JPH11116669A - アルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去する方法 - Google Patents

アルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去する方法

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JPH11116669A
JPH11116669A JP28183397A JP28183397A JPH11116669A JP H11116669 A JPH11116669 A JP H11116669A JP 28183397 A JP28183397 A JP 28183397A JP 28183397 A JP28183397 A JP 28183397A JP H11116669 A JPH11116669 A JP H11116669A
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alkylene oxide
pressure reduction
low
pressure
reaction
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JP28183397A
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Takeshi Saito
武史 斎藤
Yasuhiro Miura
康浩 三浦
Katsunori Tanaka
克典 田中
Yuji Watanabe
裕次 渡辺
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルキレンオキサイド付加体から低沸点化合
物を効率よく除去する方法を提供する。 【解決手段】 活性水素原子含有化合物及び/又は脂肪
酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加反応
させて得られる反応粗製物から残存する低沸点化合物を
除去する際に、反応粗製物の泡膜の安定性に関する特性
値と減圧速度との相関関係から、下記式(I)で表され
る減圧速度(p)を設定し、反応粗製物を、該減圧速度
(p)の設定値±40%の範囲の減圧速度で、減圧処理
することにより低沸点化合物を除去することを特徴とす
るアルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去
する方法。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルキレンオキサ
イド付加体から低沸点化合物を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、洗浄剤、界面活性剤、化粧品及
びポリウレタン樹脂用ポリオール、消泡剤用ポリオー
ル、潤滑油用ポリオール、塗料用ポリオール等の原料に
有用なアルキレンオキサイド付加体は、通常、活性水素
原子含有化合物及び/又は脂肪酸アルキルエステルに塩
基性触媒や焼成ハイドロタルサイト、MgOを主成分と
する非層状アルコキシル触媒、セシウム化合物触媒、ア
ミン触媒、複合金属シアン化物錯体触媒等の触媒の存在
下、アルキレンオキシドを付加反応させて得られるもの
である。
【0003】この反応粗製物中には、微量のアルキレン
オキサイドや末端不飽和化合物、溶存窒素、未反応の活
性水素原子含有化合物及び/又は脂肪酸アルキルエステ
ル等が含有されているため、付加反応を完結させた後、
不要な低沸点化合物を減圧処理により除去している。こ
のような低沸点化合物を含有するアルキレンオキサイド
付加体は、臭気や安全性の面から商品価値が低くなるた
め反応粗製物中から低沸点化合物を除去することが必須
の操作となっている。
【0004】しかしながら、この減圧処理操作は、発泡
や液飛散状態を観察しながら慎重に減圧速度をコントロ
ールして行う必要があり、しかも、この状態は、反応粗
製物の性状によって異なるため、製造オペレータの感と
経験的に頼っているのが現状である。この減圧処理操作
を誤ると、真空系への液留出トラブルによる汚染の問題
を引き起こすため、減圧処理操作の制御に、人手と複雑
な計器等が必要となり経済性、生産性が低いという課題
があった。従って、活性水素原子含有化合物及び/又は
脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加
反応させて得られる反応粗製物は、原料や触媒の種類、
反応条件等により低沸点化合物含有量や物理化学的性
質、界面特性等が異なるため、反応粗製物から沸点化合
物を除去する際、汎用性の高い方法が望まれているのが
現状である。
【0005】一方、特表平6−505986号公報に
は、反応混合物中における不溶性触媒の存在下、脂肪ア
ルコールをアルコキシル化することにより改良されたろ
過性を有する脂肪アルコールポリアルキレングリコール
エーテル類の製法において、特定の脂肪アルコールを層
状化合物(ハイドロタルサイト)の存在下、脂肪アルコ
ール1モルにつき平均1〜20モルのエチレンオキシド
及び/又はプロピレンオキシドと反応させ、その反応生
成物に水とろ過助剤を添加し、高温及び/又は高圧下で
のろ過により、触媒と生成したポリグリコールエーテル
類を除去することを特徴とする脂肪アルコールポリアル
キレングリコールエーテル類の製法が記載されている。
また、特開平7−41446号公報には、多価アルコー
ルとグリシジルエーテルとを反応させ、反応液を中和し
た後、グリセリルエーテル化多価アルコールを溶解する
溶媒と水を加えて常圧下又は減圧下で蒸留することによ
り、未反応の多価アルコール及び中和塩を除去して高品
質のグリセリルエーテル化多価アルコールを得る製造方
法が記載されている。更に、特開平5−208142号
公報には、残存する塩基性アルカリ土類触媒を含有する
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル生成物から塩基
性アルカリ土類触媒を除去する方法において、塩基性ア
ルカリ土類触媒を含有するポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル生成物に酸性白土を加えて撹拌処理後、12
0℃で30分間、20mmHgにまで減圧処理してポリ
オキシアルキレンアルキルエーテルから塩基性アルカリ
土類触媒を除去する方法が記載されている。
【0006】しかしながら、上記特表平6−50598
6号公報に記載される内容は、反応生成物に水とろ過助
剤を添加し、高温及び/又は高圧下でのろ過により、触
媒と生成したポリグリコールエーテル類を分離除去する
ものであるので、本発明とは技術思想が異なるものであ
る。また、特開平7−41446号公報及び特開平5−
208142号公報に記載される内容は、減圧下で処理
する点で本発明と若干共通するとこもあるが、減圧速度
に関しては何等記載乃至示唆もなく、本発明とは技術思
想が異なるものであることは明らかである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、原
料や触媒の種類、反応条件等により低沸点化合物含有量
や物理化学的性質、界面特性等が異なっていても、活性
水素原子含有化合物及び/又は脂肪酸アルキルエステル
にアルキレンオキサイドを付加反応させて得られる反応
粗製物から効率よく、かつ、汎用性の高いアルキレンオ
キサイド付加体から低沸点化合物を除去する方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決すべく、鋭意研究した結果、減圧処理の際に、
製造トラブルを起こさないような好適な減圧速度は、反
応粗製物の特定の物性値との間に相関関係があることを
知見し、本発明を完成するに至ったのである。すなわ
ち、本発明のアルキレンオキサイド付加体から低沸点化
合物を除去する方法は、活性水素原子含有化合物及び/
又は脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを
付加反応させて得られる反応粗製物から残存する低沸点
化合物を除去する際に、反応粗製物の泡膜の安定性に関
する特性値と減圧速度との相関関係から、下記式(I)
で表される減圧速度(p)を設定し、反応粗製物を、該
減圧速度(p)の設定値±40%の範囲の減圧速度で、
減圧処理することにより低沸点化合物を除去することを
特徴とする。
【数2】
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。本発明のアルキレンオキサイド付加体か
ら低沸点化合物を除去する方法は、活性水素原子含有化
合物及び/又は脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオ
キサイドを付加反応させて得られる反応粗製物から残存
する低沸点化合物を除去する際に、反応粗製物の泡膜の
安定性に関する特性値と減圧速度との相関関係から、上
記式(I)で表される減圧速度(p)を設定し、反応粗
製物を、該減圧速度(p)の設定値±40%の範囲の減
圧速度で、減圧処理することにより低沸点化合物を除去
することを特徴とするものである。
【0010】上記泡膜安定性定数λの測定法は、以下の
ようにして算出した。泡膜の安定性に関する特性値の測
定方法は、図1(a)及び(b)に示すように、予め、
液膜と接する気相の温度42℃、相対湿度20%、風に
よる揺らぎの影響を排除するため防風箱1の中で、10
0±0.5℃に温調された容器2中の反応粗製物3に長
方形型白金フレーム4(w×h=3×2.5cm、太さd
=0.45mm)を垂直に浸し、液面3aに対して垂直に
引き上げる。なお、図示符号6は温度調整ヒーターであ
る。引き上げには、z軸パルスモーター5〔中央精機
(株)製「PSU−60」〕を用いて、速度1cm/se
c一定とし、このときフレーム4にできる反応粗製物の
液膜3bが破れるまでの時間を測定し、下式より破断長
を算出した。 破断長(mm)=液膜が破れるまでの時間(sec)×引き上げ
速度(10mm/sec)
【0011】また、この値を0〜1の値を取る泡膜安定
性定数λに下記の(II)式で変換した。ここで、λは、
λ=1:水、λ=0:膜が壊れない(破断長∞)とし
て、この値を下記式(II)のように設定した。 破断長;4mmのとき泡膜安定性定数λ=1 (水) 6mm λ=0.9 9mm λ=0.8 15mm λ=0.5 40mm λ=0.2 λ=1.143e-0.0446x ………(II) (λ:泡膜安定性定数、x;破断長)
【0012】泡膜の安定性に関する特性値として、上記
破断長又は泡膜安定性定数を利用できる。以下、泡膜安
定性定数を例として説明する。なお、測定温度は、上記
温度に限定されず、減圧処理の温度の範囲であればよい
がアルキレンオキサイド付加体の種類により、揮発性成
分が蒸発するケースもあるので、種々の反応粗製物に適
用できるようにするため、上記温度が好ましい。反応粗
製物の泡膜安定性定数と減圧速度との下記式(I)の相
関関係式が実験により求められた。すなわち、種々の反
応粗製物の泡膜安定性定数を測定する一方、種々の粗製
物について液飛散トラブルの発生しない減圧測定の範囲
を求めることにより、泡膜安定性定数とこの減圧速度と
の相関から下記(I)式が求められることとなる。
【数3】
【0013】本発明では、減圧処理の際の減圧速度
(p)をp±40%(=0.6p〜1.4p)の範囲、
すなわち、p=A1A2λ±40%、好ましくは、p=
1A2λp±30%の範囲とすることにより、反応粗
製物から低沸点化合物を効率よく除去することができる
こととなる。ここで、A1、A2は、夫々使用する活性水
素原子含有化合物、脂肪酸アルキルエステル及びアルキ
レンオキサイドの種類、温度、アルキレンオキサイドの
付加モル数(分子量)、アルキレンオキサイドのブロッ
ク付加体又はランダム付加体及びランダム−ブロック付
加体やブロック−ランダム付加体等の組合わせ等により
実験により定まる定数(数値)であり、アルキレンオキ
サイドとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イドを使用した場合には、A1=3.9264、A2
3.7794の一定値となり、この場合の減圧速度
(p)は、 p=3.9264e3.7794λ ±40% ………(I´) となる。減圧速度(p)が+40%を越えると、減圧処
理操作中に反応粗製物が、真空系への液留出トラブルに
よる汚染の問題を引き起こすため好ましくない。また、
−40%未満では上記トラブルは発生しないが、減圧処
理に長時間要するので経済的でない。
【0014】なお、減圧速度をpとすると減圧処理は、
下記式(III)に従うこととなる。この式から減圧時間t
が求められる。 Pe=−p*t+Ps ………(III) Pe:減圧後の到達圧力 Ps:付加反応終了後(減圧処理前)の反応器内圧力 t:時間 また、上記式(I)において、A1、A2は、使用する活
性水素原子含有化合物、脂肪酸アルキルエステル及びア
ルキレンオキサイドの種類等により定まる定数(予め設
定される一定値)であるので、使用する活性水素原子含
有化合物、脂肪酸アルキルエステル及びアルキレンオキ
サイド等を特定すれば、上記式(I)に基づいて当該減
圧速度(p)を簡単に算出でき、これに基づく、適正な
減圧処理により、活性水素原子含有化合物又は脂肪酸ア
ルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加反応させ
て得られる反応粗製物から残存する低沸点化合物を効率
よく除去することができることとなる。更に、上記減圧
処理中に、低沸点化合物を効率よく除去するために、必
要により少量の不活性ガスや有機溶媒及び水蒸気を導入
することもできる。
【0015】減圧後の到達圧力(Pe)は、アルキレン
オキサイド付加体<反応粗製物>により異なるが、好まし
くは、5〜200Torrの範囲であり、特に好ましくは、
10〜100Torrの範囲である。なお、200Torrを越
えると、低沸点化合物の除去が不十分な場合がある。ま
た、付加反応終了後(減圧処理前)の反応器内圧力Ps
は、1〜10atmであり、温度は、50〜190℃と
なることが好ましい。到達圧力(Pe)に到達後の減圧
時間は、0〜60分、好ましくは、0〜30分の範囲で
ある。更に、反応粗製物の泡膜安定性定数λが、0.8
未満の場合、泡膜が安定で、破泡されにくいため本発明
の効果が顕著となる。
【0016】本発明のアルキレンオキサイド付加物の製
造に用いられる活性水素含有化合物としては、アルコキ
シル化されるものなら特に限定されるものでなく、アル
コール類、ポリオール類、アミン類、アルカノールアミ
ド類等が挙げられ、それぞれ単独又は2種以上混合物と
して用いることができる。アルコール類としては、例え
ば、n−オクタノール、n−デカノール、n−ドデカノ
ール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、
n−オクタデカノール、オレイルアルコール、エトコサ
ノール、ベヘノール、ノナノール、ウンデカノール、ト
リデカノール等の炭素数8〜22の飽和又は不飽和の直
鎖アルキル基を有する高級脂肪族第1級アルコール、ま
たは、炭素数16〜36のゲルベ型アルコール等の分岐
鎖アルキル第1級アルコール、及び2−メチル、1−ド
デカノール、2−メチル、1−デカノール等の炭素数1
1〜23のオキソアルコール等の分岐鎖アルキル第1級
アルコール、さらに2−オクタノール、2−デカノー
ル、2−ドデカノール等の第2級アルコール、さらに、
ベンジルアルコール、2−オクチルドデシルアルコール
等が挙げられる。ポリオール類としては、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。アミ
ン類としては、例えば、オクチルアミン、ジオクチルア
ミン、ラウリルアミン、ジラウリルアミン、ステアリル
アミン、ジステアリルアミン等の炭素数8〜36の飽和
又は不飽和アルキル基を有する第一級又は第二級アミ
ン、またエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の
ポリアミンなどが挙げられる。アルカノールアミドとし
ては、例えば、ラウリルモノエタノールアミド、ラウリ
ルジエタノールアミド等が挙げられる。これらの活性水
素含有化合物の中で、炭素数8〜22の直鎖又は分岐の
飽和又は不飽和のアルコール及び/又はポリオール類な
どが特に好ましい。
【0017】本発明で用いるアルキレンオキサイドとし
ては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが好ましい
ものとして挙げられる。具体的には、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどで
あり、これらは一種又は二種以上の混合物として用いる
ことができる。本発明では、活性水素含有化合物及び/
又は脂肪酸アルキルエステル1モル当たり、1〜300
モルのアルキレンオキサイドを付加させたものが好まし
い。
【0018】本発明では、アルキレンオキサイド付加体
の反応粗製物を製造する際に、アルコキシル化触媒とし
て、以下の触媒を使用することができる。塩基性触媒と
しては、例えば、アルカリ金属単体、アルカリ金属水素
化合物、アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属水酸
化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類カルボキシレ
ート及び三級アミン等が挙げられる。これらのうち好ま
しいものは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、カリ
ウムアルコラート、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム等
である。焼成ハイドロタルサイトとしては、特開平2−
71841号公報、特表平6−505986号公報、疎
水化二層水酸化化合物触媒、特表平6−505954号
公報などが例示できる。また、MgOを主成分とする非
層状アルコキシル化触媒としては、MgO系複合酸化物
が好ましく、特に好ましくは金属イオン添加酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム・マグネシウム焼成物及び
それらの表面改質物から選択される一種又は二種以上の
非層状化合物である。ここで、金属イオン添加酸化マグ
ネシウムとしては、特公平6−15038号公報、特開
平7−227540号公報、同6−198169号公
報、同6−182206号公報、同5−170688号
公報等に記載された公知のものが挙げられる。
【0019】更に、水酸化アルミニウム・マグネシウム
焼成物としては、例えば、特願平7−94417号明細
書に記載のものが挙げられる。具体的には、nMgO・
Al2 O3 ・mH2 O(n:特に限定されないが、2.5
程度が好適、m:特に限定されない)で表わされる水酸
化アルミニウムと水酸化マグネシウムの共沈物であり、
焼成によりA1−Mg系複合酸化物となる。この焼成温
度は400〜950℃が好ましく、より好ましくは40
0〜700℃である。更にまた、金属イオン添加酸化マ
グネシウム、及び水酸化アルミニウム・マグネシウム焼
成物の表面改質物としては、特願平6−334781号
公報、同6−334782号公報に記載のものが挙げら
れる。具体的には、上記水酸化アルミニウム・マグネシ
ウム焼成物を金属水酸化物または金属アルコキシドで表
面改質して、改質焼成水酸化アルミナ・マグネシウム触
媒等が挙げられる。この金属水酸化物としては、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、
より好ましくは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウ
ムである。金属アルコキシドとしては、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属のアルコキシドが好ましく、より
好ましくはナトリウムアルコキシドまたはカリウムアル
コキシドである。複合金属シアン化物錯体触媒として
は、特開平3−122119号公報、特開平2−276
821号公報、特開平3−255126号公報、特開平
4−28718号公報などに記載のものが挙げられる。
セシウム化合物触媒としては、特開平8−157590
号公報、特開平6−179748号公報、特開平9−1
94589号公報などに記載のものが挙げられる。これ
らのアルコキシル化触媒の使用量は、反応に供されるア
ルキレンオキサイドと活性水素原子含有化合物等原料の
種類、付加モル数によっても異なるが、当該原料の0.
01〜10重量%が好ましい。
【0020】本発明の反応は、周知の操作手順及び反応
条件下で容易に行うことができる。反応温度としては、
例えば、80〜230℃である。また、反応圧力は、反
応温度にもよるが10Torr〜20atm、好ましくは、
10Torr〜10atmであり、必要により窒素希釈した
条件下でアルキレンオキサイドを付加反応させることも
できる。
【0021】以上のとおり、本発明では、例えば、オー
トクレーブ中に活性水素含有化合物等とアルコキシル化
触媒とを仕込み、窒素雰囲気下、脱水操作後、所定の温
度、圧力条件下でアルキレンオキサイドを導入して反応
を完結させた後、上記(1)により算出した減圧速度で
減圧処理して、低沸点化合物を除去することとなる。そ
の後、冷却し、公知の分離・精製法により精製されたア
ルキレンオキシド付加体を得ることができる。
【0022】
【実施例】以下に、実施例及び比較例により本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0023】(実施例1)反応缶に活性水素含有化合物
として、ステアリルアルコール(MW=267.2)2021.9Kg、塩
基性触媒として40%KOH 124.4Kgを仕込み、常法に
より窒素置換後、触媒中の水分を110℃、30Torr以下、3
0分間保持して脱水した。次いで、攪拌しながら同温度
を維持しながらモノエポキサイドとしてプロピレンオキ
サイド7928.0Kgを付加反応させた。この反応粗製物を別
の反応缶に2270.0Kg、塩基性触媒として40%KOH5
6.9kgを仕込み、常法によりプロピレンオキサイド700
7.0Kg付加反応させたのち、エチレンオキサイド700Kgを
付加反応を完結させた。粗製物の破断長は、9mmで、
泡膜安定性定数は、λ=0.8であった。従って、上記
式(I)から減圧速度を算出すると、80.7Torr/m
inとなるので、減圧速度は、48.4〜113Torr/m
in.の範囲となる。減圧速度を50Torr/minに制御して
圧力30Torrまで減圧にして低沸点化合物を除去した。
このとき、真空系への液飛散量は1.3Kgと極めて少な
かった。
【0024】(実施例2)反応缶に活性水素含有化合物
として、グリセリン(MW=92.08)1283.1Kg、塩基性触媒と
して40%KOH 50.0Kgを仕込み、常法により窒素置
換後、触媒中の水分を115℃、30Torr以下、30分間保持
して脱水した。次いで、攪拌しながら同温度を維持しな
がらモノエポキサイドとしてプロピレンオキサイド869
6.9Kgを付加反応させた。粗製物の破断長は、4mm
で、泡膜安定性定数は、λ=1であった。従って、上記
式(I)から減圧速度を算出すると、171.9Torr
/min.となるので、減圧速度は、103.1〜240.
7Torr/min.の範囲となる。減圧速度を150Torr/mi
nに制御して圧力10Torrまで減圧にして低沸点化合物
を除去した。このとき、真空系への液飛散量は0.7Kgと
極めて少なかった。
【0025】(実施例3)反応缶に活性水素含有化合物
として、ジエチレングリコール(MW=106.12)2650Kg、塩
基性触媒として30%NaOH 16.7Kgを仕込み、常法
により窒素置換後、触媒中の水分を120℃、30Torr以
下、30分間保持して脱水した。次いで、攪拌しながら温
度140℃に維持しながらモノエポキサイドとしてエチレ
ンオキサイド7350Kgを付加反応させた。次に、粗製物の
破断長を測定したところ19mmであった。このときの
泡膜安定性定数は、λ=0.49であった。従って、上
記式(1)から減圧速度を算出すると、25.0Torr
/min.となるので、減圧速度は15〜35Torr/min.の
範囲となる。減圧速度を35Torr/minに制御して圧力2
0Torrまで減圧にして低沸点化合物を除去した。このと
き、真空系への液飛散量は1.2Kgと極めて少なかった。
【0026】(比較例1)減圧速度を150Torr/minに
した以外、実施例1と同様にして反応粗製物から低沸点
化合物を除去する操作を行った。到達真空度が30Torr
に達する前(反応缶圧力730Torr)に、系外への液流失
が真空系ラインの覗き窓で目視により確認されたので減
圧操作を停止させた。このとき、反応粗製物を含有する
液飛散量は8.7Kgと実施例1に比べて多かった。(実
施例1と同様に到達真空度30Torrまで減圧操作を継続
させた場合には、多量の反応粗製物が系外に流失するこ
とは容易に予測される。)
【0027】(比較例2)実施例1と同様にして反応粗
製物を得た。次に、減圧速度を20Torr/minに制御して
圧力30Torrまで減圧にして低沸点化合物を除去した。
このとき、真空系への液飛散量は0.5Kgと極めて少
なかったが、到達真空度に達する時間135.8分と長
時間要した。(実施例1の3.5倍)
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、原料や触媒の種類、反
応条件等により低沸点化合物含有量や物理化学的性質、
界面特性等が異なっていても、活性水素原子含有化合物
及び/又は脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサ
イドを付加反応させて得られる反応粗製物から効率よ
く、かつ、汎用性が極めて高いアルキレンオキサイド付
加体から低沸点化合物を除去する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、泡膜の安定性に関する特
性値の測定方法を説明するための説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 裕次 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性水素原子含有化合物及び/又は脂肪
    酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加反応
    させて得られる反応粗製物から残存する低沸点化合物を
    除去する際に、反応粗製物の泡膜の安定性に関する特性
    値と減圧速度との相関関係から、下記式(I)で表され
    る減圧速度(p)を設定し、反応粗製物を、該減圧速度
    (p)の設定値±40%の範囲の減圧速度で、減圧処理
    することにより低沸点化合物を除去することを特徴とす
    るアルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去
    する方法。 【数1】
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009227978A (ja) * 2008-02-28 2009-10-08 Sanyo Chem Ind Ltd ポリオキシアルキレンアルコールの製造方法
JP2009286963A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Sanyo Chem Ind Ltd ポリオキシアルキレンアルコールの製造方法

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JP2009227978A (ja) * 2008-02-28 2009-10-08 Sanyo Chem Ind Ltd ポリオキシアルキレンアルコールの製造方法
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