マットを前記熱可塑性樹脂の融点以上、前記強化繊維
の融解温度以下で熱処理することを特徴とする繊維強化
熱可塑性シートの製造方法である。
【0018】請求項1に記載の発明によれば、熱可塑性
樹脂繊維と強化繊維とから端部の目付が減少された繊維
マットが製造され、この繊維マットの目付の減少された
端部同志は重ね合わされて二つの繊維マットは一つに連
結される。この連結部は重ね合わされているので、繊維
強化熱可塑性シートに成形した場合、引張による破断
や、すけるといった問題がない。
【0019】請求項2に記載の発明によれば、ニードル
パンチによりマットは長さ方向に延びるので、マットの
目付を減少させることができる。
【0020】請求項3に記載の発明によれば、複数の針
を有する回転ロールによりその回転速度とマットの供給
速度を調製することによりマットを長さ方向に延ばすこ
とによりマットの目付を減少させることができる。
【0021】請求項4に記載の発明によれば、マットは
ニードルパンチ装置による絡合により連結されるので、
この連結部は、一体化されて確実に連結される。また、
連結部以外の部分もニードルパンチ装置により絡合させ
れば、連結部とその他の部分とは全く同一の組成が保た
れる。これにより、連結部の強度低下がなく、長手方向
に均一な組成の連結マットが得られる。
【0022】請求項5に記載の発明によれば、熱可塑性
樹脂繊維と強化繊維とから端部が互いに嵌合可能な形状
に加工された繊維マットが製造され、この繊維マットの
端部を嵌合させることにより二つの繊維マットは一つに
連結される。この連結部は嵌合されているので、繊維強
化熱可塑性シートに成形した場合、引張による破断や、
すけるといった問題がない。
【0023】請求項6に記載の発明によれば、厚み方向
に凹凸が形成されたマット端部の互いの凹凸構造を嵌合
させることにより、連結マットを得ることができる。
【0024】請求項7に記載の発明によれば、凸部と凹
部との厚みを凸部がマット厚みの2/3であり、凹部が
マット厚みの1/3に調節することにより、マットの連
結は一層確実となる。
【0025】請求項8に記載の発明によれば、互いのマ
ット端部の凹凸構造を嵌合させることにより、連結マッ
トを得ることができる。
【0026】請求項9に記載の発明によれば、マットは
ニードルパンチ装置による絡合により連結されるので、
この連結部は、一体化されて確実に連結される。また、
連結部以外の部分もニードルパンチ装置により絡合させ
れば、連結部とその他の部分とは全く同一の組成が保た
れる。これにより、連結部の強度低下がなく、長手方向
に均一な組成の連結マットが得られる。
【0027】請求項10に記載の発明によれば、請求項
1〜請求項9のいずれか1項に記載の製造法により得ら
れた連結マットは熱処理されて、熱可塑性樹脂繊維と強
化繊維との間が強く密着された長尺の繊維強化熱可塑性
シートが安定に製造される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について、図面を参照しつつ説明する。
【0029】この実施の形態において用いられる熱可塑
性樹脂繊維としては、熱可塑性を有する樹脂から形成さ
れる繊維状のものであれば使用可能である。例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ナイ
ロン(ポリアミド)、アクリロニトリル、ポリエチレン
テレフタレート等の長繊維、短繊維が挙げられる。
【0030】また、この発明の混合繊維マットには、こ
れらの熱可塑性樹脂繊維に併用されて適宜粉末状の熱可
塑性樹脂が含まれていてもよい。そのような熱可塑性樹
脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポ
リアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等の
他、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0031】これらの熱可塑性樹脂繊維は単独で使用さ
れても二種又はそれ以上が混合されて用いられてもよ
い。また、これらの樹脂中には、熱安定剤、可塑剤、滑
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填材、補
強単繊維等の添加剤、充填材、加工助剤、改質剤等が添
加されてもよい。
【0032】強化繊維としては引張弾性率が大きいもの
が好ましい。一般にその引張弾性率は10GPa以上の
ものが選択される。また、この強化繊維は、上述の熱可
塑性樹脂繊維との組み合わせにおいて、その熱可塑性樹
脂繊維の溶融温度において熱的に安定である繊維が選択
される。この強化繊維としては、例えばガラス繊維、カ
ーボン繊維、セラミック繊維等の無機繊維、ポリアミド
繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維、または金属繊維
等が挙げられる。強化繊維の直径は、限定されないが、
1〜50μmの範囲内が好ましく、2〜30μmの範囲
内が特に好ましい。直径が1μm未満の場合には、繊維
強化熱可塑性シートに成形した場合の強度が充分ではな
い。また、逆に50μmを超える場合には、熱可塑性樹
脂繊維で強化繊維間を密着させることが困難となり、強
度が発現できない場合がある。
【0033】この発明においては、この熱可塑性樹脂繊
維と強化繊維との2種類の繊維からマットが形成される
が、このマットの形成方法については特には限定されな
い。例えば、図1に示すようなマット形成装置1を用い
た形成方法が一例として示される。
【0034】まず、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とから
なる混合繊維MFは適当な長さに切断され、開繊されな
がら混合され、エアにてベルト2上に積層される。得ら
れた積層マットは、搬送コンベア2によりニードルパン
チ装置3に搬送され、さらに、図示を略す切断機などに
より所定長さ(例えば、100m)に切断されて巻き取
り機4にてロール状に巻き取られる。得られた混合繊維
マットMは、ニードリングによりその繊維が絡合されて
一体化されている。
【0035】得られた混合繊維マットMは、適宜の繊維
強化熱可塑性シート成形装置により、例えば、加熱加圧
されることにより、熱可塑性樹脂繊維の一部又は全部を
融解してマット間が接着された繊維強化熱可塑性シート
RSに成形され、巻き取り機に巻き取られる。
【0036】ここで、得られた繊維強化熱可塑性シート
RSは、原料となる混合繊維マットMに比較して厚みが
減少されているので、巻き取り機4に比較して長尺(例
えば、500m)の長さで巻き取ることができる。それ
故、繊維強化熱可塑性シート成形装置に供給される混合
繊維マットMは、100mごとに連結された連結マット
とされ、繊維強化熱可塑性シート成形装置に供給され
る。[連結マットの形成]この発明においては、混合繊
維マットMが連結されて連結マットとされた場合にも、
その連結部が透けたり、強力が低下されることにないよ
うなマットの連結方法が用いられる。
【0037】第1の連結方法は、端部の目付が減少され
た繊維マットM(M1、M2)を製造する端部目付減少
マット製造工程と、端部目付減少マット製造工程により
得られた繊維マットM1,M2の端部同志を重ね合わせ
て二つの繊維マットを連結して一つの連結マットに連結
するマット連結工程とから構成される。
【0038】端部目付減少マットの製造工程は、例え
ば、ニードルパンチ装置による方法、複数の針を有する
回転ロールによる方法が挙げられる。
【0039】混合繊維マットMの所望の位置(端部とな
る位置)にのみニードルパンチを行えば、ニードルパン
チによりマットは長さ方向に延びるので、そのニードル
パンチを行った部分の混合繊維マットの目付を減少させ
ることができる。
【0040】ここで、図1に示すマット形成装置1にお
いて、ニードルパンチ装置3の下流側に、図2に示すよ
うに、別のニードルパンチ装置5と切断機6とを備えた
成形装置100が用いられる。このような成形装置10
0を用い、100m毎にこのニードルパンチ装置5と切
断機6とを作動させる。ニードルパンチ装置5の作動さ
れた所定部分Lは目付が減少される。
【0041】ここで、マット引き取り側のコンベア10
の引き取り速度S10はニードルパンチ装置5の運転条
件により調製されるが、この引き取り側速度S10をマ
ット供給側のコンベア11のマット供給速度S11より
早くすることにより混合繊維マットMの目付は減少さ
れ、その減少割合はS11/S10となる。
【0042】この部分Lの中央を、図3に示すように、
切断機6により切断すれば、この切断部が端部Maとな
り、端部Maの目付が減少された混合繊維マットMが巻
き取り機4に巻き取られることになる。
【0043】また、このようにして得られた混合繊維マ
ットMの端部Maは、図4に示すように、ニードルマー
ク7を示すことがあるが、連結には、このニードルマー
ク7が互いに一致しないようにずらして重合させること
が好ましい。
【0044】なお、図1において、ニードルパンチ装置
3として一時的に運転条件をコントロールできる装置も
用いれば、切断部においてニードルパンチ装置3の運転
条件を変更することにより一定長(L)の混合繊維マッ
トMの目付を減少できるので、ニードルパンチ装置5は
用いなくてもよい。このような運転条件は、例えば、ニ
ードルパンチ装置のニードル速度を速めたり、引き取り
速度を速めることにより行える。
【0045】また、図5に示すように、外周面に複数の
針8を有する回転ロール9に混合繊維マットMを供給
し、その端部Maを回転ロール9の回転速度と混合繊維
マットMの供給速度を調製することにより混合繊維マッ
トMを長さ方向に延ばすことができ、これにより端部M
aの目付が漸減された混合繊維マットMを得ることがで
きる。この端部Maの目付が漸減された混合繊維マット
M1,M2は、図6に示すように、その端部Maを重ね
合わすことにより連結マットが得られる。
【0046】また、図2のニードルパンチ装置5に代え
て、ニードルパンチ装置3と切断機5との間に、この回
転ロール9を挿入してもよい。このような装置によれ
ば、この回転ロール9の回転速度と混合繊維マットMの
供給速度とを調製することにより混合繊維マットMを長
さ方向に延ばすことができ、これにより一定長さLの目
付が減少された混合繊維マットMを得ることができる。
ここで、マット引き取り側10の引き取り速度S10は
回転ロール9の回転速度により調製されるが、この引き
取り側速度S10をマット供給側11のマット供給速度
S11より早くすることにより混合繊維マットMの目付
は減少され、その減少割合はS11/S10となる。
【0047】また、第2の連結方法は、端部が互いに嵌
合可能な形状に加工する端部嵌合加工工程と、端部嵌合
加工工程により得られた繊維マットM(M1,M2)の
端部同志を嵌合させて二つの繊維マットM1,M2を連
結して一つの連結マットに連結するマット連結工程とか
ら構成される。
【0048】このときの、マット端部の嵌合形状は、マ
ット端部の厚み方向の凹凸構造であってもよく、また、
マット端部の幅方向の凹凸構造であってもよい。
【0049】厚み方向の凹凸構造である場合には、図7
に示すように、凸部12の厚みT12がマット全体の厚
みTmの2/3であり、凹部13の厚みT13がマット
厚みTmの1/3であることが望ましい。このように構
成すれば、一方の混合繊維マットM1の端部の凸部12
を他方の混合繊維マットM2の凹部13に嵌合させるこ
とにより、互いのマットM1、M2の端部を嵌合させる
と、連結マットの全体の厚みと連結部の目付が等しくな
り、均一な連結マットが得られる。このような、端部M
aの凹凸加工は適宜の手段により行うことができる。図
2に示すニードルパンチ装置5や図5に示す回転ロール
9の回転速度を調製してもよい。
【0050】また、幅方向の凹凸構造である場合には、
図8、図9に示すように、混合繊維マットM1の端部と
混合繊維マットM2の端部Maとを互いに嵌合可能な一
対の凹凸嵌合形状14とすることもできる。これらの図
において、端部Maの凸部12…は凹部13…と嵌合可
能とされて嵌合されることにより、連結部の目付が他の
部分と比較して等しくされる。このように、混合繊維マ
ットMの端部を凹凸嵌合形状14とするには、図1に示
すマット形成装置1において、図示を省略されている切
断機の切断刃の形状を凸凹形状、ダイアモンド形状など
の適宜の形状に変えることにより容易に得ることができ
る。
【0051】以上により得られた連結マットは、その接
合部に境界線のようなものが認められる場合があるが、
その接合部を含めてニードリング装置によりニードリン
グされて一体化することにより、接合部の境界線は認め
られなくなり、均一な連結マットを得ることができる。
これにより、繊維マット端部の目付を減少させ、減少さ
せたマットの端部同志は重ねあわされて、ニードルパン
チなどの手法により連結することにより、連結部の繊維
マットの形態は連結以外の部分と同等となり、連結部の
品質を満足させる繊維強化熱可塑性シートを得ることが
できる。
【0052】つぎに、実施例に基づき本発明を具体的に
説明する。 (実施例1)熱可塑性樹脂繊維として溶融温度255°
C、直径約20μm、平均長さ約50mmのポリエチレ
ンテレフタレート(PET)繊維を用い、強化繊維とし
て直径約10μm、平均長さ約50mmのカーボン繊維
(CF)を用いた。
【0053】これらの熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とを
開繊しながら混合し、図1のマット成型装置1を用い積
層マットを作成し、この積層マットは、ニードルパンチ
にて絡合(繊維同志が絡み合う)され、混合繊維マット
とされる。この混合繊維マットの成形速度は3m/分で
あり、また、得られた混合繊維マットの目付け量は、約
450g/m2、CF:PET=40:60(重量%)
であり、その厚みは平均で7mmであった。この混合繊
維マットは、紙芯にて、100mの長さで巻き取られ
た。
【0054】得られた混合繊維マットMの端部Maのみ
にニードルパンチを施し、端部の目付を約半分に減少さ
せた。ついで、図4に示すように、ニードルパンチの孔
7が重なり合わないように調製して、互いの端部同士を
重ね合わせ、次いで、得られたマットをニードルパンチ
により一体化することにより均一な連結マットを得るこ
とができる。 (実施例2)実施例1において得られた混合繊維マット
の端部のみを、図5に示すように、複数の針8を有する
回転ロール9にて端部Maの目付を約半分に減少させ、
互いの端部同士を重ね合わせ、次いで、得られたマット
をニードルパンチにより一体化することにより均一な連
結マットを得ることができる。 (実施例3)実施例1において得られた混合繊維マット
の端部を、図7に示すように、互いの凹凸が嵌合するよ
うに凹凸形状に加工した。なお、このときの凹凸構造
は、凸部がマット厚みの2/3であり、凹部がマット厚
みの1/3である。互いの凹凸を嵌合させて2枚のマッ
トを連結し、次いで、得られたマットをニードルパンチ
により一体化することにより均一な連結マットを得るこ
とができる。 (実施例4)実施例1において得られた混合繊維マット
の端部を、図8に示すように、互いの凹凸が嵌合するよ
うに凹凸形状に加工した。互いの凹凸を嵌合させて2枚
のマットを連結し、次いで、得られたマットをニードル
パンチにより一体化することにより均一な連結マットを
得ることができる。 (比較例)実施例1において得られた混合繊維マットの
端部を、図11に示すように、ガラス糸により縫い合わ
せた。得られたマットをニードルパンチにより一体化す
ることにより均一な連結マットを得ることができる。 (繊維強化熱可塑性シートの成形)実施例及び比較例に
おいて得られた混合繊維マットを100mごとに連結
し、連結マットを500m作成し、図10に示す繊維強
化熱可塑性シート成形装置にて以下に記す成形条件にて
繊維強化熱可塑性シートの成形を行った。
【0055】図10において、連結マット(混合繊維マ
ットM)は繰出機20に巻かれている。この連結マット
Mは、加熱炉21に連続的に投入され、加熱ロール2
2、冷却ロール23、引取機24を経て巻き取り機25
にて巻き取られる。この加熱炉21には、上下に各6本
相対向して配置された遠赤ヒータ26が設置されて、連
結マットMは、支持ロール27上に支持されながら、炉
内28を通過する。この炉内28のマット通過部の雰囲
気温度は285℃に設定されている。
【0056】加熱ロール22としては、ロール径250
mmのものが使用され、ロール表面温度は100℃、加
熱ピンチ圧は線圧で20kgf/cmに設定されてい
る。また、冷却ロール23としては、ロール径250m
mのものが使用され、ロール表面温度は30℃、冷却ピ
ンチ圧は線圧で50kgf/cmに設定されている。成
形速度は、巻き取り時のラインスピードで1.5m/分
に設定されている。
【0057】得られた繊維強化熱可塑性シートRSの巾
は500mmであり、その評価結果を表1に示した。い
ずれの実施例の連結マットも連結部のすけ(隙間)発生
やシート成形時の破断は起こらなかったが、ミシンによ
り縫製した比較例のものは、2箇所ですけ発生が認めら
れた。また、本発明の繊維強化熱可塑性シートRSはい
ずれも引張強度が高く、工程通過性が優れていることが
わかる。
【0058】
【表1】 以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきた
が、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、この発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの
発明に含まれる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とから端部の目付
が減少された繊維マットが製造され、この繊維マットの
目付の減少された端部同志は重ね合わされて二つの繊維
マットは一つに連結される。この連結部は重ね合わされ
ているので、繊維強化熱可塑性シートに成形した場合、
引張による破断や、すけるといった問題がない。
【0060】請求項2に記載の発明によれば、ニードル
パンチによりマットは長さ方向に延びるので、マットの
目付を減少させることができる。
【0061】請求項3に記載の発明によれば、複数の針
を有する回転ロールによりその回転速度とマットの供給
速度を調製することによりマットを長さ方向に延ばすこ
とによりマットの目付を減少させることができる。
【0062】請求項4に記載の発明によれば、マットは
ニードルパンチ装置による絡合により連結されるので、
この連結部は、一体化されて確実に連結される。また、
連結部以外の部分もニードルパンチ装置により絡合させ
れば、連結部とその他の部分とは全く同一の組成が保た
れる。これにより、連結部の強度低下がなく、長手方向
に均一な組成の連結マットが得られる。
【0063】請求項5に記載の発明によれば、熱可塑性
樹脂繊維と強化繊維とから端部が互いに嵌合可能な形状
に加工された繊維マットが製造され、この繊維マットの
端部を嵌合させることにより二つの繊維マットは一つに
連結される。この連結部は嵌合されているので、繊維強
化熱可塑性シートに成形した場合、引張による破断や、
すけるといった問題がない。
【0064】請求項6に記載の発明によれば、厚み方向
に凹凸が形成されたマット端部の互いの凹凸構造を嵌合
させることにより、連結マットを得ることができる。
【0065】請求項7に記載の発明によれば、凸部と凹
部との厚みを凸部がマット厚みの2/3であり、凹部が
マット厚みの1/3に調節することにより、マットの連
結は一層確実となる。
【0066】請求項8に記載の発明によれば、互いのマ
ット端部の凹凸構造を嵌合させることにより、連結マッ
トを得ることができる。
【0067】請求項9に記載の発明によれば、マットは
ニードルパンチ装置による絡合により連結されるので、
この連結部は、一体化されて確実に連結される。また、
連結部以外の部分もニードルパンチ装置により絡合させ
れば、連結部とその他の部分とは全く同一の組成が保た
れる。これにより、連結部の強度低下がなく、長手方向
に均一な組成の連結マットが得られる。
【0068】請求項10に記載の発明によれば、請求項
1〜請求項9のいずれか1項に記載の製造法により得ら
れた連結マットは熱処理されて、熱可塑性樹脂繊維と強
化繊維との間が強く密着された長尺の繊維強化熱可塑性
シートが安定に製造される、という実用的な効果を発揮
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る混合繊維マットを製造するマット
形成装置の一例を説明する図である。
【図2】本発明に係る端部連結方法を説明するためのマ
ット形成装置を説明する図である。
【図3】本発明に係る端部の目付が減少されたマットの
製造方法を説明するための断面模式図である。
【図4】本発明に係るマットの連結方法を説明する斜視
模式図である。
【図5】本発明に係る端部の目付が減少されたマットの
製造方法を説明するための斜視模式図である。
【図6】本発明に係るマットの連結方法を説明する図で
あり、図6(a)は斜視模式図、図6(b)は断面模式
図である。
【図7】本発明に係るマットの連結方法を説明する図で
あり、図7(a)は斜視模式図、図7(b)は断面模式
図である。
【図8】本発明に係るマットの連結方法を説明する斜視
模式図である。
【図9】本発明に係るマットの連結方法を説明する平面
模式図である。
【図10】本発明に係る繊維強化熱可塑性シートの製造
例を示す工程図である。
【図11】従来のマットの連結方法を説明する斜視模式
図である。
【符号の説明】
MF 混合繊維 M 混合繊維マット Ma マット端部 MS 繊維強化熱可塑性シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 三広 埼玉県朝霞市根岸台3−15−1 積水化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA20 AA34 AA46 AA54 AB03 AB28 AD01 AH19 BC07 BC17 4F072 AA02 AA08 AB05 AB10 AC02 AD04 AD09 AD37 AD44 AG02 AG15 AL01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とからなる
    繊維マットの端部を長さ方向に連結して長尺の連結マッ
    トを製造する方法において、 前記端部の目付が減少された繊維マットを製造する端部
    目付減少マット製造工程と、 該端部目付減少マット製造工程により得られた繊維マッ
    トの端部同志を重ね合わせて一つの連結マットに連結す
    るマット連結工程とから構成されることを特徴とする連
    結マットの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記端部目付減少マット製造工程は、ニ
    ードルパンチ装置によることを特徴とする請求項1に記
    載の連結マットの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記端部目付減少マット製造工程は、複
    数の針を有する回転ロールによることを特徴とする請求
    項1に記載の連結マットの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記マットの連結工程は、ニードルパン
    チ装置による絡合工程を含むことを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれか1項に記載の連結マットの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とからなる
    繊維マットの端部を長さ方向に連結して長尺の連結マッ
    トを製造する方法において、 前記端部を互いに嵌合可能な形状に加工する端部嵌合加
    工工程と、 該端部嵌合加工工程により得られた繊維マットの端部同
    志を嵌合させて一つの連結マットに連結するマット連結
    工程とから構成されることを特徴とする連結マットの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記マット端部の嵌合形状は、該マット
    端部の厚み方向に凹凸を付与することにより形成された
    凹凸構造であることを特徴とする請求項5に記載の連結
    マットの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記凹凸構造は、凸部が前記マットの全
    体厚みの2/3であり、凹部が前記マットの全体厚みの
    1/3であることを特徴とする請求項5に記載の連結マ
    ットの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記マット端部の嵌合形状は、該マット
    端部の幅方向に凹凸を付与することにより形成された凹
    凸構造であることを特徴とする請求項5に記載の連結マ
    ットの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記マットの連結工程は、ニードルパン
    チ装置による絡合工程を含むことを特徴とする請求項5
    〜請求項8のいずれか1項に記載の連結マットの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9のいずれか1項に
    記載の製造法により得られた連結マットを前記熱可塑性
    樹脂の融点以上、前記強化繊維の融解温度以下で熱処理
    することを特徴とする繊維強化熱可塑性シートの製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004074780A (ja) * 2002-06-21 2004-03-11 Yamaha Motor Co Ltd 繊維強化樹脂製品の成形方法
KR101268299B1 (ko) * 2012-09-19 2013-05-28 (주) 진일건설 시트 조립형 방수공법
KR101642008B1 (ko) * 2016-01-20 2016-07-25 주식회사 삼일테크 교량 방호벽 연결부용 커버체

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