JPH11116669A - アルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去する方法 - Google Patents
アルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去する方法Info
- Publication number
- JPH11116669A JPH11116669A JP28183397A JP28183397A JPH11116669A JP H11116669 A JPH11116669 A JP H11116669A JP 28183397 A JP28183397 A JP 28183397A JP 28183397 A JP28183397 A JP 28183397A JP H11116669 A JPH11116669 A JP H11116669A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alkylene oxide
- pressure reduction
- low
- pressure
- reaction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Epoxy Compounds (AREA)
- Polyethers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 アルキレンオキサイド付加体から低沸点化合
物を効率よく除去する方法を提供する。 【解決手段】 活性水素原子含有化合物及び/又は脂肪
酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加反応
させて得られる反応粗製物から残存する低沸点化合物を
除去する際に、反応粗製物の泡膜の安定性に関する特性
値と減圧速度との相関関係から、下記式(I)で表され
る減圧速度(p)を設定し、反応粗製物を、該減圧速度
(p)の設定値±40%の範囲の減圧速度で、減圧処理
することにより低沸点化合物を除去することを特徴とす
るアルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去
する方法。 【数1】
物を効率よく除去する方法を提供する。 【解決手段】 活性水素原子含有化合物及び/又は脂肪
酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加反応
させて得られる反応粗製物から残存する低沸点化合物を
除去する際に、反応粗製物の泡膜の安定性に関する特性
値と減圧速度との相関関係から、下記式(I)で表され
る減圧速度(p)を設定し、反応粗製物を、該減圧速度
(p)の設定値±40%の範囲の減圧速度で、減圧処理
することにより低沸点化合物を除去することを特徴とす
るアルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去
する方法。 【数1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルキレンオキサ
イド付加体から低沸点化合物を除去する方法に関する。
イド付加体から低沸点化合物を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、洗浄剤、界面活性剤、化粧品及
びポリウレタン樹脂用ポリオール、消泡剤用ポリオー
ル、潤滑油用ポリオール、塗料用ポリオール等の原料に
有用なアルキレンオキサイド付加体は、通常、活性水素
原子含有化合物及び/又は脂肪酸アルキルエステルに塩
基性触媒や焼成ハイドロタルサイト、MgOを主成分と
する非層状アルコキシル触媒、セシウム化合物触媒、ア
ミン触媒、複合金属シアン化物錯体触媒等の触媒の存在
下、アルキレンオキシドを付加反応させて得られるもの
である。
びポリウレタン樹脂用ポリオール、消泡剤用ポリオー
ル、潤滑油用ポリオール、塗料用ポリオール等の原料に
有用なアルキレンオキサイド付加体は、通常、活性水素
原子含有化合物及び/又は脂肪酸アルキルエステルに塩
基性触媒や焼成ハイドロタルサイト、MgOを主成分と
する非層状アルコキシル触媒、セシウム化合物触媒、ア
ミン触媒、複合金属シアン化物錯体触媒等の触媒の存在
下、アルキレンオキシドを付加反応させて得られるもの
である。
【0003】この反応粗製物中には、微量のアルキレン
オキサイドや末端不飽和化合物、溶存窒素、未反応の活
性水素原子含有化合物及び/又は脂肪酸アルキルエステ
ル等が含有されているため、付加反応を完結させた後、
不要な低沸点化合物を減圧処理により除去している。こ
のような低沸点化合物を含有するアルキレンオキサイド
付加体は、臭気や安全性の面から商品価値が低くなるた
め反応粗製物中から低沸点化合物を除去することが必須
の操作となっている。
オキサイドや末端不飽和化合物、溶存窒素、未反応の活
性水素原子含有化合物及び/又は脂肪酸アルキルエステ
ル等が含有されているため、付加反応を完結させた後、
不要な低沸点化合物を減圧処理により除去している。こ
のような低沸点化合物を含有するアルキレンオキサイド
付加体は、臭気や安全性の面から商品価値が低くなるた
め反応粗製物中から低沸点化合物を除去することが必須
の操作となっている。
【0004】しかしながら、この減圧処理操作は、発泡
や液飛散状態を観察しながら慎重に減圧速度をコントロ
ールして行う必要があり、しかも、この状態は、反応粗
製物の性状によって異なるため、製造オペレータの感と
経験的に頼っているのが現状である。この減圧処理操作
を誤ると、真空系への液留出トラブルによる汚染の問題
を引き起こすため、減圧処理操作の制御に、人手と複雑
な計器等が必要となり経済性、生産性が低いという課題
があった。従って、活性水素原子含有化合物及び/又は
脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加
反応させて得られる反応粗製物は、原料や触媒の種類、
反応条件等により低沸点化合物含有量や物理化学的性
質、界面特性等が異なるため、反応粗製物から沸点化合
物を除去する際、汎用性の高い方法が望まれているのが
現状である。
や液飛散状態を観察しながら慎重に減圧速度をコントロ
ールして行う必要があり、しかも、この状態は、反応粗
製物の性状によって異なるため、製造オペレータの感と
経験的に頼っているのが現状である。この減圧処理操作
を誤ると、真空系への液留出トラブルによる汚染の問題
を引き起こすため、減圧処理操作の制御に、人手と複雑
な計器等が必要となり経済性、生産性が低いという課題
があった。従って、活性水素原子含有化合物及び/又は
脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加
反応させて得られる反応粗製物は、原料や触媒の種類、
反応条件等により低沸点化合物含有量や物理化学的性
質、界面特性等が異なるため、反応粗製物から沸点化合
物を除去する際、汎用性の高い方法が望まれているのが
現状である。
【0005】一方、特表平6−505986号公報に
は、反応混合物中における不溶性触媒の存在下、脂肪ア
ルコールをアルコキシル化することにより改良されたろ
過性を有する脂肪アルコールポリアルキレングリコール
エーテル類の製法において、特定の脂肪アルコールを層
状化合物(ハイドロタルサイト)の存在下、脂肪アルコ
ール1モルにつき平均1〜20モルのエチレンオキシド
及び/又はプロピレンオキシドと反応させ、その反応生
成物に水とろ過助剤を添加し、高温及び/又は高圧下で
のろ過により、触媒と生成したポリグリコールエーテル
類を除去することを特徴とする脂肪アルコールポリアル
キレングリコールエーテル類の製法が記載されている。
また、特開平7−41446号公報には、多価アルコー
ルとグリシジルエーテルとを反応させ、反応液を中和し
た後、グリセリルエーテル化多価アルコールを溶解する
溶媒と水を加えて常圧下又は減圧下で蒸留することによ
り、未反応の多価アルコール及び中和塩を除去して高品
質のグリセリルエーテル化多価アルコールを得る製造方
法が記載されている。更に、特開平5−208142号
公報には、残存する塩基性アルカリ土類触媒を含有する
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル生成物から塩基
性アルカリ土類触媒を除去する方法において、塩基性ア
ルカリ土類触媒を含有するポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル生成物に酸性白土を加えて撹拌処理後、12
0℃で30分間、20mmHgにまで減圧処理してポリ
オキシアルキレンアルキルエーテルから塩基性アルカリ
土類触媒を除去する方法が記載されている。
は、反応混合物中における不溶性触媒の存在下、脂肪ア
ルコールをアルコキシル化することにより改良されたろ
過性を有する脂肪アルコールポリアルキレングリコール
エーテル類の製法において、特定の脂肪アルコールを層
状化合物(ハイドロタルサイト)の存在下、脂肪アルコ
ール1モルにつき平均1〜20モルのエチレンオキシド
及び/又はプロピレンオキシドと反応させ、その反応生
成物に水とろ過助剤を添加し、高温及び/又は高圧下で
のろ過により、触媒と生成したポリグリコールエーテル
類を除去することを特徴とする脂肪アルコールポリアル
キレングリコールエーテル類の製法が記載されている。
また、特開平7−41446号公報には、多価アルコー
ルとグリシジルエーテルとを反応させ、反応液を中和し
た後、グリセリルエーテル化多価アルコールを溶解する
溶媒と水を加えて常圧下又は減圧下で蒸留することによ
り、未反応の多価アルコール及び中和塩を除去して高品
質のグリセリルエーテル化多価アルコールを得る製造方
法が記載されている。更に、特開平5−208142号
公報には、残存する塩基性アルカリ土類触媒を含有する
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル生成物から塩基
性アルカリ土類触媒を除去する方法において、塩基性ア
ルカリ土類触媒を含有するポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル生成物に酸性白土を加えて撹拌処理後、12
0℃で30分間、20mmHgにまで減圧処理してポリ
オキシアルキレンアルキルエーテルから塩基性アルカリ
土類触媒を除去する方法が記載されている。
【0006】しかしながら、上記特表平6−50598
6号公報に記載される内容は、反応生成物に水とろ過助
剤を添加し、高温及び/又は高圧下でのろ過により、触
媒と生成したポリグリコールエーテル類を分離除去する
ものであるので、本発明とは技術思想が異なるものであ
る。また、特開平7−41446号公報及び特開平5−
208142号公報に記載される内容は、減圧下で処理
する点で本発明と若干共通するとこもあるが、減圧速度
に関しては何等記載乃至示唆もなく、本発明とは技術思
想が異なるものであることは明らかである。
6号公報に記載される内容は、反応生成物に水とろ過助
剤を添加し、高温及び/又は高圧下でのろ過により、触
媒と生成したポリグリコールエーテル類を分離除去する
ものであるので、本発明とは技術思想が異なるものであ
る。また、特開平7−41446号公報及び特開平5−
208142号公報に記載される内容は、減圧下で処理
する点で本発明と若干共通するとこもあるが、減圧速度
に関しては何等記載乃至示唆もなく、本発明とは技術思
想が異なるものであることは明らかである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、原
料や触媒の種類、反応条件等により低沸点化合物含有量
や物理化学的性質、界面特性等が異なっていても、活性
水素原子含有化合物及び/又は脂肪酸アルキルエステル
にアルキレンオキサイドを付加反応させて得られる反応
粗製物から効率よく、かつ、汎用性の高いアルキレンオ
キサイド付加体から低沸点化合物を除去する方法を提供
することにある。
課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、原
料や触媒の種類、反応条件等により低沸点化合物含有量
や物理化学的性質、界面特性等が異なっていても、活性
水素原子含有化合物及び/又は脂肪酸アルキルエステル
にアルキレンオキサイドを付加反応させて得られる反応
粗製物から効率よく、かつ、汎用性の高いアルキレンオ
キサイド付加体から低沸点化合物を除去する方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決すべく、鋭意研究した結果、減圧処理の際に、
製造トラブルを起こさないような好適な減圧速度は、反
応粗製物の特定の物性値との間に相関関係があることを
知見し、本発明を完成するに至ったのである。すなわ
ち、本発明のアルキレンオキサイド付加体から低沸点化
合物を除去する方法は、活性水素原子含有化合物及び/
又は脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを
付加反応させて得られる反応粗製物から残存する低沸点
化合物を除去する際に、反応粗製物の泡膜の安定性に関
する特性値と減圧速度との相関関係から、下記式(I)
で表される減圧速度(p)を設定し、反応粗製物を、該
減圧速度(p)の設定値±40%の範囲の減圧速度で、
減圧処理することにより低沸点化合物を除去することを
特徴とする。
題を解決すべく、鋭意研究した結果、減圧処理の際に、
製造トラブルを起こさないような好適な減圧速度は、反
応粗製物の特定の物性値との間に相関関係があることを
知見し、本発明を完成するに至ったのである。すなわ
ち、本発明のアルキレンオキサイド付加体から低沸点化
合物を除去する方法は、活性水素原子含有化合物及び/
又は脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを
付加反応させて得られる反応粗製物から残存する低沸点
化合物を除去する際に、反応粗製物の泡膜の安定性に関
する特性値と減圧速度との相関関係から、下記式(I)
で表される減圧速度(p)を設定し、反応粗製物を、該
減圧速度(p)の設定値±40%の範囲の減圧速度で、
減圧処理することにより低沸点化合物を除去することを
特徴とする。
【数2】
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。本発明のアルキレンオキサイド付加体か
ら低沸点化合物を除去する方法は、活性水素原子含有化
合物及び/又は脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオ
キサイドを付加反応させて得られる反応粗製物から残存
する低沸点化合物を除去する際に、反応粗製物の泡膜の
安定性に関する特性値と減圧速度との相関関係から、上
記式(I)で表される減圧速度(p)を設定し、反応粗
製物を、該減圧速度(p)の設定値±40%の範囲の減
圧速度で、減圧処理することにより低沸点化合物を除去
することを特徴とするものである。
細に説明する。本発明のアルキレンオキサイド付加体か
ら低沸点化合物を除去する方法は、活性水素原子含有化
合物及び/又は脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオ
キサイドを付加反応させて得られる反応粗製物から残存
する低沸点化合物を除去する際に、反応粗製物の泡膜の
安定性に関する特性値と減圧速度との相関関係から、上
記式(I)で表される減圧速度(p)を設定し、反応粗
製物を、該減圧速度(p)の設定値±40%の範囲の減
圧速度で、減圧処理することにより低沸点化合物を除去
することを特徴とするものである。
【0010】上記泡膜安定性定数λの測定法は、以下の
ようにして算出した。泡膜の安定性に関する特性値の測
定方法は、図1(a)及び(b)に示すように、予め、
液膜と接する気相の温度42℃、相対湿度20%、風に
よる揺らぎの影響を排除するため防風箱1の中で、10
0±0.5℃に温調された容器2中の反応粗製物3に長
方形型白金フレーム4(w×h=3×2.5cm、太さd
=0.45mm)を垂直に浸し、液面3aに対して垂直に
引き上げる。なお、図示符号6は温度調整ヒーターであ
る。引き上げには、z軸パルスモーター5〔中央精機
(株)製「PSU−60」〕を用いて、速度1cm/se
c一定とし、このときフレーム4にできる反応粗製物の
液膜3bが破れるまでの時間を測定し、下式より破断長
を算出した。 破断長(mm)=液膜が破れるまでの時間(sec)×引き上げ
速度(10mm/sec)
ようにして算出した。泡膜の安定性に関する特性値の測
定方法は、図1(a)及び(b)に示すように、予め、
液膜と接する気相の温度42℃、相対湿度20%、風に
よる揺らぎの影響を排除するため防風箱1の中で、10
0±0.5℃に温調された容器2中の反応粗製物3に長
方形型白金フレーム4(w×h=3×2.5cm、太さd
=0.45mm)を垂直に浸し、液面3aに対して垂直に
引き上げる。なお、図示符号6は温度調整ヒーターであ
る。引き上げには、z軸パルスモーター5〔中央精機
(株)製「PSU−60」〕を用いて、速度1cm/se
c一定とし、このときフレーム4にできる反応粗製物の
液膜3bが破れるまでの時間を測定し、下式より破断長
を算出した。 破断長(mm)=液膜が破れるまでの時間(sec)×引き上げ
速度(10mm/sec)
【0011】また、この値を0〜1の値を取る泡膜安定
性定数λに下記の(II)式で変換した。ここで、λは、
λ=1:水、λ=0:膜が壊れない(破断長∞)とし
て、この値を下記式(II)のように設定した。 破断長;4mmのとき泡膜安定性定数λ=1 (水) 6mm λ=0.9 9mm λ=0.8 15mm λ=0.5 40mm λ=0.2 λ=1.143e-0.0446x ………(II) (λ:泡膜安定性定数、x;破断長)
性定数λに下記の(II)式で変換した。ここで、λは、
λ=1:水、λ=0:膜が壊れない(破断長∞)とし
て、この値を下記式(II)のように設定した。 破断長;4mmのとき泡膜安定性定数λ=1 (水) 6mm λ=0.9 9mm λ=0.8 15mm λ=0.5 40mm λ=0.2 λ=1.143e-0.0446x ………(II) (λ:泡膜安定性定数、x;破断長)
【0012】泡膜の安定性に関する特性値として、上記
破断長又は泡膜安定性定数を利用できる。以下、泡膜安
定性定数を例として説明する。なお、測定温度は、上記
温度に限定されず、減圧処理の温度の範囲であればよい
がアルキレンオキサイド付加体の種類により、揮発性成
分が蒸発するケースもあるので、種々の反応粗製物に適
用できるようにするため、上記温度が好ましい。反応粗
製物の泡膜安定性定数と減圧速度との下記式(I)の相
関関係式が実験により求められた。すなわち、種々の反
応粗製物の泡膜安定性定数を測定する一方、種々の粗製
物について液飛散トラブルの発生しない減圧測定の範囲
を求めることにより、泡膜安定性定数とこの減圧速度と
の相関から下記(I)式が求められることとなる。
破断長又は泡膜安定性定数を利用できる。以下、泡膜安
定性定数を例として説明する。なお、測定温度は、上記
温度に限定されず、減圧処理の温度の範囲であればよい
がアルキレンオキサイド付加体の種類により、揮発性成
分が蒸発するケースもあるので、種々の反応粗製物に適
用できるようにするため、上記温度が好ましい。反応粗
製物の泡膜安定性定数と減圧速度との下記式(I)の相
関関係式が実験により求められた。すなわち、種々の反
応粗製物の泡膜安定性定数を測定する一方、種々の粗製
物について液飛散トラブルの発生しない減圧測定の範囲
を求めることにより、泡膜安定性定数とこの減圧速度と
の相関から下記(I)式が求められることとなる。
【数3】
【0013】本発明では、減圧処理の際の減圧速度
(p)をp±40%(=0.6p〜1.4p)の範囲、
すなわち、p=A1eA2λ±40%、好ましくは、p=
A1eA2λp±30%の範囲とすることにより、反応粗
製物から低沸点化合物を効率よく除去することができる
こととなる。ここで、A1、A2は、夫々使用する活性水
素原子含有化合物、脂肪酸アルキルエステル及びアルキ
レンオキサイドの種類、温度、アルキレンオキサイドの
付加モル数(分子量)、アルキレンオキサイドのブロッ
ク付加体又はランダム付加体及びランダム−ブロック付
加体やブロック−ランダム付加体等の組合わせ等により
実験により定まる定数(数値)であり、アルキレンオキ
サイドとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イドを使用した場合には、A1=3.9264、A2=
3.7794の一定値となり、この場合の減圧速度
(p)は、 p=3.9264e3.7794λ ±40% ………(I´) となる。減圧速度(p)が+40%を越えると、減圧処
理操作中に反応粗製物が、真空系への液留出トラブルに
よる汚染の問題を引き起こすため好ましくない。また、
−40%未満では上記トラブルは発生しないが、減圧処
理に長時間要するので経済的でない。
(p)をp±40%(=0.6p〜1.4p)の範囲、
すなわち、p=A1eA2λ±40%、好ましくは、p=
A1eA2λp±30%の範囲とすることにより、反応粗
製物から低沸点化合物を効率よく除去することができる
こととなる。ここで、A1、A2は、夫々使用する活性水
素原子含有化合物、脂肪酸アルキルエステル及びアルキ
レンオキサイドの種類、温度、アルキレンオキサイドの
付加モル数(分子量)、アルキレンオキサイドのブロッ
ク付加体又はランダム付加体及びランダム−ブロック付
加体やブロック−ランダム付加体等の組合わせ等により
実験により定まる定数(数値)であり、アルキレンオキ
サイドとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イドを使用した場合には、A1=3.9264、A2=
3.7794の一定値となり、この場合の減圧速度
(p)は、 p=3.9264e3.7794λ ±40% ………(I´) となる。減圧速度(p)が+40%を越えると、減圧処
理操作中に反応粗製物が、真空系への液留出トラブルに
よる汚染の問題を引き起こすため好ましくない。また、
−40%未満では上記トラブルは発生しないが、減圧処
理に長時間要するので経済的でない。
【0014】なお、減圧速度をpとすると減圧処理は、
下記式(III)に従うこととなる。この式から減圧時間t
が求められる。 Pe=−p*t+Ps ………(III) Pe:減圧後の到達圧力 Ps:付加反応終了後(減圧処理前)の反応器内圧力 t:時間 また、上記式(I)において、A1、A2は、使用する活
性水素原子含有化合物、脂肪酸アルキルエステル及びア
ルキレンオキサイドの種類等により定まる定数(予め設
定される一定値)であるので、使用する活性水素原子含
有化合物、脂肪酸アルキルエステル及びアルキレンオキ
サイド等を特定すれば、上記式(I)に基づいて当該減
圧速度(p)を簡単に算出でき、これに基づく、適正な
減圧処理により、活性水素原子含有化合物又は脂肪酸ア
ルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加反応させ
て得られる反応粗製物から残存する低沸点化合物を効率
よく除去することができることとなる。更に、上記減圧
処理中に、低沸点化合物を効率よく除去するために、必
要により少量の不活性ガスや有機溶媒及び水蒸気を導入
することもできる。
下記式(III)に従うこととなる。この式から減圧時間t
が求められる。 Pe=−p*t+Ps ………(III) Pe:減圧後の到達圧力 Ps:付加反応終了後(減圧処理前)の反応器内圧力 t:時間 また、上記式(I)において、A1、A2は、使用する活
性水素原子含有化合物、脂肪酸アルキルエステル及びア
ルキレンオキサイドの種類等により定まる定数(予め設
定される一定値)であるので、使用する活性水素原子含
有化合物、脂肪酸アルキルエステル及びアルキレンオキ
サイド等を特定すれば、上記式(I)に基づいて当該減
圧速度(p)を簡単に算出でき、これに基づく、適正な
減圧処理により、活性水素原子含有化合物又は脂肪酸ア
ルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加反応させ
て得られる反応粗製物から残存する低沸点化合物を効率
よく除去することができることとなる。更に、上記減圧
処理中に、低沸点化合物を効率よく除去するために、必
要により少量の不活性ガスや有機溶媒及び水蒸気を導入
することもできる。
【0015】減圧後の到達圧力(Pe)は、アルキレン
オキサイド付加体<反応粗製物>により異なるが、好まし
くは、5〜200Torrの範囲であり、特に好ましくは、
10〜100Torrの範囲である。なお、200Torrを越
えると、低沸点化合物の除去が不十分な場合がある。ま
た、付加反応終了後(減圧処理前)の反応器内圧力Ps
は、1〜10atmであり、温度は、50〜190℃と
なることが好ましい。到達圧力(Pe)に到達後の減圧
時間は、0〜60分、好ましくは、0〜30分の範囲で
ある。更に、反応粗製物の泡膜安定性定数λが、0.8
未満の場合、泡膜が安定で、破泡されにくいため本発明
の効果が顕著となる。
オキサイド付加体<反応粗製物>により異なるが、好まし
くは、5〜200Torrの範囲であり、特に好ましくは、
10〜100Torrの範囲である。なお、200Torrを越
えると、低沸点化合物の除去が不十分な場合がある。ま
た、付加反応終了後(減圧処理前)の反応器内圧力Ps
は、1〜10atmであり、温度は、50〜190℃と
なることが好ましい。到達圧力(Pe)に到達後の減圧
時間は、0〜60分、好ましくは、0〜30分の範囲で
ある。更に、反応粗製物の泡膜安定性定数λが、0.8
未満の場合、泡膜が安定で、破泡されにくいため本発明
の効果が顕著となる。
【0016】本発明のアルキレンオキサイド付加物の製
造に用いられる活性水素含有化合物としては、アルコキ
シル化されるものなら特に限定されるものでなく、アル
コール類、ポリオール類、アミン類、アルカノールアミ
ド類等が挙げられ、それぞれ単独又は2種以上混合物と
して用いることができる。アルコール類としては、例え
ば、n−オクタノール、n−デカノール、n−ドデカノ
ール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、
n−オクタデカノール、オレイルアルコール、エトコサ
ノール、ベヘノール、ノナノール、ウンデカノール、ト
リデカノール等の炭素数8〜22の飽和又は不飽和の直
鎖アルキル基を有する高級脂肪族第1級アルコール、ま
たは、炭素数16〜36のゲルベ型アルコール等の分岐
鎖アルキル第1級アルコール、及び2−メチル、1−ド
デカノール、2−メチル、1−デカノール等の炭素数1
1〜23のオキソアルコール等の分岐鎖アルキル第1級
アルコール、さらに2−オクタノール、2−デカノー
ル、2−ドデカノール等の第2級アルコール、さらに、
ベンジルアルコール、2−オクチルドデシルアルコール
等が挙げられる。ポリオール類としては、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。アミ
ン類としては、例えば、オクチルアミン、ジオクチルア
ミン、ラウリルアミン、ジラウリルアミン、ステアリル
アミン、ジステアリルアミン等の炭素数8〜36の飽和
又は不飽和アルキル基を有する第一級又は第二級アミ
ン、またエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の
ポリアミンなどが挙げられる。アルカノールアミドとし
ては、例えば、ラウリルモノエタノールアミド、ラウリ
ルジエタノールアミド等が挙げられる。これらの活性水
素含有化合物の中で、炭素数8〜22の直鎖又は分岐の
飽和又は不飽和のアルコール及び/又はポリオール類な
どが特に好ましい。
造に用いられる活性水素含有化合物としては、アルコキ
シル化されるものなら特に限定されるものでなく、アル
コール類、ポリオール類、アミン類、アルカノールアミ
ド類等が挙げられ、それぞれ単独又は2種以上混合物と
して用いることができる。アルコール類としては、例え
ば、n−オクタノール、n−デカノール、n−ドデカノ
ール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、
n−オクタデカノール、オレイルアルコール、エトコサ
ノール、ベヘノール、ノナノール、ウンデカノール、ト
リデカノール等の炭素数8〜22の飽和又は不飽和の直
鎖アルキル基を有する高級脂肪族第1級アルコール、ま
たは、炭素数16〜36のゲルベ型アルコール等の分岐
鎖アルキル第1級アルコール、及び2−メチル、1−ド
デカノール、2−メチル、1−デカノール等の炭素数1
1〜23のオキソアルコール等の分岐鎖アルキル第1級
アルコール、さらに2−オクタノール、2−デカノー
ル、2−ドデカノール等の第2級アルコール、さらに、
ベンジルアルコール、2−オクチルドデシルアルコール
等が挙げられる。ポリオール類としては、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。アミ
ン類としては、例えば、オクチルアミン、ジオクチルア
ミン、ラウリルアミン、ジラウリルアミン、ステアリル
アミン、ジステアリルアミン等の炭素数8〜36の飽和
又は不飽和アルキル基を有する第一級又は第二級アミ
ン、またエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の
ポリアミンなどが挙げられる。アルカノールアミドとし
ては、例えば、ラウリルモノエタノールアミド、ラウリ
ルジエタノールアミド等が挙げられる。これらの活性水
素含有化合物の中で、炭素数8〜22の直鎖又は分岐の
飽和又は不飽和のアルコール及び/又はポリオール類な
どが特に好ましい。
【0017】本発明で用いるアルキレンオキサイドとし
ては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが好ましい
ものとして挙げられる。具体的には、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどで
あり、これらは一種又は二種以上の混合物として用いる
ことができる。本発明では、活性水素含有化合物及び/
又は脂肪酸アルキルエステル1モル当たり、1〜300
モルのアルキレンオキサイドを付加させたものが好まし
い。
ては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが好ましい
ものとして挙げられる。具体的には、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどで
あり、これらは一種又は二種以上の混合物として用いる
ことができる。本発明では、活性水素含有化合物及び/
又は脂肪酸アルキルエステル1モル当たり、1〜300
モルのアルキレンオキサイドを付加させたものが好まし
い。
【0018】本発明では、アルキレンオキサイド付加体
の反応粗製物を製造する際に、アルコキシル化触媒とし
て、以下の触媒を使用することができる。塩基性触媒と
しては、例えば、アルカリ金属単体、アルカリ金属水素
化合物、アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属水酸
化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類カルボキシレ
ート及び三級アミン等が挙げられる。これらのうち好ま
しいものは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、カリ
ウムアルコラート、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム等
である。焼成ハイドロタルサイトとしては、特開平2−
71841号公報、特表平6−505986号公報、疎
水化二層水酸化化合物触媒、特表平6−505954号
公報などが例示できる。また、MgOを主成分とする非
層状アルコキシル化触媒としては、MgO系複合酸化物
が好ましく、特に好ましくは金属イオン添加酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム・マグネシウム焼成物及び
それらの表面改質物から選択される一種又は二種以上の
非層状化合物である。ここで、金属イオン添加酸化マグ
ネシウムとしては、特公平6−15038号公報、特開
平7−227540号公報、同6−198169号公
報、同6−182206号公報、同5−170688号
公報等に記載された公知のものが挙げられる。
の反応粗製物を製造する際に、アルコキシル化触媒とし
て、以下の触媒を使用することができる。塩基性触媒と
しては、例えば、アルカリ金属単体、アルカリ金属水素
化合物、アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属水酸
化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類カルボキシレ
ート及び三級アミン等が挙げられる。これらのうち好ま
しいものは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、カリ
ウムアルコラート、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム等
である。焼成ハイドロタルサイトとしては、特開平2−
71841号公報、特表平6−505986号公報、疎
水化二層水酸化化合物触媒、特表平6−505954号
公報などが例示できる。また、MgOを主成分とする非
層状アルコキシル化触媒としては、MgO系複合酸化物
が好ましく、特に好ましくは金属イオン添加酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム・マグネシウム焼成物及び
それらの表面改質物から選択される一種又は二種以上の
非層状化合物である。ここで、金属イオン添加酸化マグ
ネシウムとしては、特公平6−15038号公報、特開
平7−227540号公報、同6−198169号公
報、同6−182206号公報、同5−170688号
公報等に記載された公知のものが挙げられる。
【0019】更に、水酸化アルミニウム・マグネシウム
焼成物としては、例えば、特願平7−94417号明細
書に記載のものが挙げられる。具体的には、nMgO・
Al2 O3 ・mH2 O(n:特に限定されないが、2.5
程度が好適、m:特に限定されない)で表わされる水酸
化アルミニウムと水酸化マグネシウムの共沈物であり、
焼成によりA1−Mg系複合酸化物となる。この焼成温
度は400〜950℃が好ましく、より好ましくは40
0〜700℃である。更にまた、金属イオン添加酸化マ
グネシウム、及び水酸化アルミニウム・マグネシウム焼
成物の表面改質物としては、特願平6−334781号
公報、同6−334782号公報に記載のものが挙げら
れる。具体的には、上記水酸化アルミニウム・マグネシ
ウム焼成物を金属水酸化物または金属アルコキシドで表
面改質して、改質焼成水酸化アルミナ・マグネシウム触
媒等が挙げられる。この金属水酸化物としては、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、
より好ましくは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウ
ムである。金属アルコキシドとしては、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属のアルコキシドが好ましく、より
好ましくはナトリウムアルコキシドまたはカリウムアル
コキシドである。複合金属シアン化物錯体触媒として
は、特開平3−122119号公報、特開平2−276
821号公報、特開平3−255126号公報、特開平
4−28718号公報などに記載のものが挙げられる。
セシウム化合物触媒としては、特開平8−157590
号公報、特開平6−179748号公報、特開平9−1
94589号公報などに記載のものが挙げられる。これ
らのアルコキシル化触媒の使用量は、反応に供されるア
ルキレンオキサイドと活性水素原子含有化合物等原料の
種類、付加モル数によっても異なるが、当該原料の0.
01〜10重量%が好ましい。
焼成物としては、例えば、特願平7−94417号明細
書に記載のものが挙げられる。具体的には、nMgO・
Al2 O3 ・mH2 O(n:特に限定されないが、2.5
程度が好適、m:特に限定されない)で表わされる水酸
化アルミニウムと水酸化マグネシウムの共沈物であり、
焼成によりA1−Mg系複合酸化物となる。この焼成温
度は400〜950℃が好ましく、より好ましくは40
0〜700℃である。更にまた、金属イオン添加酸化マ
グネシウム、及び水酸化アルミニウム・マグネシウム焼
成物の表面改質物としては、特願平6−334781号
公報、同6−334782号公報に記載のものが挙げら
れる。具体的には、上記水酸化アルミニウム・マグネシ
ウム焼成物を金属水酸化物または金属アルコキシドで表
面改質して、改質焼成水酸化アルミナ・マグネシウム触
媒等が挙げられる。この金属水酸化物としては、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、
より好ましくは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウ
ムである。金属アルコキシドとしては、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属のアルコキシドが好ましく、より
好ましくはナトリウムアルコキシドまたはカリウムアル
コキシドである。複合金属シアン化物錯体触媒として
は、特開平3−122119号公報、特開平2−276
821号公報、特開平3−255126号公報、特開平
4−28718号公報などに記載のものが挙げられる。
セシウム化合物触媒としては、特開平8−157590
号公報、特開平6−179748号公報、特開平9−1
94589号公報などに記載のものが挙げられる。これ
らのアルコキシル化触媒の使用量は、反応に供されるア
ルキレンオキサイドと活性水素原子含有化合物等原料の
種類、付加モル数によっても異なるが、当該原料の0.
01〜10重量%が好ましい。
【0020】本発明の反応は、周知の操作手順及び反応
条件下で容易に行うことができる。反応温度としては、
例えば、80〜230℃である。また、反応圧力は、反
応温度にもよるが10Torr〜20atm、好ましくは、
10Torr〜10atmであり、必要により窒素希釈した
条件下でアルキレンオキサイドを付加反応させることも
できる。
条件下で容易に行うことができる。反応温度としては、
例えば、80〜230℃である。また、反応圧力は、反
応温度にもよるが10Torr〜20atm、好ましくは、
10Torr〜10atmであり、必要により窒素希釈した
条件下でアルキレンオキサイドを付加反応させることも
できる。
【0021】以上のとおり、本発明では、例えば、オー
トクレーブ中に活性水素含有化合物等とアルコキシル化
触媒とを仕込み、窒素雰囲気下、脱水操作後、所定の温
度、圧力条件下でアルキレンオキサイドを導入して反応
を完結させた後、上記(1)により算出した減圧速度で
減圧処理して、低沸点化合物を除去することとなる。そ
の後、冷却し、公知の分離・精製法により精製されたア
ルキレンオキシド付加体を得ることができる。
トクレーブ中に活性水素含有化合物等とアルコキシル化
触媒とを仕込み、窒素雰囲気下、脱水操作後、所定の温
度、圧力条件下でアルキレンオキサイドを導入して反応
を完結させた後、上記(1)により算出した減圧速度で
減圧処理して、低沸点化合物を除去することとなる。そ
の後、冷却し、公知の分離・精製法により精製されたア
ルキレンオキシド付加体を得ることができる。
【0022】
【実施例】以下に、実施例及び比較例により本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0023】(実施例1)反応缶に活性水素含有化合物
として、ステアリルアルコール(MW=267.2)2021.9Kg、塩
基性触媒として40%KOH 124.4Kgを仕込み、常法に
より窒素置換後、触媒中の水分を110℃、30Torr以下、3
0分間保持して脱水した。次いで、攪拌しながら同温度
を維持しながらモノエポキサイドとしてプロピレンオキ
サイド7928.0Kgを付加反応させた。この反応粗製物を別
の反応缶に2270.0Kg、塩基性触媒として40%KOH5
6.9kgを仕込み、常法によりプロピレンオキサイド700
7.0Kg付加反応させたのち、エチレンオキサイド700Kgを
付加反応を完結させた。粗製物の破断長は、9mmで、
泡膜安定性定数は、λ=0.8であった。従って、上記
式(I)から減圧速度を算出すると、80.7Torr/m
inとなるので、減圧速度は、48.4〜113Torr/m
in.の範囲となる。減圧速度を50Torr/minに制御して
圧力30Torrまで減圧にして低沸点化合物を除去した。
このとき、真空系への液飛散量は1.3Kgと極めて少な
かった。
として、ステアリルアルコール(MW=267.2)2021.9Kg、塩
基性触媒として40%KOH 124.4Kgを仕込み、常法に
より窒素置換後、触媒中の水分を110℃、30Torr以下、3
0分間保持して脱水した。次いで、攪拌しながら同温度
を維持しながらモノエポキサイドとしてプロピレンオキ
サイド7928.0Kgを付加反応させた。この反応粗製物を別
の反応缶に2270.0Kg、塩基性触媒として40%KOH5
6.9kgを仕込み、常法によりプロピレンオキサイド700
7.0Kg付加反応させたのち、エチレンオキサイド700Kgを
付加反応を完結させた。粗製物の破断長は、9mmで、
泡膜安定性定数は、λ=0.8であった。従って、上記
式(I)から減圧速度を算出すると、80.7Torr/m
inとなるので、減圧速度は、48.4〜113Torr/m
in.の範囲となる。減圧速度を50Torr/minに制御して
圧力30Torrまで減圧にして低沸点化合物を除去した。
このとき、真空系への液飛散量は1.3Kgと極めて少な
かった。
【0024】(実施例2)反応缶に活性水素含有化合物
として、グリセリン(MW=92.08)1283.1Kg、塩基性触媒と
して40%KOH 50.0Kgを仕込み、常法により窒素置
換後、触媒中の水分を115℃、30Torr以下、30分間保持
して脱水した。次いで、攪拌しながら同温度を維持しな
がらモノエポキサイドとしてプロピレンオキサイド869
6.9Kgを付加反応させた。粗製物の破断長は、4mm
で、泡膜安定性定数は、λ=1であった。従って、上記
式(I)から減圧速度を算出すると、171.9Torr
/min.となるので、減圧速度は、103.1〜240.
7Torr/min.の範囲となる。減圧速度を150Torr/mi
nに制御して圧力10Torrまで減圧にして低沸点化合物
を除去した。このとき、真空系への液飛散量は0.7Kgと
極めて少なかった。
として、グリセリン(MW=92.08)1283.1Kg、塩基性触媒と
して40%KOH 50.0Kgを仕込み、常法により窒素置
換後、触媒中の水分を115℃、30Torr以下、30分間保持
して脱水した。次いで、攪拌しながら同温度を維持しな
がらモノエポキサイドとしてプロピレンオキサイド869
6.9Kgを付加反応させた。粗製物の破断長は、4mm
で、泡膜安定性定数は、λ=1であった。従って、上記
式(I)から減圧速度を算出すると、171.9Torr
/min.となるので、減圧速度は、103.1〜240.
7Torr/min.の範囲となる。減圧速度を150Torr/mi
nに制御して圧力10Torrまで減圧にして低沸点化合物
を除去した。このとき、真空系への液飛散量は0.7Kgと
極めて少なかった。
【0025】(実施例3)反応缶に活性水素含有化合物
として、ジエチレングリコール(MW=106.12)2650Kg、塩
基性触媒として30%NaOH 16.7Kgを仕込み、常法
により窒素置換後、触媒中の水分を120℃、30Torr以
下、30分間保持して脱水した。次いで、攪拌しながら温
度140℃に維持しながらモノエポキサイドとしてエチレ
ンオキサイド7350Kgを付加反応させた。次に、粗製物の
破断長を測定したところ19mmであった。このときの
泡膜安定性定数は、λ=0.49であった。従って、上
記式(1)から減圧速度を算出すると、25.0Torr
/min.となるので、減圧速度は15〜35Torr/min.の
範囲となる。減圧速度を35Torr/minに制御して圧力2
0Torrまで減圧にして低沸点化合物を除去した。このと
き、真空系への液飛散量は1.2Kgと極めて少なかった。
として、ジエチレングリコール(MW=106.12)2650Kg、塩
基性触媒として30%NaOH 16.7Kgを仕込み、常法
により窒素置換後、触媒中の水分を120℃、30Torr以
下、30分間保持して脱水した。次いで、攪拌しながら温
度140℃に維持しながらモノエポキサイドとしてエチレ
ンオキサイド7350Kgを付加反応させた。次に、粗製物の
破断長を測定したところ19mmであった。このときの
泡膜安定性定数は、λ=0.49であった。従って、上
記式(1)から減圧速度を算出すると、25.0Torr
/min.となるので、減圧速度は15〜35Torr/min.の
範囲となる。減圧速度を35Torr/minに制御して圧力2
0Torrまで減圧にして低沸点化合物を除去した。このと
き、真空系への液飛散量は1.2Kgと極めて少なかった。
【0026】(比較例1)減圧速度を150Torr/minに
した以外、実施例1と同様にして反応粗製物から低沸点
化合物を除去する操作を行った。到達真空度が30Torr
に達する前(反応缶圧力730Torr)に、系外への液流失
が真空系ラインの覗き窓で目視により確認されたので減
圧操作を停止させた。このとき、反応粗製物を含有する
液飛散量は8.7Kgと実施例1に比べて多かった。(実
施例1と同様に到達真空度30Torrまで減圧操作を継続
させた場合には、多量の反応粗製物が系外に流失するこ
とは容易に予測される。)
した以外、実施例1と同様にして反応粗製物から低沸点
化合物を除去する操作を行った。到達真空度が30Torr
に達する前(反応缶圧力730Torr)に、系外への液流失
が真空系ラインの覗き窓で目視により確認されたので減
圧操作を停止させた。このとき、反応粗製物を含有する
液飛散量は8.7Kgと実施例1に比べて多かった。(実
施例1と同様に到達真空度30Torrまで減圧操作を継続
させた場合には、多量の反応粗製物が系外に流失するこ
とは容易に予測される。)
【0027】(比較例2)実施例1と同様にして反応粗
製物を得た。次に、減圧速度を20Torr/minに制御して
圧力30Torrまで減圧にして低沸点化合物を除去した。
このとき、真空系への液飛散量は0.5Kgと極めて少
なかったが、到達真空度に達する時間135.8分と長
時間要した。(実施例1の3.5倍)
製物を得た。次に、減圧速度を20Torr/minに制御して
圧力30Torrまで減圧にして低沸点化合物を除去した。
このとき、真空系への液飛散量は0.5Kgと極めて少
なかったが、到達真空度に達する時間135.8分と長
時間要した。(実施例1の3.5倍)
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、原料や触媒の種類、反
応条件等により低沸点化合物含有量や物理化学的性質、
界面特性等が異なっていても、活性水素原子含有化合物
及び/又は脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサ
イドを付加反応させて得られる反応粗製物から効率よ
く、かつ、汎用性が極めて高いアルキレンオキサイド付
加体から低沸点化合物を除去する方法が提供される。
応条件等により低沸点化合物含有量や物理化学的性質、
界面特性等が異なっていても、活性水素原子含有化合物
及び/又は脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサ
イドを付加反応させて得られる反応粗製物から効率よ
く、かつ、汎用性が極めて高いアルキレンオキサイド付
加体から低沸点化合物を除去する方法が提供される。
【図1】(a)及び(b)は、泡膜の安定性に関する特
性値の測定方法を説明するための説明図である。
性値の測定方法を説明するための説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 裕次 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 活性水素原子含有化合物及び/又は脂肪
酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加反応
させて得られる反応粗製物から残存する低沸点化合物を
除去する際に、反応粗製物の泡膜の安定性に関する特性
値と減圧速度との相関関係から、下記式(I)で表され
る減圧速度(p)を設定し、反応粗製物を、該減圧速度
(p)の設定値±40%の範囲の減圧速度で、減圧処理
することにより低沸点化合物を除去することを特徴とす
るアルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去
する方法。 【数1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28183397A JPH11116669A (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | アルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28183397A JPH11116669A (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | アルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11116669A true JPH11116669A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17644652
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28183397A Pending JPH11116669A (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | アルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11116669A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009227978A (ja) * | 2008-02-28 | 2009-10-08 | Sanyo Chem Ind Ltd | ポリオキシアルキレンアルコールの製造方法 |
JP2009286963A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Sanyo Chem Ind Ltd | ポリオキシアルキレンアルコールの製造方法 |
-
1997
- 1997-10-15 JP JP28183397A patent/JPH11116669A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009227978A (ja) * | 2008-02-28 | 2009-10-08 | Sanyo Chem Ind Ltd | ポリオキシアルキレンアルコールの製造方法 |
JP2009286963A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Sanyo Chem Ind Ltd | ポリオキシアルキレンアルコールの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1157052A (en) | Inorganic catalyst for alkoxylation of alcohols | |
JP2525430B2 (ja) | 水性組成物用抑泡剤 | |
JP2693968B2 (ja) | ヒドロキシエーテルおよびその製法と用途 | |
JP3174479B2 (ja) | 活性水素を有する化合物のアルキレンオキサイド付加物の製造方法 | |
CA3015884A1 (en) | Processing of alkali-catalysed alkoxylation products | |
JP4792858B2 (ja) | ポリグリセリン誘導体及びこれを含む界面活性剤 | |
JPS5933022B2 (ja) | 反応性水素化合物のオキシアルキル化用触媒の製造方法 | |
EP0115084A2 (en) | Process for preparing nonionic surfactants by oxyalkylation with promoted barium catalysts | |
JP6028017B2 (ja) | アルコキシル化触媒、前記触媒の製造方法、及び前記触媒を用いた脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートの製造方法 | |
JPH0135812B2 (ja) | ||
EP0138095B1 (en) | Method of alkoxylating fluorinated alcohols | |
CA1247649A (en) | Barium hydroxide/lower alcohol catalysts for oxyalkylation reactions | |
JP5531328B2 (ja) | アルキレンオキシド付加物の製造方法 | |
JPH11116669A (ja) | アルキレンオキサイド付加体から低沸点化合物を除去する方法 | |
JP4202756B2 (ja) | 流動性希土類アルコキシル化触媒の調製方法 | |
JPS61134335A (ja) | アルキレンオキサイド付加物の製造法 | |
US4329515A (en) | Catalyst removal from alcohol alkoxylates | |
JP5261940B2 (ja) | ポリグリセリン誘導体を含む界面活性剤 | |
EP1679300B1 (en) | Process for producing polyglycerol fatty acid esters | |
TWI659942B (zh) | 脂肪酸烷基酯烷氧基化物的製造方法 | |
JPH05287071A (ja) | 液状で水溶性のポリオキシアルキレンポリアミンの製造方法 | |
JP2005536348A (ja) | 炭酸塩からの希土類リン酸塩触媒の調製およびアルコキシ化反応におけるその使用 | |
JP6701209B2 (ja) | エトキシル化触媒及びその製造方法 | |
JP4081170B2 (ja) | アルキレンオキシド付加体組成物 | |
JP2739648B2 (ja) | ランタン系列の触媒を用いるアルコキシル化方法 |